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【発明の名称】 スチームアイロン
【発明者】 【氏名】八木 豊彦
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】瞬間的に増量スチームを発生させる機能を持ちつつ、通常スチームも多量に発生させ、また気化室内の水垢堆積を防止することができるスチームアイロンを提供する。

【解決手段】ヒータ2で加熱され複数のスチーム噴出穴5を有するベース1と、前記スチーム噴出穴5に連通すると共に通常スチームを発生させる第一気化室3と、同様に前記スチーム噴出穴5に連通すると共に瞬時に増量スチームを発生させる第二気化室4と、前記第一気化室3と前記第二気化室4に供給する水を貯えるタンク7とを備え、前記第二気化室4と前記第一気化室3とをスチーム通路14で連通させたもので、第二気化室4で瞬間的に発生した増量スチームの一部だけが第一気化室3に流れこむので、第一気化室3での余裕ができた気化能力分だけ通常のスチームの蒸気量を増やすことができるとともに、第一気化室3の水垢も外部に排出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータで加熱され複数のスチーム噴出穴を有するベースと、前記スチーム噴出穴に連通すると共に通常スチームを発生させる第一気化室と、同様に前記スチーム噴出穴に連通すると共に瞬時に増量スチームを発生させる第二気化室と、前記第一気化室と前記第二気化室に供給する水を貯えるタンクとを備え、前記第二気化室と前記第一気化室とをスチーム通路で連通させたスチームアイロン。
【請求項2】
スチーム通路の出口を第一気化室の底面より高い位置に配置した請求項1記載のスチームアイロン。
【請求項3】
第一気化室内に位置しタンクから給水される給水部の近傍にスチーム通路の出口を配した請求項1又は2記載のスチームアイロン。
【請求項4】
スチーム通路を第一気化室と第二気化室の間に設けた請求項1〜3のいずれか1項記載のスチームアイロン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等のしわ伸ばしに用いられるスチームアイロンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスチームアイロンで、特に、通常のスチームを噴出させる機能と瞬時に増量スチームを噴出させる機能を備えたものとして、ヒータにより加熱するベースに気化室を形成し、この気化室に水を供給する水を貯えるタンクの底にノズル部を設け、開閉装置により前記ノズル部を開閉して気化室への水の供給を制御し、通常スチームの噴出、停止を行うとともに、ポンプ装置によりタンク内の水を瞬時に供給して増量スチームを発生させるようにしたものがある。また、通常スチームと増量スチームのそれぞれ用に水を同一の水出口より前記気化室に供給するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−192399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、衣類のしわ伸ばしをより効率良く仕上げるために、ポンプ装置によりタンク内の水を瞬時に供給して増量スチームを発生させるものばかりでなく、通常のスチーム量も増やしたスチームアイロンが望まれている。そして、前記従来の構成では、タンク内の水は通常スチームの場合でも増量スチームの場合でも同一気化室内に供給され、通常スチームを噴出している状態で、増量スチームを使用しても水漏れしないように、それぞれの給水量がバランス良く設定されている。しかしながら、通常スチーム量を増やすために単純に給水量を増量し、同時に瞬間的な増量スチームを噴出させると、気化能力をうしない、熱水が外部に飛び出してしまうという課題があった。
【0004】
この課題を解決するために、継続してスチームを発生させる第一気化室と、瞬時に増量スチームを発生させる第二気化室を独立して形成することが考えられるが、この構成では、瞬間的な増量スチームによる内圧で気化室内部に堆積した水垢を外部に排出するというクリーニング効果が、第一気化室では得られないという課題がある。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、瞬間的に増量スチームを発生する機能を有しながら、通常スチームも多量に発生させることができると共に、気化室内の水垢堆積を防止できるスチームアイロンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明のスチームアイロンは、ヒータで加熱され複数のスチーム噴出穴を有するベースと、前記スチーム噴出穴に連通すると共に通常スチームを発生させる第一気化室と、同様に前記スチーム噴出穴に連通すると共に瞬時に増量スチームを発生させる第二気化室と、前記第一気化室と前記第二気化室に供給する水を貯えるタンクとを備え、前記第二気化室と前記第一気化室とをスチーム通路で連通させたもので、第二気化室で瞬間的に発生した増量スチームの一部だけが第一気化室に流れこむので、第一気化室での余裕ができた気化能力分だけ通常のスチームの蒸気量を増やすことができるとともに、第一気化室の水垢も外部に排出することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスチームアイロンは瞬間的に増量スチームを発生する機能を有しながら、通常スチームも多量に発生させることができると共に、気化室内の水垢堆積も防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、ヒータで加熱され複数のスチーム噴出穴を有するベースと、前記スチーム噴出穴に連通すると共に通常スチームを発生させる第一気化室と、同様に前記スチーム噴出穴に連通すると共に瞬時に増量スチームを発生させる第二気化室と、前記第一気化室と前記第二気化室に供給する水を貯えるタンクとを備え、前記第二気化室と前記第一気化室とをスチーム通路で連通させたもので、第二気化室で瞬間的に発生した増量スチームの一部だけが第一気化室に流れこむので、第一気化室での余裕ができた気化能力分だけ通常のスチームの蒸気量を増やすことができるとともに、第一気化室の水垢も外部に排出することができる。
【0009】
第2の発明は、特に第1の発明のスチーム通路の出口を第一気化室の底面より高い位置に配置したもので、通常スチーム発生時に第一気化室に溜まる熱水が、第二気化室に流れ込みにくくなり、第二気化室の温度低下を抑えるので、瞬間的な増量スチームを安定して発生させることができる。
【0010】
第3の発明は、特に第1又は第2の発明の第一気化室内に位置しタンクから給水される給水部の近傍にスチーム通路の出口を配したもので、水垢が堆積し易い給水部が掃除されるので、長年の使用においても安定してスチームを噴出できる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明のスチーム通路を第一気化室と第二気化室の間に設けたもので、第一気化室と第二気化室の間にスチーム通路による断熱層が形成され、第一気化室が温度低下しても、前記断熱層により第二気化室の温度が容易に奪われることが無いので、瞬間的な増量スチームを安定して発生させることができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるスチームアイロンの部分断面図、図2は、同スチームアイロンのタンクを外した状態での平面図、図3は、同スチームアイロンの組立ベースを示した平面図、図4は、同ベースの平面図、図5は、図4のA−A断面図である。
【0014】
図において、1はヒータ2により加熱されるベースで、略U字状のヒータ2が埋設されている。また、ベース1を上方より見てこのヒータ2の内側の後方には通常のスチームを発生させるための第一気化室3、前方には瞬間的に増量スチームを発生させるための第二気化室4が形成されている。ヒータ2の外側には複数のスチーム噴出穴5が設けられ、第一気化室3、第二気化室4にそれぞれ連通している。6はアルミ金属製の気化室蓋で第1、第2気化室3、4の上面を水密に覆っている。7は水を貯えるタンクで、アイロン本体8に着脱自在にとりつけている。
【0015】
このタンク7の底部にノズル9が配され、スチームダイヤル10の操作と連動して開閉棒11がノズル9の子穴を開閉し、タンク7内の水が第一気化室3のX部に滴下される。12はポンプ装置で操作ボタン13の上下動によりタンク7内の水が第二気化室4のY部に噴出するように構成している。14は第一気化室3と第二気化室4を連通するスチーム通路で、このスチーム通路14は第一気化室3と第二気化室4の境界に、即ち第一気化室3と第二気化室4との間に配置され、第一気化室3の出口15はタンク7の水が滴下するX部すなわち給水部に設けるとともに、出口15は、第一気化室3の底面3aより高い位置に設けている。
【0016】
以上のように構成されたスチームアイロンの作用、動作について、以下に説明する。
【0017】
まず、スチームダイヤル10を操作して開閉棒11でノズル9を開くと、タンク7内の水は導水路16、連結パッキン17を介して、第一気化室3のX部に滴下後、熱水まじりの蒸気からスチーム噴出穴5に達するまでには蒸気となり外部に噴出され、通常のスチームとしてアイロンかけを行うことができる。
【0018】
次にポンプ装置12の操作ボタン13を操作して、タンク7内の水を強制的に第二気化室4のY部に噴出すると、瞬間的に蒸気が発生し、その蒸気はヒータ2上に形成した通路18a、18bと、第一気化室3に連通されたスチーム通路14とに分散されて外部へ噴出し、増量スチームとして使用される。
【0019】
このとき第一気化室3には、第二気化室4で発生した増量スチームの一部だけが流れ込むので、第一気化室3の気化能力に余裕がうまれ、その分だけ第一気化室3への水の滴下量を増やすことができる。すなわち、通常スチームの蒸気量を増やすことが可能となる。
【0020】
また、第二気化室4で発生する蒸気の一部を第一気化室3へ導くスチーム通路14の出口15を第一気化室3の底面3aより高くしたことにより、第一気化室3に溜まる熱水が第二気化室4に流れ込みにくくなり、第二気化室4の温度低下を抑えるので、第二気化室4での瞬間的な増量スチーム発生を安定させることができる。
【0021】
また、スチーム通路14の出口15を第一気化室3の給水部(X部)近傍に設けたことにより、通常スチームの使用により水垢が堆積し易い給水部は、増量スチームで使用するたびに掃除されるので、長年の使用においても安定してスチームを噴出することができる。
【0022】
さらに、スチーム通路14を第一気化室3と第二気化室4の境界に配置したことにより、第一気化室3と第二気化室4の間に断熱層が形成され、頻繁な通常スチームの使用で第一気化室3が温度低下しても、それにより第二気化室4の温度が容易に奪われる事が無いので、瞬間的な増量スチームを安定して発生することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように、本発明にかかるスチームアイロンは、瞬間的に増量スチームを発生する機能を有しながら、通常スチーム噴出でも多量スチームを安定して発生させると共に、気化室内の水垢堆積を防止することができるもので、家庭用、業務用のスチームアイロンに広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスチームアイロンの要部断面図
【図2】同スチームアイロンのタンクを外した状態での平面図
【図3】同スチームアイロンの組立ベースの平面図
【図4】同スチームアイロンのベースの平面図
【図5】図4のA−A断面図
【符号の説明】
【0025】
1 ベース
2 ヒータ
3 第一気化室
4 第二気化室
5 スチーム噴出穴
7 タンク
14 スチーム通路
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年2月10日(2004.2.10)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−224272(P2005−224272A)
【公開日】 平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願番号】 特願2004−33174(P2004−33174)