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【発明の名称】 高周波電圧制御発振器
【発明者】 【氏名】錢 相 潤

【氏名】李 興 培

【氏名】徐 春 ▲徳▼

【要約】 【課題】高周波電圧制御発振器を提供する。

【解決手段】高周波電圧制御発振器は、二つのFETを含む差動型発振部と、前記シリコン基板に対して垂直方向に電流が流れるバイポーラトランジスタによる電流源とを備える。バイポーラトランジスタで電流がエミッタからベースを経てコレクターに縦方向または横方向に電流が流れるために1/f雑音が非常に小さい。本発明はこのようなBJTを電流源として適用することによってRF CMOS VCOの電流源で発生する1/f雑音を減少させ、結果的にVCOの位相雑音を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して平行な横方向に電流が流れる二つのFETを含む差動型発振部と、
前記基板に対して垂直な方向に電流が流れるバイポーラトランジスタによる電流源と、を備えることを特徴とする高周波電圧制御発振器。
【請求項2】
前記バイポーラトランジスタは前記FETのソースに連結されることを特徴とする請求項1に記載の高周波電圧制御発振器。
【請求項3】
前記基板はPタイプシリコンであることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波電圧制御発振器。
【請求項4】
前記FETはPタイプであることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の高周波電圧制御発振器。
【請求項5】
前記バイポーラトランジスタはNPNタイプであることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の高周波電圧制御発振器。
【請求項6】
基板に対して平行な横方向に電流が流れる二つのFETを含む差動型発振部と、
前記基板に対して横方向に電流が流れるバイポーラトランジスタによる電流源と、を備えることを特徴とする高周波電圧制御発振器。
【請求項7】
前記差動型発振部は共振コイルをさらに具備し、前記バイポーラトランジスタは前記共振コイルに連結されることを特徴とする請求項6に記載の高周波電圧制御発振器。
【請求項8】
前記基板はPタイプシリコンであることを特徴とする請求項6または7に記載の高周波電圧制御発振器。
【請求項9】
前記FETはPタイプであることを特徴とする請求項6ないし8のうちいずれか1項に記載の高周波電圧制御発振器。
【請求項10】
前記バイポーラトランジスタはPNPタイプであることを特徴とする請求項6ないし9に記載の高周波電圧制御発振器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波電圧制御発振器(Radio Frequency Voltage Controlled Oscillator:RF VCO)に係り、詳細には、位相雑音を効果的に減少させることができる構造を持つ高周波電圧制御発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
位相雑音は、発振信号の時間軸ドメイン上の不安定性に起因した突発的かつ短期的で不規則的な波形の歪曲であり、MOS(Metal Oxide Semiconductor)素子で構成された電流源の1/f雑音に最も大きく影響される。1/f雑音は、MOS素子と同様にゲート下に形成されるチャンネルを通じて電流がソースからドレインに側方移動する時にケイ素(Si)と酸化ケイ素(SiO2)間で生じる電子の再結合により発生する素子自体の雑音と定義される。
【0003】
近年、CMOS VCO(Complementary Metal Oxide Semiconductor Voltage Controlled Oscillator)の設計時における主要課題として、位相雑音に注目が集まっている。問題は、VCOの電流源で発生する1/f雑音が、VCOのLCタンクにアップコンバージョンされることにより位相雑音を増大させることである。1/f雑音のアップコンバージョンを防止するために能動素子および受動素子が別途使用される。従来型のRF VCOの回路図を図1に示す。図1に示すように、従来のRF VCOでは、二つのMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を持つ差動型発振部OSCと一つのMOSFETによる電流源SRCとの間に、インダクタLdおよびキャパシタCdを含むLC型ローパスフィルタを介在させることで、電流源SRCのドレインからの雑音を抑制する。従来型RF VCOの回路の別の例を図2に示す。図2に示す例では、電流源SRCのドレインにローパスフィルタを配置すると共に電流源のソースにインダクタLsによるローパスフィルタを配して電流源のソースを通じて流入する雑音を抑制する。
【0004】
また、他の方法として、次のような構成が考えられる。すなわち、前記電流源SRCを二つのMOSFETによるカスケード型に構成することによって、電流源SRCのチャンネル長変調現象を低減させ、1/f雑音がVCOのLCタンクにアップコンバージョンされるのを防ぐ方法である。しかし、この方法では、能動素子および受動素子を追加配置する必要が生じ、VCOの全体サイズが大きくなり、量産時にVCOのコストアップとなるという短所がある。
【0005】
さらに、前記電流源SRCを無線通信端末機のシステムに適用する場合には、受動素子の数の増加が、直接変換構造におけるI/Q(Inphase/Quadrature)信号の発生時にVCO出力から生成するI/Q信号の不整合を惹起する確率が高い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電圧制御発振の電流源からの雑音を効果的に減少させることができるRF VCOを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の一実施形態によるRF VCOは、基板に対して平行な側方向に電流が流れる二つのFETを含む差動型発振部と、前記基板に対して垂直方向に電流が流れるバイポーラトランジスタによる電流源と、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記実施形態による本発明に係る発振器において、前記バイポーラトランジスタは前記FETのソースに連結され、前記基板はPタイプシリコンであり、前記FETはPタイプであり、前記バイポーラトランジスタはNPNタイプであることが製造工程および特性の観点から望ましい。
【0009】
前記目的を達成するための本発明の他の実施形態によるRF VCOは、基板に対して平行な横方向に電流が流れる二つのFETによる差動型発振部と、前記基板に対して横方向に電流が流れるバイポーラトランジスタによる電流源と、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記本発明の他の実施形態によるRF VCOにおいて、前記差動型発振部は共振コイルをさらに具備し、前記バイポーラトランジスタは前記共振コイルに連結され、前記基板はPタイプシリコンであり、前記FETはPタイプであり、前記バイポーラトランジスタはPNPタイプであることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
標準BJT(Bipolar Junction Transistor)工程を利用してBJTだけで構成されたVCOは電流と電圧との関係が指数的に比例するため、その分だけ電力消費が多い。しかし、本発明はこのようなBJTを標準BJT工程ではないCMOS工程を通じて付随的に形成し、電流源として適用することによって、RF CMOS VCOの電流源で発生する1/f雑音および電力消費を減少させ、その結果、VCOの位相雑音を減少させる。また、BJTの優秀な特性をCMOS工程で具現することによりCMOS VCOの従来の固有の弱点を克服することが可能となり、CMOS RF IC分野に大きく寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明によるRF VCOの望ましい実施例を詳細に説明する。
【0013】
図3は、標準深さのN−ウェルCMOS工程を通じて得られたNPN BJTを図示した断面図である。図3に示すように、p型基板に深いN−ウェルCMOS工程で性能に優れた垂直型NPN BJTが具現できる。CMOS工程でNMOSのN+ソースおよびN+ドレインのための拡散工程でN+エミッタおよびN+コレクターを同時に形成する。そしてNMOSのP−ウェルおよびP+コンタクトのための拡散工程でBJPのP+ベースを同時に形成する。
【0014】
前記同様の方法で、やはり横型または縦型に、PNPまたはNPN BJTを形成できる。すなわち、本発明の発振器に適用されるNPNまたはPNP BJTはCMOS工程中に付随的に形成される。
【0015】
一方、バイポーラトランジスタは、p型基板に深いP−ウェルCMOS工程で垂直型PNP BJTとして具現できる。CMOS工程でPMOSのP+ソースおよびP+ドレインのための拡散工程でP+エミッタおよびP+コレクターを同時に形成する。そしてPMOSのN−ウェルおよびP+コンタクトのための拡散工程でBJPのN+ベースを同時に形成する。
【0016】
また、前記バイポーラトランジスタはp型基板にCMOS工程で横型PNP BJTを具現できる。CMOS工程でPMOSのP+ソースおよびP+ドレインのための拡散工程でP+エミッタおよびP+コレクターを同時に形成する。そしてPMOSのN−ウェルおよびP+コンタクトのための拡散工程でBJPのN+ベースを同時に形成する。
【0017】
前記本発明の発振器において、前記シリコン基板に対して垂直方向に電流が流れるバイポーラトランジスタを電流源として適用する場合、前記FETとしてはPタイプのもの、そしてバイポーラトランジスタとしてはNPNタイプのものを使用することが製造工程および特性上有利である。
【0018】
しかし、前記基板に対して横方向に電流が流れるバイポーラトランジスタを電流源として適用する場合、前記FETとしてはPタイプのもの、前記バイポーラトランジスタとしてはPNPタイプのものを使用することが製造工程および特性上有利である。
【0019】
本発明の一実施形態によるNPN BJTとMOSFETの1/f雑音を、図4に示す。図4から分かるように、BJTの1/f雑音はMOS素子の1/f雑音と比較してかなり小さい。もっとも、RF ICのような高周波回路では、このBJTがCMOS工程により付随的に形成された構造であるため、周波数特性が悪く、使用できない。しかし、本発明で適用した部分は高周波を要求する部分ではないので問題とはならない。また、DCブロックでアップコンバージョンされる雑音のためにRF ICの性能が低下する現象が見られたものの、このDCブロックにCMOS工程を利用した寄生BJTを使用するために問題にならない。また、標準BJT工程を利用したBJT VCOは、性能は優秀であるが、CMOS VCOと比較して電流消費が多くて高コストであるという短所がある。したがって、近年ではCMOS VCOが脚光を浴びている。
【0020】
図5および図6はそれぞれ、CMOSトランジスタによる発振部と垂直型NPN BJTおよび横(縦)方向PNP BJTによる電流ソースを持つ本発明による高周波電流制御発振器の等価回路図である。
【0021】
本発明による発振器の一実施例として、RF CMOS VCOの位相雑音を改善するための電流源として垂直型NPN BJPを適用する例を、図5に示す。NPN BJTは発振部OSCに設けられたFETのソースに連結される。
【0022】
本発明による発振器の他の実施例として、RF CMOS VCOの位相雑音を改善するための電流源として縦型PNP BJTを適用する例を、図6に示す。ここでPNP BJTは発振部OSCに設けられた共振コイルL側に連結される。
【0023】
このように用いられたBJTは1/f雑音が小さいため、VCOのLCタンクにアップコンバージョンされても、VCOの位相雑音に影響を及ぼす程度は軽微であってほとんど無視できる。下の式は電流源の1/f雑音がVCOの位相雑音に影響を及ぼすことを表現したものである。下の式のように電流源の1/f雑音が小さいほどVCOの位相雑音は改善される。ここで、


【0024】
【数1】


【0025】
図7Aは、従来技術の位相雑音特性を示し、図7Bは、本発明を適用して得た改善された位相雑音特性を示す。
【0026】
図7Aおよび7Bに示す実験結果を通じて、5GHz帯域で、既存のFETを電流源として利用する従来発振器と比較して、BJTを利用する本発明の発振器は、位相雑音が約7dB程度改善されたことが確認できた。
【0027】
本発明に係る発振器の理解のために、図示された実施例を参考として説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならばこれより多様な変形および均等な他の実施例が可能である。したがって、本発明の技術的範囲は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に基づいて定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は主に高周波発振器に適しており、必要に応じて低周波発振器にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来RF VCOの概略的回路図である。
【図2】従来の他のRF VCOの概略的回路図である。
【図3】本発明によるRF VCOの一部構造を示した垂直断面図である。
【図4】本発明で適用したNPN BJTおよびMOSFETの1/f雑音比較図である。
【図5】本発明によるRF VCOの第1実施例の回路図である。
【図6】本発明によるRF VCOの第2実施例の回路図である。
【図7A】従来技術の位相雑音に対する模擬実験の結果を示すグラフである。
【図7B】本発明の位相雑音に対する模擬実験の結果を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【出願日】 平成16年9月24日(2004.9.24)
【代理人】 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造

【公開番号】 特開2005−102226(P2005−102226A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2004−276288(P2004−276288)