| 【発明の名称】 |
積層体およびその用途 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉開 正彰 【住所又は居所】千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学株式会社内
【氏名】岡田 知 【住所又は居所】東京都港区東新橋一丁目5番2号 三井化学株式会社内
【氏名】水間 浩一 【住所又は居所】千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学株式会社内
【氏名】浅川 幸紀 【住所又は居所】千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学株式会社内
【氏名】伊藤 智章 【住所又は居所】千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学株式会社内
【氏名】太田 誠也 【住所又は居所】千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】少なくとも透明基体(A)と、銀を含む透明導電性薄膜層(B)と、バインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とを含む保護層(C)とを含み、透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触していることを特徴とする積層体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも透明基体(A)と、 銀を含む透明導電性薄膜層(B)と、 バインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とを含む保護層(C)とを含み、 透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触していることを特徴とする積層体。 【請求項2】 無機微粒子(C2)が金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の積層体。 【請求項3】 無機微粒子(C2)が少なくとも酸化アンチモンを含む複合酸化物もしくは酸化アンチモンを含む酸化物の混合物であることを特徴とする請求項1記載の積層体。 【請求項4】 バインダー材(C1)が、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1記載の積層体。 【請求項5】 銀を含む透明導電性薄膜層(B)が少なくとも 透明高屈折率薄膜層(B1)と、 銀または銀を含む合金からなる透明金属薄膜層(B2) とを含む請求項1記載の積層体。 【請求項6】 少なくとも請求項1記載の積層体と、 機能性透明層(D)とを含むことを特徴とするディスプレイ用フィルター。 【請求項7】 60℃、90%RHの条件下に24時間曝露した後、直径0.1mm以上の点状欠陥の発生頻度が、2個/m2以下であることを特徴とする請求項6記載のディスプレイ用フィルター。 【請求項8】 請求項6のディスプレイ用フィルターを用いた表示装置。 【請求項9】 請求項1記載の積層体を用いた電磁波遮蔽フィルム。 【請求項10】 請求項1記載の積層体を用いた熱線反射フィルム。 【請求項11】 少なくとも請求項1記載の積層体と、 機能性透明層(D)とを含むことを特徴とする窓用電磁波遮蔽フィルム。 【請求項12】 少なくとも請求項1記載の積層体と、 機能性透明層(D)とを含むことを特徴とする窓用熱線反射フィルム。 【請求項13】 少なくとも請求項11記載の窓用電磁波遮蔽フィルムと透明窓用基板との積層構造を有する窓。 【請求項14】 少なくとも請求項12記載の窓用熱線反射フィルムと透明窓用基板との積層構造を有する窓。 【請求項15】 請求項1記載の積層体を用いた半導体装置。 積層体およびその用途
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、積層体に関し、また、ディスプレイ用フィルターに関する。より詳しくは、高品位で耐久性に優れた透明導電性積層体およびディスプレイ用フィルターに関する。 【背景技術】 【0002】 マルチメディア社会、デジタル社会の進展につれて、送信、配信若しくは処理される画像情報やデジタル情報が飛躍的に増大している。このためこれを表示するモニターであるディスプレイ装置は、人間と通信機器、映像機器、コンピュータ等をつなぐインターフェースとして、又はキーデバイスとしてますますその重要性を増している。 【0003】 かかるディスプレイ装置として、従来の重く、厚く、かつ、大型化が困難であるブラウン管(CRT)モニターに代えて、種々の薄型ディスプレイが精力的に検討されており、中でも薄型化、大画面化が比較的容易に実現できるプラズマディスプレイパネル(PDP)やフィールドエミッションデスプレイ(FED)等が注目されている。 【0004】 特にPDPは、量産化の段階に入り、メーカー各社は年々倍増する大幅な増産計画を打ち出している。一方、また、新規参入を発表するメーカーもあることから、今後急速にその市場が拡大すると新聞紙上等で予想されている。 【0005】 PDPは、上記の様に薄型化、大型化に有利であるという利点があるが、放電を利用しているので、原理上強度の漏洩電磁波を発生するという問題がある。このため、プラズマディスプレイから発生する漏洩電磁波を所定の安全基準値〔例えば、日本では、VCCI(Voluntary Control Council for Interference by data processing equipment electronic office machine)、米国では、FCC(Federal Communication commission)〕以内に抑えることが必要となってきている。 【0006】 またPDPは、強い近赤外線光も発生する。無線LAN、コードレスフォン、赤外線リモートコントローラ等は近赤外線を利用する機器であるので、PDPは、これらの機器の誤動作を引き起こす可能性があることも指摘されている。以上の事から、PDPには、漏洩電磁波を上記の規制の範囲に低減し、近赤外領域である800〜1000nmの波長領域の光を、誤動作が実用上生じないレベルまでカットする手段を施す必要がある。 【0007】 上記のごとき電磁波と近赤外線は、金属の様な導電性材料でPDP全体を覆うことで放出を抑えることができるが、画面表示部分には導電性の他に透明性も有する材料を用いる必要がある。このため、PDPの表示部分には、透明導電性を有するフィルターが好適に使用されている。かかるディスプレイ用フィルターの好適な例としては、透明導電性薄膜をガラス板などの基体全面に配置した透明導電性薄膜タイプの光学フィルターが挙げられる。透明導電性薄膜タイプの光学フィルターは、基体上に、電磁波を遮蔽するための透明導電性薄膜と、反射防止機能や防眩機能を有するフィルムとからなる積層構造を有する物が知られている。 【0008】 ディスプレイ用フィルターの電磁波遮断能力は、当然のことながら、当該ディスプレイ用フィルターの面抵抗値が低いほど優れるので、純物質の中で最も比抵抗値が低い銀又は銀を主体とする金属薄膜が上記透明導電性薄膜として好適に用いられている。実際には、さらなる透過率上昇及び金属薄膜層の安定性向上の目的で、当該銀を主体とする金属薄膜層を、透明高屈折率薄膜層で挟み込んだ積層体を、透明導電性薄膜とするのが通常である。 【0009】 しかしながら、よく知られているように、金属薄膜層材料として好適に用いられる銀は、きわめて原子の凝集を生じやすいという大きな問題がある。銀薄膜層の銀原子が凝集すると、金属薄膜としての低抵抗性が損なわれる他、銀白色の点(点状欠陥、又は反射性欠陥、白点とも称される。)を生じる。ディスプレイ用フィルターにこのような反射性欠陥が多く生じた場合、上記反射性欠陥は当該フィルターをセットした大型のプラズマディスプレイ上に映し出される数々の迫力ある映像上に白い点となって現れ、画質の品位を低下させる弊害が生じる。このように、上記の反射性欠陥は、当該金属薄膜材料の有する高透明性や低抵抗性を喪失せしめる大きな問題となるとともに、フィルターとしての商品価値を大幅に下落させるものである。 【0010】 従来、かかる銀薄膜層の銀原子の凝集は、例えば、塩素イオンや異物(パーティクル)等の存在下において発生しやすいことが知られている。市場の要望である画面の大型化に伴い、フィルター1枚当たりに混入するパーティクル等の数が増える事が予想される。このためフィルター毎に発生する白点の数が増加し、フィルター生産の歩留まりが低下することが予想される。従って、ますます大型化するPDP用の光学フィルターにおいては、その銀薄膜層に白点が生ずることをより有効に防止する技術が、今後一層要求されると考えられる。 上記の様な異物・塩素の除去を行う試みが特公昭59−44993号公報や特開平9−331488号公報で報告されているが、大型のディスプレイ用フィルターを高い歩留まりで生産するには、より高いレベルでの銀原子の凝集抑制が求められている。 【0011】 一方では、透明高屈折率薄膜層を厚くすることにより、当該塩素イオン等が銀薄膜層に到達するのを防止することも試みられている。しかしながら、光学フィルターは上記の通り、高い透明性が要求されるので、透明高屈折率薄膜層の厚みに制限があり、上記の方法を適用するには限界がある。 他の試みとして、銀薄膜層に、銅やプラチナ等の耐蝕性のある金属薄膜を積層する方法もあるが、透明性の低下や面抵抗の上昇を伴う問題がある。 以上のように、反射性欠陥の発生を容易に抑制できる構成のディスプレイ用フィルターは、これまで得られていないのが現状である。 【0012】 一方で、近年、無線機器や電子機器の発達が目覚しく、またその需要は急増している。無線機器は便利である反面、使用している電磁波を他人に傍受され、その電磁波が持つ情報を読み取られる危険性を有している。また無線機器だけでなく、電子機器においても本体の他、コード類からも電磁波の発生があり、無線機器同様、これを他人に傍受され、容易にその情報を読み取られる危険性がある。この電磁波漏洩に伴う情報の漏洩を抑制する為に、近年、電磁波遮蔽材料に対する要請が高まっている。電磁波は、金属の様な導電性材料で遮蔽することが出来るが、各種建築物の窓や自動車窓、各種表示機器の表示部分など、電磁波遮蔽性能に加えて透明性が必要な材料が求められている。また、窓などの用途には、真夏の建物内での冷房効率アップ等による省エネルギー化を目的として、熱線反射性能を有することも求められている。 【0013】 これらの電磁波遮蔽性能や熱線反射性能を実現するために、上記の銀を主体とする薄膜は好適な性質を有している。しかしながら、上記のディスプレイと同様、これらの用途でも白点発生による商品価値の下落、歩留まりの低下、耐用年数の低下等が問題であり、高いレベルでの銀原子の凝集抑制が求められている。 【特許文献1】特公昭59−44993号公報 【特許文献2】特開平9−331488号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0014】 本発明の目的は上記の様な反射性欠陥の発生の極めて少ない(透明導電性)積層体およびそれを用いたディスプレイ用フィルター、電磁波遮蔽フィルム、熱線反射フィルムおよび窓材などを提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0015】 本発明者らはかかる観点から鋭意検討した結果、驚くべきことに、無機微粒子とバインダー材とからなる保護層と透明導電性薄膜層とからなる積層体が、本発明の課題を解決することを見出し、本発明を完成した。 【0016】 本発明に従えば、以下の発明が提供される。 すなわち本発明は、 少なくとも透明基体(A)と、 銀を含む透明導電性薄膜層(B)と、 バインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とを含む保護層(C)とを含み、 透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触していることを特徴とする積層体である。 【0017】 また本発明の積層体は、好ましくは無機微粒子(C2)が金属酸化物であることを特徴とする積層体である。 また本発明の積層体は、好ましくは無機微粒子(C2)が少なくとも酸化アンチモンを含む複合酸化物もしくは酸化アンチモンを含む酸化物の混合物であることを特徴とする積層体である。 また本発明の積層体は、好ましくはバインダー材(C1)が、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする積層体である。 【0018】 また本発明の積層体は、好ましくは銀を含む透明導電性薄膜層(B)が少なくとも透明高屈折率薄膜層(B1)と、 銀または銀を含む合金の透明金属薄膜層(B2) を含む前記の積層体である。 【0019】 本発明に従えば、高い導電性、高い透明性、高い近赤外線の反射性、さらに好ましくは高い赤外線反射性を有している上に、白点の発生が非常に少ないという優れた特徴を有する積層体を得ることが出来る。 【0020】 また本発明は、少なくとも上記の積層体と、 機能性透明層(D)とを含むことを特徴とするディスプレイ用フィルターである。 また本発明のディスプレイ用フィルターは、好ましくは、60℃、90%RHの条件下に24時間曝露した後、直径0.1mm以上の点状欠陥の発生頻度が、2個/m2以下であることを特徴とする前記のディスプレイ用フィルターである。 また本発明は、上記のディスプレイ用フィルターを用いた表示装置である。 本発明に従えば、白点の発生が少ない為、例えば長期間に渡って美しい映像を提供することが出来るディスプレイ用フィルターおよび表示装置を提供することが出来る。 【0021】 また本発明は、上記の積層体を用いた電磁波遮蔽フィルムである。本発明に従えば、白点の発生が少なく、長期にわたって視認性に優れた電磁波遮蔽フィルムを得ることが出来る。 また本発明は、上記の積層体を用いた熱線反射フィルムである。本発明に従えば、白点の発生が少なく、長期にわたって視認性に優れた熱線反射フィルムを得ることが出来る。 また本発明は、少なくとも上記の積層体と、 機能性透明層(D)とを含むことを特徴とする窓用電磁波遮蔽フィルムである。 また本発明は、少なくとも上記の積層体と、 機能性透明層(D)とを含むことを特徴とする窓用熱線反射フィルムである。 また本発明は、少なくとも上記の窓用電磁波遮蔽フィルムと透明窓用基板との積層構造を有する窓である。 また本発明は、少なくとも上記の窓用熱線反射フィルムと透明窓用基板との積層構造を有する窓である。 【0022】 本発明に従えば、白点の発生が少なく、長期間に渡って視認性に優れ、また簡便な方法で作成可能な窓を提供することが出来る。 また本発明は、上記の積層体を用いた半導体装置である。本発明に従えば、電磁波による障害に影響を受けない半導体装置、高温でも使用可能な半導体装置等を提供することが出来る。 【発明の効果】 【0023】 本発明の積層体およびディスプレイ用フィルターは、反応性欠陥の発生が極めて少ない。このため、従来に比して歩留まりが高く、すなわち高い生産性でPDPなどのディスプレイ用フィルターを提供することが出来る。また、生産性が高いことから安価に上記ディスプレイ用フィルターを提供することが出来る。また、経時的な反応性欠陥の発生が少ないことが予想されるので、極めて長期にわたって高い品位の映像を提供することが出来る。 【0024】 本発明の積層体を用いた電磁波遮蔽フィルム、熱線反射フィルムは、水道水などと接触しても反応性欠陥の発生が少ない。このため、電磁波遮蔽機能や熱線反射機能を有する窓を従来一般的な水道水を用いる施工方法で製造しても、長期にわたって電磁波遮蔽性能、熱線反射性能に加えて視感性にも優れた窓を提供することが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 以下、本発明について詳細に説明する。尚、本発明において粘着剤とは、接着剤の意味を含むことがある。 本発明の積層体は、 透明基体(A)と 銀を含む透明導電性薄膜層(B)と 保護層(C)とを含み、 透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触していることを特徴とする積層体である。また、保護層(C)は、バインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とを含むことを特徴とする。 【0026】 本発明のディスプレイ用フィルターは、上記の積層体と機能性透明層(D)とを含む構成を有する。機能性透明層(D)としては、反射防止層、防眩層をはじめ、ハードコート層、紫外線吸収層、防汚層、帯電防止層等が挙げられる。また、必要に応じて粘着剤層(E)が含まれていても良い。 【0027】 本発明の電磁波遮蔽フィルムおよび熱線反射フィルムは、本発明の積層体を含むことを特徴とする。例えば、本発明の積層体をそのまま電磁波遮蔽フィルムおよび熱線反射フィルムとすることが出来るし、本発明の積層体と上記の機能性透明層(D)等とを組み合わせて電磁波遮蔽フィルムおよび熱線反射フィルムとすることも出来る。これらの機能性透明層(D)と組み合わせた上記フィルムの好ましい用途としては、窓用電磁波遮蔽フィルムおよび窓用熱線反射フィルムなどが挙げられる。上記の窓用フィルムに用いられる機能性透明層(D)として具体的には、紫外線吸収層、ハードコート層などを好ましく用いることが出来る。 本発明の窓は、上記の窓用フィルムと透明窓用基板との積層構造を有することを特徴とする。 これらの各構成要素を以下に説明する。 【0028】 (透明基体(A)) 上記の透明基体(A)としては、プラスチック板やガラス板が好適に使用できる。プラスチック板の具体例を挙げると、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂に限定されるものではない。プラスチック板の厚みは、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10mm程度である。ガラス板を使用する場合は、化学強化加工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強化ガラス板を用いることが望ましい。重量を考慮すると、その厚みは1〜4mm程度である事が好ましい。また、これらガラス板またはプラスチック板の、ディスプレイ用フィルター周縁部となる部分に意匠性を高める等の目的で黒色等の有色の額縁印刷を施しても良い。 また、後述する透明導電性薄膜層(B)作製時に好適に用いられる高分子フィルムを透明基体(A)とすることも出来るし、耐衝撃性を有する柔軟な透明シートを透明基体(A)とすることも出来る。これらを用いて得られる光学フィルターは、直接PDPモジュールに貼合して用いることが出来る。 上記のプラスチック板、ガラス板、高分子フィルム、柔軟な透明シートなどは2種類以上を併用することが出来る。この際、これらを直接積層して組み合わせるほか、後述する粘着剤層(E)を用いて貼合して用いることも出来る。 【0029】 (銀を含む透明導電性薄膜層(B)) 本発明の銀を含む透明導電性薄膜層(B)は、公知の物を制限無く用いることが出来る。例えば透明基体(A)上に直接形成される構成の他、後述する高分子フィルム上や、反射防止若しくは防眩機能を有するフィルム上に形成される構成であっても構わない。これらの中では生産効率や品質管理の面等から高分子フィルム上に銀を含む透明導電性薄膜を形成した透明導電性薄膜積層体フィルムを透明導電性薄膜層(B)として用いる方法が特に好ましい。図1は、本発明における積層体の層構成の一例を示している。すなわち、透明高分子フィルム基体13上に、銀を含む透明導電性金属薄膜15と透明高屈折率薄膜17とが、15を17で挟むように交互に積層され、さらに、後述する保護層20を積層した構成である。 【0030】 上記の高分子フィルムとしては、厚み10〜300μm程度の、可撓性のある透明性の高い高分子フィルムが好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリスルフォン(PS)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。中でもポリエチレンテレフタレート(PET)及びトリアセチルセルロース(TAC)が、特に好適に用いられる。 【0031】 本発明において用いられる、透明導電性薄膜層(B)は、透明高屈折率薄膜層(B1)と、銀または銀を含む合金からなる透明金属薄膜層(B2)とを含む積層体が好ましく採用される。銀は、比抵抗が、1.59×10-6(Ω・cm)と、あらゆる材料の中で最も電気伝導性に優れる上に、薄膜の可視光線透過率が優れるため、最も好適に用いられる。一方で、銀は、薄膜とした時に安定性を欠き、硫化や塩素化を受け易いという問題を持っているので、その安定性を向上させるため、銀を含む、すなわち具体的には、銀を主体とする銀合金、例えば、銀と金の合金、銀と銅の合金、銀とパラジウムの合金、銀と銅とパラジウムの合金、銀と白金の合金等を用いる事も出来る。 かかる透明金属薄膜層(B2)の厚さは、多層透明導電性薄膜層全体の透過性及び電気伝導性を考慮して決定されるが、通常は、一層につき0.5〜100nm程度である。 なお、最表面に金属薄膜層を設けている場合は、最表面における主たる金属である銀の元素組成が、3〜99%(原子割合)であることが好ましい。 【0032】 透明高屈折率薄膜層(B1)は、公知の物を制限無く用いることが出来る。透明性の高い、例えば、膜厚100nm程度の薄膜を形成したときに、その薄膜の波長400〜700nmの光に対する透過率が60%以上であるような、透明性に優れた材料が好ましい。また、550nmの光に対する屈折率が、1.4以上の材料であるような、高屈折率材料が好ましい。かかる透明高屈折率薄膜層(B1)用に好適に用いることができる材料としては、例えば、インジウムとスズとの酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、カドミウムとスズとの酸化物(CTO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、亜鉛とアルミニウムとの酸化物(AZO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化トリウム(ThO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化ランタン(LaO2)、酸化珪素(SiO2)、酸化インジウム(In2O3)、酸化ニオブ(Nb2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ビスマス(BiO2)等が好ましく使用される。また、透明高屈折率硫化物を用いてもよく、具体的に例示すると、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化アンチモン(Sb2S3)等が挙げられる。透明高屈折率薄膜層(B1)用材料としては、上記の中でもITO、ZnO及びTiO2が特に好ましい。ITO及びZnOは、導電性を持つ上に、可視領域における屈折率が、2.0程度と高く、さらに可視領域にほとんど吸収を持たないためである。TiO2は、絶縁物であり、可視領域にわずかな吸収を持つが、可視光に対する屈折率が2.3程度と大きいことによる。 【0033】 上記の透明金属薄膜層(B2)と透明高屈折率薄膜層(B1)の多層積層体形成は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の従来公知の手法によることができる。なかでもスパッタリング法は、膜厚を制御した多層積層の形成には好適であり、金属薄膜層と高屈折率薄膜層の積層、例えば、銀または銀を含む合金からなる金属薄膜層と主として酸化インジウムで構成される透明高屈折率薄膜層とを、容易に繰り返して連続的に成膜できるため好ましい。 【0034】 具体的には、本発明の透明金属薄膜層(B2)の形成には、銀または銀を含む合金をターゲットとし、スパッタガスには、アルゴン等の不活性ガスを用い、通常、圧力0.01〜3.0Paで、直流(DC)あるいは高周波(RF)マグネトロンスパッタリング法を採用することが好ましい例として挙げられる。 【0035】 また、透明高屈折率薄膜層(B1)の形成には、例えばインジウムを主成分とする金属ターゲットまたは酸化インジウムを主成分とする焼結体ターゲットを用い、スパッタガスにはアルゴン等の不活性ガスを、反応性ガスには酸素を用い、通常圧力0.01〜3.0Paで、直流(DC)あるいは高周波(RF)マグネトロンスパッタリング法による反応性スパッタリング法を適用することができる。 その他のより詳細な内容については、特開平10−217380号公報や特開2002−323861号公報等に記載の内容を採用することが出来る。 【0036】 (保護層(C)) 本発明の保護層(C)は、バインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とからなる層である。 なかでも、バインダー材(C1)と水や有機溶剤等の液体とを含むからなる溶液に無機微粒子(C2)を分散させることにより得られるコート液を塗布・乾燥させることにより得られる層が保護層(C)として特に好ましい。また、上記のコート液は、バインダー剤(C1)と無機微粒子(C2)とが液体に分散したエマルションであってもよい。バインダー剤(C1)と液体とを含むエマルション状態の液に無機微粒子(C2)が分散した態様も好ましく用いることが出来る。 【0037】 以下、前者のバインダー材(C1)の溶液に無機微粒子(C2)が分散したコート液について詳しく述べる。 上記のバインダー材(C1)と液体とからなる溶液としては、好ましくは無色で透明性が高く、無機微粒子の分散性が良好なものが好適に用いられる。 本発明のバインダー材(C1)は、樹脂であることが好ましく、より具体的には例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中でもシリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることが、入手の容易さ、後述する無機微粒子(C2)のバインダー材(C1)への分散性等の観点から好ましい。これらのような樹脂として粘着性や接着性を有する物を用いることもでき、保護層(C)に後述する粘着剤層(E)の機能を付与することも可能である。また上記の樹脂は2種類以上を併用することもできる。 【0038】 本発明の保護層(C)は、一般的に後述する粘着剤(E)を用いて他の層と容易に貼合することができる。このため、後述する機能性透明層(D)等と積層する際、従来の粘着剤を用いた積層方法(貼合方法)を制限無く用いることが可能である。 溶剤としては、水、アルコール、アセトン、トルエンなど公知の液体を使用することが出来る。 【0039】 本発明では、後述するように無機微粒子(C2)が透明導電性薄膜層を出来る限り覆い尽くすように配置されることが好ましい。このため、無機微粒子(C2)のバインダー材(C1)溶液中における分散性が良く、無機微粒子(C2)が沈降し難い状態を保持することが好ましい。この状態は、無機微粒子の種類に応じて樹脂や液体を適宜選択することによって実現することが出来る。例えば沈降しやすい無機微粒子には、比重が高い樹脂や、溶液の粘性が比較的高くなる様な樹脂や液体を選択することが好ましい。 【0040】 本発明に係る無機微粒子(C2)は、保護層(C)として上記した通り透明導電性薄膜層中に隙間無く蜜に充填される様に含有することが好ましい。また本発明に係る無機微粒子(C2)は、後述する白点防止の推定メカニズムに基づけば、塩素や塩化物、硫黄や硫化物などの透過性が低いものが更に好ましい。無機微粒子(C2)が塩素や塩化物、硫黄や硫化物などの吸収性能に優れたものであればさらに好ましい。例えば金属酸化物の微粒子を好適な例として挙げることが出来る。金属酸化物は、塩化水素などと反応し易いと言う一般的な傾向があること等から、塩化物を吸着しやすい性質を有していることが上記の理由である。より具体的な金属酸化物の例としては、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等、透明高屈折率薄膜層(B1)を形成する際に好適な材料と同様の金属酸化物を挙げることが出来る。これらは、2種類以上を組み合わせて用いても良い。例えば複合酸化物として用いることも、酸化物の混合物として用いることも可能である。また、上記の金属酸化物は金属と組み合わせて用いることもできる。上記の複合酸化物の具体例としては、酸化インジウム−錫等が挙げられる。 これらの中でも、酸化アンチモンを含む複合酸化物もしくは酸化アンチモンを含む酸化物の混合物からなる微粒子が好ましく、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物、酸化アンチモン−酸化亜鉛複合酸化物が特に好ましい。 【0041】 これらの金属酸化物は、上記の高屈折率透明薄膜層(B1)の一例である金属酸化物の薄膜層に比して通常は光線透過率が低いが、粒子径を小さくすることにより実用上問題のない程度の透明性を実現することが出来る。 また、無機微粒子(C2)の粒子径が大きくなりすぎると、バインダー材(C1)との分散性がわるくなる。また、無機微粒子(C2)の粒子径が大きくなると、透明導電性薄膜層を密に覆うことが出来なくなることもある。 【0042】 一方で粒子径が小さくなり過ぎると、粒子としてのハンドリングが困難になる可能性がある。 このため無機微粒子(C2)の平均粒子径が1〜1000nmが好ましく、さらに好ましくは5〜500nm、もっとも好ましくは5〜200nmである。 更には、後述するように無機微粒子(C2)が、透明導電性薄膜層(B)全体を均一に覆うようにすることが好ましいことから、無機微粒子(C2)の粒度分布は狭いことが好ましい。 【0043】 本発明の無機微粒子(C2)は、例えばバインダー材(C1)と組み合わせて用いることにより、上記の様に透明性を実現できる上、驚くべきことに後述するように白点防止効果に非常に優れると言う極めて有用な特性を有している。 【0044】 上記のコート液は、バインダー材(C1)と液体とからなる溶液と無機微粒子(C2)が実質的に均一に混合されていることが好ましい。このようなコート液を得るには、溶剤と無機微粒子(C2)とを均一に分散させた状態の液と、バインダー材(C1)と溶剤とからなる溶液とを混合することが好ましい。 また、上記コート液に無機微粒子の分散性を向上させるための安定剤や、コート性を向上させるためのレベリング剤などを加えることも可能である。 【0045】 このようにして得られたコート液を用いて保護層(C)を形成する方法としては、公知の塗工法を制限無く用いることが出来る、例えば、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ロールコート法などが挙げられる。コート液の種類、粘度、塗布量等にも制限はなく、上記のコート法に好適なコート液となる条件を適宜選択することが出来る。 保護層(C)の厚みとしては、粘着剤層の機能を持たせることを考慮すると、100μm以下、好ましくは80μm以下である。通常は2μm以下で充分であり、1μm以下であることがさらに好ましく、0.05μm以上0.5μm以下であることが特に好ましい。 また、このようにして得られた保護層の視感平均透過率は50%以上であることが好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましい。 【0046】 本発明では、後述するように無機微粒子(C2)が透明導電性薄膜層を出来る限り覆い尽くすように配置されることが好ましい。 このため、本発明に係る保護層におけるバインダー材(C1)と無機微粒子(C2)との組成は,無機微粒子(C2)の量がバインダー樹脂(C1)に対して多いほうが好ましい。ただし、無機微粒子(C2)の含有率が大きくなり過ぎると、無機微粒子(C2)が十分定着できず、保護層の剥離やクラックなどの発生を招き、十分な保護効果が得られなくなることがある。 バインダー材(C1)と無機微粒子(C2)の最適な割合は用いるバインダー材(C1)と無機微粒子(C2)の分散性により大きく左右される。従って,使用するバインダー材(C1)および無機微粒子(C2)の種類に応じた含有比率を適宜求めることが好ましい。一般的にはバインダー材(C1)と無機微粒子(C2)の好ましい重量比(無機微粒子(C2)/バインダー材(C1))は0.01〜100、さらに好ましくは0.03〜30、特に好ましくは0.05〜20である。 【0047】 (機能性透明層(D)) 機能性透明層(D)としては、反射防止層や防眩層を好ましい例として挙げることが出来る。さらにはハードコート層や防汚層、紫外線吸収層、帯電防止層、調色層等の公知の層を採用できる。これらの層は上記の透明導電性薄膜層(B)の形成に用いる高分子フィルムや透明基体(A)や上記の保護層(C)に形成しても良いし、反射防止フィルムや防眩フィルム等の様な上記の機能を有するフィルムや粘着剤層を用いることもできる。これらの機能性透明層については、より詳細には特開平10−217380号公報や特開2002−323861号公報等に記載されているものを採用することが出来る。 【0048】 本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムおよび窓用熱線反射フィルムに好適に用いられる機能性透明層(D)である紫外線吸収層やハードコート層は、透明性と、後述する窓の施工に耐えうる性能を有していれば、公知の材料を制限無く用いることが出来る。ハードコート層として具体的には、透明性、価格、施工性に優れたアクリル系の材料が好適な例として挙げられる。また、ハードコート層を形成する方法としても公知の方法を制限無く用いることが出来る。具体的には、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ロールコート法などが挙げられる。コート液の種類、粘度、塗布量等にも制限はなく、上記のコート法に好適な条件を適宜選択することが出来る。また、得られたハードコート層の鉛筆硬度(日本工業規格(JIS) K5400規格)は、H以上であることが好ましく、2H以上であることが特に好ましい。 上記の紫外線吸収層としては、透明であれば公知の材料を制限無く用いることが出来る。また、紫外線吸収層の形成方法にも特に制限はない。具体例としては、高分子フィルムに紫外線吸収機能を付与した紫外線吸収フィルムや、紫外線吸収機能を付与した透明基体(A)、保護層(C)、ハードコート層、後述する粘着剤層(E)等の形で使用することが出来る。 【0049】 (粘着剤層(E)) 本発明において、透明基体(A)、透明導電性薄膜層(B)、保護層(C)および機能性透明層(D)は必要に応じて粘着剤層(E)を介して貼合される。具体的な例としては、透明基体(A)−透明導電性薄膜層(B)を形成した高分子フィルム間、透明基体(A)−保護層(C)間、透明基体(A)−機能性透明層(D)間、保護層(C)−機能性透明層(D)間、透明導電性薄膜層(B)を形成した高分子フィルム−機能性透明層(D)間などの貼合に用いられる。 尚、本発明の粘着剤と言う語は、接着剤の意味も含んで使用されることがある。 本発明の粘着剤層(E)としては、透明であれば、公知の粘着剤を制限無く用いることが出来る。また、粘着剤層(E)に色素を含有させることにより調色層の機能を持たせる事もできる。また防錆成分などを含有させることもできる。加えて前述のように無機微粒子(C2)を分散させることによって保護層の機能を付与することも可能である。 粘着剤層(E)として、より具体的な内容としては、特開平10−217380号公報や特開2002−323861号公報等に記載されているものを採用することが出来る。 【0050】 (積層体の作製) 本発明の積層体は 少なくとも透明基体(A)と銀を含む透明導電性薄膜層(B)とバインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とを含む、好ましくは厚さ2μm以下の保護層(C)とからなり、透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触していることを特徴とする。透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触している限り、透明基体(A)の位置は任意である。透明基体(A)上に透明導電性薄膜層(B)が直接形成されていても良いし、透明基体(A)と透明導電性薄膜層(B)とが粘着剤層(E)で貼合されていても良い。また、透明基体(A)と保護層(C)とが粘着剤層(E)で貼合されていても良い。 本発明にかかる積層体の層構成の一例を示す断面図が前述の図1である。より詳しくは、図1には、透明高分子フィルム基体13上に形成された銀を含む透明導電性金属薄膜層15と透明高屈折率薄膜層17が繰り返し形成された透明導電性薄膜層およびその上に形成された保護層とからなる積層体が示されている。 【0051】 (光学フィルターの組み立て) 本発明の光学フィルターは、 透明基体(A)と 銀を含む透明導電性薄膜層(B)と 保護層(C)と 機能性透明層(D)と 必要に応じて粘着剤層(E) とからなる。粘着剤層(E)は、積層体の作製で用いた方法の他に、機能性透明層(D)として反射防止フィルムや、防眩フィルムなどの、機能性透明フィルムが用いられる際に、他の層との貼合に使用することが出来る。 本発明のディスプレイ用フィルターにおいて、透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触している限り、これらの層の構成は任意であるが、機能性透明層(D)として反射防止層や防眩層が用いられる場合、これらの層は最外層に形成されることが好ましい。 【0052】 本発明のディスプレイ用フィルターの具体的な構成としては、例えば、 1,透明基体(A)としてガラス板と高分子フィルムとを粘着剤層(E)で貼合した複層透明基板、透明導電性薄膜層(B)として上記の高分子フィルムに形成した透明導電性薄膜、透明導電性薄膜層(B)に接触している保護層(C)としてバインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とからなる層、機能性透明層(D)として反射防止機能もしくは防眩機能を有するフィルム、およびこれらを粘着剤層(E)で貼合した構成、 2,透明基体(A)としてガラス板、透明導電性薄膜層(B)は上記ガラス板上に形成された透明導電性薄膜、上記の透明導電性薄膜上と接触している保護層(C)としてバインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とからなる層、機能性透明層(D)として反射防止機能もしくは防眩機能を有するフィルム、およびこれらを粘着剤層(E)で貼合した構成、等が挙げられる。 【0053】 図2は、本発明に係るディスプレイ用フィルターの層構成の一例を示す断面図である。より詳しくは、図2には、透明高分子フィルム基体13と多層透明導電性薄膜層18と保護層20とからなる透明導電性薄膜積層体フィルムと、反射防止機能を有するフィルム30(以下、反射防止フィルムと称することがある。)若しくは防眩機能を有するフィルム30’(以下、防眩性フィルムと称することがある。)、及び透明支持基板33を、粘着剤35により貼り合わせ、多層透明導電性薄膜層18に接触するように電極50を形成した電磁波遮蔽用ディスプレイ用光学フィルターが示されている。この場合、粘着剤層35で貼合された透明支持基板33と透明高分子フィルム基体13とが透明基体(A)に相当する。 【0054】 上記の電極は、電磁波遮断機能等を有するフィルターに好ましく用いられているもので、公知の物を制限無く採用することが出来る。上記の電極はできるだけ広い面積から効率良く電流を取り出すために、外周部分に額縁上に形成することが好ましい。電極の形成方法としては、導電性塗料の塗布、印刷、導電性テープの貼り付け等の公知の手段が用いられる。より詳細には、特開平10−217380号公報や特開2002−323861号公報等に記載されている内容のものを採用することが出来る。 【0055】 他の例としては、図2において透明支持基板33を有さないフィルム状の電磁波遮蔽用ディスプレイ用光学フィルターも好ましい例として挙げられる。この場合、透明高分子フィルム基体13が、透明基体(A)となる。また、上記光学フィルターは、粘着剤35を介して、PDPモジュールに直接貼合して用いることも出来る。 【0056】 その他の例としては、透明支持基板33の代わりに、耐衝撃性を有する透明シートを透明基体(A)として用いるものが挙げられる。この様な光学フィルターは、粘着剤35を介して、PDPモジュールに直接貼合して用いることが好ましい。ディスプレイ用フィルターをPDPモジュールに直接貼合すると、PDPモジュールが外部の衝撃によって破損され易くなる可能性があるが、上記の光学フィルターは耐衝撃性を有するので、直接PDPモジュールに貼合しても外部の衝撃から高価なPDPモジュールを保護する機能に優れ、PDPモジュールの破損を防ぐことが出来る。 【0057】 上記の各層を形成する部材は、複数の機能を持っていてもよい。例えば、前述の透明導電性薄膜層が形成された反射防止フィルムは、透明基体(A)、透明導電性薄膜層(B)、機能性透明層(D)の3種の機能を有している。このような部材を用いると、本発明の積層体やディスプレイ用フィルターの更なる薄型化や、製造時の工程数の短縮による生産性の向上を期待することが出来る。 (電磁波遮蔽フィルム、熱線反射フィルム、窓) 本発明の電磁波遮蔽フィルムや熱線反射フィルムは、電磁波によりその機能に影響を受ける機器や高温での使用に制限のある機器、例えば半導体回路などを有する各種精密機器等の半導体装置、オフィスなどの建物の窓などに好適に使用できる。半導体装置として、より具体的には、パチンコ台、ゲーム機など、視認性が求められる機器を例示することが出来る。 【0058】 本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムは 少なくとも透明基体(A)と透明導電性薄膜層(B)とバインダー材(C1)と無機微粒子(C2)とを含む保護層(C)と、機能性透明層(D)とを含むことを特徴とする。機能性透明層(D)として好ましくはハードコート層と紫外線吸収層および必要に応じて用いられる粘着剤層とを含むことを特徴とする。その具体的な層構成としては、透明基体(A)、透明導電性薄膜層(B)、保護層(C)、ハードコート層が、ハードコート層/透明基体(A)/透明導電性薄膜層(B)/保護層(C)の順、もしくは透明基体(A)/透明導電性薄膜層(B)/保護層(C)/ハードコート層の順の構成を有することを特徴とする。上記の構成において、紫外線吸収層と必要に応じて用いられる粘着剤層(E)などの位置は任意である。 【0059】 本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムの構成の一例を図3に示した。 図3に示した窓用電磁波遮蔽フィルムは例えば以下のような手法で作製される。透明高分子フィルム基体13の片面に4層の透明高屈折率薄膜層17と、3層の銀を含む透明導電性金属薄膜層15とを交互にスパッタリング法で積層して得られる多層透明導電性薄膜層18を形成して積層体10を得る。次いで積層体10の透明高分子フィルム基体13側にハードコート層40を設ける。多層透明導電性薄膜層18上には、バインダー樹脂と無機微粒子とからなる保護層20を形成する。さらに保護層20上に紫外線吸収剤を含む粘着剤層70を形成して、本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムは得られる。 【0060】 本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムは、前述のような透明導電性薄膜層を有しているので電磁波遮蔽性に優れている。本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムは、好ましくはアドバンテスト法で決定される電磁波遮蔽性能が、30MHz〜6000MHzの周波数領域で30dB以上であることが好ましい。より好ましくは35dB以上であり、更に好ましくは40dB以上である。また放射率は好ましくは0.25以下であり、より好ましくは0.20以下である。 【0061】 また本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムは、前述の透明導電性薄膜層の構成を適宜、選択、制御することによって熱線反射性能を付与することもできる。この熱線反射性能は、例えば日射反射率(JIS A 5759)で評価することが出来る。本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムの日射反射率は好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上である。 本発明のディスプレイ用フィルターを用いた表示装置、例えばプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL表示装置などの各種表示装置は、上記のディスプレイ用フィルターを用いているので、長期にわたって電磁波の漏洩が少なく、リモコンなどの誤作動も起こさず、なおかつ、美しい画像を提供することが出来る。 【0062】 (窓) 本発明の窓は、上記の窓用電磁波遮蔽フィルムと透明窓用基板とを積層させた構造を有する。本発明の透明窓用基板としては、ガラス板、アクリル板など、公知の窓用基板を制限無く用いることが出来る。本発明にかかる窓の層構成の一例を示す断面図を図4に示す。すなわち、図3と同様の積層体10にハードコート層60を設け、ハードコート層60とは反対側にバインダー樹脂と無機微粒子とからなる保護層20、紫外線吸収剤を含む粘着剤層70を形成し、更に窓用ガラス基板80を貼合した構成である。 【0063】 透明窓用基板に本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムを貼合施工する一般的な方法を以下に示す。窓用電磁波遮蔽フィルムとしては、その表面に粘着剤層を有する物が好ましく用いられる。まず、透明窓用基板と窓用電磁波遮蔽フィルムの粘着剤層側表面が、水と界面活性剤の混合液体で濡らされ、次いで、上記の透明窓用基板と窓用電磁波遮蔽フィルムとが仮に貼りあわされる。最後にスキージーを用いて水をかきだし、窓とフィルムを強固に貼りあわされる。 【0064】 日本の上水道法により、市水道の末端での塩素濃度は、0.1ppm(1リットル中に1ミリグラム)以上と規定されている。この様に、水に塩素分が存在していること、また施工時に透明窓用基板とフィルムとの間に微小なゴミ・異物が入り込むことから、透明導電性薄膜層と外部から侵入してきた塩素分とが接触すると、反射性欠陥を生じることがある。 【0065】 しかしながら、本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムは、透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触する構成を有しているので、反応性欠陥の発生が著しく少ない。このことは、本発明の窓用電磁波遮蔽フィルムや、本発明の積層体を上記の市水道水を利用する方法でガラスに貼りあわせたものを、60℃、90%RHの高温高湿度処理装置内にセットし、24時間後、銀の凝集により生じる直径0.1mm以上の反射性欠陥の発生頻度を、顕微鏡写真によって観察・測定する促進評価法によって確認することが出来る。本発明の積層体や積層体をガラスに貼りあわせたもの上記評価法によって発生する反応性欠陥の数は驚くべきことに10個/10cm2以下、好ましくは8個/10cm2以下、更には6個/10cm2以下にまで低減することが出来る。 【0066】 また、紫外線吸収層は、透明基体(A)が紫外線に対する耐久性が不充分な場合に好ましく用いられる。この場合、紫外線吸収層は窓用電磁波遮蔽フィルムが施工されるガラス代表例とする透明窓用基板に極力近い部分に位置することが望ましい。透明導電性薄膜層(B)に紫外線を反射もしくは吸収する機能はあるが、透明基体(A)を紫外線から保護するには不充分な場合がある。一方、本発明の窓は、通常、透明窓用基板板が室外側、窓用電磁波遮蔽フィルムが室内側になるように配置される。このため、透明基体(A)と施工される窓ガラスの間に紫外線吸収層(E)が設けられることが好ましい。 【0067】 本発明の積層体やディスプレイ用フィルターは、透明導電性薄膜層(B)と保護層(C)とが接触する構成を有しているので、上記の反応性欠陥の発生が著しく少ない。このことは、本発明の積層体やディスプレイ用フィルターを、60℃、90%RHの高温高湿度処理装置内にセットし、24時間後、銀の凝集により生じる直径0.1mm以上の点状欠陥(反射性欠陥)の発生頻度を、顕微鏡写真によって観察・測定する促進評価法によって確認することが出来る。本発明の積層体やディスプレイ用フィルターの上記評価法によって発生する反応性欠陥の数は驚くべきことに2個/m2以下、好ましくは1個/m2以下、更には0.5個/m2以下にまで低減することが出来る。 【0068】 上記の反応性欠陥の発生が著しく抑制される原因については明らかではない。しかしながら、保護層(C)、特に無機微粒子(C2)が透明導電性薄膜層上に付着した銀を凝集させる成分、例えば塩化物などをトラップする効果や、銀との反応性を抑制する効果を有する為であることが考えられる。また、銀を凝集させたり、銀と反応したりする成分の外部からの侵入を保護層(C)が遮蔽し、上記成分が金属薄膜に到達し得ないことも一因ではないかと推定される。このため本発明の保護層(C)中に、無機微粒子(C2)は隙間無く分布していることが好ましい。また、無機微粒子(C2)が薄く、均一に分布していることが好ましい。上記の均一性があまりに悪いと積層体の透明性にムラが生じることがあり、また無機微粒子(C2)が厚く分布し過ぎると、可視光線透過率が低下することがある。 【0069】 本発明の積層体およびそれを用いた上記の用途において、透明であるとは日本工業規格(JIS)R3106で決定される可視光線透過率が10〜98%であることを意味し、好ましくは20〜95%、更に好ましくは20〜90%である。 【0070】 (分析方法) 本発明における積層体の分析手法は以下の通りである。 積層体表面の原子組成は、オージェ電子分光法(AES)、蛍光X線法(XRF)、X線マイクロアナライシス法(XMA)、荷電粒子励起X線分析法(RBS)、X線光電子分光法(XPS)、真空紫外光電子分光法(UPS)、赤外吸収分光法(IR)、ラマン分光法、2次イオン質量分析法(SIMS)、低エネルギーイオン散乱分光法(ISS)等により測定できる。また、積層体中の原子組成及び膜厚は、X線光電子分光法(XPS)やオージェ電子分光法(AES)や2次イオン質量分析(SIMS)を深さ方向に実施することによって調べることができる。 積層体の構成及び各層の状態は断面の光学顕微鏡測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定、透過型電子顕微鏡測定(TEM)を用いて調べることができる。 【産業上の利用可能性】 【0071】 本発明の積層体およびディスプレイ用フィルターは、反応性欠陥の発生が極めて少ないので、従来に比して歩留まりが高く、すなわち高い生産性でPDPなどのディスプレイ用フィルターを提供することが出来る。また、生産性が高いことから安価に上記ディスプレイ用フィルターを提供することが出来る。また、経時的な反応性欠陥の発生が少ないことが予想されるので、極めて長期にわたって高い品位の映像を提供することが出来る。 本発明の積層体を用いた電磁波遮蔽フィルム、熱線反射フィルムは、水道水などと接触しても反応性欠陥の発生が少ない。このため、電磁波遮蔽機能や熱線反射機能を有する窓を従来一般的な水道水を用いる施工方法で製造しても、長期にわたって電磁波遮蔽性能、熱線反射性能に加えて視感性にも優れた窓を提供することが出来る。 これらの理由から、本発明の工業的意義は大きい。 【実施例】 【0072】 以下、実施例により本発明を説明する。実施例中、%とあるのは、特に断りなき限り重量%であり、部とあるのは重量部である。 【0073】 (実施例1) (1)(透明導電性薄膜積層体フィルムの形成) 図1に示した構成と同様の透明導電性薄膜積層体フィルムを作製した。すなわち、透明基体として、ポリエチレンテレフタレートフィルム〔厚さ75μm〕を使用し、その一方の主面に、直流マグネトロンスパッタリング法を用いて、インジウムとスズとの酸化物からなるITO薄膜層(透明高屈折率薄膜層)および銀薄膜層(透明金属薄膜層)を順次積層し、透明導電性薄膜積層体フィルムを得た。透明導電性薄膜積層体フィルムの構成は、透明フィルム基体(75μm)/ITO(40nm)/Ag(15nm)/ITO(80nm)/Ag(20nm)/ITO(80nm)/Ag(15nm)/ITO(80nm)であった。 ここで、ITO薄膜層の形成には、ターゲットとして、酸化インジウム・酸化スズ焼結体〔In2O3:SnO2=90:10(質量比)〕、スパッタリングガスとしてアルゴン・酸素混合ガス(全圧266mPa、酸素分圧5mPa)を用いた。また、銀薄膜層の形成には、ターゲットとして銀を用い、スパッタガスにはアルゴンガス(全圧266mPa)を用いた。 また各層の厚みは、製膜時間によって制御した。これは、あらかじめ各層の製膜条件と同一の条件で成膜速度を求めておくことで可能となる方法である。 【0074】 (2)(保護層の形成) バインダー材としてシリコーン樹脂(昭和電工製グラスレジン)、無機微粒子として酸化亜鉛/酸化アンチモン微粒子(日産化学製セルナックス)と溶剤としてイソプロピルアルコール(試薬用)を配合し、シリコーン樹脂3%、酸化亜鉛/酸化アンチモン微粒子3%の懸濁液を得た。(以下この様にして得られた懸濁液をコート液とする。) 得られたコート液を透明導電性薄膜積層体フィルムの最外層の透明高屈折率薄膜層上にマイクログラビアコート法により塗布し、120℃で1分間乾燥させ、膜厚0.2μmの保護層を形成し、積層体を得た。 【0075】 (3)(ディスプレイ用フィルターの組み立て) 図2に示した構成と同様のディスプレイフィルターを作製した。まず、上記の積層体の保護層20側の面に、厚み100μmの反射防止機能を有するフィルム(PET製)を、粘着剤(ベンゾトリアゾールを0.2%含有)により貼り合わせた。また、当該積層体の透明高分子フィルム基体の側と、透明支持基板として2mmのPMMA基板とを粘着剤を用いて貼り合わせた。さらに銀ペーストをスクリーン印刷して乾燥し、厚さ15μmの電極を形成し、ディスプレイ用フィルターとした。 【0076】 (4)(加速耐蝕試験) 以上のごとくして得られたディスプレイ用フィルターを、60℃、90%RHの高温高湿度処理装置内にセットし、24時間後、銀の凝集により生じる直径0.1mm以上の点状欠陥(反射性欠陥)の発生頻度を、目視および顕微鏡写真によって観察・測定した。 結果を表1に示した。 【0077】 【表1】
【0078】 (実施例2) 保護層の塗布・乾燥後の厚みを1μmとしたほかは、実施例1と同様にしてディスプレイ用光学フィルターを作製し、これについて同様に加速耐蝕試験を行った結果を表1に示した。 【0079】 (実施例3) コート液をバインダー材としてポリエステル樹脂、無機微粒子として酸化錫/酸化アンチモンからなるコート液(商品名:住友大阪セメント製スミセファイン)を用いたこと、保護層の厚みを0.1μmとした以外は実施例1と同様にしてディスプレイ用光学フィルターを作製し、これについて同様に加速耐蝕試験を行った結果を表1に示した。 【0080】 (実施例4) バインダー材をポリエステル樹脂(ユニチカ製エリーテル)、溶剤をトルエン(試薬用)としたコート液を用い、保護層の厚みを0.1μmとした以外は実施例1と同様にしてディスプレイ用光学フィルターの作製および加速耐蝕試験を行った。結果を表1に示した。 【0081】 (実施例5) バインダー材をウレタン樹脂(三井化学製オレスター)、溶剤をトルエン(試薬用)としたコート液を用い、保護層の厚みを0.1μmとした以外は実施例1と同様にしてディスプレイ用光学フィルターの作製および加速耐蝕試験を行った。結果を表1に示した。 【0082】 (比較例1) 保護層を形成する工程を行わなかったほかは、実施例1と同様にしてディスプレイ用光学フィルターを組み立て、これについて同様に加速耐蝕試験を行った結果を表1に示した。 【0083】 (比較例2) コート液中のシリコーン樹脂を3%、酸化亜鉛−アンチモン微粒子を0%としたほかは、実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを組み立て、これについて同様に加速耐蝕試験を行った結果を表1に示した 表1から明らかなように、ディスプレイ用フィルターを形成する場合、当該積層体フィルムの多層導電性金属積層薄膜に接する部分にバインダー材および無機微粒子からなる保護層を形成することにより、保護層を形成しない場合、バインダー材を単独で形成した場合に比べ、銀凝集による点状欠陥の発生頻度が大幅に低下していることが分かる。 【0084】 (実施例6) (1)(透明電磁波遮蔽フィルムの形成) 透明高分子フィルム基体として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔厚さ75μm〕を使用し、その一方の主面に、透明高屈折率薄膜層として、直流マグネトロンスパッタリング法を用いて、インジウムとスズとの酸化物からなるITO薄膜層、銀を含む透明導電性金属薄膜層として銀薄膜層を順次積層し、透明電磁波遮蔽フィルムを得た。透明電磁波遮蔽フィルムの構成は、PETフィルム(75μm)/ITO(40nm)/Ag(10nm)/ITO(80nm)/Ag(10nm)/ITO(80nm)/Ag(10nm)/ITO(80nm)であった。 上記構成における透明電磁波遮蔽フィルムの性能は、表面抵抗率が2Ω/□、電磁波遮蔽能(測定方法:アドバンテスト法)が42dB、放射率(JIS A 5759)が0.10、日射反射率(JIS A 5759)が32%であった。(注:左記の32%の単位は、日射反射率の単位である) ここで、ITO薄膜層の形成には、ターゲットとして、酸化インジウム・酸化スズ焼結体〔In2O3:SnO2=90:10(質量比)〕、スパッタリングガスとしてアルゴン ・酸素混合ガス(全圧266mPa、酸素分圧5mPa)を用いた。また、銀薄膜層の形成には、ターゲットとして銀を用い、スパッタリングガスにはアルゴンガス(全圧266mPa)を用いた。 (2)(保護層の形成) 実施例1と同様にして保護層を形成した。 (3)(粘着剤層およびハードコート層の形成) 粘着剤として、紫外線吸収剤を含有したアクリル系粘着剤(東洋インキ社製)を上記の保護層上に塗布し、80℃で2分乾燥させ、膜厚25μmの粘着剤層を形成した。 またハードコート剤として、アクリル系ハードコート剤(JSR社製)を上記粘着剤を塗布した面の反対側の面に塗布し、80℃で2分乾燥させ、UV照射により硬化させ、膜厚3μmのハードコート層を形成した。 (4)(窓試料の形成) まず、日本の市水道水500mlに界面活性剤を1ml混合した水貼り用の水を調製する。試作用ガラス基板(A4サイズ)と、上記の保護層、粘着剤層を付した透明電磁波遮蔽フィルムとを先述の作製した水で濡らし、これらを貼り合わせたものを形成し、透明電磁波遮蔽窓試料とした。 (5)(加速耐蝕試験) 以上のごとくして得られた透明電磁波遮蔽試料を、60℃、90%RHの高温高湿度処理装置内にセットし、24時間後、銀の凝集により生じる直径0.1mm以上の反射性欠陥発生密度を、顕微鏡写真によって観察・測定した。この値は、10サンプルの測定を行った平均値である。 結果を表2に示した。 【0085】 【表2】
【0086】 (実施例7) 保護層の塗布・乾燥後の厚みを1μmとしたほかは、実施例6と同様にして透明電磁波遮蔽フィルムを作製し、これについて同様に加速耐蝕試験を行った結果を表2に示した。 【0087】 (実施例8) コート液をバインダー材としてポリエステル樹脂、無機微粒子として酸化錫/酸化アンチモンからなるコート液(商品名:住友大阪セメント製スミセファイン)を用いたこと、保護層の厚みを0.1μmとした以外は実施例6と同様にして透明電磁波遮蔽フィルムを作製し、これについて同様に加速耐蝕試験を行った結果を表2に示した。 【0088】 (比較例3) 保護層を形成する工程を行わなかったほかは、実施例6と同様にして透明電磁波遮蔽フィルムを作製し、これについて同様に加速耐蝕試験を行った結果を表2に示した。 【0089】 (比較例4) コート液中のシリコーン樹脂を3%とし、酸化亜鉛−アンチモン微粒子を用いなかったほかは、実施例6と同様にしてディスプレイ用フィルターを組み立て、これについて同様に加速耐蝕試験を行った結果を表2に示した。 【0090】 表2から明らかなように、当該積層体フィルムの多層導電性金属積層薄膜に接する部分に無機微粒子を含む保護層を形成することにより、銀凝集による点状欠陥の発生頻度が大幅に少ない窓が得られることが分かる。 【図面の簡単な説明】 【0091】 図1は、本発明における透明導電性薄膜積層体フィルムの層構成の一例を示す図である。 図2は、電磁波遮蔽用ディスプレイ用光学フィルターの層構成の一例を示す断面図である。 図3は、本発明における窓用電磁波遮蔽フィルムの層構成の一例を示す図である。 図4は、本発明の窓の層構成の一例を示す断面図である。 (符号の説明) 10 積層体 13 透明高分子フィルム基体 15 銀を含む透明導電性金属薄膜層 17 透明高屈折率薄膜層 18 多層透明導電性薄膜層 20 保護層 30 反射防止機能を有するフィルム(反射防止フィルム) 30’ 防眩機能を有するフィルム(防眩性フィルム) 33 透明支持基板 40 ハードコート層 50 電極 60 ハードコート層 70 紫外線吸収剤を含む粘着剤層
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005887 【氏名又は名称】三井化学株式会社 【住所又は居所】東京都港区東新橋一丁目5番2号
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| 【出願日】 |
平成16年7月20日(2004.7.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−321746(P2005−321746A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月17日(2005.11.17) |
| 【出願番号】 |
特願2004−210902(P2004−210902) |
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