トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 インクリメンタルリニアスケールの位置情報カウント方式
【発明者】 【氏名】大音 久志
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】インクリメンタルリニアスケールで、通信により位置情報を伝達する通信方式においてZ相情報を含め伝達する事により、リニアスケールを接続する機器に対してZ相情報を利用可能な環境を提供する。

【解決手段】リニアスケール1の位置情報において位置カウンタ4では位置トラック2で位置信号を検出するごとに数値をアップ/ダウンさせる。またZ相トラック3によりZ相信号を検出するとその位置の位置カウンタ4の数値をZ相カウンタ5にコピーする。上記の位置カウンタ4とZ相カウンタ5の情報を通信により送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信による位置情報伝達を行うインクリメンタルリニアスケールにおいて、位置カウント情報の他にZ相の位置情報を伝達する機能を有する事を特徴とするインクリメンタルリニアスケールの位置情報通信方式。
【請求項2】
インクリメンタルリニアスケールにおいてZ相を検知するごとにZ相の位置情報に位置カウンタの値を保持しておく事によりZ相の位置情報を伝達する機能を有する請求項1に記載のインクリメンタルリニアスケールの位置情報通信方式。
【請求項3】
インクリメンタルリニアスケールにおいてZ相を検知するごとにZ相の位置情報のカウント値をリセットし、リニアスケールのパルスを検出するたびに数値のカウントをしていくことによる現在の位置とZ相の位置の相関を検知する事でZ相の位置情報を伝達するようにした請求項1に記載のインクリメンタルリニアスケールの位置情報通信方式。
【請求項4】
インクリメンタルリニアスケールにおいて電源投入してから最初のZ相を検知したかどうかの情報を伝達するようにした請求項2または請求項3に記載のインクリメンタルリニアスケールの位置情報通信方式。
【請求項5】
インクリメンタルリニアスケールにおいてZ相を検知した回数をカウントして通信により伝達するようにした請求項2または請求項3に記載のインクリメンタルリニアスケールの位置情報通信方式。
【請求項6】
リニアスケールの位置カウント情報を任意の場所でリセット可能にした請求項2または請求項3記載のインクリメンタルリニアスケールの位置情報通信方式。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーマットインクリメンタルリニアスケールにおけるZ相情報のカウント方法と通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリーエンコーダやリニアスケールから他の機器への位置情報伝達方法として以下に挙げる方式がある。
パルス波方式A相、B相、Z相信号をそれぞれ矩形波で送る。
sin波方式A相、B相信号の代わりにsin波、cos波をアナログ信号として送る、通信方式位置情報を数値に変換してシリアル通信により送信する。
この中でパルス波方式とsin波方式はA相、B相、Z相の信号それぞれに配線が必要となるが通信方式の場合は省配線で情報を伝達する事ができる。
通信方式の位置情報は通信方式に位置情報のカウンタを持たせてあり、エンコーダやリニアスケールの位置が変化して1つのパルスをカウントするとカウンタの数値を1つ変化させる。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平09−5114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ロータリーエンコーダの場合は回転盤上に設定したZ相のパルスを読むため1回転あたりZ相を1回検出するので位置情報のカウンタ値の上限を1周の分解能に設定して、Z相が通過するごとにカウント値をリセットし0にする。この場合にロータリーエンコーダのZ相の位置もカウンタの数値を見れば判断がつくのでカウンタは一つでよい。
【0004】
またアブソリュートリニアスケールの場合はリニアスケールの絶対位置情報を感知するため、位置情報のカウンタも1つでよい。
【0005】
しかしながら、インクリメンタルリニアスケールの場合はZ相の位置が任意の位置、設定間隔、個数で設定されるので、位置情報のカウンタ1つではZ相情報まで網羅する事ができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
インクリメンタルリニアスケールの通信方式において位置カウンタ以外にZ相情報を含むZ相カウンタを設定し通信フォーマットに反映しインクリメンタルリニアスケールを接続する機器にZ相情報も伝達する。
【発明の効果】
【0007】
インクリメンタルリニアスケールの位置情報通信方式によれば、インクリメンタルリニアスケールのZ相情報を伝達する事により、リニアスケールを使用する機器においてZ相信号を利用した制御である原点復帰やZ相通過タイミングのカウントやZ相間の位置カウント数値のチェック機能に利用する事が可能となる。
【0008】
Z相のカウント方法において、直前に通過したZ相での位置カウント値を保持しておいて現在の位置カウント値と併せて伝達する事により、各Z相間の位置カウント数を確認することが可能となり、Z相間の距離およびカウント数が既知である場合に検出したZ相間のカウント数と既知の距離が適合するかを比較する事で、位置カウンタの誤検出を判断する事が可能となる。
【0009】
またZ相の位置情報を通過するごとにZ相カウンタをリセットする方法では各Z相を基点としてZ相からの一定距離ごとに処理を変化させる処理に利用する事ができる。
【0010】
インクリメンタルリニアスケールにおいて電源を投入してから最初のZ相を検知したか否かを確認して通信により送信する事により、通信の受信先においてZ相カウント値がZ相を指し示す値であるかの判別をつける事ができる。これによりZ相カウント値を使用の可否の判断が可能となり、Z相カウント値の誤使用を防止する。
【0011】
Z相の通過をカウントする方法において、移動方向によりカウントアップや逆方向に動いた場合にカウントダウンするZ相検出回数カウンタを設けることにより、現在の位置がリニアスケールのどの部分にあるかを判断する事を可能としている。またZ相間の距離と位置カウント値との関係が既知である場合には数個先のZ相地点までの距離を算出することが可能となる。
【0012】
インクリメンタルリニアスケールでは起動時に位置カウンタ、Z相カウンタ、Z相検出回数カウンタの値が0となり、Z相検出フラグも未検出となる。インクリメンタルリニアスケールを設置した機器では機械的な原点(以下機械原点と表す)とリニアスケールを起動した場所が異なった場合は位置カウント値と機械原点からのカウント数に整合が取れなくなる。このカウンタリセットの機能により任意の位置で前述の位置カウンタ、Z相カウンタ、Z相検出回数カウンタを0とする事が可能となり、このカウンタリセットを機械原点で実施する事により、原点からの距離とインクリメンタルリニアスケールのカウント値の整合性が取れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本願発明は、インクリメンタルリニアスケールで位置トラックとZ相トラックを有しZ相の位置を検出する機能を持ち、通信による位置情報伝達においては、位置カウント値の他にZ相の位置情報であるZ相カウント値を伝達する機能を有している。
【実施例1】
【0014】
図1においてリニアスケール1は位置信号の検出を行う位置トラック2の他にZ相信号を検出するZ相トラック3を有し、検出した位置信号をカウントする位置カウンタ4とZ相信号発生時に位置カウンタの値を保持するZ相カウンタ5によりリニアスケール1の位置情報を保持する。リニアスケール1は通信機能により位置カウンタ4とZ相カウンタ5の情報を他の機器に送信する。図2に示すようにZ相カウンタ5ではZ相信号が通過した際のZ相検出タイミング7に同期して位置カウンタ4の位置カウント値を転送して次のZ相信号を検出するまで値を保持する。また図3および図4に示すように逆方向に動作して位置をカウントした際にも同様に次のZ相信号を検出するまでZ相カウンタ5はZ相カウント値を保持する。
【0015】
ここで、電源投入直後には位置管理ができないためにZ相信号が発生する位置を通過する前では、Z相カウンタ5の値が正しくZ相の位置を示さない。このため、図2および図4に示すように、Z相を一度通過したか否かを確認する判断を行い、最初のZ相検出タイミング7でZ相検出フラグ8に反映させる。これを通信により他の機器に伝達する事で通信を受けた機器はZ相の通過完了もしくは未完了を判断する。
【0016】
Z相トラック3に複数個のZ相を有する場合について次に示す。この場合に図2、および図4に示すようにZ相信号をカウントするZ相カウンタ5の値が何処のZ相信号を検出した際の情報かを判断するために、Z相検出回数カウンタ9でZ相検出タイミング7ごとにカウントを行う。
【0017】
また絶対位置を管理しないため、電源投入直後には位置カウンタ4の値を0としてカウントを行って位置情報を作成するが、取り付ける機器によっては機器の原点(機械原点)があり、機械原点でリニアスケールの位置カウント値が0となることが好ましい場合がある。このため図2および図4に示すように、起動後に位置カウント値のカウンタリセット10を行う機能を有し、スイッチやセンサーなどの入力により停止時にカウンタリセット10を行い位置カウンタ4、Z相カウンタ5、Z相検出フラグ8、Z相検出回数カウンタ9の状態を初期値に戻す。
【実施例2】
【0018】
以下、実施例2について、実施例1と異なる内容についてのみ述べる。
【0019】
図5に示すように位置信号のカウントを行う位置カウンタ4とZ相カウンタ5を有し、Z相カウンタ5は、位置信号を検出する毎にカウントを行いZ相カウンタ5に保持するとともに図6に示すようにZ相検出タイミング7に同期してZ相カウンタ5をリセットする。位置カウンタ4とZ相カウンタ5の各カウント値は通信により他の機器に伝達する。
【実施例3】
【0020】
図7にリニアスケール1から送信する通信データ11の実施例を示す。Z相検出フラグ8およびZ相検出回数カウンタ9の各情報はステータスフィールド12に格納し、位置カウンタ4およびZ相カウンタ5はデータフィールド13の中に格納し、一度に他の機器に対してシリアル送信する。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明のインクリメンタルリニアスケールの位置情報カウント方式は、インクリメンタルリニアスケールを使用する機器においてZ相情報を使用した制御などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1におけるZ相とZ相の位置と位置カウンタとの相関関係を示す説明図(進行方向+)
【図2】本発明の実施例1におけるZ相位置カウンタの時系列にそったカウント値の推移の説明図(進行方向+)
【図3】本発明の実施例1におけるZ相とZ相の位置と位置カウンタとの相関関係を示す説明図(進行方向−)
【図4】本発明の実施例1におけるZ相位置カウンタの時系列にそったカウント値の推移の説明図(進行方向−)
【図5】本発明の実施例2におけるZ相の位置とZ相位置カウンタとの相関関係を示す説明図
【図6】本発明の実施例2におけるZ相位置カウンタの時系列にそったカウント値の推移の説明図
【図7】本発明の実施例3におけるZ相位置情報を含むリニアスケール通信データにおけるフォーマットの説明図
【符号の説明】
【0023】
1 リニアスケール
2 位置トラック
3 Z相トラック
4 位置カウンタ
5 Z相カウンタ
6 位置カウント上限値
7 Z相検出タイミング
8 Z相検出フラグ
9 Z相検出回数カウンタ
10 カウンタリセット
11 通信データ
12 ステータスフィールド
13 データフィールド

【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成15年12月22日(2003.12.22)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−181171(P2005−181171A)
【公開日】 平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願番号】 特願2003−424143(P2003−424143)