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【発明の名称】 喘息、アレルギー、および炎症性疾患の治療のための化合物および方法
【発明者】 【氏名】スキャネル,ラルフ

【氏名】シャトゥラン,ピエール

【氏名】トイ−パーマー,アンナ

【氏名】ディッフェルディン,エドモンド

【氏名】エリス,ジェームズ

【氏名】ラッソワ,マリー−アグネ

【氏名】ヤング,ミッシェル

【氏名】カイ,ション

【氏名】ハソイン,サジャット

【氏名】グリューワル,ガーミット

【氏名】ルイス,ティモシー

【要約】 【課題】医薬品合成の原料を提供する。

【解決手段】以下の式
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式:
【化1】


により表される化合物N−(3−ブチン−1−イル)N−ヒドロキシウレア。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野:
本発明は、1,4置換ピペラジン類、1,4置換ピペリジン類、および1−置換、4−アルキリデニルピペリジン類の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の概要:
ロイコトリエンは、関節炎、喘息、乾癬、および血栓症を含む炎症性およびアレルギー性反応において主要な役割を演ずる有力な局所仲介物質である。ロイコトリエンは、リポキシゲナーゼによるアラキドン酸の酸化によって生成する直鎖エイコサノイドである。アラキドン酸は、5−リポキシゲナーゼにより酸化され、最終的にロイコトリエンA4、B4、D4、またはE4に転換する。15−リポキシゲナーゼは、アラキドン酸の15−ヒドロキシ−5,8,11,13−エイコサテトラエン酸(15−HETE)を含むさまざまな生物学的に活性な代謝生成物への転換の役割を担っている。これら両仲介物質は、気管支狭窄、粘液分泌、および好酸球遊走能に寄与することにより喘息などの気道およびアレルギー性の疾患の発生機序と関係している。1または複数種のこのようなロイコトリエンの混合物は、有力な気管支収縮薬であることは知られている。したがって、ロイコトリエンは喘息の病理学において重要な役割を演ずることが分かっている。喘息におけるロイコトリエンの役割に関する厳密な証明は、経口投与された5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤(またはLTD4レセプター拮抗薬)が喘息患者に明らかな治療上の利益をもたらす幾つかの枢要な臨床試験により与えられた。これらの利益には、β作用薬およびコルチコステロイドなどの古典的な喘息療法の使用を減らすことが含まれる。
【0003】
ある種のヒドロキシウレアとヒドロキシアミドで置換した芳香族化合物が5−LO阻害剤として働く可能性があることは当業界でよく知られている。例えば、国際公開第92/09567号および第92/09566号には、リポキシゲナーゼ酵素の阻害剤として各種N−ヒドロキシウレアおよびヒドロキサム酸の化合物が開示されている。
【0004】
一般にヒスタミンが炎症において大きな役割を演ずることが立証されている。抗ヒスタミン薬は、アレルギー制御に対して特によく確立されている。さらにヒスタミンは、喘息においても大きな役割を演ずると考えられる。例えば、ヒスタミンおよびシステイニルロイコトリエン(cLT)は、共に気道の活動状態の重要な仲介物質であることが知られている。臨床研究は、cLTレセプター拮抗薬および抗ヒスタミン薬を組み合わせて12人の喘息患者に投薬治療した結果、どちらか単独の作用物質のみの場合よりもはるかに早期喘息反応(RAR)および遅発型喘息反応(LAR)が減少したことを示している(A.Roquet等の論文、Am.J.Respir Crit.Care Med.,155,1856(1997))。これは、ヒスタミンが喘息において大きな役割を果たすことを示している。
【0005】
ある種の〔ビス(置換および/または非置換アリール)メチルおよびメチレン〕−1−ピペリジル化合物が抗ヒスタミン作用活性を持つことはよく知られており、多くの刊行物に開示されている。例えば、Yanni他の特許(米国特許第4,810,713号および米国特許第4,950,674号)には、喘息および鼻炎を含むアレルギー現象の治療用の〔〔(ビス(アリール)メチルまたはメチレン〕−1−ピペリジニル〕アルコキシ−アリールおよびヘテロアリール化合物について開示されている。Teng他の特許(米国特許第5,070,087号)には、アレルギーにおいて抗ヒスタミン効果をもつ〔ビス(アリール)メチルおよびメチレン〕−N−〔(フェノキシおよびフェニルチオ)アルキル〕ピペリジンが開示されている。
【0006】
別の特許には、ロイコトリエンの放出を阻害する抗喘息薬および抗アレルギー薬として使用される〔ビス(アリール)メチル〕ピペラジン−1−イル化合物が示されている(例えば日本特許JP97077754号)。米国特許第4,525,358号は、抗アレルギー、鎮痙、および抗ヒスタミン物質として2−〔4−(ジフェニルメチル)−1−ピペラジニル〕酢酸およびそのアミドについて教示している。日本特許JP7138230号には、抗アレルギー物質、例えば喘息および鼻炎の治療に有用な4−アラルキル−1−ピペラジニル不飽和カルボン酸誘導体が開示されている。国際公開第97/23466号には、鎮痛薬としてN−ジアリールメチルピペラジンの調製方法について記述されている。
【0007】
しかしながら、従来技術はいずれもヒドロキシウレア部分の官能性を阻害する5−LOおよび15−LOと、〔ビス(置換および/または非置換アリール)メチルおよびメチレン〕−1−ピペリジルまたは−1−ピペラジニル部分の抗ヒスタミン特性とを組み合わせて単一の実在物質にし、抗ヒスタミン剤および5−LO/15−LO阻害剤としての両機能を持つ化合物を得ることについて教示し、示唆し、または思いめぐらしていない。
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
本発明は、二元特性を有する新規な化合物を提供するもので、各化合物はリポキシゲナーゼ阻害特性ならびに抗ヒスタミン特性の両者を持つ。好ましい実施形態において本発明の新規化合物は、各々5−LOおよび/または15−LO阻害剤とヒスタミンH1レセプター拮抗薬の両者として働く。
【0009】
本発明の化合物は、ヒスタミンおよび/またはロイコトリエン成分が存在していそうな状態の治療に役立つ。これらの状態には、好ましくは喘息、季節的および四季を通じてのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、結膜炎、食物アレルギー、サバ中毒、乾癬、蕁麻疹、そう痒症、湿疹、リウマチ様関節炎、関節炎、炎症性腸疾患、慢性の閉塞性肺疾患、血栓性疾患、および中耳炎が含まれる。したがって本発明はまた、本発明の化合物を含む薬用組成物およびこの薬用組成物による喘息および鼻炎の治療方法を提供する。
【0010】
本明細書に開示された化合物はまた、ロイコトリエンおよびヒスタミンの両者の関係する生物学的経路を研究するための、具体的にはさらにヒスタミンが気管支狭窄において果たす役割を解明するための研究ツールとして使用することができる。
【0011】
本明細書中に引用された全ての特許出願、特許、およびその他の刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な説明
化合物:
一実施態様において本発明は、幾何異性体、鏡像体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、および薬剤として許容されるそれらの塩を包含する、式Iの化合物を含む。
【0013】
【化1】


【0014】
上式で、
XおよびX′は独立に、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、トリフルオロメチル、または−(Y′)m−W′であり;
GおよびG′は合わさって
【0015】
【化2】


【0016】
を形成し;
Dは−CH=または=N−であり;
1およびR2は、別々に水素であるか、または合わさって−(CH2n−(ただしnは0、1、2、または3に等しい)であり;
mおよびm′は独立に0または1であり;
YおよびY′は−L1−または−L2−V(Z)t−L3−(ただしtは0または1)であり;
1は、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、または1もしくは複数のメチレンが−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(Q)−、または−N(R3)−で置換される上記のうちの1つであり;
2は、(a)アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、または1もしくは複数のメチレンが−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(Q′)−、または−N(R4)−で置換される上記のうちの1つ、あるいは(b)−L4−C(O)−N(Q′)−または−L4(Q′)−、あるいは(c)直接結合であり;
3は、(a)アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、または1もしくは複数のメチレンが−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(Q″)−、または−N(R5)−で置換される上記のうちの1つ、あるいは(b)直接結合であり;
4は、(a)アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、または1もしくは複数のメチレンが−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(Q″)−、または−N(R5)−で置換される上記のうちの1つ、あるいは(b)直接結合であり;
Vは、(a)tが0のとき、二価アレーン、二価ヘテロアレーン、または二価の飽和ヘテロ環、あるいは(b)tが1のとき、三価アレーンまたは三価ヘテロアレーンであり;
Q、Q′、およびQ″は独立に、水素、−AC(O)OR6または−AC(O)NR67であり;
WおよびW′は、WおよびW′の少なくとも1つが−N(OM)C(O)N(R8)R9、−N(R8)C(O)N(OM)R9、または−N(OM)C(O)R8であるという条件で、独立に−N(OM)C(O)N(R8)R9、−N(R8)C(O)N(OM)R9、−N(OM)C(O)R8、−C(O)NR89、または、C(O)OR8である。
【0017】
Zは、−A″N(OM′)C(O)N(R10)R11、−A″N(R10)C(O)N(OM′)R11、−A″N(OM′)C(O)R11、−A′C(O)N(OM′)R11、−A′C(O)NR1011、−A′C(O)OR10、ハロ、CH3、NR34、NR3C(O)R4、NO2、CN、CF3、S(O)23、SR3、またはS(O)R3である。
【0018】
A、A′およびA″は独立に、直接結合、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、イロアルキルアリール、イロアリールアルキル、またはジイロアルキルアレーン、あるいは1もしくは複数のメチレンが−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置換され、および/または1もしくは複数のメチリデンが=N−で置換される上記のうちの1つであり;
MおよびM′は独立に、水素、薬剤として許容されるカチオン、または代謝で切断可能な基であり;
−S(O)−および−S(O)2−中のイオウと結合している酸素を除いては、1もしくは複数のメチレンが−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置換される場合、および1もしくは複数のメチリデンが=N−で置換される場合、そのような置換が結果として2つのヘテロ原子が互いに共有結合することにならないという条件で;
またさらに、mが0のとき、Wは−C(O)NR89または−C(O)OR8でないという条件で;
またさらに、Aが直接結合の場合、置換基−AC(O)OR6中においてR6は水素であることはできないという条件で;
3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびR11は独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキリアリールアルキル、または1もしくは複数のメチレンが−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置換され、および/または1もしくは複数のメチリデンが=N−で置換される上記のうちの1つである。
【0019】
好ましくは本発明の化合物は、式I′:
【0020】
【化3】


【0021】
と、その幾何異性体、鏡像体、ジアステレオマー、および薬剤として許容されるその塩を有するものであって、その各変数は、
XおよびX′が独立に、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、またはトリフルオロメチルであり;
Wが、−N(OM)C(O)N(R8)R9、−N(R8)C(O)N(OM)R9、または−N(OM)C(O)R8
であることを除いては上記の定義と同様である。
【0022】
別の好ましい実施形態において本発明の化合物は、式I″:
【0023】
【化4】


【0024】
と、その幾何異性体、鏡像体、ジアステレオマー、および薬剤として許容されるその塩により与えられ、その変数は各々上記の定義と同様である。
【0025】
他の好ましい実施形態において式Iの化合物は、下記の式IIおよびIII
【0026】
【化5】


【0027】
と、その幾何異性体、鏡像体、ジアステレオマー、および薬剤として許容されるその塩により表され、その変数は各々上記の定義と同様である。
【0028】
式IIおよびIIIの化合物とその幾何異性体、鏡像体、ジアステレオマー、および薬剤として許容されるその塩の、より好ましい実施形態は、その各変数が下記のとおりであることを除いては上記の定義と同様の化合物である。
【0029】
1.Xが−Clであり、X′が水素であり、mが1であり、Wが−N(OH)C(O)NH2であるか、または
2.Xが−Clであり、X′が水素であり、mが1であり、Yが−L1−(ただし、L1はアルキニレン、イロアルコキシ、またはイロアルコキシアルキル)であるか、または
3.Xが−Clであり、X′が水素であり、mが1であり、Yが−L2−V(Z)t−L3−であり、tが0であり、Vが1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンであり、L2がイロアルコキシであり、L3がアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンであるか、または
4.Xが−Clであり、X′が水素であり、mが1であり、Yが−L2−V(Z)t−L3−であり、tが0であり、Vが2,5−フリレンであり、L2がアルキレンであり、L3がアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンであるか、または
5.Xが−Clであり、X′が水素であり、mが1であり、Yが−L2−V(Z)t−L3−であり、tが1であり、L2がイロアルコキシであり、Vが三価ヘテロアレーンであり、Zが−A′C(O)NR1011または−A′C(O)OR10であり、Wが−N(OH)C(O)NH2である。
【0030】
6.XおよびX′がFであり、mが1であり、Yが−L2−V(Z)t−L3−であり、tが0であり、Vが1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンであり、L2がイロアルコキシであり、L3がアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンである。
本発明の化合物には下記のように表Iに示すものが含まれる。
【0031】
【表1】


【0032】
【表2】


【0033】
【表3】


【0034】
【表4】


【0035】
【表5】


【0036】
【表6】


【0037】
【表7】


【0038】
【表8】


【0039】
【表9】


【0040】
【表10】


【0041】
【表11】


【0042】
【表12】


【0043】
【表13】


【0044】
【表14】


【0045】
【表15】


【0046】
【表16】


【0047】
特に好ましい化合物は表Iのうち下記に列挙したものである。
【0048】
化合物1、5、11、12、13、17、23、24、31、32、33、34、35、36、37、40、41、42、43、44、45、46、48、49、50、52、53、54、55、56、57、58、59、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、および94が、より好ましい。最も好ましい化合物は、17、32、34、35、46、52、および80である。
【0049】
定義:
下記の段落は、本発明の化合物を構成するさまざまな化学的分子部分の定義を提供するものであり、特に明記しない限りこの明細書および特許請求の範囲を通じて一律に適用される。
【0050】
用語、アルキルは、一価のC1からC6の飽和した直鎖、分枝、または環状のアルカン部分を意味し、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルが含まれる。アルキル基は任意選択で、当業者には周知のように、または例えばGreene等の著書、「Protective Groups in Organic Synthesis」,John Wiley and Sons,Third Edition,1999の中に教示されているように、これらには限定されないがハロ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリーロキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸エステル、ホスホン酸、リン酸エステル、またはホスホン酸エステルからなる群から選択され、非保護または必要に応じて保護いずれかのR3または1もしくは複数の分子部分を含む任意の適切な基で置換することができる。
【0051】
用語アルコキシは、自由原子価をもつ−O−末端を有するアルキル部分、例えばCH3CH2−O−を意味し;
用語イロアルコキシは、水素原子がアルキル部分から除去されて二価のラジカルを生ずるアルコキシ(上記の定義による)、例えば−CH2CH2O−または−CH(CH3)O−を意味する。
【0052】
用語イロアルコキシアルキルは、アルキル部分が同じかまたは異なる各アルキル部分上に1つの自由原子価を有する二価のジアルキルエーテル部分、例えば−CH2CH2CH2−O−CH2−を意味する。
【0053】
用語アルキレンは、水素原子が除去されて二価のラジカルを生じるアルキル部分(上記の定義による)、例えば−CH2CH(CH3)CH2CH2−を意味する。
【0054】
用語アルケニルは、任意選択で上記のように置換される、一価のC2〜C6の直鎖、分枝、あるいはC5〜6の場合は少なくとも1つの二重結合をもつ環状の炭化水素を意味する。
【0055】
用語アルケニレンは、水素原子が除去されて二価のラジカルを生じるアルケニル部分(上記の定義による)、例えば−CH2CH=CHCH2−を意味する。
【0056】
用語アルキニルは、少なくとも1つの三重結合をもつ一価のC2〜C6の直鎖または分枝状の炭化水素(任意選択で上記の通り置換される)を意味し、具体的にはアセチレニル、プロピニル、および−C≡C−CH2(CH3)を含む−C≡C−CH2(アルキル)が含まれる。
【0057】
用語アルキニレンは、水素原子が除去されて二価のラジカルを生じるアルキニル部分(上記の定義による)、例えば−C≡C−CH(CH3)−を意味する。
【0058】
用語アリールは、一価フェニル(好ましくは)、ビフェニル、またはナフチルを意味する。アリール基は任意選択で、当業者には周知のように、または例えばGreene等の著書、「Protective Groups in Organic Synthesis」,John Wiley and Sons,Third Edition,1999の中に教示されているように、これには限定されないがハロ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリーロキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸エステル、ホスホン酸、リン酸エステル、またはホスホン酸エステルからなる群から選択され、非保護または必要に応じて保護いずれかの1もしくは複数の分子部分を含む任意の適切な基、好ましくはハロ(フルオロを含むがこれには限定されない)、アルコキシ(メトキシを含む)、アリーロキシ(フェノキシを含む)、W、シアノ、またはR3で置換することができる。
【0059】
用語、アリーレンおよび二価アレーンは、水素原子が除去されて二価のラジカルを生じるアリール部分(上記の定義による)、例えば−C64−を意味する。
【0060】
用語三価アレーンは、水素原子が除去されて三価のラジカルを生じるアリーレン部分(上記の定義による)、例えば
【0061】
【化6】


【0062】
を意味する。
【0063】
用語イロアルキルアリールは、一方の空位の原子価がアルキル部分上にあり、もう一方がアリール部分上にある、二価のアルキル置換アリール部分、例えば−CH2−CH2−C64−を意味する。
【0064】
用語イロアリールアルキルは、一方の空位の原子価がアルキル部分上にあり、もう一方がアリール部分上にある、二価のアリール置換アルキル部分、例えば−C64−CH2−CH2−を意味する。
【0065】
用語ジイロジアルキルアレーンは、各アルキル部分(同一でも異なっていてもよい)上に1つの空位の原子価が存在する、二価のジアルキル置換アレーン、例えば−CH2−C64−CH2CH2−を意味する。
【0066】
用語へテロ原子は、O、S、またはNを意味する。
【0067】
用語へテロ環は、1もしくは複数の環の炭素がへテロ原子で置換されている、上記で定義した環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニル部分を意味する。
【0068】
用語、ヘテロアリーレンおよび二価ヘテロアレーンは、芳香環中に少なくとも1つのイオウ、酸素、または窒素を含むアリ−レン(または二価ヘテロアレーン)を意味し、任意選択でアリール基を上記のように置換することができる。非限定的な例には、フリレン、ピリジレン、1,2,4−チアジアゾリレン、ピリミジレン、チエニレン、イソチアゾリレン、イミダゾリレン、テトラアゾリレン、ピラジニレン、ピリミジレン、キノリレン、イソキノリレン、ベンゾチエニレン、イソベンゾフリレン、ピラゾリレン、インドリレン、プリニレン、カルバゾリレン、ベンズイミダゾリレン、およびイソオキサゾリレンがある。
【0069】
用語、三価ヘテロアレーンは、水素原子が除去されて三価のラジカルを生じるヘテロアリーレン部分(上記の定義による)、例えば
【0070】
【化7】


【0071】
を意味する。
【0072】
用語ハロは、クロロ、フルオロ、ヨード、またはブロモを意味する。
【0073】
アルキル、アルケニル、またはアルキニル(またはこれらの二価ラジカルの片われ)のメチレンが、O、−NH−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置換される場合、それはその分子部分の任意の適切な位置、すなわち末端または内部位置のいずれでもよく、例えばCH3CH2−O−、CH3−O−CH2−、CH3CH2NH−、およびCH3NHCH2−である。
【0074】
本明細書に記載されたラジカルな分子部分上の空位の原子価は、分子部分内の原子のいずれか1つ(または二価ラジカルの場合は複数)で起こる可能性がある。例えば一価のC3アルキル部分には、プロピルおよびイソプロピルの両者が含まれる。別の例で、二価のC4アルキレン部分には、テトラメチレン(−CH2(CH22CH2−)およびエチルエチレン(−CH(CH2CH3)CH2−)の両者が含まれる。
【0075】
用語、有機または無機アニオンは、マイナスの電荷を帯びる有機または無機分子部分を意味し、塩のマイナスの部分として用いることができる。
【0076】
用語「薬剤として許容されるカチオン」とは、プラスの電荷を帯び、例えば塩の中の対カチオンとして薬用物質と一緒に投与することができる有機または無機分子部分を意味する。薬剤として許容されるカチオンは当業者には周知であり、ナトリウム、カリウム、および第四アンモニウムが含まれるがこれらには限定されない。
【0077】
用語「代謝により切断可能な基」は、それが結合している分子から生体内で切断される分子部分を意味し、有機または無機アニオン;薬剤として許容されるカチオン、アシル(例えば、アセチル、プロピオニル、およびブチリルを含む(アルキル)C(O))、アルキル、リン酸エステル、硫酸エステル、およびスルホン酸エステル;NH2C(O)−;または(アルキル)OC(O)−が含まれるがこれらには限定されない。
【0078】
用語、5−リポキシゲナーゼ阻害剤は、30μM以下で酵素を抑制する化合物を意味する。用語、15−リポキシゲナーゼ阻害剤は、30μM以下で酵素を抑制する化合物を意味する。
【0079】
本明細書で用いられる用語、薬剤として許容される塩または錯体は、上記で同定された化合物の所期の生物学的活性を保持し、好ましくない毒物学的影響を最少ないし全く示さない塩または錯体を意味する。このような塩の例には、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)により形成される酸付加塩、ならびにフマル酸、マレイン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、およびポリガラクツロン酸などの有機酸により形成される塩が含まれるがこれらには限定されない。化合物はまた、当業者には周知の薬剤として許容される第四塩として投与することもでき、具体的には式−NR+-の第四アンモニウム塩(ただし、Rは水素、アルキル、またはベンジルであり、Zは塩化物、臭化物、ヨウ化物、−O−アルキル、トルエンスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、またはカルボン酸塩(フマル酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、マンデル酸塩、ベンジル酸塩、およびジフェニル酢酸塩など)である)が含まれるがこれには限定されない。
【0080】
用語、薬剤として活性な誘導体は、受体に投与する場合、本明細書に開示された化合物を直接にまたは間接的に提供する能力のある任意の化合物を意味する。
【0081】
合成体系:
図1〜9および実施例1〜7に表示した合成体系は、本発明による化合物をどのようにして製造することができるかを例示するものである。当業者ならばこれらの体系および明細を日常的に改変および/または適合させて本発明の任意の化合物を合成することができるはずである。
薬用組成物ならびに治療および投与の方法:
本発明の化合物は、ヒスタミンおよび/またはロイコトリエン成分が存在していそうな状態の治療に役立つ。これらの状態には、好ましくは喘息、季節的および四季を通じてのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、結膜炎、食物アレルギー、サバ中毒、乾癬、蕁麻疹、そう痒症、湿疹、リウマチ様関節炎、関節炎、炎症性腸疾患、慢性の閉塞性肺疾患、血栓性疾患、および中耳炎が含まれる。化合物は、ヒスタミンH−1レセプター拮抗薬として作用することにより、5−リポキシゲナーゼなどのリポキシゲナーゼ酵素を抑制することにより、または二元活性を示すことにより、すなわちヒスタミンH−1レセプター拮抗薬と5−リポキシゲナーゼなどのリポキシゲナーゼの阻害剤の両者として作用することによりこの生物学的活性を示す。
【0082】
ロイコトリエンが仲介するおよび/またはヒスタミンが仲介する状態(好ましくは喘息、季節的および四季を通じてのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、結膜炎、食物アレルギー、サバ中毒、乾癬、蕁麻疹、そう痒症、湿疹、リウマチ様関節炎、関節炎、炎症性腸疾患、慢性の閉塞性肺疾患、血栓性疾患、および中耳炎)を治療する必要性のある被験者は、有効量の1もしくは複数の上記の同定された化合物、あるいは酸素ラジカルの形成を低減するために薬剤として許容できるキャリヤーまたは希釈剤に混ぜた、薬剤として許容できるその誘導体または塩をその患者に投与することにより治療することができる。活性な材料は、任意の適切な経路により、例えば経口的、非経口的、静脈内、皮内、皮下、筋肉内、または局所的に;液体、クリーム、ゲル、または固体の形態で;頬側もしくは鼻のスプレイ、またはエーロゾルを介して;投与することができる。
【0083】
本発明はさらに、式Iの化合物を治療用途の薬剤の製造に使用することに関する。特に本発明は式Iの化合物を、ヒスタミンおよび/またはロイコトリエン成分が存在していそうな状態の治療に役立つ薬剤の製造に使用することに関する。本発明は、喘息、季節的および四季を通じてのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、結膜炎、食物アレルギー、サバ中毒、乾癬、蕁麻疹、そう痒症、湿疹、リウマチ様関節炎、関節炎、炎症性腸疾患、慢性の閉塞性肺疾患、血栓性疾患、および中耳炎、好ましくは喘息、季節的および四季を通じてのアレルギー性鼻炎の治療に有用な薬剤を製造するために式Iの化合物を使用することに関する。
【0084】
本発明はさらに、薬剤として使用するための式Iの化合物に関する。本発明は、喘息、季節的および四季を通じてのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、結膜炎、食物アレルギー、サバ中毒、乾癬、蕁麻疹、そう痒症、湿疹、リウマチ様関節炎、関節炎、炎症性腸疾患、慢性の閉塞性肺疾患、血栓性疾患、および中耳炎、好ましくは喘息、季節的および四季を通じてのアレルギー性鼻炎の治療用の薬剤として使用するための式Iの化合物に関する。
【0085】
活性な化合物は、治療される患者に重大な有毒作用を与えることなく治療に有効な量を患者に送達するのに十分な量の薬剤として許容されるキャリヤーまたは希釈剤の中に包含される。活性な化合物のあらゆる前述の状態に対する好ましい用量は、約0.01から300mg/kg、好ましくは1日当たり0.1から100mg/kg、より一般的には1日当たり受体の体重1kg当たり0.5から約25mgの範囲である。典型的な局所用量は、適切なキャリヤー中に0.01〜3%wt/wtの範囲にあるはずである。薬剤として許容される誘導体の有効量の範囲は、送達すべき親化合物の重量を基準にして計算することができる。誘導体自体が活性を示す場合、有効量は誘導体の重量を用いて、または当業者に周知の他の手段により上記のように見積もることができる。
【0086】
本発明の方法は、ロイコトリエンが仲介するおよび/またはヒスタミンが仲介する状態(好ましくは喘息および鼻炎)に苦しむ哺乳類(好ましくはヒト)に、その状態を軽減するのに十分な量の本発明による薬用組成物を投与することを含む。化合物は、これには限定されないが単位用量形態当たり活性成分を1から3000mg、好ましくは5から500mg含有するものを含む、任意の適切な単位用量形態で投与するのが便利である。1〜500mg、好ましくは10〜250mg、より好ましくは25〜250mgの経口投薬量が通常便利である。
【0087】
活性成分は、約0.001〜30μM、好ましくは約0.01〜10μMの活性化合物のピーク血漿濃度を達成するように投与すべきである。これは、例えば任意選択で生理的食塩水に溶かした活性成分の溶液または製剤、または水性の媒質の静脈内注射により達成するか、あるいは活性成分の大型丸剤として投与することができる。
【0088】
薬物組成物中の活性化合物の濃度は、薬物の吸収、体内分布、失活、および排出速度、ならびに当業者に周知のその他の要因に左右されることになる。投薬量の値はまた、軽減されるべき状態の度合いにより変わることは留意すべきである。さらに任意の特定の被験者にとって、具体的な投薬量の管理は、個々の必要性および組成物の投与を管理または監督する者の専門家としての判断に従って時の経過とともに調整されるべきであること、また本明細書中に示した濃度範囲は単なる例示であり、特許請求された組成物の範囲または実施を制限することを意図するものではないことを理解すべきである。活性成分は一度に投与してもよく、または複数のより小さな用量に分けてさまざまな時間間隔で投与してもよい。
【0089】
経口用組成物は通常、不活性の希釈剤または食用に適するキャリヤーを含む。これらはゼラチンのカプセル中に封入するか、または圧縮して錠剤にすることができる。経口治療による投与のために、活性化合物を賦形剤と混ぜ、錠剤、トローチ剤、またはカプセルの形態で用いることができる。薬剤として適合する結着剤、および/または補助材を組成物の一部として包含してもよい。
【0090】
錠剤、ピル、カプセル、トローチ剤などは、任意の下記の成分または類似の性質の化合物、すなわち微結晶セルロース、ゴムトラガント、またはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたはラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、Primogel、またはコーンスターチなどの分散剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSteroresなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑動剤;ショ糖またはサッカリンなどの甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジの風味などの香味料を含有することができる。用量単位形態がカプセルの場合、上記の種類の材料に加えて脂肪油などの液体キャリヤーを含有することができる。さらに用量単位形態は、用量単位の物理的形態を改変するいろいろな別の材料、例えば砂糖、シェラック、または腸溶剤のコーティングを含有することができる。
【0091】
活性化合物あるいはその薬剤として許容される塩または誘導体は、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェーファー、チューインガムなどの成分として投与することができる。シロップ剤は、活性化合物に加えて甘味料としてショ糖、ある種の保存料、色素と着色剤、および香味料を含有することができる。
【0092】
活性化合物あるいはその薬剤として許容される塩または誘導体はまた、所期の作用を損なわない他の活性な材料、またはプソイドエフェドリン、抗生物質、抗真菌薬、その他の消炎鎮痛薬、または抗ウィルス化合物のようなアドレナリン作動薬などの所期の作用を補う材料と混合することができる。
【0093】
非経口的、皮内、皮下、静脈内、筋肉内、または局所的用途に使用される溶液または懸濁液は下記の成分、すなわち注射用の水などの無菌の希釈液、生理食塩水、不揮発油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、またはその他の合成溶媒;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌性物質;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などの緩衝液;および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張度調整用物質を包含するすることができる。親の調剤は、アンプル、使い捨ての注射器、またはガラスもしくはプラスティック製の多種の用量バイアル中に封入することができる。
【0094】
静脈内に投与する場合、好ましいキャリヤーは、生理的食塩水またはリン酸緩衝塩類液(PBS)である。
【0095】
一実施形態において活性な化合物は、移植およびマイクロカプセル送達システムを含む制御された放出用の配合物など、体からの急速な排除に対して化合物を保護することになるキャリヤーと共に調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生物分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。このような配合物の調製方法は、当業者には明らかなはずである。材料はまた、市場でAlza Corporation(CA)およびGuilford Pharmaceuticals(Baltimore,Md)から得ることもできる。リポソームの懸濁液もまた、薬剤として許容されるキャリヤーである可能性がある。これらは当業者には周知の方法、例えば米国特許第4,522,811号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている方法に従って調製することができる。例えばリポソーム配合物は、無機溶媒中に適切な脂質(ステロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイルホスファチジルコリン、およびコレステロールなど)を溶解し、次いで蒸発させて容器の表面に乾燥した脂質の薄いフィルムを残すことにより調製することができる。次いで、活性な化合物またはその一リン酸、二リン酸、および/または三リン酸誘導体の水溶液を容器に導入する。次いで、容器を手で旋回させて容器の側面から脂質材料を解放し、脂質の凝集塊を分散させ、それによりリポソームの懸濁液を形成する。
【0096】
下記の実施例は例示の目的でのみ提供され、どのようなやり方でも本発明を限定することを意図するものではなく、またそのように解釈されるべきでもない。当業者ならば、下記の実施例の日常的な変形形態および修正形態を発明の精神または範囲を逸脱することなく得ることができることを理解するはずである。
【実施例】
【0097】
実施例
実施例1
N−{〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)フェニル〕メチル}−アミノ−N−ヒドロキシアミド(化合物1、図1)の調製
4−(2−ブロモエトキシ)ベンジルアルコール(化合物101)
DMF(10ml)に溶かした4−ヒドロキシベンジルアルコール(2.0g、16.11mモル)の溶液に炭酸カリウム(2.67g、19.32mモル)を加えた。反応物を室温で30分間撹拌し、次いで1,2−ジブロモエタン(3.03g、16.13mモル)を加えた。反応物を室温でさらに20時間撹拌し、次いで水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水とブラインで洗浄し、蒸発させて得られる油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル3:1)により精製して101(1.7g、45.7%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ3.64(t,2H)、4.29(t,2H)、4.62(s,2H)、6.91(d,2H)、7.30(d,2H)。
【0098】
4−{2−〔4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル〕エトキシ}ベンジルアルコール(化合物103)
ジクロロメタン(2.5ml)に溶かした101(205mg、0.89mモル)と〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジン(102)(230mg、0.80mモル)の溶液に、トリエチルアミン(122.0mg、1.21mモル)を加えた。反応物を50℃で20時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残分をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル3:1)により精製して103(330mg、94.1%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.45(m,4H)、2.62(m,4H)、2.81(t,2H)、4.08(t,2H)、4.22(s,1H)、4.51(s,2H)、6.87(d,2H)、7.28(m,6H)、7.39(m,5H)。
【0099】
N−{〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)フェニル〕メチル}フェノキシ−カルボニルアミノフェノキシホルマート(化合物104)
0℃でTHF(8ml)に溶かした103(330mg、0.76mモル)、フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマート(251.6mg、0.92mモル)、およびトリフェニルホスフィン(225.2mg、0.86mモル)の撹拌溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(174.1mg、0.86mモル)を加えた。添加後、反応物を室温まで温め、室温で2時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残分をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル2:1)により精製して104(410mg、78.4%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.47(m,4H)、2.65(m,4H)、2.84(t,2H)、4.12(t,2H)、4.23(s,1H)、4.95(s,2H)、6.92(d,2H)、7.20(m,5H)、7.26(m,6H)、7.40(m,10H)。
【0100】
N−{〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)フェニル〕メチル}−アミノ−N−ヒドロキシアミド(化合物1)
ねじぶた式容器にメタノール(15ml)に溶かした104(410mg、0.59mモル)の溶液を容れ、ドライアイス/アセトン浴中で−78℃まで冷却した。この容器に液体NH3(2〜3ml)を加え、シールした。次いでドライアイス/アセトン浴から取り出し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を再びドライアイス/アセトン浴中で冷却し、圧力を解放した。容器を開き、溶剤を蒸発させた。化合物1をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、CH2Cl2/CH3OH19:1)により分離した(215mg、73.2%)。1HNMR(CDCl3)δ2.42(m,4H)、2.59(m,4H)、2.74(t,2H)、3.98(t,2H)、4.20(s,1H)、4.57(s,2H)、5.22(bs,2H)、6.77(d,2H)、7.25(m,6H)、7.36(m,5H)。
【0101】
実施例2
N−{4−〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)フェニル〕but−3−ynyl}−アミノ−N−ヒドロキシアミド(化合物12、図2)の調製
4−(2−ブロモエトキシ)−1−ヨードベンゼン(化合物105)
DMF(50ml)に溶かした4−ヨードフェノール(10.0g、45.45mモル)の溶液に、炭酸カリウム(12.6g、91.17mモル)を加えた。反応物を室温で30分間撹拌し、次いで1,2−ジブロモメタン(17.07g、90.91mモル)を加えた。反応物を室温でさらに16時間撹拌し、次いで水で急冷し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を水とブラインで洗浄し、蒸発させて得られる油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン)により精製して105(2.7g、18.2%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ3.63(t,2H)、4.26(t,2H)、6.70(d,2H)、7.58(d,2H)。
【0102】
4−〔4−(2−ブロモエトキシ)フェニル〕but−3−yn−1−ol(化合物106)
105(2.7g、8.26mモル)、3−butyn−1−ol(696.3mg、9.94mモル)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.15g、1.64mモル)、およびヨウ化銅(I)(317.1mg、1.67mモル)の混合物にトリエチルアミン(45ml)を加えた。反応物を室温で16時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残分をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル3:1)により精製して106(1.3g、58.6%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.70(m,4H)、3.65(t,2H)、3.82(m,2H)、4.30(t,2H)、6.83(d,2H)、7.37(d,2H)。
【0103】
4−{4−〔2−(4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル)エトキシ〕フェニル}but−3−yn−1−ol(化合物107)
DMF(15ml)に溶かした106(1.5g、5.58mモル)と〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジン(102)(1.6g、5.59mモル)の溶液にトリエチルアミン(871.2mg、8.63mモル)を加えた。反応物を50℃で20時間撹拌し、水を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて得られる油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル1:1)により精製して107(2.6g、98.1%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.42(m,4H)、2.61(m,4H)、2.68(t,2H)、2.82(t,2H)、3.80(t,2H)、4.10(t,2H)、4.21(s,1H)、6.80(d,2H)、7.26(m,5H)、7.35(m,6H)。
【0104】
N−{4−〔4−(2−(4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル)エトキシ)フェニル〕but−3−ynyl}フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマート(化合物108)
0℃でTHF(35ml)に溶かした107(1.5g、3.16mモル)、フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマート(1.05g、3.85mモル)、およびトリフェニルホスフィン(937.1mg、3.57mモル)の撹拌溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(721.4mg、3.57mモル)を加えた。添加後、反応物を室温まで温め、室温で2時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残分をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル2:1)により精製して108(1.4g、60.6%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.44(m,4H)、2.62(m,4H)、2.82(m,2H)、2.91(t,2H)、4.10(m,4H)、4.21(s,1H)、6.80(d,2H)、7.18(m,5H)、7.30(m,8H)、7.37(m,8H)。
【0105】
N−{4−〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)フェニル〕but−3−ynyl}アミノ−N−ヒドロキシアミン(化合物12)
ねじぶた式容器にメタノール(50ml)に溶かした108(1.4g、1.92mモル)の溶液を容れ、ドライアイス/アセトン浴中で−78℃まで冷却した。この容器に液体NH3(6ml)を加え、シールした。次いでドライアイス/アセトン浴から取り出し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を再びドライアイス/アセトン浴中で冷却し、圧力を解放した。容器を開き、溶剤を蒸発させた。化合物12をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、CH2Cl2/CH3OH19:1)により分離した(580mg、56.9%)。1HNMR(CDCl3)δ2.45(m,4H)、2.65(m,4H)、2.72(t,2H)、2.84(t,2H)、3.80(t,2H)、4.10(t,2H)、4.22(s,1H)、5.25(bs,2H)、6.80(d,2H)、7.25(m,5H)、7.36(m,6H)。
【0106】
実施例3
N−{4−〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)フェニル〕ブチル}−アミノ−N−ヒドロキシアミド(化合物17、図3)の調製
4−〔4−(2−ブロモエトキシ)フェニル〕butan−1−ol(化合物109)
メタノール(15ml)に溶かした106(1.3g、4.83mモル)の溶液を、木炭(130mg)上でバルーン圧で7時間、パラジウムの10%以上を水素化した。触媒を濾過して除き、濾液を蒸発させて109(1.31g、99.2%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.65(m,4H)、2.60(t,2H)、3.66(m,4H)、4.28(m,2H)、6.83(d,2H)、7.10(d,2H)。
【0107】
N−{4−〔4−(2−(4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル)エトキシ〕フェニル}butan−1−ol(化合物110)
DMF(12ml)に溶かした109(1.3g、4.76mモル)と〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジン(102)(1.39g、4.86mモル)の溶液に、トリエチルアミン(762.3mg、7.55mモル)を加えた。反応物を50℃で16時間撹拌し、水を加え、反応物をジクロロメタンで抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて得られる油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル1:1)により精製して110(2.42g、104%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.65(m,4H)、2.45(m,4H)、2.62(m,6H)、2.81(t,2H)、3.66(t,2H)、4.08(t,2H)、4.21(s,1H)、6.81(d,2H)、7.08(d,2H)、 7.25(m,4H)、7.36(m,5H)、8.02(bs,1H)。
【0108】
N−{4−〔4−(2−(4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル)エトキシ)フェニル〕butan−1−ol}フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマート(化合物111)
0℃でTHF(35ml)に溶かした110(1.5g、3.14mモル)、フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマート(1.05g、3.85mモル)、およびトリフェニルホスフィン(938.0mg、3.58mモル)の撹拌溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(724.0mg、3.58mモル)を加えた。添加後、反応物を室温まで温め、室温で2時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残分をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル2:1)により精製して111(1.58g、68.7%)を得た。
【0109】
N−{4−〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)フェニル〕ブチル}−アミノ−N−ヒドロキシアミド(化合物17)
ねじぶた式容器にメタノール(50ml)に溶かした111(1.58g、2.16mモル)の溶液を容れ、ドライアイス/アセトン浴中で−78℃まで冷却した。この容器に液体アンモニア(6ml)を加え、シールした。次いでドライアイス/アセトン浴から取り出し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を再びドライアイス/アセトン浴中で冷却し、圧力を解放した。容器を開き、溶剤を蒸発させた。化合物17を、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、CH2Cl2/CH3OH19:1)により分離し、さらに溶媒として酢酸エチル−ヘキサンを用いた再結晶化により精製した(550mg、47.4%)。1HNMR(CDCl3)δ1.60(m,4H)、2.44(m,4H)、2.52(t,2H)、2.67(m,4H)、2.83(t,2H)、3.48(t,2H)、4.08(t,2H)、4.21(s,1H)、6.78(d,2H)、7.04(d,2H)、7.25(m,4H)、7.35(m,5H)。
【0110】
実施例4
メチル−2−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)−5−〔4−(アミノヒドロキシカルボニルアミノ)but−1−ynyl〕ベンゾアート(化合物36、図4)、2−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)−5−〔4−(アミノヒドロキシカルボニルアミノ)but−1−ynyl〕ベンズアミド(化合物35、図4)、および2−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)−5−〔4−(アミノヒドロキシカルボニルアミノ)but−1−ynyl〕安息香酸(化合物37、図5)の調製
4−ヨードフェノール、酢酸メチル(化合物112)
メタノール(100ml)に溶かした5−ヨードサリチル酸(5.0g、18.94mモル)の溶液に数滴の硫酸を添加した。反応物を還流により24時間撹拌した。反応溶媒(メタノール)を蒸発させて体積を小さくし、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機相を10%NaHCO3溶液、水、およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて標題の化合物(3.5g、66.5%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ3.96(s,3H)、6.78(d,1H)、7.70(dd,1H)、8.12(d,1H)。
【0111】
メチル2−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシ−but−1−ynyl)ベンゾアート(化合物113)
112(2.0g、7.19mモル)、3−butyn−1−ol(655.2mg、9.35mモル)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.0g、1.42mモル)、およびヨウ化銅(I)(276.3mg、1.45mモル)の混合物に、トリエチルアミン(40ml)を加えた。反応物を室温で16時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残分をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル2:1)により精製して113(1.6g、101.3%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.68(t,2H)、3.81(m,2H)、3.96(s,3H)、6.92(d,1H)、7.50(dd,1H)、7.93(d,1H)。
【0112】
メチル2−(2−ブロモエトキシ)−5−(4−ヒドロキシ−but−1−ynyl)ベンゾアート(化合物114)
DMF(8ml)に溶かした113(1.6g、7.27mモル)の溶液に、炭酸カリウム(1.51g、10.91mモル)を加えた。反応物を室温で30分間撹拌し、次いで1,2−ジブロモエタン(5.47g、29.09mモル)を加えた。反応物を室温でさらに16時間撹拌し、次いで水で急冷し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を水とブラインで洗浄し、蒸発させて得られる油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル2:1)により精製して114(710mg、29.8%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.70(t,2H)、3.68(t,2H)、3.82(t,2H)、3.90(s,3H)、4.35(t,2H)、6.90(d,1H)、7.50(dd,1H)、7.88(d,1H)。
【0113】
メチル2−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)−5−(4−ヒドロキシ−but−1−ynyl)ベンゾアート(化合物115)
DMF(2ml)に溶かした114(300.0mg、0.92mモル)と〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジン(102)(262.4mg、0.92mモル)の溶液に、トリエチルアミン(139.0mg、1.38mモル)を加えた。反応物を50℃で20時間撹拌し、水を加え、反応物をジクロロメタンで抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて得られる油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル)により精製して115(510mg、102.4%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.44(m,4H)、2.68(m,6H)、2.90(m,2H)、3.81(t,2H)、3.84(s,3H)、4.08(m,2H)、4.21(s,1H)、6.90(d,1H)、7.25(m,4H)、7.38(m,5H)、7.49(dd,1H)、7.85(d,1H)。
【0114】
N−{4−〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)−3−(メトキシカルボニル)フェニル〕but−3−ynyl}フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマート(化合物116)
0℃でTHF(2ml)に溶かした115(320.0mg、0.60mモル)、フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマート(198.4mg、0.73mモル)、およびトリフェニルホスフィン(55.7mg、0.21mモル)の撹拌溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(78.2mg、0.68mモル)を加えた。添加後、反応物を室温まで温め、室温で2時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残分をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル1:1)により精製して116(350mg、73.9%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ2.42(m,4H)、2.65(m,6H)、2.90(m,2H)、3.82(s,3H)、4.15(m,4H)、4.21(s,1H)、6.85(d,1H)、7.25(m,8H)、7.40(m,12H)、7.82(s,1H)。
【0115】
メチル2−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)−5−〔4−(アミノヒドロキシカルボニルアミノ)but−1−ynyl〕ベンゾアート(化合物36)および2−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)−5−〔4−(アミノヒドロキシカルボニルアミノ)but−1−ynyl〕ベンズアミド(化合物35)
ねじぶた式容器にメタノール(20ml)に溶かした116(350mg、0.44mモル)の溶液を容れ、ドライアイス/アセトン浴中で−78℃まで冷却した。この容器に液体アンモニア(3ml)を加え、シールした。次いでドライアイス/アセトン浴から取り出し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を再びドライアイス/アセトン浴中で冷却し、圧力を解放した。容器を開き、溶剤を蒸発させた。化合物36を、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、CH2Cl2/CH3OH19:1)により白色固体として分離した。化合物35と36の混合物をさらにフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、CH2Cl2/CH3OH9:1)により精製して追加の化合物36(合計31mg)と化合物35(化合物36を約5%含む)を得た。化合物35を化合物36から、溶媒として酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶化によりさらに分離した(35mg)。
【0116】
化合物36:1HNMR(CDCl3)δ2.45(m,4H)、2.70(m,6H)、2.90(t,2H)、3.75(t,2H)、3.83(s,3H)、4.18(t,2H)、4.21(s,1H)、5.34(bs,2H)、6.85(d,1H)、7.25(m,4H)、7.37(m,5H)、7.43(dd,1H)、7.80(s,1H)。
【0117】
化合物35:1HNMR(CDCl3)δ2.40(m,4H)、2.54(m,4H)、2.75(t,2H)、2.80(t,2H)、3.80(t,2H)、4.20(m,3H)、5.42(bs,2H)、5.80(bs,1H)、6.87(d,1H)、7.25(m,4H)、7.36(m,5H)、7.45(dd,1H)、8.14(d,1H)、8.75(bs,1H)。
【0118】
2−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}エトキシ)−5−〔4−(アミノヒドロキシカルボニルアミノ)but−1−ynyl〕安息香酸(化合物37)
小型の丸底フラスコに化合物36(30mg、0.05mモル)を入れた。このフラスコに1MKOH/CH3OH(0.30ml、0.30mモル)を加えた。反応物を室温で48時間撹拌し、次いで氷浴中で冷却した。1MHCl/エーテル(0.30ml、0.30mモル)を加え、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、CH2Cl2/CH3OH9:1)により精製して白色固体として37を得た(9mg、31.4%)。1HNMR(CD3OD)δ2.56(m,4H)、2.66(t,2H)、2.96(m,4H)、3.10(t,2H)、3.68(t,2H)、4.32(t,2H)、4.34(s,1H)、6.98(d,1H)、7.20(d,1H)、7.30(m,4H)、7.44(m,6H)。
【0119】
実施例5
アミノN−{4−〔4−(2−{4−(8−クロロ(5,6−ジヒドロベンゾ〔f〕ピリジノ〔2,3−b〕〔7〕アヌレン−11−イリデン))ピペリジル}エトキシ)フェニル}but−3−ynyl}−N−ヒドロキシアミド(化合物32、図7)の調製
4−(2−ブロモエトキシ)−1−ヨードベンゼン
DMF(250ml)に溶かした4−ヨードフェノール(25g、110mモル)およびK2CO3(31g、220mモル)の撹拌溶液に、1,2−ジブロモエタン(5ml、55mモル)を1時間かけて添加した。溶液を50℃に加熱し、Arの下で夜通し撹拌した。反応を完全なものにするために追加の試薬、1,2−ジブロモエタン(20ml、220mモル)およびK2CO3(6g、43mモル)を加え、混合物を50℃でさらに12時間、Arの下で加熱した。水を加え、反応混合物をジクロロメタンで抽出し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で溶剤を蒸発させた。粗混合物を、シリカゲルクロマトグラフィによりヘキサンと混ぜた10%酢酸エチルで溶出して精製し、白色固体として標題の化合物を得た(5.5g、17mモル)。
【0120】
4−〔4−(2−ブロモエトキシ)フェノール〕but−3−yn−1−ol
ジクロロメタン(100ml)に溶かした4−(2−ブロモエトキシ)−1−ヨードベンゼン(5.5g、17mモル)、3−butyn−1−ol(1.9ml、25mモル)、CuI(952mg、5mモル)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(3.5g、5mモル)の混合物に、Et3N(3.5ml、25mモル)を1滴ずつ添加した。反応物を室温で夜通しArの下で撹拌した。減圧下で溶剤を蒸発させ、酢酸エチルを加えて反応混合物を溶解し、セライトにより濾過して大部分のPdを除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィによりヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出して精製した。標題の化合物4gが明るい茶色の固体として得られた。
【0121】
4−〔4−(2−{4−(8−クロロ−5,6−ジヒドロベンゾ〔f〕ピリジノ〔2,3−b〕〔7〕アヌレン−11−イリデン)ピペリジル}エトキシ)but−3−yn−1−ol
8−クロロ−11−(4−ピペリジリデン)−5,6−ジヒドロベンゾ〔a〕ピリジノ〔2,3−d〕〔7〕アヌレン(2.5g、7.75mモル)、および4−〔4−(2−ブロモエトキシ)フェノール〕but−3−yn−1−ol(2.5g、9.2mモル)をジクロロメタンに溶解した。この溶液にEt3N(2.6ml、18.5mモル)を加え、反応物をArの下で還流させて夜通し加熱した。減圧下でジクロロメタンを蒸発させた。ジクロロメタンと混ぜた10%MeOHを用いたクロマトグラフィによる精製後、未反応の出発原料を回収した。標題の化合物を白色固体として得た(1.9g、3.76mモル)。
【0122】
フェニル{N−{4−〔4−(2−{4−(8−クロロ(5,6−ジヒドロベンゾ〔f〕ピリジノ〔2,3−b〕〔7〕アヌレン−11−イリデン))ピペリジル}エトキシ)フェニル〕but−3−ynyl}フェノキシカルボニルアミノオキシ}ホルマート
THF(20ml)に溶かした4−〔4−(2−{4−(8−クロロ−5,6−ジヒドロベンゾ〔f〕ピリジノ〔2,3−b〕〔7〕アヌレン−11−イリデン)ピペリジル}エトキシ)but−3−yn−1−ol(1.9g、3.76mモル)、トリフェニルホスフィン(1.2g、4.7mモル)、およびN,O−ビス−(フェノキシカルボニル)ヒドロキシルアミン(1.3g、4.7mモル)の溶液を、氷浴で0℃に冷却した。撹拌溶液にジイソプロピルアゾジカルボキシラート(950mg、4.7mモル)を1滴ずつ添加した。反応物を室温まで温まるに任せ、1時間撹拌した。反応が完了したら溶剤を真空の下で蒸発させた。生成物を、ジクロロメタンと混ぜた10%MeOHを用いてシリカゲルクロマトグラフィにより精製した。標題の化合物4.5g(わずかに不純物を含む)が得られた。
【0123】
アミノ−N−{4−〔4−(2−{4−(8−クロロ(5,6−ジヒドロベンゾ〔f〕ピリジノ〔2,3−b〕〔7〕アヌレン−11−イリデン))ピペリジル}エトキシ)フェニル〕but−3−ynyl}−N−ヒドロキシアミド
フェニル{N−{4−〔4−(2−{4−(8−クロロ(5,6−ジヒドロベンゾ〔f〕ピリジノ〔2,3−b〕〔7〕アヌレン−11−イリデン))ピペリジル}エトキシ)フェニル〕but−3−ynyl}フェノキシカルボニルアミノオキシ}ホルマート(4.5g)を、NH3で飽和したMeOH(100ml)中に溶解した。系をゴムの隔膜でシールし、混合物を室温で夜通し撹拌した。溶剤を真空の下で蒸発させ、粗化合物をシリカゲルクロマトグラフィによりジクロロメタンに10%混ぜたNH3で飽和したMeOHで溶出して精製し、標題の化合物、すなわち化合物32(800mg)を得た(別法では、反応を圧力管中で行なうことができる)。
【0124】
実施例6
N−{4−〔4−(3−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}プロポキシ)フェニル〕but−3−ynyl}−アミノ−N−ヒドロキシアミドの調製(化合物52)
4−(2−ブロモプロポキシ)−1−ヨードベンゼン
DMF(30ml)に溶かした4−ヨードフェノール(15g、70mモル)およびK2CO3(12.4g、90mモル)の撹拌溶液に、1,2−ジブロモプロパン(7.8ml、90mモル)を1時間かけて添加した。溶液を50℃に加熱し、Arの下で夜通し撹拌した。水(500ml)を加え、反応混合物をジクロロメタンで抽出し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で溶剤を蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィ上でヘキサンと混ぜた10%酢酸エチルで溶出して精製し、白色固体として標題の化合物(10g、29mモル)を得た。
【0125】
4−〔4−(2−ブロモプロポキシ)フェニル〕but−3−yn−ol
ジクロロメタン(40ml)に溶かした4−(2−ブロモプロポキシ)−1−ヨードベンゼン(10g、29mモル)、3−butyn−1−ol(2.6ml、37mモル)、CuI(980mg、5.2mモル)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(3.6g、5.2mモル)の溶液に、Et3N(6.0ml、44mモル)を1滴ずつ添加した。反応物を室温で夜通しArの下で撹拌した。減圧下で溶剤を蒸発させ、酢酸エチルを加えて化合物を溶解し、溶液をセライトにより濾過して大部分のPdを除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィによりヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出して精製した。明るい茶色の固体として標題の化合物2.6gを得た。
【0126】
4−{4−〔3−(4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル)プロポキシ〕フェニル}but−3−yn−1−ol
〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジン(1.6g、5.6mモル)および4−〔4−(2−ブロモプロポキシ)フェニル〕but−3−yn−1−ol(2.0g、7.04mモル)をジクロロメタン(10ml)に溶解した。Et3N(1ml、7.04mモル)を1滴ずつ添加し、溶液をArの下で夜通し還流して加熱した。溶剤を蒸発させ、化合物をシリカゲルクロマトグラフィにより酢酸エチルで溶出して精製した。白色の固体として標題の化合物2.0gを得た。
【0127】
N−{4−〔4−(3−{4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル)プロポキシ)フェニル〕but−3−ynyl}フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマート
THF(20ml)に溶かした4−{4−〔3−(4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル)プロポキシ〕フェニル}but−3−yn−1−ol(1.6g、5.6mモル)、トリフェニルホスフィン(1.3g、5.1mモル)、およびN,O−ビス−(フェノキシカルボニル)ヒドロキシルアミン(1.4g、5.1mモル)の溶液を、氷浴で0℃に冷却した。撹拌溶液にジイソプロピルアゾジカルボキシラート(1.0g、5.1mモル)を1滴ずつ添加した。次いで反応物を室温まで温まるに任せ、1時間撹拌した。反応の完了後、溶剤を真空の下で蒸発させた。化合物の更なる精製は行なわなかった。
【0128】
N−{4−〔4−(2−{4−〔(1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕ピペラジニル}プロポキシ)フェニル〕but−3−ynyl}アミノ−N−ヒドロキシアミド(化合物52)
N−{4−〔4−(3−{4−((1R)(4−クロロフェニル)フェニルメチル)ピペラジニル)プロポキシ)フェニル〕but−3−ynyl}フェノキシカルボニルアミノフェノキシホルマートをMeOHに溶解し、凝縮(ドライアイス/アセトン)したNH320mlを圧力管中で加えた。圧力管を閉じ、室温まで温まるに任せた。夜通し撹拌した後、圧力をゆっくり解放し、キャップを除去して系を大気にさらし、次いで溶剤を真空の下で蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィによりジクロロメタンに10%混ぜたNH3で飽和したMeOHで溶出して精製し、標題の化合物、すなわち化合物52(1.05g)を得た。
【0129】
実施例7
アミノ−N−{4−〔4−(4−{4−〔ビス(4−フルオロフェニル)メチル〕ピペラジニル}ブトキシ)フェニル〕but−3−ynyl}−N−ヒドロキシアミドの調製(化合物80、図6)
1−(4−ブロモブトキシ)−4−ヨードベンゼン(117)
DMF(400ml)に溶かした4−ヨードフェノール(100g、0.5mモル)およびK2CO3(70g、0.5mモル)の撹拌溶液に、1,4−ジブロモブタン(100ml、0.84mモル)を1時間かけて添加した。溶液を室温のArの下で夜通し撹拌した。H2O(1000ml)を加え、反応混合物をCH2Cl2で抽出した。次いで有機相をブライン1000mlで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濃縮して白色の固体(100g)を得た。1HNMR(CD3Cl)δ2.15〜1.87(m,6H)、3.50〜3.20(m,4H)、3.94(t,2H)、6.85(d,2H)、7.55(d,2H)。
【0130】
4−〔4−(4−ブロモブトキシ)フェノール〕but−3−yn−1−ol(118
ジクロロメタン(400ml)に溶かした117(100g、0.3mモル)、3−butyn−1−ol(45ml、0.6mモル)、CuI(800mg、4.2mモル)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.9g、4.2mモル)の溶液を0℃(氷浴)に冷却した。低温を保ちながらEt3N(84ml、0.6mモル)を1滴ずつ添加した。次いで混合物を室温で温め、Arの下で夜通し撹拌した。真空の下でジクロロメタンを除去した。得られた半固体を最少量のCH2Cl2に溶解し、疎孔シリカゲルを通過させてヘキサンと混ぜた10%EtOAc、続いてEtOAc50%:ヘキサン50%により溶出して黄褐色の固体75gを得た。1HNMR(CD3Cl)δ2.10〜1.80(m,4H)、2.66(t,2H)、3.25(t,1H)、3.50(t,2H)、3.80(t,2H)、3.94(t,2H)、6.85(d,2H)、7.55(d,2H)。
【0131】
化合物119
4−ビス(4−フルオロフェニルメチル)ピペラジン(58g、0.2モル)および118(74g、0.25モル)をCH2Cl2(500ml)に溶解した。この溶液にEt3N(43ml、0.31モル)を加えた。この混合物をArの下で室温で48時間撹拌した。真空の下で溶剤を蒸発させた後、得られた半固体を最少量のCH2Cl2に溶解し、疎孔シリカゲルを通過させてEtOAc50%:ヘキサン50%、続いてEtOAcにより溶出し、所望の化合物を取り出した。溶液を濃縮して純度90%のオフホワイトの泡沫(70g)を得た。1HNMR(CD3Cl)δ1.78〜1.75(m,6H)、2.72〜2.45(m,12H)、3.78(t,2H)、3.94(t,2H)、4.23(s,1H)、6.76(d,2H)、6.97(t,4H)、7.37〜7.25(m,6H)。
【0132】
化合物80
THF(500ml)に溶かした119(70g、0.14モル)、トリフェニルホスフィン(45g、0.17モル)、およびN,O−ビス−(フェノキシカルボニル)ヒドロキシルアミン(46g、0.17モル)の溶液を、氷浴で0℃に冷却した。撹拌溶液にジイソプロピルアゾジカルボキシラート(34ml、0.17モル)を1滴ずつ添加した。氷浴を取り除き、反応物を室温まで温まるに任せ、1時間撹拌した。反応が完了したことをTLCにより確認した。溶剤を真空の下で除去し、粗材料を700mlのアンモニアで飽和させたMeOHに溶解した。混合物を、ゴムの隔膜でシールした丸底フラスコの中で夜通し撹拌した。反応物を酸/塩基抽出により後処理し、濃縮し、疎孔シリカゲル(45g)を通過させてジクロロメタンと混ぜた10%MeOHで溶出した。生成物を還流EtOAc500mlにより再結晶させ、室温で夜通し冷却して純粋な化合物20gを得た。1HNMR(CD3Cl)δ1.78〜1.75(m,6H)、2.57〜2.45(m,10H)、2.72(t,2H)、3.78(t,2H)、3.94(t,2H)、4.23(s,1H)、5.34(sbr,2H)、6.76(d,2H)、6.97(t,4H)、7.37〜7.25(m,6H)。
【0133】
下記の表IIに、特に好ましい化合物のNMRデータの例を提供する。
【0134】
【表17】


【0135】
実施例8
CHO−KI H1R結合測定の実験計画
この検定は通常、化合物がヒスタミンH1レセプター結合リガンドとして作用する能力を測定するために用いられる。この検定はヒトのクローン化されたH1レセプターを使用するので、ある化合物をヒトに投与したとき予想されることの良い近似値を提供することができる。
【0136】
検定手順の詳細は下記のとおりである。ヒトのクローン化されたH1レセプターを発現するCHO−KI細胞を組織培養皿中で密集成長させる。細胞をD−PBS緩衝液(JRH Biosciences社)を用いて収集し、4℃に保ち、遠心分離して細胞をペレット化した(4℃、500g、10分間)。最終の細胞ペレットを均一化し、トリス/ショ糖緩衝液(トリス20mM、ショ糖250mM、4℃のpH7.4)を用いて再度懸濁した。膜調製物の分割量を−70℃で保管する。
【0137】
検定の当日、膜調製物を解凍し、遠心分離する(ローターTLA100.3、4℃、15分間、23,000rpm)。ペレットを、最初にトリス/ショ糖緩衝液中に再度懸濁し、次いで必要に応じてさらに検定緩衝液A(Na/KPO450mM、MgCl22mM、BSA0.5%(w/v)、pH7.5)を用いて希釈する。
【0138】
結合測定のために、最終的にDMSO1%(v/v)を含む緩衝液Aに溶かした膜調製物、試験化合物、および3H−ピリラミン(最終的に2nM)を、96ウェルのポリプロピレン製プレート中で37℃で3時間インキュベートする。非特異的な結合を10μMピリラミンの存在下で決定する。96ウェルのハーベスター(Packard社)を用いて、0.1%(v/v)REIで前処理したGF/Bフィルタープレート上で96ウェルのプレートを回収する。プレートは、Microscint20(Packard社)シンチレーション液を加えた後、Packard Topcounter中でカウントする。次いで、ヒスタミンH1レセプターの各化合物に対するKiをこれらの計数から計算する。結果を後掲の表1に表示する。
【0139】
実施例9
ヒトの全血液中におけるLTB4産生の抑制
この検定は、化合物がカルシウムイオン透過担体で刺激されたヒトの血液からのロイコトリエンB4の産生を抑制する能力を試験するものである。このロイコトリエンB4の産生は5−リポキシゲナーゼ酵素の活性化が媒介するので、この検定により化合物がヒトの5−リポキシゲナーゼ酵素を抑制する能力を予測する。
【0140】
検定の手順は下記のとおりである。血液を正常なヒトのボランティアから採り、ヘパリンを含む管に入れる。ヘパリン添加された血液1mlを、ピペットで1.5mlのポリプロピレン製の管に分注する。この試料に、DMSO中に溶解したいろいろな濃度の試験化合物(5μl)またはビヒクル対照用としてのDSMO5μlのいずれかを加える。これらの試料を37℃の水浴中で15分間インキュベートする。次いで、5μlのカルシウムイオン透過担体A23187(最終濃度50μM)を各試料に加え、渦巻き運動による撹拌を行ない、30分間水浴の中に戻す。次いで試料を4℃、2500rpmで10分間遠心分離を行なう。上澄み50μlを、酵素イムノアッセイ(EIA)緩衝液950μlを入れた予め冷却したエッペンドルフ管に移す。引き続き、市販のEIAキット(Cayman Chemical Co.,Ann Arbor,MI,USA)を使用して試料中のLTB4の産生を測定する。次いでビヒクル対照用の試料中に産生したLTB4レベルを、試験化合物を加えたものと比較した。これから各濃度の試験化合物によるLTB4産生の抑制パーセントを計算し、各試験化合物のLTB4産生の抑制に対するIC50を決定する。
【0141】
結果を後掲の表1に表示する。
【0142】
【表18】


【0143】
実施例10
生体内の抗ヒスタミン作用活性
Charles River Labs社から体重350〜400グラムの雄のHartleyモルモットを入手した。ヒスタミン活性の抑制をKonzettおよびRosslerの方法(Naonyn−Schmiedebergs Arch.Exp.Path.Pharmakol.195,71〜74(1940))により測定した。麻酔を施したモルモットに人工呼吸を受けさせた。気管の内圧が記録された。ヒスタミンの連続的な静脈内注射により気管支狭窄を誘発させた。試験化合物を、ヒスタミン投与に先だって予め決められた時点で1%メトセルロース懸濁液として経口投与した。
【0144】
結果(表2)は、経口による投薬後の複数時点における選択された化合物によるヒスタミン誘発性気管支狭窄の抑制パーセントを示す。50%以上の抑制が有意と考えられる。
【0145】
【表19】


【0146】
この表から本発明の化合物は、ヒスタミン誘発性気管支狭窄を抑制する能力に関してすぐれた活性を有することが分かる。さらに、1回の服用により投与された化合物の幾つかは長期間の抗ヒスタミン作用活性を有する。例えば27は2mg/kgの用量で、経口による投薬後6時間でも未だヒスタミン誘発性気管支狭窄を91%抑制した。
【0147】
これらの実験もまた、試験された化合物が経口投与により生体内利用可能であることを示している。
【0148】
実施例11
生体内の5−リポキシゲナーゼ活性
Charles River Labs社から体重350〜400グラムの雄のHartleyモルモットを入手した。化合物は、経口投薬用にメトセルロース中の体積1%(1〜2mg/ml)で調製した。動物を5つのグループに分けた。各検定にはビヒクルを投与した対照グループが含まれている。動物の各グループは、ビヒクルまたは化合物のいずれかを経口摂取により投薬された。動物は投薬後、1、3、または6時間休ませた。対照用の動物は3時間休ませた。適切な時間に、動物にウレタン1.5g/kg、ipを用いて麻酔をかけた。血液は心臓穿刺によりヘパリン添加されたシリンジに引き込んだ。
【0149】
血液(0.5ml)を別々にラベルした1.5mlのエッペンドルフ管に等分した。各試料に15mMアラキドン酸5μlを負荷し、37℃の水浴の中に5分間置いた。5分後、血液を5mMのA23187(カルシウムイオン透過担体)5μlで刺激し、さらに30分間水浴の中に保持した。30分後、血液試料を水浴から取り出し、14,000rpmで2分間遠心分離した。血漿をEIA緩衝液まで希釈し、EIAを製造業者の手引書(Cayman Chemical Co.,Ann Arbor,MI,USA)に従って行なった。
【0150】
結果(表3)は、経口投薬後の複数時点における選択された化合物の5−リポキシゲナーゼの抑制パーセントを示す。50%以上の抑制が有意と考えられる。
【0151】
【表20】


【0152】
この表から本発明の化合物は、5−リポキシゲナーゼ酵素を抑制する能力に関してすぐれた活性を有することが分かる。さらに、1回の服用で投与された化合物の幾つかは長期間の5−リポキシゲナーゼ阻害活性を有する。例えば87は2mg/kgの用量で、経口投薬後6時間でも未だ5−リポキシゲナーゼ活性を94%抑制した。
【0153】
これらの実験もまた、試験された化合物が経口投与により生体内利用可能であることを示している。
【0154】
実施例12
15−リポキシゲナーゼの抑制
この検定は、化合物がアラキドン酸に対する15−リポキシゲナーゼの作用を介して15−ヒドロキシ−5,8,11,13−エイコサテトラエン酸(15−HETE)の産生を抑制する能力を試験するものである。15−リポキシゲナーゼをウサギの腹膜の多形核白血球から精製した。酵素は、アラキドン酸を15−ヒドロペルオキシ−5,8,11,13−エイコサテトラエン酸(15−HPETE)へ転換(アラキドン酸の15番炭素の酸素化)する役割を担っており、次いでそれは15−ヒドロキシ−5,8,11,13−エイコサテトラエン酸(15−HETE)に還元される。検定の手順は下記のとおりである。アラキドン酸を15−HETEとともに37℃で5分間、いろいろな濃度の試験化合物(10-8から10-5M)の存在または不在下で共インキュベートする。次いで各試料中の15−HETEの産生を放射線免疫検定により測定する。次いでビヒクル対照用試料中に産生された15−HETEのレベルを、試験化合物を加えたものと比較する。これから各濃度の試験化合物による15−HETE産生の抑制パーセントを計算する。IC50(nM)は、化合物1、32、35、52、および80に対して、それぞれ1300、170、46、61、および110であった。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】化合物1の合成を表示する図である。
【図2】化合物12の合成を表示する図である。
【図3】化合物17の合成を表示する図である。
【図4】化合物35および36の合成を表示する図である。
【図5】化合物37の合成を表示する図である。
【図6】化合物80の合成を表示する図である。
【図7】化合物32の合成を表示する図である。
【図8】化合物46の合成を表示する図である。
【図9】化合物27の合成を表示する図である。
【出願人】 【識別番号】598109246
【氏名又は名称】ユセベ,ソシエテ アノニム
【出願日】 平成16年7月12日(2004.7.12)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広

【識別番号】100082898
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 雅也

【識別番号】100081330
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 外治

【公開番号】 特開2005−2118(P2005−2118A)
【公開日】 平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願番号】 特願2004−204939(P2004−204939)