| 【発明の名称】 |
配線板の製造法 |
| 【発明者】 |
【氏名】黒川 博 【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成エレクトロニクス株式会社内
【氏名】今野 辰彦 【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成エレクトロニクス株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】微細配線の形成に優れ、ラインやスルーホールにめっきリードを必要とせず、これまで以上に高密度回路パターンを形成でき回路の高さのばらつき精度を高精度に押さえて、接続信頼性が損なわれない、配線板の製造法を提供する。
【解決手段】以下の工程からなることを特徴とする配線板の製造法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 以下の工程からなることを特徴とする配線板の製造法。 a:銅張り積層板にスルーホールとなる孔をあける工程 b:スルーホールとなる孔の内壁に電解めっき又は無電解めっきを受け入れる層を形成する工程 c:スルーホールとなる孔及びその周囲を除いて選択的にめっきレジストを塗布する工程 d:電解めっき又は無電解めっきによって少なくとも孔内壁にニッケル又はその合金のめっき層を形成する工程 e:めっきレジストを剥離する工程 f:スルーホール孔内壁のめっき層を保護するとともに、必要な配線を形成するためのエッチングレジストを形成する工程 g:エッチングレジストの形成されていない銅箔部分を選択的にエッチング除去する工程 【請求項2】 電解めっき又は無電解めっきを受け入れる層が、無電解銅めっきである請求項1に記載の配線板の製造法。 【請求項3】 電解めっき又は無電解めっきを受け入れる層が、グラファイト粒子層である請求項1に記載の配線板の製造法。 【請求項4】 銅張り積層板の銅箔の厚みが、5μm〜35μmの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の配線板の製造法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、配線板の製造法に関する。 【背景技術】 【0002】 配線板は、通常、銅張り積層板にスルーホールとなる孔をあけ、その孔の内壁と銅箔表面に無電解めっきを行って、スルーホールとして必要な厚さまで電気めっきを行い、そのスルーホールめっきを保護しながら不要な銅を除去するためにエッチングレジストを形成し、例えば塩化第二銅と塩酸からなる化学エッチング液をスプレーで噴霧し、不要な銅を選択的にエッチング除去することによって製造されている。近年では機器の小型化によって、配線板の高密度化が要求され、回路パターンの密度も、導体幅/導体間隔が30μm/30μm迄要求されてきている。この要求に対応する配線板は、前記従来の製造法では非常に困難となってきているため、高密度でありながら経済的に優れた配線板の製造法が、特開平11−54910号公報に提案されている。 【0003】 近年、実装方式としてチップを直接搭載する基板が要求されてきており、チップとの接続方式としてACF(異方導電性膜)等を用いたフリップチップ方式が高密度実装として採用されてきている。これらの実装方式に対応する基板側への要求としては、これまで以上に高密度であることが要求され、更にチップとの接続ラインに幅の高精度化、チップとの接続面の高さ(厚み)ばらつきの高精度化も必要となる。前記公報に開示された製法は、経済的に優れており、微細配線も従来と比較して格段の向上を図ることができるが更なる高密度化の要求に対しては以下の課題がある。 【0004】 【特許文献1】特開平11−54910号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 回路パターンを形成した後、電気めっきでスルーホールを形成することから、ライン及びスルーホールに対して電気めっきリードとなるラインを接続しておかなければならない。そのめっきリードラインのために配線密度が上がらなかったり、スルーホールヘ接続するめっきリード用スルーホールが必要になると共に、スルーホール個数が多く必要となったり、そのためのライン本数が増加する等で、配線密度を向上させるには障害となっていた。また、特にチップ実装部ラインにおいて、めっきリードラインの接続が不可能な場合が発生し易く、その場合は、ラインを削除することが必要なことから、チップとの接続信頼性の低下を招く等の問題があった。また、メッキリードラインを接続しておいて後から孔で切断する等の手法をとる場合もあるが、そのためのスペースが必要になる等、更なる高密度に対しては障害となっていた。 【0006】 一方、チップとの接続をするラインにおいては、電気めっきで形成することから、電気めっき特有の面内厚みばらつきが大きく発生し、チップとの接続面の高さ(厚さ)管理が困難になると共に、接続信頼性が悪化するという課題があった。本発明は、前記公報に開示されている微細配線レベルを損なうことなく、ラインやスルーホールにめっきリードを必要とせず、表面実装部品(例えばチップ等)との接続信頼性を損なうことなく、これまで以上に高密度回路パターンを形成でき、更に回路の高さのばらつき精度を高精度に押さえて、接続信頼性が損なわれない配線板の製造法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は,次のものに関する。 (1)以下の工程からなることを特徴とする配線板の製造法。 a:銅張り積層板にスルーホールとなる孔をあける工程 b:スルーホールとなる孔の内壁に電解めっき又は無電解めっきを受け入れる層を形成する工程 c:スルーホールとなる孔及びその周囲を除いて選択的にめっきレジストを塗布する工程 d:電解めっき又は無電解めっきによって少なくとも孔内壁にニッケル又はその合金のめっき層を形成する工程 e:めっきレジストを剥離する工程 f:スルーホール孔内壁のめっき層を保護するとともに、必要な配線を形成するためのエッチングレジストを形成する工程 g:エッチングレジストの形成されていない銅箔部分を選択的にエッチング除去する工程 (2)電解めっき又は無電解めっきを受け入れる層が、無電解銅めっきである項(1)に記載の配線板の製造法。 (3)電解めっき又は無電解めっきを受け入れる層が、グラファイト粒子層である項(1)に記載の配線板の製造法。 (4)銅張り積層板の銅箔の厚みが、5μm〜35μmの範囲である項(1)〜(3)のいずれかに記載の配線板の製造法。 【発明の効果】 【0008】 本発明によれば、微細配線レベルを損なうことなく、ラインやスルーホールにめっきリードを必要とせず、チップ等の表面実装部品との接続信頼性を損なうことなく、これまで以上に高密度回路パターンを形成でき、更に回路の高さのぱらつき精度を高精度に押さえて、接続信頼性が損なわれない配線板の製造法を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 前記スルーホールとして電気的に接続される、電解めっき又は無電解めっきを受け入れる層には、無電解めっき層、導電性微粒子とその導電微粒子をスルーホールとなる孔内壁に保持するための接着剤成分からなるもの、導電性モノマーを付着させ、その後、その導電性モノマーを酸化重合させて導電性を付与したもの、あるいは無電解めっきのめっき触媒によるシーダー処理を用いることができる。それぞれの実施の形態詳細については、特開平11−54910号公報に示されている。工程cにおけるめっきレジストは、印刷用インク、又は露光現像タイプのドライフィルムを用いることができる。一方、材質としては、次工程のめっき時の耐久性とめっき後の剥離性を兼ね備えている必要がある。工程dにおけるニッケル又はその合金めっき層の厚さは、1〜20μmの範囲であることが好ましく、1μm未満では、はんだなどの熱衝撃に対する強度が不足し、20μmを越えると、その後の回路形成時に大きな段差によって、エッチングレジスト密着時に気泡を巻き込み、その後のエッチングで断線する可能性があり、より好ましくは3〜10μmの範囲である。さらに、ニッケル又はその合金めっきを行う範囲は、スルーホールとなる孔の内壁及びスルーホールとなる孔の周囲0.01〜1.0mmの範囲とする。工程f以降については、公知技術である永久レジストを形成し、電解又は無電解めっきで導体露出部を処理する等の方法が多く用いられるが、本発明の特徴を最大に生かすためには導体露出部に対して、均一な厚みでめっきができる無電解めっきを採用することが好ましい。 【0010】 銅張り積層板の基材には、フレキシブル基材を用いることもできる。基材としては、ポリイミドフイルム、ポリエステルフィルム等を用いることができ、市販のものでは、ポリイミドフイルムではカプトン(東レ・デュポン株式会社製、商品名)ユーピレックス(宇部興産株式会社製、商品名)、エスパネックス(新日鉄化学株式会社製、商品名)、ポリエステルフィルムでは、ルミラー(東レ株式会社製、商品名)を使用することができる。この銅張り積層板の基材には、通常の配線板に用いるガラス布エポキシ樹脂含浸の銅張り積層板、ガラス不織紙エポキシ樹脂含浸銅張り積層板、セラミック表面を粗化し該表面に銅層を形成したセラミック銅張り積層板等を用いることができる。本発明の銅張り積層板の銅箔には、圧延銅箔、電解銅箔いずれの種類でも用いることができ、厚さは薄ければ薄いほど微細な回路を形成することができるが、取り扱い性や価格の面から、好ましい範囲は、5μm〜35μmの範囲である。銅箔の厚さが5μm未満のもので市販されているものはなく、自前で作製するにしてもめっき装置等を必要とし経済的ではなく、取り扱い性も極めて悪い。35μmを越えるものについても本発明の方法を用いることはできるが、微細な回路を形成することは困難でありメリットは少ない。以下本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 【実施例】 【0011】 (実施例1) (工程a) 図1(a)に示すように、両面に厚さ12μmの銅箔1を貼り合わせたガラスエポキシ樹脂含浸銅張り積層板であるMCL−E679(日立化成工業株式会社製、商品名)の厚さ0.1mmのものに、直径0.2mmのスルーホールとなる孔をあけた。 (工程b) 図1(b)に示すように、孔をあけた銅張り積層板を十分に水洗いした後、コンディショナーCLD−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に40℃で5分間浸漬して表面処理を行い、続いて、無電解めっき用増感剤であるCUST−201B(日立化成工業株式会社製、商品名)に、液温50℃で40分の条件で浸漬し、無電解めっき液であるL−59めっき液(日立化成工業株式会社製、商品名)を60℃で30分の条件で、厚さ0.5μmの銅めっきを電気めっきを受け入れる層3として形成した。 (工程c) 図1(c)に示すように、スルーホール孔及びその周囲ランドを外しためっきレジスト用ドライフィルムであるフォテックH−N640(日立化成工業株式会社製、商品名)をロール温度100℃、ロール送り速度1.0m/分の条件でラミネートし、フォトマスクを介して紫外線を70mJ/cm2条件で露光し、1.1重量%の炭酸ナトリウム溶液で噴霧して現像し、めっきレジスト4を形成した。 (工程d) 図1(d)に示すように、以下の電気ニッケルめっきを、液温55℃、時間6分、電流密度4A/dm2の条件で行い、厚さ5μmのニッケルめっき層5を形成した。 (電気ニッケルめっき液の組成) ニッケル……………60g/l 塩化ニッケル………35g/l 棚酸…………………35g/l (工程e) 図1(e)に示すように、めっきレジスト4を3%重量の水酸化カリウム溶液で剥離除去した。 (工程f) 図1(f)に示すように、スルーホール孔内壁のめっき層3を保護するとともに、必要な配線を形成するためのエッチングレジストを形成するために、エッチングレジスト用ドライフィルムであるフォテックH−N920(日立化成工業株式会社製、商品名)をロール温度100℃、ロール送り速度1.0m/分の条件でラミネートし、フォトマスクを介して紫外線を50mJ/cm2条件で露光し、1.1重量%の炭酸ナトリウム溶液で噴霧して現像し、エッチングレジスト7を形成した。 (工程g) 図1(g)に示すように、エッチングレジスト7の形成されていない銅箔部分を、塩化第二銅/塩酸溶液をスプレー噴霧して、選択的にエッチング除去した。 (工程h) 図1(h)に示すように、エッチングレジスト7を3%重量の水酸化カリウム溶液で剥離除去した。 【0012】 (実施例2) 実施例1における工程bに代えて、以下の工程とした。スルーホールとなる孔の内壁に、電気めっきを受け入れる層3を、以下のようにして形成した。孔をあけた銅張り積層板を十分に水洗いした後、ブラックホールクリーナーSP−6800(メック株式会社製、商品名)に、室温で1分間浸漬けして油脂等を除去し、ブラックホールコンディショナーSP−6560(メック株式会社製、商品名)に室温で3分間浸漬してグラファイト粒子層を形成し、10重量%硫酸で酸洗し、水洗して、均一なグラファイト層を全体に形成し、乾燥して定着し、水洗、乾燥後セパレーターSP−6800(メック株式会社製、商品名)に室温で3分間浸漬し、銅表面の余分なグラファイトを除去した。 【0013】 (比較例1) (工程a) 図2(a)に示すように、両面に厚さ12μmの銅箔1を貼り合わせたガラスエポキシ樹脂含浸銅張り積層板であるMCL−E679(日立化成工業株式会社製、商品名)の厚さ0.1mmのものに、直径0.2mmのスルーホールとなる孔をあけた。 (工程b) 図2(b)に示すように、孔をあけた銅張り積層板を、十分に水洗いした後、コンディショナーCLD−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に40℃で5分間浸漬けして表面処理を行い、続いて、無電解めっき用増感剤であるCUST−201B(日立化成工業株式会社製、商品名)に、液温50℃で40分の条件で浸漬し、無電解めっき液であるL−59めっき液(日立化成工業株式会社製、商品名)を60℃で30分の条件で、厚さ0.5μmの銅めっきを電気めっきを受け入れる層として形成した。 (工程c) 図2(c)に示すように、スルーホール孔内壁のめっき層3を保護するとともに、必要な配線を形成するためのエッチングレジストを形成するためにエッチングレジスト用ドライフィルムである、フォテックH−N920(日立化成工業株式会社製、商品名)をロール温度100℃、ロール送り速度1.0m/分の条件でラミネートし、フォトマスクを介して紫外線を50mj/cm2条件で露光し、1.1重量%の炭酸ナトリウム溶液で噴霧して現像し、エッチングレジスト6を形成した。 (工程d) 図2(d)に示すように、エッチングレジスト4の形成されていない胴部分を塩化第二銅/塩酸溶液をスプレー噴霧して、選択的にエッチング除去した。 (工程e) 図2(e)に示すように、以下の電気ニッケルめっきを、液温55℃、時間6分、電流密度4A/dm2の条件で行い、厚さ5μmのニッケルめっき層5を形成した。 (電気ニッケルめっき液の組成) ニッケル……………60g/l 塩化ニッケル………35g/l 棚酸…………………35g/l 以上に説明した実施例と比較例のパターン配線密度及ぴ配線厚さばらつき精度について表1及び図3、図4に示す。 【0014】 【表1】
【0015】 以下に本発明の実施例に用いた測定方法と試験方法について述べる。 試料の作製試料は、大きさ500mm×500mmとし、20枚の試料を作製した。配線は図5に示す30μm/30μmのラインに全てめっきリードを取ったものをパネルに均等に9個面付け配置し、それぞれの方法で製作した。 (測定方法) 導体厚みの測定には、触針式の表面粗さ測定器を用いて、基材と導体の接着されている面から導体表面迄の高さを測定した。表1に示すように、比較例の厚みは最大5μmものばらつきが見られるが、実施例の場合は最大でも1μmのばらつき範囲内で製作可能である。 【0016】 パターン配線密度において、特開平11−54910号公報記載の方法では、電気めっきのために、めっきリードが必要であることと、配線形成後にめっきをつけることから、図3に示すような設計となった場合、部品搭載ランドが近くに存在するチップ搭載エリア内接続ラインのなかには、図に示すようなメッキリード接続不可能ラインが発生し、このラインにはめっきがつかない。この場合、このままめっきをつけない方法を採るか、または、ラインを削除するかのいずれかの方法で製作せざるを得ないこととなる。なお、無電解めっきで後からめっきすることも考えられるが、めっきが2重になり、めっきが剥がれやすくなるという問題がある。このままめっきがつかないラインを残して、チップとの接続を行えば、接続性が極度に悪化するラインとなり、このラインを削除すれば、バランスが悪化するために、接続信頼性が悪化する。本発明の方法によれば、無電解めっきを配線形成後に処理することによって、めっきが2重にならずにつけることができる。また、図4(a)に示すような設計の場合、中にあるスルーホールは表面配線側からも裏面配線からもメッキリードラインを引き延ばすことができないため、配線間隔を広げてメッキリード用スルホールを別に設置しなければなない箇所が発生する。従って図4(b)に示すように、配線密度を損なうことがあったが、本発明の方法なら、配線形成前にスルーホールを形成してしまうことから、このようなめっきリード用スルーホールは必要が無く、図4(a)のままで製作可能である。 【図面の簡単な説明】 【0017】 【図1】(a)〜(h)は本発明の一実施例の各工程における断面図。 【図2】(a)〜(f)は従来例の各工程における断面図。 【図3】従来例を説明するための平面図。 【図4】本発明の効果を説明するための平面図(a)及び従来例を説明するための平面図(b)。 【図5】本発明の効果を説明するためのめっきリードラインの部分平面図。 【符号の説明】 【0018】 1.銅箔 2.基材 3.めっきを受け入れる層 4.めっきレジスト 5.ニッケルめっき層 6.孔 7.エッチングレジスト
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004455 【氏名又は名称】日立化成工業株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成16年11月8日(2004.11.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−39303(P2005−39303A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月10日(2005.2.10) |
| 【出願番号】 |
特願2004−323560(P2004−323560) |
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