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【発明の名称】 炭焼き用電熱炉
【発明者】 【氏名】檜山 幸男

【要約】 【課題】短時間で木材、竹材を乾溜するとともに、効率よく木酢液または竹酢液を回収する。

【解決手段】外側が断熱材4に覆われるとともに上部が開口した金属製の内釜1と、内釜1および外側断熱材4を収納する外釜5と、内釜1の内部に上下方向に配置された赤外線電熱ヒータ2と、内釜1の開口部を着脱自在に覆う内蓋3と、外釜5の開口部を着脱自在に覆う外蓋6と、外蓋6の上面に一端が接続されるとともに他端側が斜め下方に傾斜した冷却管13とを備える。冷却管13の外周部を吸水性を有する被覆材14で覆うとともに、冷却管13の最上位の位置の上方に冷却水を滴下する水源を設ける。冷却管13の先端部にU字形のトラップ管16を設けるとともに、そのトラップ管16の最下位部に廃液コック17を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側が断熱材に覆われるとともに上部が開口した金属製の内釜と、
この内釜の内部に上下方向に配置された赤外線電熱ヒータと、
前記内釜の開口部を着脱自在に覆う蓋と、
この蓋の上面に一端が接続されるとともに他端側が斜め下方に傾斜した冷却管と、
を備えたことを特徴とする炭焼き用電熱炉。
【請求項2】
請求項1に記載の炭焼き用電熱炉において、
前記内釜および外側断熱材を収納する外釜を設けるとともに、前記蓋を内釜を覆う内蓋と外釜を覆う外蓋の二重構造にしたことを特徴とする炭焼き用電熱炉。
【請求項3】
請求項2に記載の炭焼き用電熱炉において、
前記冷却管の一端を前記外蓋の下面に突出させるとともにその突出端部にオス状またはメス状のテーパ面を形成し、前記内蓋に短管を貫通させるとともにその上端にメス状またはオス状のテーパ面を形成し、前記内蓋を装着後に前記外蓋を装着する際に、前記両テーパ面を嵌合させることを特徴とする炭焼き用電熱炉。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の炭焼き用電熱炉において、
前記冷却管の外周部を吸水性を有する被覆材で覆うとともに、前記冷却管の最上位の位置の上方に冷却水を滴下する水源を設けたことを特徴とする炭焼き用電熱炉。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の炭焼き用電熱炉において、
前記冷却管の先端部にU字形のトラップ管を設けたことを特徴とする炭焼き用電熱炉。
【請求項6】
請求項5に記載の炭焼き用電熱炉において、
前記トラップ管の最下位部に廃液コックを設けたことを特徴とする炭焼き用電熱炉。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、竹材や木材を乾溜して、竹炭や木炭を得ると同時に竹酢液や木酢液を回収する炭焼き用電熱炉に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来、木炭や竹炭による空気の清浄効果や、木炭や竹炭を生成する際に回収される木酢液や竹酢液の防虫・殺菌等の薬用効果が着目されている。そのため、家庭等においても、小規模に炭焼きが試みられるようになってきた。また、市販の炭焼き装置として特許文献1等が知られている。
【特許文献1】特開2001−354971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の小規模用の炭焼き装置は、木材や竹材を投入してから木炭や竹炭が得られるまで少なくとも1昼夜程度の時間を必要とし、装置を稼働させる場合は安全のため、その間、立ち会っていることが必要であった。そのため一般勤労者が家庭においてそれらの装置を用いて炭焼きをしようとする場合は、週末や連休等を利用しなければならず、使用のタイミングが制限されるという問題があった。そこで、本発明は、もっと短時間に、炭焼きができる炭焼き装置を提案することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る炭焼き用電熱炉は、外側が断熱材に覆われるとともに上部が開口した金属製の内釜と、この内釜の内部に上下方向に配置された赤外線電熱ヒータと、前記内釜の開口部を着脱自在に覆う蓋と、この蓋の上面に一端が接続されるとともに他端側が斜め下方に傾斜した冷却管とを備えたことを特徴とする。また、本発明は、前記内釜および外側断熱材を収納する外釜を設けるとともに、前記蓋を内釜を覆う内蓋と外釜を覆う外蓋の二重構造にし、前記冷却管の一端を前記外蓋の下面に突出させるとともにその突出端部にオス状またはメス状のテーパ面を形成し、前記内蓋に短管を貫通させるとともにその上端にメス状またはオス状のテーパ面を形成し、前記内蓋を装着後に前記外蓋を装着する際に、前記両テーパ面を嵌合させることを特徴とする。さらに、本発明は、前記冷却管の外周部を吸水性を有する被覆材で覆うとともに、前記冷却管の最上位の位置の上方に冷却水を滴下する水源を設けたことを特徴とする。さらにまた、本発明は、前記冷却管の先端部にU字形のトラップ管を設けるとともに、そのトラップ管の最下位部に廃液コックを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
以上述べたように本発明によれば、赤外線電熱ヒータを内釜の内部に上下方向に配置して炭焼き用電熱炉を構成したことで、加熱効率にすぐれ、短時間に木材や竹材を乾溜して、木炭や竹炭を得ることができる。また、冷却管を冷却水の蒸発熱で冷却するとともに、冷却管の先端にトラップ管を設けたことで、木酢液や竹酢液を効率良く回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明に係る炭焼き用電熱炉の内部構造を示す縦断面図であり、図2は図1の要部を示す拡大断面図であり、図3は図1から蓋を除去した状態の平面図である。図1において、1はステンレス等の金属からなる有底円筒状の内釜であり、内釜1の内側の壁寄りの位置に赤外線電熱ヒータ2が垂直方向に取付けられている。また、内釜1の上端はステンレス等の金属からなる内蓋3により覆われている。さらに、内釜1の外側は断熱材4を介して外釜5により支持されている。外釜5の上端はステンレス等の金属からなる外蓋6により覆われている。なお、外釜5の上端と外蓋6との間には、パッキン7が挟まれる。
【0007】
内蓋3と外蓋6は図2のように接続されている。すなわち、内蓋3の中央部分に短管8が内蓋3を貫通して垂直に接続され、その上端8aの内側にテーパ面が形成されている。同様に、外蓋6の中央部分にエルボウ管9が外蓋6を貫通して垂直に接続され、その下端9aの外側にテーパ面が形成されている。ここで、内蓋3を内釜1の上端に載置した後、短管8の上端8aのテーパ面に、エルボウ管9の下端9aを挿入するようにして外蓋6を外釜5に載置する。次に、外蓋6の外周部と外釜5の上端を3個程度のシャコマン11により固定する。その結果、短管8の上端8aとエルボウ管9の下端9aは密着される。なお、エルボウ管9の他端には、ソケット12が嵌合されており、金属製の冷却管13が着脱自在に接続されている。このとき、ガス排出管の継ぎ手部分に、膨張率の相異なる2種類の金属で互いに嵌合して高温になるに従い締めつける構造にすることもできる。
【0008】
この冷却管13は、図1に示されるように、右下がりに傾斜して取り付けられ、外周部を布等の吸水性を有する被覆材14により覆われている。また、被覆材14の左端の最上位の位置の上方には、水道の蛇口15が配設され、冷却水を被覆材14に滴下するようにして冷却効果を高めている。冷却管13の右端には、U字形のトラップ管16を接続し、トラップ管16の最下位部分に廃液コック17を設けている。トラップ管16の出口の下方には、木酢液または竹酢液を回収する容器18を置いておく。
【0009】
このように構成された炭焼き用電熱炉を使用するには、図3に示すように、内蓋3と外蓋6を取り外した状態で、内釜1内の赤外線電熱ヒータ2の間に、竹材Bを収納する。次いで、図1および図2に示すように、短管8とエルボウ管9を接続しながら内釜1を内蓋3で覆い、外釜5を外蓋6で覆い、さらに、シャコマン11を取り付けて密閉する。次いで、ソケット12に冷却管13を接続し、水道の蛇口15を開けて、水滴を吸水性を有する被覆材14に滴下する。さらに、トラップ管16の廃液コック17を閉じて、トラップ管16の出口に容器18を置いておく。
【0010】
ここで、赤外線電熱ヒータ2に通電する。通電されるに従い、内部温度が上昇し、加熱された竹材Bからガスが発生し、短管8、エルボウ管9を経由して、冷却管13に導かれる。冷却管13を通過中にガスは液化して、冷却管13を伝わり、トラップ管16に溜まり始める。この溜まり始めた液体が竹酢液であり、トラップ管16に一定量溜まると、冷却管13内と外気との間を遮断し、冷却管13内で液化されなかったガスが必ずトラップ管16内の竹酢液をくぐり抜けるため、ガス中の竹酢液成分が確実に液化して回収されるようになる。
【0011】
トラップ管16内の竹酢液が一定量を越えると、竹酢液はトラップ管16の出口から排出され容器18に落下して回収される。また、トラップ管16に溜まった竹酢液は、その成分中の比重の大きいタール分が沈下してトラップ管16の底部に溜まりやすいため、時々廃液コック17を開いてタール分を排出することができる。なお、発明者の実施例によると、赤外線電熱ヒータ2として容量500Wのものを3本設置して、約3Kgの竹を乾溜した場合、2〜3時間で乾溜が終了し竹炭が得られるとともに、1200〜1400ccの竹酢液を回収できた。このように、本発明の炭焼き用電熱炉を用いると、乾溜が短時間で完了して竹炭が得られるとともに、高効率で竹酢液を回収することができる。なお、木材についても同様な結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明は、木材や竹材を乾溜する以外に、果物等の食物を乾溜する用途に利用可能である。また、2種類以上の成分が混じっている混合液体を蒸溜する用途にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る炭焼き用電熱炉の内部構造を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部を示す拡大断面図である。
【図3】図1から蓋を除去した状態の平面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 内釜
2 赤外線電熱ヒータ
3 内蓋
4 断熱材
5 外釜
6 外蓋
7 パッキン
8 短管
8a 上端
9 エルボウ管
9a 下端
11 シャコマン
12 ソケット
13 冷却管
14 被覆材
15 蛇口
16 トラップ管
17 廃液コック
18 容器
B 竹材
【出願人】 【識別番号】592025661
【氏名又は名称】檜山 幸男
【出願日】 平成15年8月7日(2003.8.7)
【代理人】 【識別番号】100095739
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 俊夫

【公開番号】 特開2005−54132(P2005−54132A)
【公開日】 平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願番号】 特願2003−288598(P2003−288598)