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【発明の名称】 コークス乾式消火設備の排出装置
【発明者】 【氏名】田端 三千雄
【住所又は居所】福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社エンジニアリング事業本部内

【氏名】増井 政樹
【住所又は居所】福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社エンジニアリング事業本部内

【氏名】渡邉 恒治
【住所又は居所】兵庫県加古川市金沢町7番地 関西熱化学株式会社加古川工場内

【要約】 【課題】本発明が解決しようとする課題は、排出装置の耐久性を向上させ、ケーシングの破損によりコークス粉の飛散を防止することである。

【解決手段】赤熱コークスを冷却する冷却塔のコークス排出口に設けられたロータリーシール弁によってコークスを連続的に排出する排出装置において、ロータリーシール弁を構成するケーシングのうち羽根部を覆うケーシングの内面に複数に分割したセラミックライナを張設したことを特徴とするコークス乾式消火設備の排出装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤熱コークスを冷却する冷却塔のコークス排出口に設けられたロータリーシール弁によってコークスを連続的に排出する排出装置において、ロータリーシール弁を構成するケーシングのうち羽根部を覆うケーシングの内面に複数に分割したセラミックライナを張設したことを特徴とするコークス乾式消火設備の排出装置。
【請求項2】
赤熱コークスを冷却する冷却塔のコークス排出口に設けられたロータリーシール弁によってコークスを連続的に排出する排出装置において、ロータリーシール弁を構成するケーシングのうち羽根部を覆うケーシングの内面に鋼板製ライナを張設し、且つ該鋼板製ライナの内面に複数に分割したセラミックライナを張設したことを特徴とするコークス乾式消火設備の排出装置。
【請求項3】
前記セラミックライナはロータリ−シール弁を構成する羽根の回転方向における長さLを100mm以下に分割したことを特徴する請求項1または2に記載のコークス乾式消火設備の排出装置。
【請求項4】
前記セラミックライナは、ロータリーシール弁を構成する羽根の回転方向に千鳥状に張設したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコークス乾式消火設備の排出装置。
【請求項5】
前記セラミックライナはロータリーシール弁を構成する羽根の回転方向における分割長さLと羽根先端部の回転方向の厚みWとの関係が下記式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコークス乾式消火設備の排出装置。
L+目地≦W
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤熱コークスの顕熱を回収しながら冷却して排出するコークス乾式消火設備において耐久性を向上させる排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉から押し出された赤熱コークスの顕熱を回収しながら冷却を行う設備として、コークス乾式消火設備が使用されている。この設備は、例えば図9に模式的に示すように、コークス炉から搬送されてきた赤熱コークスが炉頂部の装入装置22から冷却塔2に投入され、不活性ガスと熱交換して冷却され、下部の排出装置27から排出される。
【0003】
顕熱の回収に使用される不活性ガスは、冷却塔2にて赤熱コークスの顕熱で800℃以上の高温になり、一次ダストキャッチャ23を経由してボイラ24に送られ、その熱量を蒸気として回収し、蒸気は系外に取り出している。ボイラ24で熱交換した不活性ガスは、二次ダストキャッチャ25を経由してブロワ26で昇圧され再び冷却塔2に供給される。この不活性ガスは粉塵等を多量に含んでおり、操業条件によってはCOやH を含むガスが発生する場合がある。そこで、冷却塔の排出口と排出装置との間を気密に保持しながら塊状のコークスを切り出すことが必要になる。
【0004】
排出装置としては、特許文献1や特許文献2に示されているものが広く採用されている。その例を示すと、図10のように振動フィーダ3とロータリーシール弁4を直列に配設しており、冷却塔2で冷却されたコークスは、振動フィーダ3によって連続的かつ定量的にロータリーシール弁4に供給され、この弁から排出コンベア28上に排出されて系外に送られる。
【0005】
ロータリーシール弁4は、ケーシング6,7で覆い、気密性を保ち不活性ガスが系外に噴出さないように考慮されている。振動フィーダ3によって定量的に切り出されるコークスはロータリーシール弁4の羽根14と羽根で仕切られた空間に投入され、羽根14を回転させることで搬出される。羽根の外周には、ケーシング6,7が羽根先端に近接して設けられている。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−74289号公報
【特許文献2】
実公昭62−34979号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図10のような従来の排出装置27においては、ロータリーシール弁4を構成する羽根14と外周に近接して配設したケーシング6,7との間は気密性を保ちつつ、羽根を回転させるために数mmの隙間を設ける必要がある。ところが、ケーシング内面に鋼板製ライナを内張りしているにもかかわらず、この隙間にコークスの粉塵が侵入し鋼板製ライナが摩耗することで、羽根とケーシングの隙間は拡大し、気密性が確保できなくなる。そのため、系外に不活性ガスや粉塵が飛散することがしばしば発生している。従って、数年で予備機と交換しなければならず、多額の費用を要している。また、耐磨耗性に優れる超耐摩耗性クラッド鋼板等はあるが、ケーシングのライナとして使用するには機械加工が困難で気密性に必要な隙間の精度を得ることが出来ない。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする課題は、ケーシングの摩耗速度を低減し、気密性低下によるロータリーシール弁の交換頻度を少なくし排出装置の耐久性を向上させることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、
(1)赤熱コークスを冷却する冷却塔のコークス排出口に設けられたロータリーシール弁によってコークスを連続的に排出する排出装置において、ロータリーシール弁を構成するケーシングのうち羽根部を覆うケーシングの内面に複数に分割したセラミックライナを張設したことを特徴とするコークス乾式消火設備の排出装置。
【0010】
(2)赤熱コークスを冷却する冷却塔のコークス排出口に設けられたロータリーシール弁によってコークスを連続的に排出する排出装置において、ロータリーシール弁を構成するケーシングのうち羽根部を覆うケーシングの内面に鋼板製ライナを張設し、且つ該鋼板製ライナの内面に複数に分割したセラミックライナを張設したことを特徴とするコークス乾式消火設備の排出装置。
【0011】
(3)前記セラミックライナはロータリ−シール弁を構成する羽根の回転方向における長さLを100mm以下に分割したことを特徴する前項(1)または(2)に記載のコークス乾式消火設備の排出装置。
【0012】
(4)前記セラミックライナは、ロータリーシール弁を構成する羽根の回転方向に千鳥状に張設したことを特徴とする前項(1)乃至(3)のいずれかに記載のコークス乾式消火設備の排出装置。
【0013】
(5)前記セラミックライナはロータリーシール弁を構成する羽根の回転方向における分割長さLと羽根先端部の回転方向の厚みWとの関係が下記式を満足することを特徴とする前項(1)乃至(4)のいずれかに記載のコークス乾式消火設備の排出装置である。
L+目地≦W
【0014】
【発明の実施の形態】
添付した図において、図1は本発明の実施例を示す説明図、図2は本発明を適用したケーシング部の拡大図、図3は図2および図5のA−A矢視図、図4は図2および図5のB−B矢視図、図5は本発明の第2の実施例を示すケーシング部の拡大図である。
また、図6は鋼板製ライナの配置図を、図7は鋼板製ライナの別案の配置図を示し、図8は本発明のセラミックライナ目地部と羽根先端部のとの関係を示す図である。
【0015】
図1において、冷却塔2の下部には振動フィーダ3が連結されている。振動フィーダ3は、一方側が冷却塔2の下部に伸縮継手20を介して連結されており、他方側はロータリーシール弁4に伸縮継手21を介して連結されている。ロータリーシール弁4はロータ15とロータ15から放射状に取り付けられた羽根14と羽根14の外周に近接して設けたケーシング6,7から構成され、ケーシング6,7が伸縮継手21を介して振動フィーダー3に連結されている。振動フィーダー3によって搬送されたコークス1はロータリーシール弁4の羽根14と羽根14の間の空間に装入され、ロータリーシール弁4の回転により排出口より排出され排出コンベア28上に排出される。
【0016】
図2にはロータリーシール弁4の羽根14の外周に近接して配設したケーシング6,7の詳細を示す。ケーシング4の内面には接着剤13を介してセラミックライナ9を張設している。
【0017】
羽根14が時計廻りに回転してコークス1を排出する場合、羽根14の外周に配設したケーシング6の羽根が最初に進入する部分にはセラミックライナ9は張設せず、鋼板製ライナ10を所定の長さ張設しいている。ここでは羽根の回転角度で15度程度の長さでケーシングの入口から回転方向に向かって張設している。これは、コークスの落下による耐衝撃性を考慮して配置したものである。
【0018】
図3はセラミックライナ9の配列を示したもので、セラミックライナは羽根14の回転方向に千鳥配列している。これはセラミックライナ間の目地の接着剤がガスカットあるいはコークス粉による摩耗で損耗してもガスの通る溝が生じてもケーシングの円周方向に連続した溝が発生しにくくし、ガスリークを抑制するためである。
【0019】
図4に示すようにセラミックライナ9の羽根14の回転方向長さLは5mm以上100mm以下としている。これは、羽根14の直径が2000mm程度であり、この外形に近接するようにケーシング6が配置されるため、Lを100mm以上にすると羽根14の回転軸からセラミックライナ9の単品での中心の距離と両端位置までの距離に差ができ、羽根14の先端との隙間寸法が羽根の外形とケーシング6,7内面の製作誤差を超える。そのため、セラミックライナ9と羽根先端の接触、衝突により羽根の回転が不能になったり、一方では隙間の増大によって気密性が保持できなくなる。また、5mm以下にするとセラミックライナ9の目地部が増え、目地が摩耗すると、セラミックライナ9とケーシング6,7の接着面へ摩耗が進行し、セラミックライナが剥がれてしまう危険性がある。従って、できる限り目地部は少ないほうがよい。
【0020】
セラミックライナ9に代えてセラミック溶射等を施工することで摩耗を防止することも考えられるが、自溶性合金溶射ではケーシングが熱変形を起こし、真円度が確保できない。また吹き付け溶射剤では必要な耐摩耗強度は得られない。このように、図2にはケーシング6の耐摩耗性を向上させるため機械加工して真円度を確保したケーシング6と、その内面にセラミックライナ9を張設した2層構造とした。
【0021】
図5にはロータリーシール弁4の羽根14の外周に近接して配設したケーシング6,7の詳細を示す。ケーシング6,7の内面には固定皿ボルト、ナット11,12により鋼板製のライナ8をケーシング6,7に固定する。固定方法はプラグ溶接でも良い。この鋼板製ライナ8を機械加工して真円度を確保した後、その内面に接着剤13を介してセラミックライナ9を張設して、3層構造とすることで、一層耐摩耗性が向上する。
【0022】
羽根14が時計廻りに回転してコークス1を排出する場合、羽根14の外周に配設したケーシング6の羽根が最初に進入する部分にはセラミックライナ9は張設せず、鋼板製ライナ10を所定の長さ張設している。ここでは角度で15度程度の長さでケーシングの入口から回転方向に向かって張設している。これは、コークスの落下による耐衝撃性を考慮して配置したものである。
【0023】
ケーシング6および7の内面に張設した鋼板製ライナ8は図6に示すように回転羽根14の回転外周に沿って配設したケーシング6,7に沿って一体型プレートとして張設してもよいし、図7に示すように回転方向を短辺とする短冊状のプレートを複数枚回転方向に張設しても良い。
【0024】
図8にはロータリーシール弁4の羽根14の先端とセラミックライナ9との詳細を示す。セラミックライナ9の円周方向の目地がガスカットあるいはコークス粉による摩耗で損耗してもセラミックライナ9の大きさLと羽根先端部の厚みWとの関係を下式を満足するようにすることで、気密性に必要なケーシング内面と羽根先端部とのすきまは保持できる。そのためガスリークをより一層浴節することが出来る。
L+ 目地≦W
【0025】
【発明の効果】
ケーシングの内面にセラミックライナを張設することで、耐磨耗性が向上し、気密性が長く保たれる。そのため気密性低下によるロータリーシール弁の交換頻度は従来よりも小さくなり、経済性が向上する。従来は損耗したライナを補修するときに、ライナを交換した後に真円度を出すための機械加工が必要であったが、本発明ではセラミックライナの張替え作業だけとなり、非常に簡素化することができる。ケーシングの内面に鋼板製ライナ、その内面にセラミックライナを張設することで、セラミックライナが脱落しても、脱落部の局所摩耗の進展を緩和することができ、さらに耐摩耗性を向上することができる。セラミックライナが脱落しても脱落部の局所摩耗の進展を緩和することが出来る。羽根回転方向におけるセラミックライナの長さを規定することで真円度を出したケーシングあるいは鋼板製ライナの内面にセラミックライナを張設すればケーシングの気密性に必要な真円度を確保することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す説明図である。
【図2】本発明を適用した排出装置ケーシング部の拡大図である。
【図3】図2および図5のA−A矢視図である。
【図4】図2および図5のB−B矢視図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す排出装置ケーシング部の拡大図である。
【図6】図5のC−C矢視図で鋼板製ライナの配置図である。
【図7】図7 鋼板製ライナの別案の配置図である。
【図8】図4のD−D矢視図でセラミックライナ接続目地と羽根先端との関係を示す図である。
【図9】本発明の装置を対象とするコークス乾式消火設備の例を示す説明図である。
【図10】従来の排出装置の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1:コークス
2:冷却塔
3:振動フィーダ
4:ロータリーシール弁
5:カバー
6:ケーシング
7:ケーシング
8:鋼板製ライナ
9:セラミック製ライナ
10:鋼板製ライナ
11:固定要皿ボルト、ナット
12:固定用皿ボルト、ナット
13:接着剤
14:羽根
15:ロータ
16:トラフ
17:バイブレータ
18:振幅検出器
19:制御器
20:伸縮継手
21:伸縮継手
22:装入装置
23:一次ダストキャッチャー
24:ボイラ
25:二次ダストキャッチャー
26:ブロワ
27:排出装置
28:排出コンベア
【出願人】 【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目6番3号
【出願日】 平成15年8月4日(2003.8.4)
【代理人】 【識別番号】100062421
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弘明

【識別番号】100068423
【弁理士】
【氏名又は名称】矢葺 知之

【公開番号】 特開2005−53957(P2005−53957A)
【公開日】 平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願番号】 特願2003−205880(P2003−205880)