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【発明の名称】 建築物の軒先構造
【発明者】 【氏名】舩木 元旦
【住所又は居所】神奈川県藤沢市湘南台1丁目1番地21 元旦ビューティ工業株式会社内

【要約】 【課題】軒先唐草という最小限の部材で軒先を納め、しかも、軒天井等の化粧まで仕上げることが可能な建築物の軒先構造を提供すること。

【解決手段】軒先唐草8は、下地1の軒先端部3cに取り付ける固定部8aと、固定部8aから延出し、外装材10の取付面6と略同一高さレベルで、軒先端部3cの外側に張り出る上面部8bと、外装材10軒先側の係止部10aが係止される被係止部8cと、上面部8b先端側下面から建築物の壁面7に向けて連続して延在して、端部8d1が壁面7付近もしくは壁面7にまで延びる化粧部8dを有し、この軒先唐草8における固定部8aを軒先端部3cに取り付け固定し、被係止部8cに外装材10軒先側の係止部10aを係止し、端部8d1が建築物の壁面7付近もしくは壁面7にまで延びている化粧部8dで軒天井部bを一体形成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の軒先に取り付けられる軒先唐草と、軒先唐草に係止する外装材によって構築される軒先構造において、
前記軒先唐草は、下地の軒先端部に取り付ける固定部と、固定部から延出し、外装材の取付面と略同一高さレベルで、下地の軒先端部の外側に張り出る上面部と、外装材軒先側の係止部が係止される被係止部と、上面部先端側下面から建築物の壁面に向けて連続して延在して、端部が建築物の壁面付近もしくは壁面にまで延びる化粧部を有し、
この軒先唐草における固定部を下地の軒先端部に取り付け固定し、被係止部に外装材軒先側の係止部を係止し、端部が建築物の壁面付近もしくは壁面にまで延びている化粧部で軒天井部を一体形成していることを特徴とする建築物の軒先構造。
【請求項2】
上面部と化粧部は、両部の先端側の交角が鋭角状の断面略横向きV字状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の建築物の軒先構造。
【請求項3】
化粧部下面の化粧面が略水平状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の建築物の軒先構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は建築物の軒先構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の軒先は、躯体や下地材等を覆うように形成され、その方法は、特許文献1のように、屋根の下地材等を覆うもの(軒先唐草と称される)や、さらに、特許文献2のように、幕板、水切り等の別部材を組み付けるもの等が存在する。
前者の場合、横葺屋根板の成形部等と係合する係合部と建築物の軒先に取り付けられる取付部と建築物の軒先を覆う垂下部を主構成としている。
さらに詳細には、固定部は、躯体あるいは下地材にビス止めするフラット状やL字状、あるいは下地材に嵌める略コ字状等で構成され、垂下部は躯体の形状に沿う階段状に形成されている。
後者の場合、前記軒先唐草に水切りや幕板をビス等の固着具で固定したものが提案されている。さらに、化粧を目的として、特許文献3のように、壁から支持材を持ち出し、軒天井等を設けることも行われている。
しかし、前者は、躯体の形状に沿わせるため、外観意匠が「階段状」にならざるを得ず、意匠性に乏しいものであった。
一方後者は、部品点数の増加が避けられず、施工に手間がかかるという問題があった。さらに壁から支持材等を持ち出すため、屋根工事とは別に行なわなければならないという問題もあった。
【特許文献1】特開平5−156766
【特許文献2】特開平7−317255
【特許文献3】特許3359734
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする課題は、第1には、軒先唐草という最小限の部材で軒先を納め、しかも、軒天井等の化粧まで仕上げることが可能な建築物の軒先構造を、第2には、さらに、先鋭状の軒先意匠に仕上げることが可能な建築物の軒先構造を、第3には、さらに、軒天井意匠を接続箇所がない水平状のデザインに仕上げることが可能な建築物の軒先構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前記した課題を達成するため、以下の構成にしたことを特徴とする。
1.建築物の軒先に取り付けられる軒先唐草と、軒先唐草に係止する外装材によって構築される軒先構造において、前記軒先唐草は、下地の軒先端部に取り付ける固定部と、固定部から延出し、外装材の取付面と略同一高さレベルで、下地の軒先端部の外側に張り出る上面部と、外装材軒先側の係止部が係止される被係止部と、上面部先端側下面から建築物の壁面に向けて連続して延在して、端部が建築物の壁面付近もしくは壁面にまで延びる化粧部を有し、この軒先唐草における固定部を下地の軒先端部に取り付け固定し、被係止部に外装材軒先側の係止部を係止し、端部が建築物の壁面付近もしくは壁面にまで延びている化粧部で軒天井部を一体形成していることを特徴とする。
本発明における下地は、木材製の躯体、鉄骨製の躯体、コンクリート製の躯体などの各種材料で構築される躯体、躯体上に配された垂木等の支持部材あるいは野地材等の下地材等をさし、軒先唐草を軒先端部に取り付け固定可能である全てのものが対象になる。
取付面は、外装材が吊子等の保持部材によって固定される箇所たとえば下地であり、また、垂木等の支持部材が存在する場合は、その垂木上面が取付面となる。
軒先唐草は、押し出し成形やロール成形によって成形された連続材すなわち通し材である。この唐草における上面部は、固定部から延出し、下地の軒先端の外側(軒先方向)に張り出し、前記取付面と略同一高さレベルになる面構成であればよく、上面部が下地表面と連続して連なるようになっていてもよいし、上面部が垂木等の支持部材上面と連続するものであってもよい。また、上面部には、外装材が葺かれても、外装材以外の金属板(化粧板等)が葺かれてもよいし、上面部をそのまま露出するものであってもよい。また、上面部が露出している場合、この上面部に雨水等の落とし口を形成し、上面部と化粧部とで形成される内部空間を前記落とし口と通じる樋部とするようにしてもよい。
固定部は、垂木等の上面に沿う形状あるいは躯体の軒先に沿う形状であってもよく、下地に沿う形状であるのが望ましい。また、固定部が躯体に沿う形状の場合、固定部と上面部間に、垂木や下地材等の厚さに相当する高さの立ち上げ部を介してもよい。この固定部の下地に対する固定は、ビス、ボルト(アンカー)等の固着具により行なわれるものであり、下地の材質に応じて適宜用いられる。
被係止部は、上面部の先端(外側)に設けてもよいし、上面部の途中あるいは固定部寄りもしくは固定部に設けるようにしてもよい。この被係止部と外装材軒先側の係止部との係止関係は、外装材の軒先側がめくれあがったりしないような係止状態が得られるものであればよい。
化粧部は、上面部先端側(先端あるいは先端近く)下面から建築物の壁面に向けて連続して延在して、端部が建築物の壁面付近もしくは壁面にまで延びる形態のものであればよく、また、その端部には壁面に取り付ける取付部を設けてもよい。この化粧部下面の化粧面は、直線状、段状、円弧状、その他の任意の形状であってもよい。
外装材は、溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼及び非鉄金属、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、銅板、アルミニウム合金板、鉛板、亜鉛板、チタニウム板などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、この外装材の裏面には、断熱、防火等の目的や要求に応じて、グラスウールやロックウールのシート、或いはポリエチレンフォーム等の樹脂発泡シートを裏貼りしていても良い。
2.前記した1において、上面部と化粧部は、両部の先端側の交角が鋭角状の断面略横向きV字状に形成されていることを特徴とする。
上面部と化粧部の交角は、軒先意匠に応じて適宜設定されることになる。たとえば、外装材の勾配が参考になる。
3.前記した1または2において、化粧部下面の化粧面が略水平状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
A.請求項1により、軒先唐草という最小限の部材で軒先を納め、しかも、軒天井等の化粧まで仕上げることができる。
したがって、従来の角張ったイメージを払拭し、任意の意匠に仕上げることができると共に軒天井の形成のための工事が不要である。
B.請求項2により、さらに、先鋭状の軒先意匠に仕上げることができる。
C.請求項3により、さらに、軒天井意匠を接続箇所がない水平状のデザインに仕上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1には本発明の建築物の軒先構造における実施の1形態として、横葺屋根の軒先構造を例示しており、下地1は、鉄骨2上の下地材3における下地材上面3aと、この下地材3の軒棟方向の溝部3b内の垂木4における垂木上面4aが、同じ高さレベルになるように配設することで、下地材上面3aおよび垂木上面4aを横葺屋根板10が敷設される敷設面5とすると共に、垂木上面4aを横葺屋根板10が取り付けられる取付面6として形成してある。この下地材3および垂木4は鉄骨2に固定具(図示セズ)で取り付け固定されている。
そして、壁面7から外側に張り出している下地材3の軒先端部3cには軒先唐草8を取り付け固定してある。
【0007】
軒先唐草8は、押し出し成形した一体成形品で、軒先端部3c上面に取り付けられる固定部8aと、固定部8aから外側に連続して延出し、取付面6と略同一高さレベルで、軒先端部3cの外側に張り出る上面部8bと、上面部8b先端に形成されて、横葺屋根板10軒先端の係止部が係止される被係止部8cと、上面部8b先端近く下面から壁面7に向けて連続して延在し、端部8d1が壁面7付近にまで延びる化粧部8dを有している。そして、上面部8bと化粧部8dは、両部の先端側の交角aが鋭角状の断面略横向きV字状に形成してあり、軒先端部3cに取り付け固定された状態で、上面部8bが取付面6に連続して横葺屋根板10の葺き勾配と同角度状を呈し、化粧部8d下面の化粧面8d2が略水平状になるように形成してある。
この軒先唐草8は、固定部8aを軒先端部3cの下地材上面3aにビス等の固着具9で取り付け固定し、壁面7近くまで延びている化粧部8d端部を軒先端部3cの下地材3下面に沿わせることで、下地材3の軒先端部3cを覆い隠して化粧し且つ軒天井部bを形成してある。
また、化粧部8d上面途中には延長部8eを棟方向に延出し、この上下に対向状の延長部8eと上面部8b下面との間に嵌合部8fを形成してある。この嵌合部8fは、軒先端部3cから外側に突出している垂木4の突出部分に嵌め付けてあり、垂木4との接続強度を強化してある。
【0008】
軒先唐草8に取り付けられる横葺屋根板10は、軒先端に係止部10aを下側に折り返して被係止部8cと係止可能に形成している。かかる横葺屋根板10は、係止部10aを被係止部8cに係止することで、軒先端側を軒先唐草8側に固定し、棟側端の被係合部10bを吊子11で保持し、吊子11をビス等の固着具12で垂木上面4aに止着することで、棟側端を取付面6に固定し、横葺屋根板10を軒先端部3cおよび固定部8aならびに上面部8b上に葺いてある。
この軒先側の横葺屋根板10の被係合部10bには水上側の横葺屋根板10の係合部10cを係合して葺いてある。
【0009】
図2には本発明の建築物の軒先構造における実施の1形態として、他の横葺屋根の軒先構造を例示しており、下地20は、コンクリート製の躯体21の軒先端部21aに軒先唐草23を取り付け固定してある。また、下地上面20aには下地材24を配設し、この下地材上面24aを横葺屋根板27が敷設されて取り付けられる取付面25として形成してある。
【0010】
軒先唐草23は、押し出し成形した一体成形品で、軒先端部21a上面に取り付けられる固定部23aと、固定部23aから外側に載せ部23bおよび立ち上げ部23cを経て連続して延出し、取付面25と略同一高さレベルで、軒先端部21aの外側に載せ部23bおよび立ち上げ部23cともども張り出る上面部23dと、上面部23d先端の垂下部23e下端に形成されて、横葺屋根板27軒先端の係止部27aが係止される被係止部23fと、立ち上げ部23c下端から壁面22に向けて連続して延在し、端部23g1が壁面22にまで延びる化粧部23gを有している。そして、上面部23bと化粧部23gは、両部の先端側の交角aが鋭角状の断面略横向きV字状に形成してあり、軒先端部21aに取り付け固定された状態で、上面部23dが取付面25に連続して横葺屋根板27の葺き勾配と同角度状を呈し、化粧部23g下面の化粧面23g2が略水平状になるように形成してある。立ち上げ部23cは、下地材24の厚さに相当する高さに形成することで、上面部23dが取付面25と同じ高さレベルになるようにしてある。
この軒先唐草23は、固定部23aを軒先端部上面21bにアンカーボルト等の固着具26で取り付け固定し、壁面22まで延びている化粧部23g端部の取付部23hを壁面22に固着具26で取り付けることで、軒先端部21aを覆い隠して化粧し且つ軒天井部bを形成してある。
また、固定部23aと化粧部23g間には梁部23iを設けることで、軒先唐草23自体の構造強度を向上してある。
【0011】
軒先唐草23に取り付けられる横葺屋根板27は、軒先端に係止部27aを内側に折り返して被係止部23fと係止可能に形成している。かかる横葺屋根板27は、係止部27aを被係止部23fに係止することで、軒先端側を軒先唐草23側に固定し、棟側端の被係合部27bを吊子28で保持し、吊子28をビス等の固着具29で下地材24に止着することで、棟側端を取付面25すなわち下地材上面24aに固定してある。また、載せ部23b上には、下地材24と同じ厚さの下地材30を載乗してビス等の固着具31で止着してあり、この下地材上面30aを経て上面部23bと下地材上面24aが略同一高さレベルに連続して連なるようにし、かかる下地材上面30a上にポリエチレンフォーム製裏貼り材32が裏貼りされた横葺屋根板27を葺いてある。
この軒先側の横葺屋根板27の被係合部27bには水上側の横葺屋根板27の係合部27cを係合して葺いてある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の建築物の軒先構造における実施の1形態として、横葺屋根の軒先構造を例示している縦断面図。
【図2】本発明の建築物の軒先構造における実施の1形態として、他の横葺屋根の軒先構造を例示している縦断面図。
【符号の説明】
【0013】
1、20 下地
2 鉄骨
3、24、30 下地材
3a、24a、30a 下地材上面
3b 溝部
3c、21a 軒先端部
4 垂木
4a 垂木上面
5 敷設面
6、25 取付面
7、22 壁面
8、23 軒先唐草
8a、23a 固定部
8b、23d 上面部
8c、23f 被係止部
8d、23g 化粧部
8d1、23g1 端部
8d2、23g2 化粧面
8e 延長部
8f 嵌合部
9、12、26、29、31 固着具
10、27 横葺屋根板(外装材)
10a、27a 係止部
10b、27b 被係合部
10c 係合部
11、28 吊子
21 躯体
21b 軒先端部上面
20a 下地上面
23b 載せ部
23c 立ち上げ部
23e 垂下部
23h 取付部
23i 梁部
27 横葺屋根板
27a 係止部
27b 被係合部
27c 係合部
32 裏貼り材
a 交角
b 軒天井部
【出願人】 【識別番号】000165505
【氏名又は名称】元旦ビューティ工業株式会社
【住所又は居所】神奈川県藤沢市湘南台1丁目1番地21
【出願日】 平成16年3月3日(2004.3.3)
【代理人】 【識別番号】100109955
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 貞行

【識別番号】100090619
【弁理士】
【氏名又は名称】長南 満輝男

【識別番号】100111785
【弁理士】
【氏名又は名称】石渡 英房

【識別番号】100127409
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 正道

【公開番号】 特開2005−248508(P2005−248508A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−58753(P2004−58753)