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【発明の名称】 リアルタイム情報配信が可能なコミュニケーションシステムおよびコミュニケーション方法
【発明者】 【氏名】浜野 利久
【住所又は居所】神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーンテクなかい 富士ゼロックス株式会社内

【氏名】福井 トシヤ
【住所又は居所】神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーンテクなかい 富士ゼロックス株式会社内

【氏名】市村 哲
【住所又は居所】神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーンテクなかい 富士ゼロックス株式会社内

【要約】 【課題】不特定多数の人々からの使用方法やトラブルに関する問い合わせに効果的に応えるためのマルチメディア情報と音声通信(電話など)によるリアルタイムコミュニケーションの融合を図るコミュニケーション方法を提供する。

【解決手段】ユーザ側PCからセンター側PCに対し、ユーザ側PCを識別するための識別情報およびユーザ側と音声通信するために必要な電話番号情報を送信する第1のステップと、電話番号情報に基づきセンター側とユーザ側との間に音声通信を確立する第2のステップと、センター側PCが識別情報により識別されたユーザ側PCに対しウエブ公開ディレクトリのURLを送信する第3のステップと、ユーザ側PCがセンター側PCのウエブ公開ディレクトリをアクセスする第4のステップとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ側電子装置とセンター側電子装置間においてネットワークを介して情報の伝達を行うコミュニケーションシステムであって、
ユーザ側電子装置からセンター側電子装置に対し、ユーザ側電子装置を識別するための識別情報およびユーザ側と音声通信するために必要な電話番号情報を送信する第1の送信手段と、
センター側電子装置が第1の送信手段による情報を受信したとき、前記電話番号情報に基づきセンター側とユーザ側との間に音声通信を確立する音声通信確立手段と、
センター側電子装置が第1の送信手段による情報を受信したとき、センター側電子装置は、前記識別情報により識別されたユーザ側電子装置に対し、当該ユーザ側電子装置がアクセスすべきアドレス情報を送信する第2の送信手段と、
を有するコミュニケーションシステム。
【請求項2】
コミュニケーションシステムはさらに、ユーザ側電子装置からセンター側電子装置に対し、所定の送信を要求するためのリクエストを送信する第3の送信手段を有する、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項3】
コミュニケーションシステムはさらに、第3送信手段により送信されたリクエストに対応する情報を送信する第4の送信手段を有する、請求項1または2に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項4】
前記音声通信確立手段は、前記電話番号情報に基づきユーザ側とセンター側間に電話による音声通信を確立する、請求項1ないし3いずれか1つに記載のコミュニケーションシステム。
【請求項5】
ユーザ側電子装置およびセンター側電子装置が音声通信機能を有するとき、前記音声通信確立手段は、前記電話番号情報に基づきユーザ側電子装置とセンター側電子装置間に音声通信を確立する、請求項1ないし3いずれか1つに記載のコミュニケーションシステム。
【請求項6】
第2の送信手段は、ウエブ公開ディレクトリのアドレス情報を送信する、請求項1ないし5いずれか1つに記載のコミュニケーションシステム。
【請求項7】
第4の送信手段は、ユーザ側電子装置においてウエブ公開ディレクトリィのウエブ画面が閲覧されているとき、当該ウエブ画面に合成されるべき情報を送信する、請求項6に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項8】
前記合成されるべき情報は、ウエブ画面上に表示されるテキスト情報とテキスト情報を表示すべき位置情報とを含む、請求項7に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項9】
コミュニケーションシステムはさらに、少なくとも第4の送信手段により送信された情報の履歴を記憶するログファイル記憶手段を有する、請求項1ないし8いずれか1つに記載のコミュニケーションシステム。
【請求項10】
ログファイル記憶手段は、音声通信確立手段によって行われた音声通信を記憶する、請求項9に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項11】
ユーザ側電子装置とセンター側電子装置との間のコミュニケーションは、コールセンターシステムを含む、請求項1ないし10いずれか1つに記載のコミュニケーションシステム。
【請求項12】
ユーザ側電子装置とセンター側電子装置との間のコミュニケーションは、画像プレゼンテーションを含む、請求項1ないし10いずれか1つに記載のコミュニケーションシステム。
【請求項13】
ユーザ側電子装置とセンター側電子装置間においてネットワークを介して情報の伝達を行うためのコミュニケーション方法であって、
ユーザ側電子装置からセンター側電子装置に対し、ユーザ側電子装置を識別するための識別情報およびユーザ側と音声通信するために必要な電話番号情報を送信する第1のステップと、
センター側電子装置が第1のステップによる情報を受信したとき、前記電話番号情報に基づきセンター側とユーザ側との間に音声通信を確立する第2のステップと、
センター側電子装置が第1のステップによる情報を受信したとき、センター側電子装置は、前記識別情報により識別されたユーザ側電子装置に対し、当該ユーザ側電子装置がアクセスすべきアドレス情報を送信する第3のステップと、
を有するコミュニケーション方法。
【請求項14】
第2のステップによる音声通信は、センター側電子装置とユーザ側電子装置間の音声通信または電話による音声通信を含む、請求項13に記載のコミュニケーション方法。
【請求項15】
ユーザ側電子装置とセンター側電子装置間においてネットワークを介して情報の伝達を行うためのコミュニケーション方法であって、
ユーザ側電子装置からセンター側電子装置に対し、ユーザ側電子装置を識別するための識別情報およびユーザ側と音声通信するために必要な電話番号情報を送信する第1のステップと、
センター側電子装置が第1のステップによる情報を受信したとき、前記電話番号情報に基づきセンター側とユーザ側との間に音声通信を確立する第2のステップと、
センター側電子装置が第1のステップによる情報を受信したとき、センター側電子装置は、前記識別情報により識別されたユーザ側電子装置に対し、センター側電子装置が保有するウエブ公開ディレクトリのアドレス情報を送信する第3のステップと、
ユーザ側電子装置が第3のステップによる前記アドレス情報を受信したとき、ユーザ側電子装置は、センター側電子装置のウエブ公開ディレクトリをアクセスする第4のステップと、
を有するコミュニケーション方法。
【請求項16】
コミュニケーション方法はさらに、ユーザ側電子装置からセンター側電子装置にリクエストがあったとき、センター側電子装置はユーザ側電子装置に対し、ウエブ公開ディレクトリのウエブ画面に合成されるべき情報を送信する第5のステップを有する、請求項15に記載のコミュニケーション方法。
【請求項17】
前記合成されるべき情報は、少なくともウエブ画面に表示されるテキスト情報と当該テキスト情報が表示される位置情報とを含む、請求項16に記載のコミュニケーション方法。
【請求項18】
コミュニケーション方法はさらに、センター側電子装置とユーザ側電子装置間において送受された情報履歴をログファイルとして保存する第6のステップを有する、請求項15に記載のコミュニケーション方法。
【請求項19】
前記ログファイルは、ユーザ側とセンター側との間の音声通信を保存する、請求項18に記載のコミュニケーション方法。
【請求項20】
ユーザ側電子装置とセンター側電子装置間においてネットワークを介して情報の伝達を行うためのコミュニケーションは、コールセンターシステムを含む、請求項15ないし19いずれか1つに記載のコミュニケーション方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的なリアルタイム情報配信が可能なコミュニケーションシステムおよびコミュニケーション方法に関し、特に、ウエブ(Web)システムを利用するユーザに対し、ネットワークトラフィックを増加させることなくマルチメディア情報を配信する次世代のコールセンターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の使い方やトラブル対応の処置などが複雑になるにつけ、直接メーカーのコールセンターに質問し、回答を得るということが頻繁に行われている.この場合、一般には電話などの手段を利用するため、カタログに記載された複雑な記載や図面についての説明、トラブル修理のポイントについての説明に要領を得ないことが多い。
【0003】
このような同期遠隔型の支援システムについての報告が非特許文献1において成されている。また最近では、非特許文献2で示されるネットミーティングやリモートアシスタント等も用いられている.しかし、このような支援システムは、ウインドウズ(登録商標)というオペレーティングシステム(OS)に依存する形でしか運用できず、また、特別のクライアントソフトウェアを必要とする。さらに、通常開いているファイヤーウォールの80番のポートを使っての利用はできない。
【0004】
また同様に、専用クライアントソフトウェアを使わずに一般的ブラウザに対して、Java(登録商標)アプレットとしても動作する画面共有できるソフトウェアとして非特許文献3に開示されるものが有る.このようなアプレット版のクライアントを用いれば、特定のクライアントアプリケーションをユーザ環境にインストールしておく必要は無い。ただし、Java(登録商標) Runtimeをインストールしていなければ、PocketPC2002のようなアプレットが動かないPDAのような環境では、やはり専用のアプリケーションを必要とするのが現状である.また、非特許文献3では画面の共有は全画面で行われ、必要以上の情報を共有することになりトラフィック量抑制の観点からは好ましい状況ではない。
【0005】
このような状況に対し、非特許文献4で発表された”QuickBoard”では、大学における遠隔授業の中での効率的なマルチメディア情報の配信が行われることが述べられている。しかし、この例ではシステムを使う人=学生が決まっているし、質問に受け答えする応対者の数が一人であり、コールセンターのように話の状況によっては複数の人から話を聞くなどという事は生じないし、また、大学或いは学校という事である程度のネットワーク環境(回線速度など)が確保されている中での遠隔授業であるから、送付するスライド映像によるトラフィックの増大についてもそれ程気にすることなく利用されていた.
【0006】
【非特許文献1】MERMAID <Watanabeet.al., Destributed Multiparty Desktop Conferencing System:MERMAID, Proc. Of CSCW’90, pp.27-38,1990
【非特許文献2】マイクロソフト社、[平成16年2月6日検索]、インターネット、<URL:http://www.microsoft.com/windows/netmeeting/>
【非特許文献3】[平成16年2月6日検索]、インターネット、VNC<http://www.uk.research.att.com/vnc/>
【非特許文献4】市村哲ほか、「QuickBoard:汎用Webブラウザのためのリアルタイムスライド配信サービスの試作」、情報処理学会研究会報告GN-46-7、2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のシステムは、ウエブシステムを利用したネットワーク環境下において、トラフィックを抑制し、リアルタイムにてマルチメディア情報を効率良く伝送するものではなく、これを解決するシステムは、依然として開発され、または実用化されていないのが現状である。特に、コールセンターシステム等のコミュニケーションにおいては、不特定多数のユーザに対し、必要とされる情報を効率良くリアルタイムで、かつ分かり易く提供することが望まれている。
【0008】
また、不特定多数の顧客から、会社情報の改ざんや漏洩をできる限り抑えつつ運用する方法として、ウエブ公開ディレクトリによる方法を採用することができる。しかし、ウエブ公開ディレクトリを利用する方法においても、通信経路のトラフィック抑制の観点からは、依然として解決しなければならない課題がある。すなわち、データ伝送に対し、トラフィックをできる限り抑制し、回線速度の不十分な環境の顧客に対してもリアルタイムで情報配信できることが重要となる。
【0009】
さらに、オペレータに状況を説明している最中に、話が通じなくなったり、うまくコミュニケーションできなくなった場合、別なオペレータに代わるが、その際、また最初から説明を顧客に要求すると、顧客の負荷が大きくなり、サービス上の問題となっていた。
【0010】
本発明は、不特定多数の人々からの使用方法やトラブルに関する問い合わせに効果的に応えるための画像情報などのマルチメディア情報と音声通信(電話など)によるリアルタイムコミュニケーションの融合を図り、且つそのシステムを使いながら商品の使い方やトラブル対処等の情報を的確に指示することができるコミュニケーションシステムを提供するものである。
【0011】
また本発明は、問い合わせに対する回答をスムーズに行う為に、コールセンターの次世代スタイルともいえるネットワークPCを使った説明を行うようにすることを目的とした顧客へのマルチメディアプレゼンテーション、特に画像プレゼンテーションを提供するものである。
【0012】
さらに本発明は、不特定のユーザの要求に応える為に、使用できるオペレーティングシステム(OS)が限定されず、かつ専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、ネットワーク上のファイヤーウォールなどの制限を特に意識せずに繋げることができ、しかもISDNなどのようにバンド幅が画像伝送には十分大きくないユーザにとっても快適に使用でできるような、次世代のコールセンターに対応するサーバーサイドコンピューティングシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る、ユーザ側電子装置とセンター側電子装置間においてネットワークを介して情報の伝達を行うコミュニケーションシステムは、ユーザ側電子装置からセンター側電子装置に対し、ユーザ側電子装置を識別するための識別情報およびユーザ側と音声通信するために必要な電話番号情報を送信する第1の送信手段と、センター側電子装置が第1の送信手段による情報を受信したとき、前記電話番号情報に基づきセンター側とユーザ側との間に音声通信を確立する音声通信確立手段と、センター側電子装置が第1の送信手段による情報を受信したとき、センター側電子装置は、前記識別情報により識別されたユーザ側電子装置に対し、当該ユーザ側電子装置がアクセスすべきアドレス情報を送信する第2の送信手段とを有する。
【0014】
好ましくは、コミュニケーションシステムはさらに、ユーザ側電子装置からセンター側電子装置に対し、所定の送信を要求するためのリクエストを送信する第3の送信手段を有し、第3送信手段により送信されたリクエストに対応する情報を送信する第4の送信手段を有する。
【0015】
好ましくは、音声通信確立手段は、前記電話番号情報に基づきユーザ側とセンター側間に電話による音声通信を確立する。または、ユーザ側電子装置およびセンター側電子装置が音声通信機能を有するとき、前記音声通信確立手段は、前記電話番号情報に基づきユーザ側電子装置とセンター側電子装置間に音声通信を確立するものでもよい。
【0016】
好ましくは第2の送信手段は、ウエブ公開ディレクトリのアドレス情報を送信する。第4の送信手段は、ユーザ側電子装置においてウエブ公開ディレクトリィのウエブ画面が閲覧されているとき、当該ウエブ画面に合成されるべき情報を送信する。合成されるべき情報は、ウエブ画面上に表示されるテキスト情報(たとえばアノテーション)とテキスト情報を表示すべき位置情報とを含むのが望ましい。
【0017】
これにより、上記した従来のトラフィック抑制の課題に対応することができる。画像伝送における圧縮は、画質を低下させない可逆圧縮でありながら、JPEG圧縮よりサイズが小さくなるPNG圧縮が用いられてきている.例えば、非特許文献4のQuickBoardは、PNG圧縮を用い、また画像更新があったかどうかを判断し、更新要求が有った際のみ更新することで、150分の1程度の圧縮を達成するが、本発明の好ましい態様では、PNG圧縮に加えて以下の方法で送信データを抑制する。センター側電子装置(オペレータ)は、ウエブドキュメントに追加されたアノテーションを用いながら説明をし、さらに、それを電話による音声でリアルタイムなサポートをするという方法をとるが、その際、切り出して送信するデータは、追加したアノテーションデータだけにして、背景情報は新たには送らない。
【0018】
好ましくはコミュニケーションシステムはさらに、少なくとも第4の送信手段により送信された情報の履歴を記憶するログファイル記憶手段を有する。ログファイル記憶手段は、音声通信確立手段によって行われた音声通信を記憶することも可能である。
【0019】
これにより、センター側電子装置において、オペレータの交代に対する情報の受け渡しについては、送受される情報の履歴(ログ)により、新たに代わったオペレータは、それ以前のログファイルを見ることにより、従前のオペレータとのやり取りの経緯を即座に理解し、顧客に対して再度の説明を求める必要がなくなり、顧客も重複した質問等の苦痛から開放されることになる。
【0020】
本発明に係るユーザ側電子装置とセンター側電子装置間においてネットワークを介して情報の伝達を行うためのコミュニケーション方法は、ユーザ側電子装置からセンター側電子装置に対し、ユーザ側電子装置を識別するための識別情報およびユーザ側と音声通信するために必要な電話番号情報を送信する第1のステップと、センター側電子装置が第1のステップによる情報を受信したとき、前記電話番号情報に基づきセンター側とユーザ側との間に音声通信を確立する第2のステップと、センター側電子装置が第1のステップによる情報を受信したとき、センター側電子装置は、前記識別情報により識別されたユーザ側電子装置に対し、当該ユーザ側電子装置がアクセスすべきアドレス情報を送信する第3のステップとを有する。
【0021】
さらに本発明に係るユーザ側電子装置とセンター側電子装置間においてネットワークを介して情報の伝達を行うためのコミュニケーション方法は、ユーザ側電子装置からセンター側電子装置に対し、ユーザ側電子装置を識別するための識別情報およびユーザ側と音声通信するために必要な電話番号情報を送信する第1のステップと、センター側電子装置が第1のステップによる情報を受信したとき、前記電話番号情報に基づきセンター側とユーザ側との間に音声通信を確立する第2のステップと、センター側電子装置が第1のステップによる情報を受信したとき、センター側電子装置は、前記識別情報により識別されたユーザ側電子装置に対し、センター側電子装置が保有するウエブ公開ディレクトリのアドレス情報を送信する第3のステップと、ユーザ側電子装置が第3のステップによる前記アドレス情報を受信したとき、センター側電子装置のウエブ公開ディレクトリをアクセスする第4のステップとを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明のコミュニケーションシステムによれば、ユーザ側電子装置とセンター側電子装置間において、画像等の情報の伝達に加え、音声通信による情報の伝達を可能にしたことで、画像等の情報を抑制しつつ、これを補うかたちで音声情報を利用することにより、必ずしも高度なネットワーク環境になくとも、情報のリアルタイム配信を可能にし、ユーザに対して、効率良く、かつ分かり易いコミュニケーションを図ることができる。特に、コールセンターシステムにおいて、ユーザに対して、複雑な動作の説明や図面等を用いた説明をするとき、ユーザに的確に分かり易い説明を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係るコミュニケーションシステムは、ウエブ公開ディレクトリを用いたコールセンターシステムにおいて好適に実施される。以下、コールセンターシステムを実施例として図面を参照して説明する。
【0024】
図1(a)は、コールセンターシステムの概略的な構成を示す図である。コールセンターシステムは、不特定多数のユーザから発せられる、製品、商品、サービス等についての質問、問い合わせ、クレーム等のリクエストに対し、企業であるサプライヤー側またはセンター側がこれに応答するものである。本実施例に係るコールセンターシステム1は、不特定多数のユーザ側パーソナルコンピュータ(PC)10、10−1、10−nが、インターネット等のネットワークを介してセンター側PC20に接続され、情報の伝達を可能にしている。
【0025】
例えばユーザ側PCは、図1(b)に示すように、マウスやキーボードを介してユーザから指示等を入力し、または接続された外部機器へデータ等を出力する入出力部100、インターネットやLAN等のネットワーク通信を行うための通信制御部102、文字、図形等を表示するためのディスプレイ104、音声信号の入出力を行う音声入出力部106、CPU108、演算結果のデータや入出力データ等を一時的に記憶するデータメモリ110、プログラムデータを含むプログラムメモリ112、ハードディスク等の大容量メモリ114、およびこれらの各部を接続するバス116とを含んで構成される。
【0026】
通信制御部102は、画像データやテキストデータの送受信のほか、音声データの送受信を行う。受信した音声データは、アナログ音声信号に変換され、音声入出力部106のスピーカ等から可聴音として出力される。また、音声入出力部106のマイクから入力された音声信号は、ディジタル信号に変換された後、通信制御部102を介してセンター側PCへ送信される。好ましくは、センター側PCにおいても音声信号の送受信が可能であり、センター側PCとユーザ側PCとの間でIP電話等による音声通信を行うことができる。
【0027】
プログラムメモリ112は、コールセンターシステムにおいて、ユーザ側PCの動作を制御するアプリケーションプログラムが格納されている。CPU108は、プログラムメモリ112のプログラムに従い各部の動作を制御する。
【0028】
図2は、図1に示すコールセンターシステムの概要を示すフローである(なお、*印は音声通信を示している)。例えば、商品トラブルに見舞われたリ、問題に直面したユーザ(顧客)Pが、該当商品の企業Xのウエブページから、ユーザPを識別するために識別情報(例えば、自分の登録電話番号、登録住所、メールアドレスなど)と現在使用中の連絡可能な電話番号を通知する。この時点で、必ずしもクレームの内容の記載は要しない(ステップ1)。
【0029】
ステップ2の通知を受けた企業X側のコールセンターは、受けた識別情報、例えば登録電話番号からユーザPを特定する。そして、ユーザPのメールアドレスを用い、回答者Rがセンター側PC20からユーザ側PCに対し、ウエブ公開ディレクトリのURLを送信する(ステップ2)。それと共に、回答者Rは、ユーザPから通知された現在使用中の電話番号をもとに電話をかける。
【0030】
ユーザPは、送られてきたURLを参照しウエブ公開ディレクトリを開き、そのウエブ画面を閲覧する。同時に、回答者Rからかかってきた電話にて回答者Rとの間で、クレームやクレームに対する回答についてコミュニケーションを行う(ステップ3)。
【0031】
その後、ユーザPのリクエストに応答し、回答者Rがセンター側PCから必要情報を書き込む都度、ユーザPは、ユーザ側PCを介してアップデートされる公開ウエブ画面を閲覧し、その内容について回答者Rと音声通話(電話)にて確認を行い、ユーザPの確実な理解を実行する(ステップ4)。文書・画像の提供は、企業Xのセンター側PCからの一方向であるが、それを補う意味でリアルタイムな電話通信の双方向性を利用している。
【0032】
図3は、図2のステップ1〜ステップ4の詳細な動作説明をしたフローチャートである。始めに、ユーザPは、ユーザ側PCにおいてX社のホームページをディスプレイに表示する(ステップS101)。次に、ホームページの所定のリクエスト画面から、ユーザPを識別するための情報(例えば、登録電話番号、住所など)、連絡先の電話番号および必要であればクレーム等を記入し、これをX社のセンター側PCに送信する(ステップS102)。
【0033】
センター側PCでは、ユーザからのリクエストを受信し、これをディスプレイに表示する(ステップS103)。次に、センター側PCにおいて、リクエストフォームに記載された識別情報からユーザPを特定する(ステップS104)。特定したユーザすなわちユーザ側PCに対して、センター側PCが保有するウエブ公開ディレクトリのURLを電子メールにて送信する(ステップS105)。メールアドレスは、ユーザPを特定することで抽出可能とする。
【0034】
ユーザ側PCにおいて、URLが受信され(ステップS106)、ユーザは、受信したURLを参照し、ウエブ公開ディレクトリをアクセスし、ユーザに割り当てられたウエブ画面をディスプレイに表示する(ステップS107)。同時に、センター側の回答者からユーザに電話が掛けられ、回答者からウエブ画面について音声回答が行われる(ステップS108)。この状態において、センター側の回答者とユーザとは、ウエブ画面を共有し、互いに同一画面を見ながら、音声にてリアルタイムなコミュニケーションを図ることができる。ユーザは、回答者からの説明が不十分であるとき、あるいは更なる質問があるとき、その旨を回答者に音声でリクエストすることができる(ステップS109)。
【0035】
音声質問等のリクエストがなされると、センター側PCでは、リクエストに対応する画像情報等を送信する(ステップS110)。このとき、送信される画像情報は、従前のウエブ画面に対して追加される差分だけを送信し、これによって伝送トラフィックが増大するのを抑制する。
【0036】
ユーザ側PCにおいて、追加分の画像情報が受信され(ステップS111)、現在表示しているウエブ画面に対して受信した画像情報が合成され、ウエブ画面が更新される(ステップS112)。ステップS111で送られた画像情報等について、ユーザと回答者との間で音声によるコミュニケーションが行われ、さらに、ユーザから追加のリクエストがあれば、ステップS108からS112のステップが繰り返される。こうして、音声通信によるコミュニケーションと画像情報等の情報の伝達とが行われ、ユーザにとっての理解度が満足される。
【0037】
図4は、センター側PCからユーザ側PCへ送信される画像情報例であり、図5はそのときの動作を説明するフローチャートである。ユーザは、センター側PCから送信されたウエブ公開ディレクトリのURLにアクセスし、共有ウエブページを閲覧する(ステップS201)。ユーザおよび回答者は、図4(a)に示すようなウエブページを見ているものとする。なお、ウエブページの全てを閲覧する必要がない場合には、予め図4(a)の破線で示すような矩形状に切り出した部分Tを送信し、これを閲覧させるようにしてもよい。例えば、地図などの場合には、ウエブページの一部を切り出し、これを拡大して送るようにしてもよい。但し、この際オリジナルの地図の解像度が十分でないと画質が劣化することは留意しておく必要がある。
【0038】
次に、センター側PCの回答者は、ユーザからのリクエストに応答すべく情報を送信するため、ユーザ側PCが呼び出したウエブページに、図4(b)に示すような追加のアノテーションテキスト(123456、ABCDEFG)を記入するとともに、簡単なポインティングマークなどを用意する(ステップS202)。さらに、回答者はウエブページの所定の位置をマウスによりポインティングし、アノテーションテキストおよびポインティングマークが表示される位置を特定する。こうして、アノテーションテキスト、ポインティングマーク、およびこれらの位置情報がユーザ側PCに送信される(ステップS203)。
【0039】
次に、ユーザ側PCにおいて、図4(a)のウエブページと、図4(b)の送信された画像情報が合成され、図4(c)に示すような更新画像が表示される(ステップS204)。すなわち、アノテーションテキスト「123456」「ABCDEFG」とポインティングマーク(矢印)が、ウエブページの所定の位置に合成して表示される。ユーザは、更新された画像を見ながら、電話にて回答者と音声によるコミュニケーションを行い、アノテーションに関する説明等について話し合い、理解を深める。さらに、ユーザから質問等のリクエストがある場合には、ステップS202からの動作が繰り返される(ステップS205)。
【0040】
切り出したウエブ画像をそのまま送る形式では、ウエブの内容にもよるが、約100KB程度の伝送容量を必要とするが、上記のように、アノテーションだけならば数KBですみ、伝送量を数十分の一に縮小することができる。これによって、高速な通信インフラを有していないネットワーク環境においても、リアルタイムが情報の伝達が可能となる。
【0041】
予め表示されているウエブ画像の上に、追加のアノテーションを重ねて表示するためには、例えば、DHTMLに備わっているレイヤー機能を用いることができる。このレイヤー機能を用いれば、複数の異なる画像をオーバーレイ表示できる。このため、複数のレイヤーを一枚の画像としてウエブブラウザにて表示することができる。
【0042】
図6は、DHTMLによりレイヤーを合成するときのデータ構造の一例を示す図である。図6は、“slide.png”というファイルの画像上に、赤色の“○”を、座標位置(300,100)に合成させるときのデータ構造例である。
【0043】
同図において、記述40は、文字属性を定義し、ここでは赤色描画とフォントサイズを定義している。記述42は、背景画像として表示される画像ファイルを定義しており、ここでは“slide.png”が表示される。記述44は、“○”の表示位置を指定している。記述46は、“slide.png”上に重ねて描かれる文字を示し、ここでは“○”である。
【0044】
“slide.png”の背景画像は、図4(a)のウエブページに対応し、“○”が図4(b)のアノテーションおよびポインティングマークに対応する。このようなDHTMLのレイヤー機能を用いることで、センター側PCからユーザ側PCへ送信される画像情報をその都度オーバーレイ表示させ、送信すべき画像データ量を抑制することができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、センター側PCの回答者がユーザに対して行った送信情報をログファイルとして記憶するものである。図7にログファイルの一例を示す。同図に示すように、ログファイルには、回答者が手入力によって入力したテキスト(図中、回答1ないし回答3)がログ(履歴)としてセンター側PCのデータベースに蓄積される。回答者の電話での会話を録音し、これを音声認識ソフトウェアを用いて自動的にテキスト化し、データベースに登録するようにしても構わない。さらに、回答者の回答に対応するユーザ側PCから成されたユーザのリクエストをログファイルに記憶させてもよい(図中、質問1)。
【0046】
さらに、回答2に示すように、回答を行ったウエブページが判別できるようにウエブページを併せてデータベースに登録しても良い。第2の実施例のログファイルを作成することで、センター側PCの回答者が別の回答者に代わった場合、データベースに登録されたログファイルを新たな回答者に提示することで、新たな回答者は引継ぎ業務を瞬時に把握することができ、ユーザにとっても再説明の不満が解消され、引き続きトラブル等の対応や説明を円滑に継続することができる。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施例によれば、PCネットワーク環境にいるユーザ(顧客)からの問い合わせに対し、社有の文書・映像資料などを用いて、且つ音声情報を併用することにより、ユーザの理解を確認しつつ、且つ画像による正確な情報共有を行うことができるようになる。また、上記実施例では、更新すべきアノテーションに関する情報を送信するため、画像伝送量を抑制することができ、必ずしもブロードバンドネットワーク環境になくとも高速なデータ通信を実現することができる。
【0048】
ユーザと回答者間の音声通話は、PCに搭載されたIP電話機能を利用しても良く、この場合、ネットワーク回線だけで画像情報と音声情報の共有を行うことができ、より低コストで効果的なコミュニケーションを図ることができる。但し、PC以外の固定電話や携帯電話を用いることも可能なことは言うまでもない。
【0049】
さらに、従来型のクレーム対応でコールを行っても、仲々回答者に通じないとか、著しく待たされるなどの問題もあったが、本実施例のようにPCネットワークと電話を併用することでユーザの待ち時間を短縮することができる。また企業側はクレームしてきているユーザを同定し、間違いなくユーザの状況を把握することができ、結果としてユーザサービスの向上も期待できる。
【0050】
なお、上記実施例は、コールセンターシステムの例を説明したが、これ以外にも、ユーザ側PCとセンター側PCとの間で画像プレゼンテーション等のコミュニケーションを行うことも可能である。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係るコミュニケーションシステムは、ウエブシステムを利用したPC等の電子装置を用いたネットワーク環境において利用することができる。特に、不特定多数のユーザからアクセスがあったときに、所定のウエブ公開ディレクトリを通じてコミュニケーションを行うシステムにおいて利用される。また、ネットワーク環境は、ブロードバンド通信からISDN等の比較的通信速度の遅いネットワーク環境においても利用される。ネットワーク環境は、インターネット、LAN等を利用するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1(a)は、本発明の実施例に係るコールセンターシステムの概略構成を示す図、図1(b)はユーザ側PCの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のコールセンターの概略フローを説明する図である。
【図3】図1のコールセンターの詳細な動作を説明するフローチャートである。
【図4】センター側PCからユーザ側PCへ送信される画像情報の一例を示す図である。
【図5】画像情報の送信動作を説明するフローチャートである。
【図6】センター側PCからユーザ側PCへ送信されるデータ例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係るコールセンターシステムのログファイルの記憶例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1:コールセンターシステム
10−1、10−2、10−n:ユーザ側PC
20:センター側PC
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【住所又は居所】東京都港区赤坂二丁目17番22号
【出願日】 平成16年2月17日(2004.2.17)
【代理人】 【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平

【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三

【公開番号】 特開2005−236367(P2005−236367A)
【公開日】 平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願番号】 特願2004−39611(P2004−39611)