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【発明の名称】 被覆導電体及び人工誘電体
【発明者】 【氏名】原川 健一
【住所又は居所】千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会社竹中工務店技術研究所内

【氏名】山中 一克
【住所又は居所】千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会社竹中工務店技術研究所内

【氏名】影山 健二
【住所又は居所】千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会社竹中工務店技術研究所内

【要約】 【課題】誘電率を高くすることができる人工誘電体を得る。

【解決手段】人工誘電体では、導電性繊維12が絶縁性被膜14で被膜された被覆導電体10を有しているため、絶縁性被膜14によって導電性繊維12同士の接触が抑制あるいは防止されて、導電性繊維12同士の導通が抑制あるいは防止される。なお、各導電性繊維12の両端面は絶縁性被膜14で被膜されていないが、導電性繊維12の端面同士が接触する確率は極めて低い。このため、導電性繊維12が高濃度で配置されて導電性繊維12間の隙間の数を多くすると共に導電性繊維12間の隙間を狭くした場合でも、導電性繊維12間で電界エネルギーを極めて高い確率で蓄積することができると共に、導電性繊維12の実質的な長さを極めて高い確率で短くでき、人工誘電体の誘電率を高くすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有し、近傍に配置される導電性を有する近傍導電体との間で電界エネルギーを蓄積するための導電体と、
絶縁性を有し、前記導電体を被覆する絶縁体と、
を有する被覆導電体。
【請求項2】
前記導電体は不連続にされた状態で前記絶縁体に被覆された、ことを特徴とする請求項1記載の被覆導電体。
【請求項3】
前記絶縁体は、導電性を有する導電性材料が分散された構成及び高誘電率を有する誘電性材料を有する構成の少なくとも一方とされた、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の被覆導電体。
【請求項4】
導電性を有する導電体を絶縁性を有する絶縁体で被覆した被覆導電体を有する人工誘電体。
【請求項5】
前記導電体は不連続にされた状態で前記絶縁体に被覆された、ことを特徴とする請求項4記載の人工誘電体。
【請求項6】
前記絶縁体は、導電性を有する導電性材料が分散された構成及び高誘電率を有する誘電性材料を有する構成の少なくとも一方とされた、ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の人工誘電体。
【請求項7】
前記被覆導電体間に、導電性を有する導電性材料及び高誘電率を有する誘電性材料の少なくとも一方を有する、ことを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項記載の人工誘電体。
【請求項8】
前記被覆導電体が混入された母材を有する、ことを特徴とする請求項4乃至請求項7の何れか1項記載の人工誘電体。
【請求項9】
前記被覆導電体が組み合わされた、ことを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れか1項記載の人工誘電体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、導電体が被覆された被覆導電体及びこの被覆導電体を有する人工誘電体に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体としては、導電材料を含有することで誘電率が高くされたコンクリートがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、このコンクリートにおいて、誘電率を高くするためには、導電材料の配置濃度を上げて導電材料間の隙間の数を多くすると共に導電材料間の隙間を狭くし、かつ、導電材料同士を接触させずに導電材料の実質的な長さを短くする必要がある。
【0004】
しかしながら、このコンクリートでは、導電材料の配置濃度を上げると、導電材料同士が接触して導電材料の実質的な長さが長くなることで、導電率が上がってしまい、誘電率を高くすることができないという問題がある。
【特許文献1】特開平6−29687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、導電体の近傍導電体との接触を抑制あるいは防止できる被覆導電体及び誘電率を高くできる人工誘電体を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の被覆導電体は、導電性を有し、近傍に配置される導電性を有する近傍導電体との間で電界エネルギーを蓄積するための導電体と、絶縁性を有し、前記導電体を被覆する絶縁体と、を有している。
【0007】
請求項2に記載の被覆導電体は、請求項1に記載の被覆導電体において、前記導電体は不連続にされた状態で前記絶縁体に被覆された、ことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の被覆導電体は、請求項1または請求項2に記載の被覆導電体において、前記絶縁体は、導電性を有する導電性材料が分散された構成及び高誘電率を有する誘電性材料を有する構成の少なくとも一方とされた、ことを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の人工誘電体は、導電性を有する導電体を絶縁性を有する絶縁体で被覆した被覆導電体を有している。
【0010】
請求項5に記載の人工誘電体は、請求項4に記載の人工誘電体において、前記導電体は不連続にされた状態で前記絶縁体に被覆された、ことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の人工誘電体は、請求項4または請求項5に記載の人工誘電体において、前記絶縁体は、導電性を有する導電性材料が分散された構成及び高誘電率を有する誘電性材料を有する構成の少なくとも一方とされた、ことを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の人工誘電体は、請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の人工誘電体において、前記被覆導電体間に、導電性を有する導電性材料及び高誘電率を有する誘電性材料の少なくとも一方を有する、ことを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の人工誘電体は、請求項4乃至請求項7の何れか1項に記載の人工誘電体において、前記被覆導電体が混入された母材を有する、ことを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の人工誘電体は、請求項4乃至請求項8の何れか1項に記載の人工誘電体において、前記被覆導電体が組み合わされた、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の被覆導電体では、近傍導電体との間で電界エネルギーを蓄積するための導電体が絶縁体に被覆されている。このため、絶縁体によって導電体の近傍導電体との接触を抑制あるいは防止することができ、導電体と近傍導電体との間で電界エネルギーを高確率で蓄積することができる。
【0016】
請求項2に記載の被覆導電体では、導電体が不連続にされた状態で絶縁体に被覆されているため、不連続にされた各導電体を短くすることができ、導電体と近傍導電体との間で蓄積する電界エネルギーを大きくすることができる。
【0017】
請求項3に記載の被覆導電体では、絶縁体が、導電性材料が分散された構成及び誘電性材料を有する構成の少なくとも一方とされたため、絶縁体の誘電率を高くすることができ、導電体と近傍導電体との間で蓄積する電界エネルギーを大きくすることができる。
【0018】
請求項4に記載の人工誘電体では、導電体が絶縁体で被覆された被覆導電体を有しているため、絶縁体によって導電体同士の接触が抑制あるいは防止される。このため、人工誘電体の誘電率を高くすることができる。
【0019】
請求項5に記載の人工誘電体では、導電体が不連続にされた状態で絶縁体に被覆されているため、不連続にされた各導電体が短くされる。このため、人工誘電体の誘電率を一層高くすることができる。
【0020】
請求項6に記載の人工誘電体では、絶縁体が、導電性材料が分散された構成及び誘電性材料を有する構成の少なくとも一方とされたため、絶縁体の誘電率が高くなる。このため、人工誘電体の誘電率を一層高くすることができる。
【0021】
請求項7に記載の人工誘電体では、被覆導電体間に導電性材料及び誘電性材料の少なくとも一方を有するため、被覆導電体間の誘電率が高くなる。このため、人工誘電体の誘電率を一層高くすることができる。
【0022】
請求項8に記載の人工誘電体では、被覆導電体が母材に混入されているため、被覆導電体の位置を固定することができる。
【0023】
請求項9に記載の人工誘電体では、被覆導電体が組み合わされているため、被覆導電体の位置を固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1(A)には、本発明の実施の形態に係る被覆導電体10が斜視図にて示されており、図2(A)には、この被覆導電体10が断面図にて示されている。
【0025】
本実施の形態に係る被覆導電体10は、導電体または近傍導電体としての導電性繊維12を有しており、導電性繊維12は、金属繊維やカーボンファイバ等とされて、断面円形の繊維状とされると共に、高い導電性を有している。導電性繊維12の長さは、後述の電磁波の波長以下に(特に当該電磁波の波長の1/4よりも短く)されると共に、導電性繊維12の太さに比し充分に長く(特に導電性繊維12の太さの10倍よりも長く)されるのが好ましい。
【0026】
導電性繊維12の外周は、絶縁体としての絶縁性被膜14に被膜(被覆)されており、絶縁性被膜14は、断面円環状の筒状とされると共に、絶縁性を有している。絶縁性被膜14は、シリコンやナイロン等の高分子化合物、エナメルやテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂、ポリイミドのような耐熱性樹脂等の各種の樹脂とされている。
【0027】
なお、図1(B)に示す如く、導電性繊維12として、断面円形の繊維状とされた絶縁性を有するコア材16の外周に、金属繊維やカーボンファイバ等とされて高い導電性を有すると共に断面円環状の筒状とされた導電性膜18を被膜(被覆)したものを用いてもよい。
【0028】
さらに、図2(B)に示す如く、被覆導電体10の長手方向において、複数の導電性繊維12が不連続にされたものとしてもよい。この場合、不連続にされた各導電性繊維12の長さは、後述の電磁波の波長以下に(特に当該電磁波の波長の1/4よりも短く)されると共に、導電性繊維12の太さに比べて充分に長く(特に導電性繊維12の太さの10倍よりも長く)されている。なお、この被覆導電体10は、例えば、被覆導電体10が長手方向において引っ張られることで、導電性繊維12が長手方向において絶縁性被膜14中で複数に切断されて製造される。
【0029】
また、図3に示す如く、絶縁性被膜14中に、導電性材料または誘電性材料としての粉状の混入粉20を分散混入してもよい。この場合、混入粉20は、金属粉やカーボン粉等の高導電率を有する強導電性材料粉や、セラミックス粉(例えばチタン酸バリウム粉)等の高誘電率を有する強誘電性材料粉とされている。
【0030】
図4及び図5には、本発明の実施の形態に係る人工誘電体30が断面図にて示されている。
【0031】
図4(A)及び図4(B)に示す人工誘電体30は、板状にされており、上記導電性繊維12が不連続にされていない被覆導電体10が、母材としてのマトリクス32に混入されている。マトリクス32は、板材を構成できるものであれば何でもよく、例えば、石膏、珪酸カルシウム、エポキシ、アクリル、モルタル、ゴム、シリコン、塩化ビニル、尿素樹脂、テフロン(登録商標)、ポリイミド、土、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、セルロース等とされている。さらに、マトリクス32は、セラミックス(例えばチタン酸バリウム)等の誘電性材料としての高誘電率を有する強誘電性材料にされてもよく、また、導電性材料または誘電性材料としての上記混入粉20が分散混入されたものであってもよい。
【0032】
図4(A)では、被覆導電体10が二次元的または三次元的に不規則(ランダム)に配列された状態でマトリクス32に混入されている。一方、図4(B)では、被覆導電体10が規則的(平行)に配列された状態でマトリクス32に混入されている。
【0033】
図5(A)に示す人工誘電体30では、上記導電性繊維12が不連続にされた被覆導電体10が、絡められて(組み合わされて)二次元的または三次元的に不規則に配置されている。一方、図5(B)に示す人工誘電体30では、上記導電性繊維12が不連続にされた被覆導電体10が、各種の織り方(縦横に平行に織る平織り)により織られて(組み合わされて)二次元的または三次元的な織物にされている。
【0034】
また、図5(A)または図5(B)に示す人工誘電体30は、組み合わされた被覆導電体10が上記マトリクス32に混入されて板状にされた構成であってもよい。
【0035】
ここで、人工誘電体30の誘電率は、導電性繊維12によって高くされており、人工誘電体30に電磁波が到来した際には、互いに導通されない導電性繊維12間で電界エネルギーが周期的に蓄積及び放出されることで、人工誘電体30を透過する電磁波に伝播遅延が生じる構成である。
【0036】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0037】
以上の構成の人工誘電体30では、導電性繊維12が絶縁性被膜14で被膜された被覆導電体10を有しているため、絶縁性被膜14によって導電性繊維12同士の接触が抑制あるいは防止されて、導電性繊維12同士の導通が抑制あるいは防止される。なお、各導電性繊維12の両端面は絶縁性被膜14で被膜されていないが、導電性繊維12の端面同士が接触する確率は極めて低い。このため、導電性繊維12が高濃度で配置されて導電性繊維12間の隙間の数を多くすると共に導電性繊維12間の隙間を狭くした場合でも、導電性繊維12間で電界エネルギーを極めて高い確率で蓄積することができると共に、導電性繊維12の実質的な長さを極めて高い確率で短くでき、人工誘電体30の誘電率を高くすることができる。
【0038】
また、複数の導電性繊維12が不連続にされた状態で絶縁性被膜14に被膜された被覆導電体10では、不連続にされた各導電性繊維12が短くされる。このため、導電性繊維12間で蓄積する電界エネルギーを大きくすることができ、人工誘電体30の誘電率を一層高くすることができる。
【0039】
さらに、絶縁性被膜14に混入粉20(強導電性材料粉または強誘電性材料粉)が分散混入された被覆導電体10では、絶縁性被膜14の誘電率が高くなる。このため、導電性繊維12間で蓄積する電界エネルギーを大きくすることができ、人工誘電体30の誘電率を一層高くすることができる。
【0040】
また、マトリクス32が強誘電性材料にされた人工誘電体30やマトリクス32に混入粉20(強導電性材料粉または強誘電性材料粉)が分散混入された人工誘電体30では、被覆導電体10間の誘電率が高くなる。このため、導電性繊維12間で蓄積する電界エネルギーを大きくすることができ、人工誘電体30の誘電率を一層高くすることができる。
【0041】
被覆導電体10がマトリクス32に混入された人工誘電体30や被覆導電体10が組み合わされた人工誘電体30(導電性繊維12が絡められたまたは織られた人工誘電体30)では、被覆導電体10の位置を固定することができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、導電体を導電性繊維12にした構成としたが、導電体を粒状または粒子状にした構成としてもよい。
【0043】
(適用例)
図6(A)には、第1適用例に係る電磁波吸収体40が断面図にて示されている。
【0044】
第1適用例に係る電磁波吸収体40では、裏面に導電性を有する膜状の反射膜42が設けられており、反射膜42の表側に上記実施の形態に係る人工誘電体30が設けられている。さらに、人工誘電体30の表側(電磁波吸収体40の表面)には、分割導電膜44が設けられており、分割導電膜44では、複数の導電性を有する矩形膜状の導体46が互いに間隙を隔てて格子状に配置されている。
【0045】
この電磁波吸収体40では、表側から到来した電磁波が、分割導電膜44(複数の導体46)で反射、吸収及び透過され、かつ、人工誘電体30で吸収及び透過されると共に、反射膜42で反射及び吸収される。このため、到来した電磁波と、反射膜42で反射されて人工誘電体30を介して分割導電膜44を透過した電磁波(分割導電膜44と反射膜42との間で多重反射された電磁波を含む)と、が互いに干渉して打ち消し合うことで、表側から到来した電磁波が吸収される。
【0046】
ここで、この電磁波吸収体40では、上述の如く人工誘電体30の誘電率が高くされているため、電磁波が分割導電膜44を透過する際のみならず、電磁波が人工誘電体30を透過する際にも、効果的に電磁波の伝搬遅延が生じる。これにより、人工誘電体30の厚さを、電磁波の波長の1/4(電磁波の伝搬遅延が生じない場合において到来した電磁波と反射膜42で反射された電磁波とが互いに打ち消し合う最小厚さ)よりも、大幅に薄くすることができ、電磁波吸収体40の厚さを大幅に薄くすることができる。
【0047】
図6(B)には、第2適用例に係る電磁波吸収体50が断面図にて示されている。
【0048】
第2適用例に係る電磁波吸収体50では、厚さ方向中央に反射膜42が設けられており、反射膜42の表側及び裏側に人工誘電体30が設けられている。各人工誘電体30の反反射膜42側には分割導電膜44が設けられており、各分割導電膜44の反人工誘電体30側には、シート状の化粧シート52が設けられている。
【0049】
この電磁波吸収体50では、表側及び裏側から到来した電磁波(化粧シート52を透過した電磁波)が、第1適用例と同様に吸収される。
【0050】
ここで、このように電磁波吸収体50が表側及び裏側から到来した電磁波を吸収できる場合でも、第1適用例と同様に各人工誘電体30の厚さを電磁波の波長の1/4よりも大幅に薄くすることができ、電磁波吸収体50の厚さを薄くすることができる。
【0051】
図6(C)には、第3適用例に係る電磁波吸収体60が断面図にて示されている。
【0052】
第3適用例に係る電磁波吸収体60では、上記第1適用例に係る電磁波吸収体40を備えている。電磁波吸収体40の表側(分割導電膜44の表側)には、不燃性を有する板状の不燃部材62(例えば石膏ボードや珪カル板)が貼り付けられており、電磁波吸収体60は不燃部材62により不燃性を有している。
【0053】
この電磁波吸収体60では、表側から到来した電磁波(不燃部材62を透過した電磁波)が、第1適用例と同様に吸収される。
【0054】
ここで、このように電磁波吸収体60が不燃部材62により不燃性を有している場合でも、第1適用例と同様に人工誘電体30の厚さを電磁波の波長の1/4よりも大幅に薄くすることができ、電磁波吸収体60の厚さを薄くすることができる。
【0055】
図6(D)には、第4適用例に係る電磁波吸収体70が断面図にて示されている。
【0056】
第4適用例に係る電磁波吸収体70では、裏面に反射膜42が設けられており、反射膜42の表側に人工誘電体30が設けられている。さらに、人工誘電体30の内部(厚さ方向略中央)には、分割導電膜44が設けられており、分割導電膜44における導体46間の間隙にも人工誘電体30が設けられている。
【0057】
この電磁波吸収体70では、表側から到来した電磁波が、表面(人工誘電体30の表面)で反射及び透過され、かつ、人工誘電体30及び分割導電膜44で吸収及び透過されると共に、反射膜42で反射及び吸収される。このため、到来した電磁波と、反射膜42で反射されて人工誘電体30及び分割導電膜44を透過した電磁波(表面と反射膜42との間で多重反射された電磁波を含む)と、が互いに干渉して打ち消し合うことで、表側から到来した電磁波が吸収される。
【0058】
ここで、この電磁波吸収体70でも、第1適用例と同様に人工誘電体30の厚さを電磁波の波長の1/4よりも大幅に薄くすることができ、電磁波吸収体70の厚さを大幅に薄くすることができる。
【0059】
図6(E)には、第5適用例に係る電磁波吸収体80が断面図にて示されている。
【0060】
第5適用例に係る電磁波吸収体80は、第4適用例に係る電磁波吸収体70を備えており、表面(人工誘電体30の表側)に整合膜82(吸収膜)が設けられている。
【0061】
この電磁波吸収体80では、表側から到来した電磁波が、整合膜82で反射、吸収及び透過され、かつ、人工誘電体30及び分割導電膜44で吸収及び透過されると共に、反射膜42で反射及び吸収される。このため、到来した電磁波と、反射膜42で反射されて人工誘電体30及び分割導電膜44を経て整合膜82を透過した電磁波(整合膜82と反射膜42との間で多重反射された電磁波を含む)と、が互いに干渉して打ち消し合うことで、表側から到来した電磁波が吸収される。
【0062】
ここで、この電磁波吸収体80でも、第1適用例と同様に人工誘電体30の厚さを電磁波の波長の1/4よりも大幅に薄くすることができ、電磁波吸収体80の厚さを大幅に薄くすることができる。
【0063】
図6(F)には、第6適用例に係る電磁波吸収体90が断面図にて示されている。
【0064】
第6適用例に係る電磁波吸収体90では、裏面に反射膜42が設けられており、反射膜42の表側に人工誘電体30が設けられている。さらに、電磁波吸収体90の表面(人工誘電体30の表側)には、整合膜82が設けられている。
【0065】
この電磁波吸収体90では、表側から到来した電磁波が、整合膜82で反射、吸収及び透過され、かつ、人工誘電体30で吸収及び透過されると共に、反射膜42で反射及び吸収される。このため、到来した電磁波と、反射膜42で反射されて人工誘電体30を経て整合膜82を透過した電磁波(整合膜82と反射膜42との間で多重反射された電磁波を含む)と、が互いに干渉して打ち消し合うことで、表側から到来した電磁波が吸収される。
【0066】
ここで、この電磁波吸収体90でも、第1適用例と同様に人工誘電体30の厚さを電磁波の波長の1/4よりも薄くすることができ、電磁波吸収体90の厚さを薄くすることができる。
【0067】
このように、第1適用例乃至第6適用例では、人工誘電体30の厚さを薄くすることができるため、人工誘電体30を安価で軽量にすることができると共に、安価で軽量な電磁波吸収体40、50、60、70、80、90を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る被膜導電体を示す斜視図である。
【図2】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る被膜導電体を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る被膜導電体を示す断面図である。
【図4】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る人工誘電体を示す断面図である。
【図5】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る人工誘電体を示す平面図である。
【図6】第1適用例乃至第6適用例に係る電磁波吸収体を示す断面図である。
【符号の説明】
【0069】
10 被覆導電体
12 導電性繊維(導電体、近傍導電体)
14 絶縁性被膜(絶縁体)
20 混入粉(導電性材料、誘電性材料)
30 人工誘電体
32 マトリクス(母材)
【出願人】 【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区本町4丁目1番13号
【出願日】 平成15年7月29日(2003.7.29)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志

【公開番号】 特開2005−51047(P2005−51047A)
【公開日】 平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願番号】 特願2003−281493(P2003−281493)