| 【発明の名称】 |
壁面緑化構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】増田 昌志 【住所又は居所】静岡県富士市吉原1丁目11番8号 マックストン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明によれば、限定された数の植物育成箱籠を、緑化を必要とする壁面の上辺に沿い並設し、同壁面を覆うように壁面緑化ネットを吊り下げる簡便なる工法にて、植物育成箱籠と壁面緑化ネットの協働により、容易且つ美麗に広面積の壁面緑化が図れ、有効に維持する壁面緑化構造を提供する。
【解決手段】植物育成マット1を空格子構造又は網目構造の植物育成箱籠2内に収容保持し、該植物育成箱籠2を被緑化壁9に取り付け、該植物育成箱籠2の下端から被緑化壁9の表面に沿い壁面緑化ネット10を吊設し、上記植物育成マット1から上記植物育成箱籠2の格子窓又は網目を通し成長した蔓性植物を該壁面緑化ネット10に絡ませ植物育成箱籠2直下の被緑化壁9の壁面を緑化する構成とした壁面緑化構造。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物育成マットを空格子構造又は網目構造の植物育成箱籠内に収容保持し、該植物育成箱籠を被緑化壁に取り付け、該植物育成箱籠の下端から被緑化壁の表面に沿い壁面緑化ネットを吊設し、上記植物育成マットから上記植物育成箱籠の格子窓又は網目を通し成長した蔓性植物を該壁面緑化ネットに絡ませ植物育成箱籠直下の被緑化壁の壁面を緑化する構成としたことを特徴とする壁面緑化構造。 【請求項2】 上記植物育成箱籠の底面に水受け樋を設けたことを特徴とする請求項1記載の壁面緑化構造。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は河川の擁壁や高速道路の防音壁、住宅外壁等の壁面緑化構造に関する。 【背景技術】 【0002】 特許文献1,2は網目構造の箱枠を被緑化壁の壁面の全面を覆うように複段に取り付け、該箱枠の外部から種子を混合した植生客土となる泥状物を吹き付けて箱枠内を満たし、種子の発芽成長により壁面の緑化を図る方法を提案している。 【0003】 他方特許文献3は植物根絡み用又は植物吸着用のシート又はボードで被緑化壁の壁面の全面を覆い、該シート又はボードの表面にスペーサーを介してネット(網状保護材)を張設し、地面から成長したヘデラ等の植物を上記シート又はボードに根絡み又は吸着させつつネットに伝わせ、シート又はボードとネット間の間隙に植物が這い上がるのを助長する緑化方法を提案している。 【0004】 【特許文献1】特開2000−120027号公報 【特許文献2】特開2000−139201号公報 【特許文献3】特開平11−89420号公報 【特許文献4】特許第2937876号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1,2の緑化方法は植物育成手段たる箱枠を被緑化壁の壁面の全面に複段に取り付け、該各箱枠の前面を緑化することによって壁面緑化を図らんとするものであり、広面積の壁面に対し多数の箱枠の取り付けを要し、作業の繁雑性とコストアップを招来する。 【0006】 同様に特許文献3の緑化方法は植物の地面からの這い上がりを助けるシート又はボードとネットを、緑化を図らんとする広面積の壁面の全面に多数取り付けねばならず、上記と同様、繁雑な作業とコストアップを招来する。 【0007】 又特許文献1,2の緑化方法においては、植生客土となる泥状物を吹き付けて箱枠内を満たす作業を要し、上記作業の繁雑性とコストアップを更に助長する。 【0008】 又特許文献1,2の緑化方法は箱枠前面を緑化し広面積の壁面の緑化を図る思想に基づいており、又特許文献3は地面から這い上がる蔓性植物の該這い上がりを助ける緑化方法であり、何れも壁面の上方から下方へ向け蔓性植物等を這わせて壁面緑化を図る方法としては適正に実施し難く、殊に特許文献1,2の緑化方法においては雨水により客土が浸食され流出する問題を有し、例えば河川等の護岸壁の緑化においては増水時に上記箱枠等が水面下に没し植生客土が洗い流されてしまい、同河川護岸壁の緑化としては実施不能である。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は植物育成マットを収容保持した複数の植物育成箱籠を、例えば被緑化壁の天端付近に沿い一列に並設し、該植物育成箱籠の下端から被緑化壁の表面に沿い壁面緑化ネットを吊設し、上記植物育成マットから上記植物育成箱籠を通し成長した蔓性植物を該壁面緑化ネットに絡ませ植物育成箱籠直下の被緑化壁の壁面を緑化する壁面緑化構造である。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、限定された数の植物育成箱籠を、緑化を必要とする壁面の上辺に沿い並設し、同壁面を覆うように壁面緑化ネットを吊り下げる簡便なる工法にて、植物育成箱籠と壁面緑化ネットの協働により、容易且つ美麗に広面積の壁面緑化が図れ、有効に維持することができる。 【0011】 殊に河川等の護岸壁の天端背後の地盤に植え込んだ蔓性植物を単に垂れ下げる方法を採った場合には、垂れ下げられた蔓性植物が増水時にまくれ上がったり、水流によって流されてしまう問題を有するが、本発明は上記壁面緑化ネットによって有効に解消し、且つ植物育成箱籠が河川の増水の影響を受けることがない。 【0012】 又雨水又は灌水装置から供給された水は植物育成箱籠内の植物育成マット内に浸透して蔓性植物に水分を与えつつ、余剰の水は植物育成箱籠の底面に設けた水受け樋に受容され、マットの保水効果を補助する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図9に基づき説明する。 【0014】 図1乃至図5に示すように、植物育成床材の器体として空格子構造又は網目構造の植物育成箱籠2を形成する。 【0015】 具体例として、金属線材等の線材3を格子組みして多数の格子窓を形成した空格子構造の上記植物育成箱籠2を形成する。又は各面を網材にて覆い網目構造の上記植物育成箱籠を形成する。該植物育成箱籠2は少なくとも上部側面と前面が上記空格子構造か網目構造を有し、格子窓又は網目を通し通気通水性を有する。 【0016】 上記植物育成箱籠2はフレーム4にて補強する。例えば植物育成箱籠2の前面と上部側面と背面に沿い延びるフレーム4を横方向に間隔を置いて配設する。 【0017】 他方上記植物育成箱籠2の下端、即ち下部側面に補強を兼ねる水受け樋5を配し、該水受け樋5を前面と背面の縦フレーム4の下端に螺子等にて取り付け支持する。 【0018】 上記水受け樋5は雨水又は灌水装置から供給され植物育成箱籠2内の植物育成マット1内を透水した余剰の水を受容しマット1による給水を助け、又水受け樋5の端部に導水路を設ける等して排水する。 【0019】 上記植物育成床材として、上記植物育成箱籠2内に有機質材を主材とする植物育成マット1を保有せしめる。該植物育成マット1の適性材として、例えば特許文献4にて提供され、ガーデンマットとして市販されているものを用いる。 【0020】 上記特許によって開示された植物育成マット1は、ココヤシ果皮のダストや小片、肥料等の混合した養根材6をココヤシ繊維(ヤシ殻繊維)の被覆体7で被覆し方形に圧縮成形しマット状にしたものであり、該マット1の一表面、即ち被覆体7の一表面に多数の凹所8を設け、該凹所8内に種や苗の植え付けが行える構造を有している。 【0021】 上記特許に係るマット1は主として屋上の緑化用の床材として開発されたものであり、マット1を屋上の床面に敷き詰め、その上に薄く客土を敷いて芝を育成し屋上緑化を図らんとしている。 【0022】 本発明においては一例として、上記構造の植物育成マット1を植物育成箱籠2内に保有せしめ植物育成床材として使用する。又は全体がヤシ殻繊維で圧縮成形され内部に種子や肥料等を保有せしめた植物育成マット1を用いる。又は透水性と根張り性の良好な木材粉砕物や木粉等の有機質材を主材とした植物育成マット1を使用する。 【0023】 図5に示すように、上記植物育成マット1を植物育成箱籠2の前面と背面側において複層に重ね、上下に複段にして同箱籠2内に収容保持する。又は単層の植物育成マット1を上下に複段にして同箱籠2内に収容保持する。 【0024】 図7,図8等に示すように、上記植物育成箱籠2の下端から壁面緑化ネット10を吊設する。該吊設手段として例えば図7に示すように、ネット10の上辺(上端)を吊り掛け具20を介して箱籠2の下端の線材3又は網材に引っ掛けて吊り掛けする。好ましくは箱籠2の背面下端(下辺)に吊り掛けする。 【0025】 又は図8に示すように、壁面緑化ネット10の上辺を押さえ板21で押さえつつ、例えば前記水受け樋5の側面との間に挟持し、螺子22等の締結具で取り付ける。好ましくは箱籠2の背面下端(下辺)、即ち水受け樋5の背面側の側面に押さえ板21で挟持しつつ取り付ける。 【0026】 図1,図2A,図2B,図2C、並びに図3,図4に示すように、上記植物育成箱籠2を被緑化壁9に取り付け、該植物育成箱籠2の下端から吊設した壁面緑化ネット10で被緑化壁9の表面を覆う。よって図6,図9に示すように、上記植物育成マット1から上記植物育成箱籠2の格子窓又は網目を通し成長した蔓性植物11を該壁面緑化ネット10に絡ませ植物育成箱籠2直下の被緑化壁9の壁面の緑化を図る。 【0027】 前記特許に係るマット1を使用した場合、植物11,19は養根材6内に根を張り成長する。 【0028】 上記植物育成箱籠2は図2Aに示すように、覆工ブロック等で覆工された河川23や陸上等の擁壁12上端の外側面、図示の例においては擁壁12上端のコンクリート製擁壁12′の外側面に同箱籠2の背面を添え、適当な取り付け手段で同コンクリート製擁壁12′に取り付ける。同様にして図1,図3に示す如く、複数の箱籠2を横方向に並設し、該各箱籠2から同箱籠2直下の擁壁12の壁面に沿い壁面緑化ネット10を垂設する。 【0029】 又図2Bに示すように、建物13の陸屋根の周囲に立ち上げたコンクリート製の手摺壁14に上記植物育成箱籠2を取り付ける。例えば上記と同様、該建物13の手摺壁14の外側面、即ち天端付近の外側面に該天端面に沿って上記箱籠2をその左右側面を密接させつつ並設するか、又は手摺壁14の天端面に各箱籠2を載設しつつ天端面に沿って並設し、該各箱籠2から同箱籠2直下の建物外壁15の外壁面に沿い壁面緑化ネット10を垂設する。 【0030】 又図2Cに示すように、高速道路の防音壁16の天端付近の内側面に上記植物育成箱籠2を取り付ける。例えば上記と同様、該防音壁16の天端付近の内側面に該天端面に沿って上記箱籠2を密接させつつ並設するか、又は防音壁16の天端面に各箱籠2を載設しつつ天端面に沿って並設し、該各箱籠2から同箱籠2直下の防音壁16の内壁面に沿い壁面緑化ネット10を垂設する。 【0031】 上記植物育成箱籠2を擁壁12′、手摺壁14、防音壁16の天端付近の側面に取り付ける手段として、図3,図4に示すように、各箱籠2の背面上端から吊り掛けアーム17を設け、該吊り掛けアーム17を各壁12′,14,16の天端に掛け止めし固定する。例えばアンカーボルト18により該壁に固定する。よって各箱籠2を壁の天端に吊設し、ひいては壁面緑化ネット10を壁の天端に吊設する。 【0032】 上記箱籠2は被緑化壁9の緑化を必要とする壁面の上辺に沿い複数並設するものであり、例えば擁壁12の途中、又は建物外壁の途中に並設することを妨げない。 【0033】 斯くして上記植物育成マット1から上記植物育成箱籠2の格子窓又は網目を通し成長した蔓性植物11を該壁面緑化ネット10に絡ませ植物育成箱籠2直下の被緑化壁9の壁面の緑化を図る。 【0034】 好ましくは、上記植物育成マット1から上記箱籠2の格子窓又は網目を通し成長した非蔓性植物19で植物育成箱籠2の前面を緑化し、更に植物育成マット1の下端から、即ち上記植物育成箱籠2の下端から格子窓又は網目を通し成長した蔓性植物11を該壁面緑化ネット10に絡ませ植物育成箱籠2直下の被緑化壁9の壁面の緑化を図る。 【0035】 好ましい例示として図9,図6に示すように、植物育成箱籠2の前面に面する植物育成マット1の前面に非蔓性植物19である芝種やパイングラスやハナツルソウの種又は苗を植え込み、同マット1から発芽した芝を格子窓又は網目を通し成長せしめ、同箱籠2前面を緑化する。同時に植物育成箱籠2の前面下端に面する植物育成マット1の前面下端にヘデラに代表される蔓性植物11の種子又は苗を植え込み、上記植物育成箱籠2前面の下端から格子窓又は網目を通し成長した蔓性植物11を該壁面緑化ネット10に絡ませ植物育成箱籠2直下の被緑化壁9の壁面の緑化を図る。 【0036】 再述すると、植物育成箱籠2の前面を緑化する非蔓性植物19と、壁面を緑化する蔓性植物11とを上下二段に植生せしめ、上下二段の緑化を図る。詳述すると、植物育成箱籠2の上側面から下端付近に亘って収納された植物育成マット1を非蔓性植物19の植生床とし、同箱籠2の下端に収納された植物育成マット1を蔓性植物11の植生床とする。 【0037】 上記植物育成箱籠2から垂れ下げた壁面緑化ネット10は、その要所を壁面にアンカー止め等にて点付け支持することを妨げない。又ネット10の下端にネットに重錘手段を取り付け、ネット10の壁面に沿う展開状態を適切に保持する。 【0038】 又ネット10として重量を富加するため正格子ネット、斜め格子ネット、亀甲編みネット等の金属ネットを用いる。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】植物育成箱籠を被緑化壁、代表例として河川の擁壁に取り付け、壁面緑化ネットを壁面に沿い展開した状態を示す斜視図。 【図2】Aは河川の擁壁に上記植物育成箱籠を取り付け、壁面緑化ネットを壁面に展開した状態を示す縦断面図、Bは建物の手摺壁に上記植物育成箱籠を取り付け、壁面緑化ネットを壁面に展開した状態を示す縦断面図、Cは高速道路の防音壁に上記植物育成箱籠を取り付け、壁面緑化ネットを壁面に展開した状態を示す縦断面図。 【図3】上記植物育成箱籠を壁の天端面に吊り掛けして並設した状態を示す平面図。 【図4】図3における縦断面図。 【図5】植物育成箱籠内に植物育成マットを収容保持した状態を示す縦断面図。 【図6】植物育成箱籠内の植物育成マットに蔓性植物と非蔓性植物を上下二段に植生せしめた場合を例示する縦断面図。 【図7】植物育成箱籠に対する植物育成ネットの吊設構造例を示す要部背面図。 【図8】植物育成箱籠に対する植物育成ネットの他の吊設構造例を示す要部背面図。 【図9】植物育成箱籠の前面緑化と壁面緑化ネットによる壁面緑化の状態を示す斜視図。 【符号の説明】 【0040】 1…植物育成マット、2…植物育成箱籠、3…線材、4…フレーム、5…水受け樋、6…養根材、7…被覆体、8…凹所、9…被緑化壁、10…壁面緑化ネット、11…蔓性植物、12,12′…擁壁、13…建物、14…手摺壁、15…建物外壁、16…防音壁、17…吊り掛けアーム、18…アンカーボルト、19…非蔓性植物、20…吊り掛け具、21…押さえ板、22…螺子、23…河川。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591281459 【氏名又は名称】マックストン株式会社 【住所又は居所】静岡県富士市吉原1丁目11番8号
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| 【出願日】 |
平成15年9月8日(2003.9.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070323 【弁理士】 【氏名又は名称】中畑 孝
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| 【公開番号】 |
特開2005−83041(P2005−83041A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月31日(2005.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願2003−315425(P2003−315425) |
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