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【発明の名称】 電子部品を冷却する方法およびシステム
【発明者】 【氏名】サチン・ネヴィン・チダ

【氏名】ステファン・カール・バ−スン

【氏名】リカルド・イー・エピノザ−イバラ

【要約】 【課題】電子部品の電力使用量の変化傾向を考慮した、局所的な温度制御システムを提供する。

【解決手段】電子部品(100)によって生成された熱を放散する局所的システムであって、制御可能な冷却装置(101)と、前記冷却装置を制御する制御システム(130、131、132)とを具備し、前記制御システムが、前記電子部品の消費電力の変化に応じて、前記冷却装置の動作速度を調整することを特徴とする局所的システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品によって生成された熱を放散する局所的システムであって、
制御可能な冷却装置と、
前記冷却装置を制御する制御システムとを具備し、
前記制御システムが、前記電子部品の消費電力の変化に応じて、前記冷却装置の動作速度を調整することを特徴とする局所的システム。
【請求項2】
前記制御システムが、さらに、前記電子部品の温度変化に応じて前記冷却装置の前記速度を調整することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電子部品の前記消費電力が増大したときに、前記制御システムが、前記冷却装置の前記速度を上げることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電子部品の前記消費電力が減少したときに、前記制御システムが、前記冷却装置の前記速度を下げることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御システムは、
前記冷却装置から、前記冷却装置の前記速度の実測値である回転計出力信号を受け取り、前記冷却装置の前記速度を調整する制御信号を出力する第1の制御機能と、
前記電子部品の前記消費電力の読み取り値に基づいて、前記第1の制御機能から出力された制御信号を修正する第2の制御機能とを有し、
前記制御信号が、前記第2の制御機能によって修正された後で、前記制御信号が、前記冷却装置に入力され、前記冷却装置の前記速度を調整することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御システムが、前記消費電力の動向を認識しかつそれに従って前記冷却装置の前記速度を調整するための規則を有するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
電子部品によって生成された熱を放散する方法であって、前記電子部品の消費電力の変化に応じて、制御システムによって冷却装置の動作速度を調整する段階を有する方法。
【請求項8】
前記電子部品の温度変化に応じて、前記冷却装置の前記速度を調整する段階をさらに有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
電子部品によって生成された熱を放散するシステムであって、前記電子部品の消費電力の変化に応じて冷却装置の動作速度を調整する手段を有するシステム。
【請求項10】
前記電子部品の温度の変化に応じて、前記冷却装置の前記速度を調整する手段をさらに有する請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を冷却する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータや他の電子装置は、熱を発生するプロセッサ、メモリ製品、グラフィックス製品などの多数の電子部品や他の集積回路(IC)を含む。ほとんどの電子部品は、熱の影響を受けやすく、熱くなりすぎると故障したり物理的に破損したりすることがある。しかしながら、所定の電子装置内の各部品が安全に動作することができる熱しきい値は、各部品ごとに異なる。したがって、システム・レベルの冷却装置ならびに装置内の個々のICに取り付けられた冷却装置は、多くの電子装置の機能に不可欠である。そのような冷却装置は、熱拡散器、ファン、ブロワ、ヒートシンク、その他のものでよい。
【0003】
いくつかの冷却装置は、手動であるいは電子装置の一部である制御システムによって制御することができる。例えば、ファンを、様々な速度で動作するように制御することができる。制御可能な冷却装置は、最大速度で動作させないことによって電力を節約しシステム全体のノイズを減らすため、多くの電子装置において有利である。
【0004】
電子装置によっては、その温度管理をシステム・レベルの冷却装置だけに依存しているものもある。しかしながら、多くの電子装置において、システム全体の冷却は、高価でかつ場所をとるオーバヘッドタイプのものを必要とする。したがって、多くの場合、特定の電子装置内の一部またはすべてのICの個別の冷却装置(冷却ソリューション)は、システム・レベルの冷却装置よりも効率が高く、必要なスペースが小さく、安価である。
【0005】
制御可能なほとんどの温度制御システムは、冷却するICの温度を基準にしている。例えば、特定のICの温度が、望ましくない温度まで上昇した場合に、ファンの速度が高められる。しかしながら、ICの温度だけを基準にする温度制御システムは、不正確で、非効率的で、ICの電力使用量の特定の動向を認識しそれに応答できないことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子部品の電力使用量の変化傾向を考慮した、局所的な温度制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電子部品によって生成された熱を放散するための局所的システムが、制御可能な冷却装置と、冷却装置を制御する制御システムとを含む。制御システムは、電子部品の消費電力の変化に応じて冷却装置の動作速度を調整する。
【0008】
添付図面は、本発明の様々な実施形態を示し、本明細書の一部分である。示した実施形態は、本発明の単なる例であり、本発明の適用範囲を限定しない。
【0009】
図面全体にわたって、同一の参照番号は、類似しているが必ずしも同一とは限らない部品を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書において、集積回路(IC)と関連した冷却装置(冷却部品)を制御する方法およびシステムを説明する。制御システムは、制御システムへの入力として、ICの温度と消費電力を使用する。制御システムは、ICの温度だけでなくその消費電力も監視することによって、ICによって生成された熱の量を予測し、ICをより正確かつ効率的に冷却することができる。このシステムは、単に説明を容易にするためにICの文脈で説明される。しかしながら、本明細書に示した制御システムが、チップセット、中央処理装置(CPU)、電圧調整器、記憶ユニット、ディスク・ドライブ、入出力装置などの多くの様々な電子部品および一群の構成部品を冷却するために使用することができる。
【0011】
図1は、例示的な実施形態による冷却装置を備えた例示的な集積回路(IC)構成を示す。図1に示したように、IC(100)は、動作するために特定の電圧(V)を必要とする。この電圧には、IC(100)によって、その動作において使用される電流(I)が関連付けられる。IC(100)によって使用または消費される電力(P)は、式P=V×Iを使って計算することができる。換言すると、IC(100)によって使用される電力は、IC(100)に供給される電圧と電流の積と等しい。同じ式を使って、任意の電子部品によって消費される電力を計算することができる。
【0012】
電圧と電流は、IC(100)と独立したシステムによって供給されることがある。図1の構成が、本質的に例示的であり、他の多くの電圧供給構成が可能であることに注意されたい。例えば、IC(100)は、複数の電圧を使用することができる。その場合、消費電力は、前に示した電力式において、電圧値(V)として主要電圧レール(voltage rail、主要電源電圧)または様々なレールの関数を使って計算することができる。
【0013】
図1に示したように、IC(100)は、動作中に熱を発生する。当業者に既知の理由のために、IC(100)によって消費される電力のほとんどは熱になる。したがって、IC(100)によって消費される電力を計算することによって、IC(100)によって生成される熱の概算量を求めることができる。換言すると、IC(100)によって生成される熱の量は、IC(100)によって消費される電力の量とほぼ同等である。
【0014】
図1は、IC(100)によって生成された熱が、例示的な実施形態による冷却装置(101)によって放散されることを示す。冷却装置(101)は、IC(100)が過熱するのを防ぐのを支援する。ICが過熱すると、一時的に故障したり永久的に破壊したりすることがある。図1の例示的な構成の冷却装置(101)は、ファンまたはブロワである。しかしながら、冷却装置(101)は、ファン、ブロワ、ターボ・クーラー、ヒートシンク、熱拡散器でよいが、これらに限定されない。冷却装置(101)は、IC(101)に取り付けられていてもよく、IC(100)を含む電子装置内のIC(101)近くに配置されてもよい。冷却装置(101)は、IC(101)に電力を供給するのと同じ電源から電力を供給されてもよく、それ自体の電源を備えていてもよい。
【0015】
IC(100)の冷却装置(冷却ソルーション)において、複数の冷却装置があってもよい。冷却装置は、回路と、IC(100)によって生成された熱を放散する冷却装置とを含む。例えば、図のIC(100)には、ファンまたはブロワ(101)の他に、上部に取り付けられたヒートシンク(図示せず)を含む冷却ソルーションがあってもよい。特定の冷却ソルーションに使用される冷却装置の数は、冷却するICの構造および温度条件によって異なる。
【0016】
冷却するICの特性変化に応じて、冷却装置の動作方法を手動または自動で(すなわち、マイクロコントローラによって)制御することができる場合に、冷却装置は、制御可能である。特性変化は、ICの温度、消費電力、あるいは温度変化を示すICの何らかの他の特性変化でよい。図1の冷却装置(101)が制御可能である場合、その動作速度を、IC(100)の温度変化および/または消費電力の変化に応じて調整することができる。制御可能な冷却装置を含む制御可能な冷却ソルーションは、本明細書および添付した特許請求の範囲において、特に断らない限り、温度制御システムまたは単に制御システムと呼ばれる。
【0017】
いくつかの冷却装置は、他の冷却装置よりも制御が容易である。例えば、1部の温度制御システムである冷却装置は、ファン、ブロワおよびターボ・クーラーを含むがこれらに限定されない。一方、ほとんどのヒートシンクは、受動的冷却装置であり、制御可能ではない。しかしながら、いくつかのヒートシンクは、制御可能なことがあり、したがって、例示的な実施形態による温度制御システムの一部分でよい。
【0018】
図2に、例示的な温度制御システムを示す。この例示的な実施形態において、制御システムは、閉ループ制御システムを使用して実現されている。図2に示したように、閉ループ制御システムは、冷却装置(101)の出力を常に監視し、その出力を多くの因子のうちのいずれかによって調整するシステムである。例えば、図2の制御システムは、冷却装置(101)の速度を制御する制御信号を調整するために使用できるいくつかの制御機能(120)を含む。
【0019】
図2の制御機能(120)は、いくつかの機能のうちの任意のものを実行することができる。実行する厳密な機能は、制御システムの特定の実施形態に最も役立つように変化する。したがって、制御機能(120)の以下の説明は、制御機能(120)が実行できる多くの可能な機能のうちのいくつかの例示としてのみ役立つ。
【0020】
図2に示したように、冷却装置(101)は、制御可能な冷却装置(101)である。例えば、図2の冷却装置(101)は、回転計出力信号を有するファンまたはブロワである。回転計出力信号は、冷却装置(101)がどれだけの速度で動作しているかの実測値である。例えば、回転計出力信号は、ファンのモータがどれだけの速度で動作しているかを回転数/分(RPM)で表した実測値である。RPMは、今後および添付の特許請求の範囲において、特に断らない限り、冷却装置の動作速度または動作レベルの例示的な実測値として使用される。冷却装置の動作レベルの他の実測値を使用することもできる。
【0021】
図2に示したように、回転計出力信号は、制御機能(120a)に入力される。制御機能(120a)は、回転計出力信号にその信号を増幅する定数を掛け、その後でそれを他の制御機能(120b、c)に送ることができる。もう1つの実施形態によれば、制御機能(120a)は、回転計出力信号を設定値と比較し、それに従って、回転計出力信号を調整する。例えば、設定値は、冷却装置(101)の理想RPM値である。回転計出力信号が理想RPM値よりも低い場合は、制御機能(120a)からの出力された制御信号は、冷却装置(101)に提示してそのRPMを高めるように修正される。同様に、回転計出力信号が理想RPM値よりも高い場合は、制御機能(120a)から出力された制御信号は、冷却装置(101)に提示してそのRPMを低くするように修正される。
【0022】
代替の実施形態は、図2の制御システムが制御機能(120a)を備えていないことである。この場合、回転計出力信号は、冷却装置(101)から制御機能(120b)に直接送られる。
【0023】
図2を再び参照すると、制御機能(120a)は、制御信号を出力する。この制御信号は、後で説明するように、他の制御機能(120b、c)によって修正されることがある。この制御信号は、修正された後で、冷却装置(101)にフィードバックされる。したがって、図2の制御システムは、閉ループ制御システムである。制御信号は、冷却装置(101)の動作速度を制御する。例えば、冷却装置(101)のRPMの速度を高めるために、制御信号の振幅が大きくされる。
【0024】
図2の制御信号は、冷却装置(101)を制御する任意のタイプの制御信号でよく、特定の用途に最もよく役立つように変化する。1つの例示的な制御信号は、パルス幅変調(PWM)制御信号である。PWM制御信号は、駆動トランジスタを使用して冷却装置(101)に対する供給電圧のオン/オフ・デューティサイクルを変化させる。そのようにして、PWM制御信号は、冷却装置(101)のモータに送られる有効電力を効率的に制御することができる。
【0025】
もう1つの例示的な制御信号は、線形電圧制御信号である。線形電圧制御信号は、冷却装置(101)に印加される直流(dc)電圧を変化させて、冷却装置の速度(例えば、RPM)を変化させる。ファンなどのいくつかの冷却装置への直流電圧を変化させると、それに比例してのRPMがある程度変化する。
【0026】
図2に戻り、制御機能(120a)から出力された制御信号は、制御機能(120b)に入力される。制御機能(120b)は、制御システムが冷却するIC(100)の温度の読み取り値を含む信号のためのもう1つの入力を有する。この温度信号は、IC(100)自体の中のインライン検出(inline sensing)を使用して得ることができる。また、この信号は、他の多くの温度検出装置または回路を使用して得ることができる。
【0027】
制御機能(120b)は、制御信号と温度信号により、いくつかの機能のうちの1つまたは複数を実行することができる。例えば、制御機能(120b)は、温度信号の変化に基づいて制御信号を調整する。IC(100)の温度が高くなると、冷却装置(101)にそのRPMを高めることを示すように、制御信号を増幅するか修正することができる。同様に、IC(100)の温度が低くなると、冷却装置(101)にそのRPMを低くすることを示すように、制御信号の振幅を小さくするか修正することができる。このようにして、冷却装置(101)が高いRPMで動作する必要がないときに、電力を節約することができまたシステム・ノイズを減らすことができる。
【0028】
もう1つの例示的な実施形態は、制御機能(120b)が、IC(100)の温度を、IC(100)が適切に動作できる最高温度を表す設定値と比較することである。例えば、IC(100)が動作できる最高温度は、摂氏75度(C)である。制御機能(120b)は、IC(100)の実際の温度をこの値と比較して、冷却装置(101)が、IC(100)を最高許容温度よりも低い温度に冷却するように、制御信号を調整することができる。また、制御システムは、温度が最高許容温度よりも高くなった場合に、IC(100)またはシステム・レベル制御システムに障害信号(障害発生を示す信号)を送って、IC(100)を停止するように(ICの電源を落とすように)構成することができる。
【0029】
もう1つの例示的な実施形態は、制御機能(120b)が、IC(100)の温度を、IC(100)が動作すべき理想温度を表す設定値と比較することである。例えば、IC(100)が動作する理想温度は30℃である。制御機能(I20b)は、IC(100)実際の温度をこの値と比較し、冷却装置(101)がIC(100)をこの理想温度と同等の温度まで冷却するように制御信号を調整することができる。
【0030】
さらにもう1つの例示的な実施形態は、制御機能(120b)が、前述の機能の組み合せを実行することである。例えば、制御機能(120b)は、IC(100)の温度の変化に基づいて制御信号を線形的に(比例的に)調整することができ、同時に、IC(100)の温度が、動作できる最高許容温度を超えないようにする。
【0031】
制御信号は、制御機能(120b)によって修正された後、制御機能(120c)に送られる。また、制御機能(120c)は、制御システムが冷却するIC(100)の消費電力の読み取り値を含む電力信号のための別の入力を有する。この電力信号は、IC(100)の入力電圧および電流を測定し、次に、図1と関連して説明した電力式(P=V×I)を使って得ることができる。電力信号は、IC(100)によって消費される電力を測定できる他の装置を使用して得ることもできる。
【0032】
制御機能(120c)は、制御信号と電力信号によって、いくつかの機能のうちの1つまたは複数を実行することができる。例えば、1つの例示的な実施形態は、制御機能(120c)は、IC(100)によって消費される電力の変化に基づいて制御信号を調整することができる。図1と関連して説明したように、IC(100)によって消費される電力が増えると、IC(100)は、より多くの熱を生成する。したがって、放散しなければならない熱がさらに他にある場合は、冷却装置(101)にそのRPMを高めることを示すように制御信号を増幅しまたは修正することができる。同様に、IC(100)によって消費される電力が減少した場合は、冷却装置(101)にそのRPMを低くすることを示すように制御信号の振幅を小さくするかまたは修正することができる。そのようにして、冷却装置(101)が高いRPMで動作する必要がないときに、電力を節約することができ、システム・ノイズを減少させることができる。
【0033】
制御システムは、制御機能(120c)によって、IC(100)が消費する電力を監視するので、制御システムは、温度が高くなるのを待ってからIC(100)を冷却するのではなく、熱が生成されたときに機先を制して冷却装置(101)のRPMを高め熱を放散させることができる。換言すると、制御システムは、IC(100)の消費電力を監視することにより、IC(100)によって生成される熱の量を予測し、それに応じて冷却装置(101)を調整して上昇した熱を補償することができる。
【0034】
図2に示したように、制御信号は、制御機能(120c)によって修正された後、冷却装置(101)あるいは冷却装置(101)を制御する回路に入力される。例示的な実施形態により、制御信号は、冷却装置(101)のRPMの速度を上昇または低下させる。
【0035】
代替の実施形態は、図2に示した制御システムが、IC(100)の温度に基づいて制御信号を修正する制御機能(120b)を備えていないことである。この場合、IC(100)から制御システムへの入力は、制御機能(120c)に入る電力信号だけである。
【0036】
図2に示した制御システムは、複数の方法で実現することができる。図3は、例示的な実施形態により、マイクロコントローラ(130)を使用する制御システムの例示的な実施形態を示す。図3に示したように、マイクロコントローラ(130)には、3つの入力がある。入力の1つは、冷却装置(101)からの回転計出力信号である。他の2つの入力は、IC(100)からの温度(131)と電力(132)の読み取り値である。1つの実施形態によれば、温度と電力の入力(131,132)は、アナログ入力でよい。しかしながら、もう1つの実施形態によれば、これらの入力は、ディジタル信号入力でよい。図3に示したように、マイクロコントローラ(130)は、冷却装置(101)に制御信号を出力する。したがって、例示的な実施形態によれば、マイクロコントローラ(130)は、図2に関して説明した制御機能(120)をすべて実行する。マイクロコントローラ(130)は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、信号処理プロセッサ(DSP)、または他のタイプのICでよい。
【0037】
代替の実施形態は、制御システムを、各制御機能(120)ごとにアナログ構成部品を使用して実現できることである。アナログ構成部品を使用する厳密な実現方法は、当業者には明らかであり、本明細書では説明しない。
【0038】
制御システムは、図4の例示的な構成に示したような、システム・レベルでの冷却装置で実現されることがある。図4に示したように、システム温度管理コントローラ(140)が、システム全体を冷却するシステム冷却装置(141)を制御する。システム冷却装置(141)は、前に検討した冷却装置のうちの任意の1つまたは複数でよい。例えば、システム冷却装置(141)は、システム全体を冷却するシステム・ファンである。システム温度管理コントローラ(140)は、IC(100)を含むシステムの温度環境を制御する。
【0039】
図4に示したように、この構成のIC制御システム(130)には、2つの出力がある。1つの出力は、冷却装置(101)を制御する制御信号である。1つの例示的な実施形態によれば、もう1つの出力は、システム温度管理コントローラ(140)に送られる2段階の警報信号である。2段階警報信号は、2つの機能を実行する信号でよい。第1段階警報は、システム温度管理コントローラ(140)に、システム冷却装置(141)のファン速度を高めるように要求する。2段階警報信号の第2段階は、システム温度管理コントローラ(140)に、放散できない過剰な熱によりシステム全体を停止すること(システム全体の電源を落とすこと)を要求する障害信号でよい。2段階警報信号は、システム温度管理コントローラ(140)に送られる可能性のある多くの警報信号のうちの1つである。警報信号によって要求される厳密な動作は、特定の用途に最も役立つように変化することができる。
【0040】
図5は、複数の制御システムおよび冷却装置を、システム・レベルの冷却装置と組み合わせて使用することができる例示的な実施形態を示す。図5に示したように、システム温度管理コントローラ(140)およびシステム冷却装置(141)と組み合わせて、2つの制御システムと冷却装置(152,153)が使用される。図5の例示的な構成には、2つの制御システムと冷却装置があるが、当業者に容易に明らかなように、他のシステムには、1つまたは複数の制御システムと冷却装置があってもよい。図5に示したように、IC(100)とチップセット(151)のための冷却装置を示していないが、これらの冷却装置は、説明を容易にするために制御システム・ブロック(152,153)と一体化されている。
【0041】
図5において冷却される2つの構成部品は、中央処理装置(CPU)(150)とチップセット(151)である。チップセットは、1つまたは複数の関連する機能を実行する際に最小構成単位として働くように設計された1群のマイクロチップまたはICである。CPU(150)とチップセット(151)は、入出力(10)コントローラやメモリ・ユニットなどの同じシステム内で冷却することができる多くのタイプのICの例である。
【0042】
図5は、CPU(150)とチップセット(151)が、それ自体の局所的冷却装置を有することを示す。そのような冷却装置は、システム・レベルの冷却装置ものである。この構成は、使用可能な管理処理能力が複数のICを監視するのに不十分なローエンド・システムに使用されることがある。
【0043】
図5に示したように、UPUの制御システム(152)は、システム温度管理コントローラ(140)に2段階警報を送るように構成されている。2段階警報信号は、図4と関連して説明した2段階警報信号と同じものである。チップセットの制御システム(153)は、システム温度管理コントローラ(140)に、システム全体またはチップセット(151)だけを遮断するように要求する障害制御信号だけを送るように構成される。この場合も、システム温度管理コントローラ(140)に送られる制御信号は、任意のタイプの制御信号でよい。例えば、チップセットの制御システム(153)は、システム温度管理コントローラ(140)に2段階で警報信号を送信するように構成される。
【0044】
もう1つの例示的な実施形態は、IC(100)用の制御システムを、規則(取決め又は予め定められた手順)またはメモリ(記憶内容)を有するように作成できることである。換言すると、制御システムは、消費電力、温度変動、またはICまたはシステムの不規則挙動における特定の動向を認識するようにプログラムまたは設計することができる。そのような動向、変化または不規則挙動を認識することにより、制御システムは、冷却装置に対する適切な制御信号を維持することができる。
【0045】
図6は、メモリを有するように制御システムを作成またはプログラムすることができる、ICによる消費電力を示すグラフである。図6は、例示的なICの消費電力を時間の関数として示す。図6に示したように、時間t0とt1の間に、しきい値を超える消費電力の短いスパイク(160)がある。その他の時間は、消費電力は、通常レベルあたりでわずかに変化するだけである。例示的な実施形態によれば、継続時間が指定時間長よりも短い場合に、しきい値を超える消費電力のスパイク(160)を無視するように、制御システムを作成またはプログラムすることができる。例えば、指定時間長は、250ミリ秒であり、しきい値は70ワットである。このケースにおいて、消費電力のスパイク(160)が、150ミリ秒間70ワットを超えた場合は、制御ループは、スパイク(160)を無視し、消費電力の一時的増大を補償するために冷却装置(101)の速度を高めることはしない。指定しきい値と指定時間長は、特定の用途に最も役立つように変化する。
【0046】
図6と関連して説明した状況のために、制御ループをメモリと共に使用することがある応用例がいくつかある。例えば、CPUは、主に整数を処理する。しかし、場合によっては、浮動小数点数を処理する。CPUが浮動小数点数を処理するときに、図6のスパイク(160)と類似の消費電力のスパイクがある。
【0047】
もう1つの例示的な実施形態によれば、制御システムは、消費電力の変化を選択的に無視することを可能にするメモリ(記憶内容)または規則(rule、予め定められた手順)を備えることがある。図7は、消費電力の変化によって、制御システムが消費電力の変化を選択的に無視することを必要とすることがある、ICによる消費電力を示すグラフである。図7は、例示的なICの消費電力を時間の関数として示す。図7に示したように、消費電力は頻繁に変化する。応用例によっては、冷却装置(101)は、消費電力の変化と同じ割合で速度を変化させることができないことがある。したがって、この例示的な実施形態によれば、制御システムは、消費電力の変化の一部分を無視し、その代わりに制御機能(120c)へ入力として消費電力の定期的な読み取り値を使用する。図7は、制御システムが、時間t0,t1,...,t7における消費電力の値を使用することを示す。
【0048】
図7と関連して説明した代替実施形態は、制御システムが、消費電力のn番目ごとの変化を選択することである。例えば、消費電力が、毎秒5千万回変化する場合、制御システムは、制御機能(120c)へ入力として1千万回目ごとの変化を使用するように選択する。
【0049】
前に説明した制御システムにプログラムすることができる規則は、制御システムが有することができる多くの様々な規則の例である。特定の応用例に最も役立つようにICの消費電力または温度変化の他の動向を認識するために、別の規則を実施することができる。
【0050】
もう1つの例示的な実施形態は、制御システムを使用して予測される障害の解析を実行することを必要とする。制御システムは、冷却装置と関連したデータを収集し、そのデータをメモリに記憶することができる。このデータは、動作速度の変化や、冷却装置によって消費される電力などである。次に、制御システムは、このデータを解析し、冷却装置が、特定時間長の後に故障する特定の確率を有することを示す傾向を認識することができる。制御システムは、そのような傾向を認識し、その傾向にいくつかの形で応じるようにプログラムすることができる。例えば、1つの実施形態において、制御システムは、より高いレベルのもの(制御機構)に、故障に先行する状態の存在を報告する。例示的なより高いレベルのものは、システム・レベルの温度管理プロセッサと保守要員であるが、これらに限定されない。代替実施形態は、制御システムが、高い故障可能性を有すると判定された冷却装置を使用不能にし、その代わりにバックアップ冷却装置を使用可能できることである。
【0051】
図8は、1つの例示的な実施形態によるメモリを備えた本制御システムを実現することができる方法を示すフローチャートである。図8のステップは、電力信号の入力を有する制御機能(図2の120c)に対応する。図8のステップは、制御システムにプログラムされることがある。また、これらのステップは、このステップを実行するように構成されたプロセッサまたは別の装置によって実行されてもよい。
【0052】
図8に示したように、最初のステップは、冷却されるICの現在の消費電力を測定することである(180)。次に、制御システム内にプログラムされた任意の規則またはメモリ(記憶内容)が適用される(181)。そのような規則は、既に前に説明した規則のうちの任意のものでよい。次に、制御システムは、以前の消費電力の実測値からIC消費電力が増加したかどうかを判定する(182)。増加した場合、冷却装置の速度を高める(183)。IC消費電力が増加せず、減少した場合は(184)、冷却装置の速度が低下される(184)。消費電力が増減しなかった場合は、冷却装置の速度を、以前の割合で維持することができる(186)。しかしながら、ステップ(184)の代替ステップ(図示せず)は、消費電力が増減しなかった場合に、冷却装置の速度を遅くできることである。
【0053】
図9は、1つの例示的な実施形態によるメモリを有する本制御システムを実現することができる方法を示すもう1つのフローチャートである。図9のステップは、IC温度の読み取り値の入力を有する制御機能(図2の120b)に対応する。図9のステップは、制御システムにプログラムすることができる。これらのステップは、また、これらのステップを実行するように構成されたプロセッサまたは別の装置によって実行されてもよい。
【0054】
図9に示したように、最初のステップは、冷却するICの現在の温度を測定する(190)。次に、制御システム内にプログラムされた任意の規則またはメモリ(記憶内容)が適用される(191)。これらの規則は、既に前に説明した規則のうちの任意のものでよい。次に、制御システムは、以前の温度の実測値からIC温度が上昇したかどうかを判定する(192)。上昇した場合、冷却装置の速度が高められる(193)。IC温度が上昇しなかったが低下した場合は(194)、冷却装置の速度が遅くされる(194)。温度が上昇も低下もしなかった場合、冷却装置の速度は、以前の速度で維持することができる(196)。しかしながら、ステップ(194)の代替ステップ(図示せず)は、温度が上昇も低下もしなかった場合に、冷却装置の速度を遅くできることである。
【0055】
図8と図9に示した方法は、例示的な実施形態にしたがって同時に実行することができる。これらは、また、システム温度管理コントローラ(図5の140)と共に機能するように一体化されてもよい。
【0056】
以上の説明は、本発明の実施例を例示し説明するためにのみ提示された。説明は、網羅的でもなく、本発明を開示した厳密な形態に限定するものでもない。以上の教示を鑑みて、多くの修正および変形が可能である。本発明の適用範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、IC(集積回路)等の電子部品の冷却に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態による冷却装置を備えた例示的な集積回路構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態による例示的な温度制御システムを示す図である。
【図3】本発明の実施形態によるマイクロコントローラを使用する制御システムの例示的な実施形態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態によるシステム・レベル冷却装置(冷却ソリューション)において制御システムがどのように実現されるかを示す例示的な構成である。
【図5】本発明の実施形態によるシステム・レベルでの冷却装置と組み合わせて複数の制御システムと冷却装置をどのように使用できるかを示す図である。
【図6】本発明の実施形態にしたがってメモリを有するように制御システムを作成またはプログラムすることができる集積回路による消費電力を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態にしたがって消費電力の変化により制御システムが消費電力の変化を選択的に無視するように要求されることがあるICによる消費電力を示すグラフである。
【図8】本発明の実施形態によるメモリを有する本制御システムを実現する可能な方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態によるメモリを有する本制御システムを実現する可能な方法を示すもう1つのフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
100 集積回路
101 冷却装置
120 制御機能
130 マイクロコントローラ
140 システム温度管理コントローラ
【出願人】 【識別番号】503003854
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【出願日】 平成16年6月21日(2004.6.21)
【代理人】 【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜

【識別番号】100084537
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 嘉夫

【識別番号】100078053
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 英夫

【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭

【公開番号】 特開2005−19992(P2005−19992A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2004−182372(P2004−182372)