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【発明の名称】 枠組足場の先行手摺
【発明者】 【氏名】神川 義幸
【住所又は居所】兵庫県明石市大久保町江井島1013番地の2 日工セック株式会社内

【要約】 【課題】構造がシンプルで、取り扱いやすい先行手摺を提供する。

【解決手段】先行手摺7は、隣接する建枠2に着脱自在に固定できる一対の手摺柱8と、該手摺柱8に一端を軸支して手摺柱8に沿って起立状態から内方向に傾倒可能としたリンク材16、16´と、該リンク材16、16´のそれぞれの遊端部に両端部を軸支した安全柵用の横棧9、9´とからなる。そして、隣接する建枠3間に手摺柱8を固定するとリンク材16、16´が手摺柱8に沿って起立状態となって安全柵用の横棧9、9´が水平に保持される。先行手摺7を上下に移動するときには、手摺柱8の一方の固定を解除して手で持ち上げると、リンク材16、16´が傾倒して手摺柱8間の距離を調整して手摺柱8を上下段の建枠2に移設できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建枠を上方向並びに水平方向に所望数配置して組み上げる枠組足場に設置する枠組足場の先行手摺であって、隣接する建枠に着脱自在に固定できる一対の手摺柱と、該手摺柱に一端を軸支して手摺柱に沿って起立状態から内方向に傾倒可能としたリンク材と、該リンク材のそれぞれの遊端部に両端部を軸支した安全柵用の横棧とからなり、隣接する建枠間に手摺柱を固定するとリンク材が手摺柱に沿って起立状態となって安全柵用の横棧を水平に保持する一方、手摺柱の片方を上下方向のいずれかに移動させると、手摺柱に軸支したリンク材が内方向に傾倒して手摺柱間の距離調整がなされて手摺柱を上下段の建枠に移設可能としたことを特徴とする枠組足場の先行手摺。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、土木、建築などの工事分野において、建築物の外壁などにそって設置する枠組足場の先行手摺に関する。
【背景技術】
【0002】
土木、建築の建設工事現場において、枠組足場の建枠を上方向、水平方向に所要数連結して枠組足場を構築して施工しているが、その組み立てや解体では作業員はその最上段の足場の上に乗ってその作業を行っている。
【0003】
ところが、最上段の足場には、その周囲に安全のための柱や手摺が無いことがあり、作業に恐怖感を憶えたり、転落などの危険性があった。そこで、その危険性を回避して安全に作業を行うことができるように、枠組足場の組み立て、或いは解体作業時においても、最上段の足場の周囲に常に手摺を先行させて設置することができる先行手摺が種々提案されている。
【0004】
本出願人も、手摺を建枠の上下段に昇降させる先行手摺として、手摺の支柱部を細長い箱枠状に形成し、この支柱部の上下位置に一対のガイドローラを軸着し、この一対のガイドローラによって建枠の脚柱を挟着して昇降摺動可能とすると共に、隣接する建枠の脚柱に装着した支柱部間に手摺の安全柵用の横桟を屈曲自在または伸縮自在に接続し、支柱部を上下に移動させると安全柵用の横桟が伸張して支柱部を上下段の建枠に移動できるようにした先行手摺を出願済みである。
【特許文献1】特願2003−111168号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の先行手摺の支柱部は建枠の脚柱を挟着して昇降摺動させるようにして取り扱いを便利にしているために、多数のガイドローラや特殊なストッパを備えていて構造が複雑で、かつ高価となるので、もう少し簡易な先行手摺も要望されていた。
【0006】
本発明は上記の点に鑑み、構造がシンプルで、取り扱いやすい枠組足場の先行手摺を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、建枠を上方向並びに水平方向に所望数配置して組み上げる枠組足場に設置する枠組足場の先行手摺であって、隣接する建枠に着脱自在に固定できる一対の手摺柱と、該手摺柱に一端を軸支して手摺柱に沿って起立状態から内方向に傾倒可能としたリンク材と、該リンク材のそれぞれの遊端部に両端部を軸支した安全柵用の横棧とからなり、隣接する建枠間に手摺柱を固定するとリンク材が手摺柱に沿って起立状態となって安全柵用の横棧を水平に保持する一方、手摺柱の片方を上下方向のいずれかに移動させると、手摺柱に軸支したリンク材が内方向に傾倒して手摺柱間の距離調整がなされて手摺柱を上下段の建枠に移設可能としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る枠組足場の先行手摺によれば、隣接する建枠に着脱自在に固定できる一対の手摺柱と、該手摺柱に一端を軸支して手摺柱に沿って起立状態から内方向に傾倒可能としたリンク材と、該リンク材のそれぞれの遊端部に両端部を軸支した安全柵用の横棧とからなり、隣接する建枠間に手摺柱を固定するとリンク材が手摺柱に沿って起立状態となって安全柵用の横棧を水平に保持する一方、手摺柱の片方を上下方向のいずれかに移動させると、手摺柱に軸支したリンク材が内方向に傾倒して手摺柱間の距離調整がなされて手摺柱を上下段の建枠に移設可能としたので、シンプルな構造となって軽量化が図れ、安全柵用の横棧を取り付けたままで作業員が手摺柱を手で持ち上げて上下段の建枠に簡単に移動でき、取り扱いも容易で先行手摺としては好適なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係わる枠組足場の先行手摺は、隣接する建枠に着脱自在に固定できる一対の手摺柱と、該手摺柱に一端を軸支して手摺柱に沿って起立状態から内方向に傾倒可能としたリンク材と、該リンク材のそれぞれの遊端部に両端部を軸支した安全柵用の横棧とからなる。そして、隣接する建枠間に手摺柱を固定するとリンク材が手摺柱に沿って起立状態となって安全柵用の横棧が水平に保持され、作業者の安全が確保される。
【0010】
そして、枠組足場を組み上げたり、或いは解体するときには、一対の手摺柱のうち何れか片方の手摺柱の固定を解除し、作業者がこの手摺柱を手に持って上下段の建枠へと移動させようとすると各手摺柱間の距離が変わっていくが、このとき、起立状態のリンク材が傾倒しながら安全柵用の横桟も傾いて手摺柱間の距離が調整され、横棧をそのまま取り外さずに手摺柱を上下段へ移動することができる。
【0011】
そして、上下段へ移動した手摺柱を建枠に固定した後、残る他方の手摺柱の固定を解除し、上下段へと移動させるようとすると各手摺柱間の距離は近づいていくことになるが、傾倒したリンク材が起立状態へと復帰するように回動して手摺柱間の距離が調整され、最終的に一対の手摺柱が上下段の建枠に固定されると、リンク材が起立状態となって安全柵用の横桟が水平に保持され、作業者の安全を確保できるものとなる。
【0012】
このように、上記先行手摺は、一対の手摺柱と、該手摺柱に軸支されて起立状態から内方向に傾倒可能としたリンク材と、該リンク材間に掛け渡した安全柵用の横棧とからなるシンプルな構造で、かつ軽量で、取り扱いも容易であって先行手摺としては好適である。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】
図中の1は建築現場などの周囲に設置される枠組足場であって、複数の建枠2を平行に立設し、各建枠2の脚柱3間に筋交い4を、横架材5間に足場板6をそれぞれ架設して組み上げている。7は枠組足場1に取り付けられる本発明の枠組足場の先行手摺であって、隣接する建枠2に取り付ける一対の手摺柱8と、これら手摺柱8間に掛け渡す安全柵用の横棧9、9´とからなる。
【0015】
前記手摺柱8は角柱状の柱材であって、その中間部側方に建枠2の横架材5へ係止させて支持固定するための固定手段である係止片10を突設していると共に、その下位側には建枠2の脚柱3を抱持してぐらつかないように固定するための固定手段である抱持具11を備えている。ここで、前記係止片10は、汎用の足場板6の両端部に備えている係止フックとほぼ同様の構造をしたものである。また、前記抱持具11は、図3に示すように、略U字形状の抱持片12と、該抱持片12に穿設した透孔13へ挿脱自在に備えたくさび14とからなるものであり、抱持片12にて建枠2の脚柱3を抱持した後、透孔13へくさび14を打ち込むことで抜け止めを行って固定するようにしている。
【0016】
また、手摺柱8の中間部側方には上下に間隔をおいて支持片15、15´を突設しており、各支持片15、15´にはそれぞれリンク材16、16´を回動自在に軸着している。前記各リンク材16、16´はほぼ同様の構造をしたものであって、手摺柱8よりも若干幅広の凹部を形成した断面略コ字形状の板材であるリンク材本体17、17´と、その基端部に固着した折曲形状の連結片18、18´、及び先端部に固着した取付片19、19´とから形成されている。
【0017】
そして、リンク材16、16´を起立状態にしたときには、図4に示すように、リンク材本体17、17´の凹部内に手摺柱8が嵌り込んで起立状態が保持されるようにしている一方、リンク材16、16´を内方向に回動して傾倒させたときには、図5に示すように、下位側のリンク材16´の連結片18´端部が手摺柱8の側面に当接し、略水平の状態で保持されるようにしており、その際には後述する中間リンク材20により、上位側のリンク材16も同様に略水平の状態で保持される構成としている。したがって、各リンク材16、16´の回動範囲は、何れも垂直の起立状態から内方向に傾倒して略水平位置までの範囲に規制されることとなる。
【0018】
また、リンク材16、16´先端部の取付片19、19´には安全柵用の横棧9、9´の一端部が回動自在に軸支されると共に、横棧9、9´の中間部同士を中間リンク材20にてリンク接続し、二段に掛け渡した横棧9、9´の傾斜角度を同調させるようにしている。
【0019】
また、前記取付片19、19´には、横棧9、9´の回動範囲を規制する回動規制体21、22を設けており、横棧9、9´の先端部が回動規制体21に当接することでリンク材本体17、17´が傾倒時に略水平に保持されるように規制していると共に、横棧9、9´の先端部が回動規制体22に当接することで横棧9、9´が水平状態に維持されるようにしたもので、手摺柱8、8´を上下段へ移動する際の横棧9、9´とリンク材16、16´との屈伸がスムーズに行われるように図っている。なお、リンク材本体17、17´が傾倒時に略水平に維持するのは、傾倒したリンク材本体17、17´が横棧9、9´に押されてスムーズに折りたたまれて起立状態となるようにするためであり、特に水平でなくともスムーズに折りたたみ可能な適宜角度に維持されれば良い。
【0020】
また、図5のように、リンク材16、16´と手摺柱8には互いに合致する凹凸部23、23´を形成しており、リンク材16、16´が起立したときに凹凸部23、23´が合致してリンク材16、16´の起立状態を軽く保持できるようにしている。また、手摺柱8には複数の取っ手24,25を取り付けており、手摺柱8を上下段に移動させる際の作業性の向上を図っている。
【0021】
しかして、枠組足場1を、例えば、上方へ組み上げていく場合には、図6に示すように、先ず、作業者が地上から門型形状に保持した先行手摺7を手で持ちながら、一段組み上げた足場の隣接する建枠2の各横架材5に先行手摺7の係止片10をそれぞれ係止させて支持固定すると共に、建枠2の脚柱3に抱持具11を抱持させて手摺柱8をぐらつきのないように固定して安全柵を形成する(a)。これによって、作業者は安全柵が設置されている状態で上段の足場板6上へと上がって作業が行える。
【0022】
そして、更にその上段にも足場を設置していく場合、先行手摺7の抱持具11をくさび止めしない状態でも係止片10によって十分固定された状態となっているので、作業者は足場板6上へと上がり、二段目の建枠2、筋交い4、足場板6を組み上げる(b)。続いて、先行手摺7の何れか片方の手摺柱8の係止片10による横架材5への固定を解除し、その手摺柱8の取っ手25、24を順次手にとって上方へ持ち上げいくと、リンク材16、16´が内方向へと傾倒すると共に、横棧9、9´は斜めに傾斜していく。そして、手摺柱8を上段の足場位置へ持ち上げて係止片10を上段の建枠2の横架材5へ係止させると、リンク材16、16´は略水平の状態で支持される(c)。
【0023】
続いて、他方の手摺柱8の係止片10による横架材5への固定を解除し、その手摺柱8の取っ手25、24を順次手にとって上方へ持ち上げいくと、傾倒したリンク材16、16´が上方へと押し上げられて起立状態となったところで係止片10を建枠6の横架材5へ係止させて支持固定する(d)。更にその上段にも足場を組み上げていくのであれば、上記と同様の作業を繰り返していく。なお、その上段に足場を組み上げないのであれば、抱持具11にくさび14を打ち込んで先行手摺7がぐらつかないように固定する。
【0024】
一方、枠組足場1を解体していく場合には、上記と逆の手順を行うことによって先行手摺7を一段ずつ下段へと順次降下させて解体していく。
【0025】
このように、本発明の先行手摺7は、建枠2に着脱自在に固定できる一対の手摺柱8と、該手摺柱8に一端を軸支して手摺柱8に沿って起立状態から内方向に傾倒可能としたリンク材16、16´と、該リンク材16、16´間に掛け渡した安全柵用の横棧9、9´とからなるので、構造がシンプルで低廉となり、かつ軽量であるので取り扱いやすくて作業性も良い。なお、リンク材16、16´は手摺柱8に二本ずつ形成したが、一本ずつでも良く、また、手摺柱8の片方のみにリンク材16、16´を取り付け、横棧9、9´の一端を前記リンク材16、16´に軸着すると共に、横桟9、9´の他端を他方の手摺柱に軸着するようにしても良いなどの種々の変形も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る先行手摺を枠組足場に設置した状態を示す正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の一部省略A−A断面拡大図である。
【図4】リンク材を起立させた状態を示す一部切り欠き拡大図である。
【図5】リンク材を略水平方向へ傾倒させた状態を示す一部切り欠き拡大図である。
【図6】本発明に係る先行手摺を使用して枠組足場を組み上げていく様子を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1…枠組足場 2…建枠
3…脚柱 4…筋交い
5…横架材 6…足場板
7…先行手摺 8…手摺柱
9、9´…横棧 10…係止片(固定手段)
11…抱持具(固定手段) 16、16´…リンク材
【出願人】 【識別番号】000226482
【氏名又は名称】日工株式会社
【住所又は居所】兵庫県明石市大久保町江井島1013番地の1
【識別番号】598104436
【氏名又は名称】日工セック株式会社
【住所又は居所】兵庫県明石市大久保町江井島1013番地の2
【出願日】 平成15年12月26日(2003.12.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−188159(P2005−188159A)
【公開日】 平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願番号】 特願2003−431689(P2003−431689)