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【発明の名称】 高周波積層部品の製造方法
【発明者】 【氏名】永田 康志
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子部品株式会社内

【氏名】森本 ▲吉▼文
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子部品株式会社内

【要約】 【課題】本発明は特に内層電極を用いて高周波回路を形成する高周波積層部品の製造方法に関するもので、高周波部品の高密度実装や高集積化のため高周波積層部品の平坦度を高めることを目的とする。

【解決手段】内層電極1を有する積層シート2上に積み重ねられる積層シート2の下面における内層電極1が当接する位置に凹部11を形成することで、内層電極がこの凹部に収容されることになり、高周波積層部品の平坦度を向上させることが出来るのである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積層シートを積み重ねた積層体の内層部分に高周波回路を形成する内層電極を備えた高周波積層部品の製造方法であって、前記積層シートを支持フィルム上に形成するシーと形成工程と、前記積層シート上に前記内層電極を形成する電極形成工程と、前記内層電極を形成された積層シートを適宜積み重ねる積層工程と、この積層体を焼結させる焼結工程とを備え、前記積層工程において前記内層電極を有する第1の積層シート上に積み重ねる第2の積層シートの下面に前記第1の積層シートに設けられた内層電極が当接する位置に凹部を形成したことを特徴とする高周波積層部品の製造方法。
【請求項2】
シート形成工程において支持フィルム上に凹部形成用パターンを予め形成しておき、その後前記支持フィルムに積層シートを形成し、前記積層シートから前記支持フィルムおよび前記凹部形成用パターンを剥がすことにより凹部を形成することを特徴とした請求項1に記載の高周波積層部品の製造方法。
【請求項3】
凹部形成用パターンを積層シートと離形性の高い材質で形成することを特徴とする請求項2に記載の高周波積層部品の製造方法。
【請求項4】
凹部形成用パターンを支持フィルムと同系材料で形成したことを特徴とする請求項3に記載の高周波積層部品の製造方法。
【請求項5】
凹部の深さを内層電極の厚みより小さくすることを特徴とした請求項2に記載の高周波積層部品の製造方法。
【請求項6】
焼成工程は積層体が焼結する温度では焼結しない収縮抑制シートで前記積層体を挟み込んだ状態で焼結させ、その後前記収縮抑制シートを前記積層体から除去することを特徴とした請求項1に記載の高周波積層部品の製造方法。
【請求項7】
焼結させた積層体の表面に高周波回路の一部を形成する高周波デバイスを実装することを特徴とした請求項1に記載の高周波積層部品の製造方法。
【請求項8】
高周波デバイスをベアチップ実装することを特徴とした請求項7に記載の高周波積層部品の製造方法。
【請求項9】
高周波デバイスは圧電体素子或いは半導体素子により形成したことを特徴とする請求項8に記載の高周波積層部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、特に内層電極を用いて高周波回路を形成する高周波積層部品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の高周波積層部品は、図3に示されるように上面に内層電極1を印刷した積層シート2を適宜積み重ね、その積層体3を焼成することにより形成されていた。
【0003】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平6−77659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、マザー基板に対する高周波部品の高密度実装や高周波部品の高集積化が進められる中で、このような高周波積層部品に対してより平坦度が望まれるようになってきた。
【0005】
しかしながら、高周波積層部品を前述したように内層電極1を形成した積層シート2を適宜積み重ねた場合、図4に示されるよう積層シート2の間に位置する内層電極1の厚みにより積み重ねた積層シート2を部分的に押し上げてしまい、結果として積層体3の表面に凹凸を形成してしまい高周波積層部品の平坦度を劣化させてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題を解決し高周波積層部品の平坦度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、特に、内層電極を有する第1の積層シート上に積み重ねられる第2の積層シートの下面の内層電極が当接する位置に凹部を形成したことで、内層電極がこの凹部に収容されることになり、高周波積層部品の平坦度を向上させることが出来るのである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、特に、支持フィルム上に凹部形成用パターンを予め形成しておき、その後支持フィルムに積層シートを形成し、積層シートから支持フィルムおよび凹部形成用パターンを剥がすことにより凹部を形成することで、容易に凹部を形成することが出来るのである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、特に、凹部形成用パターンを積層シートと離形性の高い材質で形成することで、さらに容易に凹部を形成することが出来るのである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、特に、凹部形成用パターンを支持フィルムと同系材料で形成したことで、より具体的に請求項3に係る作用効果を得ることが出来るのである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、特に、凹部の深さを内層電極の厚みにより小さくすることで、積層時に凹部に気泡が生じることを抑制できるのである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、特に、積層体を積層体が焼結する温度では焼結しない収縮抑制シートで前記積層体を挟み込んだ状態で焼結させることで、積層体に対する内層電極による凹凸の発生を抑制できるとともに、積層シートの焼結に伴う反りを併せて抑制でき、高周波積層部品の平坦度をさらに向上させることが出来るのである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、特に、焼結させた積層体の表面に高周波回路の一部を形成する高周波デバイスを実装することで、積層体の平坦度が向上した中で高周波デバイスの実装性が向上し、その結果量産時における高周波積層部品の高周波特性を安定させることが出来るのである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、特に、積層体に実装する高周波デバイスをベアチップにより実装することで、積層基板の平坦度を向上させることによる効果をより一層高めることが出来るのである。
【0015】
請求項9に記載の発明は、特に、高周波デバイスを圧電体素子或いは半導体素子により形成したことで、より具体的に請求項7に係る作用効果を得ることが出来るのである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の高周波積層部品の製造方法は、特に、内層電極を有する第1の積層シート上に積み重ねられる第2の積層シートの下面の内層電極が当接する位置に凹部を形成したことで、内層電極がこの凹部に収容されることになり、高周波積層部品の平坦度を向上させることが出来るのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図を用いて説明する。なお、上述した背景技術と同様の構成については同じ符号を付して説明する。
【0018】
図1は積層型高周波積層部品を模式的に示した分解斜視図であり、誘電体セラミクス層の間にはコンデンサ、インダクタ、ストリップラインといった高周波回路を形成する内層電極1が適宜配置され、ビアホール(特に図示せず)などにより層間の接続が為された構造で、積層体3の上面には積層体3内で形成されにくい圧電体素子や半導体素子などの高周波回路の一部を形成する高周波デバイス4が実装された構成となっている。
【0019】
そして、このような高周波積層部品の形成過程は、図2に示されるよう積層シート2を支持フィルム5上に形成するシート形成工程6と、積層シート2上に内層電極1を形成する電極形成工程7と、内層電極1が形成された積層シート2から支持フィルム5を剥がし取りその積層シート2を適宜積み重ねる積層工程8と、この積層体3を焼結させる焼成工程9と、この焼結した積層体3の上面に高周波デバイス4を実装する実装工程10からなる。
【0020】
そして、この一実施形態においては積層工程8において内層電極1がその厚みにより積層体3の表面に凹凸を形成することを抑制するために、内層電極1を有する積層シート2上に積み重ねる積層シート2の下面における内層電極1が当接する位置に凹部11を形成した構成としている。
【0021】
すなわち、積層シート2をこのような構成とすることで、積層シート2上に積層シート2を積み重ねた際、内層電極1が凹部11に収容されることになり、積層体3表面に凹凸を形成する原因となる内層電極1の厚みが凹部11により相殺されることとなり高周波積層部品の平坦度を向上させることが出来るのである。また、内層電極1が凹部11に収容されることで積層工程8におけるプレス圧力による電極形状の変化をも併せて抑制されることになり、高周波回路設計において設定されたコンデンサやインダクタなどの回路素子特性の実現が容易となることから高周波積層部品における設計タクトをも併せて向上させることが出来るのである。
【0022】
また、このように積層シート2の下面に凹部11を形成するにおいては、シート形成された積層シート2に対して型プレス等を行うことで形成可能となるのであるが、一般に積層シート2はシート形成工程6において、支持フィルム5上に積層シート2となる誘電体スラリーを塗布することで形成されるので、この支持フィルム5上に予め凹部形成用パターン12を形成しておくことで、この凹部形成用パターン12が支持フィルム5の下面に転写され、支持フィルム5を積層シート2から剥がし取る際に凹部形成用パターン12も併せて剥がし取ることで凹部11が容易に形成できるのである。
【0023】
なお、この凹部形成用パターン12は積層シート2への転写性を高めるため積層シート2との剥離性の高い材質を選択することが好ましく、支持フィルム5と同系の材料を選択することで凹部形成用パターン12と支持フィルム5との接合性が高められるとともに積層シート2からの剥離性も支持フィルムと同様になり、凹部形成用パターン12の剥がし残りを防止することが出来るのである。
【0024】
そして、このような凹部11を設けるにあたっては、凹部11の深さを内層電極1の厚みより小さくすることで、積層時に凹部11の底面に内層電極1が確実に当接することとなり、この結果凹部11の内部に空気が残留しにくくなり、積層シート2と内層電極1の界面に気泡が生じることを抑制でき、この気泡による高周波回路素子を形成する内層電極1への影響すなわち高周波特性への影響を抑制できるのである。
【0025】
なお、このように高周波積層部品の平坦度を高める方法については特に図示はしていないが、積層体3を積層体3が焼結する温度では焼結しない収縮抑制シートで前記積層体3を挟み込んだ状態で焼結させることが知られているが、この方法を上述した方法と組み合わせることにより、さらに積層体3に対する内層電極1による凹凸の発生を抑制できるとともに、積層シート2の焼結に伴う反りを併せて抑制でき、高周波積層部品の平坦度をさらに向上させることが出来るのである。
【0026】
また、このようにして形成された積層体3の上面に、高周波回路の一部を形成する高周波デバイス4を実装することで、積層体3の平坦度が向上した中での高周波デバイス4の実装性となるので高周波デバイス4の実装性が格段に向上し、その結果実装ズレなどによる接続箇所のインダクタンス成分の増減が量産時において抑制されるので、高周波積層部品の高周波特性を安定させることが出来るのである。
【0027】
特に、積層体3の平坦度が高く要求される高周波デバイス4のベアチップ実装において、このような工法を採用することでより大きな効果を生むことが出来るのである。なお、このようなベアチップ実装に用いられる高周波デバイス4素子としては圧電体素子或いは半導体素子により形成されたものが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明にかかる高周波積層部品の製造方法は、高周波積層部品の平坦度を向上させることが出来るという効果を有し、特に内層電極を形成した積層シートを適宜積み重ねその積層体を焼成することにより形成され高周波積層部品の製造方法に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態における高周波積層部品を示す分解斜視図
【図2】同高周波積層部品の製造方法を示す概略図
【図3】従来の高周波積層部品の製造方法を示す概略図
【図4】同製造方法を用いて作成した高周波積層部品の断面図
【符号の説明】
【0030】
1 内層電極
2 積層シート
3 積層体
4 高周波デバイス
5 支持フィルム
6 シート形成工程
7 電極形成工程
8 積層工程
9 焼成工程
11 凹部
12 凹部形成用パターン
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成15年7月29日(2003.7.29)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−51053(P2005−51053A)
【公開日】 平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願番号】 特願2003−281610(P2003−281610)