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【発明の名称】 表面実装機
【発明者】 【氏名】民輪 剛志
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機株式会社内

【氏名】荒木 治
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機株式会社内

【要約】 【課題】安価な構成でフィーダーと実装機本体との通信の信頼性を高める。

【解決手段】実装機本体の部品供給部に設けられたフィーダー取付用プレート16にテープフィーダー4が着脱可能に取付けられる。テープフィーダー4には、フィーダー取付用プレート16に対向する位置にフィーダー4及びこれに収容される部品に関する情報を記録する無線通信可能な無線タグ21が埋め込まれ、フィーダー取付用プレート16にはアンテナコイル22aを有するアンテナ基板22が埋め込まれている。テープフィーダー4には、該フィーダー4をフィーダー取付用プレート16に位置決めする一対の位置決めピン17が設けられ、これら位置決めピン17の間に無線タグ21が設けられている。アンテナ基板22は、フィーダー取付用プレート16において、前記位置決めピン17に対応する一対の位置決め孔18の間に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装機本体の部品供給部に複数のフィーダーが配設され、これらのフィーダーが、前記部品供給部に設けられたフィーダー取付用プレートに着脱可能に取付けられている表面実装機において、
前記フィーダーにおける前記フィーダー取付用プレートに対向する位置に、フィーダーとこれに収容される部品の少なくとも一方に関する情報を記録する無線通信可能な記録部が配設される一方、前記フィーダー取付用プレートに、前記記録部からの情報を受信する受信部が配設され、さらに、前記フィーダー取付用プレートおよびフィーダーの前記記録部又は受信部の近接位置に、前記フィーダー取付用プレートへのフィーダーの取付けに際して前記記録部と受信部とを相互に位置決めするための位置決めピンおよびこのピンを挿入する位置決め孔が設けられていることを特徴とする表面実装機。
【請求項2】
請求項1に記載の表面実装機において、
前記位置決めピンおよび位置決め孔は、前記フィーダーとフィーダー取付用プレートとを位置決めする手段を兼ねていることを特徴とする表面実装機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表面実装機において、
位置決めピンおよび位置決め孔からなる位置決め部が2箇所に設けられ、これら位置決め部の間に前記記録部および受信部が配設されていることを特徴とする表面実装機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、実装機本体の部品供給部に複数のフィーダーが着脱可能に取付けられるようになっている表面実装機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、実装機本体の部品供給部に複数のフィーダーを着脱可能に装備し、例えば多数列のテープフィーダーを着脱可能に装備した表面実装機は一般に知られている。一般的なこの種の実装機では、どのような部品を収容したフィーダーが部品供給部のどの位置に取付けられたかといったことは作業者が目視で確認していたが、このような確認作業が煩雑であるとともに、確認ミスが生じるおそれがある等の問題がある。
【0003】
そこで、近来、フィーダーやこれに収容した部品に関する情報をフィーダー自体に持たせておき、フィーダーを部品供給部に取付けたときに上記情報が実装機本体に与えられるようにする技術が開発されてきている。
【0004】
例えば特許文献1に示されるように、フィーダーやこれに収容された部品に関する情報を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶される情報の送受信を可能にする接続端子部とをフィーダーに設けるとともに、実装機本体に、上記接続端子部に対応する端子と、この端子に結合されたコンピュータとを設け、フィーダーが実装機本体に装着されたときにフィーダーの接続端子部が実装機本体の端子に接触し、この状態で上記コンピュータがフィーダーの記憶部と直接交信できるようにしたものが知られている。
【0005】
また、上記接続端子部と上記端子とからなる接触式の通信手段の代りに、電磁誘導等により非接触で情報の送受信を行ない得る相対応する送受信回路をフィーダーと実装機本体とに設けるようにしたものも上記特許文献1に示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−317595号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、電磁誘導等により非接触(無線)で情報の送受信を行う場合、フィーダー側の送受信回路と実装機本体側の送受信回路との位置ずれ(主にアンテナ部分の位置ずれ)が通信状態に影響を与える場合が考えられる。また、送受信回路の近傍に金属製の部材が在る場合にも同様に通信状態に影響を与える場合がある。
【0008】
そのため、フィーダーを実装機本体に装着した際に、通信が良好に行われるように各送受信回路を配置してやる必要があるが、特許文献1等には、送受信装置の具体的な配置構成については開示がなく、従って、通信を良好に行う上ではフィーダーおよび実装機本体の各送受信回路を如何に配置するかが重要となる。
【0009】
なお、フィーダー側の送受信回路と実装機本体側の送受信回路とがある程度ラフな位置関係であっても通信が良好に行われ得るように、例えば通信範囲の広いシステムを適用することも考えられる。しかし、通信範囲の広いシステムは高価で、また実装機本体には多数のフィーダーが搭載されるため、この場合にはコスト高を招くばかりかでなく、誤通信を招くことが考えられ、必ずしも得策とは言えない。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、安価な構成でフィーダーと実装機本体との通信の信頼性を高めることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記のような事情に鑑み、本願出願人は、後に発明の実施の形態中で説明するように、記憶部や受信部を金属部品の近傍に配置した場合でも、該部品による通信への影響を予め加味して記憶部や受信部の特定の条件を設定しておくことで、記憶部と通信部との通信を良好に行うことができる点に着目した。その結果、次のような表面実装機を発明した。
【0012】
すなわち、本発明は、実装機本体の部品供給部に複数のフィーダーが配設され、これらのフィーダーが、前記部品供給部に設けられたフィーダー取付用プレートに着脱可能に取付けられている表面実装機において、前記フィーダーにおける前記フィーダー取付用プレートに対向する位置に、フィーダーとこれに収容される部品の少なくとも一方に関する情報を記録する無線通信可能な記録部が配設される一方、前記フィーダー取付用プレートに、前記記録部からの情報を受信する受信部が配設され、さらに、前記フィーダー取付用プレートおよびフィーダーの前記記録部又は受信部の近接位置に、前記フィーダー取付用プレートへのフィーダーの取付けに際して前記記録部と受信部とを相互に位置決めするための位置決めピンおよびこのピンを挿入する位置決め孔が設けられているものである。
【0013】
この構成によると、位置決めピンが相手側の位置決め孔に挿入されることによりフィーダー取付用プレートおよびフィーダーを介して記録部と受信部とが相互に位置決めされる。そして、位置決めピン等が記録部等に近接して設けられている結果、記録部と受信部とががたつき無く確実に対向した状態に位置決めされることとなる。この場合、位置決めピンが金属製のものであっても、上記のように位置決めピンの通信への影響を予め加味した上で記憶部や受信部の特定の条件を設定することにより両者の通信状態を良好に確保することができる。
【0014】
この構成において、位置決めピンおよび位置決め孔は、前記フィーダーとフィーダー取付用プレートとを位置決めする手段を兼ねているのが、より好ましい。
【0015】
この構成によれば、フィーダーとフィーダー取付用プレートとを位置決めする手段として位置決めピン等を共用した合理的な構成となる。
【0016】
また、位置決めピンおよび位置決め孔からなる位置決め部が2箇所に設けられ、これら位置決め部の間に前記記録部および受信部が配設されているのが、より好ましい。
【0017】
この構成によれば、記録部と受信部とのずれをより確実に防止して両者をより正確に位置決めできるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1及び図2は本発明の一実施形態による表面実装機を概略的に示している。
これらの図において、実装機本体1の基台上には、プリント基板搬送用のコンベア2が配置され、プリント基板Pが上記コンベア2上を搬送されて所定の装着作業位置で停止するようになっている。上記コンベア2の前後方向(図1では上下方向)にはそれぞれ部品供給部3が配置されている。これら部品供給部3には、上記コンベア2と平行してフィーダー取付用プレート16がそれぞれ設けられている。各フィーダー取付用プレート16には、各種部品を供給するための複数のフィーダーが着脱可能に取付けられ、図示の例では多数のテープフィーダー4が並列に、かつ各々位置決めされた状態で着脱可能に取付けられている。
【0020】
上記基台の上方には、図1及び図2に示すように、部品装着用のヘッドユニット5が装備され、このヘッドユニット5はX軸方向(コンベア2と平行な方向)及びY軸方向(図1におけるコンベア2と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0021】
すなわち、上記基台には、ヘッドユニット5の支持部材6がY軸方向の固定レール7に移動可能に配置され、支持部材6上にヘッドユニット5がX軸方向のガイド部材8に沿って移動可能に支持されている。そして、Y軸サーボモータ9によりボールねじ10を介して支持部材6のY軸方向の移動が行なわれるとともに、X軸サーボモータ11によりボールねじ12を介してヘッドユニット5のX軸方向の移動が行なわれるようになっている。
【0022】
上記ヘッドユニット5には部品装着用の複数の実装用ヘッド13が搭載されており、当実施形態では8本の実装用ヘッド13がX軸方向に一列に並べて配設されている。また、実装用ヘッド13は、それぞれヘッドユニット5のフレームに対してZ軸方向(図2参照)の移動及びR軸(ノズル中心軸)回りの回転が可能とされ、サーボモータを駆動源とする昇降駆動手段及び回転駆動手段により駆動されるようになっている。また、各実装用ヘッド13のZ軸方向の下端には吸着ノズル14が設けられており(図2参照)、部品吸着時には図外の負圧供給手段から吸着ノズル14に負圧が供給され、この負圧による吸引力で部品が吸着されるようになっている。
【0023】
上記ヘッドユニット5の移動範囲内であって基台上の各部品供給部3の近傍には、吸着状態認識用の撮像手段15が設けられている。
【0024】
上記のような概略構造の表面実装機において、部品供給部3に配設される各テープフィーダー4には無線通信可能な記録部が埋め込まれ、また、実装機本体1には、上記記録部に対して情報を送受信するためのアンテナ基板等が設けられるとともに、これと電気的に接続されたコントローラが設けられている。これらの構成を図3及び図4を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】
図3は、部品供給部に配設したアンテナ基板22およびこれに接続される電気系統を備えた実装機本体1と無線通信可能な無線タグ21を備えたテープフィーダー4とを分解状態で示す概略平面図であり、図4は、上記テープフィーダー4を上記部品供給部3のフィーダー取付用プレート16に取付けた状態の概略側面図である。
【0026】
図4に示すように、上記テープフィーダー4は、例えばアルミダイカスト等からなるフレーム4aを有し、このフレーム4aの後端部にIC、トランジスタ、コンデンサなどの小片状の電子部品を所定間隔おきに収納、保持したテープ(図示省略)を巻回したリール4bが支持されており、上記テープをこのリール4bから導出しながらフィーダー先端部の部品取出部に送るように構成されている。
部品取出部は、詳しい説明及び図示は省略するが、実装用ヘッド13による部品のピックアップが可能な状態にテープを保持するよう構成されるとともに、テープ繰出機構を備え、部品がピックアップされるにつれてテープが間歇的に送り出されるようになっている。
【0027】
テープフィーダー4の前方下部には、前後に所定間隔をおいた2箇所に下方へ突出する金属製の位置決めピン17が設けられるとともに、クランプ(図示省略)が設けられている。そして、テープフィーダー4の前方側の部分がフィーダー取付用プレート16上に載置され、フィーダー取付用プレート16に設けられた位置決め孔18に上記位置決めピン17が嵌め込まれて(挿入)位置決めされた状態で、上記クランプによりテープフィーダー4がフィーダー取付用プレート16に固定されるようになっている。
【0028】
さらにテープフィーダー4には、無線通信可能な記録部としての上記無線タグ21が設けられている。この無線タグ21は、RFID(radio frequency identification)と称されるもので、例えば図6に示すように、アンテナコイル21a、コントロール回路21b、電源生成部21cおよびメモリ21d等を備え、このメモリ21dに情報を書き換え可能に記録し、かつ、無線で通信できるようになっている。
【0029】
この無線タグ21には、フィーダーの種類、固有番号(フィーダー識別記号)、当該フィーダーに収容された部品の種類、残数等が書き込まれている。また、当該フィーダーに関する履歴(例えば部品が何個供給されたか、どのようなエラーが何回発生したか等の情報)も記憶させておくことができる。なお、無線タグ21に記録される情報はフィーダー識別記号だけでもよく、あるいはフィーダーに収容された部品の識別記号だけであってもよい。この場合、後記制御基板23等に設けられるメモリに、フィーダー又は部品の識別記号に対応づけて部品の種類、残数等を書き込んでおき、照合し得るようにしておけばよい。
【0030】
上記無線タグ21は、テープフィーダー4の前記フィーダー取付用プレート16に対向する位置、具体的には、図5に示すように、フレーム4aの前方部の下面側であって、両位置決めピン17の間の位置に、前記アンテナコイル21aの部分が下方に臨み、かつ該アンテナコイル21aの部分がフレーム4aの下面と面一となる状態で埋め込まれている。
【0031】
一方、実装機本体1の部品供給部3に設けられたフィーダー取付用プレート16には、複数のフィーダーの取付け位置にわたる範囲にアンテナ基板22が埋め込まれている。
【0032】
このアンテナ基板22は、フィーダー取付用プレート16の所定範囲にわたる長さの1枚のプリント基板に、図6に示すように、フィーダー4の配列ピッチに対応するピッチで並ぶ受信部としての複数のアンテナコイル22a(図6では一つだけ図示)とこれらアンテナコイル22aに共通する送受信回路22bとが一体に形成された多連一体型の基板で、例えば20個のアンテナコイル22aが1つの基板に一括に形成されている。そして、アンテナ基板22がさらにフィーダー配列方向に複数組(例えば2〜3組)配列されることにより、フィーダー取付用プレート16に取付けられる全フィーダーに対応するようにフィーダー取付用プレート16の略全長にわたってアンテナコイル22aが配設されている。
【0033】
上記アンテナ基板22は、フィーダー取付用プレート16の上面から上方に臨む状態でフィーダー取付用プレートに埋め込まれて固定される。このアンテナ基板22の上方直近には、アンテナ基板22の表面を覆う保護シート25が配置されており、ねじ27でフィーダー取り付け用プレートに固定されている。これによりテープフィーダー4がフィーダー取付用プレート16に取付けられると、テープフィーダー4の無線タグ21とアンテナ基板22のアンテナコイル22aとが対応して送受信可能となるように構成されている。
【0034】
なお、フィーダー取付用プレート16におけるアンテナ基板22の取付箇所には該プレート16の厚み方向に凹部16a1と凹部16a1の底に開口する貫通孔16a2が形成されており、アンテナ基板22はその周縁部分のみがフィーダー取付用プレート16に接触した状態で取付けられている。これによりアンテナ基板22とフィーダー取付用プレート16との接触面積が可及的に小さくされ、金属製のフィーダー取付用プレート16とアンテナ基板22との接触による通信への影響が軽減されている。
【0035】
フィーダー取付用プレート16に埋め込まれる各アンテナ基板22は、図3及び図4に示すように通信線を介して制御基板23に接続されており、アンテナ基板22により受信されたフィーダー情報又は無線タグ21へ送信するフィーダー情報、およびアンテナ基板22の制御信号がこの制御基板23とアンテナ基板22との間でシリアル通信により送られるようになっている。
【0036】
前記制御基板23は、実装機の各種制御を行うコントローラ24に接続されており、これにより無線タグ21とアンテナ基板22との間の通信がコントローラ24により統括的に制御されるようになっている。
【0037】
アンテナ基板22の前記送受信回路22bは、検波回路、復調回路および変調回路等を含み、前記アンテナコイル22aによって受信された前記無線タグ21からの電波を検波回路で検波して復調回路へ送り、この復調回路で復調して前記制御基板23に送るように構成されている。逆に、無線タグ21への情報送信の場合には、前記コントローラ24から出力される情報を制御基板23を介して前記変調回路に与え、前記アンテナコイル22aを介して無線タグ21に送信するように構成されている。
【0038】
ここで、上記実施形態のアンテナ基板22では、前記アンテナコイル22aおよび送受信回路22bにより無線タグ21からの電波を送受信する共振回路(つまりアンテナ)が構成されており、例えば共振回路としてLC共振回路が構成されている。具体的には、アンテナコイル22aとこれに電気的に接続される送受信回路22b内のコンデンサとによってLC共振回路が構成されている。
【0039】
このLC共振回路は、上述のようにフレーム4aに埋め込まれた状態で、かつ一対の位置決めピン17の間に設けられる無線タグ21との通信を可能とするようにその回路が構成されている。すなわち、この種の無線タグと通信を行う場合、通常は、無線タグの信号周波数とこれを受信する相手側アンテナ基板の共振周波数とは共通の周波数(又は一定の許容範囲内の周波数)に設定されるが、当実施形態の構成では、上記のようにアルミダイカストのフレーム4aに無線タグ21が埋め込まれ、さらにその近接位置に金属製の位置決めピン17が設けられているため、LC共振回路の共振周波数を無線タグ21の信号周波数と共通の周波数に設定していても、金属の影響を受けてアンテナコイル22aのインダクタンスが変化してアンテナ基板22側の共振周波数が変動する。そのため、無線タグ21とアンテナ基板22との通信が不能となってしまう。そこで、上記のアンテナ基板22では、テープフィーダー4をフィーダー取付用プレート16に装着した状態下で、無線タグ21からの信号を受信可能な共振周波数が得られるように位置決めピン17等の金属部分の影響による共振周波数の変動分を見越して予めLC共振回路が構成されている。具体的には、無線タグ21の信号周波数と共通の共振周波数が得られるように、LC共振回路に組込まれるコンデンサ容量が設定されている。
【0040】
この点を、式を用いて説明すると次の通りである。すなわち、LC共振回路の共振周波数fは一般に
f=1/2π√(LC)
L;アンテナコイルのインダクタンス
C;コンデンサ容量
と表すことができる。ここで、テープフィーダー4がフィーダー取付用プレート16に装着されたときの位置決めピン17等の金属部分の影響によるインダクタンスの変化分をΔLとすると、共振周波数fはΔfだけ変化する。すなわち、
f+Δf=1/2π√〔(L+ΔL)C〕〕
となる。
【0041】
そこで、上記アンテナ基板22の共振回路では、テープフィーダー4をフィーダー取付用プレート16に装着した状態で無線タグ21の信号周波数とアンテナ基板22の共振周波数が共通の値となるように、予めΔLに対応する分だけコンデンサ容量Cを増減させている。つまり、インダクタンスの変化分をコンデンサ容量で補完している。ここで、コンデンサ容量の増減分をΔCとすると、
f=1/2π√〔(L+ΔL)(C+ΔC)〕
と表すことができる。
【0042】
つまり、無線タグ21およびアンテナ基板22をそれぞれ単体で比較した場合には、上記コンデンサ容量ΔC分だけ無線タグ21の信号周波数とアンテナ基板22の共振周波数に差が出るようにアンテナ基板22のLC共振回路が構成されている。
【0043】
なお、ここでは金属の影響によるアンテナ基板22側の共振周波数の変動だけを取り扱っているが、このような金属の影響による共振周波数の変動は無線タグ21側でも発生すると考えられる。しかし、当実施形態では、無線タグ21のアンテナコイル(不図示)がアンテナ基板22のアンテナコイル22aよりも充分に小さく構成されており、さらに無線タグ21の大部分が樹脂材料でモールドされているため、無線タグ21側の共振回路のインダクタンスの変化量は小さく、これに伴う共振周波数の変動も無視できる程度に小さい。そのため、この実施形態では、上記のようにアンテナ基板22側の共振周波数の変動のみを補償するように構成されている。
【0044】
以上のような当実施形態の表面実装機によると、テープフィーダー4が部品供給部3のフィーダー取付用プレート16上に装着されたとき、そのテープフィーダー4に設けられた無線タグ21と上記アンテナ基板22の1つのアンテナコイル22aとが対向し、無線タグ21に記録されている情報がアンテナ基板22(アンテナコイル22a)に受信されて、制御基板23を介しコントローラ24に取り込まれる。この際、無線タグ21とアンテナコイル22aとの間の通信可能な距離には制限があるため、1つの無線タグ21に対して通信できるアンテナコイル22aは、当該無線タグ21に対向する1つのみである。従って、どのアンテナコイル22aによって受信されたかが調べられることにより、テープフィーダー4が装着された位置が検出されることとなる。
【0045】
そして、このテープフィーダー4の装着位置と、上記無線タグ21から与えられる当該フィーダーの種類、固有番号、収容された部品の種類、残数等の情報がコントローラ24に記憶される。これにより、その後の実装作業時には、部品供給部3のどの位置にどのようなフィーダー、部品があるかといったことが正しく判別され、誤実装が確実に防止される。また、必要に応じ、実装に供された部品数やエラー発生回数等が履歴として無線タグ21に書き込まれる。
【0046】
このようにして、テープフィーダー4と実装機本体1との間の情報の通信が、無線タグ21とアンテナ基板22とを用いた非接触の送受信手段により行われる。
【0047】
特に、当実施形態の構成では、無線タグ21がテープフィーダー4の一対の位置決めピン17の間に、また、アンテナ基板22がフィーダー取付用プレート16の一対の位置決め孔18の間にそれぞれ配設されている結果、テープフィーダー4がフィーダー取付用プレート16に装着された状態では、無線タグ21とこれに対応するアンテナコイル22aとががたつき無く確実に対向することとなる。そのため、各テープフィーダー4の無線タグ21とそれに対応するアンテナコイル22aとの間でより正確に情報通信を行わせることができる。
【0048】
また、このように無線タグ21とそれに対応するアンテナコイル22aとをがたつき無く確実に対向させることができる結果、例えば、無線タグ21とアンテナ基板22との通信をより近距離でのみ可能とするより安価な通信システムを導入することが可能となる。従って、テープフィーダー4と実装機本体1との通信システムコストを削減することができ、実装機の低廉化を図ることが可能になる。また、上記のような近距離通信システムが適用されることにより、隣接するテープフィーダー4との誤通信を未然に防止することが可能となり、その結果、通信の信頼性を安価な構成で高めることができるようになる。
【0049】
なお、この実施形態では、上記のように位置決めピン17および位置決め孔18からなる位置決め部が2箇所に設けられ、これら位置決め部の間に無線タグ21およびアンテナ基板22が配設されているが、無線タグ21の配置は、位置決めピン17の近接位置であればよく、その位置は、テープフィーダー4の具体的な構成に応じて選定することができる。例えば、図7に示すように、テープフィーダー4を前後方向に突き当てる前後一対の突当部16b,16cがフィーダー取付用プレート16に設けられ、テープフィーダー4のフレーム4a先端に設けた一対の位置決めピン17をフィーダー取付用プレート16の前側の突当部16bに形成される一対の位置決め孔18に嵌め込むとともに、それよりも後側に設けた位置決めピン17を後側の突当部16cに形成される位置決め孔18に嵌め込むことによってテープフィーダー4をフィーダー取付用プレート16に対して位置決めするような構成では、同図に示すように、テープフィーダー4の後側の位置決めピン17の近接位置に無線タグ21を埋め込むとともに、これに対応してフィーダー取付用プレート16の後側の突当部16cにアンテナ基板22を埋め込むようにしてもよい。また、同図中に破線で示すように、テープフィーダー4(フレーム4a)先端の一対の位置決めピン17の間に無線タグ21を設ける一方、フィーダー取付用プレート16の前側突当部16bの一対の位置決め孔18の間にアンテナ基板22を設けるようにしてもよい。
【0050】
また、この実施形態では、テープフィーダー4をフィーダー取付用プレート16に位置決めするために設けられる位置決めピン17および位置決め孔18を無線タグ21とアンテナ基板22(アンテナコイル22a)とを位置決めするためのための位置決めピンとして利用し、この位置決めピン17等の近接位置に無線タグ21等を設けているが、テープフィーダー4の構成上、該フィーダー4の位置決めピン17等の近傍に無線タグ21等を設けることが不可能な場合には、無線タグ21の配設位置近傍に別途専用の位置決めピンを設ける一方、これに対応する位置決め孔をフィーダー取付用プレート16側のアンテナ基板22の配設位置近傍に設けるようにしてもよい。但し、実施形態のようにテープフィーダー4とフィーダー取付用プレート16とを位置決めするための手段である既存の位置決めピン17等の近傍に無線タグ21等を配置する構成とすれば、無線タグ21とアンテナ基板22とを位置決めするための位置決めピン等として既存のピンを利用した合理的な構成となる。
【0051】
また、実施形態の無線タグ21およびアンテナ基板22は、相互に情報を送受信するように構成されているが、例えば、無線タグ21からアンテナ基板22側への情報の送信(読み出し)のみを可能とする構成であってもよい。
【0052】
なお、上記実施形態では、実装機本体1側のアンテナとして機能する部分(同調回路)としてLC共振回路が構成されているが、例えば、同調回路の具体的な構成はこれ以外のものであってもよく、要は、テープフィーダー4がフィーダー取付用プレート16に装着されたときに、実装機本体1側の同調回路の有する固有の周波数が、無線タグ21からの信号を受信可能は周波数となるようにフレーム4a等の金属部分の影響により生じる変動分だけ予め無線タグ21から送信される信号周波数に対してずれた値に設定されるものであればよい。
【0053】
ところで、上記実施形態に補足すると、本発明の記録部すなわちメモリ21dのデータを読み出す場合には、このデータがコントロール部21bの不図示の発振回路による所定周波数のパルス波形列すなわちデータ信号波として、コントロール部21bの不図示の搬送波用の発振回路による発振周波数に基づく高周波の搬送波に、振幅変調、周波数変調あるいは位相変調として加えられ、アンテナコイル21aからアンテナコイル22aに伝播される。アンテナコイル22aに伝播された振幅変調、周波数変調あるいは位相変調された搬送波は、この場合の受信部(送受信回路22b)の変復調回路により情報信号波すなわちパルス波形列に変換され、制御基板23に伝送される。
【0054】
上記搬送波用の発振回路にはコンデンサCや、その他のコイルLが組み込まれており、静電容量値及びインダクタンス値により発振周波数すなわち搬送波の周波数が定まる。しかし、アンテナコイル21aは搬送波用の発振回路の一部を構成することになり、位置決めピン17等の金属部分の影響により、アンテナコイル21aのインダクタンス(自己インダクタンス及びアンテナコイル22aによる相互インダクタンスとを含んだ値)が変化するので、発振周波数すなわち、搬送波の周波数が変化してしまい、送受信回路22bの変復調回路の周波数特性とずれが出て、所定周波数のパルス波形列が受信側で得られない可能性がある。同様に、アンテナコイル22aは送受信回路22bの変復調回路の一部を構成するので、位置決めピン17等の金属部分の影響により、アンテナコイル22aのインダクタンス(自己インダクタンス及びアンテナコイル21aによる相互インダクタンスとを含んだ値)が変化すると、変復調回路の周波数特性が変化してしまい、受信した搬送波からパルス波形列が得られず、メモリ21dのデータを制御基板23に伝送できなくなることがある。
【0055】
しかしながら本実施形態においては、上記したように位置決めピン17等の金属部分の影響による発振回路あるいは及び変復調回路におけるインダクタンスの変化分は、アンテナ基板22の不図示の変復調回路のコンデンサCの静電容量あるいは及びコイルLのインダクタンスの増減で変復調回路の周波数特性を能動的に変化させることで補完しており、パルス波形列が受信側で得られるようにしている。これにより、メモリ21dのデータを確実に制御基板23に伝送できるようにできる。
【0056】
同様に、メモリ21dにデータを書き込む場合には、制御基板23からのデータが所定周波数のパルス波形列として送受信回路22bに送られ、送受信回路22bの不図示の搬送波用の発振回路による高周波の搬送波に振幅変調あるいは位相変調として加えられ、アンテナコイル22aからアンテナコイル21aに伝播される。アンテナコイル21aに伝播された振幅変調あるいは位相変調された搬送波は、コントロール部21bの不図示の変復調回路により所定周波数のパルス波形列に変換され、メモリ21dに書き込まれる。この場合でも、位置決めピン17等の金属部分の影響による発振回路あるいは及び変復調回路におけるインダクタンスが変化するが、本実施形態においては、アンテナ基板22の不図示の発振回路のコンデンサCの静電容量あるいは及びコイルLのインダクタンスを増減し、インダクタンスの変化分を補完して発振回路の発振周波数すなわち搬送波の周波数を能動的に変化させている。これによりパルス波形列が受信側となるコントロール部21bで得られるようにでき、メモリ21dにデータを確実に書き込みできるようにしている。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表面実装機は、フィーダーのフィーダー取付用プレートに対向する位置に、フィーダー及びこれに収容される部品に関する情報を記録する無線通信可能な記録部を配設する一方、フィーダー取付用プレートに、前記記録部からの情報を受信する受信装置を配設し、さらにフィーダー取付用プレートおよびフィーダーの前記記録部又は受信装置に近接する位置に、フィーダーのフィーダー取付用プレートへの取付けに際して記録部と受信装置とを相互に位置決めするための位置決めピンおよびこのピンを挿入する位置決め孔を設け、これにより、フィーダー取付用プレートにフィーダーを装着する際には、位置決めピンを相手側の位置決め孔に挿入することによってフィーダー取付用プレートおよびフィーダーを介して記録部と受信装置とを相互に位置決めできるように構成したので、記録部とこれに対応する受信装置とをがたつき無く確実に対向させることができる。そのため、通信をより近距離でのみ可能とする安価な通信システムを導入することが可能となり、従って、安価な構成でフィーダーと実装機本体との通信の信頼性を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テープフィーダーを装着した表面実装機を概略的に示した平面図である。
【図2】図1の表面実装機の側面図である。
【図3】実装機本体からテープフィーダーを取り外した状態でのアンテナ基板等の配置を示す概略平面図である。
【図4】フィーダー取付用プレートにテープフィーダーを取付た状態の要部の概略側面図である。
【図5】フィーダー取付用プレートおよびこれに取付けられたテープフィーダーを示す要部断面図である。
【図6】テープフィーダーと実装機本体との通信を行う通信システムを示す概念図である。
【図7】フィーダー取付用プレートにテープフィーダーを取付た状態の要部の概略側面図(変形例)である。
【符号の説明】
1 実装機本体
3 部品供給部
4 テープフィーダー
16 フィーダー取付用プレート
21 無線タグ
22 アンテナ基板
22a アンテナコイル
23 制御基板
24 コントローラ
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地
【出願日】 平成15年6月27日(2003.6.27)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司

【識別番号】100075409
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久一

【識別番号】100099955
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 次郎

【公開番号】 特開2005−19887(P2005−19887A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−185769(P2003−185769)