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【発明の名称】 DNAとDNA結合タンパク質との反応を検出する方法
【発明者】 【氏名】小林 民代
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【要約】 【課題】簡便にかつ短時間で、DNAとDNA中の特定配列に特異的に結合する分子との結合を検出する。

【解決手段】転写因子TFIID1および転写因子TFIIB2の結合サイト16が標識済みDNAに存在するか否か検出する場合には、転写因子TFIID1、転写因子TFIIB2および抗TFIIB抗体3のすべてをDNA溶液に添加し、結合性生物をFCS測定して並進拡散時間を求めることにより、結合サイト16の存在を精度良く検出することができる。試料の混合と蛍光相関分光法(FCS)による計測により、並進拡散時間を求めるための情報が得られ、放射性同位元素の利用や電気泳動法や固体基質への分子の固定による選別などの煩雑な操作を行わずに、検出結果を簡便に短時間で得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液と転写因子TFIIDとを混合するステップと、
蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めるステップとを有することを特徴とする転写因子TFIIDと二本鎖DNAの結合を検出する方法。
【請求項2】
前記混合するステップは、転写因子TFIIBをさらに混合することを特徴とする請求項1の転写因子TFIIDと二本鎖DNAの結合を検出する方法。
【請求項3】
前記混合するステップは、転写因子TFIIBおよび抗TFIIB抗体をさらに混合することを特徴とする請求項1の転写因子TFIIDと二本鎖DNAの結合を検出する方法。
【請求項4】
検出の対象である溶液と転写因子AP−1が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液とを混合するステップと、
蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めるステップとを有することを特徴とする溶液中の転写因子AP−1を検出する方法。
【請求項5】
検出の対象である二本鎖DNAを含む溶液と、転写因子AP−1と、転写因子AP−1が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAとを混合するステップと、
蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めるステップとを有することを特徴とする転写因子AP−1が結合する結合サイトを有する二本鎖DNAを検出する方法。
【請求項6】
検出の対象である溶液と、転写因子が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAとを混合するステップと、
蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めるステップとを有し、
前記混合するステップにおいて前記検出の対象である溶液の量を段階的に増加して混合し、各段階の量で前記検出の対象である溶液を混合した後に前記並進拡散時間を求めるステップを行うことを特徴とする溶液中の転写因子を検出する方法。
【請求項7】
細胞に腫瘍壊死因子TNF−αを添加した後に細胞核の抽出を行うステップと、
抽出された前記細胞核と、転写因子AP−1が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液とを混合するステップと、
蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めるステップとを有することを特徴とする細胞の核抽出物中の転写因子AP−1を検出する方法。
【請求項8】
細胞に腫瘍壊死因子TNF−αを添加した後に細胞核の抽出を行うステップと、
抽出された前記細胞核と転写因子NF−κBが結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液とを混合するステップと、
蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めるステップとを有することを特徴とする細胞の核抽出物中の転写因子NF−κBを検出する方法。
【請求項9】
細胞にAPDC(Ammonium pyrrolidinedithiocarbamate)を添加した後に腫瘍壊死因子TNF−αを添加し、その後に細胞核の抽出を行うステップと、
抽出された前記細胞核と転写因子AP−1が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液とを混合するステップと、
蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めるステップとを有することを特徴とする細胞の核抽出物中の転写因子AP−1を検出する方法。
【請求項10】
細胞に腫瘍壊死因子TNF−αを添加した後に細胞核の抽出を行い、抽出された前記細胞核と転写因子NF−κBが結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液とを混合する第一の混合ステップと、
細胞にAPDCを添加した後に腫瘍壊死因子TNF−αを添加し、その後に細胞核の抽出を行い、抽出された前記細胞核と転写因子NF−κBが結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液とを混合する第二の混合ステップと、
前記第一の混合ステップで得られた混合液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を、蛍光相関分光法により求める第一の算出ステップと、
前記第二の混合ステップで得られた混合液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を、蛍光相関分光法により求める第二の算出ステップと、
前記第一の算出ステップで求められた並進拡散時間と前記第二の算出ステップで求められた並進拡散時間とを比較するステップとを有することを特徴とする細胞の核抽出物中の転写因子NF−κBを検出する方法。
【請求項11】
前記蛍光相関分光法のコンフォーカルボリューム中における前記蛍光標識された二本鎖DNAの粒子数が2〜5であることを特徴とする請求項1,4,5,6,7,8,9または10のDNAとDNA結合タンパク質との反応を検出する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はDNAとDNA結合タンパク質との反応を検出する方法に関し、特に蛍光相関分光計(fluorescence correlation spectroscopy:FCS)を用いた検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1(特許第3169610号公報)は、二本鎖DNA中の選択されたテスト配列に結合し得る分子をスクリーニングする方法を記載する。
特許文献2(特許第2953783号公報)は、遺伝子転写レベルで活性な医薬の有効な同定方法を記載する。
特許文献3(特開2001−321199号公報)は、生物学的資料中のDNA結合タンパク質を定量する方法を記載する。
特許文献4(特開2003−88369号公報)は、蛍光相関分光法(FCS)を利用してDNAエンドヌクレアーゼ活性を検出する方法、および分子量の大小と並進拡散時間(translational diffusion time)の大小との関係を記載する。
特許文献5(特表2002−543414号公報)は、試料中の蛍光分子又は他の粒子を特徴付ける方法、および蛍光強度多重(multiple)分布分析(FIMDA)および蛍光自己たたみ込み(autoconvoluted)強度分布分析(FACID)から並進拡散時間が得られることを記載する。
【0003】
【特許文献1】
特許第3169610号公報
【特許文献2】
特許第2953783号公報
【特許文献3】
特開2001−321199号公報
【特許文献4】
特開2003−88369号公報
【特許文献5】
特表2002−543414号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のうち、特許文献2(特許第2953783号公報)、特許文献3(特開2001−321199号公報)および特許文献4(特開2003−88369号公報)に記載される各検出方法は、特定の配列、または特定の配列を有する分子を検出する際に、放射性同位元素を用いたり、電気泳動法や固体基質への分子の固定による選別などを行うので、操作が煩雑で検出結果を得るまでに時間がかかる問題がある。
特許文献4(特開2003−88369号公報)および特許文献5(特表2002−543414号公報)は、DNAとDNA結合タンパク質との反応を検出する方法については記載しない。
【0005】
本発明の目的は、簡便にかつ短時間で、DNAとDNA結合タンパク質との反応を検出する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の特徴は、蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液および転写因子TFIIDを混合し、蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めることにある。本発明によれば、溶液の混合と蛍光相関分光法による計測により並進拡散時間を求めるための情報が得られ、放射性同位元素の利用や電気泳動法や固体基質への分子の固定による選別などの煩雑な操作を行わずに、二本鎖DNAとDNA結合タンパク質である転写因子TFIIDとの反応を簡便に短時間で得ることができる。
また、サンプル中の二本鎖DNAの濃度が2nM〜5nMである溶液を用いて各実験を行うと、FCS測定の際にコンフォーカルボリュームにおける粒子数は2〜5となり、精度よくFCS測定が行え、二本鎖DNAとDNA結合タンパク質との結合反応が精度良く検出できる。特に、コンフォーカルボリュームにおける粒子数が2〜3でも精度良い検出ができるので、多量の二本鎖DNAやDNA結合タンパク質を用意できない場合や、少量のサンプルだけで検出結果を得たい場合にも、本発明の検出方法は適している。
【0007】
本発明の他の特徴は、蛍光標識を付加された二本鎖DNAを含む溶液、転写因子TFIIDおよび転写因子TFIIBを混合し、蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めることにあり、転写因子TFIIBを加えることによって、反応物の並進拡散時間が大きくなるので、結合がより精度良く検出できる。また、さらに抗TFIIB抗体を加えることによって、反応物の並進拡散時間がさらに大きくなるので、結合がより精度良く検出できる。
二本鎖DNAに転写因子FTIIDが結合する配列が含まれているか検出する場合は、二本鎖DNAに蛍光標識を付加して請求項1から3の方法を行い、結合が検出されれば二本鎖DNAに転写因子FTIIDが結合する配列が含まれることになる。
また、溶液中に転写因子FTIIDが含まれているか検出する場合は、この溶液と、転写因子FTIIDが結合する配列を有しかつ蛍光標識された二本鎖DNAとを混合し、蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求める。このとき、転写因子TFIIBを添加するか、または、転写因子TFIIBおよび抗TFIIB抗体を添加することにより、転写因子TFIIDの存在を精度良く検出することができる。
【0008】
本発明の他の特徴は、検出の対象である溶液と転写因子AP−1が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAを含む溶液とを混合し、蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めることにある。この特徴によれば、溶液の混合と蛍光相関分光法による計測により並進拡散時間を求めるための情報が得られ、放射性同位元素の利用や電気泳動法や固体基質への分子の固定による選別などの煩雑な操作を行わずに、二本鎖DNAとDNA結合タンパク質である転写因子AP−1との反応を簡便に短時間で得ることができる。
【0009】
本発明の他の特徴は、検出の対象である二本鎖DNAを含む溶液、転写因子AP−1、および転写因子AP−1が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAを混合し、蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めることにある。
この特徴によれば、溶液の混合と蛍光相関分光法による計測により並進拡散時間を求めるための情報が得られ、放射性同位元素の利用や電気泳動法や固体基質への分子の固定による選別などの煩雑な操作を行わずに、二本鎖DNAとDNA結合タンパク質である転写因子AP−1との反応を簡便に短時間で得ることができる。
【0010】
本発明の他の特徴は、検出の対象である溶液と転写因子が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAとを混合する際に、検出の対象である溶液の量を段階的に増加して、各段階で蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めることにある。細胞核抽出物中の転写因子AP−1を検出する場合は、蛍光標識された二本鎖DNAとして転写因子AP−1が結合する結合サイトを有する二本鎖DNAを用い、細胞核抽出物の溶液の量を段階的に増加して混合する。細胞核抽出物中の転写因子NF−κBを検出する場合は、蛍光標識された二本鎖DNAとして転写因子NF−κBが結合する結合サイトを有する二本鎖DNAを用い、細胞核抽出物の溶液の量を段階的に増加して混合する。
【0011】
本発明の他の特徴は、細胞に腫瘍壊死因子TNF−αを添加してから細胞核抽出を行い、この細胞核抽出物と蛍光標識された二本鎖DNAとを混合し、蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めることにある。HeLa細胞の核抽出物中の転写因子AP−1を検出する場合は濃度50ng/mlの腫瘍壊死因子TNF−αで30分間刺激し、HeLa細胞の核抽出物中の転写因子AP−1を検出する場合は15分間刺激するとよい。腫瘍壊死因子TNF−αの刺激によって細胞核抽出物中の転写因子が活性化し、二本鎖DNAとの結合がしやすくなるので、精度良く転写因子を検出することができる。
【0012】
本発明の他の特徴は、細胞にAPDCを添加した後に腫瘍壊死因子TNF−αを添加してから細胞核抽出を行い、この細胞核抽出物と転写因子AP−1が結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAとを混合し、蛍光相関分光法により混合溶液中の蛍光標識を有する物質の並進拡散時間を求めることにある。本発明によれば、細胞核抽出の際にAPDCおよび腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激を行うことによって、転写因子AP−1が活性化し二本鎖DNAとの結合がしやすくなるので、精度良く転写因子AP−1を検出することができる。APDCによる刺激時間は2時間、腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激時間は30分間であるとよい。
【0013】
本発明の他の特徴は、細胞の核抽出物中の転写因子NF−κBと、転写因子NF−κBが結合する配列を有して蛍光標識された二本鎖DNAとの反応生成物の並進拡散時間から細胞の核抽出物中の転写因子NF−κBを検出するにあたって、細胞に腫瘍壊死因子TNF−αのみで刺激を行った場合の反応生成物の並進拡散時間と、APDC(Ammonium pyrrolidinedithiocarbamate)および腫瘍壊死因子TNF−αの刺激を行った場合の反応生成物の並進拡散時間とを比較することにある。腫瘍壊死因子TNF−αは転写因子NF−κBを活性化し、APDCは転写因子NF−κBの活性化を抑制するので、腫瘍壊死因子TNF−αのみで刺激を行った場合に並進拡散時間が大きければ、細胞核抽出物に転写因子NF−κBが含まれると言え、精度良く転写因子NF−κBを検出することができる。
【0014】
また、FCS測定の際にコンフォーカルボリュームにおける粒子数は2〜5であれば、精度よくFCS測定が行え、二本鎖DNAとDNA結合タンパク質との結合反応が精度良く検出できる。特に、コンフォーカルボリュームにおける粒子数が2〜3でも精度良い検出ができるので、多量の二本鎖DNAやDNA結合タンパク質を用意できない場合や、少量のサンプルだけで検出結果を得たい場合にも、本発明の検出方法は適している。
また、本発明によれば、精製していない細胞核抽出物のようなクルード(crude)な試料を用いても、二本鎖DNAと転写因子との結合反応が精度良く検出できる。また、転写因子が結合する本来の二本鎖DNAと1塩基またな2塩基しか違いのない二本鎖DNAを添加しても、本来の二本鎖DNAと転写因子との結合反応が妨げられずに反応生成物が検出できるので、FCSによるこれらの測定方法は、細胞核抽出物などのクルードなサンプル中に存在する特定のDNA結合タンパク質(転写因子、核内レセプターなど)を検出するのに有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の様態では、DNAとDNA中の特定配列部分に結合するタンパク質(以下DNA結合タンパク質と呼ぶ)との結合を検出するための様々な実験を行う。実験の目的別に実施例として説明する。実験では生体分子の反応過程後にFCS測定を行って、生体分子の並進拡散時間を求める。
並進拡散時間の大小は分子量の大小を示すので、反応の前後で並進拡散時間を比較することにより、分子量の増加または減少がわかる。分子量の増加は生体分子間の結合反応を、分子量の減少は生体分子の分解反応を、分子量の維持は生体分子に結合も分解も無かったことを示す。
従って、DNAとDNA結合タンパク質との反応の前後でDNAの並進拡散時間の増加を検出することにより、DNAとDNA結合タンパク質との結合反応を検出することができる。
【0016】
【実施例】
各実施例の実験内容と実験結果の概要を表1〜4に示し、後に各実施例を説明する。
【0017】
【表1】


【0018】
【表2】


【0019】
【表3】


【0020】
【表4】


【0021】
(実施例1)
本実施例ではDNAとDNA結合タンパク質である転写因子TFIIDおよび転写因子TFIIBとの結合反応を検出する。
DNAとして、図5に示す二本鎖DNA10を用いる。二本鎖DNA10は、5’末端に蛍光標識4(TAMRAラベル)をラベル済みのオリゴDNA11と、オリゴDNA11に相補的な拡散配列を持つオリゴDNA12とからなる。二本鎖DNA10は転写因子TFIIDおよび転写因子TFIIBの結合する結合サイト16であるTATAA配列(相補配列はATATT配列)を有する。
DNA結合タンパク質として、TBP(TATA binding protein、TATA結合タンパク質)を含む転写因子TFIID1、および転写因子TFIIB2を用いる。さらに、転写因子TFIIB2に結合する抗体として抗TFIIB抗体3を用いる。
転写因子TFIID1、転写因子TFIIB2および抗TFIIB抗体3として以下のものを用いる。
【0022】
【表5】


【0023】
<二本鎖DNA10の作成と調整>
まず、検出実験に用いる二本鎖DNA10を準備する。二本鎖DNA10を準備するために以下のものを用いる。
【0024】
【表6】


【0025】
STEバッファー中でオリゴDNA11およびオリゴDNA12を反応させ、95℃で5分間加熱した後、20℃までゆっくり冷却する。次いで、PCR機器内または室温放置でアニーリングする。アニーリングした反応液にエキソヌクレアーゼIおよびMgClを添加し、37℃で1時間反応させる。添加量は反応液100μlに対してそれぞれ1μlである。その後、反応液を精製キットMERmaid SPIN(BIO社 101)によって精製し、オリゴDNA11とオリゴDNA12とからなる二本鎖DNA10をdWで抽出する。
抽出した二本鎖DNA10を蛍光相関分光法(FCS)で測定し、粒子数(n)が20程度になるようにdWで希釈し、二本鎖DNA10の溶液を作る(溶液中の二本鎖DNA10の濃度は2nM〜5nMとなる)。粒子数(n)が20程度の二本鎖DNAの溶液を用いて各実験を行うと、FCS測定の際にコンフォーカルボリュームにおける粒子数は2〜5となり、精度よくFCS測定が行え、二本鎖DNAとDNA結合タンパク質との結合反応が精度良く検出できる。
【0026】
実験1−1.TFIID結合配列を持つDNA(蛍光標識)と転写因子TFIID、転写因子TFIIBおよび抗TFIIB抗体の反応実験
図1に実験1−1の手順と生成物の概略を示す。FCS測定は各反応後に、波長543nm、出力100μWのレーザー光を1回に15秒照射する条件で5回行った。
【0027】
(1)未反応の二本鎖DNA10のFCS測定
以下の溶液を容器内に入れ、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、室温を30分間静置した後、FCS測定して並進拡散時間を求める。
【0028】
【表7】


【0029】
【表8】


【0030】
【表9】


【0031】
DNA結合タンパク質は添加されていないのでDNA−タンパク複合体は形成せず、二本鎖DNA10は未反応のままである。
【0032】
(2)二本鎖DNA10と転写因子TFIID1との反応
以下の溶液を容器内に入れ、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、室温を30分間静置した後、FCS測定して並進拡散時間を求める。転写因子TFIIDは予めTFIID用バッファーで25ng/μlに調整しておく。
【0033】
【表10】


【0034】
生成物は二本鎖DNA10の結合サイト16に転写因子TFIID1が結合したDNA−タンパク複合体である。
【0035】
(3)(2)の反応済み溶液と転写因子TFIIB2との反応
(2)の反応済み溶液20μlに、85ng/μlの転写因子TFIIB2を1μl加え、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、室温を20分間静置した後、FCS測定して並進拡散時間を求める。
生成物は二本鎖DNA10の結合サイト16に転写因子TFIID1と転写因子TFIIB2が結合したDNA−タンパク複合体である。
【0036】
(4)(3)の反応済み溶液と抗TFIIB抗体3との反応
(3)の反応済み溶液20μlに、抗TFIIB抗体3を1μl加え、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、室温を20分間静置した後、FCS測定して並進拡散時間を求める。
生成物は二本鎖DNA10の結合サイト16に転写因子TFIID1と転写因子TFIIB2が結合し、さらに転写因子TFIIB2に抗TFIIB抗体3が結合したDNA−タンパク複合体である。
【0037】
実験1−2.TFIID結合配列を持たないDNA(蛍光標識有り)と転写因子TFIID、転写因子TFIIBおよび抗TFIIB抗体の反応実験
二本鎖DNA10の代わりに、転写因子TFIIDと結合する結合サイト16を含まない二本鎖大腸菌由来ランダム配列DNA17を用いて、実験1−1(1)〜(4)と同様の反応実験を行った。
【0038】
図8に実験1−1および1−2での生成物の並進拡散時間を示す。二本鎖DNA10を用いた実験1−1では、反応前の二本鎖DNA10の並進拡散時間に比べて、各反応後のDNA−タンパク複合体の並進拡散時間が大きくなっており、二本鎖DNA10と転写因子TFIID1、転写因子TFIIB2および抗TFIIB抗体3とが結合したことが確認できた。一方、二本鎖大腸菌由来ランダム配列DNA17を用いた実験1−2では、いずれも並進拡散時間の変化はほとんどなく、DNA結合タンパク質との結合は確認できなかった。特に、転写因子TFIID1、転写因子TFIIB2および抗TFIIB抗体3の3つのタンパク質すべてが結合したDNA−タンパク複合体の並進拡散時間は他のDNA−タンパク複合体の並進拡散時間よりも著しく大きい。
【0039】
従って、転写因子TFIID1および転写因子TFIIB2の結合サイト16が蛍光標識DNAに存在するか否か検出する場合には、転写因子TFIID1、転写因子TFIIB2および抗TFIIB抗体3のすべてをDNA溶液に添加し、DNA−タンパク複合体をFCS測定して並進拡散時間を求めることにより、結合サイト16の存在を精度良く検出することができる。
また、DNA結合タンパク質の溶液に転写因子TFIID1が存在するか否か検出する場合には、結合サイト16を有する蛍光標識二本鎖DNA10とともに、転写因子TFIIB2および抗TFIIB抗体3を反応液に添加し、DNA−タンパク複合体をFCS測定して並進拡散時間を求めることにより、転写因子TFIID1の存在を精度良く検出することができる。
【0040】
(実施例2)
本実施例ではDNAとDNA結合タンパク質である転写因子AP−1との結合反応について、転写因子AP−1の濃度依存を検出する。
DNAとして、図6に示す二本鎖DNA20を用いる。二本鎖DNA20は、5’末端に蛍光標識4(TAMRAラベル)を有するオリゴDNA21と、オリゴDNA21に相補的な核酸配列を持つオリゴDNA22とからなる。二本鎖DNA20は転写因子AP−1の結合する結合サイト26であるTGAGTCA配列(相補配列はACTCAGT配列)を有する。
DNA結合タンパク質として次の転写因子AP−15を用いる。
【0041】
【表11】


【0042】
<二本鎖DNA20の作成と調整>
まず、検出実験に用いる二本鎖DNA20を準備する。二本鎖DNA20を準備するために以下のものを用いる。
【0043】
【表12】


【0044】
STEバッファー中でオリゴDNA21およびオリゴDNA22を反応させ、95℃で5分間加熱した後、20℃までゆっくり冷却する。次いで、PCR機器内または室温放置でアニーリングする。アニーリングした反応液にエキソヌクレアーゼIおよびMgClを添加し、37℃で1時間反応させる。添加量は反応液100μlに対してそれぞれ1μlである。その後、反応液をMERmaid SPIN(BIO社 101)によって精製し、オリゴDNA21とオリゴDNA22とからなる二本鎖DNA20をdWで抽出する。
抽出した二本鎖DNA20を蛍光相関分光法(FCS)で測定し、粒子数(n)が20〜30程度になるようにdWで希釈し、二本鎖DNA20の溶液を作る。
未標識の二本鎖DNA24は、オリゴDNA21(蛍光標識4をラベル済み)の代わりに同じ配列で蛍光標識していないオリゴDNAを用いて、二本鎖DNA20と同様にして作成・抽出する。抽出した二本鎖DNA24を吸光度(OD260値)を測定し、OD260値が20となるようにdWで希釈し、二本鎖DNA24の溶液を作る。
【0045】
実験2−1.AP−1結合配列を持つDNA(蛍光標識)と転写因子AP−1との反応実験。濃度が異なる転写因子AP−1を添加して実験。
図2に実験2−1の手順と生成物の概略を示す。以下の溶液を容器内に入れ、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、34℃で1時間反応後、FCS測定して並進拡散時間を求める。FCS測定は各反応後に、波長543nm、出力100μWのレーザー光を1回に15秒照射する条件で5回行った。
【0046】
【表13】


【0047】
【表14】


【0048】
濃度0ng/μlの転写因子AP−15を用いた反応では、DNA結合タンパク質は添加されていないのでDNA−タンパク質複合体は存在せず、二本鎖DNA20は未反応のままである(図2の(1)を参照)。反応後の生成物は二本鎖DNA20の結合サイト26に転写因子AP−15が結合したものである(図2の(2)を参照)。未反応の二本鎖DNA20と各転写因子AP−15濃度のときの生成物について、FCS測定の結果を表15に示す。
【0049】
【表15】


【0050】
結転写因子AP−1の濃度が600ng/μlのときに生成物の並進拡散時間が大きく伸び、濃度依存性が認められた。転写因子AP−1の濃度が300ng/μlまでと比較して、600ng/μlから1500ng/μlまでの並進拡散時間との差は小さいので、二本鎖DNA20と転写因子AP−15との結合が600ng/μlで飽和に達していると言える(図9参照)。
また、並進拡散時間が432μsである未反応の二本鎖DNA20(K1)と、並進拡散時間が862.4μsである生成物(K2)との存在比は、転写因子AP−1の濃度が600ng/μl以上でほぼ一定なので、濃度600ng/μlで十分に結合反応が生じており、そして飽和転写因子AP−1の濃度が1500ng/μlの場合には、一定濃度の二本鎖DNA20に対する転写因子AP−1の結合が飽和状態にあると考えられる(図10参照)。
【0051】
実験2−2.AP−1結合配列を持つ二本鎖DNA(未標識)を添加した場合のAP−1結合配列を持つDNA(蛍光標識)と転写因子AP−1との反応実験。二本鎖DNA(未標識)濃度を段階的に変えて実験。
図3に実験2−2の手順と生成物の概略を示す。配列は二本鎖DNA20と同じであるが未標識二本鎖DNA24を添加する二本鎖DNAとして用いる。転写因子AP−15の濃度は、実験2−1で十分に結合反応が生じていた600ng/μlとする。
以下の溶液を容器内に入れ、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、34℃で1時間反応後、FCS測定して並進拡散時間を求める。FCS測定は各反応後に、波長543nm、出力100μWのレーザー光を1回に15秒照射する条件で5回行った。
【0052】
【表16】


【0053】
実験2−3.AP−1結合配列を持たないDNA(未標識)と転写因子AP−1との反応実験。AP−1結合配列を持たないDNA(未標識)濃度を段階的に変えて実験
図4に実験2−3の手順と生成物の概略を示す。配列がAP−1結合配列を持たない二本鎖大腸菌由来ランダム配列で、蛍光標識されていない二本鎖DNA18を添加する二本鎖DNAとして用いる。転写因子AP−15の濃度は、実験2−1で十分に結合反応が生じている600ng/μlとする。
以下の溶液を容器内に入れ、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、34℃で1時間反応後、FCS測定して並進拡散時間を求める。FCS測定は各反応後に、波長543nm、出力100μWのレーザー光を1回に15秒照射する条件で5回行った。
【0054】
【表17】


【0055】
実験2−2の結果から、二本鎖DNA20ろ転写因子AP−1 5とのDNA−タンパク複合体の並進拡散時間は、未標識二本鎖DNA24を添加することで、未反応DNAの並進拡散時間に近づいた。従って、二本鎖DNA20と転写因子AP−15との結合が阻害されることが確認できた(図3の(2)、図11参照)。
また、実験2−3の結果から、二本鎖DNA20と転写因子AP−15とのDNA−タンパク複合体の並進拡散時間は、未標識二本鎖DNA18を添加しても未反応DNAの並進拡散時間には近づかなかった(図4の(2)、図11参照)。
以上の実験2−2および実験2−3で行われた競合アッセイの結果から、転写因子AP−1は、二本鎖DNAの特異的な配列に結合することが証明された。
【0056】
タンパク質の溶液中に転写因子AP−1が含まれるか検出する場合、蛍光標識をラベルされた二本鎖DNA20を含む溶液に、タンパク質の溶液を段階的に添加して生成物をFCS測定し、並進拡散時間を求めれば、転写因子AP−1の存在を検出することができる。
【0057】
(実施例3)
本実施例ではDNAと細胞核抽出物内の転写因子との結合反応について、細胞核抽出物の濃度依存を検出する。DNAとして、実施例2で用いた二本鎖DNA20を用いる。
【0058】
<細胞から核抽出物を生成する>
細胞から核抽出物を生成するために以下のものを用いる。
【表18】


【0059】
HeLa細胞を10cmディッシュにコンフルエントの状態にする。PBS(−)で2回洗浄後、0.5%FCS/DMEMに交換し、TNF−α100ng/mlで刺激する。刺激から2時間後の細胞をPBS(−)で2回洗浄後、下記の操作を行い核抽出物を得る。
▲1▼1mlの氷温低浸透圧溶解バッファーにスクレーパーで回収する。バッファーは、pH7.4で10mMのHEPES、10mMのKCl、1.5mMのジチオスレイトール、E−64含有プロテアーゼ阻害剤混合物、ロイペプチン、ペプスタチンA、ベスタチン、アプロチニンを含む。
▲2▼15分後、氷温でインキュベートし、0.05%NP−40を添加する。その後、4℃で1分間、1000gで遠心分離する。
▲3▼核ペレットが集められ、100μlの高浸透圧抽出バッファー中に再混濁される。バッファーは、pH7.4で20mMのHEPES、0.4mMのNaCl、1mMのEDTA、1mMのEGTA、10%のグリセロール、0.5mMのジチオスレイトール、E−64含有プロテアーゼ阻害混合剤、ロイペプチン、ペプスタチンA、ベスタチン、アプロチニンを含む。
▲4▼15分後、氷温でインキュベートし、4℃で1分間、1000gで遠心分離する。
▲5▼上澄みを核抽出物として得、タンパク質定量キットを用いて核抽出物の含有タンパク量を定量する。核抽出物はスモールスケールで分注して−80℃以下で保存する。
【0060】
<Poly dI−dCコポリマーの調整>
二本鎖DNA20に目標タンパク質以外の物質が付着しないように、核抽出物にコポリマーを加える。コポリマーとしてPoly dI−dC(Sigma製 P−4929)を用いる。コポリマーを以下のように調整する。
▲1▼再生バッファーにコポリマーを10mg/mlの濃度になるように混濁し、1.5ml容量のマイクロ遠心チューブに入れる。再生バッファーは、50mMのNaCl、pH8.0で10mMのTris−HCl、pH8.0で1mMのEDTAを含む。
▲2▼コポリマーを超音波セッティング4で20秒間超音波処理し、均一な長さにする。
▲3▼コポリマーを90℃で10分間熱した後、室温までゆっくり冷却する。
▲4▼5μlずつ分注して−20℃で保存する。
▲5▼使用前に45μlの蒸留水を加えて、1mg/mlの濃度にする。
【0061】
実験3−1.AP−1結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。細胞核抽出物濃度を段階的に変えて実験。
以下の溶液を容器内に入れ、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、34℃で1時間反応後、FCS測定して並進拡散時間を求める。FCS測定は各反応後に、波長543nm、出力100μWのレーザー光を1回に15秒照射する条件で5回行った。
【0062】
【表19】


【0063】
0ngの細胞核抽出物を用いた反応では、DNA結合タンパク質は添加されていないのでDNA−タンパク複合体は存在せず、二本鎖DNA20は未反応のままである。反応後の生成物は二本鎖DNA20に細胞核抽出物中に含まれるDNA結合タンパク質が結合したものである。未反応の二本鎖DNA20および細胞核抽出物が各濃度のときの生成物について、FCS測定の結果を表20に示す。
【0064】
【表20】


【0065】
細胞核抽出物の濃度の増加と共に、生成物の並進拡散時間が増加し、細胞核抽出物の濃度が30μgで最大となる濃度依存性が認められた。(図12参照)
また、二本鎖DNA20に転写因子AP−1がc−Jun/c−Junのホモダイマーで結合してDNA−タンパク複合体が構成されていると仮定した場合、分子量の3乗根と並進拡散時間は比例するからDNA−タンパク複合体の分子量から求めて、DNA−タンパク複合体の並進拡散時間が1113.0μsとなる。並進拡散時間が1113.0μsである反応生成物の存在割合と並進拡散時間が658.5μsである未反応の二本鎖DNA20の存在割合との合計が略100%である。従って、この実験での反応生成物は細胞核抽出物中の転写因子AP−1が二本鎖DNA20に結合したものであると言える。(図13参照)
【0066】
実験3−2.NF−κB結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。細胞核抽出物濃度を段階的に変えて実験。
DNAとして、図7に示す二本鎖DNA30を用いる。二本鎖DNA30は、5’末端に蛍光標識4(TAMRAラベル)を有するオリゴDNA31と、オリゴDNA31に相補的な核酸配列を持つオリゴDNA32とからなる。二本鎖DNA30は転写因子NF−κBの結合する結合サイト33であるGGGGCTTT配列(相補配列はCCCCTGAAA配列)を有する。
二本鎖DNA30は100nMのオリゴDNA31(蛍光標識)と100nMのオリゴDNA32を用いて、二本鎖DNA20と同様にして作成する(実施例2を参照)。以下のものを用いて、実験3−1と同様に結合反応実験を行い、反応生成物をFCS測定して並進拡散時間を求める。
【0067】
【表21】


【0068】
【表22】


【0069】
実験3−1の場合と同様に、濃度0μgの細胞核抽出物を用いた反応では、DNA結合タンパク質は添加されていないのでDNA−タンパク複合体は存在せず、二本鎖DNA30は未反応のままである。反応後の生成物は二本鎖DNA30に細胞核抽出物中に含まれるDNA結合タンパク質が結合したものである。未反応の二本鎖DNA30および細胞核抽出物が各濃度のときの生成物について、FCS測定の結果を表23に示す。
【0070】
【表23】


【0071】
本実験でも、実験3−1の場合と同様に、細胞核抽出物の濃度の増加と共に、生成物の並進拡散時間が増加し、細胞核抽出物の濃度が30μgで最大となり、濃度依存性が認められた。(図14参照)
また、反応生成物が二本鎖DNA30と転写因子NF−κBとの結合生成物で、*p50/p50による結合とp50/p65による結合が平均的に存在していると仮定した場合、反応生成物の並進拡散時間が1468.7μsとなる。並進拡散時間が1468.7μsである反応生成物の存在割合と並進拡散時間が568.7μsである未反応の二本鎖DNA30の存在割合を図15に示す。各存在割の合計は略100%である。従って、この実験での反応生成物は細胞核抽出物中の転写因子NF−κBが二本鎖DNA30に結合したものであると言える。
【0072】
細胞核抽出物に転写因子が含まれるか検出する場合、実施例2で説明したのと同様に、転写因子が結合する結合サイトを有し、かつ蛍光標識をラベルされた二本鎖DNAを含む溶液に、細胞核抽出物を段階的に添加して生成物をFCS測定し、並進拡散時間を求めることにより、転写因子の存在を検出することができる。また、FCS測定結果、DNA−タンパク複合体の分子量および未反応二本鎖DNAの分子量から、DNA−タンパク複合体と未反応二本鎖DNAとのおおよその存在比を検出することができる。
細胞核抽出物に転写因子AP−1が含まれるか検出する場合には、二本鎖DNAとして転写因子AP−1が結合する結合サイト26を有しかつ蛍光標識をラベルされた二本鎖DNA20を、細胞核抽出物に転写因子NF−κBが含まれるか検出する場合には、二本鎖DNAとして転写因子NF−κBが結合する結合サイト33を有しかつ蛍光標識をラベルされた二本鎖DNA30を用いる。細胞核抽出物の添加量が増加すると共に並進拡散時間が大きくなり、最大値を取った後に並進拡散時間が減少すれば、転写因子が細胞核抽出物中に含まれることになる。
【0073】
(実施例4)
本実施例ではDNAと細胞核抽出物中の転写因子AP−1との結合反応を、競合DNAを添加した競合アッセイを行うことによって検出する。
【0074】
実験4−1.AP−1結合配列を持つ二本鎖DNA(未標識)を添加した場合のAP−1結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。二本鎖DNA(未標識)濃度を段階的に変えて実験。
配列が二本鎖DNA20と同じであるが蛍光標識されていない二本鎖DNA24を添加する二本鎖DNAとして用いる。細胞核抽出物の濃度は、実験3−1で十分に結合反応が生じていた30μgとする。
以下の溶液を容器内に入れ、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、34℃で1時間反応後、FCS測定して並進拡散時間を求める。FCS測定は各反応後に、波長543nm、出力100μWのレーザー光を1回に15秒照射する条件で5回行った。
【0075】
【表24】


【0076】
実験4−2.AP−1結合配列と一部異なる配列を持つ二本鎖DNA(未標識)を添加した場合のAP−1結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。二本鎖DNA(未標識)濃度を段階的に変えて実験。
配列が二本鎖DNA20と一部異なっていて蛍光標識されていない二本鎖DNA25を添加する二本鎖DNAとして用いる。二本鎖DNA25は二本鎖DNA20の結合サイト26部分が2塩基だけ異なっている配列である(図6参照)。二本鎖DNA25を用いて実験4−1と同様に実験を行った。
【0077】
実験4−3.AP−1結合配列を持たない二本鎖DNA(未標識)を添加した場合のAP−1結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。二本鎖DNA(未標識)濃度を段階的に変えて実験。
配列がAP−1結合配列を持たない二本鎖大腸菌由来ランダム配列で、未標識の二本鎖DNA18を添加する二本鎖DNAとして用いる。二本鎖DNA18を用いて実験4−1と同様に実験を行った。
【0078】
図16に実験4−1から4−3の結果を示す。実験4−1の結果から、蛍光標識で確認できる生成物すなわち二本鎖DNA20と細胞核抽出物中のDNA結合タンパク質とが結合してできたDNA−タンパク複合体の並進拡散時間は、未反応の二本鎖DNA20の並進拡散時間と比較して大きな伸びは無かった。従って、二本鎖DNA24を添加することにより、二本鎖DNA20と細胞核抽出物中の転写因子AP−15との結合が阻害されることが確認できた。
また、実験4−2の結果から、二本鎖DNA20と細胞核抽出物との結合生成物の並進拡散時間は、二本鎖DNA25を添加した場合と競合DNAが含まれていない場合とで略同程度である。従って、二本鎖DNA20と細胞核抽出物中の転写因子AP−15との反応について、二本鎖DNA20と2塩基しか差がない二本鎖DNA25による結合阻害は認められなかった。
また、実験4−3の結果から、二本鎖DNA20と細胞核抽出物との結合生成物の並進拡散時間は、二本鎖DNA18を添加した場合と競合DNAが含まれていない場合とで略同程度である。従って、二本鎖DNA20と細胞核抽出物中の転写因子AP−15との反応について、二本鎖DNA18による結合阻害は認められなかった。
以上の実験4−1から4−3で行われた競合アッセイの結果から、細胞核抽出物中の転写因子AP−1は、細胞核抽出物に含まれるDNAの特異的な配列に結合することが証明された。
【0079】
(実施例5)
本実施例ではDNAと細胞核抽出物中の転写因子NF−κBとの結合反応を、競合DNAを添加した競合アッセイを行うことによって検出する。
【0080】
実験5−1.NF−κB結合配列を持つ二本鎖DNA(未標識)を添加した場合のNF−κB結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。二本鎖DNA(未標識)濃度を段階的に変えて実験。
配列が二本鎖DNA30と同じであるが蛍光標識されていない二本鎖DNA34を添加する二本鎖DNAとして用いる。細胞核抽出物の濃度は、実験3−1で十分に結合反応が生じていた30μgとする。
以下の溶液を容器内に入れ、チップの先端で静かにかき混ぜ、軽くタッピングをして、34℃で1時間反応後、FCS測定して並進拡散時間を求める。FCS測定は各反応後に、波長543nm、出力100μWのレーザー光を1回に15秒照射する条件で5回行った。
【0081】
【表25】


【0082】
実験5−2.NF−κB結合配列と一部異なる配列を持つ二本鎖DNA(未標識)を添加した場合のNF−κB結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。二本鎖DNA(未標識)濃度を段階的に変えて実験。
配列が二本鎖DNA30と一部異なり蛍光標識されていない二本鎖DNA35を添加する二本鎖DNAとして用いる。二本鎖DNA35は二本鎖DNA30の結合サイト33部分が1塩基だけ異なっている配列である(図7参照)。二本鎖DNA35を用いて実験5−1と同様に実験を行った。
【0083】
実験5−3.NF−κB結合配列を持たない二本鎖DNA(未標識)を添加した場合のNF−κB結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。二本鎖DNA(未標識)濃度を段階的に変えて実験。
配列がNF−κB結合配列を持たない二本鎖大腸菌由来ランダム配列で、蛍光標識されていない二本鎖DNA18を添加する二本鎖DNAとして用いる。二本鎖DNA18を用いて実験5−1と同様に実験を行った。
【0084】
図17に実験5−1から5−3の結果を示す。実験5−1の結果から、蛍光標識で確認できる生成物すなわち二本鎖DNA30と細胞核抽出物中のDNA結合タンパク質とが結合してできたDNA−タンパク複合体の並進拡散時間は、未反応の二本鎖DNA30の並進拡散時間と比較して大きな伸びは無かった。従って、競合二本鎖DNA34を添加することにより、二本鎖DNA30と細胞核抽出物中の転写因子AP−15との結合が阻害されることが確認できた。
また、実験5−2の結果から、二本鎖DNA30と細胞核抽出物との結合生成物の並進拡散時間は、二本鎖DNA35を添加した場合と何も加えない場合とで略同程度である。従って、二本鎖DNA35と細胞核抽出物中の転写因子NF−κBとの反応について、二本鎖DNA30と1塩基しか差がない二本鎖DNA35による結合阻害は認められなかった。
また、実験5−3の結果から、二本鎖DNA30と細胞核抽出物との結合生成物の並進拡散時間は、二本鎖DNA18を添加した場合と競合DNAが含まれていない場合とで略同程度である。従って、二本鎖DNA30と細胞核抽出物中の転写因子NF−κBとの反応について、二本鎖DNA18による結合阻害は認められなかった。
以上の実験5−1から5−3で行われた競合アッセイの結果から、細胞核抽出物中の転写因子NF−κBは、細胞核抽出物に含まれるDNAの特異的な配列に結合することが証明された。
【0085】
(実施例6)
本実施例では、細胞核内の転写因子の活性化について、細胞核抽出の際の腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激依存を検出する。具体的には、腫瘍壊死因子TNF−αを用いてHeLa細胞を刺激し、時間経過による細胞核内の転写因子AP−1および転写因子NF−κBについて活性化の程度を検出する。HeLa細胞をPMA(phorbol 12−myristate 13−acetate、フォルボール12−ミリスチン酸13−酢酸)やサイトカインなどで刺激していない状態でも、ある程度の活性を有する転写因子AP−1および転写因子NF−κBがHeLa細胞の核内に存在することが知られている。
【0086】
実験6−1.AP−1結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。細胞核抽出の際の腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激時間が異なる細胞核抽出物を用いて実験。
50ng/mlの腫瘍壊死因子TNF−αを添加して、0,15,30,60,120,180分間刺激した各HeLa細胞から核抽出物を生成した。(生成方法は実施例3を参照)核抽出物の濃度は20μgとした。
以下のものを用いて、実験3−1と同様に結合反応実験を行う。
【0087】
【表26】


【0088】
図18に刺激時間に対する生成物の並進拡散時間を示す。二本鎖DNA20(標識済み)と腫瘍壊死因子TNF−αで30分間刺激した細胞核抽出物との結合反応物の並進拡散時間が最も大きく、実験3−1における核抽出物濃度が20μgのときの反応物の並進拡散時間とほぼ同等の値である。従って、30分の刺激時間で細胞核抽出物中の転写因子AP−1が十分に活性化されたと言える。
【0089】
実験6−2.NF−κB結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。細胞核抽出の際の腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激時間が異なる細胞核抽出物を用いて実験。
実験6−1と同様に、50ng/mlの腫瘍壊死因子TNF−αを添加して、0,15,30,60,120,180分間刺激した各HeLa細胞から核抽出物を生成した。
以下のものを用いて、実験3−2と同様に結合反応実験を行う。
【0090】
【表27】


【0091】
図19に刺激時間に対する生成物の並進拡散時間を示す。二本鎖DNA30(標識済み)と腫瘍壊死因子TNF−αで15分間刺激した細胞核抽出物との結合反応物の並進拡散時間が最も大きく、実験3−2における核抽出物濃度が20μgのときの反応物の並進拡散時間とほぼ同等の値である。従って、15分の刺激時間で細胞核抽出物中の転写因子NF−κBが十分に活性化されたと言える。
【0092】
細胞核抽出物に転写因子AP−1が含まれるか検出する場合、50ng/mlの腫瘍壊死因子TNF−αを細胞に添加して30分間刺激してから細胞核抽出を行い、この細胞核抽出物と二本鎖DNA20とを結合反応させ、FCS測定し、並進拡散時間を求めることにより、転写因子の存在を検出することができる。また、細胞核抽出物に転写因子NF−κBが含まれるか検出する場合には、50ng/mlの腫瘍壊死因子TNF−αを細胞に添加して15分間刺激するとよい。
【0093】
(実施例7)
本実施例では、細胞核内の転写因子の活性化について、細胞核抽出の際のAPDC(Ammonium pyrrolidinedithiocarbamate)および腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激依存を検出する。具体的には、APDCおよび腫瘍壊死因子TNF−αを用いてHeLa細胞を刺激し、細胞核内の転写因子AP−1および転写因子NF−κBについて活性化の程度を検出する。APDCは、転写因子AP−1の活性化を促進する一方で、転写因子NF−κBの活性化を抑制すると言われている。
APDCを添加した2時間後に、腫瘍壊死因子TNF−αを添加して30分間刺激したHeLa細胞から核抽出物を生成する。核抽出物の濃度が5,10,20μgであるものを用意する。細胞への刺激は次の2つの場合で行う。
(i)腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激だけを30分間行う場合。腫瘍壊死因子TNF−αの濃度は0,10,25,50ng/mlである。
(ii)APDCを添加した2時間後に腫瘍壊死因子TNF−αを添加して30分間刺激した場合。50ng/mlの腫瘍壊死因子TNF−αに対し、APDCの濃度は10,100,200μMである。
【0094】
実験7−1.AP−1結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。細胞核抽出の際の腫瘍壊死因子TNF−α添加濃度およびAPDC添加濃度が異なる細胞核抽出物を用いて実験。
次のものを用いて、実験3−1と同様に結合反応実験を行う。
【0095】
【表28】


【0096】
図20に各刺激条件に対する生成物の並進拡散時間を示す。生成物の並進拡散時間は腫瘍壊死因子TNF−αの濃度およびAPDCの量による刺激依存が見られた。特に、APDCによる刺激と腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激との両方の刺激を行った場合で、50ng/mlの腫瘍壊死因子TNF−αに対し、APDCの濃度が100μMおよび200μMであるときに生成物の並進拡散時間が大きい。従って、これらの濃度の組み合わせのときに、細胞核抽出物中の転写因子AP−1が最も活性化されたと言える。
【0097】
実験7−2.NF−κB結合配列を持つDNA(蛍光標識)と細胞核抽出物との反応実験。細胞核抽出の際の腫瘍壊死因子TNF−α添加濃度およびAPDC添加濃度が異なる細胞核抽出物を用いて実験。
次のものを用いて、実験3−2と同様に結合反応実験を行う。
【0098】
【表29】


【0099】
図21に各刺激条件に対する生成物の並進拡散時間を示す。生成物の並進拡散時間は腫瘍壊死因子TNF−αの濃度およびAPDCの量による刺激依存が見られた。特に、腫瘍壊死因子TNF−αによる刺激のみを行った場合で、腫瘍壊死因子TNF−αの濃度が50ng/mlであるときに生成物の並進拡散時間が大きく、このとき細胞核抽出物中の転写因子NF−κBが最も活性化されたと言える。
実験7−1および7−2の結果から、APDCは腫瘍壊死因子TNF−αによる転写因子AP−1の活性化を促進し、転写因子NF−κBの活性化を抑制することが証明された。
【0100】
細胞核抽出物に転写因子AP−1が含まれるか検出する場合、APDCを添加した2時間後に腫瘍壊死因子TNF−αを添加して30分間刺激してから細胞核抽出を行い、この細胞核抽出物と二本鎖DNA20とを結合反応させ、FCS測定し、並進拡散時間を求めることにより、転写因子の存在を検出することができる。50ng/mlの腫瘍壊死因子TNF−αに対し、APDCの濃度を100μM以上200μM以下であるとよい。
また、細胞核抽出物に転写因子NF−κBが含まれるか検出する場合には、腫瘍壊死因子TNF−αのみで刺激を行った場合の並進拡散時間と、APDCおよび腫瘍壊死因子TNF−αの刺激を行った場合の並進拡散時間とを比較することによって、精度良く転写因子NF−κBを検出することができる。腫瘍壊死因子TNF−αのみで刺激を行った場合に並進拡散時間が大きければ細胞核抽出物に転写因子NF−κBが含まれると言える。
【0101】
上述した各実施例で示したように、試料の混合と蛍光相関分光法(FCS)による計測により、並進拡散時間を求めるための情報が得られ、放射性同位元素の利用や電気泳動法や固体基質への分子の固定による選別などの煩雑な操作を行わずに、検出結果を簡便に短時間で得ることができる。また、精製していない細胞核抽出物のようなクルード(crude)な試料を用いても、二本鎖DNAと転写因子とのDNA−タンパク複合体が精度良く検出できる。また、転写因子が結合する本来の二本鎖DNAと1塩基またな2塩基しか違いのない二本鎖DNAを添加しても、本来の二本鎖DNAと転写因子との結合反応が妨げられずにDNA−タンパク複合体が検出できるので、FCSによるこれらの測定方法は、細胞核抽出物などのクルードなサンプル中に存在する特定のDNA結合タンパク質(転写因子、核内レセプターなど)を検出するのに有用である。また、サイトカインの刺激による転写因子の時間経過による発現量、APDCの効果も精度良く検出できる。
【0102】
上述した各実施例では、生成物の並進拡散時間を求めるために蛍光相関分光法(FCS)を用いたが、蛍光相関分光法(FCS)の代わりに、蛍光強度分布解析法(Fluorescence Intensity Multiple Distribution Analysis)を用いてもよい。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、溶液の混合と蛍光相関分光法による計測により並進拡散時間を求めるための情報が得られ、放射性同位元素の利用や電気泳動法や固体基質への分子の固定による選別などの煩雑な操作を行わずに、DNAとDNA結合タンパク質との反応を簡便に短時間で得ることができる。
また、本発明によれば、精製していない細胞核抽出物のようなクルード(crude)な試料を用いても、二本鎖DNAと転写因子との結合反応が精度良く検出できる。
また、転写因子が結合する本来の二本鎖DNAと1塩基またな2塩基しか違いのない二本鎖DNAを添加しても、本来の二本鎖DNAと転写因子との結合反応が妨げられずに反応生成物が検出できるので、FCSによるこれらの測定方法は、細胞核抽出物などのクルードなサンプル中に存在する特定のDNA結合タンパク質(転写因子、核内レセプターなど)を検出するのに有用である。
【配列表】









【図面の簡単な説明】
【図1】実験1−1の手順と生成物の概要を示す図。
【図2】実験2−1の手順と生成物の概要を示す図。
【図3】実験2−2の手順と生成物の概要を示す図。
【図4】実験2−3の手順と生成物の概要を示す図。
【図5】各実験で用いるDNAを示す図。
【図6】各実験で用いるDNAを示す図。
【図7】実施例2の対物レンズ11付近を示す図。
【図8】実験1−1および1−2での各反応後の生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図9】実験2−1での転写因子AP−1濃度に対する生成物の並進拡散時間のグラフ。
【図10】実験2−1での転写因子AP−1濃度に対する未反応物(K1)と反応生成物(K2)との存在比を示すグラフ。
【図11】実験2−2での二本鎖DNA(未標識)濃度に対する生成物の並進拡散時間、およびAP−1結合配列を持たないDNA(未標識)濃度に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図12】実験3−1での細胞核抽出物濃度に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図13】実験3−1での細胞核抽出物濃度に対する未反応物および生成物の存在比を示すグラフ。
【図14】実験3−2での細胞核抽出物濃度に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図15】実験3−2での細胞核抽出物濃度に対する未反応物および生成物の存在比を示すグラフ。
【図16】実験4−1から4−3での各二本鎖DNA(未標識)濃度に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図17】実験5−1から5−3での各二本鎖DNA(未標識)濃度に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図18】実験6−1での刺激時間に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図19】実験6−2での刺激時間に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図20】実験7−1でのTNF−α添加濃度およびAPDC添加濃度に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【図21】実験7−2でのTNF−α添加濃度およびAPDC添加濃度に対する生成物の並進拡散時間を示すグラフ。
【符号の説明】
1…転写因子TFIID、2…転写因子TFIIB、3…抗TFIIB抗体、4…蛍光標識、5…転写因子AP−1、10…二本鎖DNA、11…オリゴDNA、12…オリゴDNA、16…結合サイト、17…二本鎖DNA、18…二本鎖DNA、20…二本鎖DNA、21…オリゴDNA、22…オリゴDNA、24…二本鎖DNA、25…二本鎖DNA、26…結合サイト、26’…2塩基異なる結合サイト、30…二本鎖DNA、31…オリゴDNA、32…オリゴDNA、33…結合サイト、33’…1塩基異なる結合サイト、34…二本鎖DNA、35…二本鎖DNA。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成15年6月19日(2003.6.19)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也

【公開番号】 特開2005−6566(P2005−6566A)
【公開日】 平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願番号】 特願2003−175186(P2003−175186)