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【発明の名称】 チューブ、液体噴射装置
【発明者】 【氏名】小林 淳
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン 株式会社内

【氏名】熊谷 利雄
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン 株式会社内

【氏名】征矢 靖
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン 株式会社内

【氏名】竹村 正範
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン 株式会社内

【要約】 【課題】ガスバリア性を有しながらも成形後収縮の少ないチューブ、液体噴射装置を提供する。

【解決手段】インク供給チューブ14は、ガスバリア性を有するエラストマから形成される可撓性部材20とフィルム部材21とを備えている。インク供給チューブ14は、可撓性部材20を射出成形により成形後に可撓性部材20のみ高温アニール処理し、可撓性部材20の残り収縮率を1.0%以内にしてからフィルム部材21と熱溶着することによって形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバリア性を有するエラストマからなり射出成形される可撓性部材と、可撓性部材と異種材料にて形成されるフィルム部材とを互いに固着して形成されるチューブであって、
前記可撓性部材は、成形後収縮率が5.0%以内である材料から形成されることを特徴とするチューブ。
【請求項2】
請求項1に記載のチューブにおいて、
前記可撓性部材は、前記フィルム部材と固着される前に高温アニール処理されることを特徴とするチューブ。
【請求項3】
請求項2に記載のチューブにおいて、
前記可撓性部材は、前記フィルム部材と固着される前に残り収縮率が1.0%以内になるまで高温アニール処理されることを特徴とするチューブ。
【請求項4】
液体を貯留する液体貯留手段と、一方向に往復移動するキャリッジと、前記キャリッジに設けられ前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体貯留手段の前記液体を前記液体噴射ヘッドへ供給するための液体供給チューブとを備えた液体噴射装置において、
前記液体供給チューブは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のチューブであることを特徴とする液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ、液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体噴射装置の1つとして、インクジェット記録装置が広く知られている。このインクジェット記録装置には、インクカートリッジ内に設けられたインク収容体を、インク供給チューブを介してキャリッジの下面に備えられた記録ヘッドに接続するいわゆるオフキャリッジタイプがある。このオフキャリッジタイプでは、インクカートリッジ内に加圧ポンプ等により加圧空気を送り込むことによって、インク収容体を加圧していた。インク収容体はこの加圧を受けて、インク収容体に貯留されているインクを、ポリエチレン等から形成されるインク供給チューブを介して記録ヘッドに向けて圧送していた。これによって記録ヘッドにはインクが供給され、この供給されたインクを、往復移動されるキャリッジに搭載された記録ヘッドのノズル開口からインク滴として記録紙に吐出させて記録するようになっていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、インクジェット式記録装置において、装置全体の小型化が要求されている。そのため、エラストマ等の可撓性を有する材質でインク供給チューブを形成し、キャリッジの往復移動に伴って深く折り曲げることにより引き回しのスペースを低減していた。一方、インク供給チューブは、インク中の水分の蒸発や、外気がインク供給チューブ内のインクに溶解することによる脱気度の低下を防止する必要がある。そのため、インク供給チューブは、ガスバリア性を有するエラストマを用い、さらにそのエラストマにアルミニウム等のガスバリア性を有するフィルムを熱溶着することにより、可撓性を有しながらもガスバリア性を有するものとなっていた。
【特許文献1】特開2001−212974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のインク供給チューブは、一般に射出成形によって形成されるが、ガスバリア性を有するエラストマにおいては、射出成形後の収縮率が大きくなっていた。そのため、時間が経つにつれてフィルムの長さに対してエラストマの長さが短くなり、その結果、インク供給チューブに反りが生じていた。そして、インク供給チューブが反ることにより、キャリッジが傾いて記録ヘッドと印刷媒体の距離が変化したり、インク供給チューブが他の部品に接触したりして、印字品質に悪影響を及ぼしていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、ガスバリア性を有しながらも成形後収縮の少ないチューブ、液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、本発明のチューブは、ガスバリア性を有するエラストマからなり射出成形される可撓性部材と、可撓性部材と異種材料にて形成されるフィルム部材とを互いに固着して形成されるチューブであって、前記可撓性部材は、成形後収縮率が5.0%以内である材料から形成される。
【0007】
この発明によれば、可撓性部材は成形後収縮率が5.0%以内であるため、チューブはガスバリア性を有しながらも成形後収縮が少ない。
本発明のチューブは、前記可撓性部材は、前記フィルム部材と固着される前に高温アニール処理される。
【0008】
この発明によれば、可撓性部材はフィルム部材と固着される前に高温アニール処理されるので、例えば可撓性部材の射出成形後の残留応力を除去することができる。この結果、可撓性部材が収縮しないので、可撓性部材にフィルム部材を固着した後にチューブが反るのを防ぐことができる。
【0009】
本発明のチューブは、前記可撓性部材は、前記フィルム部材と固着される前に残り収縮率が1.0%以内になるまで高温アニール処理される。
この発明によれば、可撓性部材は残り収縮率が1.0%以内になるまで高温アニール処理される。この結果、例えば、チューブが高温アニール処理後に収縮しても、その収縮量は無視できる量である。従って、可撓性部材にフィルム部材を固着した後に可撓性部材が収縮することによってチューブが反るのを防ぐことができる。また、高温アニール処理の時間を短縮することができる。
【0010】
本発明の液体噴射装置は、液体を貯留する液体貯留手段と、一方向に往復移動するキャリッジと、前記キャリッジに設けられ前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体貯留手段の前記液体を前記液体噴射ヘッドへ供給するための液体供給チューブとを備えた液体噴射装置において、前記液体供給チューブは、上記に記載のチューブである。
【0011】
この発明によれば、液体噴射装置は、液体を貯留する液体貯留手段と、一方向に往復移動するキャリッジと、キャリッジに設けられ液体を噴射する液体噴射ヘッドと、液体貯留手段の液体を液体噴射ヘッドへ供給するための前述の液体供給チューブとを備えた。この結果、例えば、液体供給チューブが高温アニール処理後に収縮してキャリッジが傾いたとしても、その傾きは無視できる量である。従って、液体噴射ヘッドと記録媒体との距離がほぼ一定となり、液体噴射の品質を一定にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。図1は本実施形態の液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(以下、プリンタ1という)の斜視図、図2はプリンタ1の要部斜視図である。図3は、プリンタ1に備えられるインクカートリッジ7の断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態のプリンタ1は、インクジェット式であり、フレーム2を備えている。そして、プリンタ1はそのフレーム2内に、ガイド部材3、キャリッジ4、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド5、バルブユニット6、液体貯留手段としてのインクカートリッジ7、空気加圧ポンプ8を備えている。フレーム2は、略直方体形状の箱体であり、その前面には、カートリッジホルダ2aが形成されている。
【0014】
ガイド部材3は、図2に示すように、棒状に形成され、フレーム2内に架設されている。なお、本実施形態においては、ガイド部材3の架設されている方向を主走査方向というものとする。キャリッジ4は、ガイド部材3に対して相対移動可能に貫挿されており、主走査方向に往復移動可能となっている。そして、キャリッジ4は、タイミングベルト(図示しない)を介してキャリッジモータ(図示しない)に接続されている。キャリッジモータはフレーム2に支持されており、キャリッジモータが駆動されることによりタイミングベルトを介してキャリッジ4が駆動され、キャリッジ4がガイド部材3に沿って、すなわち、主走査方向に往復移動される。
【0015】
一方、記録ヘッド5は、キャリッジ4の下面に設けられており、液体としてのインクを噴射させるための複数のノズル(図示しない)を備えている。バルブユニット6は、キャリッジ4上に搭載されており、一時貯留したインクを、圧力を調整した状態で前記記録ヘ
ッド5へと供給するようになっている。
【0016】
なお、本実施形態においては、バルブユニット6は、1つあたり2種類のインクを圧力調整した状態で、個別に記録ヘッド5へと供給できるようになっている。そして、本実施形態においては、バルブユニット6は計3つ設けられており、6つのインクの色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ライトマゼンタ、ライトシアン)に対応している。
【0017】
さらに、記録ヘッド5の下方には、プラテン(図示しない)が設けられており、このプラテンは、紙送り手段(図示しない)によって、主走査方向と直交する副走査方向に紙送りされる記録媒体Pを支持する。
【0018】
図1に示すように、インクカートリッジ7は、カートリッジホルダ2aに対して着脱可能に収容されており、上述したインクの色に対応して6個具備されている。
このインクカートリッジ7は、図3に示すように、カートリッジケース9内にインクパック10を備えている。インクパック10は、インクを貯留する袋部11と導出部12を備え、袋部11にはインクが封入され、その封入されたインクが導出部12から導出される。なお、このとき、インクパック10は、導出部12の一部がカートリッジケース9から露出した状態でセットされ、それ以外の部分がカートリッジケース9内に気密状態となるようにして収納される。そして、カートリッジケース9には、カートリッジケース9とインクパック10との間に形成される隙間Sに連通するように、図示しない空気導入口が設けられている。このように構成することによって、空気導入口から空気を流入させることにより、隙間Sにおける圧力を上昇させ、インクパック10を押し潰すような力を発生させることが可能となっている。
【0019】
一方、インクパック10の導出部12は、インクの色毎に設けられた液体供給チューブとしてのインク供給チューブ14(図2参照)を介して、バルブユニット6に接続されている。このバルブユニット6は、上述したように記録ヘッド5に接続されている。このように構成することによって、インクパック10内のインクは、インク供給チューブ14を介して、バルブユニット6に対して供給されるようになっている。
【0020】
また、図1に示すように、空気加圧ポンプ8は、フレーム2の背面側に固定されている。そして、空気加圧ポンプ8は、大気を吸引して、吸引した大気を加圧空気として排出する。また、空気加圧ポンプ8は、6本の図示しないエアチューブを介して、対応するインクカートリッジ7の空気導入口にそれぞれ接続されている。このように構成することによって、空気加圧ポンプ8にて加圧された空気は、エアチューブを介してインクカートリッジ7の隙間Sに導入される。
【0021】
従って、例えば、空気加圧ポンプ8から隙間Sに加圧空気が流入され、各インクカートリッジ7のインクパック10が加圧されると、同インクパック10内のインクは、バルブユニット6に供給される。そして、バルブユニット6に一時貯留されたインクは、圧力が調整された状態で、記録ヘッド5へと供給される。そして、プリンタ1は、画像データに基づいて、紙送り手段によって記録媒体Pを副走査方向に移動させながらキャリッジ4を主走査方向に移動させ、記録ヘッド5からインクを噴射させることにより、記録媒体P上に印刷を行うようになっている。
【0022】
次に、上述したインク供給チューブ14の詳細な構成について、図4及び図5に従って説明する。
図4は、インク供給チューブ14の断面図である。インク供給チューブ14は、可撓性部材20、フィルム部材21を備えている。可撓性部材20は、例えば、ガスバリア性を有するエラストマから形成されている。そして、可撓性部材20は、その長手方向に前記
6色のインクの色に対応して6本の溝部22がそれぞれ等間隔で平行に形成されている。可撓性部材20は射出成形により形成されるが、その詳細については後述する。
【0023】
フィルム部材21は、例えば、PET、ナイロン、アルミニウム等の複数の層が積層されたガスバリア層と、ポリプロピレン、又はポリエチレン等の複数の熱可塑性樹脂層が積層された樹脂層とにより形成されている。また、フィルム部材21は、前記可撓性部材20と同じ長さに形成されている。また、フィルム部材21の長さは、ほとんど経時変化しない。
【0024】
そして、インク供給チューブ14は、可撓性部材20の接合面26に、フィルム部材21の熱可塑性樹脂層を熱溶着することにより、前記溝部22が密閉され、各色のインクに対応した流路27が形成される。このように形成することにより、インク供給チューブ14は、キャリッジ4の往復移動に伴って深く伸縮することができるとともに、インク中の水分の蒸発や、外気がインク供給チューブ14内のインクに溶解することによる脱気度の低下を防止することができる。
【0025】
次に、可撓性部材20について説明する。可撓性部材20は射出成形によって形成される。射出成形とは、射出成形装置に備えられる金型内に溶融した樹脂を注入させた後、冷却固化させて成形品を得る方法である。射出成形においては、冷却時に成形品の表層部分と内部との収縮差に伴う大きな熱応力が発生し、この熱応力が射出成形後の残留応力となり、射出成形後に成形品が収縮する原因となることが知られている。
【0026】
金型の寸法に対する成形品の寸法の割合を成形後収縮率とすると、一般に、ガスバリア性を有するエラストマは、この成形後収縮率が大きくなっており、成形後収縮率が3.5%程度であることが知られている。このエラストマ(可撓性部材20)の成形後収縮率を低減するために、フィルム部材21を溶着する前に可撓性部材20のみを高温アニール処理する。高温アニール処理とは、成形品に存在する残留応力を除去する目的で行う熱処理であり、高温で一定時間放置することにより、成形後収縮率の最大値(以下、最大収縮率という。)近傍まで成形品を収縮させる。高温アニール処理の温度及び高温アニール処理する時間は、例えば、高温アニール処理後の成形品の成形後収縮率(以下、目標収縮率という。)と成形品の製造時間との兼ね合いで決められる。本実施形態では、最大収縮率と目標収縮率との差(以下、残り収縮率という。)が1.0%以下であれば、可撓性部材20の経時変化は無視できる量となる。
【0027】
図5は、60度で高温アニール処理をしたときのエラストマ(可撓性部材20)の収縮率を説明するためのグラフであり、横軸に高温アニール処理する時間を、縦軸に収縮率を示している。前述のように、本実施形態では、エラストマの最大収縮率は3.5%であるため、高温アニール処理する時間を長くしても3.5%以上は収縮しないようになっている。また、本実施形態では、必要とされる残り収縮率は1.0%以下であるため、目標収縮率は2.5%以上となる。このとき、図5に示すように、3時間以上高温アニール処理すると目標収縮率は2.5%以上となり、高温アニール処理する時間を長くするほど残り収縮率を低減することができるが、これにより、インク供給チューブ14の製造時間が長くなる。従って、本実施形態では、高温アニール処理の条件は、60度で3時間とすることにより、残り収縮率を低減しながらもインク供給チューブ14の製造時間を短縮することができる。
【0028】
次に、このように構成されたインク供給チューブ14の作用について説明する。
インク供給チューブ14を形成する際には、まず、可撓性部材20のみ60度で3時間の高温アニール処理を行う。これにより、可撓性部材20の成形後収縮率は2.5%以上、すなわち、残り収縮率が1.0%以内となるので、可撓性部材20の経時変化は無視で
きる量となる。その後、可撓性部材20とフィルム部材21とを熱溶着し、インク供給チューブ14が形成される。
【0029】
このとき、可撓性部材20とフィルム部材21は、両者の収縮率が大きく異ならないため、時間が経ってもフィルム部材21の長さに対して可撓性部材20の長さは短くならない。この結果、この可撓性部材20にフィルム部材21を溶着して形成されるインク供給チューブ14には反りが生じない。従って、キャリッジ4が傾かないので記録ヘッド5から記録媒体Pまでの距離が一定となり、さらに、インク供給チューブ14が他の部品に当たらないため、印字品質を一定にできる。
【0030】
また、可撓性部材20を高温アニール処理することにより、射出成形後の残留応力が除去される。これにより、可撓性部材20とフィルム部材21との接合面26に生じる剪断応力が小さくなるため、可撓性部材20とフィルム部材21との接合強度を長時間維持でき、インク供給チューブ14のインク漏れを防止することができる。
【0031】
さらに、材料ロットや成形条件の変動等、その他4M変動があって成形収縮、あるいは成形後収縮の特性が変わっても高温アニール処理で可撓性部材20の収縮率を調整できるため、射出成形の金型を変更することなく、可撓性部材20の製品寸法を一定に保つことができる。従って、製造コストを低減しながらも、可撓性部材20の精度を向上させることができる。
【0032】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、ガスバリア性を有するエラストマから形成される可撓性部材20にフィルム部材21を溶着する前に、可撓性部材20のみ高温アニール処理した。これにより、可撓性部材20の成形後収縮率を2.5%以上にすることができ、残り収縮率を1.0%以内とした。この結果、可撓性部材20とフィルム部材21は、両者の収縮率が大きく異ならないため、時間が経ってもフィルム部材21の長さに対して可撓性部材20の長さは短くならない。従って、この可撓性部材20にフィルム部材21を溶着して形成されるインク供給チューブ14は、ガスバリア性を有しながらも反りが生じない。そして、インク供給チューブ14は反りが生じないことから、キャリッジ4が傾かず、記録ヘッド5と記録媒体Pとの距離が一定となるため、印字品質を一定にできる。
【0033】
(2)本実施形態によれば、エラストマから形成される可撓性部材20にフィルム部材21を溶着する前に、可撓性部材20のみ高温アニール処理し、射出成形後の残留応力を除去した。これにより、可撓性部材20とフィルム部材21との接合面26に生じる剪断応力が小さくなるため、可撓性部材20とフィルム部材21との接合強度を長時間維持でき、インク供給チューブ14のインク漏れを防止することができる。
【0034】
(3)本実施形態によれば、材料ロットや成形条件の変動等、その他4M変動があって成形収縮、あるいは成形後収縮の特性が変わっても高温アニール処理で可撓性部材20の収縮率を調整できるため、射出成形の金型を変更することなく可撓性部材20の製品寸法を一定に保つことができる。従って、製造コストを低減しながらも、可撓性部材20の精度を向上させることができる。
【0035】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、高温アニール処理は60度で3時間行ったが、高温アニール処理の温度、高温アニール処理する時間等の高温アニール処理の条件はこれに限定されず、残り収縮率が1.0%以内になる条件であればよい。
【0036】
○上記実施形態では、最大収縮率が3.5%程度の可撓性部材20を用いたが、これに
限定されない。最大収縮率が5.0%以内である可撓性部材20であれば、高温アニール処理にて残り収縮率を1.0%以内にすることにより、この可撓性部材20にフィルム部材21を溶着して形成したインク供給チューブ14の反りを抑えることができる。
【0037】
○上記実施形態では、最大収縮率が3.5%程度の可撓性部材20を用いたが、これに限定されない。最大収縮率が5.0%以内である可撓性部材20であり、高温アニール処理をしなくても、短時間で残り収縮率が1.0%以内になる材料であればよい。
【0038】
○上記実施形態では、液体噴射装置をプリンタ1に具体化したが、この限りではなく、他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化するようにしてもよい。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態のプリンタの概略を説明するための斜視図。
【図2】同じく、プリンタの内部構成を説明するための斜視図。
【図3】同じく、インクカートリッジの構成を説明するための断面図。
【図4】同じく、インク供給チューブの構成を説明するための断面図。
【図5】同じく、可撓性部材の特性を説明するためのグラフ。
【符号の説明】
【0040】
1…プリンタ、4…キャリッジ、5…記録ヘッド、7…インクカートリッジ、14…インク供給チューブ、20…可撓性部材、21…フィルム部材、26…接合面。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
【出願日】 平成16年3月31日(2004.3.31)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠

【公開番号】 特開2005−288829(P2005−288829A)
【公開日】 平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願番号】 特願2004−105797(P2004−105797)