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【発明の名称】 インスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的に活性な化合物を同定するための方法
【発明者】 【氏名】ディーター ミュラー

【氏名】アマル ケイ. ムコパディエイ

【氏名】ジュディス ヴェッセルス

【要約】 【課題】勃起機能不全を処置する方法、勃起機能不全を処置するための医薬の提供、勃起機能不全の処置で有用な新規化合物を同定すること、このような化合物がこのような状態の処置において有効であるか否かを評価することを可能にする、信頼できるスクリーニング方法を提供すること。

【解決手段】インスリンレセプターの変化した発現で引き起こされる状態の処置のための薬学的に活性な化合物を同定するためのキットであって、以下:a)潜在的な薬学的に活性な化合物を投与された哺乳動物由来のサンプル中の、インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量のインビトロ分析の手段;ならびにb)該インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体の量の増加および/またはEx11−スプライス改変体の量の減少を引き起こす化合物を選択することを指示する、指示書を含む、キット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的に活性な化合物を同定するためのキットであって、該キットは、以下:
a)潜在的な薬学的に活性な化合物を投与された哺乳動物由来のサンプル中の、インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量をインビトロ分析するための手段;ならびに
b)該インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体の量の増加および/またはEx11−スプライス改変体の量の減少を引き起こす化合物を選択することを選択することを指示する、指示書
を含む、キット。
【請求項2】
請求項1に記載のキットであって、ここで、前記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量が、相対量または絶対量である、キット。
【請求項3】
請求項2に記載のキットであって、ここで、前記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量が、前記サンプル中の該Ex11−改変体の量またはGAPDHの量に対して、該Ex11−改変体の量を比較することによって決定される相対量である、キット。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの1項に記載のキットであって、ここで、前記インビトロ分析が、前記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体をコードする核酸の分析を含む、キット。
【請求項5】
請求項4に記載のキットであって、ここで、前記インビトロ分析が、前記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体をコードするmRNAの分析を含む、キット。
【請求項6】
請求項1〜5のうちの1項に記載のキットであって、ここで、前記インビトロ分析が、Ex11−スプライス改変体タンパク質および/またはEx11−スプライス改変体タンパク質の分析を含む、キット。
【請求項7】
請求項4〜6のうちの1項に記載のキットであって、ここで、前記分析が、PCR、RT−PCR、サザンブロット、ウエスタンブロット、もしくはノーザンブロット、または免疫結合アッセイを介して実行される、キット。
【請求項8】
請求項1〜7のうちの1項に記載のキットであって、ここで、前記哺乳動物がげっ歯類である、キット。
【請求項9】
前記げっ歯類がラットである、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
請求項1〜9のうちの1項に記載のキットであって、前記指示書は、前記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量を、前記潜在的な薬学的化合物の投与前に同じ哺乳動物において決定された同じスプライス改変体の量と比較することをさらに指示する、キット。
【請求項11】
インスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的組成物を調製するための方法であって、該方法は、以下:
a)請求項1〜10のうちの1項に従って、薬学的に活性な化合物を同定する工程;および
b)該化合物を薬学的に受容可能なキャリアと処方する工程
を包含する、方法。
【請求項12】
前記薬学的組成物が非経口投与のために処方される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記薬学的組成物が注射による投与のために処方される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記薬学的組成物が、局所投与のために処方される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記薬学的組成物が、経口投与のために処方される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記薬学的組成物が、投薬量単位形態で処方される、請求項11〜15のうちの1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、インスリンレセプターの変更された発現によって引き起こされる状態の処置のための、薬学的に活性な化合物を同定する方法に関する。本発明はさらに、インビトロのアッセイを使用する、哺乳動物における状態を診断する方法に関する。本発明はまた、インスリンレセプターの変更された発現によって引き起こされる状態の処置のための、薬学的組成物を調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
陰茎の勃起応答は、性的刺激に応答して首尾よい貫入および性交を可能にする、十分な硬さを増大および到達する能力に依存する。このプロセスは、同時の静脈閉塞と組み合わせた、陰茎海綿体および陰茎小動脈中の平滑筋細胞の弛緩の結果として生じ、陰茎海綿体における血液の保持をもたらす。非アドレナリン作用性の、非コリン作用性の神経伝達物質および血管作用性の物質は、平滑筋の緊張の局所的制御を媒介する。能動的な平滑筋の弛緩は、正常な勃起における中心的な段階であると考えられ、そして血管性インポテンスのほとんどの場合に存在する勃起機能不全に関与する重要な段階であり得る(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3を参照のこと)。
【0003】
勃起機能不全は、少なくとも50%の試みにおいて、性交に十分な勃起を一貫して獲得または維持できないこととして、定義される(例えば、非特許文献4を参照のこと)。現在、勃起機能不全は、患者の病歴または陰茎のプレチスモグラフィによって決定される。
【0004】
勃起機能不全の重要な危険因子の1つは、年齢であり、これは、一般に、性欲の減少と関連する(例えば、非特許文献5を参照のこと)。この状態において通常見出される問題は、陰茎腫脹の持続時間および程度の減少である。勃起機能不全は、しばしば、血管疾患(例えば、動脈硬化および高血圧)を同時に示すが、海綿体組織における変性性の超微細構造的な細胞変化もまた、勃起不全と関連することが公知である(例えば、非特許文献5、非特許文献6を参照のこと)。
【0005】
アンドロゲンは、男性の性的挙動(陰茎勃起を含む)のいくつかの局面に対する、主な刺激効果を有することが、長く知られてきた。性機能の低下した男性のアンドロゲン処置は、性的な関心および活動を回復することが示されている(例えば、非特許文献7、非特許文献8を参照のこと)。過去数年、いくつかの研究が、ラットの勃起応答に対する、去勢およびテストステロン置換の影響を調査してきた(例えば、非特許文献7を参照のこと)。陰茎において、アンドロゲンの枯渇は、平滑筋のアポトーシス、結合組織含量の相対的増加、および陰茎における機能の低下した弛緩能力を生じる(例えば、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11を参照のこと)。さらに、アンドロゲンは、ラットにおいて、NO誘導性の勃起活性に最も重要であることが示された(例えば、非特許文献12を参照のこと)。勃起のNO媒介性の刺激に関与する、主なアンドロゲンは、ジヒドロテストステロンである(例えば、非特許文献13、非特許文献14を参照のこと)。従って、加齢が関連する循環アンドロゲンレベルの低下は、加齢が関連する勃起機能不全に寄与し得る可能性があるが、その証拠は、これまでいまだ入手できていない。
【0006】
勃起機能に重要な関連性を有する別のホルモンは、インスリンであり、これは、血管平滑筋、血管内皮またはこれら両方のいずれかに関与する、多くの可能性のある機構によって引き起こされる血管拡張を誘導し得る(例えば、非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18を参照のこと)。インスリンは、過分極および減少したカルシウム流入によって、血管平滑筋に対する直接的な弛緩効果を有することが示されている。インスリンは、培養内皮細胞においてeNOSの発現を調節することによって、NOの生成を増加させ得ることがさらに示唆され、このことは、インスリンレセプターを介したNOSの活性化を示す(例えば、非特許文献19、非特許文献20を参照のこと)。従って、インスリンは、血管緊張を調節し得る。血管損傷から主に生じる、糖尿病に関連する勃起機能不全は、十分調査されている(例えば、非特許文献21、非特許文献22、非特許文献23を参照のこと)。
【0007】
勃起機能不全は、糖尿病に一般的であるので、勃起機能におけるインスリンの関与は、十分実証されている(例えば、非特許文献21、非特許文献24を参照のこと)。ラット陰茎の平滑筋細胞の、一酸化窒素制御された血管拡張および血管収縮の系における、インスリンの可能な役割はまた、インスリンをeNOSの活性化と関連させる大動脈内皮細胞におけるインスリンの血管拡張効果を実証することによって、提案されてきた(例えば、非特許文献19、非特許文献20、非特許文献25を参照のこと)。
【0008】
インスリンの生物学的効果は、膜糖タンパク質によって媒介され、この膜糖タンパク質は、インスリンを結合する2つの細胞外α−サブユニット、および2つの膜貫通β−サブユニットから構成され、細胞内のインスリン誘導性シグナルを伝達するための、固有のチロシンキナーゼ活性を保有する(例えば、非特許文献26、非特許文献27を参照のこと)。ヒトインスリンレセプターは、22個のエキソンからなり、これは、α−サブユニット(エキソ1〜11)およびβ−サブユニット(エキソン12〜22)をコードする(例えば、非特許文献28を参照のこと)。成熟インスリンレセプターは、2つのアイソフォームとして存在し、これらは、α−サブユニットのカルボキシ末端で12アミノ酸が存在するか存在しないかによって異なる。これらの2つのレセプターアイソフォームは、36塩基対のエキソン11の組織特異的な選択的スプライシングによって生成される(例えば、非特許文献29、非特許文献30、非特許文献31を参照のこと)。これら2つのスプライスアイソフォーム(Ex11/Ex11)の発現は、ヒト、ラットおよびサルにおいて、組織型に依存して変化する(例えば、非特許文献29、非特許文献30、非特許文献31、非特許文献32を参照のこと)。培養細胞中に発現された2つのインスリンレセプターは、異なる機能的特性を示す。エキソン11を欠くレセプター改変体(Ex11)は、エキソン11を含む改変体(Ex11)よりも、インスリンに対するより高い親和性(例えば、非特許文献34、非特許文献35を参照のこと)、およびより高い内部移行速度(例えば、非特許文献36を参照のこと)を示す。対照的に、Ex11アイソフォームは、より高いインスリン刺激されたチロシンキナーゼ活性を有する(例えば、非特許文献37を参照のこと)。
【0009】
レセプターの特性は、基本的にスプライシングによって影響されることが報告されている(例えば、非特許文献31、非特許文献32、非特許文献33を参照のこと)。一方では、Ex11は、増強されたレセプターの自己リン酸化およびレセプターの基質リン酸化を示し、この形態が、Ex11よりもより効率的にシグナル伝達することを示唆する(例えば、非特許文献37を参照のこと)。他方では、Ex11レセプタータンパク質は、インスリンに対するより高い親和性および増加した内部移行速度を示す(例えば、非特許文献34、非特許文献35、非特許文献36を参照のこと)。
【0010】
肝臓、筋肉および心臓におけるインスリンレセプターの発現に対する加齢の影響は、Vidalらによって分析された(例えば、非特許文献38を参照のこと)。この著者らは、加齢が、肝臓および心臓において、総インスリンレセプターmRNAレベルの有意な減少を誘導することを実証したが、筋肉については変更が記載されなかった。3つ全ての組織において、Ex11 mRNAの割合は、有意に減少した。Wiersmaらによる研究(例えば、非特許文献39を参照のこと)は、12月齢のラットが、肝臓、心臓および脛骨筋におけるEx11 mRNAの相対的発現の有意な減少によって特徴付けられたことを明らかにした(例えば、非特許文献39を参照のこと)。他方では、彼らは、加齢の影響が、Ex11 mRNAの改変なしに、これらの組織中のEx11 mRNAの絶対レベルの減少に一致することを示した。
【0011】
現在、勃起機能不全を処置するための医薬は、ほとんど存在しない。しかし、これらの医薬は、全ての患者において効果的であるわけではない。さらに、この化合物の副作用が、処置を必要とする多くの患者に対して、この化合物を使用することを不可能にしている。
【0012】
結果的に、勃起機能不全の処置において有用な新規化合物を同定する必要性がなお存在する。しかし、現在まで、化合物がこのような状態の処置において有効であるか否かを評価することを可能にする、信頼できるスクリーニング方法は存在しない。
【0013】
【非特許文献1】Andersson K−E,Wagner G.1995 Physiol Rev 75:191−236
【0014】
【非特許文献2】Lue T,Dahiya M.1997 Mol Urol 1:35−48
【0015】
【非特許文献3】Udelson D,Nehra A,Hatzichristou D,Azadoi A,Moreland RB,Krane RJ,Saenz de Tejada I,Goldstein I.1998 Int J Impot Res 10:15−24
【0016】
【非特許文献4】Fran E,Kaiser MD.1999 Med Clin North Am 83:1267−1278
【0017】
【非特許文献5】Monga M.1999 Geriatr Nephrol Urol 9:27−37
【0018】
【非特許文献6】Morgentaler A.1999 Lancet 354:1713−1718
【0019】
【非特許文献7】Mills TM,Dai Y,Stopper VS,Lewis RW.1999 Steroids 64:605−609
【0020】
【非特許文献8】Aversa A,Isidori AM,De Martino MU,Caprio M,Fabbrini E,Rocchietti−March M,Frajese G,Fabbri A.2000 Clin Endocinol 53:517−522
【0021】
【非特許文献9】Baskin LS,Sutherland RS,Di Sandro MJ,Hayward SW,Lipshultz J,Cunha GR.1997 J Urol 158:1113−1118
【0022】
【非特許文献10】Shabsigh R.1997 World J Urol 15:21−26
【0023】
【非特許文献11】TraishAT,Park K,Kim NN,Moreland RB,Goldstein I.1999 Endocrinology 140:1861−1868
【0024】
【非特許文献12】Reilly CM,Zamorano P,Stopper VS,Mills TM.1997 J Androl 18:110.115
【0025】
【非特許文献13】Lugg JA,Rajfer J,Gonzalez−Cadavid NF.1995 Endocrinology 136:1495−1501
【0026】
【非特許文献14】Schirar A,Bonnefond C,Meusnier C,Devinoy E.1997 Endocrinology 138:3093−3102
【0027】
【非特許文献15】Feener EP,King GL.1997 Lancet 350(suppl1):SI9−SI13
【0028】
【非特許文献16】Scherrer U,Sartorio C.1997 Circulation 96:4104−4113
【0029】
【非特許文献17】Baron AD,Brechtel−Hook C,Johnson A,CroninJ,Learning R,Steinberg HO.1996 Am J Physiol 271:E1067−E1072
【0030】
【非特許文献18】Yki−Jarvinen H,Utriainen T.1998 Diabetologia 41:369−379
【0031】
【非特許文献19】Zeng G,Quon MJ.1996 J Clin Invest 98:894−898
【0032】
【非特許文献20】Kuboki K,Jiang ZH,Takahara N,Ha SW,Igarashi M,Yamauchi T,Feener EP,Herbert TP,Rhodes CJ,King GL.2000 Circulation 101:676.681
【0033】
【非特許文献21】El−Rufaie OEF,Bener A, Abuzeid MSO,Ali TA.1097 J Psychosom Res 43:605−612
【0034】
【非特許文献22】McKendrick JD,Salas E,Dube GP Murat J,Russell JC,Radomski MW,1998 B J Urol 124:361−369
【0035】
【非特許文献23】Honing MLH,Morrison PJ,Banga JD,Stroes ESG,Rabelink TJ.1998 Diabetes Metab Rev 14:241−249
【0036】
【非特許文献24】Rehman J,Chenven E,Brink P,Peterson B,Walcott B,Wen YW,Melman A,Christ G.1997 Am J Physiol(Heart Circ Physiol 41):H1960−1971
【0037】
【非特許文献25】Kahn AM,Husid A,Allen JC,Seidel C,Song T.1997 Hypertension 30:928−933
【0038】
【非特許文献26】Rosen OM.1987 Science 237:1452−1458
【0039】
【非特許文献27】White MF,Kahn CR.1994 J Biol Chem 269:1−4
【0040】
【非特許文献28】Seino S,Seino M,Nishi S,Bell GI.1989 Proc Natl Acad Sci USA 86:114−118
【0041】
【非特許文献29】Seino S,Bell GI.1989 Biochem Biophys Res Commun 159:312−316
【0042】
【非特許文献30】Goldstein BJ,DudleyAL.1990 Mol Endocrinol 4:235−244
【0043】
【非特許文献31】Sugimoto K,Murakawa Y,Zhang W,Xu G,Sima AAF.2000 Diabetes/Metab Res Rev 16:354−363
【0044】
【非特許文献32】Moller DE,Yokota A,Caro JF,Flier JS.1989 Mol Endocrinol 3:1263−1269
【0045】
【非特許文献33】Huang Z,Bodkin NL,Ortmeyer HK,Hansen BC,Shuldiner AR.1994 J Clin Invest 14:1289−1296
【0046】
【非特許文献34】Mostaf L,Grako K,Dull TJ,Coussens L,Ullrich A,McClain DA.1990 EMBO J 9:2409−2413
【0047】
【非特許文献35】McClain DA.1991 Mol Endocrinol 5:734−739
【0048】
【非特許文献36】Kellerer M, Lammers R,Ermel B,Tippmer S,Vogt B,Obermaier−Kusser B,Ullrich A,Haring HU.1992 Biochemistry 13:4588−4598
【0049】
【非特許文献37】Yamaguchi Y,Flier JS,Yokota A,Benecke H,Backer JM,Moller DE.1991 Endocrinology 129:2058−2066
【0050】
【非特許文献38】Vidal H,Auboeuf D,Beylot M,Riou JP.1995 Diabetes 44:1196−1201
【0051】
【非特許文献39】Wiersma MML.Auboeuf D,Nieuwenhuizen−Bakker IM,Radder JK,Riou JP,Vidal H.1997.Am J Physiol 272:E607−E615
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0052】
従って、勃起機能不全を処置する方法、勃起機能不全を処置するための医薬を提供すること、勃起機能不全の処置において有用な新規化合物を同定すること、そしてこのような化合物がこのような状態の処置において有効であるか否かを評価することを可能にする、信頼できるスクリーニング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0053】
(発明の要旨)
この問題は、インスリンレセプターの変更された発現によって引き起こされる状態の処置のための、薬学的に活性な化合物を同定する方法によって解決され、この方法は、以下の工程:
a)可能性のある薬学的に活性な化合物を、哺乳動物に投与する工程;ならびに
b)続いて、この哺乳動物の陰茎組織におけるインスリンレセプターのEx11スプライス改変体および/またはEx11スプライス改変体の量をインビトロで分析する工程;ならびに
c)インスリンレセプターのEx11スプライス改変体の量の増加および/またはEx11スプライス改変体の量の減少を生じる化合物を選択する工程、を包含する。
【0054】
1つの局面において、本発明は、インスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的に活性な化合物を同定するためのキットであって、上記キットは、以下:
a)潜在的な薬学的に活性な化合物を投与された哺乳動物由来のサンプル中の、インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量をインビトロ分析するための手段;ならびに
b)上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体の量の増加および/またはEx11−スプライス改変体の量の減少を引き起こす化合物を選択することを選択することを指示する、指示書
を含む、キットを提供する。
【0055】
1つの実施形態において、上記状態が勃起機能不全である、上記のキットを提供する。
【0056】
1つの実施形態において、上記勃起機能不全が、急性勃起機能不全、病的状態の勃起機能不全、加齢依存性の勃起機能不全または勃起機能不全の疾病素質である、上記キットを提供する。
【0057】
1つの実施形態において、上記サンプルが、上記動物由来の陰茎組織サンプル、血液サンプルまたは血清サンプルである、上記キットを提供する。
【0058】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量が、相対量または絶対量である、上記キットを提供する。
【0059】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量が、上記サンプル中の上記Ex11−改変体の量またはGAPDHの量に対して、上記Ex11−改変体の量を比較することによって決定される相対量である、上記キットを提供する。
【0060】
1つの実施形態において、上記インビトロ分析が、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体をコードする核酸の分析を含む、上記キットを提供する。
【0061】
1つの実施形態において、上記インビトロ分析が、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体をコードするmRNAの分析を含む、上記キットを提供する。
【0062】
1つの実施形態において、上記インビトロ分析が、Ex11−スプライス改変体タンパク質および/またはEx11−スプライス改変体タンパク質の分析を含む、上記キットを提供する。
【0063】
1つの実施形態において、上記分析が、PCR、RT−PCR、サザンブロット、ウエスタンブロット、もしくはノーザンブロット、または免疫結合アッセイを介して実行される、上記キットを提供する。
【0064】
1つの実施形態において、上記哺乳動物がげっ歯類である、上記キットを提供する。
【0065】
1つの実施形態において、上記げっ歯類がラットである、上記キットを提供する。
【0066】
1つの実施形態において、上記指示書は、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量を、上記潜在的な薬学的化合物の投与前に同じ動物において決定された同じスプライス改変体の量と比較することをさらに指示する、上記キットを提供する。
【0067】
1つの局面において、インスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的組成物を調製するための方法であって、上記方法は、以下:
a)上記に従って、薬学的に活性な化合物を同定する工程;および
b)上記化合物を薬学的に受容可能なキャリアと処方する工程
を包含する、方法を提供する。
【0068】
1つの実施形態において、上記薬学的組成物が非経口投与のために処方される、上記方法を提供する。
【0069】
1つの実施形態において、上記薬学的組成物が注射による投与のために処方される、上記方法を提供する。
【0070】
1つの実施形態において、上記薬学的組成物が、局所投与のために処方される、上記方法を提供する。
【0071】
1つの実施形態において、上記薬学的組成物が、経口投与のために処方される、上記方法を提供する。
【0072】
1つの実施形態において、上記薬学的組成物が、投薬量単位形態で処方される、上記方法を提供する。
【0073】
1つの局面において、哺乳動物におけるインスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態を検出する方法であって、上記哺乳動物の陰茎組織におけるインスリンレセプタースプライス改変体の量をインビトロ分析する工程を包含する、方法を提供する。
【0074】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプタースプライス改変体が、Ex11−改変体および/またはEx11−改変体である、上記方法を提供する。
【0075】
1つの実施形態において、上記状態が勃起機能不全である、上記方法を提供する。
【0076】
1つの実施形態において、上記勃起機能不全が、急性勃起機能不全、加齢依存的勃起機能不全、または勃起機能不全に対する疾病素質である、上記方法を提供する。
【0077】
1つの実施形態において、上記哺乳動物から陰茎組織サンプル、血液サンプルまたは血清サンプルのようなサンプルを取り出す工程、ならびに上記サンプル中のインスリンレセプタースプライス改変体の量を分析する工程をさらに包含する、上記方法を提供する。
【0078】
1つの実施形態において、分析される上記インスリンレセプタースプライス改変体の量が、相対量または絶対量である、上記方法を提供する。
【0079】
1つの実施形態において、分析される上記インスリンレセプタースプライス改変体の量が、上記サンプル中の、Ex11−スプライス改変体の量またはGAPDHの量に対する、Ex11−スプライス改変体の量の比較によって決定される相対量である、上記方法を提供する。
【0080】
1つの実施形態において、インビトロ分析する工程が、インスリンレセプター改変体をコードする核酸の分析を含む、上記方法を提供する。
【0081】
1つの実施形態において、インビトロ分析する工程が、インスリンレセプター改変体をコードするmRNAの分析を含む、上記方法を提供する。
【0082】
1つの実施形態において、インビトロ分析する工程が、インスリンレセプタータンパク質の分析を含む、上記方法を提供する。
【0083】
1つの実施形態において、上記分析が、PCR、RT−PCR、サザンブロット、ウエスタンブロット、もしくはノーザンブロット、または免疫結合アッセイを介して実行される、上記方法を提供する。
【0084】
1つの実施形態において、上記哺乳動物がヒトである、上記方法を提供する。
【0085】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプタースプライス改変体の量を、上記状態に罹患していないコントロール哺乳動物のインスリンレセプタースプライス改変体の量と比較する工程をさらに包含する、上記方法を提供する。
【0086】
1つの局面において、インスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的に活性な化合物を同定するための方法であって、上記方法は、以下:
a)潜在的な、薬学的に活性な化合物を哺乳動物に投与する工程;
b)引続いて、上記哺乳動物由来の陰茎組織中のインスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量をインビトロ分析する工程;ならびに
c)上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体の量の増加および/またはEx11−スプライス改変体の量の減少を引き起こす化合物を選択する工程、
を包含する、方法を提供する。
【0087】
1つの実施形態において、上記状態が勃起機能不全である、上記方法を提供する。
【0088】
1つの実施形態において、上記勃起機能不全が、急性勃起機能不全、病的状態の勃起機能不全、加齢依存性の勃起機能不全または勃起機能不全の疾病素質である、上記方法を提供する。
【0089】
1つの実施形態において、上記動物から陰茎組織サンプル、血液サンプルまたは血清サンプルのようなサンプルを取り出す工程、ならびに上記サンプル中の上記Ex11−スプライス改変体および/または上記Ex11−スプライス改変体の量を分析する工程をさらに包含する、上記方法を提供する。
【0090】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量が、相対量または絶対量である、上記方法を提供する。
【0091】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量が、上記サンプル中の、上記Ex11−改変体の量またはGAPDHの量に対する、Ex11−改変体の量の比較によって決定される相対量である、上記方法を提供する。
【0092】
1つの実施形態において、上記インビトロ分析する工程が、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体をコードする核酸の分析を含む、上記方法を提供する。
【0093】
1つの実施形態において、上記インビトロ分析する工程が、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体をコードするmRNAの分析を含む、上記方法を提供する。
【0094】
1つの実施形態において、上記インビトロ分析する工程が、Ex11−スプライス改変体タンパク質および/またはEx11−スプライス改変体タンパク質の分析を含む、上記方法を提供する。
【0095】
1つの実施形態において、上記分析が、PCR、RT−PCR、サザンブロット、ウエスタンブロット、もしくはノーザンブロット、または免疫結合アッセイを介して実行される、上記方法を提供する。
【0096】
1つの実施形態において、上記哺乳動物がげっ歯類である、上記方法を提供する。
【0097】
1つの実施形態において、上記げっ歯類がラットである、上記方法を提供する。
【0098】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプターのEx11−スプライス改変体および/またはEx11−スプライス改変体の量を、上記潜在的な薬学的化合物の投与前に同じ動物において決定された同じスプライス改変体の量と比較する工程をさらに包含する、上記方法を提供する。
【0099】
1つの局面において、哺乳動物においてインスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の診断方法であって、上記哺乳動物の陰茎組織におけるインスリンレセプタースプライス改変体の量をインビトロ分析する工程を包含する、方法を提供する。
【0100】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプタースプライス改変体が、Ex11−改変体および/またはEx11−改変体である、上記方法を提供する。
【0101】
1つの実施形態において、上記状態が勃起機能不全である、上記方法を提供する。
【0102】
1つの実施形態において、上記勃起機能不全が、急性勃起機能不全、加齢依存的勃起機能不全、または勃起機能不全に対する疾病素質である、上記方法を提供する。
【0103】
1つの実施形態において、上記哺乳動物から陰茎組織サンプル、血液サンプルまたは血清サンプルのようなサンプルを取り出す工程、ならびに上記サンプル中のインスリンレセプタースプライス改変体の量を分析する工程をさらに包含する、上記方法を提供する。
【0104】
1つの実施形態において、分析される上記インスリンレセプタースプライス改変体の量が、相対量または絶対量である、上記方法を提供する。
【0105】
1つの実施形態において、分析される上記インスリンレセプタースプライス改変体の量が、上記サンプル中の、Ex11−スプライス改変体の量またはGAPDHの量に対する、Ex11−スプライス改変体の量の比較によって決定される相対量である、上記方法を提供する。
【0106】
1つの実施形態において、インビトロ分析する工程が、インスリンレセプター改変体をコードする核酸の分析を含む、上記方法を提供する。
【0107】
1つの実施形態において、インビトロ分析する工程が、インスリンレセプター改変体をコードするmRNAの分析を含む、上記方法を提供する。
【0108】
1つの実施形態において、インビトロ分析する工程が、インスリンレセプタータンパク質の分析を含む、上記方法を提供する。
【0109】
1つの実施形態において、ここで、上記分析が、PCR、RT−PCR、サザンブロット、ウエスタンブロット、もしくはノーザンブロット、または免疫結合アッセイを介して実行される、上記方法を提供する。
【0110】
1つの実施形態において、上記上記哺乳動物がヒトである、上記方法を提供する。
【0111】
1つの実施形態において、上記インスリンレセプタースプライス改変体の量を、上記状態に罹患していないコントロール哺乳動物のインスリンレセプタースプライス改変体の量と比較する工程をさらに包含する、上記方法を提供する。
【発明の効果】
【0112】
本発明により、勃起機能不全を処置する方法、勃起機能不全を処置するための医薬、勃起機能不全の処置において有用な新規化合物の同定、このような化合物がこのような状態の処置において有効であるか否かを評価することを可能にする、信頼できるスクリーニング方法などが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0113】
驚くべきことに、現在、加齢の間の、陰茎組織におけるインスリンレセプターmRNAのスプライシング機構の変更が、本質的に、去勢された若齢の被験体における変更と一致することが見出された。このことは、観察されたスプライシングパターンを逆にする薬学的に活性な化合物の能力によって、このような状態の処置において有用な化合物を同定する、改善された可能性を提供する。
【0114】
本出願において、用語「Ex11改変体」は、その配列内にエキソン11を含むインスリンレセプターのスプライス改変体をいうために使用される。本明細書中で使用される場合、エキソン11は、インスリンレセプタータンパク質のα−サブユニットのC末端部分をコードするエキソンを定義する。哺乳動物において、エキソン11は、12アミノ酸をコードする36bpのフラグメントを含む。
【0115】
用語「Ex11改変体」は、本発明に従って使用されて、その配列内にエキソン11を欠くインスリンレセプターのスプライス改変体をいう。
【0116】
本発明の好ましい実施形態において、インスリンレセプターの変更された発現によって引き起こされる状態は、勃起機能不全である。本発明の文脈において、勃起機能不全は、急性勃起機能不全、病理学的状態、加齢依存性の勃起機能不全、または勃起機能不全の素因であり得る。
【0117】
本明細書中で使用される場合、勃起機能不全は、勃起の障害、すなわち、陰茎が、性的刺激に応答して首尾よい貫入のための十分な硬さを増大および到達するか、または維持する能力がないことを定義する。この機能障不全は、一次的(すなわち、恒久的な)機能不全または二次的機能不全(すなわち、別個の状況において同時に生じる機能不全)であり得る。
【0118】
勃起機能不全はまた、動脈の(aterial)異常に起因する組織の不十分な血液供給のような器官的原因;海綿体の不十分な遮断(例えば、筋細胞変性による)、神経学的疾患(例えば、手術の結果としての神経の機械的損傷);またはホルモン障害(例えば、テストステロンの枯渇など)に起因し得る。本明細書中で使用される場合、年齢依存性の勃起機能不全は、その発症が、哺乳動物の加齢に関連する勃起機能不全である。
【0119】
本発明において使用される場合、勃起機能不全の素因とは、哺乳動物の生理学的状態および遺伝的状態をいい、これは、上記のような勃起機能不全または勃起機能不全に関連する症状の発症の危険性を示す。
【0120】
本発明のさらなる実施形態において、サンプル(例えば、陰茎組織サンプル、血液または血清)は、哺乳動物から採取される。サンプルを採取し、そして、インスリンレセプターのEx11スプライス改変体および/またはEx11スプライス改変体の量を続いて分析する。レセプタータンパク質またはそれをコードする核酸を細胞から放出するため、サンプルの細胞を、当業者に公知の方法によって溶解させ得る。これらの方法としては、例えば、溶解酵素または界面活性剤(SDSなど)の細胞サンプルへの添加、ならびに超音波処理または凍結および引き続く解凍によって細胞を破壊することが挙げられる。本発明に従って、サンプルとして、直接陰茎組織を取り巻く血液または血清を使用することもまた可能であり得る。
【0121】
分析されるべきインスリンレセプターのEx11スプライス改変体および/またはEx11スプライス改変体の量は、相対量または絶対量であり得る。本明細書中で使用される場合、インスリンレセプタースプライス改変体の絶対量とは、規定されたサンプル単位(例えば、μg当たり)で検出されるような、この分子の数または重量をいう。分子数は、定量的検出方法(例えば、当業者に公知のRT−PCRまたは分光測定など)から推測され得る。サンプル単位は、mgまたはmlのような、測定の標準的なIUPAC単位によって規定され得る。
【0122】
本発明に従って、インスリンレセプタースプライス改変体の相対量は、同じかまたは異なるサンプル由来の、内部コントロールとして使用される第二の分子の量に対して、分子の量を分析することによって決定され得る。
【0123】
この目的のために、同時検出は、インスリンレセプタースプライス改変体の検出に使用される条件と同じ条件下で実行され得る。組織サンプルを使用する場合、同時検出は、細胞において構成的に発現される参照分子に関し得る。同時検出に適切な分子は、当該分野で周知であり、そしてとりわけ、グロブリンをコードするmRNAを含む。特に好ましい実施形態において、インスリンレセプターのEx11スプライス改変体および/またはEx11スプライス改変体の相対量は、Ex11スプライス改変体の量を、インスリンレセプターのEx11スプライス改変体の量、または酵素(グリセリンアルデヒド−3−ホスフェート−デヒドロゲナーゼ(GAPDH))の量と比較することによって、決定される。好ましくは、これら両方は、インスリンスプライス改変体に使用される方法と同じ方法を使用して検出される。
【0124】
本発明のさらなる実施形態において、インスリンレセプターのEx11スプライス改変体および/またはEx11スプライス改変体の量をインビトロで分析する工程は、Ex11スプライス改変体および/またはEx11スプライス改変体コード核酸の分析を包含し得る。好ましくは、分析する工程は、Ex11スプライス改変体および/またはEx11スプライス改変体をコードするmRNAの量の決定を包含する。あるいは、分析する工程は、Ex11スプライス改変体タンパク質および/またはEx11スプライス改変体タンパク質の量の決定を包含する。
【0125】
検出される分子の性質に依存して、分析する工程は、PCRもしくはRT−PCRのような核酸増幅、または異なるスプライス改変体を特異的に検出し得るプローブを使用するサザンブロット、ウエスタンブロット、もしくはノーザンブロットのようなブロット法を包含し得る。分析する工程はさらに、当業者に公知の免疫結合アッセイを包含し得る。例えば、Ex11改変体を特異的に検出するために、エキソン11によってコードされた12アミノ酸フラグメントに対するモノクローナル抗体が産生され得、そしてフルオレセイン−イソチオシアネートのような色素に結合され得る。検出に適した基質に抗体を結合させるための多くの方法は、当該分野で利用可能である。
【0126】
もちろん、スプライス改変体を単離し、そしてクロマトグラフ的測定または分光学的測定により(例えば、NMR分光法またはHPLCによって)改変体の相対量または絶対量を分析する手順によって、インスリンレセプタースプライス改変体を検出および単離することもまた、可能である。このような検出に適した方法は、当業者に周知である。
【0127】
本発明に従って、薬学的に潜在的に活性な化合物が投与される哺乳動物は、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、またはモルモット)であり得る。好ましくは、げっ歯類は、ラットである。
【0128】
本発明のさらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物を同定するための方法は、インスリンレセプターのEx11スプライス改変体および/またはEx11スプライス改変体の量を、薬学的に潜在的に活性な化合物の投与の前に同じ哺乳動物において決定された同じインスリンレセプタースプライス改変体の量と比較する工程をさらに包含する。潜在的に活性な化合物の投与の前および後に、特定のインスリンレセプタースプライス改変体の量を比較することは、この化合物が、罹患した哺乳動物における上記スプライス改変体の量を増加および/または減少させ得るか否かに関する直接的な評価を可能にする。
【0129】
本発明は、インスリンレセプターの変更された発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的組成物を調製するための方法にさらに関し、この方法は、以下:
a)本発明の方法に従って薬学的に活性な化合物を同定する工程;および
b)上記化合物を薬学的に受容可能なキャリアと混合する工程、
を包含する。
【0130】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、例えば、薬物投与に適する、溶媒、分散媒体、コーティング剤および吸収遅延剤を含む。本発明に従って、水、生理食塩水、プロピレングリコール、グリセリン、リンガー液、デキストロース溶液、ヒト血清アルブミンを含む溶液、ならびに不揮発性油が、適切なキャリアとして使用され得る。これらのキャリアの使用は、当業者に周知である。
【0131】
本発明の1つの実施形態に従って、薬学的組成物は、非経口投与のために処方される。例えば、この組成物は、注射による投与のために処方され得る。注射用途に適切な組成物は、一般的に、滅菌水溶液または分散剤を含む。静脈内適用のために、適切なキャリアは、静菌水、またはリン酸緩衝化生理食塩水を含む。この組成物は、微生物の増殖を防止するための薬剤をさらに含み得る。
【0132】
あるいは、薬学的組成物は、局所投与について処方され得る。これらの組成物は、通常、界面活性剤のような浸透剤または活性化合物が通過すべき障壁(例えば、皮膚の経皮障壁)を通って浸透するのを可能にするのに有用な他の物質を含む。局所投与のために、薬学的組成物は、標準的な方法に従って、軟膏(ointment)、軟膏(salve)、ゲルまたはクリームの形態で処方され得る。
【0133】
他方、薬学的組成物は、経口投与のために処方され得る。これらの組成物は、一般に、不活性または食用のキャリアを含む。経口投与のための組成物は、例えば、錠剤、丸剤、またはカプセルの形態で提供され得る。
【0134】
本発明の好ましい実施形態に従って、薬学的組成物は、投薬単位形態で処方される。
【0135】
本明細書中で使用される場合、「投薬単位形態」は、処置される哺乳動物のための単位投薬量として適した物理的に別々の単位に関する。1単位は、所望の治療効果を生成するために十分な所定の量の薬学的組成物を含む。単位投薬形態に寄与する所定の活性化合物の正確な量は、特定の化合物ならびに使用されるキャリアに明確に依存する。
【0136】
本発明はさらに、哺乳動物中のインスリンレセプターの変更された発現によって引き起こされる状態の診断の方法に関し、この方法は、この哺乳動物の陰茎組織におけるインスリンレセプタースプライス改変体の量をインビトロで分析する工程を包含する。
【0137】
本発明の好ましい実施形態において、陰茎組織において決定されるインスリンレセプタースプライス改変体は、Ex11改変体および/またはEx11改変体である。
【0138】
診断される状態は、勃起機能不全であり得る。好ましくは、これは、急性、加齢依存性、または勃起機能不全の素因である。
【0139】
この診断方法はさらに、哺乳動物からサンプル(例えば、陰茎組織サンプル、血液サンプルまたは血清サンプル)を取り出す工程、およびサンプル中のインスリンスプライス改変体の量を分析する工程を包含する。
【0140】
分析されるインスリンレセプタースプライス改変体の量は、相対量または絶対量であり得る。好ましい実施形態に従って、分析されるインスリンレセプタースプライス改変体の量は、サンプル中のEx11スプライス改変体の量の、Ex11スプライス改変体の量またはGAPDHの量に対する比較によって決定される相対量である。
【0141】
上記の方法と同様に、分析は、インスリンレセプター改変体をコードする核酸(例えば、インスリンレセプター改変体をコードするmRNA)の分析ならびにPCR、RT−PCR、サザンブロット、ウエスタンブロット、もしくはノーザンブロットまたは免疫結合アッセイによるインスリンレセプタータンパク質の分析を包含し得る。
【0142】
本発明に従って、診断が適用される哺乳動物は、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトであり得る。
【0143】
本発明の代替的な実施形態に従って、哺乳動物において決定されたインスリンレセプタースプライス改変体の量は、勃起機能不全に罹患していないコントロール哺乳動物のインスリンレセプタースプライス改変体の量と比較される。加齢依存性勃起機能不全を検出するために、コントロール哺乳動物が有利に使用され、これは、診断されるべき哺乳動物よりも若い。好ましくは、その生物学的種に関して、コントロール哺乳動物は、実質的に最大の性活動が予測され得る年齢であるべきである。診断がヒトに適用されるべき限り、コントロール哺乳動物は、好ましくは、18〜25歳の間であるべきである。
【0144】
本発明の過程において、Ex11改変体は、若年ラット(3か月齢)において主に発現されるが、Ex11改変体は、23か月の老年ラット中に最も豊富な改変体を示すことが示された(図2a)。さらに、この変更は、心臓、肝臓または筋肉のような他の組織において観察され得ないため、陰茎組織に特異的であることが示された(図3)。本質的に同じ発現パターンが、若年去勢ラット(3か月)について見出された。
【0145】
加齢および去勢から生じるスプライス改変体の相対的分布における変化は、陰茎特異的影響であるので、この変化は、陰茎組織の低下したインスリン感受性の原因となり、局所的なインスリン耐性を生じ、それにより、勃起機能不全を発症する。従って、インスリンレセプターmRNAスプライシングの特定のパターンは、スプライス改変体の1つまたは両方を検出し得るインビトロアッセイを使用して、哺乳動物における勃起機能不全を診断する可能性、およびインスリンレセプターの変更された発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的に活性な化合物を同定する可能性を提供する。
【0146】
本発明は、インスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的に活性な化合物を同定する方法に関する。本発明はさらに、インビトロアッセイを用いて哺乳動物の状態を診断する方法に関する。本発明はまた、インスリンレセプターの変化した発現によって引き起こされる状態の処置のための薬学的組成物を調製するための方法に関する。
【実施例】
【0147】
(実施例1)
(動物および組織)
雄のwistarラット(Charles River、Sulzfeld、Germany)を、標準的な実験用ラット飼料および水を適時与えて、標準の飼育条件(12時間の日照、12時間の暗闇の周期、23℃)で維持した。
【0148】
ラットを各々4匹づつを含む3つの群に分けた。A群は、3ヶ月齢からなり、B群は、14ヶ月齢からなり、そしてC群は、23ヶ月齢のラットを含んだ。陰茎、心臓、肝臓、脳および筋肉の組織片を、動物の屠殺直後に回収した。これらの組織の一部を組織学的評価のためにBouin溶液中で固定し、別の部分を、後のRNA調製のために液体窒素中で凍結した。血液を、ラジオイムノアッセイを用いての、全および遊離テストステロンの決定のために回収した。このアッセイを、製造業者の指示書に従って実施した(Testosterone125
RIAキット、ICN Biomedicalls Inc.、USA)。
【0149】
(実施例2)
(RNA調製)
組織サンプル(100〜200mg)を液体窒素中で粉砕した。総RNAをチオシアン酸グアニジウム(guanidium thocyanate)、フェノール−クロロホルム抽出(pecLab、Erlangen、Germany)を用いて単離した。RNAをイソプロパノールを用いて、−20℃で2時間、沈降させ、75%エタノールで洗浄し、ジエチルピロカーボネート水中に溶解し、260nmで分光測定的に定量した。全ての調製物の吸光度比は、1.8と2.0との間であった。濃度が、各サンプル中で同一であることを確実にするために、エチジウムブロマイド染色後の1%アガロースゲル電気泳動上で28sRNAの強度を比較した。総RNAを−80℃にて、さらに使用するまで保存した。
【0150】
(実施例3)
(cDNA合成およびポリメラーゼ連鎖反応増幅)
第1鎖cDNA合成を、市販のキット(Gibco BRL)を用いて実施した。簡潔には、4μgの総RNAを、0.5μgのオリゴ(dT)12−18を用いてプライムし、70℃で10分間インキュベートした。各サンプルについて、1×第1鎖緩衝液(puffer)、0.2M DTT、10mM dNTPおよび200UのSuperscript II逆転写酵素を添加した。逆転写を、42℃で50分間実施し、70℃で15分間加熱することにより終了した。得られたcDNAテンプレートを−20℃で保存するか、またはPCRに直接用いた。
【0151】
3分間の変性期間の後に、60秒間95℃、60秒間60℃および60秒間72℃の35サイクルによるPCR反応を続けた。PCRを、6μl cDNA、10mM各dNTP、5U Taqポリメラーゼ(Biotherm)ならびに50pmolのセンスおよびアンチセンスの両方のプライマーを用いて、PCR緩衝液中で実施した。各反応物の最終容量は、50μlであった。反応生成物(15μl)を2.5%アガロースゲル上で電気泳動した。PCRに用いたプライマーは、以下の通りである:
・5’−AAGAAGCTTAGGCAGAGTGACAAGTGAC−3’(配列番号1;アンチセンス、2438位で開始するインスリンレセプターcDNA配列に相補的であり(下線)、HindIII制限酵素認識部位も含む);および
・5’−GAAGAATTCATTCAGGAAGACCTTCGA−3’(配列番号2;センス、2181位からのラットインスリンレセプターcDNA配列に同一であり(下線)、EcoRI制限酵素認識部位を含む;25)。
【0152】
インスリンレセプターmRNAスプライス改変体レベルの濃度測定分析を、Image Quant 5.0ソフトウェアを用いて実施した。
【0153】
2つのインスリンレセプターmRNA改変体のmRNAレベルの割合について、平均値の差の有意性を独立スチューデントt−検定により決定した。有意性の閾値を、p<0.05に設定した。
【0154】
(実施例4)
(ラットの多様な組織中でのインスリンレセプターmRNAの選択的スプライシング)
ラットの異なる組織由来の総RNAを用いたRT−PCR分析を、実施例1〜3に従って実施して、若年ラット(3ヶ月齢)の多様な組織中で選択的にスプライシングされたインスリンレセプターmRNA改変体の相対量を決定した。ラットインスリンレセプターのエキソン11スプライス部位に対応するドメインに隣接するオリゴヌクレオチドプライマーを選択し、アイソフォームEx11(273bp)およびアイソフォームEx11(237bp)を示した。スプライシング機構における改変を、濃度測定評価を用いた定量分析により確認した。グリセリンアルデヒド 3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)mRNAを内部標準として用いた。GAPDHの増幅に用いたPCR−オリゴヌクレオチドプライマーは、以下の通りであった:
プライマー GAPDH−1:5’−TCCTGCACCACCAACTGCTTA−3’(配列番号3);および
プライマー GAPDH−2:5’−CGCCTGCTTCACCACCTTCTT−3’(配列番号4)。
【0155】
PCR反応の結果を、アガロースゲル電気泳動により試験した。図1において見られるように、肝臓においてのみ、より長い改変体が発現していることが観察され、このことは、既に公開されたデータ(27、28)と一致する。心臓において、両方の改変体が発現していることが見出され、ex11アイソフォームがまた優性であった。骨格筋において、両方の改変体は、同程度に発現した。脳において、Ex11改変体の独占的な発現が注目された(図1)。
【0156】
(実施例5)
(インスリンレセプタースプライス改変体の陰茎における相対的発現および加齢の影響)
陰茎組織のRT−PCR分析を、実施例1〜3に従って実施した。この結果を図2aに示す。若年ラット(3ヶ月齢)の陰茎において、より長いEx11アイソフォームが、ほぼ独占的に発現されることが見出された。対照的に、老年ラット(23ヶ月齢)の陰茎組織において、より短いEx11改変体が優先的に発現した。中年の動物(14ヶ月齢)における2つのスプライス改変体の分布は、老年ラットと同様であった(図2a)。しかし、Ex11インスリンレセプターの最も高い発現レベルは、老年ラットにおいて検出され得た(図2a)。
【0157】
若年ラット対老年ラットの、陰茎組織におけるインスリンレセプターEx11mRNAの定量測定は、若年ラットの陰茎における最も優勢なインスリンレセプター形態が、Ex11であることを確証した(85.9%)。対照的に、中年および老年ラットは、若年ラットと比較して、陰茎におけるEx11mRNAの相対的発現が減少していることによって、特徴付けられた。インスリンレセプターアイソフォームの発現のより短い形態が優勢になる切り替えは、図2bに示すように、中年ラット(79.9%)および老年ラット(78.4%)の両方において、顕著であった。
【0158】
従って、類似した年齢依存性のインスリンレセプターmRNA発現パターンのバリエーションが、他の組織において、同様に観察され得るか否かを調査することに興味が持たれた。しかし、陰茎と対照的に、このようなアイソフォーム特異的な分布の年齢依存性の変化は、肝臓、心臓、骨格筋および脳において観察され得なかった(図3a、3b)。従って、インスリンレセプターmRNA発現パターンの加齢と関連した変化は、陰茎組織特異的であった。
【0159】
(実施例6)
(ラット陰茎におけるインスリンレセプターmRNA発現パターンの、加齢と関連したバリエーションのアンドロゲン依存性についての、去勢術およびテストステロン置換による試験)
テストステロン移植またはプラセボ移植のためのペレットを、Innovative Research of America、Sarasota、Florida、USAから入手した。去勢術およびテストステロン置換の影響を評価するため、雄のwistarラット(3ヶ月齢、n=21)を3群に分けた:1群、インタクト(偽手術、背部の皮膚下にプラセボ小片を移植した、n=7)、2群、去勢した(プラセボ小片の移植、n=7)、および3群、去勢したが15mgのテストステロン移植をした(n=7)。処置の3週間後に、ラットを屠殺し、陰茎組織および血液サンプルを、実施例1に記載のように処理した。試験研究を、実験動物の取り扱いおよび使用に対する一般的な合衆国の法律に従って実施した。
【0160】
若年ラット対老年ラットの血清中のテストステロンのレベルは、それぞれ4.436±1.1ng/mlおよび0.57±0.17ng/ml(平均±SD、n=4)である点に着目し、老化した動物の循環中のテストステロンレベルの低下を示した。これは、Zirkinsの研究室と一致する(40、41)。インスリンレセプターmRNAの2つのスプライス改変体の発現における、加齢に関連した観察される変化が、加齢したラット中のアンドロゲンレベルが低下することに起因し得るか否かを判別するために、本発明者らは、睾丸摘出術を若年ラットに実施した。去勢したラットの1群は、アンドロゲンを放出する皮下移植片を受けた。去勢後に、体重に対する陰茎の相対重量は、コントロール動物と比較して劇的に減少した(77.3±7.3mg/100g体重 対 46.8±4.3mg/100g体重)。同様の影響が、コントロール動物および去勢した動物の前立腺重量で観察された(96.7±30.4 対 7.4±2.4;表1)。しかし、テストステロン置換は、両方の器官でのこの影響の逆転を誘導した(表1)。去勢およびアンドロゲン置換の、若年ラットの陰茎組織におけるインスリンレセプターmRNA発現における影響は、図4aに示される。インタクトな動物において、より長い改変体のみが発現していることが見出された。去勢した後に、より短いスプライス改変体の出現が観察され、このパターンは、老年動物のものと類似していた。このアイソフォームが、アンドロゲン補充を受けた去勢動物においてさえも持続したことに注目した。
【0161】
インタクト、去勢、去勢およびアンドロゲン置換を受けた若年ラットの陰茎におけるインスリンレセプターmRNA改変体の相対的発現の定量分析を、図4bに示す。インタクトコントロールの陰茎において、インスリンレセプターをコードするmRNAのほぼ全ては、Ex11(85.9%)改変体で構成された。対照的に、去勢したラットにおいて、Ex11改変体は、総レセプターmRNAの19.2%のみを占め、一方、インスリンレセプターmRNAのほとんど(80.8%)は、Ex11改変体により提示される。去勢したラットについてのアンドロゲン補充は、Ex11に対するEx11の相対的な割合(それぞれ22.8%および77.2%)を変更し得なかった。両方の組織において、Ex11 mRNAの割合は、若年コントロールラットに比較した場合、顕著に減少した。
【0162】
【表1】


(表1:若年コントロールラット(CON)、去勢した若年ラット(CASTR)および去勢したがテストステロンで置換した若年ラット(TESTO)の体重に対する器官重量(mg/100g体重))
加齢依存性のインスリンレセプター発現における変化は、インスリンレセプターに共役したシグナル伝達機構が最適に機能しない状態へと導き、インスリン抵抗性症候群について記載される状態に類似した病態生理学的状態へと導き得る。このような症候群において、循環中に十分な量でかまたは増加した量でインスリンが存在するにも関わらず、糖尿病様状態が発症する。糖尿病は、加齢においても観察されるインポテンスの発生の増加に関する。加齢におけるインスリンレセプタースプライス改変体の変更された発現パターンが、陰茎におけるインスリン抵抗性症候群に類似した局所状態を導くことが提案される。インスリン抵抗性症候群は、今までのところ有効に処置されていなかった。しかし、チアゾリジンジオンインスリン感作物質様化合物(Goldstein BJ、Diabetes Technol.Ther.、3、267〜275(1999);およびAlicia di Rado、www.usc.edu/hsc/info/pr/lvl7/721/insulin.html、2001による報告を参照のこと)は、インスリン抵抗性症候群の処置を提案した。これらの薬物は、多くの副作用を有し(www.diabetis−drug.net、2001を参照のこと)、そしてより有効で副作用がより少ない関連化合物を開発するために、さらなる研究が必要である。
【0163】
それ故に、類似した処置レジメン、または新たな化合物もしくはよりよい処方物に基づいて改善された処置レジメンを使用して、加齢に関連したインポテンス状態(この病態生理は、インスリン抵抗性症候群に類似した状態により決定されるように思われる)を改善し得ることが考えられる。
【0164】
【表2】


【0165】
【表3】


【0166】
【表4】


【0167】
【表5】


【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】図1は、RT−PCRによって示されるように、ラットの種々の組織における2つの選択的にスプライシングされたIR mRNA転写物の発現を示す。cDNAの増幅を、選択的にスプライシングされたエキソン11に隣接するプライマーセットを使用して実施した。2つの主な増幅産物は、273bpおよび/または237bpであり、それぞれ、エキソン11を有するかまたは有さない2つのIR mRNA種を表す。GAPDH mRNAを、内部標準として増幅した。反応産物を、2.5%臭化エチジウム染色したアガロースゲル中での電気泳動によって分析した。
【図2a】図2aは、RT−PCRによって示されるように、若年(y)ラット、中年(ma)ラットおよび老年(o)ラットの陰茎組織における2つの選択的にスプライシングされたIR mRNA転写物の発現を示す。cDNAの増幅を、選択的にスプライシングされたエキソン11に隣接するプライマーセットを使用して実施した。2つの主な増幅産物は、273bpおよび/または237bpであり、それぞれ、エキソン11を有するかまたは有さない2つのIR mRNA種を表す。GAPDH mRNAを、内部標準として増幅した。反応産物を、2.5%臭化エチジウム染色したアガロースゲル中での電気泳動によって分析した。M=100bp DNAラダー。
【図2b】図2bは、若年ラット、中年ラット、および老年ラットの陰茎組織における2つのインスリンレセプターmRNAスプライス改変体の相対量を示す。エキソン11(EX11+)mRNA形態の割合を、左側のこの割合の平均±SDと共に、バーの濃い部分によって表す。若年コントロール動物に対してp<0.05。
【図3a】図3aは、RT−PCRによって表されるように、若年(y)ラットおよび老年(o)ラットの陰茎組織における2つの選択的にスプライシングされたIR mRNA転写物の発現を示す。cDNAの増幅を、選択的にスプライシングされたエキソン11に隣接するプライマーセットを使用して実施した。2つの主な増幅産物は、273bpおよび/または237bpであり、それぞれ、エキソン11を有するかまたは有さない2つのIR mRNA種を表す。GAPDH mRNAを、内部標準として増幅した。反応産物を、2.5%臭化エチジウム染色したアガロースゲル中での電気泳動によって分析した。M=100bp DNAラダー。
【図3b】図3bは、若年(y)ラットおよび老年(o)ラットの種々の組織における2つのインスリンレセプターmRNAスプライス改変体の相対量を示す。エキソン11(EX11+)mRNA形態の割合を、上部のこの割合の平均±SDと共に、バーの濃い部分によって表す。若年コントロール動物に対してp<0.05。
【図4a】図4aは、RT−PCRによって表されるように、若年(y)ラット、老年(o)ラット、若年去勢(ca)ラット、ならびに去勢およびテストステロン置換(te)ラットの陰茎組織における2つの選択的にスプライシングされたIR mRNA転写物の発現を示す。cDNAの増幅を、選択的にスプライシングされたエキソン11に隣接するプライマーセットを使用して実施した。2つの主な増幅産物は、273bpおよび/または237bpであり、それぞれ、エキソン11を有するかまたは有さない2つのIR mRNA種を表す。GAPDH mRNAを、内部標準として増幅した。反応産物を、2.5%臭化エチジウム染色したアガロースゲル中での電気泳動によって分析した。M=100bp DNAラダー。
【図4b】図4bは、若年ラット、老年ラット、若年去勢ラット(castrate)、ならびに去勢したがテストステロン置換した若年ラット(testo)の陰茎組織における2つのインスリンレセプターmRNAスプライス改変体の相対量を示す。エキソン11(EX11+)mRNA形態の割合を、上部のこの割合の平均±SDと共に、バーの濃い部分によって表す。若年コントロール動物に対してp<0.05。
【出願人】 【識別番号】300049958
【氏名又は名称】シエーリング アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成16年8月25日(2004.8.25)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策

【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明

【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹

【公開番号】 特開2005−21165(P2005−21165A)
【公開日】 平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願番号】 特願2004−246014(P2004−246014)