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【発明の名称】 機器収納用ラック
【発明者】 【氏名】加藤 敏光
【住所又は居所】愛知県瀬戸市暁町3番86 河村電器産業株式会社内

【要約】 【課題】効率的に排熱することができる機器収納用ラックの冷却ファン装置を提供する。

【解決手段】機器収納用ラック1は底板2の中央に吸気口9が形成され、天板3の後部に冷却ファン装置13が設けられる。機器収納用ラック1の内部に多段に搭載された機器8は内蔵ファン11を備え、前面に吸気孔10が設けられ、背面に排気孔12が設けられている。冷却ファン装置13を作動させると吸気口9から外部の空気を吸入し、吸入した冷たい空気は機器8の内蔵ファン11の吸引力によって機器8の吸気孔10に導かれ、機器8に吸入されて機器8を冷却する。そして、機器8の排気孔12から排出された暖かい空気は冷却ファン装置13の吸引力によってラック1と機器8の間にある背面スペースを通って冷却ファン装置13に向かい、冷却ファン装置13によって外部に排出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵ファンにより排熱を行う各種機器を多段に収納し、最下段の機器より下方に吸気口を設け、天板に冷却ファン装置を設けた機器収納用ラックにおいて、前記機器の排気部の上方に位置する部分の前記天板に前記冷却ファン装置を設けたことを特徴とする機器収納用ラック。
【請求項2】
前記機器の吸気部の上方に位置する部分の前記天板に前記冷却ファン装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の機器収納用ラック。
【請求項3】
前記機器の吸気部の下方に位置する部分に前記吸気口を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機器収納用ラック。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機器や電気機器等の各種機器を多段に収納するための機器収納用ラックの換気構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
機器収納用ラックは底板と天板とを支柱で連結し、側面と背面は着脱自在なパネルが設けられ、前面は扉が開閉自在に設けられて縦長箱状に形成され、支柱間に通信機器や電気機器等の各種機器が多段に搭載されている。機器は使用すると熱が発生するので内蔵ファンによって排熱を行うようになっている。機器から排出された熱は、ラック内温度を上昇させて機器に悪影響を及ぼすため、この熱を機器収納用ラックの外部に排出する構造としてパネルの下部や底面部に吸気口が設けられ、天板に冷却ファン装置が設けられている。冷却ファン装置を作動させると吸気口から空気を吸入し、この空気の多くは機器の内蔵ファンの吸引力によってラックと機器の間にある前面スペースや側面スペースを通って機器の前面に設けられた吸気孔に導かれ、機器に吸入されて機器を冷却する。そして、機器の背面の排気孔から排出された暖かい空気は背面スペースと側面スペースを通って冷却ファン装置に向かい、冷却ファン装置によって外部に排出される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−305390号公報(第2頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の機器収納用ラックは冷却ファン装置が天板の中央部に設けられているため、機器の背面から排出された暖かい空気は天板の中央部に向かって流れ、このとき、機器の側面スペースを通る暖かい空気が前面スペースにも回り込むため、再び機器の内蔵ファンによって内部に吸入されて効率的に排熱することができなかった。特に機器収納用ラックの上方に設置された機器の周囲は暖かい空気が集まるので周囲温度が機器の許容温度を上回ることがあり、停止したり、故障する虞があった。
【0005】
そこで上記問題点に鑑み、本発明の目的は、効率的に排熱することができる機器収納用ラックの冷却ファン装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、内蔵ファンにより排熱を行う各種機器を多段に収納し、最下段の機器より下方に吸気口を設け、天板に冷却ファン装置を設けた機器収納用ラックにおいて、機器の排気部の上方に位置する部分の天板に冷却ファン装置を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の機器収納用ラックにおいて、機器の吸気部の上方に位置する部分の天板に冷却ファン装置を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の機器収納用ラックにおいて、機器の吸気部の下方に位置する部分に吸気口を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明によれば、内蔵ファンにより排熱を行う各種機器を多段に収納し、最下段の機器より下方に吸気口を設け、天板に冷却ファン装置を設けた機器収納用ラックにおいて、機器の排気部の上方に位置する部分の天板に冷却ファン装置を設けたことにより、効率的に排熱することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の機器収納用ラックにおいて、機器の吸気部の上方に位置する部分の天板に冷却ファン装置を設けたことにより、吸気口から導入された冷たい空気を上段の機器の吸気孔まで導いて機器の冷却効果を向上し、効率的に排熱することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の機器収納用ラックにおいて、機器の吸気部の下方に位置する部分に吸気口を設けたことにより、機器の吸気部に冷たい空気が流れやすくなり、効率的に排熱することができる。
【0012】
【実施例】
本発明に係る機器収納用ラックの第1実施例を図1〜図3の添付図面に基づいて説明する。
【0013】
機器収納用ラック1は底板2と天板3とを支柱4で連結し、側面と背面は着脱自在なパネル5,6が設けられ、前面は扉7が開閉自在に設けられて縦長箱状に形成され、支柱4間に通信機器や電気機器等の各種機器8が多段に搭載されている。底板2の中央には配線の導出入部を兼ねた吸気口9が形成され、外部の空気が取り入れられるようになっている。
【0014】
機器8は前面に吸気部である吸気孔10が設けられ、背部に内蔵ファン11が設けられて背面に設けられた排気部である排気孔12から排熱を行うようになっている。機器収納用ラック1は、この排気孔12の上方に位置する部分の天板3、即ち、天板3の後部に9個の冷却ファン装置13が設けられている。
【0015】
冷却ファン装置13を作動させると吸気口9から外部の冷たい空気を吸入する。そして、この冷たい空気の多くは機器8の内蔵ファン11の吸引力によってラック1と機器8の間にある前面スペースと側面スペースを通って機器8の吸気孔10に向かう。
【0016】
機器8は内蔵ファン11により吸気孔10から機器内部に冷たい空気を吸入して機器8を冷却し、排気孔12から暖かい空気を排出する。このとき、機器8から排出された暖かい空気は背面のパネル6に当たって側面スペースに流れるが、暖かい空気は主に冷却ファン装置13の吸引力によって背面スペースを通って冷却ファン装置13に向かい、冷却ファン装置13によって外部に排出されるので暖かい空気が前面スペースまで回り込むことは少なく、機器8に再び暖かい空気が吸入されることが少ないので、効率的に排熱ができる。
【0017】
表1は本実施例の効果を確認するために行った実験の結果である。実験では天板の後部に9個の冷却ファン装置を設置した本実施例の機器収納用ラックと、天板の中央に9個の冷却ファン装置を設置した従来例の機器収納用ラックを用意し、搭載した機器を作動し、これらの機器収納用ラックの上部と中上部と中部と中下部と下部の各部で前面と右側面と左側面と背面の温度上昇値の計測を行っている。
【0018】
【表1】


【0019】
この結果から分かるように冷却ファン装置を天板の中央に設けた従来例の場合では全体平均温度上昇値が13.9℃であり、冷却ファン装置を天板の後部に設けた本実施例の場合では全体平均温度上昇値が12.6℃に低下しており、効果が得られることを実証できた。
【0020】
尚、冷却ファン装置の数について限定はなく、適宜変更可能である。
【0021】
本発明に係る機器収納用ラックの第2実施例を図4〜図6の添付図面に基づいて説明する。
【0022】
機器収納用ラック21は底板22と天板23とを支柱24で連結し、側面と背面は着脱自在なパネル25,26が設けられ、前面は扉27が開閉自在に設けられて縦長箱状に形成され、支柱24間に通信機器や電気機器等の各種機器28が多段に搭載されている。底板22の中央には配線の導出入部を兼ねた吸気口29が形成され、外部の空気が取り入れられるようになっている。
【0023】
機器28は前面に吸気部である吸気孔30が設けられ、背部に内蔵ファン31が設けられて背面に設けられた排気部である排気孔32から排熱を行うようになっている。機器収納用ラック21は、この排気孔32の上方に位置する部分の天板23、即ち、天板23の後部に6個の冷却ファン装置33aが設けられ、吸気孔30の上方に位置する部分の天板23、即ち、天板23の前部に3個の冷却ファン装置33bが設けられている。
【0024】
冷却ファン装置33a,33bを作動させると吸気口29から外部の冷たい空気を吸入する。そして、この冷たい空気の多くは天板23の前部に設けた冷却ファン装置33bの吸引力と機器28の内蔵ファン31の吸引力によってラック21と機器28の間にある前面スペースと側面スペースを通って機器28の吸気孔30に向かう。
【0025】
機器28は内蔵ファン31により吸気孔30から機器内部に冷たい空気を吸入して機器28を冷却する。特に天板23の前部に設けた冷却ファン装置33bによって上段の機器28の吸気孔30まで冷たい空気が導かれるので機器28の冷却効果は高くなっている。そして、機器28は内蔵ファン31によって排気孔32から暖かい空気を排出する。このとき、機器28から排出された暖かい空気は背面のパネル26に当たって側面スペースに流れるが、暖かい空気は主に天板23の後部に設けた冷却ファン装置33aの吸引力によって背面スペースを通って冷却ファン装置33aに向かい、冷却ファン装置33aによって外部に排出されるので暖かい空気が前面スペースまで回り込むことは少なく、機器28に再び暖かい空気が吸入されることが少ないので、効率的に排熱ができる。
【0026】
表2は本実施例の効果を確認するために行った実験の結果である。実験では天板の前部に3個の冷却ファン装置を設置し、後部に6個の冷却ファン装置を設置した本実施例の機器収納用ラックと、天板の前部に6個の冷却ファン装置を設置し、後部に3個の冷却ファン装置を設置を設置した本実施例の機器収納用ラックと、天板の中央に9個の冷却ファン装置を設置した従来例の機器収納用ラックを用意し、これらの機器収納用ラックの上部と中上部と中部と中下部と下部の各部で前面と右側面と左側面と背面の温度上昇値の計測を行っている。
【0027】
【表2】


【0028】
この結果から分かるように天板の中央に9個の冷却ファン装置を設けた従来例の場合では全体平均温度上昇値が13.9℃であり、天板の前部に3個、後部に6個の冷却ファン装置を設けた本実施例の場合では全体平均が10.7℃に低下し、天板の前部に6個、後部に3個の冷却ファン装置を設けた本実施例の場合では11.9℃に低下しており、効果が得られることを実証できた。
【0029】
尚、冷却ファン装置の数について限定はなく、適宜変更可能である。
【0030】
本発明に係る機器収納用ラックの第3実施例を図7の添付図面に基づいて説明する。
【0031】
この実施例の機器収納用ラック41では外部の空気を取り入れるための吸気口49を最下段の機器8の吸気孔10の下方に位置する部分の底板2、即ち、底板2の前部に設けた点が第1実施例と異なっている。これにより、吸気口から吸入された冷たい空気が機器の吸気孔へ流れやすくなるので排熱効率が向上する。吸気口の位置は天板の前部に限らず、機器の吸気孔の下方であれば良いので扉体の下部や側面のパネルの前方下部に形成することもできる。尚、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0032】
本発明に係る機器収納用ラックの第4実施例を図8の添付図面に基づいて説明する。
【0033】
この実施例の機器収納用ラック61では外部の空気を取り入れるための吸気口69を最下段の機器28の吸気孔30の下方に位置する部分の底板22、即ち、底板22の前部に設けた点が第2実施例と異なっている。これにより、吸気口から吸入された冷たい空気が機器の吸気孔へ流れやすくなるので排熱効率が向上する。吸気口の位置は天板の前部に限らず、機器の吸気孔の下方であれば良いので扉体の下部や側面のパネルの前方下部に形成することもできる。尚、第2実施例と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、内蔵ファンにより排熱を行う各種機器を多段に収納し、最下段の機器より下方に吸気口を設け、天板に冷却ファン装置を設けた機器収納用ラックにおいて、機器の排気部の上方に位置する部分の天板に冷却ファン装置を設けたことにより、部材を増やすことなく従来の冷却ファン装置を用いて効率的に排熱することができるという効果がある。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の機器収納用ラックにおいて、機器の吸気部の上方に位置する部分の天板に冷却ファン装置を設けたことにより、吸気口から導入された冷たい空気が上段の機器の吸気孔まで導かれるので機器の冷却効果が向上し、部材を増やすことなく従来の冷却ファン装置を用いて効率的に排熱することができるという効果がある。
【0036】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の機器収納用ラックにおいて、機器の吸気部の下方に位置する部分に吸気口を設けたことにより、吸気口から吸入された外部の冷たい空気が機器の吸気部まで流れやすくなるので機器の冷却効果が向上し、部材を増やすことなく従来の冷却ファン装置を用いて効率的に排熱することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る冷却ファン装置を機器収納用ラックの天板に装着した状態の部分斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る機器収納用ラックの空気の流れを示す縦断面図であり、破線の矢印は冷気の流れを示し、実線の矢印は暖気の流れを示す。
【図3】本発明の第1実施例に係る機器収納用ラックの空気の流れを示す横断面図であり、破線の矢印は冷気の流れを示し、実線の矢印は暖気の流れを示す。
【図4】本発明の第2実施例に係る冷却ファン装置を機器収納用ラックの天板に装着した状態の部分斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る機器収納用ラックの空気の流れを示す縦断面図であり、破線の矢印は冷気の流れを示し、実線の矢印は暖気の流れを示す。
【図6】本発明の第2実施例に係る機器収納用ラックの空気の流れを示す横断面図であり、破線の矢印は冷気の流れを示し、実線の矢印は暖気の流れを示す。
【図7】本発明の第3実施例に係る機器収納用ラックの空気の流れを示す縦断面図であり、破線の矢印は冷気の流れを示し、実線の矢印は暖気の流れを示す。
【図8】本発明の第4実施例に係る機器収納用ラックの空気の流れを示す縦断面図であり、破線の矢印は冷気の流れを示し、実線の矢印は暖気の流れを示す。
【符号の説明】
1…機器収納用ラック
3…天板
8…機器
9…吸気口
10…吸気孔
11…内蔵ファン
12…排気孔
13…冷却ファン装置
【出願人】 【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
【住所又は居所】愛知県瀬戸市暁町3番86
【出願日】 平成15年6月27日(2003.6.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−19857(P2005−19857A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−185289(P2003−185289)