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【発明の名称】 エレベータ用巻上機
【発明者】 【氏名】浦川 英彦
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【氏名】近藤 隆一
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【氏名】魚住 尚功
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【要約】 【課題】巻上機の軸受用オイルシール部からのグリース等の油漏れ対策として油切り構造を用いるとともに、この油切り構造の性能維持対策として防塵構造を兼ね備えたエレベータ用巻上機を得る。

【解決手段】巻上機の軸受用オイルシール7から流出した油が、ブレーキ制動面11に到達しないように油の流出経路の途中に油切り構造8を設けたものにおいて、油切り構造8の近傍に防塵対策12を施したものである。また、防塵対策として、油切り構造の近傍に、油に対する保護の強化を兼ねる防塵用のフェルトを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ用巻上機の軸受用オイルシールから流出した油が、ブレーキ制動面に到達しないように油の流出経路の途中に油切り構造を設けてなるエレベータ用巻上機において、前記油切り構造の近傍に防塵対策を施したことを特徴とするエレベータ用巻上機。
【請求項2】
防塵対策として、油切り構造の近傍に、油に対する保護の強化を兼ねる防塵用のフェルトを設けたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用巻上機。
【請求項3】
防塵対策として、油切り構造の近傍に、防塵用の接触シールを設けたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用巻上機。
【請求項4】
フェルトが吸収した油を排出側へ流出させるリップ構造を設けたことを特徴とする請求項2記載のエレベータ用巻上機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明はエレベータ用巻上機の油切り構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータ用巻上機においては、巻上機の軸受用オイルシール部から流出するグリース等の油漏れ対策として、その連続面に例えばブレーキ制動面等の油に対してもろい部分が存在する場合、ブレーキ制動面に到達しないように油の流出経路の途中に油切り構造を設け、その保護を行う。油切り構造とは油を排出側へ流出させることにより連続面上へ油が付着することを妨げる構造を指す。この油切り構造は形状により効果が決定し、その形状を維持する限りその機能を維持できるという長所がある。従来のエレベータ用巻上機の油切り構造の一例としては、グリース等の油の流出経路上に油切り溝を設け、例えばブレーキ制動面への油の付着を妨げていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−63933号公報(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のエレベータ用巻上機の油切り構造では、その形状を維持する限りその機能を発揮するが、その反面、形状が変化するとその機能が全く損なわれる。例えば、異物の付着等がその例である。
図4は従来のエレベータ用巻上機の下半分を示す断面図、図5はその部分詳細図である。図において、エレベータ用巻上機は、軸1、軸受2、ロープ溝3aを有する綱車3、ステータ4、磁石5、グリース等の軸受油6、及び軸受2に対しグリース等の軸受油6を保持するためのオイルシール7等を備えている。そして、このオイルシール7より流出した油は、綱車3等の内面を通り、その連続面上にあるブレーキ制動面11に到達し、制動力を低下させる可能性がある。そこで、通常はその間に位置する綱車3等の内壁面に油切り溝8等の油切り構造を設け、ブレーキ制動面11への油の付着を防止している。
この防塵機能を持たない従来の油切り構造では、図5に示すように、油切り溝8に付着した油によって異物が付着し易くなり、油切り溝8を短絡するほどの大きさの異物10が付着した場合には油切りの機能を損なうという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、巻上機の軸受用オイルシール部からのグリース等の油漏れ対策として油切り構造を用いるとともに、この油切り構造の性能維持対策として防塵構造を兼ね備えたエレベータ用巻上機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータ用巻上機は、巻上機の軸受用オイルシールから流出した油が、ブレーキ制動面に到達しないように油の流出経路の途中に油切り構造を設けてなるものにおいて、油切り構造の近傍に防塵対策を施したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は以上説明したように、巻上機の軸受用オイルシールから流出した油が、ブレーキ制動面に到達しないように油の流出経路の途中に油切り構造を設けてなるものにおいて、油切り構造の近傍に防塵対策を施したので、油切り構造を短絡する大きさの異物が付着することがなく、油切り機能が損なわれることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用巻上機の下半分を示す断面図である。
図1において、エレベータ用巻上機は、軸1、軸受2、ロープ溝3aを有する綱車3、ステータ4、磁石5、グリース等の軸受油6、及び軸受2に対しグリース等の軸受油6を保持するためのオイルシール7等を備えている。そして、このオイルシール7より流出した油は、綱車3等の内面を通り、その連続面上にあるブレーキ制動面11に到達し、制動力を低下させる可能性がある。そこで、通常はその間に位置する綱車3等の内壁面に油切り溝8等の油切り構造を設け、ブレーキ制動面11への油の付着を防止している。この実施の形態1では、更に、油切り構造8の近傍に、油に対する保護の強化を兼ねる防塵用のフェルト片12を固定ねじ13により設けることにより、油切り構造8の防塵対策を施している。
【0009】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2におけるエレベータ用巻上機の下半分を示す断面図である。
図2において、実施の形態1と同一又は相当部分に同一符号を付してあるので、説明を省略する。この実施の形態2では、油切り構造8の近傍に防塵用のフェルト片12を固定腕14の先端の挟持板15により設けることにより、油切り構造8の防塵対策を施している。また、挟持板15の下端部に防塵用のフェルト片12に保持可能な量以上の油が吸収・含浸され、ブレーキ制動面11へ流出するのを防止する舌片16からなるリップ構造としている。
【0010】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3におけるエレベータ用巻上機の下半分を示す断面図である。
図3において、実施の形態1と同一又は相当部分に同一符号を付してあるので、説明を省略する。この実施の形態3では、油切り構造8の近傍に防塵用の接触シール17を固定することにより、油切り構造8の防塵対策を施している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1におけるエレベータ用巻上機の下半分を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態2におけるエレベータ用巻上機の下半分を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態3におけるエレベータ用巻上機の下半分を示す断面図である。
【図4】従来のエレベータ用巻上機の下半分を示す断面図である。
【図5】従来のエレベータ用巻上機の部分詳細図である。
【符号の説明】
【0012】
1 軸
2 軸受
3 綱車
3a ロープ溝
4 ステータ
5 磁石
6 軸受油(グリース)
7 オイルシール
8 油切り溝(油切り構造)
9 油排出穴
10 異物
11 ブレーキ制動面
12 防塵用のフェルト片
13 固定ねじ
14 固定腕
15 挟持板
16 舌片(リップ構造)
17 接触シール
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号
【出願日】 平成15年12月5日(2003.12.5)
【代理人】 【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守

【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹

【公開番号】 特開2005−162464(P2005−162464A)
【公開日】 平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願番号】 特願2003−407413(P2003−407413)