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【発明の名称】 フェニルエステルの製造方法
【発明者】 【氏名】土井 孝夫

【氏名】淺川 哲夫

【氏名】徳丸 正一

【氏名】森 嘉彦

【要約】 【課題】ベンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸素を、金属を担持した触媒の存在下で反応させて、高収率でフェニルエステルを製造する方法を提供する。

【解決手段】ベンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸素を、金属を担持した触媒の存在下で反応させフェニルエステルを製造するにあたり、触媒が充填された反応器を直列に配列してなる複数段の反応器を用い、第1段反応器にベンゼンおよび有機カルボン酸を供給し、さらに第2段以降の反応器に移送し、分子状酸素を各反応器毎に分割して供給すること、又は、触媒がベンゼン、有機カルボン酸の進行方向に複数の反応層に充填された反応器を用い、第1反応層にベンゼンおとび有機カルボン酸を供給し、さらに第2反応層以降の反応層に移送し、分子状酸素を各反応層毎に分割して供給することで、収率を高め、経済的且つ安全にフェニルエステルを製造できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸素を、金属を担持した触媒の存在下で反応させフェニルエステルを製造するにあたり、触媒が充填された反応器を直列に配列してなる複数段の反応器を用い、第1段反応器にベンゼンおよび有機カルボン酸を供給し、さらに第2段以降の反応器に移送し、分子状酸素を各反応器毎に分割して供給すること、又は、触媒がベンゼン、有機カルボン酸の進行方向に複数の反応層に充填された反応器を用い、第一反応層にベンゼン及び有機カルボン酸を供給し、さらに第2反応層以降の反応層に移送し、分子状酸素を各反応層毎に分割して供給することを特徴とするフェニルエステルの製造方法。
【請求項2】
複数段の反応器が2〜10段であること、又は、複数の反応層が2〜10層であることを特徴とする請求項1に記載のフェニルエステルの製造方法。
【請求項3】
金属を担持した触媒の金属がパラジウムと助触媒成分からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェニルエステルの製造方法。
【請求項4】
助触媒成分が、テルル、アンチモン、ビスマス又は鉛であることを特徴とする請求項3に記載のフェニルエステルの製造方法。
【請求項5】
有機カルボン酸が酢酸であり、フェニルエステルが酢酸フェニルエステルであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のフェニルエステルの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸素を、金属を担持した触媒の存在下で反応させて、高収率でフェニルエステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸素を、金属を担持した触媒の存在下、気相もしくは液相で反応させてフェニルエステルを製造する方法は公知である。
【0003】
例えば、パラジウム又は白金を触媒として用いてフェニルエステルを製造する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。更に、高い活性の触媒を得るために、パラジウム又は白金触媒の活性促進剤として周期表第14〜16族元素、特にビスマス、テルルを添加した触媒を用い、アルカリ金属の酢酸塩の共存下で反応する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
また、カドミウム、亜鉛、ウラン、錫、鉛、アンチモン、ビスマス、テルル及びタリウムを助触媒として添加し、アルカリ金属の脂肪酸塩、硝酸の混合共存下でフェニルアセテートを製造する方法が挙げられる(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に記載のフェニルエステルの製造方法は、いずれもフェニルエステルの収率が7%未満と低い問題があった。即ち、フェニルエステルの収率が低いと、未反応のベンゼンや酢酸等の有機カルボン酸を大量にリサイクルする必要があり、その結果、製造プラントの規模が大きくなり、経済性の面で問題があった。また、フェニルエステルの収率を高める目的で、分子状酸素の供給量を高めることもできるが、分子状酸素量の増加により、反応条件が爆発範囲に入る等の安全の面で問題が生じたり、燃焼によるフェニルエステルの収率が低下する等の問題もあった。
【0006】
【特許文献1】
特公昭46−33024号公報(第4頁)
【特許文献2】
特公昭48−18219号公報(第4頁)
【特許文献3】
特公昭55−15455号公報(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的はフェニルエステルの収率を高め、経済的且つ安全にフェニルエステルを製造する方法を提供することである。
【0008】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは前述のような従来技術の課題を解決するため、鋭意検討した。その結果、ベンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸素を、金属を担持した触媒の存在下で反応させフェニルエステルを製造するにあたり、特定に配列してなる複数段の反応器を用い、該第1段の反応器に、ベンゼン及び有機カルボン酸を供給し、さらに第2段以降の反応器に移送し、分子状酸素を特定の方法で供給すること、又は、触媒がベンゼン、有機カルボン酸の進行方向に複数の反応層に充填された反応器を用い、第1反応層にベンゼン及び有機カルボン酸を供給し、さらに第2反応層以降の反応層に移送し、分子状酸素を特定の方法で供給することでフェニルエステルの収率を高め、経済的且つ安全にフェニルエステルを製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、ベンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸素を、金属を担持した触媒の存在下で反応させフェニルエステルを製造するにあたり、触媒が充填された反応器を直列に配列してなる複数段の反応器を用い、第1段反応器にベンゼンおよび有機カルボン酸を供給し、さらに第2段以降の反応器に移送し、分子状酸素を各反応器毎に分割して供給すること、又は、触媒がベンゼン、有機カルボン酸の進行方向に複数の反応層に充填された反応器を用い、第1反応層にベンゼン及び有機カルボン酸を供給し、さらに第2反応層以降の反応層に移送し、分子状酸素を各反応層毎に分割して供給することを特徴とするフェニルエステルの製造方法を提供するものである。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の方法において、ベンゼンと有機カルボン酸及び分子状酸素との反応は、触媒が充填された反応器を直列に配列してなる複数段の反応器、又は、触媒がベンゼン、有機カルボン酸の進行方向に複数の反応層に充填された反応器を用いて行われる。ここで、触媒の充填方法には、特に限定がなく、例えば、固定床、流動床、懸濁床の形で触媒が反応器に充填される。
【0012】
また、複数段の反応器を用いる場合、直列に配列した反応器の段数はフェニルエステルの収量を高くすることができることから、2〜10段が好ましく、更に好ましくは3〜8段である。複数の反応層に充填された反応器を用いる場合、反応器の層数はフェニルエステルの収量を高くすることができることから、2〜10層が好ましく、更に好ましくは3〜8層である。
【0013】
本発明において、複数段の反応器を用いる場合、ベンゼンと有機カルボン酸は、第1段反応器に供給され、さらに第2段以降の反応器に移送される。また、複数の反応層に充填された反応器を用いる場合、ベンゼンと有機カルボン酸は、第1反応層に供給され、さらに第2層以降の反応層に移送される。
【0014】
分子状酸素は、各反応器毎又は各反応層毎に分割して供給される。分子状酸素を各反応器毎又は各反応層毎に分割して供給することによって、各反応器又は反応層に、より多くの分子状酸素を供給することが可能となり、効果的に触媒の活性を引き出し、高収率で且つ安全にフェニルエステルを製造することができる。
【0015】
本発明の方法では、第1段反応器又は第1反応層に供給される分子状酸素はベンゼンと有機カルボン酸と共に供給される。分子状酸素は、分子状酸素をそのまま用いても良いが、ガス組成を爆発範囲以下にするために、窒素やヘリウム、二酸化炭素等の不活性なガスで希釈しても良いし、空気を酸素源として用いることもできる。分子状酸素の供給量は、反応形式や触媒量によって適宜設定されるが、触媒を通過した位置でのガス組成が爆発範囲以下でなければならず、触媒層内の分子状酸素分圧として0.0001〜30MPa、好ましくは0.001〜25MPaである。
【0016】
第2段以降の反応器、又は第2層以降の反応層に供給される分子状酸素は、分子状酸素をそのまま用いても良い。また、ガス組成を爆発範囲以下にするために、窒素やヘリウム、二酸化炭素等の不活性なガスで希釈しても良いし、空気を酸素源として用いることもできる。分子状酸素の供給量は、反応形式や触媒量によって適宜設定されるが、前段又は前層の反応器で消費された分子状酸素量の少なくとも一部以上の量とし、且つ、爆発範囲外の量でなければならず、触媒層内の分子状酸素分圧として0.0001〜30MPa、好ましくは0.001〜25MPaである。
【0017】
反応温度は特に限定されないが、100〜350℃、好ましくは100〜300℃である。反応温度が低すぎると反応が十分進行せず、目的のフェニルエステル収量が得られない。また、反応温度が高すぎると、フェニルエステル生成反応に対し燃焼反応が優先的に進行し、選択率を低下させてしまい経済的でなくなる。
【0018】
反応圧力は特に制限されないが、原料のベンゼン及び有機カルボン酸の一部が液相となることが好ましく、1〜30MPaである。
【0019】
本発明の方法で用いられる有機カルボン酸としては、目的生成物であるフェニルエステルに対応する任意の有機カルボン酸が使用できる。例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸等の脂肪族カルボン酸や、安息香酸等の芳香族カルボン酸が使用できる。得られたフェニルエステルを加水分解してフェノールを製造する場合には、安価で大量に入手が可能であることから酢酸、又は、プロピオン酸が好ましい。更に好ましくは酢酸が用いられる。
【0020】
原料であるベンゼンと有機カルボン酸の比率は特に制限されないが、フェニルエステルの収量が高くなることから、ベンゼン/有機カルボン酸のモル比として100/1〜1/100の範囲であることが好ましい。
【0021】
ベンゼンと有機カルボン酸の供給量と触媒量との関係は、反応方法により異なるため一律には規定できないが、例えば、固定床の場合、単位触媒体積、単位時間当たりのベンゼンと有機カルボン酸の合計供給量(LHSV)として、0.1〜50h−1、好ましくは0.1〜30h−1である。
【0022】
本発明に用いられる金属を担持した触媒はフェニルエステルを生成することができれば、特に限定されないが、貴金属、例えば、白金、ロジウム、パラジウム単独、又は貴金属と助触媒成分からなる金属が担体に担持した触媒を用いることが好ましい。これらのうち、触媒寿命が長いことから、貴金属と助触媒成分からなる金属を担持した触媒が好ましく、更に好ましくは、パラジウムと助触媒成分からなる金属を担持した触媒である。
【0023】
本発明において用いられる助触媒成分は、特に限定はされないが、例えば、テルル、アンチモン、ビスマス、鉛が挙げられる。これらのうち、パラジウムの安定性の面から、テルル又はアンチモンが好ましく、更に好ましくはテルルが用いられる。
【0024】
また、本発明で用いられる担体は特に限定はされないが、例えば、ジルコニア、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、活性炭、ケイソウ土等、が用いられる。これらのうち、パラジウムの安定性の面からジルコニアが好ましく用いられる。
【0025】
貴金属あるいは、貴金属及び助触媒成分を含む触媒を調製する場合、調製に使用する貴金属の出発原料は、特に限定されるものではない。例えば、白金原料として、白金金属、シアン化白金、テトラクロロ白金酸アンモニウム、テトラクロロ白金酸カリウム、テトラクロロ白金酸ナトリウム、ヘキサクロロ白金酸アンモニウム、ヘキサクロロ白金酸カリウム、ヘキサクロロ白金酸ナトリウム、テトラアンミン白金塩化物、塩化白金酸、臭化白金酸、ヨウ化白金酸、酸化白金、硝酸白金等が、ロジウム原料として、ロジウム金属、ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム、ヘキサクロロロジウム酸カリウム、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウム、ペンタクロロアクアロジウム酸アンモニウム、ペンタアンミンクロロロジウム塩化物、ペンタクロロロジウム酸カリウム、酸化ロジウム、塩化ロジウム、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、トリアンミントリクロロロジウム、トリスエチレンジアミンロジウム塩化物、テトラロジウムドデカカルボニル、ヘキサロジウムヘキサドデカカルボニル、ビスエチレンロジウムアセチルアセトナート等が、パラジウム原料として、パラジウム金属、ヘキサクロロパラジウム酸アンモニウム、ヘキサクロロパラジウム酸カリウム、ヘキサクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム、テトラクロロパラジウム酸カリウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラブロモブロモパラジウム酸カリウム、酸化パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、ジニトロサルファイトパラジウム酸カリウム、クロロカルボニルパラジウム、ジニトロジアンミンパラジウム硝酸塩、テトラアンミンパラジウム硝酸塩、ジクロロジアミンパラジウム、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム、テトラシアノパラジウム酸カリウム等が使用できる。
【0026】
本発明で調製に使用する助触媒成分、例えば、テルル、アンチモン、ビスマス、及び、鉛の出発原料は、特に限定されるものではない。例えば、テルルの原料として、テルル金属、塩化テルル、酸化テルル、ヨウ化テルル、テルル酸等が、アンチモンの原料として、アンチモン金属、フッ化アンチモン、塩化アンチモン、臭化アンチモン、ヨウ化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモニメトキシド、アンチモニエトキシド、アンチモニイソプロポキシド、アンチモニブトキシド、アンチモニエチレングリコキシド、アンチモニポタシウムタータレイト、酸化アンチモン、硫化アンチモン、酒石酸やシュウ酸等の有機酸との錯化合物等が、ビスマスの原料として、ビスマス金属、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酢酸ビスマス、酸化ビスマス等が、鉛の原料として、鉛金属、酢酸鉛、塩化鉛、フッ化鉛、ヨウ化鉛、硝酸鉛、酸化鉛、硫酸鉛、シュウ酸鉛、ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛等が使用できる。
【0027】
本発明においては、担体上に担持される金属の量は、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。金属として貴金属及び助触媒成分が担持された固体触媒の場合は、助触媒成分も含めた担体の全重量に対して、貴金属として0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0028】
貴金属及び助触媒成分が担持された固体触媒の場合、助触媒成分の添加量は添加する助触媒成分によりその最適な添加量は異なるが、通常、貴金属に対する助触媒成分の比は、金属の原子比で0.01〜10が好ましい。助触媒成分/貴金属比が0.01より小さい場合は、助触媒による添加効果が十分ではなく高い活性が得られず、逆に、10より多い場合には助触媒が触媒毒となって活性が低くなる。担体に担持されている貴金属及び助触媒成分の担持状態は、特に制限はされないが、例えば、共に金属の状態、どちらかの成分の一部が金属でない状態、又は、両方の成分とも金属でない状態、貴金属と助触媒成分の合金の状態が挙げられる。
【0029】
金属を担持した触媒の調製法は特に限定されるものではなく、一般的に用いられる方法で良い。例えば、含浸法、沈着法、イオン交換法等が用いられる。
【0030】
含浸法で貴金属及び助触媒成分が担持された触媒を調製する場合には、貴金属原料と助触媒原料を同時に含浸担持してもよいし、いずれか一方を含浸担持した後、残りの原料を含浸担持してもよい。
【0031】
担体と貴金属原料あるいは、貴金属原料と助触媒原料を接触させた後には、含浸法又はイオン交換法等における常法に従って、デカンテーション、濾過、加熱又は減圧加熱等の操作で溶媒を除去する。溶媒を除去後の乾燥は、加熱乾燥、減圧乾燥等を用いることができる。
【0032】
乾燥後、そのまま還元しても良いし、空気中で焼成を行って貴金属原料あるいは貴金属原料と助触媒原料を分解した後に還元しても良い。焼成を行う場合には、酸素、又は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで希釈した酸素、あるいは、空気の雰囲気下で100〜1000℃で行うと良い。
【0033】
触媒の還元は、公知の方法が用いられる。例えば、水素、一酸化炭素、エチレン、あるいは、メタノール等を還元剤として用いて気相で還元する方法、あるいは、ヒドラジン水和物、ホルマリン、ギ酸等を用いて液相で還元する方法を用いることができる。気相で還元する場合の還元温度は、100〜1000℃、好ましくは、200〜800℃である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
以下の実施例に用いた測定法を示す。
【0036】
(フェニルアセテート及びフェノールの収率)
反応器から得られた反応液30gに、内標としてベンジルアセテート3g、及び、キュメン3gを加えた。キャピラリ−カラム(SGE社製、商品名BP21)が備わったガスクロマトグラフ(島津製作所製、商品名GC−1700)に、内標を入れた上記の液0.4μlを注入し内標からフェニルアセテート、及び、フェノールの生成量を換算した。
【0037】
反応器から得られたガス2mlをステンレスカラム(ジーエルサイエンス社製、商品名ユニビーズC)が備わったガスクロマトグラフ(島津製作所製、商品名GC−14B)に、2mlを注入し、COガスの生成量を測定した。
【0038】
なお、フェニルアセテート及びフェノールの収率は、下記式により換算した。ここで全反応生成物とは、フェニルアセテート、フェノール、高沸物、およびCOを意味する。
【0039】
フェニルアセテートの収率(%)=フェニルアセテートの生成量(mol)/
{未反応ベンゼン(mol)+全反応生成物(mol:ベンゼン換算)}
フェノールの収率(%)=フェノールの生成量(mol)/
{未反応ベンゼン(mol)+全反応生成物(mol:ベンゼン換算)}
実施例1
8.3%パラジウムジニトロジアミン硝酸溶液43.4gにテルル酸1.16gを溶解させた。この溶液をジルコニア(ノートン社製)120gに含浸した後、50℃、0.002MPaで減圧乾燥した。乾燥後、水素気流中600℃で還元して触媒を調製した。この触媒にはパラジウムが2.8wt%担持され、テルルはパラジウムに対して原子比で0.15であった。
【0040】
上記で調製した触媒3.5mlを内径4mmのステンレス製反応管に充填した(以下、反応器と称する)。反応器2本を用いて、直列に配列した2段反応器を作成した。各反応器の反応温度を210℃、反応圧力を6MPaに制御して、第1段反応器にはベンゼンと酢酸が等モルの混合溶液を1.1ml/分、窒素を20ml/分、分子状酸素を14ml/分(0℃、1気圧換算)供給し、第2段反応器には、さらに16ml/分(0℃、1気圧換算)の分子状酸素を供給した。反応開始後15時間後の反応液、及び、ガスを捕集してガスクロマトグラフで分析した。その結果を表1に示す。
【0041】
実施例2
実施例1で調製した反応器4本を直列に配列した4段反応器を作成した。各反応器の反応温度を200℃、反応圧力を6MPa制御して、第1段反応器にはベンゼンと酢酸が等モルの混合溶液を1.2ml/分、窒素を20ml/分、分子状酸素を7ml/分(0℃、1気圧換算)供給し、さらに、第2段反応器には、10ml/分(0℃、1気圧換算)第3段反応器には14ml/分,第4段反応器には18ml/分の分子状酸素を供給した。反応開始3時間後の反応液及び、ガスを捕集してガスクロマトグラフで分析した。その結果を表1に示す。
【0042】
実施例3
実施例1で調製した反応器6本を直列に配列した6段反応器を作成した。各反応器の反応温度を200℃、反応圧力を6MPa制御して、第1段反応器にはベンゼンと酢酸が等モルの混合溶液を1.2ml/分、窒素を20ml/分、分子状酸素を7ml/分(0℃、1気圧換算)供給し、さらに、第2段反応器には、10ml/分(0℃、1気圧換算)第3段反応器には14ml/分,第4段反応器には18ml/分、第5段反応器には22ml/分,第6段反応器には26ml/分、の分子状酸素を供給した。反応開始5時間後の反応液及び、ガスを捕集してガスクロマトグラフで分析した。その結果を表1に示す。
【0043】
比較例1
実施例1で調製した反応器1本で1段反応器を作成した。反応温度210℃、反応圧力6MPaで、ベンゼンと酢酸が等モルの混合溶液を1.2ml/分、窒素を20ml/分、分子状酸素を14ml/分(0℃、1気圧換算)供給した。反応開始15時間後の反応液及びガスを捕集してガスクロマトグラフで分析した。その結果を表1に示す。
【0044】
比較例2
比較例1の1段反応器において、ベンゼンと酢酸が等モルの混合溶液1.1ml/分、窒素20ml/分、分子状酸素30ml/分(0℃、1気圧換算)の供給条件は、爆発範囲に入るため、安全の面から実験を実施できなかった。
【0045】
【表1】



【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のn段反応器を示す。
【図2】本発明のn層反応器を示す。
【出願人】 【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
【出願日】 平成15年6月19日(2003.6.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−8561(P2005−8561A)
【公開日】 平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願番号】 特願2003−174645(P2003−174645)