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【発明の名称】 カルボジイミド化合物、ウレトジオン化合物、架橋剤、架橋重合体、ゲル状組成物、イオン伝導性組成物、電気化学素子、および表面修飾基材
【発明者】 【氏名】相澤 和佳奈
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【氏名】高田 昌和
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【氏名】三浦 偉俊
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【氏名】兵頭 建二
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【氏名】池上 幸史郎
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【氏名】藤田 玲
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【要約】 【課題】樹脂の劣化を抑制することが可能な官能基を有し、かつ重合速度が高い架橋剤を提供することを課題とする。また、該架橋剤を用いて安定性の高い架橋重合体、ゲル状組成物、表面修飾基材、イオン伝導性組成物、該イオン伝導性組成物を用いてなる電気化学素子を提供することを課題とする。

【解決手段】カルボジイミド基および/またはウレトジオン基と、重合性不飽和炭化水素基とが同一分子内に共存している化合物と、該化合物を含有してなる架橋剤によって、劣化しにくい架橋重合体、表面修飾基材を得ることができる。この架橋重合体を用いることで、安定なゲル状組成物、イオン伝導性組成物、電気化学素子を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[I]で示されるカルボジイミド化合物。
【化1】


〔一般式[I]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、lは2〜6の整数を表す。〕
【請求項2】
下記一般式[II]で示されるウレトジオン化合物。
【化2】


〔一般式[II]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、mは2〜6の整数を表す。〕
【請求項3】
下記一般式[III]で示される化合物。
【化3】


〔一般式[III]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、nは2〜6の整数を表し、rは0〜5の整数を表し、Qは二価の連結基を表す。〕
【請求項4】
下記一般式[IV]で示される化合物。
【化4】


〔一般式[IV]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、pは2〜6の整数を表す。〕
【請求項5】
一般式[VI]で示されるイソシアネート化合物を、ニトロフェノールと触媒の共存下で、カルボジイミド化またはウレトジオン化反応を行い、次いで塩基性水溶液でニトロフェノールを洗浄除去することによって製造されたことを特徴とする請求項1または2記載の化合物。
【化5】


〔一般式[VI]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、qは2〜6の整数を表す。〕
【請求項6】
一般式[I]〜[IV]で示される化合物から選ばれる少なくともひとつの化合物を含有してなる架橋剤。
【請求項7】
一般式[I]で示される化合物の含有量が1〜100mol%であることを特徴とする請求項6記載の架橋剤。
【請求項8】
一般式[II]で示される化合物の含有量が1〜100mol%であることを特徴とする請求項6記載の架橋剤。
【請求項9】
さらに、一般式[V]で示される化合物を含有してなる請求項6〜8のいずれか記載の架橋剤。
【化6】


〔一般式[V]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表す。〕
【請求項10】
重合成分の一成分として、請求項6〜9のいずれか記載の架橋剤を重合してなる架橋重合体。
【請求項11】
イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を重合してなる重合体の該イソシアネート基をカルボジイミド化および/またはウレトジオン化させてなる架橋重合体。
【請求項12】
イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を重合してなる重合体の該イソシアネート基と、分子中に2以上のイソシアネート基を含有する化合物のイソシアネート基とを、カルボジイミド化および/またはウレトジオン化させてなる架橋重合体。
【請求項13】
イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を含有する化合物が、一般式[VI]で示される化合物であることを特徴とする請求項11または12記載の架橋重合体。
【化7】


〔一般式[VI]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、qは2〜6の整数を表す。〕
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか記載の架橋重合体を含有してなるゲル状組成物。
【請求項15】
請求項10〜13のいずれか記載の架橋重合体を含有してなるイオン伝導性組成物。
【請求項16】
電気絶縁性多孔質薄膜とイオン伝導性組成物が一体化されていることを特徴とする請求項15記載のイオン伝導性組成物。
【請求項17】
請求項15または請求項16記載のイオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子。
【請求項18】
少なくともひとつの重合成分として、請求項6〜9のいずれか記載の架橋剤を重合してなる架橋重合体で表面が被覆されていることを特徴とする表面修飾基材。
【請求項19】
一般式[I]〜[IV]で示される化合物の1種以上がグラフト重合されていることを特徴とする表面修飾基材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不飽和二重結合を分子内に有する、新規なカルボジイミド化合物あるいはウレトジオン化合物と、これら化合物から派生した化合物と、該化合物からなる架橋剤、該架橋剤を用いてなる架橋重合体、ゲル状組成物、イオン伝導性組成物、および該イオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等のように、エステル結合を有する樹脂は、塗料、化粧板、工業機材、住宅基材、電子材料等の分野において広汎に使用されている樹脂である。しかし、これらの樹脂は、分子内に多くのエステル結合を持っているため、高温や多湿等の過酷な条件下で、長期にわたって使用した場合、水によるエステル結合の加水分解反応のために分子量が低下する。また、加水分解で生じたカルボキシル基がさらに加水分解反応を促進するため、樹脂強度の低下やクラックの発生等の耐久性の問題を有している。
【0003】
また、近年、二次電池、キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学素子においては、高性能化、高容量化が急速に進行している。電気化学素子は、水系電解液を用いた素子と、非水系電解液を用いた素子に大別される。内部に水分が混入すると、非水系電解液を用いた素子の性能は低下するという問題がある(例えば、特許文献1)。
【0004】
電気化学素子においては、安全性を高めるために、電解液を固体化した、全固体電解質やゲル状電解質等の高分子電解質が提案されている。高分子電解質としては、ポリアルキレンオキサイド基を構造単位に持つ重合体が知られている。しかし、これらポリアルキレンオキサイド基を有する重合体をベースとする電解質は、水分と電解質塩との反応により発生する酸によって、分解されて劣化するという問題がある。
(例えば、非特許文献1、特許文献2〜3参照)
【0005】
このように、電気化学素子の性能が水によって低下したり、樹脂が水や酸によって分解されたりする問題を抑制するために、例えば、骨格の中心に6員環を有する架橋剤を使用して、樹脂の初期機械的強度を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献4)。このような架橋剤は、エステル結合、アルキレンオキサイド基を有するために、結局のところ、樹脂が分解してしまう。また、6員環を有する化合物は粘度が高いために、取り扱い難いという問題もある。
【0006】
電気化学素子の性能低下抑制、樹脂の分解抑制のために、他の方法として、カルボジイミド化合物が用いられている(例えば、特許文献5)。カルボジイミド化合物は、脱水能を有すると共に、樹脂が分解して発生した活性水素基と反応して、樹脂を再生することによって、樹脂の劣化を抑制する機能を有する。
【0007】
しかし、低分子カルボジイミド化合物は、樹脂から遊離する、電気化学素子中では電気化学反応に悪影響を及ぼすといった問題がある。
【0008】
そこで、カルボジイミド基を樹脂中に固定するために、分子内にカルボジイミド基を有する架橋剤が開発されている。例えば、多官能イソシアネート化合物を高分子量のポリカルボジイミド化合物に一旦変換し、次いでポリカルボジイミド化合物の末端に残留したイソシアネート基に重合性不飽和炭化水素基を有する基を付加する方法(特許文献6〜8)、重合性不飽和炭化水素基を有する一官能イソシアネート化合物を2分子間でカルボジイミド化させて架橋剤に変換する方法(特許文献9)などが挙げられる。しかし、前者の方法では反応が不均一で架橋剤の分子量制御が困難であり、後者の方法では重合速度の高いアクリル系の架橋剤を合成できない等の技術的な課題があった。
【0009】
【非特許文献1】
Advanced Materials,10,439(1998)
【特許文献1】
特開2002−280062号公報(第2頁)
【特許文献2】
WO96/08051号公報(第2〜9頁)
【特許文献3】
特公平5−74195号公報(第2頁)
【特許文献4】
特許3328262号公報(第1〜3頁)
【特許文献5】
特許3348343号公報(第1〜2頁)
【特許文献6】
特開平9−309871号公報(第2頁)
【特許文献7】
特開2000−128928号公報(第2頁)
【特許文献8】
特開平9−136869号公報(第2頁)
【特許文献9】
特開平9−124582号公報(第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、樹脂の劣化を抑制し、機械的強度を保持することが可能な機能を有する官能基を有し、かつ重合速度が高い架橋剤を提供することにある。また、該架橋剤を用いて得られる安定性の高い架橋重合体、該架橋重合体を用いてなるゲル状組成物、イオン伝導性組成物、該イオン伝導性組成物を用いてなる電気化学素子、および表面修飾基材を提供することも課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記を発明するに至った。
(1)下記一般式[I]で示されるカルボジイミド化合物。
【0012】
【化8】


【0013】
〔一般式[I]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、lは2〜6の整数を表す。〕
(2)下記一般式[II]で示されるウレトジオン化合物。
【0014】
【化9】


【0015】
〔一般式[II]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、mは2〜6の整数を表す。〕
(3)下記一般式[III]で示される化合物。
【0016】
【化10】


【0017】
〔一般式[III]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、nは2〜6の整数を表し、rは0〜5の整数を表し、Qは二価の連結基を表す。〕
(4)下記一般式[IV]で示される化合物。
【0018】
【化11】


【0019】
〔一般式[IV]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、pは2〜6の整数を表す。〕
【0020】
(5)一般式[VI]で示されるイソシアネート化合物を、ニトロフェノールとカルボジイミド化触媒の共存下で、カルボジイミド化またはウレトジオン化反応を行い、次いで塩基性水溶液でニトロフェノールを洗浄除去することによって製造されたことを特徴とする上記(1)または(2)記載の化合物。
【0021】
【化12】


【0022】
〔一般式[VI]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表し、qは2〜6の整数を表す。〕
【0023】
(6)一般式[I]〜[IV]で示される化合物から選ばれる化合物を少なくともひとつ含有してなる架橋剤。
(7)一般式[I]で示される化合物の含有量が1〜100mol%であることを特徴とする上記(6)記載の架橋剤。
(8)一般式[II]で示される化合物の含有量が1〜100mol%であることを特徴とする上記(6)記載の架橋剤。
(9)さらに、一般式[V]で示される化合物を含有してなる上記(6)〜(8)のいずれか記載の架橋剤。
【0024】
【化13】


【0025】
〔一般式[V]において、Rは、水素原子あるいはアルキル基を表す。〕
【0026】
(10)重合成分の一成分として、上記(6)〜(9)のいずれか記載の架橋剤を少なくともひとつの重合成分として、重合してなる架橋重合体。
【0027】
(11)イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を重合してなる重合体の該イソシアネート基をカルボジイミド化および/またはウレトジオン化させてなる架橋重合体。
(12)イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を重合してなる重合体の該イソシアネート基と、分子中に2以上のイソシアネート基を含有する化合物のイソシアネート基とを、カルボジイミド化および/またはウレトジオン化させてなる架橋重合体。
(13)イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を含有する化合物が、一般式[VI]で示される化合物であることを特徴とする上記(11)または(12)記載の架橋重合体。
【0028】
(14)上記(10)〜(13)のいずれか記載の架橋重合体を含有してなるゲル状組成物。
【0029】
(15)上記(10)〜(13)のいずれか記載の架橋重合体を含有してなるイオン伝導性組成物。
(16)電気絶縁性多孔質薄膜とイオン伝導性組成物が一体化されていることを特徴とする上記(15)記載のイオン伝導性組成物。
(17)上記(15)または(16)記載のイオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子。
【0030】
(18)少なくともひとつの重合成分として、上記(6)〜(9)のいずれか記載の架橋剤を重合してなる架橋重合体で表面が被覆されていることを特徴とする表面修飾基材。
(19)一般式[I]〜[IV]で示される化合物の1種以上がグラフト重合されていることを特徴とする表面修飾基材。
【0031】
本発明において、重合性不飽和炭化水素基を置換基として有するイソシアネート化合物を特定の触媒の共存下で反応させることにより、一般式[I]、[II]、[III]、[IV]で示される化合物を容易に合成できる。これらの化合物は、高い反応性を有する重合性不飽和炭化水素基を有しているので、架橋重合体を容易に製造することができる。
【0032】
カルボジイミド基は脱水剤として作用することが知られており、樹脂中のエステル基を加水分解する水分を補足して樹脂の劣化を抑制する。また、エステル基等の加水分解で生じるカルボキシル基に代表される活性水素基に対して高い反応性を有し、これを捕捉することにより加水分解反応の加速を効果的に防止できる。
【0033】
ウレトジオン基は、イソシアネート基が二量化した官能基であり、熱刺激等によってイソシアネート基に分解する。イソシアネート基も、水、水酸基、カルボキシル基等と反応して、これらをトラップすることができるので、樹脂の加水分解劣化を防止できる。しかし、イソシアネート基自身の反応性が高いため、通常、イソシアネートの反応活性を保持したままで、架橋剤分子中に組み入れることは、低露点環境やイソシアネート基との不活性な化合物のみが存在する環境に限定されてしまう。本発明では、重合性不飽和炭化水素基を有するイソシアネート化合物の該イソシアネート基を、カルボジイミド化および/またはウレトジオン化する反応条件を見出し、新規架橋剤を提供するに至った。
【0034】
また、カルボジイミド基はカルボキシル基と化学反応を起こし、安定な結合が生じることが知られている。そこで、重合性官能基を有するカルボジイミド化合物を一旦合成し、次いでこの化合物と重合性官能基を有するカルボン酸とを反応させることにより、より多官能の架橋剤を合成することができる。
【0035】
さらに、特定の条件下で重合性不飽和炭化水素基を有するイソシアネート化合物を反応させることにより、ウレトジオン体に水付加物である架橋剤を合成するに至った。
【0036】
これら一般式[I]〜[IV]で示される化合物を単独でもしくは二種類以上含有してなる架橋剤は、カルボジイミド基、ウレトジオン基、水酸基等の反応性基を有しているので、該架橋剤を重合してなる本発明の架橋重合体は、樹脂の劣化が抑制されていることを見出した。そのため、本発明の架橋重合体は、塗料、化粧板、工業機材、住宅基材、電子材料等の分野で、有用に使用できることを見出した。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態に関して詳しく説明する。
【0038】
本発明において、架橋剤を合成する際の触媒としては、有機リン化合物やフェノール化合物を使用することが好ましい。
【0039】
有機リン化合物の具体例としては、以下のような物が挙げられる。例えば、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド、1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド及びこれらの二重結合異性体等のフォスフォレンオキシド類を挙げることができる。
【0040】
フェノール化合物としては、p−ニトロフェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール等の比較的低pHの水酸基を有するフェノール化合物が好ましい。
【0041】
ウレトジオン化(二量化)の触媒としては、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等の3級の有機ホスフィン、トリスジメチルアミノホスフィン、トリスジエチルアミノホスフィン、トリスジプロピルアミノホスフィン、トリスジブチルアミノホスフィン等の過アルキル化アミノホスフィン、置換ピリジン、置換イミダゾール、五フッ化アンチモン、三フッ化硼素等を使用することもできる。
【0042】
上記触媒によって、カルボジイミド化反応および/またはウレトジオン化反応(二量化反応)、また反応条件によっては、三量化反応が進行し、架橋剤が形成される。触媒は、原料のイソシアネート化合物に対して0.01〜10質量%添加することが好ましい。中でも、0.1〜1質量%が特に好ましい。使用量が少なすぎる場合は、架橋剤形成反応の速度が遅くなって収率が低下する。一方、使用量が多すぎる場合は、生成物中に残留する触媒の量が無視できなくなり、架橋剤を重合して得られる架橋重合体の樹脂物性に悪影響を与える。
【0043】
本発明において、カルボジイミド化反応および/またはウレトジオン化反応に使用する溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等、活性水素原子を含有しない種々の有機溶媒を使用することができる。その中でも、炭酸エステル類は比較的高い誘電率を有する有機溶剤であり、反応を迅速に進める点で特に優れている。
【0044】
反応温度については、40℃〜200℃で実施できるが、その中でも60℃〜130℃の範囲が好ましい。反応温度が低い場合は、反応速度が低く、反応に長時間が必要となるため、合成面から実用的でない。反応温度が高すぎると、分子内の重合性不飽和炭化水素基の熱重合が起こるため、架橋剤が熱変性する。
【0045】
本発明において、カルボジイミド化反応および/またはウレトジオン化反応は、重合性不飽和炭化水素基の熱重合抑制剤を共存させて行っても良い。この熱重合抑制剤としては、例えば、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフェノール等のフェノール系化合物、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート等のチオエーテル系、p−フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−i−プロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、4,4′−ジクミル−ジフェニルアミン、4,4′−ジオクチル−ジフェニルアミン等のアミン系化合物、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルナフチルアミン、N−ニトロソジナフチルアミン、p−ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、α−ニトロソ−β−ナフトール等のニトロソ化合物、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸銅、亜硝酸鉄、亜硝酸トリメチルアンモニウム、亜硝酸n−ヘキシル、亜硝酸1−オクチル等の亜硝酸塩およびエステル、ピペリジン−1−オキシル、ピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のニトロキシド、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、酢酸銅、サリチル酸銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、塩化銅等の銅塩、酢酸クロム、酸化クロム等のクロム化合物、チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、1,3−ジエチルチオ尿素、1,3−ジ−i−プロピルチオ尿素、1,3−ジブチルチオ尿素、ジメチロールチオ尿素等のチオ尿素化合物、沃素、沃化リチウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム、沃化セシウム、沃化カルシウム、沃化チタン等の沃化物、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム等の臭化物等が例示できる。これらの重合禁止剤は単独であるいは同時に二種類以上で用いられる。使用量は、イソシアネート化合物に対して0.01〜20質量%が好ましい。
【0046】
本発明においては、上記熱重合防止剤として、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフェノールを好適に用いることができる。これらのニトロフェノール化合物は、反応終了後、塩基性水溶液で洗浄することによって、容易に抽出除去することができる。
【0047】
カルボジイミド基やウレトジオン基を含有する化合物は、水、アルコール、酢酸等の活性水素原子を有する溶剤との反応性が高いため、一般にクロマトグラフィー等の精製が困難である。また、重合性不飽和炭化水素基が同一分子内に存在する場合は、熱重合が進行し易いために、蒸留精製も困難である。本発明の架橋剤は、一般式[I]〜[IV]で示される化合物を少なくともひとつ含有してなるが、反応条件を最適化することによって、一般式[I]〜[IV]で示される化合物を単独で得ることができる。また二種類以上の化合物が存在する場合には、その含有比を一定に調製することも可能である。
【0048】
本発明の架橋剤において、本発明の架橋剤を一重合成分として重合してなる架橋重合体の劣化を抑制するためには、一般式[I]で示される化合物および/または一般式[II]で示される化合物を必須成分として含有することが好ましい。本発明の架橋剤において、一般式[I]で示される化合物の含有量は、1〜100mol%、もしくは一般式[II]で示される化合物の含有量が1〜100mol%である架橋剤が好ましい。
【0049】
本発明の架橋剤は、一般式[I]〜[IV]で示される化合物から選ばれる化合物の他に、一般式[VI]で示される化合物を含有しても良い。一般式[VI]で示される化合物は骨格の中心に6員環有するので、樹脂の初期機械的強度を向上させることが可能である。しかし、含有量が多くなると、架橋剤の粘性が高くなり、取り扱い性が低下するので、その含有量は、1〜30mol%であることが好ましい。一般式[VI]で示される化合物は、一般式[I]および/または[II]を合成する際の反応条件を変えることで合成することができる。また、市販品(例えば、商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製)を添加しても良い。
【0050】
本発明の架橋重合体(10)は、本発明の架橋剤を重合成分として含有しているが、下記の分子内に1つの重合性不飽和炭化水素基を含有する化合物を共重合させて、所望の機械的強度、透明性、帯電性、イオン伝導性等を持たせることができる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等のエーテル結合を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド基を有する不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール、メタクリロイルイソシアネート化合物、アクリロイルイソシアネート化合物、スチリルイソシアネート系化合物、イソプロペニルベンジルイソシアネート化合物等の含窒素不飽和単量体;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル等の芳香族不飽和単量体;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンキサイド基を含有する不飽和単量体等と共重合することができる。
【0051】
また、分子内に2以上の重合性不飽和炭化水素基を有する化合物である、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ポリエーテルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー等を共重合させることもできる。
【0052】
本発明の架橋重合体において、本発明の架橋剤の含有量は、1〜100質量%、好ましくは5〜95質量%、さらに好ましくは10〜80質量%である。本発明の架橋剤の含有量が、1質量%未満となると、架橋剤による樹脂劣化抑制能が不足してしまう。
【0053】
本発明の架橋重合体(10)において、その重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が用いられ、場合によっては触媒を使用しても良い。このうち、ラジカル重合が最も容易な方法である。触媒としては、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル等の過酸化物や、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)等のアゾ化合物等に代表される熱分解型重合開始剤や、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル等の増感剤を用いることができる。増感剤は、紫外線等の活性線を照射することで、ラジカルを発生することができる。
【0054】
カルボジイミド基および/またはウレトジオン基を有する本発明の架橋重合体は、一般式[I]および/または一般式[II]で示される化合物を重合成分として重合することによって得られるが、他の方法として、本発明の架橋重合体(11)のように、イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を予め重合し、次いでカルボジイミド化および/またはウレトジオン化を行う方法によっても得ることができる。また、本発明の架橋重合体(12)のように、カルボジイミド化および/ウレトジオン化を、分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物の存在下で行うことによって、架橋構造体の構造や物性を調整することが可能となる。
【0055】
イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を予め重合する方法としては、本発明の架橋重合体(10)と同様に、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の方法を用いることができる。また、この際、本発明の架橋重合体(10)で示した分子内に1以上の重合性不飽和基を有する化合物と共重合させることも可能である。
【0056】
上記分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン―1,3―ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水添加キシリレンジイソシアネート、水添加トリレンジイソシアネート、水添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0057】
本発明の架橋重合体(11)〜(12)において、カルボジイミド化および/ウレトジオン化反応は、一般式[I]や一般式[II]で示される化合物を合成する際に使用した触媒、反応条件を使用することができる。
【0058】
本発明のゲル状組成物は、本発明の架橋重合体と媒体とを含んでなる。媒体としては、水、有機媒体を使用できるが、架橋重合体中にカルボジイミド基を含有しているので、活性水素基を含有しない媒体を用いることが望ましい。本発明のゲル状組成物は、媒体中に本発明の架橋剤、場合によってはその他の重合性不飽和炭化水素基含有単量体を溶解させた後、重合させることによって得ることができる。また、予め、本発明の架橋剤、場合によってはその他の重合性不飽和炭化水素基単量体を重合させた後、媒体を吸収させることによって得ることも可能である。
【0059】
本発明のイオン伝導性組成物は、本発明の架橋重合体と電解質とを含んでなる組成物である。本発明のイオン伝導性組成物において、電解質の含有量は、電解質の種類やイオン伝導性組成物が使用される電気化学素子の種類、性能にもよるが、架橋重合体1gに対して、0.01〜20mmol、好ましくは5〜10mmolである。
【0060】
本発明のイオン伝導性組成物は、十分なイオン伝導度を有するが、さらに高いイオン伝導度が必要な場合、溶媒を含有させて、ゲル状イオン伝導性組成物とすることができる。この場合、溶媒の含有量は、10〜99質量%、より好ましくは50〜98質量%、最も好ましくは60〜95質量%である。溶媒の含有量は、電解質の種類、所望のイオン伝導性、ゲル状組成物の機械的強度を考慮して決定される。
【0061】
本発明のイオン伝導性組成物は、電解質および必要に応じて溶媒の存在下で、本発明の架橋重合体の製造を行うことにより製造することができる。また、本亜発明の架橋重合体の製造後に、電解質や溶媒を含浸・添加させることにより製造することもできる。
【0062】
本発明のイオン伝導性組成物係わる電解質としては、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアニジウムイオンから選ばれる陽イオンと、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、テトラフェニルホウ素酸イオン、硝酸イオン、有機酸イオン、過マンガン酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、チオ硫酸イオン、AsF、PF、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7, 7, 8, 8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、XSO、[(XSO) (XSO)N] 、[(XSO) (XSO) (XSO)C]及び[(XSO) (XSO)YC]から選ばれる陰イオンとからなる化合物が挙げられる。ここで、X、X、X及びYは電子吸引性基である。好ましくは、X、X、およびX は各々独立して炭素数が1〜6のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基であり、Yはニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基、又はシアノ基である。X、X、およびXは各々同一であっても、異なっていても良い。これらの電解質は単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0063】
更に、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル等のポリアルキレンオキサイド化合物、ポリアルキレンオキサイドを構造単位に持つ変性ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアルキレンオキサイドを構造単位に持つ変性ポリフォスファゼン等のイオン導電性ポリマーも配合することできる。
【0064】
本発明のイオン伝導性組成物に添加しても良い溶媒としては、水、塩化チオニル、塩化スルフリル、液体アンモニア等の無機溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオフェン、硫化ジエチル等の硫黄化合物、アセトニトリル、ジエチルアミン、アニリン等の窒素化合物、無水酢酸、無水酪酸等の酸無水物、アセタール、シクロヘキサノン等のケトン、エステル、フェノール、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,3−ジオキソラン等のエーテル系化合物を使用することができるが、活性水素基を持たない溶媒を使用することが好ましい。これらの溶媒は、単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0065】
本発明のイオン伝導性組成物は、電気絶縁性多孔質薄膜と一体化させても良い。電気絶縁性多孔質薄膜としては、多孔質フィルム、不織布等を用いることができる。多孔質フィルムとは、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂を延伸法等で多孔質フィルムとしたもの等を用いることができる。不織布としては、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリアミド系繊維、フッ素樹脂繊維、再生繊維、半合成繊維、天然繊維等から構成される。不織布を構成する繊維は、フィブリル化されていても良い。
【0066】
電気絶縁性多孔質薄膜として用いることができる不織布は、乾式法と湿式法のいずれの方法でも製造できるが、薄膜化に対応するためには、湿式法で製造した不織布を用いることが好ましい。湿式抄紙法は、通常、繊維を分散助剤、増粘剤などを用いて水中に均一に分散してスラリーとし、該スラリー中に水を添加して水性スラリーとし、該スラリーから抄紙機を用いてシート化し、不織布を得る方法である。湿式法としては、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄紙機、さらには2種以上を組み合わせたコンビネーションマシンなどを用いることができる。
【0067】
電気絶縁性多孔質薄膜の坪量は、特に制限はないが、5〜50g/mが好ましく、10〜30g/mがさらに好ましく用いられる。また、厚みについても特に制限はないが、薄い方が好ましく、10〜200μm、より好ましくは、15〜100μmである。電気絶縁性多孔質薄膜の厚みは、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、熱カレンダー、ソフトカレンダー、熱ソフトカレンダー等のカレンダー処理によって調整することが可能である。また、電気絶縁性多孔質薄膜の空隙率は、20〜80%が好ましい。
【0068】
電気絶縁性多孔質薄膜とイオン伝導性組成物を一体化させる方法としては、
(イ)イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を少なくとも重合成分とする重合体に電解質をドープし、絶縁性多孔質薄膜に直接塗布してから、次いでカルボジイミド化および/またはウレトジオン化する方法、
(ロ)イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体を少なくとも重合成分とする重合体と電解液を混合した溶液に、絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させ、次いでカルボジイミド化および/またはウレトジオン化する方法、
(ハ)イソシアネート基を有する重合性不飽和炭化水素基含有単量体、その他の重合体原料、電解質を絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行い、次いでカルボジイミド化および/またはウレトジオン化する方法、
(ニ)イソシアネート基を有する重合性不飽和単量体、その他の重合体原料を絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行い、次いでカルボジイミド化および/またはウレトジオン化し、電解液で膨潤させる方法
(ホ)イソシアネート基を有する重合性不飽和単量体、その他の重合体原料を電解液に溶解し、絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行い、次いでカルボジイミド化および/ウレトジオン化を行う方法
(ホ)イソシアネート基を有する重合性不飽和単量体、その他の重合体原料を電解液に溶解し、絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応および、カルボジイミド化および/ウレトジオン化を同時に行う方法
(へ)本発明の架橋剤、その他の重合体原料、電解質を絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行う方法、
(ト)本発明の架橋剤、その他の重合体原料を絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行い、電解液で膨潤させる方法
(チ)本発明の架橋剤、その他の重合体原料を電解液に溶解し、絶縁性多孔質薄膜に直接塗工・含浸させた後、重合反応を行う方法
等を上げることができる。
【0069】
本発明の電気化学素子(17)としては、例えば、アルカリ電池、リチウム一次電池、リチウム二次電池、湿式太陽電池、キャパシタ、エレクトロクロミック素子等の化学発光素子、液晶表示素子等と挙げることができる。
【0070】
本発明の表面修飾基材(18)、(19)において、基材としては、高分子に代表される有機基材、ガラス、セラミック、金属等の無機基材、有機材料と無機材料の複合材料等を用いることができる。基材の形状は、繊維、織物、編み物、不織布、板、棒、フィルム、シート、多孔性フィルムおよびシート並びに、所定の成形体のいずれであっても良い。
【0071】
本発明の表面修飾基材(18)において、基材の表面を重合体で被覆させる方法としては、基材に少なくとも本発明の架橋剤を含有する処理液を塗布し、次いで表面で重合させる方法、本発明の架橋剤を重合成分とする架橋重合体を含有する処理液を、基材に塗布し、次いで乾燥させる方法等が挙げられる。
【0072】
上記塗布方法としては、ディップコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、スクリーンコーティング、グラビアロールコーティング、スクリーン印刷コーティング、スプレーコーティング等を挙げることができる。
【0073】
該処理液に用いることができる媒体としては、水、塩化チオニル、塩化スルフリル、液体アンモニア等の無機溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオフェン、硫化ジエチル等の硫黄化合物、アセトニトリル、ジエチルアミン、アニリン等の窒素化合物、無水酢酸、無水酪酸等の酸無水物、アセタール、シクロヘキサノン等のケトン、エステル、フェノール、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,3−ジオキソラン等のエーテル系化合物を使用することができるが、活性水素基を持たない溶媒を使用することが好ましい。これらの溶媒は、単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0074】
本発明の表面修飾基材(18)に係わる重合方法としては、本発明の架橋重合体(10)で示したラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の方法を用いることができる。
【0075】
本発明の表面修飾基材(19)に係わるグラフト処理の方法としては、例えばモノマーと重合開始剤を含む溶液に基材を浸漬した後に加熱する方法、基材にモノマーを塗布した後に活性光線を照射する方法、基材に活性光線を照射した後にモノマーを接触させる方法、増感剤とモノマーを含む溶液に基材を浸漬し、次いで活性光線を照射する方法等がある。活性光線としては、紫外線、放射線(α線、γ線、電子線、X線、中性子線)等を使用することができる。
【0076】
【実施例】
本発明の詳細を実施例で以下に具体的に説明するが、実施例のみに限定されるものではない。
【0077】
実施例1
N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)カルボジイミドの合成
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株))60gとp−ニトロフェノール1.5gと3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド60gとを、ジメチルカーボネート300mlに溶解し、窒素気流中で28時間加熱還流した。加熱還流後の反応液のGC/MASSスペクトルを測定し、生成したカルボジイミド化合物のGCピークを検出した。MASSスペクトルからは、カルボジイミド化合物(分子量266)に対応した分子イオンピーク;M+−1(265)を検出した。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで、35℃に加熱しながらジメチルカーボネートを減圧留去した。残留した油状物をジエチルエーテル600mlに溶解し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mlで3回洗浄後、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、ロータリーエバポレータで、25℃に加熱しながらジエチルエーテルを減圧留去して目的のカルボジイミド化合物40gを油状物として得た。
【0078】
生成物のIRスペクトルデータを以下に示す。
IR(neat);ν(C=N=C)=2134cm−1
【0079】
IRスペクトルでは、原料のイソシアネート化合物のイソシアネート基の伸縮吸収;ν(N=C=O)=2260−1が消失していることから、原料のイソシアネート化合物が残留していないことを確認した。
【0080】
生成物のH−NMRスペクトルデータ(溶媒:CDCl)を表1に示す。
【0081】
【表1】


【0082】
実施例2
N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物の合成
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株))60gと3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド0.3gとを、ジメチルカーボネート300mlに溶解し、窒素気流中で28時間加熱還流した。加熱還流後の反応液のGC/MASSスペクトルを測定し、生成したカルボジイミド化合物のGCピークを検出した。MASSスペクトルからは、カルボジイミド化合物(分子量266)に対応した分子イオンピーク;M+−1(265)を検出した。一方、生成したウレトジオンはGC中で熱分解するため、原料のイソシアネート化合物として検出される。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで、35℃に加熱しながらジメチルカーボネートを減圧留去した。残留した油状物をジエチルエーテル600mlに溶解し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mlで3回洗浄後、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、ロータリーエバポレータで25℃に加熱しながらジエチルエーテルを減圧留去して目的のカルボジイミド化合物/ウレトジオン化合物の混合物45gを油状物として得た。
【0083】
生成物のIRスペクトルデータを以下に示す。
IR(neat);ν(C=N=C)=2134cm−1
【0084】
IRスペクトルでは、原料のイソシアネート化合物のイソシアネート基の伸縮吸収;ν(N=C=O)=2260−1が消失していることから、原料のイソシアネート化合物が残留していないことがわかる。
【0085】
生成物のH−NMRスペクトルデータ(溶媒:CDCl)を表2に示す。
【0086】
【表2】


【0087】
カルボジイミド化合物とウレトジオン化合物の生成量比は、両者のNCH基の積分強度比から推定できる。カルボジイミド化合物生成量/ウレトジオン化合物生成量=2.3/1.7である。
【0088】
実施例3
N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物の合成
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株))60gと3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド0.05gとを、ジメチルカーボネート300mlに溶解し、窒素気流中で28時間、60℃で加熱した。加熱還流後の反応液のGC/MASSスペクトルを測定し、生成したカルボジイミド化合物のGCピークを検出した。MASSスペクトルからは、カルボジイミド化合物(分子量266)に対応した分子イオンピーク;M+−1(265)を検出した。一方、生成したウレトジオンはGC中で熱分解するため、原料のイソシアネート化合物として検出される。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで、35℃に加熱しながらジメチルカーボネートを減圧留去した。残留した油状物をジエチルエーテル600mlに溶解し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mlで3回洗浄後、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、ロータリーエバポレータで25℃に加熱しながらジエチルエーテルを減圧留去して目的のカルボジイミド化合物/ウレトジオン化合物の混合物40gを油状物として得た。
【0089】
生成物のIRスペクトルデータ、およびH−NMRスペクトルのピーク位置(溶媒:CDCl)は、実施例2と同様であった。カルボジイミド化合物生成量/ウレトジオン化合物生成量=1.6/2.4である。
【0090】
実施例4
N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物の合成
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株))60gと3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド6.0gとを、ジメチルカーボネート300mlに溶解し、窒素気流中で28時間加熱還流した。加熱還流後の反応液のGC/MASSスペクトルを測定し、生成したカルボジイミド化合物のGCピークを検出した。MASSスペクトルからは、カルボジイミド化合物(分子量266)に対応した分子イオンピーク;M+−1(265)を検出した。一方、生成したウレトジオンはGC中で熱分解するため、原料のイソシアネート化合物として検出される。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで、35℃に加熱しながらジメチルカーボネートを減圧留去した。残留した油状物をジエチルエーテル600mlに溶解し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mlで3回洗浄後、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、ロータリーエバポレータで25℃に加熱しながらジエチルエーテルを減圧留去して目的のカルボジイミド化合物/ウレトジオン化合物の混合物45gを油状物として得た。
【0091】
生成物のIRスペクトルデータ、およびH−NMRスペクトル位置(溶媒:CDCl)は、実施例2と同様であった。カルボジイミド化合物生成量/ウレトジオン化合物生成量=3.1/0.9である。
【0092】
実施例5
N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物の合成
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株))60gと3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン1−オキシド0.006gとを、ジメチルカーボネート300mlに溶解し、窒素気流中で28時間、45℃で加熱した。加熱還流後の反応液のGC/MASSスペクトルを測定し、生成したカルボジイミド化合物のGCピークを検出した。MASSスペクトルからは、カルボジイミド化合物(分子量266)に対応した分子イオンピーク;M+−1(265)を検出した。一方、生成したウレトジオンはGC中で熱分解するため、原料のイソシアネート化合物として検出される。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで、35℃に加熱しながらジメチルカーボネートを減圧留去した。残留した油状物をジエチルエーテル600mlに溶解し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mlで3回洗浄後、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、ロータリーエバポレータで25℃に加熱しながらジエチルエーテルを減圧留去して目的のカルボジイミド化合物/ウレトジオン化合物の混合物40gを油状物として得た。
【0093】
生成物のIRスペクトルデータ、およびH−NMRスペクトル位置(溶媒:CDCl)は、実施例2と同様であった。カルボジイミド化合物生成量/ウレトジオン化合物生成量=0.4/3.6である。
【0094】
実施例6
N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオンと、N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)カルボジイミド/メタクリル酸付加物との混合物の合成
実施例2の方法で合成した、N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン/N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)カルボジイミド混合物10gとメタクリル酸1.1gと2,4−ジ−t−ブチルフェノール0.004gをジメチルカーボネート120mlに溶解し、室温で24時間攪拌した。ロータリーエバポレータを用いて反応液から溶媒を減圧留去し、生成物を油状物として得た。
【0095】
生成物のIRスペクトルをneatで測定したところ、カルボジイミド基の特性吸収;ν(C=N=C)=2134cm−1が消失していた。
【0096】
実施例7
N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン/水付加物の合成
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株))40gとp−ニトロフェノール4gをジメチルカーボネート200mlに溶解し、窒素気流中で24時間加熱還流した。ロータリーエバポレータを用いて反応液から溶媒を減圧留去した。残留物をジエチルエーテル200mlに溶解し、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液50mlで8回洗浄して、p−ニトロフェノールを除いた。次いで、ジエチルエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータを用いてジエチルエーテルを減圧留去して無色の結晶を得た。これをジエチルエーテル150mlで洗浄、濾取して、N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン/水付加物10gを結晶として単離した。融点50〜60℃であった。
【0097】
生成物のIRスペクトルをKBr錠剤法で測定した。
ν(O−H)=3360cm−1、ν(C=O)=1720cm−1
【0098】
生成物のH−NMRスペクトルデータ(溶媒:CDCl)を表3に示す。
【0099】
【表3】


【0100】
生成物の結晶についての加熱減量に関して、TGA測定を行った。その結果、室温から220℃での加熱減量が10.4%であることが判明した。これは、ウレトジオン化合物のカルボニル基に水分子が2個付加した構造(推定分子量;346)から水分子が2個分(分子量;18×2=36)脱離した場合の減量に相当する。(36/346=0.104)
【0101】
実施例8
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 99.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(商品名;V−60、和光純薬(株)製)0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、白色の塊状架橋重合体を得た。架橋重合体10質量部を、γ−ブチロラクトン 10質量部に浸漬し、5時間静置した。架橋重合体は、γ−ブチロラクトンを吸収して膨潤し、ゲル状組成物となった。
【0102】
実施例9
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 99.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、白色の塊状架橋重合体を得た。架橋重合体10質量部を、アセトニトリル 10質量部に浸漬し、5時間静置した。架橋重合体は、アセトニトリルを吸収して膨潤し、ゲル状組成物となった。
【0103】
実施例10
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
実施例3で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 1.6/2.4) 99.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、白色の塊状架橋重合体を得た。架橋重合体10質量部を、ジメチルカーボネート 10質量部に浸漬し、4時間静置した。架橋重合体は、ジメチルカーボネートを吸収して膨潤し、ゲル状組成物となった。
【0104】
実施例11
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
実施例4で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 3.1/0.9) 99.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、白色の塊状架橋重合体を得た。架橋重合体10質量部を、キシレン 40質量部に浸漬し、10時間静置した。架橋重合体は、キシレンを吸収して膨潤し、ゲル状組成物となった。
【0105】
実施例12
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
実施例5で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 0.4/3.6) 99.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、白色の塊状架橋重合体を得た。架橋重合体10質量部を、ジエチルカーボネート 10質量部に浸漬し、5時間静置した。架橋重合体は、ジエチルカーボネートを吸収して膨潤し、ゲル状組成物となった。
【0106】
実施例13
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
実施例6で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン/N,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)カルボジイミド/メタクリル酸付加物との混合物 99.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、白色の塊状架橋重合体を得た。架橋重合体10質量部を、ジエチルカーボネート 10質量部に浸漬し、5時間静置した。架橋重合体は、ジエチルカーボネートを吸収して膨潤し、ゲル状組成物となった。
【00107】
実施例14
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
実施例7で得られたN,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン/水付加物 99.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、白色の塊状架橋重合体を得た。架橋重合体10質量部を、プロピレンカーボネート 10質量部に浸漬し、8時間静置した。架橋重合体は、プロピレンカーボネートを吸収して膨潤し、ゲル状組成物となった。
【0108】
実施例15
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
実施例1で得られたN、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 49.5質量部、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製) 49.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 1.0質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、白色の塊状架橋重合体を得た。架橋重合体10質量部を、トルエン 10質量部に浸漬し、8時間静置した。架橋重合体は、トルエンを吸収して膨潤し、ゲル状組成物となった。
【0109】
実施例16
ゲル状組成物の調製
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 3質量部、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 7質量部をプロピレンカーボネート89.9質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.1質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、乳白色のゲル状組成物を得た。
【0110】
実施例17
ゲル状組成物の調製
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 1質量部、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製) 0.5質量部、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 8.5質量部をプロピレンカーボネート 89.9質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.1質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、乳白色のゲル状組成物を得た。
【0111】
実施例18
ゲル状組成物の調製
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 3質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 7質量部、ジエチルカーボネート 89.9質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.1質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、透明のゲル状組成物を得た。
【0112】
実施例19
ゲル状組成物の調製
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 2質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;M−40G、新中村化学工業(株)製) 8質量部、ジエチルカーボネート 89.9質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.1質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間保持したところ、透明のゲル状組成物を得た。
【0113】
実施例20
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 10質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.1質量部をトルエン90質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間保持して、重合体を得た。この反応液98.7質量部に、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部を添加し、90℃で5時間反応させて、白色のゲル状組成物を得た。該ゲル状組成物を100℃の真空乾燥機で12時間乾燥し、白色の架橋重合体を得た。
【0114】
実施例21
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 3質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130MA、共栄社化学(株)製)7質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部をジエチルカーボネート90質量部に溶解した。窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、共重合体含有反応液を得た。この反応液98.7質量部に、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部を添加し、90℃で5時間反応させて、透明なゲル状組成物を得た。該ゲル状組成物を130℃の真空乾燥機で12時間乾燥し、白色の架橋重合体を得た。
【0115】
実施例22
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 10質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.1質量部をトルエン90質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間保持して、重合体を得た。この反応液93.7質量部に、ヘキサメチレンジイソシアネート 5質量部、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部を添加し、90℃で5時間反応させて、白色のゲル状組成物を得た。該ゲル状組成物を100℃の真空乾燥機で12時間乾燥し、白色の架橋重合体を得た。
【0116】
実施例23
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
ジメチルメタイソプロペニルベンジルイソシアネート(商品名;TMI、シアナミド製)40質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.1質量部をトルエン59.9質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間保持して、重合体を得た。この反応液99.2質量部に対して、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 0.8質量部を添加し、90℃で15時間反応させて、白色のゲル状組成物を得た。該ゲル状組成物を100℃の真空乾燥機で12時間乾燥し、白色の架橋重合体を得た。
【0117】
実施例24
架橋重合体およびゲル状組成物の調製
ジメチルメタイソプロペニルベンジルイソシアネート(商品名;TMI、シアナミド製)40質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.1質量部をトルエン59.9質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間保持して、重合体を得た。この反応液89.2質量部に、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート 10質量部、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 0.8質量部を添加し、90℃で15時間反応させて、乳白色のゲル状組成物を得た。該ゲル状組成物を100℃の真空乾燥機で12時間乾燥し、白色の架橋重合体を得た。
【0118】
実施例25
イオン伝導性組成物の調製
下記構成で非水系電解液iを調製した。
六フッ化リン酸リチウム 12.7質量部
エチレンカーボネート 31.9質量部
ジエチルカーボネート 55.4質量部
【0119】
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 2質量部、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製) 0.5質量部、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 7.5質量部を、非水系電解液i 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加した(反応液A)。反応液Aを窒素雰囲気下、80℃で4時間保持したところ、透明なイオン伝導性組成物を得た。このイオン伝導性組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、4.9×10−3S/cm(室温)であった。
【0120】
リチウム電池の作製と評価
コバルト酸リチウム20質量部、アセチレンブラック2質量部、PVDFのN−メチルピロリドン溶液(呉羽化学工業製、クレハKFポリマー L♯1120)18質量部、N−メチルピロリドン12質量部を混合して、アルミニウム箔上に塗布し、乾燥して、リチウムイオン二次電池用正極を得た。
【0121】
カーボン粉末20質量部、PVDFのN−メチルピロリドン溶液(呉羽化学工業製、クレハKFポリマー L♯1120)17.5質量部、N−メチルピロリドン12質量部を混合して、銅箔上に塗布し、乾燥して、リチウムイオン二次電池用負極を得た。
【0122】
正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Aを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は348mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は339mAhであった。
【0123】
実施例26
イオン伝導性組成物の調製
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 0.5質量部、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製) 5質量部、ブチルアクリレート 4.5質量部を、非水電解液i 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加した(反応液B)。反応液Bを窒素雰囲気下、80℃に4時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、4.2×10―S/cm(室温)であった。
【0124】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Bを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は362mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は355mAhであった。
【0125】
実施例27
イオン伝導性組成物の調製
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 1.5質量部、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 8.5質量部を、非水系電解液i 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加した(反応液C)。反応液Cを窒素雰囲気下、80℃で4時間保持したところ、透明なイオン伝導性組成物を得た。このイオン伝導性組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、5.1×10−3S/cm(室温)であった。
【0126】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Cを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は394mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は347mAhであった。
【0127】
実施例28
イオン伝導性組成物の調製
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 2.0質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;M−40G、新中村化学工業(株)製) 8.0質量部とを、非水系電解液i 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名;V−59、和光純薬(株)製) 0.2質量部を添加した(反応液D)。反応液Dを窒素雰囲気下、80℃で4時間保持したところ、透明なイオン伝導性組成物を得た。このイオン伝導性組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、5.5×10−3S/cm(室温)であった。
【0128】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Dを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は438mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は390mAhであった。
【0129】
実施例29
イオン伝導性組成物の調製
実施例4で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 0.4/3.6) 2.0質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;M−20G、新中村化学工業(株)製) 8.0質量部とを、非水系電解液i 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名;V−59、和光純薬(株)製) 0.2質量部を添加した(反応液E)。反応液Eを窒素雰囲気下、80℃で4時間保持したところ、透明なイオン伝導性組成物を得た。このイオン伝導性組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、5.3×10−3S/cm(室温)であった。
【0130】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Eを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は422mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は378mAhであった。
【0131】
実施例30
イオン伝導性組成物の調製
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 5質量部を、非水系電解液i 94.9質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名;V−59、和光純薬(株)製) 0.1質量部を添加した(反応液F)。反応液Fを窒素雰囲気下、80℃で4時間保持したところ、白色のイオン伝導性組成物を得た。このイオン伝導性組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、5.3×10−3S/cm(室温)であった。
【0132】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Fを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は398mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は362mAhであった。
【0133】
実施例31
イオン伝導性組成物の調製
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 5質量部と、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130MA、共栄社化学(株)製) 5質量部とを、非水系電解液i 89.9質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名;V−59、和光純薬(株)製) 0.1質量部を添加した(反応液G)。反応液Gを窒素雰囲気下、80℃で4時間保持したところ、透明なイオン伝導性組成物を得た。このイオン伝導性組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、5.7×10−3S/cm(室温)であった。
【0134】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Gを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は386mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は354mAhであった。
【0135】
実施例32
イオン伝導性組成物の調製
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 8質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;041MA、共栄社化学(株)製) 2質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を、非水電解液i 89.8質量部に溶解した。窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、共重合体含有反応液Hを得た。この反応液H 98.7質量部に、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部を添加し、90℃で5時間反応させて、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、4.5×10−3S/cm(室温)であった。
【0136】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、共重合体含有反応液H 98.7質量部に、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部を添加したものを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は338mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は277mAhであった。本実施例のリチウムポリマー二次電池は、電池内に3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド(触媒)が残存するため、実施例25〜31で得られたリチウムポリマー二次電池よりも、容量低下が大きかった。
【0137】
実施例33
イオン伝導性組成物の調製
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 3質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;041MA、共栄社化学(株)製) 7質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を、非水電解液iに89.8質量部に溶解した。窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、共重合体含有反応液Iを得た。この反応液I 97.7質量部に、ヘキサメチレンジイソシアネート1質量部、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部を添加し、90℃で5時間反応させて、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、5.1×10−3S/cm(室温)であった。
【0138】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、共重合体含有反応液I 97.7質量部に、ヘキサメチレンジイソシアネート 1質量部、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部を添加したものを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は362mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は275mAhであった。本実施例のリチウムポリマー二次電池は、電池内に3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド(触媒)が残存するため、実施例25〜31で得られたリチウムポリマー二次電池よりも、容量低下が大きかった。
【0139】
実施例34
イオン伝導性組成物の調製
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 10質量部、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部を、非水電解液iに88.5質量部に溶解し、90℃で5時間反応させて、イソシアネート基のカルボジイミド化および/またはウレトジオン化を行い、液温を室温に戻した後、さらに、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加して、反応液Jを得た。
【0140】
反応液Jを、窒素雰囲気下、80℃で6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、4.2×10−3S/cm(室温)であった。
【0141】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Jを注入した。セル缶を封じた後、80℃で5時間加熱して、リチウムポリマー電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は413mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は297mAhであった。本実施例のリチウムポリマー二次電池は、電池内に、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド(触媒)が残存するため、実施例25〜31で得られたリチウムポリマー二次電池よりも、容量低下が大きかった。
【0142】
実施例35
イオン伝導性組成物の調製
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製) 9質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130MA、共栄社化学(株)製)、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 1.3質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加して、反応液Kを得た。この反応液Kを、90℃で4時間反応させて、イソシアネート基のカルボジイミド化および/またはウレトジオン化およびラジカル重合を行い、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、4.1×10−3S/cm(室温)であった。
【0143】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Kを注入した。セル缶を封じた後、80℃で5時間加熱して、リチウムポリマー電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は413mAhであった。また、このリチウムポリマー二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は301mAhであった。本実施例のリチウムポリマー二次電池は、電池内に、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド(触媒)が残存するため、実施例25〜31で得られたリチウムポリマー二次電池よりも、容量低下が大きかった。
【0144】
実施例36
電気絶縁性薄膜とイオン伝導性組成物の一体化
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 2質量部、メチルメタクリレート8質量部、非水系電解液i 89質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 1質量部とを、均一混合した。該混合液に、ポリプロピレン製微多孔膜(15g/m、厚み50μm、空隙率67%)を含浸・絞液し、露点−80℃のアルゴン雰囲気下で、アルミ袋に入れ密封した後、90℃で2時間保持した後、室温まで冷却して、電気絶縁性薄膜とイオン伝導性組成物を一体化させた複合型ポリマー電解質を調製した。得られた複合型ポリマー電解質は、58g/m、厚み52μmであった。
【0145】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、上記複合型ポリマー電解質、負極を積層し、電池用セル缶に組み込み、セル缶を封じた。得られたリチウムポリマー電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は386mAhであった。また、このリチウムポリマー電池を80℃で2週間保存した後の容量は293mAhであった。
【0146】
実施例37
リチウム電池の作製と評価
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;MOI、昭和電工(株)製)10質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.1質量部を、テトラヒドロフラン 89.9質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間保持して、重合反応を行った。この重合液を大量のメタノールに入れ、再沈を行い、白色の重合体の沈殿物を得た。100℃で真空乾燥を行った後、該重合体20質量部をトルエン80質量部に溶解し、重合体液Lを得た。
【0147】
重合体液Lに、ポリプロピレン製微多孔膜(15g/m、厚み50μm、空隙率67%)を含浸・絞液し、90℃で8時間真空乾燥を行った。ポリプロピレン微多孔膜の質量増加率は、31質量%であった。
【0148】
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、上記重合体付着ポリプロピレン微多孔膜、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ。次いで、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 5質量部と、非水電解液i 95質量部とからなる電解液を注入し、セル缶を封じた。セル缶を90℃で、8時間加熱して、リチウムポリマー電池を得た。得られたリチウムポリマー電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は352mAhであった。また、このリチウムポリマー電池を80℃で2週間保存した後の容量は246mAhであった。
【0149】
比較例1
イオン伝導性組成物の調製
ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;TMP−6EO−3A、共栄社化学(株)製) 5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部、非水電解液i 89.8質量部に溶解し、反応液aを得た。反応液aを窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で加熱したが、1日でゲルは崩壊した。
【0150】
リチウムポリマー電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液Bを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は385mAhであった。また、このリチウムポリマー電池を80℃で2週間保存した後の容量は193mAhであった。
【0151】
比較例2
イオン伝導性組成物の調製
ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;TMP−6EO−3A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ジシクロヘキシルカルボジイミド 1質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部、非水電解液i 89質量部に溶解し、反応液bを得た。反応液bを窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で加熱したが、7日間でゲルは崩壊した。
【0152】
リチウムポリマー電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販リチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液bを注入した。セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、リチウムポリマー二次電池を得た。得られたリチウムポリマー二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は371mAhであった。また、このリチウムポリマー電池を80℃で2週間保存した後の容量は198mAhであった。
【0153】
実施例25〜37と比較例1および2の結果から、本発明のイオン伝導性組成物は、カルボジイミド基およびまたは/ウレトジオン基の効果により、長期間安定であることが確認された。また、低分子カルボジイミドを用いた比較例2のイオン伝導性組成物よりも、カルボジイミド基およびまたは/ウレトジオン基が重合体中に存在する実施例のイオン伝導性組成物の方が長期間安定であり、またカルボジイミド基および/またはウレトジオン基を含有する本発明の架橋重合体は、電池の性能に悪影響を及ぼさないことが確認できた。
【0154】
実施例38
イオン伝導性組成物の調製
下記構成で非水系電解液iiを調製した。
(CNBF 18.1質量部
プロピレンカーボネート 81.9質量部
【0155】
実施例1で得られたN、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 2質量部、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製) 2質量部、ブチルアクリレート 6質量部を、非水系電解液ii 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加し、反応液Mとした。反応液Mを窒素雰囲気下、80℃で4時間保持したところ、透明なイオン伝導性組成物を得た。このイオン伝導性組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、2.2×10−4S/cm(室温)であった。
【0156】
電気二重層キャパシタの作製と評価
非表面積が2000m/g、平均粒径が8μmの高活性活性炭80g、アセチレンブラック10g、及び12%濃度のPVDF溶液(溶媒:N−メチルピロリドン、呉羽化学工業製)100g、N−メチルピロリドン150gを混合して活性炭含有液を作製した。この液をアルミニウム箔上に塗布して、キャパシタ用電極を作製した。
【0157】
この電極と市販のセルロース製キャパシタ用セパレータ(厚み 50μm、密度 0.4g/cm)を積層し、角形セルに組み込んだ後、反応液Mを注入して、セル缶を封じた後、80℃で3時間加熱して、積層型の電機二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、18Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。また、80℃で2週間保存した後の容量は17Fであった。
【0158】
実施例39
イオン伝導性組成物の調製
実施例1で得られたN、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 2質量部、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;MOI、昭和電工(株)製) 8質量部とを、非水電解液ii 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加し、反応液Nとした。反応液Nを窒素雰囲気下、80℃に3時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、2.0×10−4S/cm(室温)であった。
【0159】
電気二重層キャパシタの作製と評価
実施例38と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と市販のキャパシタ用セパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、反応液Nを注入して、セル缶を封じた後、80℃で3時間加熱して、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、19Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。また、80℃で2週間保存した後の容量は、17Fであった。
【0160】
実施例40
イオン伝導性組成物の調製
実施例3で得られたN、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物 2質量部、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;MOI、昭和電工(株)製) 8質量部とを、非水電解液ii 89.8質量部に溶解し、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部を添加し、反応液Oとした。反応液Oを窒素雰囲気下、80℃に4時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、このイオン伝導性ゲル状組成物のイオン伝導度は、2.1×10S/cm(室温)であった。
【0161】
電気二重層キャパシタの作製と評価
実施例38と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と市販のキャパシタ用セパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、反応液Oを注入して、セル缶を封じた後、80℃で4時間加熱して、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、19Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。また、80℃で2週間保存した後の容量は、18Fであった。
【0162】
実施例41
不織布の製造
フィブリル化セルロース 10質量部、少なくとも一部が繊維径1μm以下のフィブリル化ポリエチレン繊維 20質量部、繊度0.1dtex、繊維長3mm、融点255℃のポリエステル繊維 40質量部、繊度0.8dtex、繊維長10mmのポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘短繊維 30質量部を分散助剤と共にパルパーを用いて水中に分散し、次いで水で所定濃度に希釈してスラリーを調製した。このスラリーから、円網抄紙機を用いて、坪量30g/m、厚み80μmの湿式不織布を作製した。この湿式不織布に対して、180℃で熱カレンダー処理を行った。得られた不織布は、坪量30g/m、厚さ50μm、密度0.59g/cmであった。
【0163】
不織布とイオン伝導性組成物の一体化
実施例2で得られたN、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 10質量部、非水系電解液ii 89質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 1質量部とを、均一に混合した。該混合液に、上記不織布を含浸・絞液し、露点−80℃のアルゴン雰囲気下で、アルミ袋に入れ密封した後、90℃で2時間保持した後、室温まで冷却して、不織布とイオン伝導性組成物を一体化させた複合型ポリマー電解質を調製した。得られた複合型ポリマー電解質は、97g/m、厚み53μmであった。
【0164】
電気二重層キャパシタの作製と評価
実施例38と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と上記複合型ポリマー電解質を積層し、角形セルに組み込んだ後、セル缶を封じ、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、17Fであった。80℃で2週間保存した後の容量は、16Fであった。
【0165】
実施例42
電気二重層キャパシタの作製と評価
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名;カレンズMOI、昭和電工(株)製)4質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130MA、共栄社化学(株)製)6質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.1質量部を、テトラヒドロフラン 89.9質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間保持して、重合反応を行った。この重合液を大量のメタノールに入れ、再沈を行い、白色の重合体の沈殿物を得た。100℃で真空乾燥を行った後、該重合体20質量部をトルエン80質量部に溶解し、重合体液Pを得た。
【0166】
重合体液Pに、実施例41で得られた上記不織布を含浸・絞液し、90℃で8時間真空乾燥を行った。不織布の質量増加率は、37質量%であった。
【0167】
実施例38と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と上記重合体付着不織布を積層し、角形セルに組み込んだ後、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド 3質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネート2質量部と、非水電解液ii 95質量部とからなる電解液を注入し、セル缶を封じた後、90℃で7時間加熱して、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、17Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。また、80℃で2週間保存した後の容量は、16Fであった。
【0168】
比較例3
イオン伝導性組成物の調製
ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;TMP−6EO−3A、共栄社化学(株)製) 5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部、非水電解液ii 89.8質量部に溶解し、反応液cを得た。反応液cを窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で加熱したが、10日目に電解液の浸みだしが確認された。
【0169】
実施例38と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と市販のキャパシタ用セパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、反応液cを注入して、セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、18Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。また、80℃で2週間保存した後の容量は、13Fであった。
【0170】
比較例4
イオン伝導性組成物の調製
ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;TMP−6EO−3A、共栄社化学(株)製) 5質量部、ジシクロヘキシルカルボジイミド 3質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.2質量部、非水電解液ii 86.8質量部に溶解し、反応液dを得た。反応液dを窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃で加熱したが、14日間ゲルの崩壊は見られなかった。
【0171】
実施例38と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と市販のキャパシタ用セパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、反応液dを注入して、セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、19Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。また、80℃で2週間保存した後の容量は、9Fであった。
【0172】
実施例38〜42と比較例3および4の結果から、本発明のイオン伝導性組成物は、カルボジイミド基およびまたは/ウレトジオン基の効果により、長期間安定であることが確認された。また、低分子カルボジイミドを添加した比較例4のイオン伝導性組成物よりも、カルボジイミド基およびまたは/ウレトジオン基が重合体として存在する実施例のイオン伝導性組成物の方が長期間安定であり、またカルボジイミド基および/またはウレトジオン基を含有する本発明の架橋重合体は、電気二重層キャパシタの性能に悪影響を及ぼさないことが確認できた。
【0173】
実施例43
【0174】
イオン伝導性組成物の調製
下記構成で非水電解液iiiを調製した。
フタル酸テトラメチルアンモニウム 24.07質量部
γ−ブチロラクトン 75.93質量部
【0175】
実施例4で得られたN、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 3.1/0.9) 5質量部、非水電解液iii 94.5質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル) 0.5質量部均一に混合し、反応液Qとした。反応液Qを窒素雰囲気下、80℃で4時間保持したところ、白濁のイオン伝導性組成物を得た。このイオン伝導性組成物を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。
【0176】
アルミ電解キャパシタの作製と評価
厚さ0.05mm、エッチング孔の直径1〜5μmのアルミニウム箔で作られた電極の片面に陽極用コネクタをスポット溶接した後、90℃の温度に保たれたホウ酸用水溶液(濃度80g/l)に浸漬し、30Aの電流で15分間、アルミニウム箔面を酸化して、酸化アルミニウム誘電体層を形成し、電解キャパシタ用陽極を作製した。厚さ0.05mm、エッチング孔の直径1〜5μmのアルミニウム箔で作られた電極の片面に陰極用コネクタをスポット溶接することで、電解キャパシタ用陰極を作製した。
【0177】
膜厚30μmのアルミ電解キャパシタ用セルロース製セパレータを陽極の誘電体層上に配置し、陰極と合わせて巻取った後、電解キャパシタ用セル内に挿入し、反応液Qを注入し、セルを封じた。次いで、80℃で3時間加熱し、反応液Qをの重合反応を行った。得られたアルミ電解キャパシタの静電容量は、203μFであった。また、このアルミ電解キャパシタを80℃で2週間保存した後の静電容量は195μFであった。
【0178】
実施例44
架橋重合体分散液の調製とその塗布品の作製
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 10質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製)、 39質量部、トルエン 150質量部に、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)1質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間、強制撹拌して、乳白色の重合体溶液を得た。該重合体溶液に市販のポリエチレンシート(厚さ 200μm)を浸漬した後、90℃で2時間、真空乾燥し、カルボジイミド基/ウレトジオン基含有重合体で被覆されたシートを得た(重量増加率 5.8質量%)。
【0179】
実施例45
グラフト重合フィルムの作製
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 50質量部、光重合開始剤(商品名;IRGACURE 651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 0.1質量部、トルエン 49.9質量部とからなる処理液に、市販のポリエチレンシート(厚み 200μm)を浸漬したあと、脱酸素下で低圧水銀灯を用いて、低波長紫外線を1分間照射し、次いで90℃で2時間、真空乾燥して、グラフト重合による表面処理を施したシートを得た。グラフト重合による重量増は、11.8質量%であった。
【0180】
実施例46
グラフト重合多孔質膜の作製
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 8質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 22質量部、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製) 2質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;M−40G、新中村化学工業(株)製) 18質量部、トルエン 49質量部に、光重合開始剤(商品名;IRGACURE 651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ) 1質量部を添加し、市販のリチウム電池用セパレータ(ポリエチレン微多孔膜、空隙率60%、膜厚25μm)を浸漬した後、脱酸素下で低圧水銀灯を用いて低波長紫外線を1分間照射し、次いで90℃で2時間、真空乾燥し、グラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータを得た。グラフト重合による重量増は、8.9質量%であった。
【0181】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、上記グラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、非水電解液iを注入し、セル缶を封じて、リチウムイオン二次電池を得た。得られたリチウムイオン二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は450mAhであった。また、このリチウムイオン二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は435mAhであった。
【0182】
比較例5
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、市販のリチウム電池用セパレータ(ポリエチレン微多孔膜、空隙率60%、膜厚25μm)、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、非水電解液iを注入し、セル缶を封じて、リチウムイオン二次電池を得た。得られたリチウムイオン二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は450mAhであった。また、このリチウムイオン二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は410mAhであった。
【0183】
比較例6
グラフト重合多孔質膜の作製
ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 25質量部、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名;NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製)5質量部、ポリエチレンオキサイド基含有アクリレート(商品名;M−40G、新中村化学工業(株)製) 19質量部、トルエン 49質量部に、光重合開始剤(商品名;IRGACURE 651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ) 1質量部を添加し、市販のリチウム電池用セパレータ(ポリエチレン微多孔膜、空隙率60%、膜厚25μm)を浸漬した後、脱酸素下で低圧水銀灯を用いて低波長紫外線を1分間照射し、次いで90℃で2時間、真空乾燥し、グラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータを得た。グラフト重合による重量増は、7.5質量%であった。
【0184】
リチウム電池の作製と評価
実施例25と同様の方法で調製したリチウム電池用正極および負極を用いて、正極、上記グラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータ、負極を積層し、電池用セル缶に組み込んだ後、非水電解液iを注入し、セル缶を封じて、リチウムイオン二次電池を得た。得られたリチウムイオン二次電池に対して、0.1Cで充放電を行ったところ、容量は450mAhであった。また、このリチウムイオン二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は203mAhであった。
【0185】
実施例46と、比較例5および6との比較から、カルボジイミド基を有する重合性不飽和基含有単量体を用いてグラフト重合による表面処理を施したリチウム電池用セパレータを用いてなるリチウムイオン二次電池は、市販の電池用セパレータや、ポリアルキレンオキサイド基を有する重合性不飽和基含有単量体のみをグラフト重合した電池用セパレータを用いてなるリチウムイオン二次電池と比較して、高温保存時で電池容量が低下しにくいことを確認した。
【0186】
実施例47
架橋重合体分散液の調製とセパレータの作製
実施例5で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 0.4/3.6) 10質量部、ポリエチレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;130A、共栄社化学(株)製) 39質量部、トルエン 150質量部に、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)1質量部を添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間、強制撹拌して、乳白色の重合体溶液を得た。該重合体溶液に市販のセルロース含有キャパシタ用セパレータ(厚さ 50μm、密度 0.4g/cm)を浸漬した後、90℃で2時間、真空乾燥し、カルボジイミド基/ウレトジオン基含有重合体で被覆されたキャパシタ用セパレータを得た(重量増加率 5.4質量%)。
【0187】
電気二重層キャパシタの作製と評価
実施例38と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と上記カルボジイミド基/ウレトジオン基含有重合体で被覆されたキャパシタ用セパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、非水系電解液iiを注入して、セル缶を封じ、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、21Fであった。80℃で2週間保存した後の容量は、18Fであった。
【0188】
比較例7
実施例38と同様に調製した電気二重層キャパシタ用電極と市販のキャパシタ用セパレータ(厚み 50μm、密度 0.4g/cm)を積層し、角形セルに組み込んだ後、非水系電解液iiを注入して、セル缶を封じ、積層型電気二重層キャパシタを得た。電気二重層キャパシタの静電容量は、21Fであった。80℃で2週間保存した後の容量は、16Fであった。
【0189】
実施例47と、比較例7との比較から、カルボジイミド基およびまたは/ウレトジオン基を有する架橋重合体で表面処理を施したセパレータを用いてなる電気二重層キャパシタは、市販の電気二重層キャパシタ用セパレータを用いてなる電気二重層キャパシタと比較して、高温保存時で容量が低下しにくいことを確認した。
【0190】
実施例48
架橋重合体水分散液の調製
実施例1で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド 100質量部、ポリアルキレンオキサイド基含有メタクリレート(商品名;041MA、共栄社化学(株)製) 45質量部、ブチルアクリレート50質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)5質量部を2−ブタノン800質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間反応させて、乳白色の架橋共重合体分散液を得た。この分散液に蒸留水400質量部を添加し、次いで2−ブタノンを減圧除去して、カルボジイミド基を有する架橋重合体の水分散液を得た。
【0191】
実施例49
架橋重合体水分散液の調製
実施例2で得られたN,N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)カルボジイミド/N、N′−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ウレトジオン混合物(モル組成比 2.3/1.7) 40質量部、実施例7で得られたN,N′−ビス(2−メタクロイルオキシエチル)ウレトジオン/水付加物 57質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)3質量部を2−ブタノン900質量部に溶解し、窒素雰囲気下、80℃で6時間反応させて、乳白色の架橋共重合体分散液を得た。この分散液に蒸留水400質量部を添加し、次いで2−ブタノンを減圧除去して、カルボジイミド基を有する架橋重合体の水分散液を得た。
【0192】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明によれば、カルボジイミド基および/またはウレトジオン基と、重合性不飽和炭化水素基が同一分子内に共存する架橋剤を簡便な方法で提供できる。この化合物は、架橋剤として使用でき、高耐久性を有する架橋重合体、ゲル状組成物、表面修飾基材を提供することができる。該架橋重合体を用いたイオン伝導性組成物は、劣化しにくいために、長期間安定に作動する電気化学素子を提供することもできる。
【出願人】 【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号
【出願日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−2079(P2005−2079A)
【公開日】 平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願番号】 特願2003−193399(P2003−193399)