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【発明の名称】 テレビジョン受像機
【発明者】 【氏名】湯川 雅裕
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】音響的なイコライジングを省スペ−スで実現する。

【解決手段】本発明は、スピ−カユニットをユニット口径より大きく形成されたバッフル板に取り付け固定し、かつキャビネットにスピ−カ口径より広範囲に音孔群を形成し、その音孔群と前記バッフル板との間に空間を形成できるようキャビネットとバッフル板を位置配置し、さらに前記キャビネットとバッフル板の間を囲い込んで密閉する密閉手段とさらに密閉手段の位置を可変し、音孔とバッフル板と密閉手段で形成される空間の容積と音孔の開校面積を調節できるようにする構成により、省スペ−スで音響的なイコライジングを実現することを可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピ−カユニットをスピ−カユニット口径より大きく形成されたバッフル板に取り付け固定し、かつキャビネットにスピ−カ口径より広範囲に音孔群を形成し、その音孔群と前記バッフル板との間に空間を形成できるようキャビネットとバッフル板を位置配置し、さらに前記キャビネットとバッフル板の間を囲い込んで密閉する密閉手段とさらに密閉手段の位置を可変し、音孔とバッフル板と密閉手段で形成される空間の容積と音孔の開校面積を調節できるようにしたことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項2】
請求項1記載の構成に加えて、キャビネットとバッフル板の間を密閉する密閉手段にレゾネ−タボックスを有し、さらにレゾネ−タ付きの密閉手段の位置を可変し、音孔とバッフル板と密閉手段で形成される空間の容積と音孔の開校面積を調節できるようにしたことを特徴とする請求項1記載のテレビジョン受像機。
【請求項3】
請求項1記載の構成に加えて、キャビネットとバッフル板の間を密閉する密閉手段を吸音材にて形成し、さらに吸音材にて形成された密閉手段の位置を可変し、音孔とバッフル板と密閉手段で形成される空間の容積と音孔の開校面積を調節できるようにしたことを特徴とする請求項1記載のテレビジョン受像機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スピ−カから出る音の周波数特性のイコライジングを容易にするものである。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機において、スピ−カユニットからでる音をテレビジョン受像機として最適な音質にするためにイコライジングすることで、より高音質を実現することは非常に重要である。このことは様々な市場向けのテレビジョン受像機においては顕著であり、各市場に対して最適な音質設定が求められるこの種のテレビジョン受像機においては、スピ−カユニットを共用しながら各市場で求められる音質にチュ−ニングできるイコライジング技術はコスト的にも非常に利点がある。
【0003】
実用のイコライジング技術の多くは、イコライザ回路により電気的にイコライジングしてスピ−カとの特性を最適化するものである(例えば、特許文献1参照)。イコライザ回路で音声をイコライジングするということは、音声信号がスピ−カユニットに到達する前段階で音声信号の周波数特性や位相特性を可変して、スピ−カユニットそのものの周波数特性のくせを補ったり、最適化したりするものである。
【0004】
ところが音声信号の周波数特性を可変することは元々音声信号がもっている情報を可変することにもつながり、音声信号情報そのものを変えてしまう性質がある。大きく信号を可変させてイコライジングをする必要があるような場合は、音声信号の情報を大きく損なう危険性を有しており、こういった手法では本来の高音質を求めることは限界があり困難であった。
【0005】
近年、音響的にイコライジングする手法として、ド−ム型スピ−カに関して、イコライザと振動板との相対位置を可変として、調節することにより高域周波数特性を補正できる手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、上記技術はスピ−カユニットの振動版前面にイコライザを構成し前面で位置を可変して調整するため、実現するためには可変部分を含めた広範囲なスペ−スを必要とする。近年の液晶やプラズマに代表されるような薄型のテレビジョン受像機では、奥行き方向を可変させる構成は困難であり、また、スピ−カの振動板の前面にイコライザを位置することは、スピ−カそのものの能率を減衰させることにもつながり高効率なものとはいえない。
【特許文献1】特開昭61−19296号公報
【特許文献2】実開昭60−37989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする問題点は、電気的ではなく音響的にイコライジングする手法をスピ−カユニット振動板前面以外で実現して、省スペ−スな構成を実現する点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スピ−カユニットをユニット口径より大きく形成されたバッフル板に取り付け固定し、かつキャビネットにスピ−カ口径より広範囲に音孔群を形成し、その音孔群と前記バッフル板との間に空間を形成できるようキャビネットとバッフル板を位置配置し、さらに前記キャビネットとバッフル板の間を囲い込んで密閉する密閉手段とさらに密閉手段の位置を可変し、音孔とバッフル板と密閉手段で形成される空間の容積と音孔の開校面積を調節できるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のテレビジョン受像機は、奥行き方向ではなく上下方向で可変し音響的なイコライジングをするため、非常に省スペ−スで行えるという利点がある。また、構成が簡単でスピ−カ振動板前面を可変させないため、高能率なシステムが実現できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
音響的にイコライジングし音を最適化するという目的を、最小の部品点数にて構成し、省スペ−スで実現した。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明における実施の形態1の断面図である。1aはメインスピ−カ、1bはツイ−タ、2は密閉ボックス、2aはバッフル面、2bはバッフル範囲、3はキャビネット、3aは音孔、3bは音孔範囲、4はゴムブッシュ、5はビス、6は密閉手段である。
【0012】
メインスピ−カ1aとツイ−タ1bは密閉ボックス2に固定されている。本実施の形態では、密閉ボックスの場合においてのみ説明するが、バスレフ方式でも後面開放型でも本実施の形態の効果は有効である。
【0013】
密閉ボックス2はメインスピ−カ1aの振動板面積とツイ−タ1bの振動板面積の合計よりも広範囲に大きく構成したバッフル面2aを有し、その範囲は図1では、例えばバッフル範囲2bとして示している。密閉ボックス2はビス5によって例えばゴムブッシュ4を介してキャビネット3に固定される。キャビネット3もメインスピ−カ1aの振動板面積とツイ−タ1bの振動板面積合計より広範囲に音孔3aを形成した音孔群を有して構成している。その範囲は図中では例えば音孔範囲3bがこれに相当する。
【0014】
本実施の形態の主体は上記のように広範囲に構成されたバッフル面2aと広範囲に構成された音孔3aの間に隙間空間9を構成できるように密閉ボックス2をキャビネット3に固定し、さらにその隙間空間9を位置移動が可能な密閉手段6により密閉する。図では断面しか表記していないがスピ−カ1a,1bを囲うようにして音孔群とバッフル面の間に密閉手段6を形成して密閉空間を形成する。
【0015】
一般に音響特性はスピ−カユニットの特性に依存するが、スピ−カユニットと音孔との間に形成される空間容積と音孔開口面積により特性は大きく変動する。
【0016】
本実施の形態は上記物理特性に着目したものであり、密閉手段6はその位置を変動させる手段を有していることが大きな特徴である。例えば図1において、密閉手段6の位置を上下することで密閉空間の容積と開口面積を変化させる。このことは密閉手段6を上下に移動させることで特性を可変させることが可能なことを意味している。密閉空間の容積変化量と開口面積変化量による特性変動をあらかじめ評価することで、密閉手段6の移動量での特性変化が予測でき、最適特性にイコライジングすることを可能とするものである。
【0017】
上記構成で音響的にイコライジングすることが可能である。密閉手段6の移動方向を上下方向に形成しているため、移動量確保のためのスペ−スは上下方向でまかなうことができる。よって奥行き方向のスペ−スはコンパクトに形成でき、近年の薄型テレビジョン受像機に対応できるものとなる。
【0018】
(実施の形態2)
図2は、本発明における実施の形態2の断面図である。図2では、図1の断面図において特徴となる部分のみを特出して説明する。
【0019】
本実施の形態は、第二の密閉手段7が可動手段を有し、かつレゾネ−タボックスを形成して有していることを特徴としている。スピ−カユニット特性で吸音したい周波数が特定できる場合は、その周波数にチュ−ニングした管部分7a,容積7bで構成されるレゾネ−タボックスを第二の密閉手段7に構成することで、より適切なイコライジングが可能となる。
【0020】
(実施の形態3)
図3は、本発明における実施の形態3の断面図である。図3では、図1の断面図において特徴となる部分のみを特出して説明する。
【0021】
本実施の形態は、第三の密閉手段8が可動手段を有して、かつ吸音材で第三の密閉手段を構成したことを特徴としている。スピ−カユニットの特性で吸音したい周波数は特定できる場合は、吸音材で第三の密閉手段8を構成することで、より適切なイコライジングが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
密閉手段を上下に位置を可変することで容易に音響特性の可変ができ、また共鳴箱を密閉手段に構成することや吸音材等で形成して最適なイコライジングを電気回路ではなく、簡単な構成でコンパクトなスペ−スで音響的に可能とすることは非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明における実施の形態1の断面図
【図2】本発明における実施の形態2の断面図
【図3】本発明における実施の形態3の断面図
【符号の説明】
【0024】
1a メインスピ−カ
1b ツイ−タ
2 密閉ボックス
2a バッフル面
2b バッフル範囲
3 キャビネット
3a 音孔
3b 音孔範囲
4 ゴムブッシュ
5 ビス
6 密閉手段
7 第二の密閉手段
7a 管部分
7b 容積
8 第三の密閉手段
9 隙間空間
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年4月26日(2004.4.26)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−311930(P2005−311930A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−129286(P2004−129286)