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【発明の名称】 17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエン類及びそれらの生成のための中間生成物、医薬剤及び医薬製剤の生成のためへの17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの使用
【発明者】 【氏名】ボールマン,ロルフ

【氏名】ハインリッヒ,ニコラウス

【氏名】ヤウテラット,ロルフ

【氏名】クロール,ヨルク

【氏名】ペトロフ,オルリン

【氏名】ライヒェル,アンドレアス

【氏名】ホフマン,イェンス

【氏名】リヒトナー,ロゼマリー

【要約】 【課題】新規な17α−アルキル−17β−オキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエンを提供する。

【解決手段】本発明は、一般式Iと共に抗エストロゲン性作用を有する17α−アルキル−17β−オキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエンに関する。さらに、本発明はまた、本発明のエストラトリエンの生成における中間性生物としての17−オキソ−エストラ−1,3,5−(10)−トリエン及び17β−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエンにも関する。本発明はまた、医薬剤の調製のためへの17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの使用、及び少なくとも1つの17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエン及び少なくとも1つの医薬的に適合できるビークルを含む医薬製剤にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式一般式I:
【化1】


[式中、Halは、F又はClを表し、そして11β−位でエストラトリエン骨格に結合され、
R3は、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルカノイル、又はO原子を有する環状C3−C7−エーテルを表し、
R17’は、水素、C1−C4−アルキル又はC1−C4−アルカノイルを表し、
R17''は、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルケニル、C1−C4−アルキニル、及び少なくとも部分的に弗素化されたC1−C4−アルキル基を表し、ここで、17β−位でのR17’−O及び17α−位でのR17''はエストラトリエン骨格に結合され、そして
SKは、基U−V−W−X−Y−Z−Eを表し、ここで、この基は、7α−位でUを通してエストラトリエン骨格に結合され、ここでUは、直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C13−アルキレン−、−アルケニレン−もしくは−アルキニレン基、又は基A−Bを表し、ここで、Aはエストラトリエン骨格に結合され、そして−CH2−を通して、エストラトリエン骨格に結合されるベンジリデン基、フェニレン基、又はアルキル基を通してエストラトリエン骨格に結合されるC1−C3−アルキルアリール基を表し、そしてBは直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C13−アルキレン−、−アルケニレン−又は−アルキニレン基を表し、そしてここで、A及びBはまた、O原子を通してお互いに結合され得、Vはさらに、CH2−又はC(O)基を表し、Wはさらに、N(R6)−基又はN+(O-)(R6)基、又はアンゾリジニレン環もしくはアゾリジニレン−N−オキシド環を表し、それにより前記アゾリジニレン環又はアゾリジニレン−N−オキシド環は基Xの少なくとも1つのC原子を包含し、R6はさらに、H又はCH2−R7又はC(O)−R7であり、ここでR7は次の意味を有し:
a)水素又は
b)1又は複数の位置においてヒドロキシル化されていてもよく、そして1〜3個のヘテロ原子−O−及び−S−、及び/又は基−NR9−(ここで、R9は水素又はC1−C3−アルキル基を表す)により中断され得る、直鎖又は枝分かれ鎖の弗素化されていないか又は少なくとも部分的に弗素化されたC1−C14−アルキル−、−アルケニル−又は−アルキニル基、又は
c)置換されていないか又は置換されたアリール−又はヘテロアリール基、又は
d)置換されていないか又は置換されたC3−C10−シクロアルキル基、又は
e)置換されていないか又は置換されたC4-C15−シクロアルキルアルキル基、又は
f)置換されていないか又は置換されたC7−C20−アラルキル基、又は
g)置換されていないか又は置換されたヘテロアリール−C1−C6−アルキル基、又は
h)置換されていないか又は置換されたアミノアルキル基又はビフェニル基、
Xはさらに、直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C12−アルキレン−、−アルケニレン−又は−アルキニレン基であり、
Yはさらに、XとXとの間の直接結合であるか、又は次の意味を有することができ:
a)SOn−R10基、ここで、WがN+(O-)(R6)基又はアゾリジニレン−N−オキシド環であり、そしてN(R6)基又はアゾリジニレン環でない場合のみ、nは0、1又は2であり、R10は、SOnとZとの間の直接結合、又は直鎖もしくは枝分かれ鎖のC1−C6−アルキレン−、−アルケニレン−又は−アルキニレン基を表し、又は
b)基R11又はO−R11、ここでR11は、
i)直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C5−アルキレン、−アルケニレン−又は−アルキニレン基、又は
ii)置換されていないか又は置換されたアリール基又はヘテロアリール、又は
iii)置換されていないか又は置換されたC3−C10−シクロアルキル基、又は
iv)置換されていないか又は置換されたC4−C15−シクロアルキルアルキル基、又は
v)置換されていないか又は置換されたC7−C20−アラルキル基、又は
vi)置換されていないか又は置換されたヘテロアリール−C1−C6−アルキル基を表し、
c)基CH=CF、又は
d)基HN−C(O)−NH−R12(ここで、R12は置換されていないか又は置換されたアリーレン基を表し、そしてR12はZに結合される)、そしてZはさらに、YとEとの間の直接結合、又は部分的に又は完全に弗素化され得る、直鎖または枝分かれ鎖のC1−C9−アルキレン−、−アルケニレン−又は−アルキニレン基であり、そしてEはさらに、CF3基又は少なくとも部分的に弗素化されたアリール基である]
で表される17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエン、薬理学的に適合できる酸付加塩及びエステル(但し、11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,9−ヘプタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシドを除く)。
【請求項2】
R3が水素、CH3、CH3CO又はC5H10Oを表す請求項1記載のエストラトリエン。
【請求項3】
R17’が水素、CH3又はCH3COを表し、そしてR17''がメチル、エチニル又はトリフルオロメチルを表す請求項1又は2記載のエストラトリエン。
【請求項4】
Halが弗素を表す請求項1〜3のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項5】
Uが(CH2)pを表し、ここでpは2〜10の整数である請求項1〜4のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項6】
pが4である請求項1〜5のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項7】
VがCH2を表す請求項1〜6のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項8】
WがN(R6)−又はN+(O-)(R6)を表し、ここでR6は水素又はC1−C3−アルキル基である請求項1〜7のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項9】
R6がメチルを表す請求項1〜8のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項10】
Xが(CH2)qを表し、ここでqは0であるか、又は1〜12の整数である請求項1〜9のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項11】
YがXとZとの間の直接結合、又はSOn基(ここで、nは0,1又は2である)である請求項1〜10のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項12】
Zが、少なくとも部分的に弗素化される、直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C7−アルキレン基である請求項1〜11のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項13】
EがCF3又はペンタフルオロフェニルを表す請求項1〜12のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項14】
Z−EがC2F5, C3F7, C4F9又はC6F5を表す請求項1〜13のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項15】
一般式Iを有するエストラトリエン、すなわち
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,10,10,10−ヘプタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
(RS)−11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(9,9,10,10,10−ペンタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,9−ヘプタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
17α−エチニル−11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
17α−エチニル−11β−フルオロ−3−(2−テトラヒドロピラノイルオキシ)−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−ジオール、
11β−フルオロ−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−トリフルオロメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロオクチル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,10,10,10−ヘプタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ウンデカフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(5,5,6,6,7,7,8,8,8−ノナフルオロオクチル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(9,9,10,10,11,11,11−ヘプタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(9,9,10,10,10−ペンタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールである請求項1〜14のいずれか1項記載のエストラトリエン。
【請求項16】
下記一般式II:
【化2】


[式中、Halは、F又はClを表し、そしてエストラトリエン骨格に11β−位で結合され、
R3は、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルカノイル、又はO原子を有する環状C3−C7−エーテルを表し、
R17’は、水素、C1−C4−アルキル又はC1−C4−アルカノイルを表し、そしてエストラトリエン骨格に17β−位で結合され、そして
SKは、基U−V−W−X−Y−Z−Eを表し、ここでこの基は、7α−位におけるUを通して、エストラトリエン骨格に結合され、そしてU, V, X, Y, Z及びEは、請求項1〜15のいずれかに記載される意味を有し、但しWは、N+(O-)(R6)基又はアゾリジニレン−N−オキシド環を表し、ここで前記アゾリジニレン−N−オキシド環は基Xの少なくとも1つのC原子を含み、ここでR6は請求項1〜15のいずれか1項記載の意味を有する]で表される17β−オキシ−エストラトリエン。
【請求項17】
一般式IIを有する17β−オキシ−エストラトリエン、すなわち
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)スルファニル]プロピル}アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルファニル]プロピル}アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]プロピル}アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
(S)−11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
(R)−11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(9,9,10,10,10−ペンチルフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシドである請求項16記載のエストラトリエン。
【請求項18】
下記一般式III:
【化3】


[式中、Halは、F又はClを表し、そしてエストラトリエン骨格に11β−位で結合され、
R3は、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルカノイル、又はO原子を有する環状C3−C7−エーテルを表し、そして
SKは、基U−V−W−X−Y−Z−Eを表し、ここでこの基は、7α−位におけるUを通して、エストラトリエン骨格に結合され、そしてU, V, X, Y, Z及びEは、請求項1〜15のいずれかに記載される意味を有し、但しWは、N+(O-)(R6)基又はアゾリジニレン−N−オキシド環を表し、ここで前記アゾリジニレン−N−オキシド環は基Xの少なくとも1つのC原子を含み、ここでR6は請求項1〜15のいずれか1項記載の意味を有する]で表される17β−オキシ−エストラトリエン。
【請求項19】
一般式III を有する17−オキソ−エストラトリエン、すなわち、
11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]プロピル}−アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルファニル]プロピル}−アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシド、
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシドである請求項18記載のエストラトリエン。
【請求項20】
請求項1〜15のいずれか1項記載の一般式Iを有する17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの医薬剤の生成のためへの使用。
【請求項21】
少なくとも1つの請求項1〜15のいずれか1項記載の一般式Iを有する17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエン、及び少なくとも1つの医薬的に適合できるビークルを含む医薬製剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエン類及びそれらの生成のための中間生成物、それらの化合物を含む医薬剤及び医薬製剤の生成のためへの17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの使用に関する。
本発明の化合物は、抗エストロゲン作用を有し、すなわちそれらの物質はエストロゲンに対する作用の阻害を発揮する。そのような物質は、すでに集中的にこれまで記載されて来た。
【0002】
例えば、抗エストロゲン作用を有する化合物は、EP0138504B1号から知られている。次に、それらは、実質的に、3−位でヒドロキシ又はアルコキシにより、17β−位でヒドロキシにより、及び17α−位で水素又はアルキルにより置換されているエストラ−1,3,5(10)−トリエン誘導体である。17α−位において、それらの化合物はまた、部分的に弗素化され得、そしてアミド、アミノ、アミン−N−オキシド、オキシ、スルファニル、スルフィニル及び/又はスルホニル基により中断され得るアルキル側鎖も有する。
【0003】
WO99/33855A1号においては、3−位及び17−位にヒドロキシ基を有することができる11β−ハロゲン−7α−置換されたエストラ−1,3,5(10)−トリエンが記載されている。7α−側鎖は、アミン−窒素原子又はスルファニル、スルフィニル又はスルホニル基により中断される、部分的に弗素化された、任意には、不飽和の炭化水素鎖である。
【0004】
他の化合物は、WO98/07740A1号に記載されている。これに関しては、それらは置換された7α−(ξ−アミノアルキル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエンである。それらの化合物は好ましくは、3−位にヒドロキシ、メトキシ又はアセチルオキシ基、及び好ましくは、17α−位及び/又は17β−位にメチル又はトリフルオロメチル基を有する。11β−位においては、弗素原子が好ましくは供給され、そして7α−位においては、その末端位置において少なくとも部分的に弗素化され、そしてアミン−N原子及びスルファニル、スルフィニル又はスルホニル基により中断されるアルキル側鎖が供給される。
【0005】
WO97/45441A1号においては、3−位及び17β−位にヒドロキシ基を有する7α−(5−メチルアミノペンチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエンが開示されている。17α−位においては、メチル又はエチル基が供給され得る。エストラトリエン骨格がまた、2−位においては、弗素原子により置換され得る。
【0006】
特許出願における既知化合物は、種々の生物学的に非常に活性的な代謝物を形成することがわかっている。それらの代謝物の形成は、所望しない作用、及び従って、制御できない範囲の作用をもたらす。特に、副作用は調節され得るか、又は所望する主要作用(抗エストロゲン作用)は、それらの代謝物の自発的形成により制御できない。さらに、経口投与の場合、既知化合物の適合性は不十分である。既知化合物が肺胞マクロファージの構築を促進することは特に知られている。
【0007】
従って、本発明の目的は、その代謝が調節され、そして従って、ほとんどか又はまったく生物的活性の代謝物を形成しない抗エストロゲン性化合物を見出すことである。さらに、求められている化合物の適合性は、経口投与の場合、満足のいくものであり、そしてそれらの投薬の場合、肺胞マクロファージは構築しないか又は少なくとも、単にわずかな程度、構築することが所望される。
【0008】
この目的は、請求項1記載の新規17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエン、また、請求項16記載の新規17β−オキシ−エストラトリエン、及び請求項18記載の17−オキソ−エストラトリエン(それらは、それぞれ、本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの生成のための中間体生成物として使用され得る)により、請求項20記載の医薬剤の生成のためへの17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの使用により、及び本発明の化合物を含む、請求項21記載の医薬組成物により達成される。
【0009】
本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンは、下記式一般式I:
【化1】


【0010】
[式中、Halは、F又はClを表し、そして11β−位でエストラトリエン骨格に結合され、
R3は、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルカノイル、又はO原子を有する環状C3−C7−エーテルを表し、
R17’は、水素、C1−C4−アルキル又はC1−C4−アルカノイルを表し、
R17''は、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルキニル、及び少なくとも部分的に弗素化されたアルキル基を表し、ここで、R17''は、17β−位での−Oを意味し、そして17α−位でのR17''はエストラトリエン骨格に結合され、そして
SKは、基−U−V−W−X−Y−Z−Eを表し、ここで、この基は、7α−位でUを通してエストラトリエン骨格に結合される]を有する。
【0011】
前記側鎖においては、記号U,V,W,X,Y,Z及びEは次の意味を有する:
Uは、直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C13−アルキレン、−アルケニレンもしくは−アルキニレン基、又は基A−Bを表し、ここで、Aはエストラトリエン骨格に結合され、そして−CH2−を通して、エストラトリエン骨格に結合されるベンジリデン基、フェニレン基、又はアルキル基を通してエストラトリエン骨格に結合されるC1−C3−アルキルアリール基を表し、そしてBは直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C13−アルキレン、−アルケニレン又は−アルキニレン基を表し、そしてここで、A及びBはまた、O原子を通してお互いに結合され得、
【0012】
Vは、CH2−又はC(O)基を表し、
Wは、N(R6)−基又はN+(O-)(R6)基、又はアンゾリジニレン環もしくはアゾリジニレン−N−オキシド環を表し、それにより前記アゾリジニレン環又はアゾリジニレン−N−オキシド環は基Xの少なくとも1つのC原子を包含し、R6は、H又はCH2−R7又はC(O)−R7であり、ここでR7は次の意味を有し:
a)水素又は
b)1又は複数の位置においてヒドロキシル化されていてもよく、そして1〜3個のヘテロ原子−O−及び−S−、及び/又は基−NR9−(ここで、R9は水素又はC1−C3−アルキル基を表す)により中断され得る、直鎖又は枝分かれ鎖の弗素化されていないか又は少なくとも部分的に弗素化されたC1−C14−アルキル−、−アルケニル−又は−アルキニル基、又は
c)置換されていないか又は置換されたアリール−又はヘテロアリール基、又は
d)置換されていないか又は置換されたC3−C10−シクロアルキル基、又は
e)置換されていないか又は置換されたC4-C15−シクロアルキルアルキル基、又は
f)置換されていないか又は置換されたC7−C20−アラルキル基、又は
g)置換されていないか又は置換されたヘテロアリール−C1−C6−アルキル基、又は
h)置換されていないか又は置換されたアミノアルキル基又はビフェニル基、
【0013】
Xは好ましくは、直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C12−アルキレン、−アルケニレン又は−アルキニレン基であり、
Yは、XとXとの間の直接結合である。Yはまた、次の意味を有することができる:
a)SOn−R10基、ここで、WがN+(O-)(R6)基又はアゾリジニレン−N−オキシド環であり、そしてN(R6)基又はアゾリジニレン環でない場合のみ、nは0、1又は2であり、R10は、SOnとZとの間の直接結合、又は直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C6−アルキレン−、−アルケニレン−又は−アルキニレン基を表し、又は
b)基R11又はO−R11、ここでR11は、
【0014】
i)直鎖又は枝分かれ鎖のC1−C5−アルキレン、−アルケニレン−又は−アルキニレン基、又は
ii)置換されていないか又は置換されたアリール基又はヘテロアリール、又は
iii)置換されていないか又は置換されたC3−C10−シクロアルキル基、又は
iv)置換されていないか又は置換されたC4−C15−シクロアルキルアルキル基、又は
v)置換されていないか又は置換されたC7−C20−アラルキル基、又は
vi)置換されていないか又は置換されたヘテロアリール−C1−C6−アルキル基を表し、
【0015】
c)基CH=CF、又は
d)基HN−C(O)−NH−R12(ここで、R12は置換されていないか又は置換されたアリーレン基を表し、そしてR12はZに結合される)。
【0016】
Zはさらに、YとEとの間の直接結合、又は部分的に又は完全に弗素化され得る、直鎖または枝分かれ鎖のC1−C9−アルキレン−、−アルケニレン−又は−アルキニレン基である。
EはCF3基又は少なくとも部分的に弗素化されたアリール基、特にフェニル基である。
さらに、このましくは、水素原子は、エストラトリエン骨格における位置1,2,4,6〜9及び11〜16に結合される。しかしながら、原則として、エストラトリエン骨格はまた、例えば炭化水素橋、例えば15β、16β−メタノ基により変性され得る。
Halは特に、弗素を表す。
【0017】
R3は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル及びtert−ブチル、対応するアルカノイル(アセチル、プロピオニル、ブタノイル)又は環状エーテルであり得る。R3は特に、CH3、CH3CO又はC5H10Oを表す。
R17’及びR17''は特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル及びtert−ブチルであり、ここでR17’はさらにまた、水素、アセチル、プロピオニル及びブタノイルであり得、そしてこの場合、その対応する異性体が包含され得る。さらに、R17''は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル及び3−ブチニル、並びにトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、へプトフルオロプロピル及びノナフルオロブチルであり得、この場合、その対応する異性体もまた包含される。R17’は特に、水素、CH3又はCH3COである。R17''は好ましくは、メチル、エチニル及びトリフルオロメチルを表す。
【0018】
Uは特に、直鎖又は枝分かれ鎖のアルキレン基、及び特にメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン又はトリデシレン基であり得る。Uは好ましくは、(CH2)p(ここで、pは2〜10の整数である)を表す。特に、Uは好ましくは、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン又はへプチレン基である。Uは、特に好ましくは、n−ブチレン基であり、すなわちUについての式(CH2)pにおいては、pは4である。
特に、VはCH2を表す。従って、基U−Vは、特に好ましい態様においては、n−ペンチレンであり得る。
【0019】
特に、Wは、アミン−N−オキシドN+(O-)(R6)又はアミンN(R6)を表し、ここでR6は好ましくは水素又はCH2−R7であり、ここでR7は特に水素又はメチルを表す。従って、R6は好ましくは、水素又はC1-C3-アルキル基、従って特にメチル、エチル、n−プロピル又はイソ−プロピル基である。特に好ましい態様においては、Wは、N+(O)(CH3)基(N−メチルアミン−N−オキシド)を表す。
【0020】
Xは好ましくは、(CH2)q(ここで、qは0、又は1〜12の整数である)、従って、WとYとの間の直接結合、又は直鎖又は枝分かれ鎖のメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン又はドデシレン基を表す。特に好ましい態様においては、Xはエチレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、n−へプチレン又はn−オクチレン基を表す。
【0021】
特に、Yは、XとZとの間の直接結合を表すことができる。この場合、Xは、より長いアルキレン鎖を表し、従って特に、Xはn−ヘキシレン、n−ヘプチレン又はn−オクチレンを表す。好ましい態様においては、Yはまた、SOn基(ここでnは、0.1又は2である)、従ってスルファニル基、スルフィニル基又はスルホニル基であり得る。YがSOn基である場合、Xはむしろ短いアルキレン鎖、特にn−プロピル鎖を表す。
【0022】
Zは好ましくは、YとEとの間の直接結合、又は少なくとも部分的に弗素化され得る、直鎖又は枝分かれ鎖のC1-C7−アルキレン基である。特に、Zは、少なくとも部分的に弗素化され得る、メチレン、エチレン、プロピレン又はブチレン基であり得る。特に、Zは、ジフルオロメチレン、又は1つの端上でペルフルオロ化される直鎖のアルキレン基、従って、例えば1,1−ジフルオロエチレン、1,1,2,2−テトラフルオロ−n−プロピレン−又は1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−ブチレン基である。末端C原子上にわずか2個の弗素原子を担持するアルキレン基が特に好都合であり、ここでこのCF2基は基Eに結合される。この場合、側鎖SKは、C2F5により終結される。
特に、Eは、CF3又はペンタフルオロフェニルを表す。従って、基Z−Eは好ましくは、C2F5、C3F7及びC4F7並びにC6F5を含んで成る群から選択される基の1つを表す。
【0023】
本発明によれば、17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの薬理学的に適合できる酸付加塩及びエステルもまた包含される。付加塩は、無機及び有機酸によるその対応する塩である。付加塩として、特に塩酸塩、臭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、蓚酸塩、酒石酸塩、及びメタンスルホン酸塩が考慮される。R3及びR17’が水素である場合、3, 17β−ジオールが存在し、それらのヒドロキシ化合物のエステルがまた形成され得る。それらのエステルは好ましくは、有機酸により形成され、ここで付加塩を形成するための酸と同じ酸、すなわち特に酢酸が適切であるが、しかしまた、高級カルボン酸、例えばプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸又はピバル酸も適切である。
【0024】
新規17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンは、N−酸化物を形成するために、任意に酸化されるN原子上にまた、いくつかのキラル中心を有する。従って、個々の場合、個々の化合物のいくつかの立体異性体形が存在する。式Iの化合物は、互変異体、立体異性体又は幾何学的異性体として存在することができる。本発明はまた、すべての可能な異性体、例えばE−及びZ−異性体、S−及びR−鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体及びそれらの混合物、例えば互変異体化合物を含んで成る。それらのすべての異性体化合物は、個々の場合、特別に示されていない場合でさえ、本発明の成分である。異性体混合物は、通常使用される方法、例えば結晶化、クロマトグラフィー又は塩形成の方法に従って、鏡像異性体又はE/Z−異性体に分離され得る。
【0025】
本発明により定義されるような特に適切な化合物は、一般式Iを有するエストラトリエン、すなわち、下記化合物である:
1)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,9−ヘプタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
2)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,10,10,10−ヘプタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
3)(RS)−11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
4)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
【0026】
5)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(9,9,10,10,10−ペンタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
6)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
7)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
8)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,9−ヘプタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
【0027】
9)17α−エチニル−11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
10)17α−エチニル−11β−フルオロ−3−(2−テトラヒドロピラノイルオキシ)−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−ジオール、
11)11β−フルオロ−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−ジオール、
12)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−トリフルオロメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
【0028】
13)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロオクチル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
14)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,10,10,10−ヘプタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
15)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ウンデカフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
【0029】
16)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(5,5,6,6,7,7,8,8,8−ノナフルオロオクチル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
17)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(9,9,10,10,11,11,11−ヘプタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、
18)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(9,9,10,10,10−ペンタフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール。
【0030】
それらの化合物のいくつかの物性が表1及び表2に示される。
本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンは、ハロゲン原子が11α−位に結合され、そして/又はアルキル基が17α−位に結合されていることにおいて、既知の化合物とは主に異なる。さらに、7α−側鎖における好ましい化合物は、アミン−N−オキシド基を有することができる。
【0031】
17α−位において置換されていない3,17β−ジヒドロキシ−エストラトリエンに比較して、代謝物が、本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンから実質的に形成されない。代謝物のまた、生物学的に活性である。17β−位に結合されるヒドロキシ基の酸化により生成されるエストラトリエン誘導体(それにより、17−オキソ誘導体が生成される)が、非常に強い生物学的活性を有することは示されている。
【0032】
アルキル基により、特にC1-C4−アルキル基により17α−位をブロックすることによって、酸化反応が止められ、その結果、代謝種類がまた抑制される。従って、活性成分として使用される本発明のエストラトリエンは、種−無関係の有効性及び活性を示す。従って、それらの化合物の利点は、活性成分の十分な有効性が単一の化合物により達成されることにある。
【0033】
この理由のために、生物学的活性の代謝物の形成の欠失のために、その有効性がより単純には、一定の構造原理のせいであり、その結果、活性成分についての標的化された研究が可能にされるので、利点は医薬剤の開発にある。
さらに、本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンは、エストラジオールの作用を、ほぼ100%阻害する。従って、それらは抗エストロゲン性を表す。
本発明の化合物の有効性を研究するために、インビボ試験が未成熟ラットに対して行われた。このために、子宮成長を、医薬剤の経口(p.o.)投与により行った(抗エストロゲン性作用に基づいての試験)。
【0034】
本発明の方法の原理は、エストロゲンの同時投与における抗エストロゲン性作用を有する化合物の投与に何が影響を及ぼすかを試験することから成る。齧歯動物の場合、子宮は、体重の上昇(成長による及びン水の保持による)を伴って、エストロゲンの投薬に反応する。この成長は、抗エストロゲン性作用を有する化合物の同時投与により、用量−依存性態様で阻害され得る。
【0035】
試験に関しては、試験の開始で35〜45gの体重を有する未成熟の雌ラットが研究された。p.o.投与に関しては、物質がエタノール(E)の一部に溶解され、そしてピーナッツ油(EO)の一部により満たされた。環境順化のために、母親により産み落とされるとすぐにラットは、処理の開始の1日前、カゴに送られ、そしてすぐに食料を供給された。次に、動物は、0.5μgのエストラジオールベンゾエート(EB)と組合して、1日1度、3日間、処理された。EBは常に皮下(s.c.)投与され、そして試験物質はp.o.投与された。最後の投与の24時間後、動物は、計量され、殺害され、そして子宮が取り出された。湿重量(低い内容物)が、調製された子宮から決定された。次の対照研究が行われた:負の対照に関しては、動物及び1日当たり0.2mlのE/EO混合物が添加した。正の対照研究に関しては、動物及び1日当たり、0.5μgのEB/0.1mlが投与された。
【0036】
相対的器官重量(mg/100g体重)から、標準偏差を伴っての平均値(X±SD)、及びDunnett Testにおける対照グループ(EB)における差異の有意性(p<0.05)が、個々のグループについて決定された。EB対照に対する阻害率(%での)が、コンピュータープログラムにより決定された。試験物質の相互的有効性が、共分散及び回帰分析により計算された。
選択された化合物についての試験結果が表3に示されている。0.5μgのEB/O、1ml s. c.の同時投与による子宮成長、及び0.03mg〜0.3mg/kg体重の範囲の量での抗エストロゲン性作用を有する化合物の経口投与についての試験結果が得られる。
【0037】
抗エストロゲン性作用は、経口投与の場合、約0.3mg/kg体重の用量が添加される場合、100%近くであることが、表3から見出され得る。
本発明の化合物は、17α−位で置換されていないその対応する化合物と同じほど効果的であるか、またはそれよりも効果的である。17α−位で置換されていない化合物に比較して、本発明のエストラトリエンはさらに、良好な適合性を有し、その結果、後者が好ましい。良好な適合性は、特に、代謝物の形成が非常に制限される事実に寄与することができる。
【0038】
代謝安定性の決定:インビトロ17β−HSD試験:
17β−HSD2は、ステラン骨格の17−位におけるOH基のケトン基への腸酵素性脱水素を仲介する。
この試験に関しては、次の材料が使用される:
リン酸ナトリウム緩衝液:100mモルのNa2HPO4×2H2O及び100mモルのNaH2PO4×H2O。
下記化合物の試験物質溶液:
【0039】
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール(一般式Iの化合物の代表としての化合物1)、及び
11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール(化合物2):メタノール中、15μモル(試験バッチにおいて0.3μモル)
補因子溶液:2mlのグルコース−6−リン酸(160mモル)/MgCl2(80mモル)の混合物が、400μlのグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ溶液に添加され、そして次に、15.6mgのNADP及び13.4mgのNADが添加される。
【0040】
ミクロソーム溶液:腸ミクロソーム(In vitro Technologies; タンパク質含有率:24mg/ml; CYP450含有率:0.058nモル/mgタンパク質)。
水浴において、それは37℃で融解され(約60秒)、そしてリン酸ナトリウム緩衝液により、5mg/mlのタンパク質の濃度に希釈される。
個々の場合、ウェル当たり170μlの緩衝液及びウェル当たり5μlの試験物質溶液がその対応するウェルに導入され、それにより、2重の値が個々の測定時間(0, 10, 20, 30, 45及び60分)のために適用される。
【0041】
個々の場合、250μlの氷冷却されたメタノールが0−分値に添加される。次に、25μlのミクロソーム溶液及び50μlの補因子溶液がすぐに、すべてのウェルに添加される。0−分値のサンプルが、-20℃での約24時間のインキュベーションを行わないで貯蔵される。他のサンプルは、37℃で10, 20, 30, 45及び60分間、それぞれインキュベートされ、そして脱水素反応が、それらの時間後、250μlの氷冷却されたメタノールの添加により、それぞれ停止される。サンプルは、-20℃でのLC/MS/MS当たりの測定が行われるまで、約24時間、貯蔵され、そして分析の前、3000rpmで遠心分離され、それにより、上清液が測定される。
【0042】
LC/MS/MS当たり測定される試験物質の濃度及び得られる17ケトン生成物が図2a-2fに示されている。
化合物1は腸ミクロソームにおいて代謝的に安定しているが、しかし肝臓ミクロソームにおいては不安定であり、このことは、異なった相−1反応が両組織に存在することを示す。しかしながら、17βHSD−反応の推定上の生成物、すなわち11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17−オン(化合物3)は、いずれの組成にも存在しない。
【0043】
これに比較して、いずれの17メチル基も有さない化合物2は、腸ミクロソームにおいて分離され、それにより、17−ケトンが生成される。結果的に、式1の高い代謝安定性が、17β−メチル基により完全に終結される17βHSDのブロッキングにより説明され得る。従って、17−OH基の近くのアルキル基、例えばメチル基、又は他には、アルケニル又はアルキニル基、例えばエチニル基が、ケトンへのその腸(肝臓に比較して)酸化を、驚くべきことには十分に妨げ、これが高い経口生物利用性の結果を有することが、これから推定されるべきである。
【0044】
さらに、従って、本発明の化合物は、非常に高い生物利用性により区別され、その結果、高い血清レベルが、影響された患者への本発明の化合物の投与により達成され得る。すでに言及された高い適合性に関しては、対応する化合物の効果レベルに対して十分な隔たりを有する活性化合物の血清レベルを設定することが、本発明の化合物により可能であるので、好結果をもたらし、そして信頼できる治療が行われ得る。効果レベルとは、それぞれの徴候において所望する効果を達成するために少なくとも必要である活性成分の血清濃度を意味する。
【0045】
本発明の一般式Iを有する11α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンは、特に医薬剤の生成のために適切である。従って、本発明は、上記に定義される置換基Hal, R3, R17’, R17''、U, V, W, X, Y, Z及びEを有する一般式Iの少なくとも1つの17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの他に、少なくとも1つの医薬的に適合できるビークルを含む医薬製剤に関する。
【0046】
本発明の医薬製剤は、適切な用量による所望する型の投与に従って、通常使用される固体又は液体ビークル、又は通常使用される医薬的及び技術的にアジュバントにより、当業界において知られている手段で、生成される。好ましい製剤は、経口、腸又は非経口投与、例えばi.p. (腹腔内)、i.v. (静脈内)、i.m. (筋肉内)又は皮下投与のために適切な投薬形から成る。そのような投薬形は、例えば錠剤、フィルム錠剤、被覆された錠剤、ピル、カプセル、粉末、クリーム、軟膏、ローション、液体、例えばシロップ、ゲル、i.p., i.v., i.m.,又は皮下注射のための注射用液体、等である。さらに、デポット(depot)形、例えば移植できる製剤、及び坐剤がまた、適切である。この場合、それらの型に依存して、個々の製剤は、身体に、本発明のエストラトリエンを、徐々に又は短時間ですべて1度に開放する。
【0047】
経口投与に関しては、カプセル、ピル、錠剤、被覆された錠剤及び液体、又は投薬のための他の既知の経口形が、医薬製剤として使用され得る。この場合、医薬剤は、それらが活性成分を短時間で開放し、そして身体に伝えるか、又はデポット作用を有する手段で配合され、その結果、身体への活性成分の長期持続する持効性供給が達成される。少なくとも1つのエストラトリエンの他に、用量単位は、1又は複数の医薬的に適合できるビークル、例えば医薬剤のレオロジーを調節するための物質、界面活性剤、安定剤、マイクロカプセル、微粒子、顆粒、希釈剤、結合剤、例えば澱粉、糖、ソルビトール及びゼラチン、充填剤、例えばサリチル酸及びタルク、滑剤、顔料、香料及び他の物質を含むことができる。
【0048】
対応する錠剤は、例えば活性成分と、既知のアジュバント、例えば不活性希釈剤、例えばデキストロース、糖、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、起爆性物質、例えばトウモロコシ澱粉又はアルギン酸、結合剤、例えば澱粉又はゼラチン、滑剤、例えばカルボキシポリメチレン、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、フタレート又はポリ酢酸ビニルとを混合することによって得られる。錠剤はまた、いくつかの層から成る。
【0049】
被覆された錠剤は、錠剤に類似している生成されるコアーを、被覆された錠剤被膜に通常使用される剤、例えばポリビニルピロリドン又はセラック、アラビアガム、タルク、酸化チタン又は糖により被覆することによって製造され得る。この場合、被覆された錠剤のジェルはまた、いくつかの層から成り、ここで錠剤の場合において上記で言及されたアジュバントが使用され得る。
【0050】
活性成分を含むカプセルは、例えば不活性ビークル、例えばラクトース又はソルビトールと共に混合され、そしてゼラチンカプセルに封入される活性成分により製造され得る。
本発明のエストラトリエンはまた、経口投与のために意図され、そして活性エストラトリエンの他に、成分として、医薬的に適合できる油及び/又は医薬的に適合できる親油性界面活性剤及び/又は医薬的に適合できる親水性界面活性剤、及び/又は医薬的に適合できる水相溶性溶媒を含む溶液の形で配合され得る。
本発明の活性成分の良好な生物利用性を達成するためには、化合物はまた、シクロデキストリン包接体として配合され得る。このためには、化合物は、α−、β−又はγ−シクロデキストリン又はその誘導体と反応せしめられる。
【0051】
局部的に適用され得るクリーム、軟膏、ローション及び液体が使用され得る場合、それらは、本発明の化合物が身体に適切な量で供給されるよう構成されるべきである。投薬のためのそれらの形においては、アジュバント、例えば薬剤のレオロジーを調節するための物質、界面活性剤、溶解剤、希釈財、皮膚を通して本発明のエストラトリエンの透過性を高めるための物質、顔料、香料及び皮膚保護剤、例えばコンディショナー及び保湿剤が含まれる。本発明の化合物と共に、他の活性成分が、医薬財に含まれ得る(Ullmann's Encyclopedia of Technical Chemistry, Volume 4 (1953), pages 1-39; J. Pharm. Sci., 52, 918 ff. (1963); issued by Czetsch-Lindenwald, Adjuvants for Pharmaceutics and Related Fields; Pharm. Ind., 2, 72 ff (1961); Dr. H. P. Fiedler, Dictionary of Adjuvants for Pharmaceutics, Cosmetics and Related Fields, Cantor A G, Aulendorf[Wurtt., 1971)。
【0052】
本発明の物質はまた、注入又は注射用溶液として、適切な溶液、例えば生理学的に適合できる希釈剤に溶解されるか又は懸濁され得る。希釈剤として、特に油状溶液、例えばゴマ油、ヒマシ油及び綿花種子油中、溶液が適切である。溶解性を高めるためには、溶解剤、例えばベンジルベンゾエート又はベンジルアルコールが添加され得る。
注射用製剤を配合するためには、本発明の化合物が溶解されるか又は乳化され得るいずれかの液体ビークルが使用され得る。それらの液体は時折、また粘度を調節するための物質、界面活性剤、保存剤、溶解剤、希釈剤、及び溶液を等張性にする他の添加剤を含む。他の活性成分もまた、エストラトリエンと共に投与され得る。
【0053】
本発明のエストラトリエンはまた、デポット注入又は移植調製物の形で、例えば皮下的に適用され得る。そのような調製物は、活性成分の遅延された開放が可能にされるような態様で配合され得る。このためには、既知技術、例えば膜を溶解するか又は膜と共に作用するデポットが使用され得る。移植物は、不活性材料、例えば生物分解ポリマー又は合成シリコーン、例えばシリコーンガムを含むことができる。エストラトリエンはまた、例えば経皮投与のために、パッチに組み込まれ得る。
【0054】
経皮システムに本発明の物質を組込み、そして従って、それらを経皮投与することも可能である。
治療的に有効な血液レベルを生成する改良された経皮流を達成するためには、本発明の化合物はまた、WO01/76608号において他の抗エストロゲンについて記載されるシステムに類似して、経皮システムに組み込まれ得る。それらの経皮システムは、2種の侵入増強剤、特にラウリン酸及びプロピレングリコールの特定比により区別される。
【0055】
本発明の一般式Iの物質の用量は、掛かりつけの医者により決定され、そして投与される物質、投与の方法、処理されるべき疾病及び疾病の重症度に依存する。投与される化合物の量は、広範囲で変動し、そしていずれの有効量も包含することができる。処理される条件及び投与の型に基づいて、投与される化合物の量は、0.1〜25mg/kg体重・日、好ましくは0.5〜5mg/kg体重・日であり得る。ヒトにおいては、これは5〜1250mgの毎日の用量に対応する。ヒトにおける好ましい毎日の用量は、50〜200mgである。これは特に、腫瘍治療に適用される。用量は、1回で投与される単一用量とに与えられるか、又は複数回の毎日の用量に分けられ得る。
【0056】
一般式Iの化合物は、すでに言及されたように、非常に強い抗エストロゲン作用を有する化合物を提供する。
前記化合物は、エストロゲン−依存性疾病、例えば乳癌(タモキシフェン耐性乳癌の二次治療;タモキシフェンの変わりに乳癌の補助的処理のための)、子宮内膜癌、前立腺肥大症、無排卵性不妊症及びメラノーマの治療のために適切である。
一般式Iの化合物はまた、ヨーロッパ特許第346014B1号に記載される生成物における成分としても使用され得、ここで前記生成物は、閉経近くの又は閉経後の女性の選択的エストロゲン治療への同時、連続的又は別の使用のために、エストロゲン及び純粋な抗エストロゲンを含む。
【0057】
一般式Iの化合物は、ホルモン−依存性腫瘍を処理するために抗エストロゲン(競争プロゲステロンアンダゴニスト)と共に使用され得る(ヨーロッパ特許第310542A号)。
一般式Iの化合物が使用され得る他の徴候は、男性の髪の抜け毛、散在性脱毛症、化学療法により引き起こされる脱毛症、及び多毛症である(Hye-Sun Oh, and Robert C. Smart, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (93h996) 12525-12530)。
さらに、一般式Iの化合物は、子宮内膜症の処理のためのメディエーターの生成のために使用さ得る。
一般式Iの化合物はまた、男性及び女性用産児調節のための医薬組成物の生成のために使用され得る(男性用産児調節:DE19510862.0A号)。
本発明のエストラトリエンは、既知方法に類似して生成され得る。
【0058】
図1においては、反応図が再現され、これにより、本発明の化合物が生成され得る。この図においては、本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンは、用語“17α−メチル−アミン”及び“17α−メチル−アミン−オキシド”により言及され得る。しかしながら、7α−位に“17α−メチル”を有する化合物は、アミン基を有さない側鎖を有する。17β−位にヒドロキシ又はアルコキシ、17α−位にアルキル基、及びアミン基を有する7α−側鎖を担持する化合物は、“17α−メチル−アミン”として言及される。対応する手段においては、“17α−メチル−アミン−オキシド”としても言及される化合物は、これまで言及された“17α−メチル−アミン”化合物の本発明のアミン−N−オキシドである。
【0059】
R3がHでない場合、エステル化は、試薬R3(ここで、Xは脱離基を意味する)により行われる。
“17β−OH”としても言及される化合物はまた、17β−位にヒドロキシ基又はアルコキシ基を有するが、しかし7α−位における側鎖に17α−アルキル基もアミン基も有さないエストラトリエンである。“17−ケト”として言及される化合物は、17−位にオキソ基を担持するが、しかし7α−位における側鎖にいずれのアミン基も担持しないエストラトリエンである。“17β-OH-アミン”、“17−ケト−アミン”、“17β−OHアミン−オキシド”及び“17−ケト−アミン−オキシド”は、その対応する置換パターンを有する。
【0060】
原則として、すべての引用される化合物は、17−オキソ化合物から出発して、生成され得る。17−オキソ化合物の生成は、例えばWO99/33855A1号における例により記載される。同じ置換パターンを伴って、この資料に明確に開示される化合物以外の誘導体は、同様にして生成され得る。同じ手段で、本発明のエストラトリエンはまた、17β−ヒドロキシ化合物又は17β−アルコキシ化合物(“17β−OH”)から出発して生成され得る。それらの誘導体の生成はまた、例えばWO99/33855A1号にも示されている。同じ手段で、7α−位における側鎖にアミン基を有する、17β−ヒドロキシ化合物又は17β−アルコキシ化合物及び17−オキソ化合物の生成は、この資料に開示される。出発化合物の生成が記載されていない場合、出発化合物は知られており、そして市販されているか、又はその化合物は記載される方法に類似して合成される。少数の前駆体、中間体生成物及び生成物の製造が例により下記に記載されている。
【0061】
本発明の物質の生成においては、例えば次の方法が使用される(これに関しては、またEP 0138 504 B1号; WO 97/45441 A1号; WO 98/07740 A1号; WO 99/33855 A1号を参照のこと)。
本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンは、その対応する17β−オキシ−エストラトリエン(“17β−OH”)から出発して生成され得る。それらの出発物質の合成はまた、例えばWO97/45441A1号及びWO98/07740A1号にも記載されている。7α−位における側鎖は、例えばWO98/07740A1号に示される方法に従って構築され得る。
【0062】
次に、生成される17β−ヒドロキシ化合物又は17β−アルコキシ化合物は、その対応する17−オキソ化合物(“17−ケト−アミン”)を形成するために、酸化により7α−位での側鎖におけるアミン基により酸化され得る。このためには、ピリジン中、通常使用される酸化剤、例えばクロム(VI)化合物(Jones酸化)、硝酸、二酸化マンガン、二酸化セレン及びSO3が使用され得る。ケトンはまた、高温での金属銅、銀、クロム酸銅及び酸化亜鉛による触媒性脱水素化により、又はオッペナウエル酸化によるケトン、例えばシクロヘキサノンの脱水素化により生成され得る。側鎖を還元する基が例えばS又はSO基を含む場合、後者は任意には、過酸化の後、再び選択的に還元され得る。
【0063】
もう1つの変法においては、7α−側鎖にアミン−パージを有さない17β−エストラトリエンが、17−オキソ−エストラトリエン(“17−ケト”)に直接的に酸化され、そして次に、後者が既知の手段で、7α−側鎖においてアミノ化される。
【0064】
次に、アルキル基が17α−位に挿入され得る。このためには、通常使用される求核性アルキル化試薬、例えばグリニャール試薬又はアルキルリチウム化合物が使用され得る。この反応においては、所望する17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンが生成される(出発化合物が、7α−位における側鎖にアミン基を有さないその対応する17β−ヒドロキシ−エストラトリエンから製造される場合、“17α−メチル”[“17β−OH”]、又は出発化合物が、17α−位における側鎖にアミン基を有するその対応する7−ヒドロキシ−エストラトリエンから製造される場合、“17α−メチル−アミン”[“17β−OH−アミン”])。さらに、中間体生成物として得られる17−オキソ−エストラトリエンがまず、既知の手段でアルキル化され、そして次に、7α−側鎖においてアミノ化され得る。
【0065】
アミン−N−オキシド化合物(“17β−OH−アミン−オキシド”又は“17−ケト−アミン−オキシド”又は“17α−メチル−アミン−オキシド”)が生成される場合、その対応するエストラトリエンが、7α−側鎖におけるアミン基(“17β−OH−アミン”又は“17−ケト−アミン”又は“17α−メチル−アミン”)により、例えば過酸化水素により酸化される。この反応においては、17β−位における第2OH基は酸化されない。
本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンのもう1つの生成方法においては、7α−位における側鎖にアミン基を有する、前で言及された17β−ヒドロキシ−エストラトリエン(“17β−OH−アミン”)がまた、出発物資として使用される。
【0066】
まず、後者がその対応するアミン−N−オキシド化合物(“17β−OH−アミン−オキシド”)を形成するために反応せしめられ、ここで、上記に示されるように、通常使用される酸化剤、例えば過酸化水素が使用される。
次に、形成されるアミン−N−オキシド化合物(“17β−OH−アミン−オキシド”)がその対応するケトン(“17−ケト−アミン−オキシド”)に酸化され得、ここで上記に示されるように、同じ酸化剤が使用され得る。この場合、7α−側鎖にアミン−N−オキシド基を有する17−オキソ化合物が生成される。
【0067】
本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの製造に関しては、ケト基が、適切な求核性アルキル化剤と、上記教授に従って、反応せしめられる。この場合、7α−側鎖にアミン−N−オキシド基を有する17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエン(“17α−メチル−アミン−オキシド)が生成される。
本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの生成にも関しては、本発明の目的でもある、下記一般式II:
【0068】
【化2】


【0069】
[式中、Halは、F又はClを表し、ここで11β−位におけるこの基はエストラトリエン骨格に結合され、
R3は、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルカノイル、又はO原子を有する環状C3−C7−エーテルを表し、
R17’は、水素、C1−C4−アルキル又はC1−C4−アルカノイルを表し、ここで17β−位におけるR17’はエストラトリエン骨格に結合され、そして
SKは、基U−V−W−X−Y−Z−Eを表し、ここでこの基は、7α−位におけるUを通して、エストラトリエン骨格に結合され、そしてU, V, X, Y, Z及びEは、上記に示される意味を有し、そしてWは、N+(O-)(R6)基又はアゾリジニレン−N−オキシド環を表し、ここで前記アゾリジニレン−N−オキシド環は基Xの少なくとも1つのC原子を含み、ここでR6は上記に示される意味を有する]で表される中間体生成物がまた形成される。
【0070】
エストラトリエン骨格上の位置1,2,4,6〜9及び11〜16においては、水素原子が結合されている。原則的には、エストラトリエン骨格はまた、1つの炭化水素橋により、例えば15β、16β−メタノ基により変性され得る。
一般式IIを有する、7α−側鎖にアミン−N−オキシド基を有する特に好ましい17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンは、次の化合物である:
【0071】
X1) 11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
X2) 11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)スルファニル]プロピル}アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
X3) 11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルファニル]プロピル}アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
【0072】
X4) 11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]プロピル}アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
X5) 11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
X6)(S)−11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
【0073】
X7)(R)−11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、
X8) 11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(9,9,10,10,10−ペンチルフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド。
それらの化合物の物性は、表4に示される。
【0074】
さらに、中間体生成物として7α−側鎖に、本発明の17α−アルキル−17β−オキシ−エストラトリエンの生成において形成されるアミン−N−オキシド基を有する17−オキソ−エストラトリエンもまた、本発明の目的である。それらの化合物は、下記一般式III :
【0075】
【化3】


【0076】
[式中、Halは、F又はClを表し、ここで子にこの基はエストラトリエン骨格に11β−位で結合され、
R3は、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルカノイル、又はO原子を有する環状C3−C7−エーテルを表し、そして
SKは、基U−V−W−X−Y−Z−Eを表し、ここでこの基は、7α−位におけるUを通して、エストラトリエン骨格に結合され、そしてU, V, X, Y, Z及びEは、上記に示されるいずれかに記載される意味を有し、そしてWは、N+(O-)(R6)基又はアゾリジニレン−N−オキシド環を表し、ここで前記アゾリジニレン−N−オキシド環は基Xの少なくとも1つのC原子を含み、ここでR6は上記に示される意味を有する]を有する。
【0077】
エストラトリエン骨格上の位置1,2,4,6〜9及び11〜16においては、好ましくは水素原子が結合されている。原則的には、エストラトリエン骨格はまた、炭化水素橋、例えば15β、16β−メタノ基により変性され得る。
下記一般式III を有する、7α−側鎖にアミン−N−オキシド基を有する特に好ましい17−オキソ−エストラトリエンは、次の化合物である:
【0078】
Y1) 11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]プロピル}−アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシド、
Y2)11β−フルオロ−7α−[5−(メチル{3−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルファニル]プロピル}−アミノ)ペンチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシド、
Y3)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシド。
【0079】
それらの化合物の物性は、表5に示される。
一般式IIの化合物、及び一般式III の化合物はまた、抗エストロゲン性作用を有する化合物である。従って、それらは、原則的には、一般式Iの化合物について上記で示される表示形で使用され得る。
下記に、本発明の化合物の生成工程段階が、より詳細に記載される。
【実施例】
【0080】
変法1.1:(側鎖にアミン基を有する17β−ヒドロキシ−エストラトリエンから出発して、側鎖にアミン−N−オキシド基を有する17−オキソ−エストラトリエンのその対応する17−オキソエストラトリエンを通しての生成):
a)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オン(この化合物(番号Z14)の回転角度αDが表7に示される)。
【0081】
1.5mlのエチルジイソプロピルアミンを、10mlの乾燥されたジメチルスルホキシド中、1.23gのピリジン三酸化硫黄複合体の溶液に、10℃で滴下する。次に、1.72gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール(化合物番号Z9)、及びもう1つの10mlの乾燥されたジメチルスルホキシドを添加し、そして室温で30分間、攪拌した。
【0082】
次に、それを、酢酸エチルにより希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で蒸発乾燥し、そしてジクロロメタン/メタノールによりシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オン(クロロホルムにおいて[α]D=+58.2°)を得る。
【0083】
b)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシド:
11mlのメタノール及び11mlのクロロホルム中、0.5gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンの溶液を、3.5mlの30%過酸化水素溶液と共に混合し、そして室温で5日間、攪拌した。
【0084】
次に、それを、チオ硫酸ナトリウムと共に混合し、水を添加し、ジクロロメタンにより3度、抽出し、中性に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で蒸発乾燥し、そしてジクロロメタン/メタノールによりシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。401mgの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシドを固形物として得る;融点=84〜86℃:[α]D=クロロホルム中、+53.6°。
【0085】
c)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}17β−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17−ジオールN−オキシド:
23mlのテトラヒドロフラン中、2.3gの塩化セシウム(III )の懸濁液を、ジエチルエーテル中、3Mの臭化メチルマグネシウム溶液3.19mlと共に0℃で混合し、そしてそれを30分間、攪拌する。
【0086】
5mlのテトラヒドロフラン中、250mgの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンN−オキシドの溶液を、それに滴下し、そして次に、室温で24時間、攪拌し、10mlの塩化アンモニウム溶液と共に0℃で混合し、酢酸エチルにより抽出し、水により洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で蒸発により濃縮し、5mlのメタノール及び5mlのクロロホルムに取り、30%過酸化水素溶液2mlと共に混合し、そして室温に5日間、攪拌する。
【0087】
次に、それを、チオ硫酸ナトリウムと共に混合し、水に添加し、クロロホルムにより数回、抽出し、中性に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で乾燥状態に蒸発し、そしてジクロロメタン/メタノールによりシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。122℃の融点を有する、165mgの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシドを得る。
【0088】
変法1.2:(側鎖にアミン基を有する17β−ヒドロキシ−エストラトリエンから出発して、側鎖にアミン−N−オキシド基を有する17−オキソ−エストラトリエンの側鎖にアミン−N−オキシド基を有するその対応する17β−ヒドロキシ−エストラトリエンを通しての生成):
a)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17−ジオールN−オキシド:
【0089】
500mlのメタノール及び500mlのクロロホルム中、50gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールの溶液を、7.3gの炭酸水素ナトリウム及び45mlの30%過酸化水素溶液と共に混合し、そしてそれを、室温で3日間、攪拌する。次に、それをチオ硫酸ナトリウムと共に混合し、水に添加し、ジクロロメタンにより3度、抽出し、中性に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で乾燥状態に蒸発し、そしてジエチルエーテルから吸収沈殿せしめる。131.7℃の融点を有する、48.3gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシドを得る。
【0090】
b)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17オンN−オキシド:
1.5mlのエチルジイソプロピルアミンを、10mlの乾燥されたジメチルスルホキシド中、1.23gのピリジン三酸化硫黄複合体の溶液に、10℃で滴下する。次に、1.62gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド、及びもう1つの10mlの乾燥されたジメチルスルホキシドを添加し、そして室温で30分間、攪拌した。
【0091】
次に、それを、酢酸エチルにより希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で蒸発乾燥し、そしてジクロロメタン/メタノールによりシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。84〜86℃の融点を有する11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17オンN−オキシド1.32g(クロロホルムにおいて[α]D=+53.6°)を得る。
【0092】
変法2.1:(側鎖にアミン基を有する17β−オキソ−エストラトリエンから出発して、側鎖にアミン−N−オキシド基を有する17α−メチル−エストラトリエンの側鎖にアミン−N−オキシド基を有するその対応する17β−オキソ−エストラトリエンを通しての生成):
a)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール(この化合物番号7の物性は、表1に示される):
2.3Lのテトラヒドロフラン中、230gの塩化セシウム(III )の懸濁液を、ジエチルエーテル中、3Mの臭化メチルマグネシウム溶液320mlと共に0℃で混合し、そしてそれを30分間、攪拌する。
【0093】
250mlのテトラヒドロフラン中、25gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−オンの溶液(この化合物番号Z14の回転角度αDは表7に示される)を、それに滴下し、そして次に、室温で24時間、攪拌し、塩化アンモニウム溶液と共に0℃で混合し、酢酸エチルにより抽出し、水により洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で蒸発により濃縮し、ジクロロメタン/メタノールによりシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。82〜85℃の融点及び[α]D=+21.8°を有する、19.1gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを得る。
【0094】
b)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシド:
180mlのクロロホルム及び180mlのメタノール中、18gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールの溶液を、2.57gの炭酸水素ナトリウム及び16.2mlの30%過酸化水素溶液と共に混合し、そしてそれを室温で48時間、攪拌する。
【0095】
次に、それをジクロロメタンにより希釈し、水及びチオ硫酸ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で蒸発乾燥し、そしてジエチルエーテルにより吸収沈殿せしめる。122℃の融点を有する、18.4gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールN−オキシドを得る。
【0096】
変法2.2:(17−オキソ−エストラトリエンから出発して、側鎖にアミン基を有する17α−エチル−エストラトリエンのその対応する17α−メチル−エストラトリエンを通しての生成):
a)7α−(5−プロモペンチル)−11β−フルオロ−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール:
0.47Lのテトラヒドロフラン中、46.8gの塩化セシウム(III )の懸濁液を、ジエチルエーテル中、3Mの臭化メチルマグネシウム溶液63.8mlと共に0℃で混合し、そしてそれを1時間、攪拌する。
【0097】
200mlのテトラヒドロフラン中、25gの7α−(5−プロモペンチル)−11β−フルオロ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3−オール−17−恩の溶液を、それに滴下し、そして次に、室温で28時間、攪拌し、塩化アンモニウム溶液と共に0℃で混合し、酢酸エチルにより抽出し、水により洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で蒸発により濃縮し、ジクロロメタン/メタノールによりシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。48.6℃の融点を有する、15.1gの7α−(5−プロモペンチル)−11β−フルオロ−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを得る。
【0098】
b)11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール(この化合物番号7の物性は表1に示される):
180mgのジメチルホルムアミド中、18gの7α−(5−ブロモペンチル)−11β−フルオロ−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールの溶液を、15.9gの(7, 7, 8, 8, 9, 9, 10, 10, 10−ノナフルオロデシル)−メチル−アミン及び5gの炭酸ナトリウムと共に混合し、そして次に、80℃の浴温度で8.5時間、攪拌する。
【0099】
次に、それを水に添加し、酢酸エチルにより抽出し、水及び飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下での蒸発により濃縮し、そしてジクロロメタン/メタノールによりシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。82〜85℃の融点及びクロロホルム中、[α]D=+21.8°を有する、22.9gの11β−フルオロ−7α−{5−[メチル(7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル}−17α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを得る。
本発明の追加の化合物を、同様について生成することができる。このためには、追加の中間体生成物が表6〜9に提供される。さらに、それらの化合物の物性がまた、一部、示されている。
【0100】
【表1】


【0101】
【表2】


【0102】
【表3】


【0103】
【表4】


【0104】
【表5】


【0105】
【表6】


【0106】
【表7】


【0107】
【表8】


【0108】
【表9】


【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】図1は、本発明の係わる化合物の合成工程を示すチャートである。
【図2a】図2aは、肝臓及び腸ミクロソームと共にインキュベートした後の化合物1の代謝安定性を示すグラフである。
【図2b】図2bは、腸ミクロソームと共にインキュベートした後の化合物1の分解及び化合物3の生成を示すグラフである。
【図2c】図2cは、肝臓ミクロソームと共にインキュベートした後の化合物1の分解及び化合物3の生成を示すグラフである。
【図2d】図2dは、肝臓及び腸ミクロソームと共にインキュベートした後の化合物2の代謝安定性を示すグラフである。
【図2e】図2eは、腸ミクロソームと共にインキュベートした後の化合物2の分解及び化合物3の生成を示すグラフである。
【図2f】図2fは、肝臓ミクロソームと共にインキュベートした後の化合物1の分解及び化合物2の分解及び化合物3の生成を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】300049958
【氏名又は名称】シエーリング アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬

【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積

【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次

【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広

【識別番号】100082898
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 雅也

【公開番号】 特開2005−120110(P2005−120110A)
【公開日】 平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願番号】 特願2005−13016(P2005−13016)