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HRP測定方法及び大腸菌群測定方法。 - 特開2005−52075 | j-tokkyo
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【発明の名称】 HRP測定方法及び大腸菌群測定方法。
【発明者】 【氏名】高瀬 長武
【住所又は居所】東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会社明電舎内

【氏名】野瀬 勝利
【住所又は居所】東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会社明電舎内

【氏名】福岡 正芳
【住所又は居所】東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会社明電舎内

【要約】 【課題】低濃度のHRP及び大腸菌群を感度よく測定する。

【解決手段】化学発光基質と過酸化水素とp−ヨードフェノールとを含む測定試薬をHRPと反応させ、この反応時に測定された発光量に基づいてHRPの濃度を測定するHRPの測定方法において、化学発光基質を8-Amino-5-chloro-7-phenylpyrido(3,4-d)pyridazine-1,4(2H,3H)dioneとする。そして、HRPの測定結果に基づき大腸菌群を測定する。このとき発光量の測定時間は1〜30秒間とするとよい。尚、HRPの測定に際し、測定試薬にける化学発光基質の濃度は0.03〜0.06mmol/l、過酸化水素の濃度は0.25〜0.75mmol/l、p−ヨードフェノールの濃度は0.29〜0.35mmol/lにするとよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学発光基質と過酸化水素とp−ヨードフェノールとを含む測定試薬をHRPと反応させ、この反応時に測定された発光量に基づいてHRPの濃度を測定するHRPの測定方法において、化学発光基質は8-Amino-5-chloro-7-phenylpyrido(3,4-d)pyridazine-1,4(2H,3H)dioneであることを特徴とするHRP測定方法。
【請求項2】
前記測定試薬における化学発光基質の濃度を0.003〜0.006mmol/lとすることを特徴とする請求項1記載のHRP測定方法。
【請求項3】
前記測定試薬における過酸化水素の濃度を0.25〜0.75mmol/lとすることを特徴とする請求項1または2記載のHRP測定方法。
【請求項4】
前記測定試薬におけるp−ヨードフェノールの濃度を0.29〜0.35mmol/lとすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のHRP測定方法。
【請求項5】
試料中のHRP濃度を請求項1から5のいずれか1項に記載のHRP測定方法によって測定し、この測定結果に基づき大腸菌群を測定することを特徴とする大腸菌群測定方法。
【請求項6】
前記HRP測定における発光量の測定時間を1〜30秒間とすることを特徴とする請求項5記載の大腸菌群測定方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、化学発光反応を利用したHRP(西洋わさびペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase))の測定方法、そして測定に基づき大腸菌群を測定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図10は化学発光反応を利用した従来の大腸菌群の測定方法を説明した概略説明図である。この測定方法は4つの工程を有する。先ず、固相調製工程では(図10(1))、ポリエチレン製の試験管に第一抗体を入れて固相化する。次いで、第一反応工程では(図10(2))、前記固相化した試験管に予め超音波破砕した試料(抗原:大腸菌群)を加えて、特異的な反応(抗原抗体反応)を起こし、固相化抗体に抗原を結合する。次に、第二反応工程では(図10(3))、酵素を標識した抗体(第二抗体)を添加し、抗原抗体反応を行う。抗原抗体反応終了後、洗浄を行い、液相中に残留した酵素標識抗体を除去する(図10(4))。次に、化学発光反応工程では(図10(5))、前記試験管に化学測定試薬を加えて発光反応を起こす(図10(6))。発光量は標識酵素量に比例し、標識酵素量は抗原量(大腸菌群数)に比例するので、測定された発光量から間接的に大腸菌群数の定量が行なえる。このように、本測定法は、抗原が固相化抗体と酵素標識抗体に挟まれた形態となっているので、サンドイッチ法と呼ばれている。
【0003】
かかる測定法の化学発光工程では、ルミノール−過酸化水素系の化学発光法によって抗体への標識酵素である西洋わさびペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase以下、発明の詳細な説明においてHRPと称す)を定量している(特許文献1)。化学発光測定の実施例を図11に示した。かかる結果から明らかなように、本測定法によるHRP濃度の検出限界は1×10-11(mmol/l)程度であることがわかる。
【特許文献1】特開平6−169797号公報(段落番号(0008)〜(0017)及び図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記測定方法によるHRP濃度の検出限界は1×10-11(mmol/l)程度であり、これを大腸菌群数に換算すると概ね10000(個/ml)であるが、現場サイドにおいてはさらなる低濃度の大腸菌の検出が望まれている。
【0005】
しかしながら、ルミノールと過酸化水素とを用いた化学発光測定に基づくHRPの定量法では、10000(個/ml)以下である低濃度領域の大腸菌群数の測定が困難である。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は低濃度のHRP及び大腸菌群を感度よく測定するHRP測定方法及び大腸菌群測定方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明のHRP測定方法は、化学発光基質と過酸化水素とp−ヨードフェノールとを含む測定試薬をHRPと反応させ、この反応時に測定された発光量に基づいてHRPの濃度を測定するHRPの測定方法において、化学発光基質が8-Amino-5-chloro-7-phenylpyrido(3,4-d)pyridazine-1,4(2H,3H)dioneであることを特徴とする。
【0008】
本発明のHRP測定方法によれば、化学発光基質にルミノールを用いたHRP測定方法よりも高いSN比が得られるので、従来のHRP測定方法よりも感度良くHRPを測定することができる。
【0009】
特に、HRP濃度が1×10-14〜1×10-10mmol/lである領域におけるSN比が従来の測定方法と比べ顕著に高くなる。したがって、前記HRP濃度に対応した大腸菌群の測定を感度よく行なうことができる。例えば10000個/ml以下、より具体的には例えば1000〜10000個/mlの大腸菌群数を感度良く測定できる。このとき発光量の測定に際し、測定時間を1〜30秒間とすると、SN比は最大となり、より一層感度よく大腸菌群の測定が行なえる。
【0010】
また、HRPの測定に際し、測定試薬における化学発光基質の濃度は0.003〜0.006mmol/lとするとよく、特に0.005mmol/lに設定すればSN比は最大となる。さらに、前記測定試薬における過酸化水素の濃度は0.25〜0.75mmol/lとするとよく、特に0.50mmol/lに設定すればSN比は最大となる。また、前記測定試薬におけるp−ヨードフェノールの濃度は0.29〜0.35mmol/lとするとよく、特に0.30mmol/lに設定すればSN比は最大となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のHRP測定方法によれば、化学発光基質にルミノールを用いたHRP測定方法よりも高いSN比が得られるので、従来のHRP測定方法よりも感度良くHRPを測定することができる。特に、HRP濃度が10×10-14〜10×10-10mmol/lの領域におけるSN比が従来の方法と比べ顕著に高くなる。したがって、この濃度領域に対応する大腸菌群の測定が感度よく行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
(実施形態1)HRPの測定
発明者らは、ピリドピリダジン構造を有する化学発光基質8-Amino-5-chloro-7-phenylpyrido(3,4-d)pyridazine-1,4(2H,3H)dioneと過酸化水素とp−ヨードフェノールとを含有する測定試薬を用いた本発明のHRP測定方法の創出にあたり、先ず前記化学発光基質の測定試薬における最適な濃度の検討を行なった。ここでは、前記化学発光基質の濃度を変化させた測定試薬と既知濃度のHRP含有試料とを反応させて生じた発光反応をルミノメータ(HPD−8000(明電舎製))によって測定し、SN比を比較することで評価した。評価手順を以下に示した。
【0014】
1)測定試薬の調製 8-Amino-5-chloro-7-phenylpyrido(3,4-d)pyridazine-1,4(2H,3H)dione sodium salt(和光純薬工業製codeNo.120-04891,以下、実施の形態においてL−012と称す)と過酸化水素とp−ヨードフェノールとをトリス緩衝液(0.05mmol/l,pH7.5)において以下の濃度となるように調製して測定試薬を得た。
【0015】
L−012 0.002,0.005,0.01,0.05,0.1[mmol/l]
過酸化水素 0.5[mmol/l]
p−ヨードフェノール 0.182[mmol/l]
2)発光量の測定とその評価 既知濃度1×10-10[mol/l]のHRP含有試料0.1mlを前記調製した試薬1mlと反応させた後にルミノメータ(HPD−8000(明電舎製))によって30秒間発光量を測定した。そして、各測定値のSN比を比較した。表1に各L−012濃度に対するSN比を示した。
【0016】
【表1】


【0017】
また、図1にL−012濃度とSN比との関係を示した特性図を示した。かかる結果から明らかなように、L−012を用いた化学発光測定法に基づくHRP測定方法において、測定試薬におけるL−012の濃度は0.003〜0.006mmol/lとするのが適当であり、特に0.005(mmol/l)に設定するとSN比が最大となることが確認できる。
【0018】
次に、本発明のHRP測定方法に供される測定試薬に含まれる酸化剤である過酸化水素の最適な濃度について検討した。ここでは過酸化水素の濃度を変化させた測定試薬と既知濃度のHRPとを反応させて生じた発光反応をルミノメータ(HPD−8000(明電舎製))によって測定し、SN比を比較することで評価した。評価手順を以下に示した。
【0019】
1)測定試薬の調製 L−012と過酸化水素とp−ヨードフェノールとをトリス緩衝液(0.05mmol/l,pH7.5)において以下の濃度となるように調製して測定試薬を得た。
【0020】
L−012 0.005[mmol/l]
過酸化水素 0.05,0.1,0.25,0.5,1.0[mmol/l]
p−ヨードフェノール 0.182[mmol/l]
3)発光量の測定とその評価 既知濃度1×10-10[mol/l]のHRP含有試料0.1mlを前記調製した測定試薬1mlと反応させた後にルミノメータ(HPD−8000(明電舎製))によって30秒間発光量測定した。そして、各測定値のSN比を比較した。表2に各過酸化水素濃度に対するSN比を示した。
【0021】
【表2】


【0022】
また、図2に過酸化水素濃度とSN比との関係を示した特性図を示した。かかる結果から明らかなように、L−012を用いた化学発光測定法に基づくHRP測定方法において、測定試薬における過酸化水素の濃度は0.25〜0.75mmol/lとするのが適当であり、特に0.50(mmol/l)に設定するとSN比が最大となることが確認できる。
【0023】
次に、本発明のHRP測定方法に供される測定試薬に含まれるエンハンサーであるp−ヨードフェノールの最適な濃度について検討した。ここではp−ヨードフェノール濃度を変化させた測定試薬と既知濃度のHRPとを反応させて生じた発光反応をルミノメータ(HPD−8000(明電舎製))により測定し、SN比を比較することで評価した。評価手順を以下に示した。
【0024】
1)測定試薬の調製 L−012と過酸化水素とp−ヨードフェノールとをトリス緩衝液(0.05mmol/l,pH7.5)において以下の濃度となるように調製して測定試薬を得た。
【0025】
L−012 0.005[mmol/l]
過酸化水素 0.5[mmol/l]
p−ヨードフェノール 0.182,0.20,0.25,0.30,0.35[mmol/l]
3)発光量の測定とその評価 既知濃度1×10-10[mol/l]のHRP含有試料0.1mlを前記調製した測定試薬1mlと反応させた後にルミノメータ(HPD−8000(明電舎製))によって30秒間発光量測定した。そして、各測定値のSN比を比較した。表3に各p−ヨードフェノール濃度に対するSN比を示した。
【0026】
【表3】


【0027】
また、図3にp−ヨードフェノール濃度とSN比との関係を示した特性図を示した。かかる結果から明らかなように、L−012を用いた化学発光測定法に基づくHRP測定方法において、測定試薬におけるp−ヨードフェノールの濃度は0.29〜0.35mmol/lとするのが適当であり、特に0.30mmol/lに設定すればSN比が最大となることが確認できる。
【0028】
そして、以上のようにL−012と過酸化水素とp−ヨードフェノールの濃度を最適化したHRP測定法の測定性能をルミノール使用の従来法のものと比較した。評価手順を以下に示した。
【0029】
1)HRP含有試料の調製
0.1[mol/l]のリン酸緩衝液(pH6.0)によってHRP濃度が1.0×10-13,1.0×10-12,1.0×10-11,1.0×10-10[mol/l]となるようにHRP含有試料を調製した。
【0030】
2)測定試薬の調製
i)L−012含有測定試薬の調製 0.1[0.1mmol/l]のトリス緩衝液(pH7.5)において、L−012の濃度が0.005[mmol/l]、過酸化水素の濃度が0.5[mmol/l]、p−ヨードフェノールの濃度が0.3[mmol/l]となるように調製して測定試薬を得た。
【0031】
ii)ルミノール含有測定試薬の調製 0.1[mol/l]のトリス緩衝液(pH7.5)において、ルミノールの濃度が0.012[mmol/l]、過酸化水素の濃度が0.5[mmol/l]、p−ヨードフェノールの濃度が0.182[mmol/l]となるように調製して測定試薬を得た。
【0032】
3)発光量の測定とその評価
前記濃度のHRP含有試料と前記調製した測定試薬1mlとを反応させた後にルミノメータ(HPD−8000(明電舎製))によって5〜35秒間発光量測定し、SN比を比較した(ブランクは0.1mol/lリン酸緩衝液0.1ml)。表4に各測定試薬を使用したHRP濃度に対するSN比を示した。
【0033】
【表4】


【0034】
また、図4に本発明のHRP測定法と従来のHRP測定法におけるHRP濃度とSN比との関係を示した特性図を示した。かかる結果から明らかなように、化学発光基質にL−012を使用した本発明のHRP測定法によれば、ルミノールを使用した従来のHRP測定法における限界測定濃度の10分の1まで測定をでき、しかも高感度な測定が可能であることが確認できる。
【0035】
このように、化学発光基質と過酸化水素とp−ヨードフェノールとを含む測定試薬をHRPと反応させ、この反応時に測定された発光量に基づいてHRP濃度を測定するHRP測定方法において、化学発光基質に8-Amino-5-chloro-7-phenylpyrido(3,4-d)pyridazine-1,4(2H,3H)dioneを用いれば、従来のHRP測定方法よりも感度良くHRPを測定することができることが示された。そして、測定に際し、測定試薬における化学発光基質の濃度を0.03〜0.06mmol/l、過酸化水素の濃度を0.25〜0.75mmol/l、p−ヨードフェノールの濃度を0.29〜0.35mmol/lとすると、より一層の感度良くHRPを測定できることが示された。
【0036】
(実施形態2)大腸菌群の測定
次いで、HRP測定に基づく大腸菌測定方法における発光量測定時間の最適化の検討を行なった。化学発光法に基づく測定において、反応を開始してから発光量の時間的変化は測定系によって異なっており、測定時間の設定は測定感度へ影響を与えることがある。そこで、大腸菌群の測定における発光量測定時間を以下の試験で最適化した。試験手順を以下に示した。
【0037】
1)試料の調製 標準大腸菌JCM1649T株を培養または凍結保存したものを任意濃度に調製し超音波破砕処理して菌体群を拡散した。
【0038】
2)第一抗体の固相化 抗大腸菌ウサギ抗体F(ab’)2をポリスチレンチューブに固相化した。
【0039】
3)第二抗体の標識化 前記坑大腸菌ウサギ抗体F(ab’)にHRPを標識した。
【0040】
3)第一反応(抗原抗体反応) 前記ポリスチレンチューブに前記超音波破砕した試料を加えた後に室温にて60分間振とうした(200rpm)。
【0041】
4)第二反応(抗原抗体反応) 次いで、前記HRPを標識したF(ab’)を添加して室温にて30分間振とうした(200rpm)。
【0042】
5)洗浄 滅菌済み蒸留水で固相を洗浄した(4ml×5回)。
【0043】
6)発光量の測定 L−012含有測定試薬を投入後180秒間発光量の測定を行なった(明電舎製ルミノメータHPD−8000を使用)。尚、前記測定試薬の調製は図4係る実験での調製要領に基づいた。
【0044】
7)評価 30秒間隔のブランク(大腸菌群数 0[個/ml])と既知試料(標準大腸菌群数 100000[個/ml])の発光量の比からSN比を算出した。表5に各時間区分に対するSN比を示した。
【0045】
【表5】


【0046】
図5は測定時間と発光量との関係を示した特性図である。また、30秒間毎のブランクと既知試料の発光量の比から算出したSN比を図6に示した。図5及び図6に示された結果から明らかなように、L−012含有測定試薬を用いた大腸菌群数測定における発光量の測定時間は1〜30秒の発光積分量によって求めたSN比が最大となることが確認できる。
【0047】
上記試験においては測定時間1〜30秒間での発光積分量のSN比が最大ととなることがわかったが、以下の試験では所定測定間で得た大腸菌群数の検量線のSN比を比較した。試験手順は以下の通りである。
【0048】
1)試料の調製 標準大腸菌JCM1649T株を培養または凍結保存したものを所定濃度に調製し超音波破砕処理して菌体群を拡散した。尚、ここでは標準大腸菌群数が1000,10000,100000個/mlとなるように試料を調製した。
【0049】
2)第一抗体の固相化 抗大腸菌ウサギ抗体F(ab’)2をポリスチレンチューブに固相化した。
【0050】
3)第二抗体の標識化 前記坑大腸菌ウサギ抗体F(ab’)にHRPを標識した。
【0051】
3)第一反応(抗原抗体反応) 前記ポリスチレンチューブに前記調製した試料を加えた後に室温にて60分間振とうした(200rpm)。
【0052】
4)第二反応(抗原抗体反応) 次いで、前記HRPを標識したF(ab’)を添加して室温にて30分間振とうした(200rpm)。
【0053】
5)洗浄 滅菌済み蒸留水で固相を洗浄した(4ml×5回)。
【0054】
6)発光量の測定とその評価 前記試験管に測定試薬を投入後、1〜30、61〜90、121〜150秒間の発光積分量測定(明電舎製ルミノメータHPD−8000を使用)を行なった。そして、L−012含有測定試薬を用いた測定法とルミノール含有測定試薬を用いた測定法の前記30秒毎のSN比を比較した。尚、測定試薬の調製は図4係る実験での調製要領に基づいた。表6に各測定時間及び各大腸菌群数に対するSN比を示した。
【0055】
【表6】


【0056】
また、図7に各測定時間における大腸菌群数とSN比との関係を示した特性図を示した。かかる結果から明らかなように、若干ではあるが測定時間1〜30秒間での測定が大腸菌濃度の測定感度を向上させることがわかった。
【0057】
次に、これまで最適化した条件のL−012含有測定試薬を用いた大腸菌群測定方法と従来法であるルミノール含有測定試薬を用いた大腸菌群測定法の感度比較を行なった。試験手順を以下の通りである。
【0058】
1)試料の調製 標準大腸菌JCM1649T株を培養または凍結保存したものを所定濃度に調製し超音波破砕処理して菌体群を拡散した。尚、ここでは標準大腸菌群数が1000,10000,100000個/mlとなるように試料を調製した。
【0059】
2)第一抗体の固相化 抗大腸菌ウサギ抗体F(ab’)2をポリスチレンチューブに固相化した。
【0060】
3)第二抗体の標識化 前記坑大腸菌ウサギ抗体F(ab’)にHRPを標識した。
【0061】
3)第一反応(抗原抗体反応) 前記ポリスチレンチューブに前記調製した試料を加えた後に室温にて60分間振とうした(200rpm)。
【0062】
4)第二反応(抗原抗体反応) 次いで、前記HRPを標識したF(ab’)を添加して室温にて30分間振とうした(200rpm)。
【0063】
5)洗浄 滅菌済み蒸留水で固相を洗浄した(4ml×5回)。
【0064】
6)発光量の測定とその評価 測定試薬投入5秒後から30秒間の発光積分量を測定(明電舎製ルミノメータHPD−8000を使用)し、各測定値のSN比を算出した。そして、L−012含有測定試薬を用いた測定法とルミノール含有測定試薬を用いた測定法のSN比を比較した。尚、測定試薬の調製は図4係る実験での試薬調製に基づいた。表7に各大腸菌群数及び各測定試薬に対するSN比を示した。
【0065】
【表7】


【0066】
また、図8に各測定試薬における大腸菌群数とSN比との関係を示した特性図を示した。かかる結果から明らかなように、L−012含有測定試薬を用いた測定はルミノール含有測定試薬を用いた測定よりも若干ではあるが、低濃度の大腸菌測定を感度よく行なえることがわかる。したがって、大腸菌測定の高感度化が達成されたことが確認された。
【0067】
次に、下水処理場における二次処理水を試料した場合の従来法と本発明の大腸菌群測定法の測定性能を比較した。
【0068】
下水処理場においては処理水質レベルである1000〜10000個/ml程度の大腸菌群の測定能力が要求される。一方、合流式の下水処理場では、雨天時に流入水が増加し、処理能力以上となると簡易放流を行なう場合がある。これは最初沈殿池のみの処理を行なったものを塩素滅菌して放流するものである。このため、この処理水の大腸菌群数レベルは約10000〜100000個/mlと高くなる。大腸菌自動測定装置を使用した塩素注入制御を簡易処理水に応用する場合、簡易処理開始時に急激な水質の変動があるため、なるべく短時間での大腸菌群測定が求められることとなる。かかる背景からL−012含有測定試薬を用いた大腸菌群測定の短時間化を検討した。
【0069】
試験 免疫反応時間を第一反応20分、第二反応5分とし、ブランク(大腸菌0個/ml)と10000,100000,1000000個/mlに調製した標準大腸菌群含有試料をそれぞれL−012含有測定試薬、ルミノール含有測定試薬を用いて発光量を測定し、各測定値のSN比を求めて比較した。詳細な試験手順を以下に示した。
【0070】
1)試料の調製 標準大腸菌JCM1649T株を培養または凍結保存したものを所定濃度に調製し超音波破砕処理して菌体群を拡散した。尚、ここでは標準大腸菌群数が10000,100000,1000000個/mlとなるように試料を調製した。
【0071】
2)第一抗体の固相化 抗大腸菌ウサギ抗体F(ab’)2をポリスチレンチューブに固相化した。
【0072】
3)第二抗体の標識化 前記坑大腸菌ウサギ抗体F(ab’)にHRPを標識した。
【0073】
3)第一反応(抗原抗体反応) 前記ポリスチレンチューブに前記調製した試料を加えた後に室温にて20分間振とうした(200rpm)。
【0074】
4)第二反応(抗原抗体反応) 次いで、前記HRPを標識したF(ab’)を添加して室温にて5分間振とうした(200rpm)。
【0075】
5)洗浄 滅菌済み蒸留水で固相を洗浄した(4ml×5回)。
【0076】
6)発光量の測定と評価 測定試薬投入後30秒間の発光積分量を測定(明電舎製ルミノメータHPD−8000を使用)し、各測定値のSN比を算出した。そして、L−012含有測定試薬を用いた測定法とルミノール含有測定試薬を用いた測定法のSN比を比較した。尚、測定試薬の調製は図4係る実験での試薬調製に基づいた。表8に各大腸菌群数及び各測定試薬に対するSN比を示した。
【0077】
【表8】


【0078】
また、図9に各測定試薬における大腸菌群数とSN比との関係を示した特性図を示した。かかる結果から明らかなように、簡易処理水を対象とした大腸菌群の短時間測定を行なう場合でも、L−012含有測定試薬を用いた大腸菌群測定方法によれば、ルミノール含有測定試薬を用いた従来の大腸菌群測定方法よりも高感度な測定が可能であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】L−012濃度とS/N比との関係を示した特性図。
【図2】過酸化水素濃度とS/N比との関係を示した特性図。
【図3】p−ヨードフェノール濃度とS/N比との関係を示した特性図。
【図4】L−012を使用したHRP測定法とルミノールを使用したHRP測定法におけるHRP濃度とSN比との関係を示した特性図。
【図5】測定時間と発光量との関係を示した特性図。
【図6】30秒間毎にブランクと大腸菌群数100000個/mlの発光量の比から算出したSN比の変化を示した特性図。
【図7】各測定時間(1〜30秒,61〜90秒,121〜150秒)における大腸菌群数とSN比との関係を示した特性図。
【図8】各測定試薬(L−012使用,ルミノール使用)における大腸菌群数とSN比との関係を示した特性図。
【図9】各測定試薬(L−012使用,ルミノール使用)における大腸菌群数とSN比との関係を示した特性図。
【図10】化学発光反応を利用した従来の大腸菌群の測定方法を説明した概略説明図。
【図11】HRP濃度と発光量との関係を示した特性図。
【出願人】 【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
【住所又は居所】東京都品川区大崎2丁目1番17号
【出願日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【代理人】 【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛

【公開番号】 特開2005−52075(P2005−52075A)
【公開日】 平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願番号】 特願2003−286402(P2003−286402)