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【発明の名称】 キャパシタ内蔵型配線回路板及びその製造方法
【発明者】 【氏名】佐伯 明子
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内

【要約】 【課題】内蔵するキャパシタを構成する電極間に存在する絶縁体層の厚みを均一にして、設計通りの容量を得る。

【解決手段】絶縁層12aと、この絶縁層12aの表面に設けられた第1電極13と、絶縁層の表面における第1電極13の周辺に設けられ、かつ第1電極13と導通しない独立パターン14と、第1電極13及び独立パターン14の絶縁層12aに対向しない面を共通に覆う誘電体層17と、この誘電体層17の第1電極13及び独立パターン14に対向しない面に設けられ、第1電極13と誘電体層17の一部とでキャパシタを構成する第2電極18とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体と、
この絶縁体の表面に設けられた第1電極と、
前記絶縁体の表面における前記第1電極の周辺に設けられ、かつ前記第1電極と導通しない独立パターンと、
前記第1電極及び前記独立パターンの前記絶縁体に対向しない面を共通に覆う誘電体層と、
この誘電体層の前記第1電極及び独立パターンに対向しない面に設けられ、前記第1電極と前記誘電体層の一部とでキャパシタを構成する第2電極と
を備えたことを特徴とするキャパシタ内蔵型配線回路板。
【請求項2】
絶縁体と、
この絶縁体の表面に設けられた配線パターンと、
前記絶縁体の表面に設けられた第1電極と、
前記絶縁体の表面における前記第1電極の周辺に設けられ、かつ前記第1電極と導通しない独立パターンと、
少なくとも前記第1電極及び前記独立パターンの前記絶縁体に対向しない面を共通に覆う誘電体層と、
この誘電体層の前記第1電極及び独立パターンに対向しない面に設けられ、前記第1電極と前記誘電体層の一部とでキャパシタを構成する第2電極と
を備えたことを特徴とするキャパシタ内蔵型配線回路板。
【請求項3】
前記配線パターン、前記第1電極及び前記各独立パターンは、同一材料で構成され、かつ同一厚みに形成されていることを特徴とする請求項2記載のキャパシタ内蔵型配線回路板。
【請求項4】
絶縁体の表面に、第1電極と、この第1電極の周辺でかつ前記第1電極と導通しない独立パターンとを形成するステップと、
前記第1電極及び前記独立パターンの前記絶縁体に対向しない面に、この面を共通に覆う誘電体層を形成するステップと、
この誘電体層の前記第1電極及び独立パターンに対向しない面に、前記第1電極と前記誘電体層の一部とでキャパシタを構成する第2電極を形成するステップと
を備えたことを特徴とするキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法。
【請求項5】
絶縁体の表面に、配線パターンと、第1電極と、この第1電極の周辺でかつ前記第1電極と導通しない独立パターンとを、同一材料でかつ同一厚みに形成するステップと、
前記第1電極及び前記独立パターンの前記絶縁体に対向しない面に、この面を共通に覆う誘電体層を形成するステップと、
この誘電体層の前記第1電極及び独立パターンに対向しない面に、前記第1電極と前記誘電体層の一部とでキャパシタを構成する第2電極を形成するステップと
を備えたことを特徴とするキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法。
【請求項6】
絶縁体の表面に、第1電極と、この第1電極の周辺でかつ前記第1電極と導通しない独立パターンとを形成した第1の回路基板を製造するステップと、
絶縁体の表面における、前記第1の回路基板の第1電極に対応する位置に第2電極を形成した第2の回路基板を製造するステップと、
前記製造された第1の回路基板と第2の回路基板とを、前記第1電極と前記第2電極とが互いに対向するように、かつ両回路基板間に誘電体層を介して接合して、前記第1電極と誘電体層の一部と第2電極とでキャパシタを構成するステップと
を備えたことを特徴とするキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路板内にキャパシタを組込んだキャパシタ内蔵型配線回路板及びそのキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、高密度化、高性能化が進んでいる。そして、電子機器内に組込まれる配線回路板も小型化、高密度化、高速化の要求が高まっており、それらの要求を満たした配線回路板が求められている。
【0003】
従来、配線回路板においては、半導体チップ、抵抗素子、キャパシタ、インダクタ等の部品が表面実装され、実装する部品を小型化することで配線回路板の小型化、高密度化の対応を図っている。
【0004】
しかしながら、表面実装だけでは限界があり、さらなる部品実装密度の向上が求められ、抵抗素子、キャパシタ、インダクタ等の部品を内蔵した部品内蔵の配線回路板の開発が進められている。
【0005】
配線回路板の内部にキャパシタを形成する手法として、配線回路板内部に誘電体層を設け、その誘電体層の両面に電極を形成する手法が、特許文献1に報告されている。
【0006】
この手法と別の配線回路板の内部にキャパシタを形成する手法を説明する。図8(a)に示すように、絶縁基板1上に、他の配線パターン3と共に、第1電極2を形成し、図8、(b)に示すように、この第1電極2及び他の配線パターン3の上面に、誘電体層4をフィルムラミネートやスクリーン印刷により形成する。そして、誘電体層4上面における第1電極2の対向位置に第2電極5を形成する。したがって、第1電極2、誘電体層4の一部、及び第2電極5でキャパシタを構成する。
【0007】
しかしながら、この図8(a)、(b)に示すキャパシタを形成する手法においては、第1電極2の上面に誘電体層4をフィルムラミネートやスクリーン印刷により形成する過程において、第1電極2の周辺に位置する他の配線パターン3の存在により、誘電体層4を形成する樹脂の流れ方が不均一になり第1電極2上の誘電体層4の厚さに変動が生じる。特に、第1電極2の周縁部において厚さ変動が大きくなる。このように、電極間に存在する誘電体層4の厚さの変動によってキャパシタの容量が大きく変化し、設計通りのキャパシタ容量を得ることが難しい問題があった。
【0008】
この電極間に存在する誘電体層4の厚さ変動を抑制する手法が特許文献2に提唱されている。この手法においては、図9(a)に示すように、絶縁基板1上に第1電極2の層、誘電体層4、第2電極5の層を全て積層する。その後、図9(b)に示すように、第1電極2の層、誘電体層4、第2電極5の層における各キャパシタ6を構成する部分以外をエッチンッグにより除去している。このような手法を採用することにより、各キャパシタ6における誘電体層4の厚みを均一にできる。
【特許文献1】特開平5―7063号公報
【特許文献2】特表2002―534791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図9(a)、(b)に示す製造方法においては、絶縁基板1上に第1電極2の層、誘電体層4、第2電極5の層を全て積層した後、不要部分をエッチンッグにより除去するので、製造工程が複雑化する問題が生じる。
【0010】
また、図8(a)、(b)に示すように絶縁基板1上に第1電極2以外に他の一般の配線パターン3を形成して、配線回路板の集積度を向上させる場合においては、絶縁基板1上に第1電極2の層、誘電体層4、第2電極5の層を全て積層した後に、第1電極2の層における一般の配線パターン3を形成すべき領域をエッチンッグにより露出させる。そして、この露出した第1電極2の層に一般の配線パターン3を形成する必要がある。したがって、製造工程がさらに複雑化する問題が生じる。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、製造工程を複雑化することなく、電極間に存在する絶縁体層の厚みを均一にでき、設計通りの容量を持つキャパシタを内蔵することができ、かつ含まれる配線の集積度を向上できるキャパシタ内蔵型配線回路板及びキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解消するために、本発明のキャパシタ内蔵型配線回路板においては、絶縁体と、この絶縁体の表面に設けられた第1電極と、絶縁体の表面における第1電極の周辺に設けられ、かつ第1電極と導通しない独立パターンと、第1電極及び独立パターンの絶縁体に対向しない面を共通に覆う誘電体層と、誘電体層の第1電極及び独立パターンに対向しない面に設けられ、第1電極と誘電体層の一部とでキャパシタを構成する第2電極とを備えている。
【0013】
このように構成されたキャパシタ内蔵型配線回路板においては、第1電極の周辺にこの第1電極と導通しない独立パターンを設け、この第1電極及び独立パターンの上面面を誘電体層で共通に覆うようにしている。したがって、第1電極とこの第1電極の周辺に配設された独立パターンとの位置関係は、この第1電極の近傍に形成される他の配線パターンの位置の如何に係わらず固定である。よって、誘電体層における第1電極と第2電極に挟まれた領域(部分)は、常に均一に形成される。その結果、第1電極と誘電体層の一部と第2電極とで構成されるキャパシタの容量を設計通り均一にかつ精度よく制御できる。
【0014】
また、別の発明のキャパシタ内蔵型配線回路板においては、絶縁体と、この絶縁体の表面に設けられた配線パターンと、絶縁体の表面に設けられた第1電極と、絶縁体の表面における第1電極の周辺に設けられ、かつ第1電極と導通しない独立パターンと、少なくとも第1電極及び独立パターンの絶縁体に対向しない面を共通に覆う誘電体層と、誘電体層の第1電極及び独立パターンに対向しない面に設けられ、第1電極と誘電体層の一部とでキャパシタを構成する第2電極とを備えている。
【0015】
このように構成されたキャパシタ内蔵型配線回路板においては、絶縁体の表面に、キャパシタを構成する第1電極、独立パターンの他に、配線パターンが設けられている。したがって、キャパシタ内蔵型配線回路板の集積度を向上できる。
【0016】
また、別の発明は、上記発明におけるキャパシタ内蔵型配線回路板において、配線パターン、第1電極及び各独立パターンは、同一材料で構成され、かつ同一厚みに形成されている。
このように、配線パターン、第1電極及び各独立パターンを、同一材料でかつ同一厚みに形成することによって、このキャパシタ内蔵型配線回路板の製造をより効率的に実施できる。
【0017】
また、別の発明に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法においては、絶縁体の表面に、第1電極と、この第1電極の周辺でかつ第1電極と導通しない独立パターンとを形成するステップと、第1電極及び独立パターンの絶縁体に対向しない面に、この面を共通に覆う誘電体層を形成するステップと、この誘電体層の第1電極及び独立パターンに対向しない面に、第1電極と誘電体層の一部とでキャパシタを構成する第2電極を形成するステップとを備えている。
【0018】
このように構成されたキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法においては、第1電極、第1電極の周辺にこの第1電極と導通しない独立パターンとを形成し、この第1電極及び独立パターンの上面面を共通に覆う誘電体層を形成している。したがって、先に説明した発明のキャパシタ内蔵型配線回路板とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【0019】
また、別の発明に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法においては、絶縁体の表面に、配線パターンと、第1電極と、この第1電極の周辺でかつ第1電極と導通しない独立パターンとを、同一材料でかつ同一厚みに形成するステップと、第1電極及び独立パターンの絶縁体に対向しない面に、この面を共通に覆う誘電体層を形成するステップと、誘電体層の第1電極及び独立パターンに対向しない面に、第1電極と誘電体層の一部とでキャパシタを構成する第2電極を形成するステップとを備えている。
【0020】
このように構成されたキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法においては、絶縁体の表面に、キャパシタを構成する第1電極、独立パターン、配線パターンを同一材料でかつ同一厚みに形成している。したがって、キャパシタ内蔵型配線回路板の集積度を向上できるとともに、製造をより効率的に実施できる。
【0021】
さらに、別の発明のキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法においては、絶縁体の表面に、第1電極と、この第1電極の周辺でかつ第1電極と導通しない独立パターンとを形成した第1の回路基板を製造するステップと、絶縁体の表面における、第1の回路基板の第1電極に対応する位置に第2電極を形成した第2の回路基板を製造するステップと、製造された第1の回路基板と第2の回路基板とを、第1電極と第2電極とが互いに対向するように、かつ両回路基板間に誘電体層を介して接合して、第1電極と誘電体層の一部と第2電極とでキャパシタを構成するステップとを備えている。
【0022】
このように第1の回路基板と第2の回路基板とを接合して製造されたキャパシタ内蔵型配線回路板においても、第1電極の周辺にこの第1電極と導通しない独立パターンが存在する。したがって、先に説明したキャパシタ内蔵型配線回路板とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明のキャパシタ内蔵型配線回路板、及びキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法においては、第1電極の周辺にこの第1電極と導通しない独立パターンを設け、この第1電極及び独立パターンの上面面を誘電体層で共通に覆うようにしている。
【0024】
したがって、製造工程を複雑化することなく、電極間に存在する絶縁体層の厚みを均一にでき、設計通りの容量を持つキャパシタを内蔵することができ、かつ含まれる配線の集積度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の断面図である。絶縁基板10の上面及び下面に第1の配線パターン11a、11bが形成されている。この第1の配線パターン11a、11bの外側に、絶縁体としての絶縁層12a、12bが形成されている。下側の絶縁層12bの下面には複数の第2の配線パターン15bが形成されている。この第2の配線パターン15bと第1の配線パターン11bとの間には、両配線パターン15b、11b間を導通するビア16が形成されている。
【0027】
上側の絶縁層12aの上面には複数の第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14が形成されている。この複数の第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14は、同一の導体材料で、かつ同一厚みに形成されている。この第2の配線パターン15aと第1の配線パターン11aとの間には、両配線パターン15a、11a間を導通するビア16が形成されている。
【0028】
そして、複数の第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14の各上面には、これらを共通に覆う誘電体層17が形成されている。この誘電体層17の上面における第1電極13に対向する位置に第2電極18が形成されている。したがって、第1電極13、誘電体層17の一部及び第2電極18は、このキャパシタ内蔵型配線回路板に内蔵されたキャパシタを構成する。
【0029】
図2(a)、(b)は、図1のキャパシタ内蔵型配線回路板を、第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14が形成された位置で水平に切断して示す斜視図である。この各斜視図に示すように、絶縁層12aの上面には、複数の第2の配線パターン15aと、ほぼ正方形形状を有した1個の第1電極13と、この第1電極13の周辺に配置された独立パターン14とが形成されている。この独立パターン14は、第1電極13及び第2の配線パターン15aに対して導通していない。
【0030】
なお、図2(a)は第1電極13の周辺に複数の独立パターン14を配置した例を示し、図2(b)は第1電極13の周辺に1個の独立パターン14を配置した例を示す。誘電体材料の移動が容易になり、より厚みの均一な誘電体層17の形成ができるためには、図2(a)に示すように、第1電極13の周辺に複数の独立パターン14を配置し、独立パターン14相互間に隙間を設けることが望ましい。
【0031】
このように構成された第1実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板においては、図2(a)、(b)に示すように、上方の絶縁層12aの上面に、複数の第2の配線パターン15a、1個の第1電極13、この第1電極13と導通しない独立パターン14を設け、第2の配線パターン15a、第1電極13及び独立パターン14の上面を誘電体層17で共通に覆うようにしている。
【0032】
したがって、第1電極13とこの第1電極13の周辺に配設された独立パターン14との位置関係は、この第1電極13の近傍に形成される他の各第2の配線パターン15aの位置の如何に係わらず固定である。
【0033】
よって、誘電体層17における第1電極13と第2電極18に挟まれた領域(部分)は、均一に形成される。さらに、独立パターン14は、第1電極13及び第2の配線パターン15aと導通していない。その結果、第1電極13と誘電体層17の一部と第2電極18とで構成されるキャパシタの容量を設計通り均一にかつ精度よく制御できる。
【0034】
なお、図1に示す第1電極13の周辺に独立パターン14が形成され、かつ、第1電極13の周辺に種々の第2の配線パターン15aが形成された複数種類の第1実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板相互間におけるキャパシタ容量の変動(バラツキ)は、独立パターン14が全く形成されていないキャパシタ内蔵型配線回路板相互間におけるキャパシタ容量の変動(バラツキ)に比較して、約5%程度抑制できることが実験的に確認できた。
【0035】
さらに、複数の第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14は、同一の絶縁層12aの上面において、同一の導体材料で、かつ同一厚みに形成されている。したがって、キャパシタ内蔵型配線回路板の集積度を向上できる。さらに、このキャパシタ内蔵型配線回路板の製造をより効率的に実施できる。
【0036】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の断面図である。図1に示す第1実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0037】
この第2実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板において、誘電体層17は、第2の配線パターン15aの上面には形成されていなくて、第1電極13、及び独立パターン14の上面にのみ形成さている。
【0038】
このように構成された第2実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板においても、第1電極13の周辺に独立パターン14が形成されているので、先に説明した第1実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【0039】
(第3実施形態)
図4、図5は、本発明の第3実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を示す製造工程図である。この第3実施形態においては、図1に示した第1実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板のビルドアップ工法による製造方法を説明する。
【0040】
まず、絶縁基板10の両面に銅箔からなる導体層20a、20bを形成して、両面銅貼積層板を製造する(図4(a))。
【0041】
この両面銅貼積層板の導体層20a、20b上に、厚さ15μmのドライフィルムレジストを、ラミネータを用いて110℃、3kg/cmでラミネートコーティングを行う。次に、露光量55mJの条件で露光し、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像を行うことでレジストパターン21a、21bを形成する(図4(b))。
【0042】
次に、このレジストパターン21a、21bをマスクにして塩化第二鉄液を用いてエッチング処理し、その後、このレジストパターン21a、21bを5%水酸化ナトリウム水溶液により除去することで、絶縁基板10の上下面に、それぞれ、第1の配線パターン11a、11bを形成する(図4(c))。
【0043】
なお、絶縁基板10の上下面に形成される第1の配線パターン11a、11bの層数は特に1層に限定されるものではなく、任意の層数に適用できる。
【0044】
次に、上下面に第1の配線パターン11a、11bが形成された基板を、120℃のオーブンで乾燥した後、基板の両面に対して熱硬化型の絶縁材料を真空ラミネータを用いて130℃、30秒、3kg/cm2の条件でラミネートし、160℃、1時間の加熱によって硬化させ、絶縁体としての絶縁層12a、12bを形成する。そして、各絶縁層12a、12bにおける第1の配線パターン11a、11bの導通路部分にレーザー加工を用いて80μmφのビア用孔22a、22bの加工を行う。なお、レーザー加工には、炭酸ガスレーザーやUV―YAGレーザー、エキシマレーザーを用いることができる(図4(d))。
【0045】
次に、絶縁層12a、12b上及びビア用孔22a、22b内を粗化処理、触媒核付与及び、活性化処理した後、無電解銅めっき等により絶縁層12a、12b上及びビア用孔22a、22b内にめっき下地層を形成し、めっき下地層をカソードにして電解銅めっきを行い、絶縁層12a、12b上に10μm程度の所定厚の導体層23a、23bを、ビア用孔22a、22b内を導体で充填したビア16を形成する(図4(e))。
【0046】
次に、厚さ15μmのドライフィルムレジストを上側の導体層23a上にラミネータを用いてラミネートコーティングを行う。フォトリソグラフィ工程によって露光、現像を行うことで第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14に対応するレジストパターン24aを形成する。同様に、厚さ15μmのドライフィルムレジストを下側の導体層23bにラミネータを用いてラミネートコーティングを行う。フォトリソグラフィ工程によって露光、現像を行うことで第2の配線パターン15bに対応するレジストパターン24bを形成する(図4(f))。
【0047】
各レジストパターン24a、24bをマスクにして、導体層23a、23bを塩化第二鉄でエッチングし、その後、各レジストパターン24a、24bを5%水酸化ナトリウム水溶液で剥離除去を行い、第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14、第2の配線パターン15bを形成する(図5(g))。
【0048】
なお、ここでは、配線パターンをサブトラクティブ法により形成した事例について説明したが、セミアディティブ法によっても配線パターンの形成は可能である。
【0049】
次に、第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14、第2の配線パターン15bが形成された基板を純水で洗浄し、120℃のオーブンで乾燥した後、熱硬化型の誘電体材料を第2の配線パターン15a、第1電極13、及び独立パターン14の上面にフィルムラミネートやスクリーン印刷により形成し、190℃、1時間の加熱によって硬化させ、誘電体層17を形成する。続いて、この誘電体層17の上面における第1電極13の対向位置に、導電性ペーストをスクリーン印刷することにより第2電極18を形成する(図5(h))。
このようにして、図1に示したキャパシタ内蔵型配線回路板が製造される。
【0050】
このような構成の第3実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法においては、絶縁層12a上に、複数の第2の配線パターン15a、第1電極13、この第1電極13の周辺にこの第1電極と導通しない独立パターン14を形成し、この第2の配線パターン15a、第1電極13、独立パターン14の上面面を共通に覆う誘電体17層を形成している。したがって、この製造方法で製造されたキャパシタ内蔵型配線回路板は、先に説明した図1に示す第1実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【0051】
さらに、この第3実施形態の製造方法においては、絶縁層12aの上面に、キャパシタを構成する第1電極13、独立パターン14、複数の第2の配線パターン15aを同一材料でかつ同一厚みに形成している。したがって、キャパシタ内蔵型配線回路板の集積度を向上できるとともに、製造工程数を減少でき、より効率的に製造を実施できる。
【0052】
(第4実施形態)
図6、図7は、本発明の第4実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を示す製造工程図である。
【0053】
まず、絶縁基板10の両面に銅箔からなる導体層30a、30bを形成して両面銅貼積層板を製造する(図6(a))。
この両面銅貼積層板の導体層30a、30b上に、ドライフィルムを貼り合わせる等の方法でドライフィルムレジスト(感光層)を形成し、露光、現像等の一連のパターニング処理を行って、レジストパターン31a、31bを形成する(図6(b))。
【0054】
次に、両側のレジストパターン31a、31bをマスクにして、各導体層30a、30bをエッチング処理し、エッチング処理後に、レジストパターン31a、31bを専用の剥離液で除去して、絶縁基板10の両面に複数の配線パターン32a、32bが形成された第2の回路基板33aを製造する。そして、この場合、この第2の回路基板33aの下側の配線パターン32bの一部にキャパシタの電極の一方を構成する第2電極18が同時に形成される(図6(c1))。
【0055】
同様にして、絶縁基板10の上面に複数の配線パターン32a、1個の第1電極13、独立パターン14が形成され、絶縁基板10の下面に複数の配線パターン32bが形成された第1の回路基板33bを製造する。そして、この場合、この第1の回路基板33bの上側に形成された第1電極13が前述した第2電極18に対向し、キャパシタの他方の電極を構成する(図6(c2))。
【0056】
同様にして、絶縁基板10の両面にそれぞれ複数の配線パターン32a、32bが形成された第3の回路基板33cを製造する(図6(c3))。
【0057】
次に、第2、第1、第3の各回路基板33a、33b、33cに対して、黒化処理等の前処理を施す。第2の回路基板33aと第1の回路基板33bとの間に誘電体層17を形成する誘電体材料を挟み、第1の回路基板33bと第3の回路基板33cとの間にプリプレグ(絶縁シート)34を挟み、さらに、第2の回路基板33aの上側にプリプレグ34を介して銅箔35aを重ね、さらに、第3の回路基板33cの下側にプリプレグ34を介して銅箔35bを重ねる。そして、これらを加圧して多層回路基板36を作成する。この結果、この多層回路基板36内において、第1電極13と第2電極18と誘電体層17の一部とでキャパシタを構成する。(図6(d))。
【0058】
次に、この多層回路基板36の所定の位置にスルーホール37を形成する。続いて、両側の銅箔35a、35bに対して、無電解銅めっき、レジストパターン形成、電解銅めっき、レジスト剥離、エッチング処理等、一連の工程を実行して、外層パターン38a、38bを形成する(図7(e))。
続いて、スルーホール37内に導体を充填してビア16を形成して、最終のキャパシタ内蔵型配線回路板を得る(図7(f))
このように第2の回路基板33aと第1の回路基板33bと第3の回路基板33cとを接合する第4実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法においても、第1電極13の周辺にこの第1電極13と導通しない独立パターン14が存在する。そして、この第1電極13に対して誘電体層17を介して第2電極18が対向している。したがって、先に説明した第3実施形態のキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の概略構成を示す断面図
【図2】同第1実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板を水平に切断して示す斜視図
【図3】本発明の第2実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の概略構成を示す断面図
【図4】本発明の第3実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を示す製造工程図
【図5】同じく第3実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を示す製造工程図
【図6】本発明の第4実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を示す製造工程図
【図7】同じく第4実施形態に係わるキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を示す製造工程図
【図8】従来のキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を示す図
【図9】同じく従来のキャパシタ内蔵型配線回路板の製造方法を示す図
【符号の説明】
【0060】
10…絶縁基板、11a、11b…第1の配線パターン、12a,12b…絶縁層、13…第1電極、14…独立パターン、15a,15b…第2の配線パターン、16…ビア、17…誘電体層、18…第2電極、20a,20b,23a,23b,30a,30b…導体層、21a,21b,24a,24b,31a,31b…レジストパターン、22a,22b…ビア用孔、32a,32b…配線パターン、33a…第2の回路基板、33a…第1の回路基板、33c…第3の回路基板、34…プリプレグ、35a,35b…銅箔、38a,38b…外層パターン、36…多層回路基板、37…スルーホール
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号
【出願日】 平成15年7月29日(2003.7.29)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎

【公開番号】 特開2005−51063(P2005−51063A)
【公開日】 平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願番号】 特願2003−281819(P2003−281819)