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【発明の名称】 筐体構造
【発明者】 【氏名】力石 一行
【住所又は居所】埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式会社東芝深谷工場内

【要約】 【課題】キャビネット本体と前面パネルとの係合状態を安定化し、前面パネルが外れにくい筐体構造を提供する。

【解決手段】キャビネット本体(バックキャビネット)には、複数の取付穴を形成するとともに、この取付穴の内壁に爪を突設し、前面パネルには、キャビネット本体と対向する面に複数のリブを一体に形成する。これらリブには前記爪を嵌合する穴を形成し、さらにこの穴の両側に突部を形成し、リブを取付穴に挿入する際に爪を支点にしてリブが撓むようにし、リブの穴に爪が嵌合した状態では、突部によって嵌合が外れるのを防ぐようにした筐体構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、この本体部に取付けられる前面部とからなる筐体構造において、
前記本体部には、前記前面部と対向する面に複数の取付穴を形成するとともに、この取付穴の内壁に爪を突設して成り、
前記前面部には、前記本体部と対向する面に前記取付穴に挿入可能な複数のリブを一体に形成するとともに、このリブに前記爪を嵌合する穴を形成し、さらに前記リブを前記取付穴に挿入する際に前記爪を支点にして前記リブが撓むように前記リブの穴の両側に突部を形成して成り、
前記リブの穴に前記爪が嵌合した状態では、前記突部によって前記嵌合が外れるのを防ぐようにしたことを特徴とする筐体構造。
【請求項2】
前記本体部は、バックキャビネットであり、前記前面部は、バックキャビネットに取付けられる前面パネルであることを特徴とする請求項1記載の筐体構造。
【請求項3】
前記爪は、その先端部が前記挿入方向に傾斜していることを特徴とする請求項1記載の筐体構造。
【請求項4】
本体部と、この本体部に取付けられる前面部とからなる筐体構造において、
前記本体部には、前記前面部と対向する面に複数の取付穴を形成するとともに、この取付穴の内壁に爪を突設し、さらに前記爪を設けた内壁と対向する内壁の両側に位置して突部を形成して成り、
前記前面部には、前記本体部と対向する面に前記取付穴に挿入可能な複数のリブを一体に形成するとともに、このリブに前記爪を嵌合する穴を形成して成り、
前記リブを前記取付穴に挿入する際に前記爪を支点にして前記突部によって前記リブを撓ませ、前記リブの穴に前記爪が嵌合した状態では、前記突部によって前記嵌合が外れるのを防ぐようにしたことを特徴とする筐体構造。
【請求項5】
前記本体部は、バックキャビネットであり、前記前面部は、バックキャビネットに取付けられる前面パネルであることを特徴とする請求項4記記載の筐体構造。
【請求項6】
前記爪及びこの爪と対向する内壁に設けられた前記突部は、その先端部が前記挿入方向に傾斜していることを特徴とする請求項4記載の筐体構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン受像機等の筐体構造に関するもので、キャビネット本体(バックキャビネット)に前面パネルを取付けて一体化するようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビジョン受像機等の電子機器においては、本体キャビネットに前面パネルを取付けて筐体を構成するようにしており、この筐体内に電子部品を収納するようにしている。
【0003】
本体キャビネットと前面パネルとの組立構造としては、例えば特許文献1に記載のように、バックキャビネットとフロントキャビネットとから成り、フロントキャビネットにおける天面部より下方位置に、バックキャビネットに向けて延出するリブを設け、このリブの延出した部分に係合用穴をあけ、バックキャビネットの天面部内面に、前記係合用穴に嵌入可能な係合用爪を設け、前記リブの係合用穴に前記係合用爪を嵌入することでバックキャビネットとフロントキャビネットを一体化するようにしたものがある。また特許文献1においては、バックキャビネットの天面部における前記リブの上方位置に爪解除操作用穴を設け、この爪解除操作用穴に工具を挿入することにより、リブと係合用爪の嵌入状態を解除するようにした構造も記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−313437号公報(図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示す構造では、前記リブの係合用穴に前記係合用爪を嵌入することでバックキャビネットとフロントキャビネットを一体化するものであるため、係合用爪に寸法誤差が生じた場合、リブの係合用穴と係合用爪との係合が解かれ、フロントキャビネットが外れてしまうという不都合があった。
【0006】
本発明は、キャビネット本体と前面パネルとの係合状態を安定化し、前面パネルが外れにくい筐体構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、本体部と、この本体部に取付けられる前面部とからなる筐体構造であって、前記本体部には、前記前面部と対向する面に複数の取付穴を形成するとともに、この取付穴の内壁に爪を突設して成り、前記前面部には、前記本体部と対向する面に前記取付穴に挿入可能な複数のリブを一体に形成するとともに、このリブに前記爪を嵌合する穴を形成し、さらに前記リブを前記取付穴に挿入する際に前記爪を支点にして前記リブが撓むように前記リブの穴の両側に突部を形成して成り、前記リブの穴に前記爪が嵌合した状態では、前記突部によって前記嵌合が外れるのを防ぐようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、本体部と、この本体部に取付けられる前面部とからなる筐体構造であって、前記本体部には、前記前面部と対向する面に複数の取付穴を形成するとともに、この取付穴の内壁に爪を突設し、さらに前記爪を設けた内壁と対向する内壁の両側に位置して突部を形成して成り、前記前面部には、前記本体部と対向する面に前記取付穴に挿入可能な複数のリブを一体に形成するとともに、このリブに前記爪を嵌合する穴を形成して成り、前記リブを前記取付穴に挿入する際に前記爪を支点にして前記突部によって前記リブを撓ませ、前記リブの穴に前記爪が嵌合した状態では、前記突部によって前記嵌合が外れるのを防ぐようにしたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、リブが取付穴に挿入される際に、リブは爪を支点にして撓み、湾曲しながら取付穴に挿入され、爪がリブに形成した穴に嵌合した状態では突部によって、爪が穴から抜けるのを防ぐことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5を参照して説明する。図1は本発明の筐体構造をテレビジョン受像機に適用した場合の一実施形態を示し、キャビネット本体と前面パネルを一体化した状態を示している。また、図2は、キャビネット本体と前面パネルを分解した状態を示している。
【0011】
図1において、10は、テレビジョン受像機であり、キャビネット本体11と前面パネル21とからなっている。キャビネット本体11は、バックキャビネットを構成し、この中に電子部品等が収納されている。また、前面パネル21には、開口部22が設けられ、CRT(受像管)の表示面がこの開口部から露出するようになっている。
【0012】
図2は、キャビネット本体11と前面パネル21を分解した状態を示しており、キャビネット本体11の天面部の一部及び前面部を覆うように前面パネル21が取付けられるようになっている。
【0013】
キャビネット本体11の天面部12には段差13が設けられ、この段差部分に複数の取付穴14が形成され、前面部15の下部にも同様の取付穴14が形成されている。また、前面部15の左右部分には、複数の取付穴16が形成されている。取付穴14と16は、実質的に同じ形状を有しているが、取付穴14は横方向に長く、取付穴16は縦方向に長く形成されている。また、キャビネット本体11の前面部には開口17が形成され、CRTの管面が露出するようにしている。一方、前面パネル21の上端縁及び下端部の内面には、前記取付穴14に対向して複数のリブ23が設けられ、前面パネル21の左右端部の内面には前記取付穴16に対向して複数のリブ24が設けられている。
【0014】
そして、前記前面パネル21の各リブ23,24をそれぞれ対向する取付穴14,16に挿入することで、前面パネル21をキャビネット本体11に取付可能にしている。尚、図2では便宜状、取付穴14,16を単に角穴として図示し、リブ23,24を角柱として図示しているが、それら取付穴14,16及びリブ23,24の具体的な構造を図3、図4を参照して説明する。
【0015】
図3は、キャビネット本体11の前記段部13に形成した取付穴14と、前面パネル21の上端縁に形成したリブ23を示した斜視図であり、図2のA,A’の円内の構成を拡大して示している。また、図4は、キャビネット本体11の前面部の左端に形成した取付穴16と、前面パネル21の左端に形成したリブ24を示す斜視図であり、図2のB,B’の円内の構成を拡大して示している。
【0016】
図3において、キャビネット本体11の取付穴14の内壁底面には爪141が形成されており、この爪141は先端に行くに従って奥方向に傾斜している。一方、前面パネル21のリブ23には、前記爪141が嵌合する穴231が形成され、この穴231を挟むように軸方向(前記取付穴14に向かう方向)に突堤232が形成されている。尚、リブ231は、前面パネル21と同じ材料(プラスチック等)で一体成形され、ある程度の弾性を有している。
【0017】
また、図4において、キャビネット本体11の取付穴16の内壁側面には爪161が形成されており、この爪161は先端に行くに従って奥方向に傾斜している。一方、前面パネル21のリブ24には、前記爪161が嵌合する穴241が形成され、この穴241を挟むように軸方向(前記取付穴16に向かう方向)に突堤242が形成され、このリブ24もある程度の弾性を有している。
【0018】
次に、前記リブ23が前記取付穴14に嵌合される状態を図5を参照して説明する。図5(a)は、リブ23が取付穴14に向かって挿入され始めた状態を示している。この状態において、リブ23の先端は爪141の斜面に乗り上げるため、爪141を支点にしてリブ23が撓み、湾曲しながら徐々に取付穴14の奥方向に挿入される。
【0019】
リブ23がさらに挿入されると、図5(b)のように、爪141はリブ23に形成した穴231に嵌合するため、リブ23は湾曲状態から元の状態に戻る。こうしてリブ23と爪141は係合し、前面パネル21は、キャビネット本体11に取付けられることになる。しかもこの状態では、リブ23が爪141から外れようとしても、穴231の両側に形成した突堤232が取付穴14の内壁にぶつかるため、爪141が穴231から抜けることはなく、しっかり嵌合することができる。尚、爪141の高さをh1、リブ23の突堤の高さをh2、取付穴14の大きさをh3としたとき、h3>h2、h3−h2=h0、h1>h0とする必要がある。
【0020】
また図5では、取付穴14とリブ23の嵌合状態を示しているが、取付穴16とリブ24の嵌合状態も同様である。尚、嵌合状態を解除するには、キャビネット本体11の裏カバー(図示せず)を外し、キャビネット本体の内側から工具を使ってリブ23を爪141から外すように押し上げれば良い。
【0021】
次に図6は、本発明の他の実施形態を示す斜視図である。図5では、リブ23,24に突堤232を形成した例を述べたが、図6ではキャビネット本体11の取付穴14の、前記爪141を設けた内壁と対抗する内壁に、所定間隔を置いて2つの突堤142を形成し、これら突堤142の間の谷部に爪141が対向するようにしたものである。尚、突堤142は、爪141と同様に先端に行くに従って奥方向に傾斜している。
【0022】
次に、図6の実施形態について、前記リブ23が前記取付穴14に嵌合される状態を図7を参照して説明する。図7(a)は、リブ23が取付穴14に向かって挿入され始めた状態を示している。この状態において、リブ23の中央部先端は爪141斜面に乗り上げ、かつ突堤143によって両端部が押し下げられるため、リブ23は爪141を支点にして撓み湾曲しながら徐々に取付穴14の奥方向に挿入される。
【0023】
リブ23がさらに挿入されると、図7(b)のように、爪141はリブ23に形成した穴231に嵌合するため、リブ23は湾曲状態から元の状態に戻る。こうしてリブ23と爪141は係合し、前面パネル21は、キャビネット本体11に取付けられることに成る。しかもこの状態では、リブ23が爪141から外れようとしても、取付穴14に形成した突堤142がリブ23の両端にぶつかるため、爪141が穴231から抜けることはなく、しっかり嵌合することができる。
【0024】
尚、爪141の高さをh1、突堤142の高さをh2、取付穴14の大きさをh3、リブ23の厚さをh4としたとき、h3>(h2+h4)、h3−(h2+h4)=h0、h1>h0とする必要がある。
【0025】
このように、本発明によれば、前面パネル21をキャビネット本体11に対向させて、各取付穴14,16と各リブ23,24の位置を合わせてそのまま押し込むことにより、前面パネル21はキャビネット本体11に容易に取付けることができ、しかも外れることはない。尚、以上の説明ではテレビジョン受像機を例に説明したが、他の電子機器の筐体に適用可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡単な構成で前面パネル21とキャビネット本体11とを一体化することができ、しかも外れにくい筐体構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筐体構造をテレビジョン受像機に適用した場合の全体的な外観を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態における筐体構造を分解して示す分解斜視図。
【図3】本発明の一実施形態における筐体構造の要部を拡大して示す斜視図。
【図4】本発明の一実施形態における筐体構造の他の要部を拡大して示す斜視図。
【図5】本発明の一実施形態における筐体構造の取付け動作を説明する一部断面図。
【図6】本発明の他の実施形態における筐体構造の要部を拡大して示す斜視図。
【図7】本発明の他の実施形態における筐体構造の取付け動作を説明する一部断面図。
【符号の説明】
11…キャビネット本体
14、16…取付穴
141…爪
142…突堤
21…前面パネル
22…開口
23、24…リブ
231、241…穴
232、242…突堤
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成15年6月27日(2003.6.27)
【代理人】 【識別番号】100083161
【弁理士】
【氏名又は名称】外川 英明

【公開番号】 特開2005−19805(P2005−19805A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−184493(P2003−184493)