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【発明の名称】 多官能(メタ)アクリル酸エステル、その製造方法および活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物並びにその硬化物
【発明者】 【氏名】吉田 幸夫

【要約】 【課題】柔軟性、強じん性、密着性に優れた硬化層を形成することができる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を開発すること。

【解決手段】ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させた後、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られた多官能(メタ)アクリル酸エステル、およびそれに、(メタ)アクリロイル基含有化合物を加えてなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に1つのヒドロキシル基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル(A)のヒドロキシル基と分子内に2つ以上の酸無水物基を有する酸無水物(B)の酸無水物基を反応させて酸無水物をエステル化し、該酸無水物基から生じたカルボキシル基と分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有するエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)のエポキシ基を反応させることを特徴とする多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法。
【請求項2】
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A)が、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜12)(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(炭素数2〜6)グリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、これらの(メタ)アクリレートのラクトン(炭素数4〜8)変性品もしくはアルキレン(炭素数2〜6)オキサイド変性品、又はこれらの混合物である請求項1に記載の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法。
【請求項3】
酸無水物(B)が、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、又はこれらの混合物である請求項1又は2に記載の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法。
【請求項4】
エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)が、グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート又はこれらの混合物である請求項1から3のいずれかに記載の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の方法で得られた多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)。
【請求項6】
請求項5に記載の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)および(D)以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物(E)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物。
【請求項7】
(D)以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物(E)が(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー、(メタ)アクリロイル基を含有するオリゴマー、又はそれらの混合物である請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物。
【請求項8】
塗料、コーティング剤、接着剤、インキ、又はレジスト材料に使用されることを特徴とする請求項6又は7に記載の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化してなる(メタ)アクリル酸エステル系硬化物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルと酸無水物とエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られる多官能(メタ)アクリル酸エステル及びその製法、該多官能(メタ)アクリル酸エステル及び同多官能(メタ)アクリル酸エステル以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物からなる活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物に関し、該組成物は塗料、コーティング剤、接着剤、インキ、レジスト材料等に使われ、硬化性が良好であり、硬化物は柔軟性、強じん性、密着性などに優れる。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境汚染問題、省エネルギー化などにより有機溶剤系の塗料に代わって、紫外線や電子線などの活性エネルギー線により硬化する無溶剤系の活性エネルギー線硬化型塗料が多用されるようになった。該塗料は活性エネルギー線により硬化可能な樹脂及び硬化可能なモノマーやオリゴマーを含有し、モノマー等が溶剤の機能を兼ねていることから、塗膜形成時に溶剤を揮散させる必要がないという利点がある。
上記硬化可能な樹脂及び硬化可能なモノマーおよびオリゴマーとしては、各種ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどの、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーや(メタ)アクリル系のモノマーなどが利用されている。
【0003】
上記各種の(メタ)アクリレート等を用いた樹脂組成物は、化粧紙コーティング、紙用ツヤニス(OPV)、木工用塗料、プラスチックス用ハードコーティング、DVD用接着剤、電子材料用接着剤、電子材料用インキ、汎用インキなどに幅広く使用されている。このようなコーティング剤、インキ、接着剤等の用途においては、形成されるコーティング塗膜や接着層などの硬化性、硬化物の柔軟性、強じん性、接着性などの性能が要求されており、これらの要求性能を満足するように、各種性能の改良が検討されている。
エポキシ樹脂に不飽和基含有カルボン酸を付加させ、エネルギー線硬化用樹脂とする技術は古くから知られており、ビスフェノールA型やフェノールノボラック、あるいはクレゾールノボラック型のエポキシ(メタ)アクリレートは、インキ、コーティング等の分野では一般的に使用されている(例えば特開平10−59987、特開2000−72830等)。
また、エポキシ(メタ)アクリレートのヒドロキシル基に二塩基酸無水物を反応させ、カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレートとし、アルカリ現像の必要な分野に使用されている(例えば特公平01−54390、特開平08−259663等)。
しかしながら、一般的にエポキシ(メタ)アクリレートは硬化後の塗膜の硬さが特徴であるため、逆に、折り曲げや急激な温度変化による熱衝撃(サーマルショック)に対しては、塗膜にクラックが入るなどの欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硬化性、柔軟性、強じん性及び接着性に優れた硬化層を形成することができて、塗料、コーティング剤、接着剤、インキ、レジスト材料等に使用可能な、活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル組成物、その製法、該硬化物、及びそれに使用される多官能(メタ)アクリル酸エステルを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルと酸無水物とエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られる多官能(メタ)アクリル酸エステルからなる活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステルを使用することにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明の第1は、分子内に1つのヒドロキシル基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル(A)のヒドロキシル基と分子内に2つ以上の酸無水物基を有する酸無水物(B)の酸無水物基を反応させて酸無水物をエステル化し、該酸無水物基から生じたカルボキシル基と分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有するエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)のエポキシ基を反応させることを特徴とする多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法を提供する。
本発明の第2は、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A)が、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜12)(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(炭素数2〜6)グリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、これらの(メタ)アクリレートのラクトン(炭素数4〜8)変性品もしくはアルキレン(炭素数2〜6)オキサイド変性品、又はこれらの混合物である上記に記載の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法を提供する。本発明の第3は、酸無水物(B)が、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、又はこれらの混合物である上記の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法を提供する。
本発明の第4は、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)が、グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート又はこれらの混合物である上記の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法を提供する。
本発明の第5は、上記の方法で得られた多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)を提供する。
本発明の第6は、上記の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)および(D)以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物(E)を含有する活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物を提供する。
本発明の第7は、(D)以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物(E)が(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー、(メタ)アクリロイル基を含有するオリゴマー、又はそれらの混合物である上記の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物を提供する。
本発明の第8は、塗料、コーティング剤、接着剤、インキ、又はレジスト材料に使用される上記の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物を提供する。
本発明の第9は、上記の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化してなる(メタ)アクリル酸エステル系硬化物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に用いられるヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルキル基に置換基があってもよいヒドロキシアルキル(炭素数2〜12)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレン(炭素数2〜6)グリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、或いは上記化合物のラクトン(炭素数4〜8)変性品や、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレン(炭素数2〜6)オキサイド変性品などが挙げられる。
ラクトン変性品としては、特に、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレートのヒドロキシル基に、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトンなどのラクトンが0.3〜10モル付加したものが挙げられる。
アルキレンオキサイド変性品としては、特に、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレートのヒドロキシル基に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどが0.5〜20モル付加したものが挙げられる。
【0008】
2つ以上の酸無水物基を有する酸無水物(B)としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0009】
エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)は分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を持つ(メタ)アクリレートであり、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテルや、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレートなどのビスフェノール型エポキシ基含有(メタ)アクリレート、3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレートのモノ(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート[例えば、ダイセル化学工業株式会社製のサイクロマーA200やサイクロマーM100等]などの脂環式エポキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、4−ヒドロキシブチルアクリレートのグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0010】
本発明の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の製造方法においては、上記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A)のヒドロキシル基と分子内に2つ以上の酸無水物基を有する酸無水物(B)の酸無水物基を反応(1段目の反応)させてエステルを形成させた後、該酸無水物基から生じたカルボキシル基とエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)のエポキシ基とを反応(2段目の反応)させる。
【0011】
1段目の反応において、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A)と酸無水物(B)の反応における仕込み割合は、酸無水物基に対してほぼ当量以上、好ましくは、1〜5当量である。1分子中に酸無水物基を二つ以上有する酸無水物(B)を使用する本発明においては、(B)1モルに対して(A)が1.9モル以上、好ましくは2モル以上である。1.9モルよりも小さいと、酸無水物の残存量が多く、次のエポキシ基含有アクリル酸エステルとの反応で生じるヒドロキシル基と残存の酸無水物が反応し、高分子量体が生成してしまうので、好ましくない[なお、本発明の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物において、(A)を希釈モノマーとして使用することもあるが、その場合は(B)に対して多量、例えば、10モル以上使用することもあり得る]。
また、2段目の反応においては、(C)は(B)から生じるカルボキシル基に対して0.1当量以上、好ましくは、1当量程度の比率で反応を行う。モル比が0.1未満では、得られた多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)が、十分な硬化性を発揮することができなくなるので、好ましくない[なお、本発明の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物において、(C)を希釈モノマーとして使用することもあるが、その場合は(B)から生じるカルボキシル基に対して多量、例えば、10モル以上使用することもあり得る]。
【0012】
1段目の反応において、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A)の(メタ)アクリロイル基の重合を防止するために、上記反応を、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジンp−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの重合禁止剤存在下で行うことが好ましい。
これらの重合禁止剤の添加量は1段目の反応において使用するヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A)に対して1〜10000(以下、重量基準)ppm、好ましくは、100〜5000ppm、さらに好ましくは、200〜1000ppm程度である。重合禁止剤の量がヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A)に対して1ppm未満であると十分な重合禁止効果が得られないことがあり、10000ppmを超えると生成物の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがある。1段目の反応において使用された上記重合禁止剤は2段目の反応においても有効に作用する。
同様の理由から、本反応は1段目、2段目とも分子状酸素含有ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素濃度は安全面を考慮して適宜選択される。
【0013】
酸無水物(B)とヒドロキシル基含有アクリル酸エステル(A)の反応[1段目の反応]及び、それによって生成したカルボキシル基含有化合物とエポキシ基含有アクリル酸エステル(C)の反応[2段目の反応]においては、無触媒でも進行するが、十分な反応速度を得るために、触媒を用いて行うことが好ましい。
酸無水物(B)とヒドロキシル基含有アクリル酸エステル(A)の反応[1段目の反応]における触媒としては、モノブチルスズ トリス(2−エチルヘキサノエート)(MBTTEH)、ジラウリン酸ジブチルスズ等のスズ含有化合物;トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルイミダゾール、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン等の塩基性化合物;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩;その他の酸やアルカリ等公知の触媒が挙げられる。触媒の添加量は、ヒドロキシル基含有アクリル酸エステル(A)に対して0.01〜5.0(以下、重量基準)%である。好ましくは0.05〜2.0%である。0.01%より少ない場合には十分な反応速度が得られないことがあり、5.0%より多く加えると生成物の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがあるので、好ましくない。
【0014】
1段目の反応における反応温度は、一般的には60〜130℃、好ましくは80〜120℃である。60℃より低いと実用上十分な反応速度が得られないことがあり、130℃より高いと熱によるラジカル重合によって二重結合部が架橋し、ゲル化物を生じることがある。
(B)成分である酸無水物はほとんどのものが固体であるので、1段目の反応においては、不活性な有機溶剤を使用することも考えられるが、酸無水物は有機溶剤に溶けない場合が多い。しかしながら、(A)成分と反応しながら均一になっていくので、使用しなくても差し支えはない。
【0015】
1段目の反応で生成したカルボキシル基とエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)の反応[2段目の反応]における触媒としては、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン類、トリメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルアンモニウムブロマイドなどの第4級アンモニウム塩類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、オクテン酸クロム、オクテン酸コバルト、ナフテン酸クロムなどの有機金属塩類が挙げられる。触媒の添加量は、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)に対して0.01〜5.0(以下、重量基準)%である。好ましくは0.05〜2.0%である。0.01%より少ない場合には十分な反応速度が得られないことがあり、5.0%より多く加えると生成物の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0016】
2段目の反応における反応温度は、一般的には60〜130℃、好ましくは80〜120℃である。60℃より低いと実用上十分な反応速度が得られないことがあり、130℃より高いと熱によるラジカル重合によって二重結合部が架橋し、ゲル化物を生じることがある。
反応は、通常、得られる多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)の酸価が10mgKOH/g以下、好ましくは、3mgKOH/g以下、オキシラン酸素濃度が1%以下、好ましくは、0.3%以下になるまで行う。酸価、オキシラン酸素濃度はともに滴定法等で分析しながら行う。
【0017】
本発明の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物は、上記で得られる多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)を必須の硬化性成分として含有するものである。
この樹脂組成物を電子線照射により硬化させる際には、必ずしも光重合開始剤を用いる必要はないが、紫外線照射により硬化させる時は、光重合開始剤を配合することが好ましい。光重合開始剤としては、1−ヒドロキシルシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシル2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシル2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシル2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシルエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシル2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシルベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノンなどが挙げられる。この光重合開始剤の配合量は、組成物全体に対して1〜10重量%、好ましくは、1〜5重量%、さらに好ましくは、3重量%程度である。1重量%未満では硬化速度が遅く、逆に10重量%を超える量を使用しても硬化速度の向上はみられず、硬化物の物性を損なうので好ましくない。
【0018】
本発明の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物は、上記多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)に(D)以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物(E)を配合することが好ましい。(D)以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物(E)としては特に限定されず、公知の(メタ)アクリロイル基を含有するモノマーや(メタ)アクリロイル基を含有するオリゴマーが使用できる。
(メタ)アクリロイル基を含有するモノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシルエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの6モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のヘキサ(メタ)アクリレートなどの一官能ないし多官能モノマーが挙げられ、これらの二種以上の混合物でもよい。
(メタ)アクリロイル基を含有するオリゴマーとしては、代表的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの二種以上の混合物でもよい。
(D)以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物(E)は、(メタ)アクリロイル基を含有するモノマーと(メタ)アクリロイル基を含有するオリゴマーの混合物でもよい。
【0019】
(D)以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物(E)の配合量は前記の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)100重量部に対して1〜1000重量部、好ましくは1〜500重量部、さらに好ましくは1〜100重量部である。1重量部より少ないと溶剤としても添加する意味がなく、1000重量部より多くなると前記の多官能(メタ)アクリル酸エステル(D)を用いることによる特徴が出なくなる。
【0020】
本発明においては、必要に応じて粘度調整などのために、有機溶剤などを添加することも可能である。このような有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族系溶剤;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤;イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。この有機溶剤の配合量は、樹脂組成物100重量部に対して0〜70重量重量部が好ましい。
【0021】
また、この活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物には、このほかの種々の添加剤を配合することができる。この様な添加剤としては、例えば、フィラー、染顔料、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、増感剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤などが挙げられる。これらの添加物の添加量は樹脂組成物に対して0〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
なお、必要に応じて、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に通常用いられる種々のエポキシ樹脂を配合することもできる。
【0022】
上記活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物は、これを被塗布物に塗布などにより適用した後、紫外線または電子線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化させる。
紫外線照射を行う時の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯などが用いられる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件により異なるが、長くとも数十秒であり、通常は数秒である。紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
電子線照射の場合は、50〜1,000KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜5Mradの照射量とすることが好ましい。通常、ランプ出力80〜300W/cm程度の照射源が用いられる。
硬化塗膜の厚さは通常、50〜300μm程度である。
【0023】
被塗布物としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂などのプラスチックスおよび前記プラスチックスに金属蒸着を行ったもの、木材、金属板、紙等が挙げられる。
【0024】
本発明の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物の用途としては、塗料、コーティング剤、接着剤、インキ、レジスト材料等が挙げられ、各種建築材料、家具、印刷紙、缶製品、家庭用電気製品、DVD用途、電子材料等の分野において使用される。
本発明の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステル樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、特に柔軟性、強じん性および各種基材に対する密着性に優れている。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成用原料として用いたものの製品名、分析値などを下記に示す。
PMDA:ダイセル化学工業製、無水ピロメリット酸
BTDA:ダイセル化学工業製、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
ODPA:ダイセル化学工業製、4,4’−オキシジフタル酸二無水物
AP−400:日本油脂製、ポリプロピレングリコール(MW=400)モノアクリレート(OH価約115mgKOH/g)
PE−200:日本油脂製、ポリエチレンレングリコール(MW=200)モノメタクリレート(OH価約195mgKOH/g)
プラクセルFA2D:ダイセル化学工業製、カプロラクトン2モル変性2−ヒドロキシエチルアクリレート(OH価約162mgKOH/g)
プラクセルFM1:ダイセル化学工業製、カプロラクトン1モル変性2−ヒドロキシエチルメタクリレート(OH価約230mgKOH/g)
4−HBAGE:日本化成製、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル
GMA:日本油脂製、グリシジルメタクリレート(ブレンマーGMA)
A200:ダイセル化学工業製、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(サイクロマーA200)
エピコート828:ジャパンエポキシ製、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量 187.0g/eq)
D.E.N431:ダウケミカル製、エポキシノボラック樹脂(エポキシ当量=174.6g/eq)
MBTTEH:モノブチルスズ−トリス(2−エチルヘキサノエート)
【0026】
(実施例1)
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた2Lフラスコに(B)成分としてPMDAを136.8g、(A)成分としてAP−400を612.3g、MBTTEHを0.4g、ハイドロキノンを1gを加え、110℃に昇温して反応させた。液がクリアになった後、1時間毎に酸価を測定し、酸価が94mgKOH/gとなった時点でオクテン酸クロムを1.5g加え、発熱に注意しながら、110℃の状態で、(C)成分として4−HBAGEを250.9gを徐々に滴下し、滴下終了後、酸価が2mgKOH/g以下、かつ、オキシラン酸素濃度が0.25%(重量%、以下同じ)以下になるまで反応を行ない、多官能アクリル酸エステル(D1)を得た。
【0027】
(実施例2)
(B)成分としてPMDAを182.6g、実施例1のAP−400の代わりに(A)成分としてPE−200を482.4g、(C)成分として4−HBAGEを335.0g用いた以外は、実施例1と同様に行って、多官能(メタ)アクリル酸エステル(D2)を得た。
【0028】
(実施例3)
(B)成分としてPMDAを166.4g、実施例1のAP−400の代わりに(A)成分としてFA2Dを528.2g、(C)成分として4−HBAGEを305.3g用いた以外は、実施例1と同様に行って、多官能アクリレート(D3)を得た。
【0029】
(実施例4)
(B)成分としてPMDAを220.2g、実施例1のAP−400の代わりに(A)成分としてFM1を492.9g、(C)成分として実施例1の4−HBAGEの代わりにGMAを286.9g用いた以外は、実施例1と同様に行って、多官能(メタ)アクリレート(D4)を得た。
【0030】
(実施例5)
(B)成分としてPMDAを182.6g、(A)成分としてFA2Dを579.6g、(C)成分としてGMAを237.9g用いた以外は、実施例1と同様に行って、多官能アクリレート(D5)を得た。
【0031】
(実施例6)
(B)成分としてPMDAを171.1g、(A)成分としてFA2Dを543.2g、(C)成分としてA200を285.7g用いた以外は、合成例1と同様に行って、多官能アクリレート(D6)を得た。
【0032】
(実施例7)
(B)成分としてBTDAを227.7g、(A)成分としてFA2Dを489.4g、(C)成分として4−HBAGEを282.9g用いた以外は、実施例1と同様に行って、多官能アクリレート(D7)を得た。
【0033】
(実施例8)
(B)成分としてODPAを221.1g、(A)成分としてFA2Dを493.6g、(C)成分として4−HBAGEを285.3g用いた以外は、実施例1と同様に行って、多官能(メタ)アクリレート(D8)を得た。
【0034】
(比較例1)
110℃に加熱した748.0gのエポキシ樹脂であるエピコート828に、オクテン酸クロムを1.55g(エポキシ樹脂及びアクリル酸重量総和の約1500ppm)及びハイドロキノンを1.04g(エポキシ樹脂及びアクリル酸重量総和の約1000ppm)を含むアクリル酸288gを発熱に注意しながら滴下し、滴下終了後2時間で酸価0.8mgKOH/g、オキシラン酸素濃度0.1%のビスフェノールA骨格を有するジアクリレート(R1)を得た。
【0035】
(比較例2)
主原料成分として、D.E.N431を698.4g(エポキシとして4モル)及びアクリル酸288g、用いた以外は、比較例1と同様に行って、ノボラック骨格を有する多官能アクリレート(R2)を得た。同アクリレートの酸価は0.8mgKOH/g、オキシラン酸素濃度は0.08%であった。
【0036】
上記実施例1〜8および比較例1〜2で得られた各多官能(メタ)アクリレートD1〜D8及びR1〜R2を用い、硬化性樹脂組成物を作成した。
硬化性樹脂組成物用原料として用いたものの略号などを下記に示す。
イルガキュア184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、光開始剤
イルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、光開始剤
EB350:ダイセル・ユーシービー製、シリコンアクリレート
OTA480:ダイセル・ユーシービー製、グリセリンプロポキシトリアクリレート
EB525:ダイセル・ユーシービー製、特殊ポリエステル樹脂
EB168:ダイセル・ユーシービー製、リン酸変性メタクリレート
上記硬化性樹脂組成物を使用して、下記の要領で硬化塗膜の柔軟性、密着性、強じん性を調べた。
[柔軟性、密着性]
以下の条件で作成した試験片について柔軟性、密着性を評価した。
各基材に膜厚10〜15μm(但し、実施例14のソルダーレジスト材料用では30〜35μm)になるように塗布した後、硬化させた試験片を作成した。硬化条件は、試験片と高圧水銀灯の距離を10cmとし、120W/cmの高圧水銀灯を用いて、コンベアスピード10m/minで1回照射である。
柔軟性は、厚さ0.25mmのアルミ板を基材とし、(JIS(1990)K5400 8.1に準じ)屈曲試験器を用い、心棒直径2mmでの折り曲げにより評価した。
密着性は、[JIS(1990)K 5400 8.5.2に準じる]碁盤目セロテープ剥離試験により評価した。
柔軟性の評価は、○:180°割れ無し、△:90°以上180°未満で割れあり、×:90°未満で割れあり、で示した。
密着性の評価は、○:極めて良好、△:良好、×:問題あり、で示した。
[強じん性]
以下の条件で作成したサンプル片の引張り試験による破断強度、弾性率で評価した。
膜厚100μmとなるようにガラス板上に塗布した後、ガラス板と高圧水銀灯の距離を10cmとし、ランプ出力120W/cmの高圧水銀灯を用いて、コンベアスピード10m/minで1回UV照射して、硬化塗膜を得た。硬化塗膜をガラス板から剥離し、試験片とした。評価結果は以下のように示した。
破断強度について、○:600kgf/cm超、△:300〜600kgf/cm、×:300kgf/m未満。
弾性率について、○:20000kgf/cm超、△:500〜20000kgf/m、×:500kgf/cm未満。
【0037】
(応用例1)
上記実施例および比較例で得られた各多官能(メタ)アクリル酸エステル(D1〜D8及び比較例で得られた各多官能アクリレートR1〜R2)100重量部およびイルガキュア184を3重量部配合し、基材に塗布し、UV硬化させ、塗膜を得た。評価結果を表1に示す。
【0038】
(応用例2)塗料、コーティング用途
上記実施例で得られた各多官能(メタ)アクリル酸エステル(D1〜D8)及び比較例で得られた各多官能アクリレート(R1〜R2)30重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)50重量部、フェノキシエチルアクリレート(PEA)20重量部、シリコンアクリレート(EB350)0.5重量部およびイルガキュア184を3重量部配合し、基材に塗布し、UV硬化させ、塗膜を得た。評価結果を表2に示す。
【0039】
(応用例3)インキ用途
上記実施例で得られた各多官能(メタ)アクリル酸エステル(D1〜D8)及び比較例で得られた各多官能アクリレート(R1〜R2)30重量部、グリセリンプロポキシトリアクリレート(OTA480)30重量部、特殊ポリエステル樹脂(EB525)20重量部、酸化チタン15重量部、分散剤5重量部およびイルガキュア184を3重量部配合し、基材に塗布し、UV硬化させ、塗膜を得た。評価結果を表3に示す。
【0040】
(応用例4)接着剤用途
上記実施例で得られた各多官能(メタ)アクリル酸エステル(D1〜D8)及び比較例で得られた各多官能アクリレート(R1〜R2)60重量部、フェノキシエチルアクリレート(PEA)30重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)10重量部、リン酸変性アクリレート(EB168)0.5重量部およびイルガキュア184を3重量部配合し、基材に塗布し、UV硬化させ、塗膜を得た。評価結果を表4に示す。
【0041】
(応用例5)ソルダーレジスト材料用途
上記実施例で得られた各多官能(メタ)アクリル酸エステル(D1〜D8)及び比較例で得られた各多官能アクリレート(R1〜R2)10重量部、“サイクロマーP(ACA)250”[特許2763775に記載されている方法で製造された側鎖として酸基を有するアクリル共重合体の酸基に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートを付加した硬化性樹脂、ダイセル化学工業製]を50重量部、D.E.N.431(ダウケミカル製エポキシノボラック樹脂)を10重量部、G7(和光純薬製フタロシアニングリーン)を0.5重量部、タルク20重量部、BDGA(ブチルジグリコールアセテート)を10重量部、イルガキュア907を3重量部およびITX(イソプロピルチオキサントン)1重量部を配合し、各基材に塗布し、UVで硬化させた後、150℃で30分間オーブンに入れて塗膜を得た。評価結果を表5に示す。
【0042】
表1〜5において、略号は下記の通りであり、配合量は重量部である。
Irg184:チバスペシャルティーケミカルズ製、イルガキュア184
Irg907:チバスペシャルティーケミカルズ製、イルガキュア907
PC板:ポリカーボネート板
処理PET:コロナ放電処理したポリエチレンテレフタレート製の板
【0043】
【表1】


【0044】
【表2】


【0045】
【表3】


【0046】
【表4】


【0047】
【表5】


【0048】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリル酸エステルおよびその組成物を使用して得られる硬化塗膜や接着層は、柔軟性、強じん性、密着性に優れる。
【出願人】 【識別番号】592019589
【氏名又は名称】ダイセル・ユーシービー株式会社
【出願日】 平成15年6月13日(2003.6.13)
【代理人】 【識別番号】100090491
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 良和

【公開番号】 特開2005−2064(P2005−2064A)
【公開日】 平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願番号】 特願2003−169203(P2003−169203)