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【発明の名称】 セラミック焼結体およびセラミック焼結体の製造方法
【発明者】 【氏名】大橋 敏夫
【住所又は居所】愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日本碍子株式会社内

【要約】 【課題】内側管部、内側管部を包囲する外側管部、および内側管部と外側管部とを接続する接続部を備えているセラミック焼結体において、外側管部と内側管部との接合性を良好とし、焼成クラックや曲がり変形を抑制できるようにする。

【解決手段】内側管部の成形部13c、内側管部の成形部13cの焼成時収縮率よりも高い焼成時収縮率を有する外側管部の成形部12、および一対の接続部の成形部13a、13bを含む組み立て体30Aの焼成によって、セラミック焼結体を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側管部、前記内側管部を包囲する外側管部、および前記内側管部と前記外側管部とを接続する少なくとも一対の接続部を備えているセラミック焼結体であって、
前記内側管部の成形部、前記内側管部の成形部の焼成時収縮率よりも高い焼成時収縮率を有する前記外側管部の成形部、および前記一対の接続部の成形部を含む組み立て体の焼成によって得られたことを特徴とする、セラミック焼結体。
【請求項2】
請求項1のセラミック焼結体の前記内側管部および前記外側管部を切断することによって得られたことを特徴とする、セラミック焼結体。
【請求項3】
前記接続部が環状をなしていることを特徴とする、請求項1または2記載のセラミック焼結体。
【請求項4】
透光性アルミナからなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載のセラミック焼結体。
【請求項5】
内側管部、前記内側管部を包囲する外側管部、および前記内側管部と前記外側管部とを接続する少なくとも一対の接続部を備えているセラミック焼結体を製造する方法であって、
前記内側管部の成形部、前記外側管部の成形部、および前記一対の接続部の成形部を含む組み立て体を準備し、
前記外側管部の成形部の焼成時収縮率を100%としたときの焼成時収縮率が90〜110%であるセッターを準備し、
前記セッター上に前記組み立て体を載置し、この際前記セッターに前記外側管部の成形部を接触させ、
前記組み立て体を焼成することを特徴とする、セラミック焼結体の製造方法。
【請求項6】
前記外側管部の成形部の前記焼成時収縮率が、前記内側管部の成形部の焼成時収縮率よりも高いことを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記接続部が環状をなしていることを特徴とする、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記セラミック焼結体が透光性アルミナからなることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一つの請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外側管部と内側管部とを備えているセラミック焼結体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
円筒状のセラミック成形体を焼成用治具から支持ピンを用いて吊り下げることが知られている(例えば特許文献1)。この公報によれば、一つの治具から、円筒状のセラミック成形体を多数吊り下げ、焼成することが記載されている。また、2本の石英ガラス製パイプを用意し、内側パイプを外側パイプで包囲し、各パイプの上端と下端とをそれぞれ溶融させ、内側パイプと外側パイプとを接合することで二重管を製造することは知られている。
【特許文献1】特開平6−265277号公報
【発明の開示】
【0003】
しかし、例えば透光性アルミナによって二重管を形成することは困難であった。例えば、二重管を一体成形することは不可能である。従って、外側管部の成形体と内側管部の成形体との間にリング状の接合部を挟み、一体焼結させる必要がある。しかし、このような接合部と内側管部、外側管部との接合強度は非常に低く、気密性も得られない。また、二重管の口径を大きくしたり、あるいは長さを大きくすると、二重管に焼成クラックが発生し易く、また二重管が曲がり変形しやすい。
【0004】
本発明の課題は、内側管部、内側管部を包囲する外側管部、および内側管部と外側管部とを接続する接続部を備えているセラミック焼結体において、外側管部と内側管部との接合性を良好とし、焼成クラックや曲がり変形を抑制できるようにすることである。
【0005】
第一の態様に係る発明は、内側管部、内側管部を包囲する外側管部、および内側管部と外側管部とを接続する少なくとも一対の接続部を備えているセラミック焼結体であって、内側管部の成形部、内側管部の成形部の焼成時収縮率よりも高い焼成時収縮率を有する外側管部の成形部、および一対の接続部の成形部を含む組み立て体の焼成によって得られたことを特徴とする。
【0006】
本発明のセラミック焼結体は、内側管部の成形部、外側管部の成形部、および一対の接続部の成形部を含む組み立て体の焼成によって得られたものである。これと同時に、外側管部の成形部の焼成時収縮率を、内側管部の成形部の焼成時収縮率よりも高くすることによって、焼成時に外側管部から内側管部へと向かって一対の接続部を介して圧着力を生じさせ、これによって外側管部と接続部、接続部と内側管部との各接合強度を高くすることができる。これと同時に、得られた焼結体の曲がりやクラックを抑制することができる。
【0007】
これに対して、外側管部と内側管部との各材質および密度が同じであると、両者の焼成時収縮率も同じとなるが、この場合には、外側管部と接続部、内側管部と接続部との接合部分の強度が非常に低くなり、両者の界面にクラックも生じ易い。また、外側管部と内側管部との間に一つだけの接続部を設けた場合には、外側管部と接続部、内側管部と接続部との接合強度が弱く、また焼結体が曲がり易い。本発明においては、外側管部と接続部、内側管部と接続部との接合強度が高く、クラックも抑制され、更に焼結体の曲がり変形も抑制される。
【0008】
第二の態様に係る発明は、内側管部、内側管部を包囲する外側管部、および内側管部と外側管部とを接続する少なくとも一対の接続部を備えているセラミック焼結体を製造する方法であって、内側管部の成形部、外側管部の成形部、および一対の接続部の成形部を含む組み立て体を準備し、外側管部の成形部の焼成時収縮率を100%としたときの焼成時収縮率が90〜110%であるセッターを準備し、セッター上に組み立て体を載置し、この際セッターに外側管部の成形部を接触させ、組み立て体を焼成することを特徴とする。
【0009】
特に焼結体の口径が大きくなり、また長さが大きくなってくると、成形体の重量も増大する。こうなると、前述したように、成形体が焼成時に曲がり変形し易く、またクラックが発生しやすい。これに対して、本発明におけるように、外側管部成形部と近接した焼成時収縮率を有するセッターを成形体の下に置き、セッターに対して外側管部成形部を接触させた状態で焼成を行うことにより、成形体の曲がり変形およびクラックを著しく低減できることを見いだした。このように、成形体と同程度の収縮をするセッターを使用し、セッター上に二重管の成形体を設置して焼成を行い、セッターをも焼結させることは知られていない。
【0010】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、外側管部成形部の焼成時収縮率は以下のように定義される。
外側管部成形部の内径をaとし、焼成後の外側管部の内径をbとしたとき、(a−b)/aを焼成時収縮率とする。そして、内側管部成形部の収縮率を100%としたときの値に換算する。
内側管部成形部の焼成時収縮率は以下のように定義される。
内側管部成形部の外径をcとし、焼成後の内側管部の外径をdとしたとき、(c−d)/cを焼成時収縮率とし、これを100%に換算する。
セッターの焼成時収縮率は以下のように定義される。
セッターの内径をeとし、焼成後のセッターの内径をfとしたとき、(e−f)/eを焼成時収縮率とする。そして、外側管部成形部の収縮率を100%としたときの値に換算する。
【0011】
本発明においては、内側管部成形部の焼成時収縮率を100%としたとき、外側管部成形部の焼成時収縮率は104%以上とすることが好ましい。一方、外側管部成形部の焼成時収縮率が高すぎると、焼成時に接続部と内側管部、外側管部との界面付近にクラックが発生しやすく、また外側管部、内側管部の変形が大きくなり易い。そこで、外側管部の焼成時収縮率は110%以下とすることが好ましい。
【0012】
また、第二の発明においては、外側管部成形部の焼成時収縮率を100%としたとき、セッターの焼成時収縮率を90〜110%とする。本発明の観点からは、セッターの焼成時収縮率は、96%以上とすることが更に好ましく、あるいは、104%以下とすることが更に好ましい。
【0013】
上記のように、外側管部成形部、内側管部成形部、セッターの各焼成時収縮率を調整する方法は特に限定されない。例えば、各成形部を成形するのに際して成形圧力を変化させることによって、各成形部の相対密度を所望値とし、これによって焼成時収縮率を調整することができる。また、各成形部内に含有されるバインダーの量を調節することによって、各焼成時収縮率を調節することができる。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るセラミック焼結体1を示す縦断面図であり、図1(b)は、セラミック焼結体1を上側から見た平面図である。本例では、内側管部3、外側管部2はいずれも直管状をしており、内側管部3の両端と外側管部2の両端との間にリング状の接続部6A、6Bが形成されている。内側管部3の内側には空間4が形成されており、内側管部3と外側管部2との間にも空間5が形成されている。
【0015】
本発明においては、内側管部とこれを包囲する外側管部以外にも管部を設けることができる。このような付加的な管部は、内側管部の内側に設けることができ、あるいは、外側管部の外側に設けることができる。また、内側管部と外側管部とを接続する接続部は少なくとも一対存在するが、3つ以上存在してもよい。
【0016】
また、本発明は、前述のようにして得られた焼結体を切断することによって得られる焼結体を提供する。これによって、焼結体中の接続部の個数を一個とすることが可能である。例えば、図1に示す焼結体1を、その中央部分で矢印Aのように切断すると、図2に示すセラミック焼結体7が得られる。焼結体7は、外側管部2、内側管部3およびこれらを片方の端部で接続するリング状の接続部6Aを備えている。切断の結果、空間5には開口9が設けられている。
【0017】
本発明においては、セラミック焼結体を構成するセラミックスは特に限定されない。例えばアルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、マグネシア、フェライト、コージェライト、イットリア等の希土類元素の酸化物等の酸化物系セラミックス;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素のマンガナイト、希土類元素のクロマイト等の複合酸化物;窒化アルミニウム、窒化珪素,サイアロン等の窒化物系セラミックス;炭化珪素、炭化ホウ素、炭化タングステン等の炭化物系セラミックスを例示できる。
【0018】
これらの中で高純度アルミナが特に好ましい。高純度アルミナの種類は限定されない。しかし、透光性アルミナが特に好ましい。透光性アルミナとは、可視光(600(nm))領域で全光線透過率が80%以上のアルミナである。透光性アルミナは、特に好ましくは、純度99.99%の高純度アルミナに、焼結中の粒径のコントロールのための添加剤を加えて原料とし、この原料を用いて機械的プレスやコールドアイソスタティックプレス、押出技術等によって成形体を作製し、この成形体を脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で、1700〜1900℃で焼成したものである。焼成体は均一な六方晶の粒子からなる。
なお、曲がり、変形、クラック防止の目的から、例えばアルミナチューブの収縮曲線の大きい温度領域の昇温速度を緩やかにしたヒートカーブを適用することが好ましい。
【0019】
第一の発明のセラミック焼結体は、内側管部の成形部、外側管部の成形部および一対の接続部の成形部を含む組み立て体の焼成によって得られたものである。ここで、内側管部の成形部とその成形部とは、一体成形が困難であるので別体である。接続部の成形部は、内側管部の成形部と一体成形でき、外側管部の成形部と一体成形でき、あるいは内側管部成形部、外側管部成形部の両方に対して別体とできる。
【0020】
図3(a)は、本発明の一実施形態における組み立て体30Aの縦断面図であり、図3(b)は組み立て体30Aの平面図である。本例においては、内側管部の成形部12、外側管部の成形部13cは、いずれも直管状をしている。外側管部の成形部13cの両端内周面側には、それぞれ、リング状の接続部の成形部13a、13bが一体成形されており、成形部13cと13a、13bとは組織的に連続している。内側管部成形部12の内側には空間4が形成されており、内側管部成形部12と外側管部成形部13cとの間にも空間5が形成されている。
【0021】
図4(a)は、本発明の他の実施形態における組み立て体30Bの縦断面図であり、図4(b)は組み立て体30Bの平面図である。本例においては、外側管部の成形部14、内側管部の成形部15cは、いずれも直管状をしている。内側管部の成形部15cの両端外周面側には、それぞれ、リング状の接続部の成形部15a、15bが一体成形されており、成形部15cと15a、15bとは組織的に連続している。内側管部成形部15cの内側には空間4が形成されており、内側管部成形部15cと外側管部成形部14との間にも空間5が形成されている。
【0022】
図5(a)は、本発明の他の実施形態における組み立て体30Cの縦断面図であり、図5(b)は組み立て体30Cの平面図である。本例においては、外側管部の成形部16、内側管部の成形部18は、いずれも直管状をしている。内側管部成形部18と外側管部成形部16との各端部の間には、それぞれ接続部の成形部17A、17Bが挟まれている。成形部17A、17Bは、各成形部16、18とは別体である。
【0023】
図6(a)は、本発明の他の実施形態における組み立て体30Dの縦断面図であり、図6(b)は組み立て体30Dの平面図である。本例においては、外側管部の成形部26c、内側管部の成形部25cは、いずれも直管状をしている。外側管部の成形部26cの両端内周面側には、それぞれ、円弧状の接続部成形部26a、26bが一体成形されており、成形部26cと26a、26bとは組織的に連続している。円弧状成形部26a、26bは、それぞれ、図6(b)に示すように180°の角度で開いている。内側管部の成形部25cの両端内周面側には、それぞれ、円弧状の接続部成形部25a、25bが一体成形されており、成形部25cと25a、25bとは組織的に連続している。円弧状成形部25a、25bは、それぞれ、図6(b)に示すように180°の角度で開いている。
【0024】
第二の発明においては、セッター上に成形体を載置し、この際セッターに外側管部の成形部を接触させ、成形体を焼成する。ここで、セッターの材質は、例えば前述のセラミックスであってよい。特に好ましくは、セッターが、成形体の一部を切断することによって得られた材質からなるセッターである。例えば、図7に示すように、管状成形体19を成形する。そして、成形体19を線20に沿って切断する。大きい方の成形体19aを外側管部の成形体として使用し、残りの成形体19bを適当に加工してセッターとして使用する。
【0025】
例えば、図8に示すように、炉壁上に通常のセッター22を設置し、セッター22上に、第二の発明に係るセッター21を設置する。22a、21aは円形の空隙である。セッター21上には、外側管部の成形部14が載置されている。また、図9に示すように、セッター21Aおよび22Aの内径を小さくし、セッター21Aを外側管部成形部14および接続部15bに接触させることができる。
【0026】
第一の発明、第二の発明においては、例えば仮焼段階では、成形体の管軸方向を水平にしてもよく(横置き)、垂直にしてもよい(縦置き)。また、焼成段階では、成形体の管軸方向を水平にしてもよく、垂直にしてもよいが、第二の発明では管軸方向を垂直にする必要がある。
【0027】
成形体の口径が大きく、長い場合には、仮焼時は、第二の発明と同様のセッターを使用して縦置きで仮焼することが好ましい。また、本焼成時は、環状式水素炉内で、第二の発明のセッターを使用して縦置きで焼成することが好ましい。
口径が小さく、肉厚の小さい(薄い)、長い成形体を焼成する場合には、仮焼時は、横置きで焼成することが好ましい。また、本焼成時は、環状式水素炉内で仮焼体を吊るし、焼成することが好ましい。
口径が小さく、薄肉で短い成形体を焼成する場合には、仮焼、本焼成ともに、縦置き、横置きのいずれでもよい。
【0028】
本発明によって得られた焼結体は、耐熱性が高く、高温度での使用が可能であり、また材質によっては耐薬品性に強い二重管を提供できる。また、焼結体のリークタイト性が高いため、気密部品に使用可能である。用途としては、例えば、無電極用高圧ランプ発光管、PFCガス処理用アルミナチューブ(反応管)を例示できる。
【実施例】
【0029】
(実施例1)
図1に示すような形態の焼結体1を作製した。具体的には、純度99.99%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、成形体12、13を作製し、図3に示すように組み立てた。そして、組み立て体30Aを1000〜1200℃で脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で 1700〜1900℃で焼成した。
内側管部の成形部12の焼成時収縮率は100%であり,外側管部の成形部13cの焼成時収縮率は104〜110%であった。焼成後、外側管部2と内側管部3とは強固に接合しており、界面にクラックも見られなかった。また、焼結体1の曲がり量は小さかった。
【0030】
(実施例2)
図1に示すような形態の焼結体1を作製した。具体的には、純度99.99%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、成形体14、15を作製し、図4に示すように組み立てた。そして、組み立て体30Bを1000〜1200℃で脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で1700〜1900℃で焼成した。
内側管部の成形部15cの焼成時収縮率は100%であり,外側管部の成形部14の焼成時収縮率は104〜110%であった。焼成後、外側管部2と内側管部3とは強固に接合しており、界面にクラックも見られなかった。また、焼結体1の曲がり量は小さかった。
【0031】
(実施例3)
図1に示すような形態の焼結体1を作製した。具体的には、純度99.99%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、成形体16、17A、17B、18を作製し、図5に示すように組み立てた。そして、組み立て体30Cを1000〜1200℃で脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で1700〜1900℃で焼成した。
内側管部の成形部18の焼成時収縮率は100%であり,外側管部の成形部16の焼成時収縮率は104〜110%であった。焼成後、外側管部2と内側管部3とは強固に接合しており、界面にクラックも見られなかった。また、焼結体1の曲がり量は小さかった。
【0032】
(比較例1)
図1に示すような形態の焼結体1を作製した。具体的には、純度99.99%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、成形体16、17A、17B、18を作製し、図5に示すように組み立てた。そして、組み立て体を1000〜1200℃で脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で1700〜1900℃で焼成した。
内側管部の成形部18、外側管部の成形部16の焼成時収縮率は同一であり、100%であった。接続部の成形体17A、17Bの焼成時収縮率は低く、90〜96%であった。焼成後、外側管部2と内側管部3とは接合しておらず、また焼結体チューブが曲がり変形していた。
【0033】
(比較例2)
図1に示すような形態の焼結体1を作製した。具体的には、純度99.9%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、図10に示すような形態の成形体16、18、19を作製し、組み立てた。蓋状の成形体19にはリング状溝19a、19bを形成し、溝19a内に外側管部の成形部16を挿入し、溝19b内に内側管部の成形部18を挿入した。そして、組み立てた成形体を1000〜1200℃で脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で1700〜1900℃で焼成した。
内側管部の成形部18、外側管部の成形部16、蓋状の成形部19の焼成時収縮率は同一であり、100%であった。焼成後、外側管部2と内側管部3とは接合しておらず、また焼結体チューブの中央部分が膨らむように変形していた。
【0034】
(比較例3)
図1に示すような形態の焼結体1を作製した。具体的には、純度99.9%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、図11(a)に示すような形態の成形体18、22を作製し、組み立てた。成形体22は、外側管部の成形部22aと接続部の成形部22bとを備えている。そして、組み立て体31Bを1000〜1200℃で脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で1700〜1900℃で焼成した。
内側管部の成形部18の焼成時収縮率は100%であり,外側管部の成形部22aの焼成時収縮率は104〜110%であった。焼成後、外側管部2と内側管部3とは接合しておらず、また焼結体チューブが大きく曲がり変形していた。
【0035】
(比較例4)
図1に示すような形態の焼結体1を作製した。具体的には、純度99.9%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、図11(b)に示すような形態の成形体16、23を作製し、組み立てた。成形体23は、内側管部の成形部23aと接続部の成形部23bとを備えている。そして、組み立て体31Cを1000〜1200℃で脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で1700〜1900℃で焼成した。
内側管部の成形部23aの焼成時収縮率は100%であり、外側管部の成形部16の焼成時収縮率は104〜110%であった。焼成後、外側管部2と内側管部3とは接合しておらず、また焼結体チューブが大きく曲がり変形していた。
【0036】
(実施例4)
図1に示すような形態の焼結体1を作製した。具体的には、純度99.9%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、図8に示すような成形体14、15を作製し、図8に示すように組み立てた。セッター21は、成形体14と同一材質の成形体から切り出した。そして、組み立て体30Bを1000〜1200℃で脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で1700〜1900℃で焼成した。
内側管部の成形部15cの焼成時収縮率は100%であり,外側管部の成形部14の焼成時収縮率は104〜110%であった。セッター21Aの焼成時収縮率は90〜110%であった。焼成後、外側管部2と内側管部3とは強固に接合しており、界面にクラックも見られなかった。また、焼結体1の曲がり量は小さかった。
【0037】
以上述べたように、本発明によれば、内側管部、内側管部を包囲する外側管部、および内側管部と外側管部とを接続する接続部を備えているセラミック焼結体において、外側管部と内側管部との接合性を良好とし、焼成クラックや曲がり変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は、本発明の実施形態に係るセラミック焼結体1を示す縦断面図であり,(b)は、焼結体1の平面図である。
【図2】焼結体1の切断によって得られた焼結体7を示す縦断面図である。
【図3】(a)は、成形体12と13との組み立て体30Aを示す縦断面図であり、(b)は、(a)の組み立て体30Aの平面図である。
【図4】(a)は、成形体14と15との組み立て体30Bを示す縦断面図であり、(b)は、(a)の組み立て体30Bの平面図である。
【図5】(a)は、成形体16、18、17Aおよび17Bの組み立て体30Cを示す縦断面図であり、(b)は、(a)の組み立て体30Cの平面図である。
【図6】(a)は、成形体25と26との組み立て体30Dを示す縦断面図であり、(b)は、(a)の組み立て体30Dの平面図である。
【図7】管状の成形体19を示す断面図である。
【図8】成形体14および15の組み立て体30Bをセッター21上に設置した状態を示す縦断面図である。
【図9】成形体14および15の組み立て体30Bをセッター21A上に設置した状態を示す縦断面図である。
【図10】管状の成形体16、18を蓋状の成形体19に固定した比較例の組み立て体31Aを示す縦断面図である。
【図11】(a)、(b)は、それぞれ比較例の組み立て体31B、31Cを示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 セラミック焼結体 2 外側管部 3 内側管部 4、5 空間 6A、6B 接続部 7 セラミック焼結体1の切断によって得られたセラミック焼結体 12、15c、18、25c 内側管部の成形部 13a、13b、15a、15b、17A、17B、25a、25b、26a、26b 接続部の成形部 13c、14、16、26c 外側管部の成形部 21、21A 第二の発明に係るセッター 30A、30B、30C、30D 組み立て体
【出願人】 【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号
【出願日】 平成15年11月12日(2003.11.12)
【代理人】 【識別番号】100097490
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 益稔

【識別番号】100097504
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 純雄

【公開番号】 特開2005−144735(P2005−144735A)
【公開日】 平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願番号】 特願2003−382286(P2003−382286)