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【発明の名称】 食酢の製造方法
【発明者】 【氏名】竹下 憲生

【氏名】山本 経介

【氏名】崎野 順平

【要約】 【課題】アントシアニン系色素を有する食酢を生産性良く製造する。

【解決手段】赤米を1時間程蒸して蒸赤米5とするとともに、赤米に麹菌を接種して麹4及び蓋麹7を製造する。次に、カメ壷1の底部に種酢3と麹4を順に入れ、さらに前記蒸赤米5を加える。そして、水6を入れて蓋麹7をし、雑菌の侵入を防止するカメ壷2で封止する。この後、およそ半年経過すると糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵が同時に行なわれ、この状態で円やかな旨味を出すため、さらに半年程寝かせて熟成させる。このようにして得られた黒酢は絞り工程及び濾過工程を経て瓶詰めにされ、出荷されることとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無精米の赤米を蒸煮した後麹菌を接種して麹を得、同麹を種酢及び水とともに容器内に封入し、糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵を行うことを特徴とする食酢の製造方法。
【請求項2】
無精米の赤米にこれとは別品種の玄米を混合して蒸煮し、同混合米に麹菌を接種して麹を得、同麹を食酢及び水とともに容器内に封入し、糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵を行うことを特徴とする食酢の製造方法。
【請求項3】
蒸煮した無精米の赤米とこれとは別品種の蒸煮した玄米に麹菌を接種してそれぞれ麹を得、同各麹を混合して種酢及び水とともに容器内に封入し、糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵を行うことを特徴とする食酢の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、赤米を用いて健康保持栄養素であるアントシアニン系色素を有する食酢の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば玄米・米麹・水を主原料とする玄米黒酢の製造は、鹿児島県など南九州において伝統的に行なわれている。玄米黒酢は、蒸煮した玄米に麹菌を接種して麹を得、種酢・水とともに壷内に仕込み、糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵させ、その後およそ半年程熟成させることで製造されている(例えば特許文献1参照)。食酢は各種の栄養や健康増進の効果があることから、調味料等としてのみならず健康食品として飲用にも供されており、近年では健康志向の高まりから、より栄養効果や健康効果に優れた食酢が求められている。
【0003】
そこで、赤米の種皮から食酢で加熱注出して精製したアントシアニン系色素を含む食酢溶液を前記食酢に5〜10%添加した健康食酢が特許文献2で提案されている。アントシアニン系色素は動脈硬化の予防,老化・発ガン抑制に関係する抗酸化作用,その他ビタミンやミネラル等も豊富に含んでおり、健康保持に有用な成分である。しかしながら、前記健康食酢の製造技術は、アントシアニン系色素の注出と添加の各工程を別途必要とするから生産性に劣り、製品が高価格なものとならざるを得なかった。
【特許文献1】特開2002−254号公報
【特許文献2】特開平11−69967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、アントシアニン系色素を有する食酢を生産性良く製造する食酢の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 無精米の赤米を蒸煮した後麹菌を接種して麹を得、同麹を種酢及び水とともに容器内に封入し、糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵を行うことを特徴とする食酢の製造方法
2) 無精米の赤米にこれとは別品種の玄米を混合して蒸煮し、同混合米に麹菌を接種して麹を得、同麹を食酢及び水とともに容器内に封入し、糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵を行うことを特徴とする食酢の製造方法
3) 蒸煮した無精米の赤米とこれとは別品種の蒸煮した玄米に麹菌を接種してそれぞれ麹を得、同各麹を混合して種酢及び水とともに容器内に封入し、糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵を行うことを特徴とする食酢の製造方法
にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、主原料に無精米の赤米を用いて発酵処理するから、原料の選定を除く他要件は通常の玄米黒酢の製造技術に準じて行うことができ、特別な設備や工程を必要とすることなく生産性良く製造できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の食酢の製造方法は、主原料に無精米の赤米を用いることに特徴があり、この点を除く他要件は通常の玄米黒酢の製造方法に準ずる。なお、赤米は単体として使用する他、これとは別品種の玄米と混合して製造する場合がある。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は実施例の食酢の製造工程のフロー、図2は実施例のカメ壷への原料の仕込みを示す説明図である。図中、1はカメ壷、2はカメ蓋、3は種酢、4は麹、5は蒸赤米、6は水、7は蓋麹、8は製麹工程、9は仕込工程、10は発酵工程、11は熟成工程、12は絞り工程、13は濾過工程である。
【0009】
本実施例では、三斗入りのカメ壷1の場合、仕込み用の原料及び割合として無精米の赤米9リットル,水28.8リットル,麹4.14リットル,種酢0.5リットルを用いる。赤米としては紫黒苑(しこくえん),おくのむらさき,朝紫(あさむらさき)といった品種がある。種酢3は毎年数千個のカメ壷の中からわずかに突然変異的に生じる優良な玄米黒酢で、この種酢3により製造される食酢の品質と味覚が決定されるものである。
【0010】
まず、赤米を1時間程蒸して蒸赤米5とするとともに、赤米に麹菌を接種して麹4及び蓋麹7を製造する(製麹工程8)。次に、カメ壷1の底部に前述の種酢3と麹4を順に入れ、さらに前記蒸赤米5を加える。そして、水6を入れて蓋麹7をし、雑菌の侵入を防止するカメ壷2で封止する(仕込工程9)。
【0011】
この後、およそ半年経過すると糖発酵・アルコール発酵・酢酸発酵が同時に行なわれ(発酵工程10)、この状態で円やかな旨味を出すため、さらに半年程寝かせて熟成させる(熟成工程11)。このようにして得られた黒酢は絞り工程12及び濾過工程13を経て瓶詰めにされ、出荷されることとなる。
【0012】
本実施例はこのように構成したから、原料の赤米の玄米皮の部分に有するアントシアニン系色素をそのまま含むものとなり、従来のようにアントシアニン系色素を別途抽出し、その溶液を求める栄養効果やコストに応じて所定量添加する方法と比較して効率的且つ生産性良く製造することが可能となった。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明の食酢の製造方法は、得られた黒酢にリンゴ酢等を加えて飲み易くした健康飲料とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例の食酢の製造工程のフローである。
【図2】実施例のカメ壷への原料の仕込みを示す説明図である。
【符号の説明】
【0015】
1 カメ壷
2 カメ蓋
3 種酢
4 麹
5 蒸赤米
6 水
7 蓋麹
8 製麹工程
9 仕込工程
10 発酵工程
11 熟成工程
12 絞り工程
13 濾過工程
【出願人】 【識別番号】500429055
【氏名又は名称】株式会社プラセス製薬
【出願日】 平成15年10月7日(2003.10.7)
【代理人】 【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎

【公開番号】 特開2005−110560(P2005−110560A)
【公開日】 平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願番号】 特願2003−348125(P2003−348125)