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【発明の名称】 LED発光装置及びそれを用いたカラー表示装置
【発明者】 【氏名】石井 廣彦
【住所又は居所】山梨県富士吉田市上暮地1丁目23番1号 株式会社シチズン電子内

【氏名】深澤 孝一
【住所又は居所】山梨県富士吉田市上暮地1丁目23番1号 株式会社シチズン電子内

【要約】 【課題】従来の青色LEDと蛍光体を用いた蛍光体混色型の白色系LED発光装置は、500nm波長領域にスペクトルの谷間が存在して演色性に問題があり、さらに赤色補正を行なったものは白色光源として赤みを帯びるという問題があり、これを解決する。

【解決手段】LED発光装置を青色LEDと、該青色LEDに被覆された黄色系蛍光体と、赤色LEDと、前記青色LEDの発光波長帯域と前記黄色系蛍光体の励起発光波長帯域との間の発光波長帯域を有する第3のLEDとにより構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを発光源とし、表示装置のバックライトや照明等を行なう発光装置において、前記発光源は第1のLEDである青色LEDと、該青色LEDに被覆された黄色系蛍光体と、第2のLEDである赤色LEDと、前記青色LEDの発光波長帯域と前記黄色系蛍光体の励起発光波長帯域との間の発光波長帯域を有する第3のLEDとにより構成されることを特徴とするLED発光装置。
【請求項2】
前記第3のLEDは短波長帯域の緑色LEDである請求項1記載のLED発光装置。
【請求項3】
前記第3のLEDの発光波長帯域は490〜520nmである請求項2記載のLED発光装置。
【請求項4】
前記第3のLEDは前記第1のLEDよりも長波長帯域の青色LEDである請求項1記載のLED発光装置。
【請求項5】
前記第3のLEDは発光波長帯域は470〜490nmである請求項4記載のLED発光装置。
【請求項6】
前記第3のLEDは黄色系蛍光体によって被覆されている請求項1記載のLED発光装置。
【請求項7】
前記黄色系蛍光体はYAG系蛍光体である請求項1記載のLED発光装置。
【請求項8】
前記黄色系蛍光体はリン酸塩系、ケイ酸塩系、アルミン酸塩系、の何れか1つの蛍光体である請求項1記載のLED発光装置。
【請求項9】
前記黄色系蛍光体はテレビウム系の蛍光体である請求項1記載のLED発光装置
【請求項10】
前記黄色系蛍光体はストロンチウム系の蛍光体である請求項1記載のLED発光装置
【請求項11】
前記第1〜第3のLEDが1つの基板上に収納されている請求項1乃至請求項10記載のLED発光装置。
【請求項12】
前記第1〜第3のLEDが1つの基板上に実装され、黄色系蛍光粒子を含む透明樹脂にて封止されている請求項11記載のLED発光装置。
【請求項13】
前記第1〜第3のLEDが1つのケース内に収納されている請求項12記載のLED発光装置。
【請求項14】
第1のLEDである青色LEDと、該青色LEDに被覆された黄色系蛍光体と、第2のLEDである赤色LEDと、前記青色LEDの発光波長帯域と前記黄色系蛍光体の励起発光波長帯域との間の発光波長帯域を有する第3のLEDとにより構成されたLED発光装置と、該LED発光装置を照明光源する表示装置とにより構成されたことを特徴とするカラー表示装置。
【請求項15】
前記LED発光装置を構成する3個のLEDを各々独立に点燈制御可能な動作制御手段を備えた請求項14記載のカラー表示装置。
【請求項16】
前記LED発光装置を構成する3個のLEDを各々独立に電流制御が可能な、電流制御手段を備えた請求項14記載のカラー表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する分野】
本発明はカラー表示を行なう表示装置のバックライトや照明等に用いられるLED発光装置及び、前記LED発光装置を照明光源とするカラー表示装置に関するものであり、詳しくは青色LEDと黄色系蛍光体を用いた白色系LED発光装置及びそれを用いたカラー表示装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光ダイオード(以下LEDという)は半導体素子であるため、長寿命で優れた駆動特性を有し、さらに小型で発光効率が良く、鮮やかな発光色を有することから、カラー表示装置のバックライトや照明等に広く利用されるようになってきた。
【0003】
特に近年、赤色(R)緑色(G)青色(B)の三原色に、高効率のLEDが開発されたことから、多色混合型のLED発光装置が用いられている(例えば特許文献1参照)。この多色混合型のLED発光装置は、R,G,Bの3色のLEDを同時に発光させることによって白色光を発光させ、この白色光光源と表示装置のカラーフイルタとによってカラー表示を行なったり、照明装置として用いるものである。
【0004】
しかし、この多色混合型のLED発光装置は、RGBの各LEDがそれぞれ発光しているため、各LEDに対応する発光波長での色純度が高くなるというメリットがあるが、反面各LEDが優れた単色性ピーク波長を有するが故に白色光源としては演色性に欠けるというデメリットがある。この演色性とはある物体の見え具合に及ぼす照明光源の影響を示すもので、例えば昼の自然光を基準として、その照明光源の色味の再現性を評価したものである。
【0005】
この演色性は、CIEの演色性評価方法では、物体色として複数種類(15種類)のものを決めておき、この複数種類中の特定の数種類に対する演色性の平均値Ra(昼の自然光をRa=100)により演色性の評価を行なっている。すなわち、前記多色混合型のLED発光装置の場合は、R、G、Bの各LEDが優れた単色性ピーク波長を有するが故にRとG、GとBの間にスペクトル強度の弱い谷間が存在する。特にRとGとの谷間領域は幅も広くスペクトル強度の落ち込みも大きい。この結果、基準となる昼の自然光のスペクトル特性に対して前記谷間のスペクトル成分が欠落するため、Raが12程度しか得られず、白色光源としては演色性に欠けることになる。
【0006】
さらに、前記多色混合型のLED発光装置の場合は、同時に発光させるR,G,B各LEDの固体間のバラツキが大きいため、白色発光のレベルを調整するために、各LEDの駆動電流を個々に調整する必要があり、また各LEDの駆動電流を個々に調整することにより、折角初期調整を行っても温度変化や経時変化等によって調整がずれてしまい、安定して白色発光装置を量産することが困難となる問題もある。
【0007】
この多色混合型のLED発光装置の問題を解決する方式として、特許第2998696号公報や特開平11−87784号公報に開示されている蛍光体混色型のLED発光装置があり、以下この蛍光体混色型の白色系LED発光装置に付いて説明する。
【0008】
図14は前記従来例に開示されている蛍光体混色型の白色系LED発光装置の断面図であり、本発明においても構成の一部として用いられるものである。図14において40は白色系LED発光装置であり、外部接続用の電極41,42を有する基板43に、青色LED1がフェースダウンボンディングされており、該青色LED1をYAG系の蛍光粒子4を混入した透明樹脂5でモールドしている。そして後述するごとく前記白色系LED発光装置40からは白色系光Pwが発光される。
【0009】
図15は前記白色系LED発光装置40の拡大部分断面図であり、図15により前記白色系LED発光装置40の動作を説明する。図15において電極41,42に駆動電圧を印加すると青色LED1が青色光Pbを発光する。そしてこの青色光Pbが透明樹脂5に混入された蛍光粒子4に衝突すると前記蛍光粒子4が励起されて波長変換が行なわれ、蛍光粒子4から図示のごとく黄色光Pyが発光される。この結果、前記白色系LED発光装置40からは、前記青色LED1から発光せれて前記蛍光粒子4に衝突せずに出力される青色光Pbと、前記蛍光粒子4に衝突して波長変換された黄色光Pyとが混合されて前記図14に示すごとく白色系光Pw出力される。
【0010】
図16はYAG系の蛍光粒子4を使用した前記白色系LED発光装置40の発光波長特性図であり、発光波長曲線H1は青色光Pb成分である450nm付近に大きなピークKbと、黄色光Py成分である550nm付近にピークKyがあり、さらに可視光領域のかなりの部分に発光成分が存在するため、かなり演色性が改善されている。
【0011】
しかし、前記従来の青色LEDとYAG系の蛍光体による白色系LED発光装置には下記の問題が存在する。これは図16に示すごとく赤色光Pr成分である650nm付近には殆んど発光成分が存在しないことである。すなわち前記YAG系蛍光体による白色系LED発光装置は白色光源ではあるが、波長成分を見ると赤色成分を殆んど含まないため青色がかった冷たい白色光源となっている。そして基準となる自然光に対して赤色領域における再現性が大幅に欠ける結果となる。
【0012】
上記従来の蛍光体混色型の白色系LED発光装置の問題点を解決する方式として、特開2002−57376号公報に赤色補正方式の蛍光体混色型白色系LED発光装置が開示されており、以下この赤色補正方式の蛍光体混色型白色系LED発光装置に付いて説明する。
【0013】
図17は従来の蛍光体混色型の白色系LED発光装置に、赤色LEDを同時発光させた、赤色補正方式の蛍光体混色型白色系LED発光装置における発光波長特性図であり、発光波長曲線H2は青色光Pb成分である450nm付近に大きなピークKbと、黄色光Py成分である550nm付近にピークKyがあり、さらに赤色光Pr成分である650nm付近には前記赤色LEDの発光による大きなピークKrが存在する。
【0014】
すなわち、前記赤色補正方式の蛍光体混色型白色系LED発光装置においては、可視光領域においてスペクトルの落ち込みが少なくなって、演色性が改善され、特に赤色領域におけるスペクトル強度は格段に補強されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前記赤色補正方式の蛍光体混色型白色系LED発光装置においては、前記多色混合型の白色系LED発光装置や、蛍光体混色型の白色系LED発光装置に比べると、その演色性はかなり改善されている。しかし、フルカラー表示装置のバックライトに用いる白色光源としては不十分であり、特に図17に示すごとく緑色領域の500nm付近の発光成分が不足している。
【0016】
また、蛍光灯に代わる照明光として使用した場合には、赤色が目立つ不自然な照明となり、蛍光灯のような自然な照明光として代替することが出来ないという問題がある。
【0017】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、カラー表示装置のバックライトや、自然な照明光として蛍光灯に代替することが可能な白色系LED発光装置及びそれを光源として用いたカラー表示装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明においては、LEDを発光源とし、表示装置のバックライトや照明等を行なう発光装置において、前記発光源は第1のLEDである青色LEDと、該青色LEDに被覆された黄色系蛍光体と、第2のLEDである赤色LEDと、前記青色LEDの発光波長帯域と前記黄色系蛍光体の励起発光波長帯域との間の発光波長帯域を有する第3のLEDとにより構成されることを特徴とする。
【0019】
前記第3のLEDは短波長帯域の緑色LEDであり、その発光波長帯域は490〜520nmであることを特徴とする。
【0020】
前記第3のLEDは前記第1のLEDよりも長波長帯域の青色LEDであり、その発光波長帯域は470〜490nmであることを特徴とする。
【0021】
前記黄色系蛍光体はYAG系蛍光体であることであることを特徴とする。
【0022】
前記黄色系蛍光体はデルビウム系蛍光体であることであることを特徴とする。
【0023】
前記黄色系蛍光体はストロンチウム系蛍光体であることであることを特徴とする。
【0024】
前記黄色系蛍光体はリン酸塩系、ケイ酸塩系、アルミン酸塩系、の何れか1つの蛍光体であることを特徴とする。
【0025】
前記第1〜第3のLEDが1つの基板上に実装され、黄色系蛍光粒子を含む透明樹脂にて封止されていることを特徴とする。
【0026】
第1のLEDである青色LEDと、該青色LEDに被覆された黄色系蛍光体と、第2のLEDである赤色LEDと、前記青色LEDの発光波長帯域と前記黄色系蛍光体の励起発光波長帯域との間の発光波長帯域を有する第3のLEDとにより構成されたLED発光装置と、該LED発光装置を照明光源する表示装置とにより構成されたことを特徴とするカラー表示装置。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下図面により、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すLED発光装置の平面図、図2及び図3はそれぞれ図1に示すLED発光装置のA−A断面図及びB−B断面図であり、図14及び図15と同一要素には同一番号を付し、説明を省略する。
【0028】
図1〜図3において10は色補正されたLED発光装置であり、接続電極11,12,13等を有する1枚の基板14上に第1のLEDである青色LED1と、第2のLEDである赤色LED2と、第3のLED3とが略三角配置に並べて実装されている。尚、本実施の形態においては前記第3のLED3として短波長の緑色LED3aを用いている。そして前記青色LED1と緑色LED3aとは蛍光粒子4を混入した透明樹脂5で被覆されることにより、白色系LED部10aと谷間領域補正LED部10cを構成し、さらに赤色LED2は透明樹脂5で被覆されることにより赤色補正LED部10bを構成している。
【0029】
上記構成を有するLED発光装置10は、前記白色系LED部10aが前記図15に示す白色系LED発光装置40と同じ動作によって白色系光Pwを発光し、前記赤色補正LED部10bが赤色光Prを発光し、さらに前記谷間領域補正LED部10cが前記青色LED1の発光波長帯域と前記黄色系蛍光体である蛍光粒子4の励起発光波長帯域との間の発光波長帯の緑色光Pgを発光する。この結果前記LED発光装置10からは白色系光Pwと赤色光Prと緑色光Pgとが混色されることにより、色補正されて演色性の優れた白色光Pwhが発光される。
尚、前記LED発光装置10は1枚の基板14に実装されているが、全体を反射部を有する1つのケース内に収納することが望ましい。
【0030】
次に図4及び図5により前記LED発光装置10の発光波長特性を説明する。図4は前記白色系LED部10a、赤色補正LED部10b、谷間領域補正LED部10cの各発光波長を示す発光波長特性図であり、図5は図4に示す3つの発光波長を合成した発光波長特性図である。
【0031】
図4において、白色系光Pwは前記図16に示す発光波長曲線H1と同じものであり、前記青色LED1の青色光Pb成分である450nm付近の大きなピークKbと、前記蛍光粒子4の励起による黄色光Py成分である550nm付近にピークKyを有する。また赤色光Prは前記赤色LED2による赤色光Pr成分である650nm付近に大きなピークKrを有し、さらに緑色光Pgは前記緑色LED3aによる緑色光Pg成分である500nm付近に大きなピークKgを有する。
【0032】
上記図4における3つの発光波長成分を合成したのが図5に示す発光波長曲線H10であり、前記、図17に示す従来の赤色補正方式の蛍光体混色型白色系LEDによる発光波長曲線H2に比べて、500nm付近の谷間領域の落ち込みが大きく改善されていることが解る。
なお、前記谷間領域補正のための前記緑色LED3aとしては、比較的短波長の緑色LEDを使用することが望ましく、その波長範囲としては490nm〜520nmの緑色LEDを使用することによって500nm付近の谷間領域の補正をする事が出来た。
【0033】
また本発明における黄色系蛍光体としては,YAG系の蛍光体を用いており、特にデルビウム系、ストロンチウム系、リン酸塩系、ケイ酸塩系、アルミン酸塩系、等の蛍光体を用いることにより、良好な黄色発光を得ることが出来た。上記構成により図5に示すごとく、谷間領域補正LEDとして短波長帯域の緑色LEDを用いた第1の実施の形態においては、500nm帯域のスペクトルの谷間を補完して白色光源としての演色性を高める効果が極めて大きい。
【0034】
図6は前記LED発光装置10の駆動回路を示す回路ブロック図であり、LED発光装置10は前記青色LED1、赤色LED2、緑色LED3aと、それぞれの接続電極11,12,13を回路記号で現したものである。20は駆動回路であり電流調整装置15と動作制御装置16と前記3つのLEDに電流を供給するための電源装置17により構成されている。そして前記電流調整装置15は3つの可変抵抗15a,15b、15cを有し、また動作制御装置16は3つのスイッチ16a、16b、16cを有する。
【0035】
上記駆動回路20の構成は、前記LED発光装置10の3つのLEDと前記電流調整装置15の3つの可変抵抗と、前記動作制御装置16の3つのスイッチとが各々直列接続されて前記電源装置17に接続されている。すなわち、前記LED発光装置10の青色LED1は接続電極11を介して可変抵抗15a、スイッチ16a、電源装置17に直列接続されており、同様に前記赤色LED2は接続電極12を介して可変抵抗15b、スイッチ16b、電源装置17に直列接続され、さらに前記緑色LED3aは接続電極13を介して可変抵抗15c、スイッチ16c、電源装置17に直列接続されている。
【0036】
次に上記駆動回路20の動作を説明する。前記電流調整装置15及び動作制御装置16は、それぞれ前記LED発光装置10の3つのLEDに対して独立に制御可能な可変抵抗及びスイッチを有するため、各LEDは独立に点燈制御を行なうことが出来る。すなわち、青色LED1はスイッチ16aによって点燈、消灯を制御することが出来、そして点燈状態において可変抵抗15aを調整することで明るさを調整することが出来る。また、赤色LED2はスイッチ16bと可変抵抗15b、緑色LED3aはスイッチ16cと可変抵抗15cにより同様に制御可能である。
【0037】
上記のごとく前記LED発光装置10は3つのLEDを独立に制御することが出来るため、各LEDの単独発光、2つのLEDの組合せ発光、3つのLEDの組合せ発光が可能であり、合計7通りの発光を得ることが出来る。例えば各LEDの単独発光の場合は図4に示す白色系光Pw、赤色光Pr、緑色光Pgが発光され、また青色LED1と赤色LED2との組合せ発光の場合は図17に示す発光波長曲線H2が発光され、さらに青色LED1、赤色LED2、緑色LED3aの同時発光の場合は図5に示す発光波長曲線H10が発光される。
【0038】
従って、前記駆動回路20を用いて白色光Pwhの調整を行う方法は、動作制御回路16のスイッチ16a〜16cを全てNOにして、前記青色LED1、赤色LED2、緑色LED3aを全て点灯させた状態において、前記電流調整回路15の可変抵抗15a〜15cを各々調整することにより合成発光の発光波長曲線H10を最適状態に調整する。
【0039】
図7は駆動回路の他の実施の形態を示す回路ブロック図であり、本実施の形態における駆動回路21で、前記駆動回路20と異なるところは前記動作制御装置16に対して、3つのスイッチ18a〜18cが追加された動作制御装置18を有することである。
【0040】
前記スイッチ18aは前記電流調整装置15における可変抵抗15aの青色LED1側、すなわち青色LED1の接続電極11側から直接引き出されている。従って青色LED1の点燈制御は前記スイッチ16aをONした場合には可変抵抗15aを介して調整された発光となり、またスイッチ18aをONした場合には可変抵抗15aを介さずに直接発光するため、より明るい発光となる。以上の制御動作はスイッチ18b,18cにより、赤色LED2、緑色LED3aについても同様に行なわれる。
【0041】
上記駆動回路21によれば、スイッチ16a〜16cとスイッチ18a〜18cを適宜使用することにより、調整発光と直接発光とを使い分けることが可能となる。すなわち、合成発光においては可変抵抗を用いて調整された白色発光を行なわせることが出来、また単独発光においては可変抵抗を用いずに、より明るい発光を行なわせることが出来る。
【0042】
さらに、前記駆動回路21の使い方としては、合成発光の場合でも少し演色性を落としても明るい白色発光をさせたい場合にはスイッチ18a〜18cを用いて合成発光を行わせることができるし、また、単独発光の場合でもスイッチ16a〜16cを用いて調整発光を行わせる事により、少し発光の明るさは落ちるが、消エネルギー点灯が出来る。
【0043】
図8、は本発明における第2の実施の形態を示すLED発光装置30の平面図であり、前記図1に示すLED発光装置10と同一要素には同一番号を付し、説明を省略する、前記LED発光装置30は基本構成は第1の実施の形態におけるLED発光装置10と同じであるが、異なるところは第3のLED3として緑色LED3aに代えて、前記青色LED1よりも長波長帯域の青色LED3bを用いたことであり、谷間領域補正LED部30cより、青色LED3bによる長波長青色光PbLが発光される。
【0044】
図9は前記白色系LED部10a、赤色補正LED部10b、谷間領域補正LED部30cの各発光波長を示す発光波長特性図であり、図10は図9に示す3つの発光波長を合成した発光波長特性図である。
【0045】
図9において、白色系光Pwと赤色光Prは図4に示す前記LED発光装置10の波長特性と同じであるが、長波長青色光PbLは前記青色LED3bによる長波長青色光PbL成分である480nm付近に大きなピークKbLを有する。上記図9における3つの発光波長成分を合成したのが図10に示す発光波長曲線H30であり、前記LED発光装置10の発光波長曲線H10と同様に、前記図17に示す従来の赤色補正方式の蛍光体混色型白色系LEDによる発光波長曲線H2に比べて、500nm付近の谷間領域の落ち込みが大きく改善されていることがわかる。
【0046】
なお、前記谷間領域補正のための前記青色LED3bとしては、比較的長波長の青色LEDを使用することが望ましく、その波長範囲としては470nm〜490nmの長波長青色LEDを使用することによって500nm付近の谷間領域の補正をする事が出来た。
上記構成により図10に示すごとく、谷間領域補正LEDとして長波長帯域の青色LEDを用いた第2の実施の形態においては、500nm帯域のスペクトルの谷間を補完して白色光源としての演色性を高めると同時に、演色性を高めるために加えた赤色LEDによる白色光源としての赤みを緩和する効果を有する。これは長波長帯域の青色LEDが前記赤色LEDに対して補色の関係にある発光を行うことによるものである。
【0047】
図11及び図12は本発明におけるLED発光装置の他の実施の形態を示す平面図であり、図11に示すLED発光装置25は前記基板14上に実装された青色LED1、赤色LED2、第3のLED3の全てを蛍光粒子4を混入した透明樹脂5で被覆ものである。また図12に示すLED発光装置26は前記基板14上に実装する各LEDの配置をかえて、赤色LED2と第3のLED3を横に並べ、青色LED1を独立させることにより、青色LED1のみを蛍光粒子4を混入した透明樹脂5で被覆し、赤色LED2、第3のLED3とを透明樹脂5で被覆している。
【0048】
ここで、図1、図11、図12に示すLED発光装置10、LED発光装置25、LED発光装置26の発光特性を比較する。まず基本的に蛍光粒子4の性質としては、波長の短い光が衝突した場合は励起されて黄色光Pyを発光するが、波長の長い光が衝突した場合には励起されず黄色光Pyは発光されない。従って、波長の短い青色光Pbが衝突した場合は多くの励起が起こって強い黄色光Pyは発光され、波長のやや短い第3のLEDの発光、すなわち短波長の緑色光Pgや、長波長の青色光PbLが衝突した場合は少し励起が起こって少ない黄色光Py発光され、さらに波長の長い赤色光Prが衝突した場合は励起が起こらず、黄色光Pyは発光されない。
【0049】
上記の原理に基づいて考えると、図12に示すLED発光装置26は青色LED1のみが蛍光粒子4を混入した透明樹脂5で被覆され、赤色LED2と第3のLED3とは透明樹脂5で被覆されているため、青色光Pbによる励起のみが起こり、赤色光Prと緑色光Pgや青色光PbLは蛍光粒子4との衝突が無いため、図4や図9に示す通りの発光特性が得られる。
【0050】
また、図1に示すLED発光装置10は青色LED1と第3のLED3とが蛍光粒子4を混入した透明樹脂5で被覆され、赤色LED2のみが透明樹脂5で被覆されているため、青色光Pbによる励起と緑色光Pgまたは青色光PbLによる励起が起こり、赤色光Prは蛍光粒子4との衝突が起きない。この結果、青色光Pbと赤色光Prについては前記LED発光装置26と同じだが、緑色光Pgまたは青色光PbLが蛍光粒子4と衝突することによって、少し黄色光Pyが発光されるとともに前記緑色光Pgまたは青色光PbLが蛍光粒子4と衝突したことにより少し減衰する。従って、LED発光装置10はLED発光装置26に比べて若干、黄色光Py成分が増加するが前記緑色光Pg成分または青色光PbL成分が減少する。
【0051】
さらに、図11に示すLED発光装置25は青色LED1と赤色LED2と第3のLED3とが全て蛍光粒子4を混入した透明樹脂5で被覆されているため、青色LED1と第3のLED3とは前記図1に示すLED発光装置10と同じだが、赤色光Prが蛍光粒子4と衝突したことにより少し減衰する。従って、LED発光装置25はLED発光装置26に比べて若干、黄色光Py成分が増加するが前記赤色光Pr成分と前記緑色光Pg成分または青色光PbL成分が減少する。
【0052】
上記のごとく3つのLED発光装置の関係は、LED発光装置26が基本形となり、LED発光装置10は前記第3のLED3の発光成分が少し減衰するが、黄色光Py成分が増加するというメリットがあり、さらに、LED発光装置25は赤色LED2の発光成分と第3のLED3の発光成分が少し減衰するが、黄色光Py成分が増加することと、モールド工程が1回で済むため、製造コストが安くなるというメリットがある。
【0053】
図13は本発明の前記LED発光装置を照明光源として用いたカラー表示装置の斜視図である。図13において60はカラーフィルタを備えた液晶等の表示装置、70は前記表示装置60の下面側に配設された導光体であり、該導光体70の側面には前記LED発光装置10が配設されている。そして該LED発光装置10は前記駆動回路20によって発光制御されることにより、前記表示装置60に色補正された好適な白色発光Pwhや、明るい白色発光Pwや、さらに各LEDごとの単色発光を供給することが出来る。
【0054】
【発明の効果】
上記のごとく本発明では、赤色補正方式の蛍光体混色型白色発光装置に、青色LEDの発光波長帯域と黄色系蛍光体の励起発光波長帯域との間の発光波長帯域を有する第3のLEDを発光させることによって、波長の谷間となる500nm付近の発光成分を補正する事が可能となり、演色性に優れた白色光源を提供することが出来た。
【0055】
すなわち本発明のLED発光装置では特に緑色に対する演色性を大きく改善できるとともに、前記第3のLEDの発光による蛍光粒子の励起も行なわれることで、照明光としての明るさを増すことができた。
また、各LEDに対する独立制御可能な駆動回路を設けることによって演色性の高い白色発光を含む、各種の発光を供給可能なLED発光装置とそのLED発光装置をバックライトとするフルカラー表示装置を提供することができた。
【0056】
さらに、本発明におけるLED発光装置において、谷間領域補正LEDとして短波長帯域の緑色LEDを用いた第1の実施の形態においては、特に波長500nm帯域のスペクトルの谷間を補完して白色光源としての演色性を高める効果が大きいのに対し、谷間領域補正LEDとして長波長帯域の青色LEDを用いた第2の実施の形態においては、演色性を高めるために加えた赤色LEDによる白色光源としての赤みを緩和する効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すLED発光装置の平面図。
【図2】図1に示すLED発光装置のA−A断面図。
【図3】図1に示すLED発光装置のB−B断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示すLED発光装置の各LEDの発光波長特性図。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示すLED発光装置の発光波長特性図。
【図6】本発明におけるLED発光装置の駆動回路の回路ブロック図。
【図7】本発明における駆動回路の他の実施の形態を示す回路ブロック図。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示すLED発光装置の平面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示すLED発光装置の各LEDの発光波長特性図。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示すLED発光装置の発光波長特性図。
【図11】本発明の他の実施の形態を示すLED発光装置の平面図。
【図12】本発明の他の実施の形態を示すLED発光装置の平面図。
【図13】本発明のLED発光装置を光源としたカラー表示装置の斜視図。
【図14】従来の蛍光体混色型の白色系LED発光装置の断面図。
【図15】図14に示す従来の蛍光体混色型の白色系LED発光装置の拡大部分断面図。
【図16】従来の蛍光体混色型の白色系LED発光装置の発光波長特性図。
【図17】従来の赤色補正方式の白色系LED発光装置の発光波長特性図。
【符号の説明】
1 青色LED
2 赤色LED
3 第3のLED
3a 短波長帯域の緑色LED
3b 長波長帯域の青色LED
4 蛍光粒子
10,25,26,30 LED発光装置
15 電流制御装置
16、18 動作制御装置
20、 駆動回路
60 表示装置
70 導光体
【出願人】 【識別番号】000131430
【氏名又は名称】株式会社シチズン電子
【住所又は居所】山梨県富士吉田市上暮地1丁目23番1号
【出願日】 平成15年6月12日(2003.6.12)
【代理人】 【識別番号】100085280
【弁理士】
【氏名又は名称】高宗 寛暁

【公開番号】 特開2005−5482(P2005−5482A)
【公開日】 平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願番号】 特願2003−167208(P2003−167208)