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【発明の名称】 プリンタ及び印字位置検出センサの調整方法
【発明者】 【氏名】田畑 努
【住所又は居所】東京都渋谷区恵比寿4丁目9番10号 株式会社サトー内

【要約】 【課題】発光素子の光強度や受光素子の受光感度をさらに正確に調整可能として、製造段階における作業効率及びメインテナンス性に優れたプリンタを提供する。

【解決手段】このプリンタは、発光手段19aと、受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタ19bと、フォトトランジスタのコレクタ負荷を設定する設定手段23と、発光手段から照射される光の強度を設定する設定手段21及び22と、台紙又はシートの裏面において印字位置検知マークが付されていない領域から反射される光を受光したフォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るようにコレクタ負荷を順次変化させ、該電圧が所定の範囲に入らない場合に、発光手段から照射される光の強度を順次増加させながらコレクタ負荷を順次変化させるように設定手段21〜23を制御する制御手段とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルが剥離可能に貼り付けられ第1の面に印字位置検知マークが付された帯状の台紙、又は、第1の面に印字位置検知マークが付された帯状のシ−トを搬送して前記ラベル又は前記シ−トに印字を行うプリンタであって、
前記台紙又は前記シ−トの第1の面に光を照射する発光手段と、
前記発光手段から照射される光が前記台紙又は前記シ−トの第1の面に反射されて生じる反射光を受光して、受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタと、
前記フォトトランジスタのコレクタ負荷を設定する第1の設定手段と、
前記発光手段から照射される光の強度を設定する第2の設定手段と、
前記台紙又は前記シ−トの第1の面において前記印字位置検知マークが付されていない領域からの反射光を受光した前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るように前記コレクタ負荷を順次変化させ、該電圧が所定の範囲に入らない場合に、前記発光手段から照射される光の強度を順次増加させながら前記コレクタ負荷を順次変化させるように前記第1及び第2の設定手段を制御する制御手段と、
を具備するプリンタ。
【請求項2】
前記台紙又は前記シ−トの第1の面において前記印字位置検知マークが付されていない領域からの反射光を受光した前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入った場合に、前記制御手段が、前記台紙又は前記シ−トを搬送するように制御して、前記台紙又は前記シ−トの第1の面において前記印字位置検知マークが付されている領域からの反射光を受光した前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が第2の所定の範囲に入るか否かを判定し、該電圧が第2の所定の範囲に入らなかった場合に表示部にエラー表示を行う、請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
ラベルが剥離可能に貼り付けられた帯状の台紙、又は、帯状のシ−トを搬送して前記ラベル又は前記シ−トに印字を行うプリンタであって、
前記台紙又は前記シ−トの一方の面に光を照射する発光手段と、
前記発光手段から照射される光が前記台紙又は前記シ−トの他方の面に透過して生じる透過光を受光して、受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタと、
前記フォトトランジスタのコレクタ負荷を設定する第1の設定手段と、
前記発光手段から照射される光の強度を設定する第2の設定手段と、
前記台紙の前記ラベルが貼り付けられていない領域又は前記シ−トの光透過率が所定の値よりも大きい領域からの透過光を受光した前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るように前記コレクタ負荷を順次変化させ、該電圧が所定の範囲に入らない場合に、前記発光手段から照射される光の強度を順次増加させながら前記コレクタ負荷を順次変化させるように前記第1及び第2の設定手段を制御する制御手段と、
を具備するプリンタ。
【請求項4】
前記台紙の前記ラベルが貼り付けられていない領域又は前記シ−トの光透過率が所定の値よりも大きい領域からの透過光を受光した前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入った場合に、前記制御手段が、前記台紙又は前記シ−トを搬送するように制御して、前記台紙の前記ラベルが貼り付けられている領域又は前記シ−トの光透過率が所定の値よりも小さい領域からの透過光を受光した前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が第2の所定の範囲に入るか否かを判定し、該電圧が第2の所定の範囲に入らなかった場合に表示部にエラー表示を行う、請求項3記載のプリンタ。
【請求項5】
前記発光手段が、発光ダイオードを含み、
前記第2の設定手段が、設定された基準電圧に基づいて前記発光ダイオードに定電流を供給する定電流回路を含む、
請求項1〜4のいずれか1項記載のプリンタ。
【請求項6】
ラベルが剥離可能に貼り付けられ第1の面に印字位置検知マークが付された帯状の台紙、又は、第1の面に印字位置検知マークが付された帯状のシ−トを搬送して前記ラベル又は前記シ−トに印字を行うプリンタにおいて、印字位置検出センサを調整する方法であって、
前記台紙又は前記シ−トの第1の面に光を照射する発光手段における光の強度を初期設定するステップ(a)と、
前記発光手段から照射される光が前記台紙又は前記シ−トの第1の面に反射されて生じる反射光を受光して受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタのコレクタ負荷を初期設定するステップ(b)と、
前記台紙又は前記シ−トの第1の面において前記印字位置検知マークが付されていない領域に向けて前記発光手段から光を照射すると共に、該領域からの反射光を前記フォトトランジスタに受光するステップ(c)と、
前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るように前記コレクタ負荷を順次変化させながらステップ(c)を繰り返すステップ(d)と、
前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入らない場合に、前記発光手段から照射される光の強度を順次増加させながらステップ(b)〜(d)を繰り返すステップ(e)と、
を具備する印字位置検出センサの調整方法。
【請求項7】
ラベルが剥離可能に貼り付けられた帯状の台紙、又は、帯状のシ−トを搬送して前記ラベル又は前記シ−トに印字を行うプリンタにおいて、印字位置検出センサを調整する方法であって、
前記台紙又は前記シ−トの一方の面に光を照射する発光手段における光の強度を初期設定するステップ(a)と、
前記発光手段から照射される光が前記台紙又は前記シ−トの他方の面に透過して生じる透過光を受光して受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタのコレクタ負荷を初期設定するステップ(b)と、
前記台紙の前記ラベルが貼り付けられていない領域領域又は前記シ−トの光透過率が所定の値よりも大きい領域に向けて前記発光手段から光を照射すると共に、該領域からの透過光を前記フォトトランジスタに受光するステップ(c)と、
前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るように前記コレクタ負荷を順次変化させながらステップ(c)を繰り返すステップ(d)と、
前記フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入らない場合に、前記発光手段から照射される光の強度を順次増加させながらステップ(b)〜(d)を繰り返すステップ(e)と、
を具備する印字位置検出センサの調整方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシートに印字を行うプリンタに関する。さらに、本発明は、そのようなプリンタにおいて、印字位置検出センサを調整する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ラベルプリンタにおいては、台紙(セパレータ)上にラベルが一定間隔で貼り付けられているラベルプリンタ用のラベルが用いられる。通常、台紙の裏面には、ラベルの位置や間隔を認識するために、印字位置検知マーク(アイマークとも呼ばれる)が設けられている。ラベルに印字を行う際には、印字位置を確定するために、ラベル搬送時に光反射センサによってアイマークを検知したり、光透過センサ(ギャップセンサ)によってラベルとラベルとの間の領域(台紙のみの部分)を検知することにより、ラベルの開始位置を検出する。このようなセンサにおいては、使用されるラベル及び台紙の種類や、発光素子の光強度や受光素子の受光感度のバラツキによって、センサの検出電圧が異なってくる。そのため、一般には、人手によってボリューム(可変抵抗器)を動かすことにより、光強度や受光感度が所定の範囲内となるように調節される。
【0003】
しかしながら、センサの光強度や受光感度を人手によって調整することは、生産効率が悪く、オペレータによって調整誤差が生じ易い。また、1つのラベルプリンタにおいて、用途に応じて様々な種類のラベルが使用されることがあるが、それらの種類により台紙の色が異なったり、表面に凹凸があったりして、反射光や透過光のレベルがそれぞれ異なるので、ラベルごとに再調整が必要になる場合がある。そのような作業に慣れていないユーザが調整を行うことは、非常に難しいという問題が生じている。
【0004】
関連する技術として、特許文献1には、種々のラベル紙に対して、ラベルと台紙とをより確実に判別することが可能なプリンタのラベル位置検出装置が開示されている。このラベル位置検出装置は、台紙に対する電圧値とラベルに対応する電圧値との差を所定値以上および最大値のいずれか一方に設定するために、照射光の光量を自動調節する光量調節手段(CPU)を備えている。CPUは、発光素子の発光量を32段階に変化させて、発光量を設定する各電圧データに対する台紙とラベルの受光データの値を比較演算することにより、両部分の差が最も大きいときの電圧データを探し当てる。
【0005】
また、特許文献2には、種々の用紙を使用する記録装置の用紙検知に関して調整を容易にしたラベルプリンタが開示されている。このラベルプリンタは、長尺ラベル用紙を搬送させてみて、まず先端部を検知し、その後記録装置で使用できるラベル最小長さのほぼ半分の量離れた位置のセンサ出力をラベル部分と判定し、さらにラベル用紙を搬送して、最も光が透過した時の出力を測定し、2つの出力値の平均値を比較基準レベルに自動設定する。
【特許文献1】特開平9−325008号公報(第1、4頁、図2)
【特許文献2】特開2003−170632号公報(第1、2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているように照射光の光量のみを自動調節したり、特許文献2に記載されているようにセンサ出力の基準レベルのみを自動設定するのでは、使用されるラベル及び台紙の種類に十分対応できない場合もある。そこで、本発明は、発光素子の光強度や受光素子の受光感度をさらに正確に調整可能として、製造段階における作業を効率化すると共に、使用されるラベルや台紙の種類、又は、タグ製造用シートの種類に幅広く対応可能なメインテナンス性に優れたプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係るプリンタは、ラベルが剥離可能に貼り付けられ第1の面に印字位置検知マークが付された帯状の台紙、又は、第1の面に印字位置検知マークが付された帯状のシ−トを搬送してラベル又はシ−トに印字を行うプリンタであって、台紙又はシ−トの第1の面に光を照射する発光手段と、発光手段から照射される光が台紙又はシ−トの第1の面に反射されて生じる反射光を受光して、受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタと、フォトトランジスタのコレクタ負荷を設定する第1の設定手段と、発光手段から照射される光の強度を設定する第2の設定手段と、台紙又はシ−トの第1の面において印字位置検知マークが付されていない領域からの反射光を受光したフォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るようにコレクタ負荷を順次変化させ、該電圧が所定の範囲に入らない場合に、発光手段から照射される光の強度を順次増加させながらコレクタ負荷を順次変化させるように第1及び第2の設定手段を制御する制御手段とを具備する。
【0008】
また、本発明の第2の観点に係るプリンタは、ラベルが剥離可能に貼り付けられた帯状の台紙、又は、帯状のシ−トを搬送してラベル又はシ−トに印字を行うプリンタであって、台紙又はシ−トの一方の面に光を照射する発光手段と、発光手段から照射される光が台紙又はシ−トの他方の面に透過して生じる透過光を受光して、受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタと、フォトトランジスタのコレクタ負荷を設定する第1の設定手段と、発光手段から照射される光の強度を設定する第2の設定手段と、台紙のラベルが貼り付けられていない領域又はシ−トの光透過率が所定の値よりも大きい領域からの透過光を受光したフォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るようにコレクタ負荷を順次変化させ、該電圧が所定の範囲に入らない場合に、発光手段から照射される光の強度を順次増加させながらコレクタ負荷を順次変化させるように第1及び第2の設定手段を制御する制御手段とを具備する。
【0009】
さらに、本発明の第1の観点に係る印字位置検出センサの調整方法は、ラベルが剥離可能に貼り付けられ第1の面に印字位置検知マークが付された帯状の台紙、又は、第1の面に印字位置検知マークが付された帯状のシ−トを搬送してラベル又はシ−トに印字を行うプリンタにおいて、印字位置検出センサを調整する方法であって、台紙又はシ−トの第1の面に光を照射する発光手段における光の強度を初期設定するステップ(a)と、発光手段から照射される光が台紙又はシ−トの第1の面に反射されて生じる反射光を受光して受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタのコレクタ負荷を初期設定するステップ(b)と、台紙又はシ−トの第1の面において印字位置検知マークが付されていない領域に向けて発光手段から光を照射すると共に、該領域からの反射光をフォトトランジスタに受光するステップ(c)と、フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るようにコレクタ負荷を順次変化させながらステップ(c)を繰り返すステップ(d)と、フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入らない場合に、発光手段から照射される光の強度を順次増加させながらステップ(b)〜(d)を繰り返すステップ(e)とを具備する。
【0010】
また、本発明の第2の観点に係る印字位置検出センサの調整方法は、ラベルが剥離可能に貼り付けられた帯状の台紙、又は、帯状のシ−トを搬送してラベル又はシ−トに印字を行うプリンタにおいて、印字位置検出センサを調整する方法であって、台紙又はシ−トの一方の面に光を照射する発光手段における光の強度を初期設定するステップ(a)と、発光手段から照射される光が台紙又はシ−トの他方の面に透過して生じる透過光を受光して受光された光の強度に対応するコレクタ電流を発生するフォトトランジスタのコレクタ負荷を初期設定するステップ(b)と、台紙のラベルが貼り付けられていない領域領域又はシ−トの光透過率が所定の値よりも大きい領域に向けて発光手段から光を照射すると共に、該領域からの透過光をフォトトランジスタに受光するステップ(c)と、フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入るようにコレクタ負荷を順次変化させながらステップ(c)を繰り返すステップ(d)と、フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧が所定の範囲に入らない場合に、発光手段から照射される光の強度を順次増加させながらステップ(b)〜(d)を繰り返すステップ(e)とを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発光素子の光強度や受光素子の受光感度をさらに正確に調整可能としたことにより、印字位置検出センサのバラツキや、台紙の光反射率又は台紙及びラベルの光透過率のバラツキや、タグ製造用シートの光透過率のバラツキや、印字位置検知マークの位置等の機械的寸法のバラツキに対して、常に最適なセンサレベルを確保することができるので、プリンタの品質を向上させることが可能となる。また、人手によるボリューム等の調整を行う必要がなくなるので、プリンタ製造段階における作業効率や、アフタサービスにおけるメインテナンス性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプリンタの主要構成を示す模式図であり、プリンタの筐体を取り外して、プリンタの内部構造を示している。本実施形態においては、台紙に仮着されたラベルに印字を行う場合を例にとって説明する。
【0013】
プリンタ10の供給リール14には、ラベル連続体13が巻かれている。ラベル連続体13は、ラベル11を剥離可能に台紙12に仮着して構成したものである。ラベル11としては、例えば、ある温度領域に達すると特定の色(例えば、黒や赤等)を発色するサーマル紙等が用いられる。
【0014】
ここで、図2を参照しながら、ラベル連続体13について説明する。
図2の(A)に示すように、ラベル連続体13において、ラベル11は、台紙12の表面に等間隔に配置されている。また、図2の(B)又は(C)に示すように、台紙12の裏面には、ラベル位置検出マーク(アイマーク)1が、各ラベル11の先端部又は後端部と重なる位置に印刷されている。アイマーク1は、光の反射特性が台紙12裏面の他の領域と異なっており、ラベル連続体13における印字開始位置の決定等に利用される。本実施形態においては、アイマーク1は、光反射率が周辺の領域よりも低くなるように、黒色のインク等によって印刷される。
【0015】
再び、図1を参照しながら、プリンタ10の構成について説明する。
ステッピングモータ16がベルト17を介してプラテンローラ15を回転させることにより、台紙12が図中右側から左側に搬送される。台紙12の搬送は、センサ19の検出結果に基づいて制御され、サーマルヘッド18がラベル11に印字を行う。センサ調整部20は、センサ19の光強度や受光感度の調整を行う。制御部30は、例えば、CPUとソフトウェアによって構成されており、各部の動作を制御する。表示部40は、制御部30から供給される信号に基づいて、エラー表示や各種の表示を行う。電源部50は各部に電力を供給する。
【0016】
図3は、図1に示すセンサ19及びセンサ調整部20の構成を示す回路図である。本実施形態においては、図2に示すような台紙12の裏面に印刷されたアイマーク1を用いてラベル位置を検出する。以下において、そのような方式を用いた印字位置検出センサのことを、アイマークセンサともいう。
【0017】
図3に示すように、センサ19は、設定された強度の光を台紙12の裏面に照射する発光ダイオード(LED)19aと、LED19aから照射され台紙12の裏面から反射された光を受光し、その強度に応じたコレクタ電流Iを発生するフォトトランジスタ(PTR)19bとを含んでいる。フォトトランジスタ(PTR)19bのコレクタ・エミッタ間電圧)VCEは、検出電圧として用いられる。
【0018】
また、センサ調整部20は、光強度切換部21と、定電流回路22と、検出電圧調整部23とを含んでいる。
光強度切換部21は、例えば、アナログスイッチ、電子ボリューム、又は、D/A変換器によって構成される。光強度切換部21には、複数種類の基準電圧REF1、REF2、・・・が供給されており、図1に示す制御部30から供給される制御信号S1に基づいて、これらの基準電圧REF1、REF2、・・・の内の1つが選択される。これにより、LEDの光強度が設定される。
【0019】
定電流回路22は、オペアンプ22aと、トランジスタ22bと、抵抗値Rを有する抵抗22cとを含んでおり、LED19aを定電流駆動する。LEDの光強度は電流に比例するので、LEDを定電流駆動することにより、光強度を安定させることができる。定電流回路22は、光強度切換部21によって選択された基準電圧に基づいて、LED19aに流れる電流を制御する。その電流値は、選択された基準電圧を抵抗値Rで割ったものとなる。
【0020】
検出電圧調整部23は、例えば、可変抵抗値Rを有する電子ボリュームによって構成されており、制御部30から供給される制御信号S2に基づいて可変抵抗値Rを変更する。これにより、PTR19bのコレクタ負荷が設定され、PTR19bのコレクタ・エミッタ間電圧(検出電圧)VCEが変化する。
【0021】
ラベル位置を検出する際には、定電流回路22がLED19aに電流を流すことによりLED19aを発光させ、LED19aから照射された光が台紙12の裏面に反射されてPTR19bに入射している状態で、PTR19bから出力される検出電圧VCEをモニタする。このような状態で、ラベル連続体13の搬送を開始する。台紙12の裏面のアイマーク1がセンサ19の検出位置に差し掛かると、照射光の反射率が低下するので、コレクタ電流Iが減少し、検出電圧VCEの値が上昇する。このようにして、ラベル連続体13におけるラベル11の開始位置又は終了位置を検出することができる。
【0022】
次に、本実施形態に係る印字位置検出センサ(アイマークセンサ)の調整方法について、図3〜図5を参照しながら説明する。
図4は、図3に示すPTR19bの静特性において、センサの動作直線(1)及び(4)と、台紙の反射光レベルを示す曲線(2)と、アイマークの反射光レベルを示す曲線(3)との関係を示している。図4において、縦軸はコレクタ電流Iを表し、横軸は検出電圧VCEを表している。ここで、センサの動作直線は、I=(VCC−VCE)/Rによって表される。また、動作直線(1)と台紙の反射光レベルを示す曲線(2)との交点の検出電圧Lowは、台紙の反射光を検出したときの電圧を表しており、動作直線(1)とアイマークの反射光レベルを示す曲線(3)との交点の検出電圧Highは、アイマークの反射光を検出したときの電圧を表している。
【0023】
図4の(A)及び(B)に示すように、PTR19bの静特性において、曲線(2)及び(3)の傾きが急激に変化するときの検出電圧VCEの値をAとする。また、電圧値Aよりも所定の値(又は所定の割合)だけ大きい値をBとする。検出電圧VCEが電圧値Aよりも小さい範囲においては、コレクタ電流Iの変化に対する検出電圧VCEの変化量が小さく、検出電圧VCEが電圧値Aよりも大きい範囲においては、コレクタ電流Iの変化に対する検出電圧VCEの変化量が大きい。このような特性を有するフォトトランジスタを用いて台紙及びアイマークについて検出を行う際には、コレクタ電流Iの変化に対する検出電圧VCEの変化量が大きい範囲を最大限に利用することが望ましい。
【0024】
具体的には、検出電圧VCEが電圧値A〜Bとなる範囲において、動作直線(1)が、台紙の反射光レベルを表す曲線(2)と交わるように、検出電圧調整部23の可変抵抗値Rを調節することが望ましい。その理由を、以下に詳しく説明する。
【0025】
図4の(A)に示すように台紙及びアイマークの反射光レベルが高い場合に、反射光をVCE<Aとなる範囲で検出すると(動作直線(4))、台紙の検出電圧Lowはあまり低下しないが、アイマークの検出電圧Highは大きく低下する。その結果、検出電圧Highと検出電圧Lowとの差が小さくなってしまう。
【0026】
一方、図4の(B)に示すように台紙及びアイマークの反射光レベルが低い場合に、反射光をVCE>Bとなる範囲で検出すると(動作直線(5)又は(6))、アイマークの検出電圧Highはあまり上昇しないが、台紙の検出電圧Lowは大きく上昇する。その結果、検出電圧Highと検出電圧Lowとの差が小さくなってしまう。
【0027】
このような理由から、本実施形態においては、十分な検出感度を得るために、A<V<Bの範囲で動作直線(1)と台紙の反射光レベルを表す曲線(2)とが交わるように、センサ19の調整を行う。
【0028】
図5は、本実施形態に係る印字位置検出センサの調整方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS10において、オペレータが、図3に示すように、アイマーク1がセンサ19の検出位置にかからないように、プリンタにラベル連続体13をセットする。その後、ステップS11から、アイマークセンサの自動調整が開始される。
【0029】
ステップS11において、光強度切換部21が、基準電圧REFを最小値に設定する。これにより、LED電流値ILEDが最小値に初期設定される。次に、ステップS12において、検出電圧調整部23が、可変抵抗値Rを最小値に初期設定する。このとき、図4の(B)において、センサの動作直線は、最も傾きの絶対値が大きい直線(5)となる。
【0030】
ステップS13において、制御部30が、センサ19から出力される検出電圧VCEが条件A<VCE<Bを満たすか否かを判定する。検出電圧VCEが上記条件を満たさない場合には、処理がステップS14に移行し、検出電圧VCEが上記条件を満たす場合には、処理がステップS19に移行する。
【0031】
ステップS14において、検出電圧調整部23が、制御部30の制御の下で、可変抵抗値Rを増加させる。その結果、センサ19の動作直線の傾きの絶対値が小さくなる(例えば、図4の(B)に示す直線(6))。ステップS15において、制御部30は、可変抵抗値Rが最大値であるか否かを判定し、可変抵抗値Rが最大値でない場合には、処理がステップS13に移行する。このようにして、制御部30は、可変抵抗値Rを徐々に増加させながら、検出電圧VCEが条件A<VCE<Bを満たすか否かを判定する。
【0032】
ステップS15において可変抵抗値Rが最大値に至った場合には、処理がステップS16に移行する。ステップS16において、制御部30は、光強度切換部21に基準電圧を切り換えさせ、LED電流値ILEDを増加させる。例えば、台紙12の裏面の光反射率が低い場合には、LED電流値ILEDを増加させて光強度を増加させることにより、条件A<VCE<Bを満たすようにすることができる。
【0033】
ステップS17において、制御部30は、LED電流値ILEDが最大値であるか否かを判定し、LED電流値ILEDが最大値でない場合には、処理がステップS12に移行する。このようにして、制御部30は、LED電流値ILEDを徐々に増加させながら、可変抵抗値Rを変化させて、検出電圧VCEが条件A<VCE<Bを満たすか否かを判定する。
【0034】
LED電流値ILEDが最大値に至った場合には、処理がステップS18に移行する。ステップS18において、制御部30が、アイマークセンサの自動調整においてエラーが生じたものと判定し、表示部にエラー表示を行う。なお、この場合には、ステップS12の初期設定の段階において、VCE<Aの状態、即ち、反射光レベルが高すぎる状態であったものと考えられる(図4の(A)に示す直線(4))。
【0035】
一方、ステップS13において、検出電圧VCEが条件A<VCE<Bを満たすと判定された場合には、ステップS19において、制御部30が、各部を制御することにより、ラベル連続体13の搬送を開始させる。ステップS20において、ラベル連続体13のアイマーク1がセンサ19の検出位置に差し掛かると、検出電圧VCEのピーク値(アイマークレベル)が検知される。
【0036】
ステップS21において、制御部30は、アイマークレベルが規定範囲内であるか否かを判定する。アイマークレベルが規定範囲内であると判定された場合には、処理がステップS22に移行して、制御部30が、ラベル連続体13の搬送を停止させ、アイマークセンサの自動調整を終了させる。一方、アイマークレベルが規定範囲内でないと判定された場合には、処理がステップS18に移行して、制御部30が、アイマークセンサの自動調整においてエラーが生じたものと判定し、表示部にエラー表示を行う。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態に係るプリンタについて、図6及び図7を参照しながら説明する。本実施形態に係るプリンタは、図1及び図3に示す第1の実施形態におけるセンサ19の替わりに、図6及び図7に示すセンサ60を有している。その他の構成については、第1の実施形態と同様である。
【0038】
本実施形態に係るプリンタにおいては、図2に示すラベル連続体13におけるラベル11が配置されていない領域(ギャップ)を利用してラベル位置の検出を行う。以下において、そのような方式を用いた印字位置検出センサのことを、ギャップセンサともいう。
【0039】
図7に示すように、センサ60は、所定光量の光を台紙12に向けて照射する発光ダイオード(LED)60aと、LED60aから発生し、ラベル連続体13を透過した光を受光し、その光量に応じた検出信号を出力するフォトトランジスタ(PTR)60bとを含んでいる。LED60a及びPTR60bの動作は、第1の実施形態におけるLED19a及びPTR19bの動作と同様である。
【0040】
次に、本実施形態に係る印字位置検出センサ(ギャップセンサ)の調整方法について、図7及び図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る印字位置検出センサの調整方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS30において、オペレータが、図7に示すように、台紙のみの領域がセンサ60の検出位置にかかるように、プリンタにラベル連続体13をセットする。なお、タグ製造用の帯状のシートに印字を行う場合には、光透過率が所定の値よりも大きい領域がセンサ60の検出位置にかかるように、プリンタに帯状のシートをセットする。その後、ステップS31から、ギャップセンサの自動調整が開始される。
【0041】
ステップS31において、光強度切換部21が、基準電圧REFを最小値に設定する。これにより、LED電流値ILEDが最小値に初期設定される。次に、ステップS32において、検出電圧調整部23が、可変抵抗値Rを最小値に初期設定する。
【0042】
ステップS33において、制御部30が、センサ60から出力される検出電圧VCEが条件A<VCE<Bを満たすか否かを判定する。検出電圧VCEが上記条件を満たさない場合には、処理がステップS34に移行し、検出電圧VCEが上記条件を満たす場合には、処理がステップS39に移行する。
【0043】
ステップS34において、検出電圧調整部23が、制御部30の制御の下で、可変抵抗値Rを増加させる。その結果、センサ60の動作直線の傾きの絶対値が小さくなる(例えば、図4の(B)に示す直線(6))。ステップS35において、制御部30は、可変抵抗値Rが最大値であるか否かを判定し、可変抵抗値Rが最大値でない場合には、処理がステップS33に移行する。このようにして、制御部30は、可変抵抗値Rを徐々に増加させながら、検出電圧VCEが条件A<VCE<Bを満たすか否かを判定する。
【0044】
ステップS35において可変抵抗値Rが最大値に至った場合には、処理がステップS36に移行する。ステップS36において、制御部30は、光強度切換部21に基準電圧を切り換えさせ、LED電流値ILEDを増加させる。例えば、台紙12の光透過率が低い場合には、LED電流値ILEDを増加させて光強度を増加させることにより、条件A<VCE<Bを満たすようにすることができる。
【0045】
ステップS37において、制御部30は、LED電流値ILEDが最大値であるか否かを判定し、LED電流値ILEDが最大値でない場合には、処理がステップS32に移行する。このようにして、制御部30は、LED電流値ILEDを徐々に増加させながら、可変抵抗値Rを変化させて、検出電圧VCEが条件A<VCE<Bを満たすか否かを判定する。
【0046】
LED電流値ILEDが最大値に至った場合には、処理がステップS38に移行する。ステップS38において、制御部30が、アイマークセンサの自動調整においてエラーが生じたものと判定し、表示部にエラー表示を行う。
【0047】
一方、ステップS33において、検出電圧VCEが条件A<VCE<Bを満たすと判定された場合には、ステップS39において、制御部30が、各部を制御することにより、ラベル連続体13を、例えば10mm搬送させる。ここでは、ラベル11間のギャップの長さは10mm以下であり、ラベル11の長さは10mm以上であると仮定している。ステップS40において、ラベル連続体13のラベル11がセンサ60の検出位置に差し掛かると、検出電圧VCEのピーク値(台紙+ラベルの透過光レベル)が検知される。なお、タグ製造用の帯状のシートに印字を行う場合には、光透過率が所定の値よりも小さい領域がセンサ60の検出位置に差し掛かるように、帯状のシートを搬送する。
【0048】
ステップS41において、制御部30は、台紙+ラベルの透過光レベルが規定範囲内であるか否かを判定する。台紙+ラベルの透過光レベルが規定範囲内であると判定された場合には、処理がステップS42に移行して、制御部30が、ラベル連続体13の搬送を停止させ、アイマークセンサの自動調整を終了させる。一方、アイマークレベルが規定範囲内でないと判定された場合には、処理がステップS38に移行して、制御部30が、アイマークセンサの自動調整においてエラーが生じたものと判定し、表示部にエラー表示を行う。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシートに印字を行うプリンタにおいて利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンタの主要構成を示す模式図である。
【図2】図1に示すラベル連続体を示す平面図である。
【図3】図1に示すセンサ及びセンサ調整部の構成を示す回路図である。
【図4】PTRの静特性と、ラベル連続体の反射光レベルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る印字位置検出センサの調整方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るプリンタの主要構成を示す模式図である。
【図7】図6に示すセンサ及びセンサ調整部の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る印字位置検出センサの調整方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1 印字位置検知マーク(アイマーク)
10 プリンタ
11 ラベル
12 台紙
13 ラベル連続体
14 供給リール
15 プラテンローラ
16 ステッピングモータ
17 ベルト
18 サーマルヘッド
19、60 センサ
19a、60a 発光ダイオード(LED)
19b、60bフォトトランジスタ(PTR)
20 センサ調整部
21 光強度切換部
22 定電流回路
22a オペアンプ
22b トランジスタ
22c 抵抗
23 検出電圧調整部
30 制御部
40 表示部
50 電源部
【出願人】 【識別番号】000130581
【氏名又は名称】株式会社サトー
【住所又は居所】東京都渋谷区恵比寿4丁目9番10号
【出願日】 平成16年3月31日(2004.3.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−288906(P2005−288906A)
【公開日】 平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願番号】 特願2004−107687(P2004−107687)