| 【発明の名称】 |
押出プレスおよび原料粉末の押出方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大山 誉実 【住所又は居所】兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内
【氏名】西本 武雄 【住所又は居所】兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内
【氏名】中川 卓也 【住所又は居所】兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内
|
| 【要約】 |
【課題】人力によりプレスラムの押出終了位置を入力するまでもなく、所定長さの押出成形製品を押出せなくなるとプレスラムを自動的に停止させることを可能ならしめる押出プレスを提供する。
【解決手段】コンテナ2内の原料粉末をノズル2aから押出しながら切断して所定長さの押出成形製品を製造する押出プレス1のプレスラム4の所定位置からの移動距離に相当する移動距離信号を出力する第1ロータリーエンコーダ16を設け、このエンコーダ16から出力される押出開始位置から最初に切断するまでのプレスラム4の1押出成形製品分の移動距離信号に基づいて、前記切断して以降から前進限までに押出し可能な押出成形製品の移動距離を演算し、前記エンコーダ16から前記個数分の移動距離に相当する移動距離信号が出力されると、プレスラム4の前進動作を停止させるPLC15を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンテナの内部に詰め込まれ、タンピング装置によりタンピングされた原料粉末をプレスラムの前進動作により前記コンテナの端部に設けられたノズルから押出しながら、所定の長さに押出される毎に切断して押出成形製品を製造する押出プレスにおいて、前記プレスラムの所定位置からの移動距離に相当する移動距離信号を出力する第1移動距離検出センサを設け、この第1移動距離検出センサから出力される押出開始位置から最初に切断するまでの前記プレスラムの1押出成形製品分の移動距離信号に基づいて、前記切断して以降から前進限までに押出し可能な押出成形製品の個数分のプレスラムの移動距離を演算すると共に、前記ラム移動距離センサから前記個数分の移動距離に相当する移動距離信号が出力されると、プレスラムの前進動作を停止させるラム制御手段を設けたことを特徴とする押出プレス。 【請求項2】 前記タンピング装置の移動距離に相当する移動距離信号を出力する第2移動距離検出センサを設け、この第2移動距離検出センサからの移動距離信号に基づいて、押出し完了後に前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から前記コンテナ内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが開始される位置までの距離を演算し、これら両位置間の距離とコンテナの内径と投入された原料粉末の重量とから、タンピング前の原料粉末の見かけ密度を求めるタンピング前密度演算手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の押出プレス。 【請求項3】 前記タンピング装置の移動距離に相当する移動距離信号を出力する第2移動距離検出センサを設け、この第2移動距離検出センサからの移動距離信号に基づいて、押出し完了後に前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から前記コンテナ内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが完了した位置までの距離を演算し、これら両位置間の距離とコンテナの内径と投入された原料粉末の重量とから、タンピング後の原料粉末の見かけ密度を求めるタンピング後密度演算手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の押出プレス。 【請求項4】 前記タンピング装置の移動距離に相当する移動距離信号を出力する第2移動距離検出センサを設け、押出しが完了して前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から予め設定された所定距離だけ離間した位置である潤滑剤塗布位置まで前記タンピング装置が移動したことを前記第2移動距離検出センサからの移動距離信号に基づいて判断し、判断した位置において潤滑剤を塗布するためにタンピング装置を停止させるタンピング装置制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の押出プレス。 【請求項5】 コンテナの内部に詰め込まれ、タンピング装置によりタンピングされた原料粉末をプレスラムの前進動作により前記コンテナの端部に設けられたノズルから押出しながら、所定の長さに押出される毎に切断して押出成形製品を製造する原料粉末の押出方法において、前記プレスラムの押出開始位置から最初に切断するまでの移動距離を検出すると共に、検出した前記プレスラムの1押出成形製品分の移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、前記切断して以降から前進限までに押出し可能な押出成形製品の個数分のプレスラムの移動距離を演算し、前記ラム移動距離センサから前記個数分の移動距離に相当する移動距離信号が出力されると、前記プレスラムの前進動作を停止させることを特徴とする原料粉末の押出方法。 【請求項6】 前記タンピング装置の移動距離を検出し、検出した移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、押出し完了後に前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から前記コンテナ内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが開始される位置までの距離を演算し、これら両位置間の距離とコンテナの内径と投入された原料粉末の重量とから、タンピング前の原料粉末の見かけ密度を求めることを特徴とする請求項5に記載の原料粉末の押出方法。 【請求項7】 前記タンピング装置の移動距離を検出し、検出した移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、押出し完了後に前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から前記コンテナ内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが完了した位置までの距離を演算し、これら両位置間の距離とコンテナの内径と投入された原料粉末の重量とから、タンピング後の原料粉末の見かけ密度を求めることを特徴とする請求項5に記載の原料粉末の押出方法。 【請求項8】 前記タンピング装置の移動距離を検出し、検出した移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、押出しが完了して前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から予め設定された所定距離だけ離間した位置である潤滑剤塗布位置まで前記タンピング装置が移動したことを判断し、判断した位置でタンピング装置の移動を停止させて潤滑剤を塗布することを特徴とする請求項5に記載の原料粉末の押出方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、押出プレスおよび原料粉末の押出方法に係り、より詳しくは、所定長さの押出成形製品を押出せなくなるとプレスラムの前進動作を自動的に停止させ、タンピング前後のコンテナ内の原料粉末の見かけ密度を求め、しかもコンテナの内面に潤滑剤を塗布するためにタンピング装置を所定の位置に自動的に停止させることを可能ならしめるようにした押出プレスおよび原料粉末の押出方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 原料粉末を押出して押出成形製品を製造する押出プレスの中に、カーボン押出プレスがある。カーボン押出プレスとしては、例えば、後述する構成になるものが知られている。 以下、この従来例に係るカーボン押出プレスの概要を、添付図面を参照しながら説明する。図6はカーボン押出プレスの縦断正面図、図7は図6のA矢視図である。図6,7において、51はプレスラム、52はコンテナ、53は同コンテナ52の一端側に取付けられたノズル、54は前記コンテナ52をノズル53と共に垂直に倒立させ、コンテナ52およびノズル53内に原料粉末を充填させるための詰込装置(以下、タンピング装置という。)で、これらは横型の押出プレスとして何れも公知のものである。このような押出プレスのノズル53の先端部外周部に、軸方向に延びる凸部を均等配置状に列設したバヨネット結合部53aが形成されている。そして、嵌脱自在な締切部材55が、前記バヨネット結合部53aに、支持フレーム56および取付架台67を介して可回動かつ前後方向へ進退自在に取付けられるように構成されている。 【0003】 このような押出プレスで原料粉末を押出して押出成形製品を製造するに際しては、前記締切部材55によりノズル53を締切り、前記コンテナ52をノズル53と共に垂直に倒立させた後に、これらコンテナ52内とノズル53内に原料粉末を充填する。次いで、充填した原料粉末をタンピング装置54によりタンピングした後、前記コンテナ52をノズル53と共に水平な押出姿勢にすると共に、前記締切部材55をノズル53の先端部から退避させる。そして、プレスラム51の前進動作によりタッピング後の原料粉末を押出して押出成形製品を製造するものである(例えば、特許文献1参照。)。 【特許文献1】特公昭60−16890号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記従来例に係る押出プレスでは、一回の原料粉末の充填毎の押出しにより複数個(所定長さで切断しながら押出す。)の押出成形製品を製造するが、プレスラムの押出終了位置を計算等によって算出し、算出した値を作業者等が操作盤に入力し、この入力結果に基づいてプレスラムを操作していた。従って、上記従来例に係る押出プレスでは入力ミスにより、一回の押出しの最後の押出成形製品が不良(長さ不足)になり、歩留まりが低下するというトラブルが発生する虞がある。また、押出成形製品の切断は、所定長さ押出されたことを切断装置側で検知し、その検知信号に基づいて行われていた。ところで、押出成形製品に不良が出た場合は検知信号が出力されず、プレスラムがストロークエンドで停止するため、ノズルの先端部に不良品が残されてしまう。従って、このような場合には、作業者等が手動運転でノズルの先端部に残された不良品を取除かなければならず、作業が煩雑であった。 【0005】 また、タンピング終了後の原料粉末の密度を測定していない関係上、トライアンドエラーにより最適なタンピング条件を見つけなければならない。そのため、特に押出プレスの立ち上げ時、安定操業に入るまで不良品が発生することがあり、短時間のうちに安定操業にすることが求められていた。 【0006】 さらに、コンテナ内に残された原料粉末の量に関係なく、固定値により潤滑剤塗布装置の停止位置を制御している。従って、コンテナ内に残された原料粉末の表面から最適な高さ位置で潤滑剤を塗布することができないために、後述するような問題が発生していた。 即ち、潤滑剤の塗布位置が高すぎるとコンテナ内面に潤滑不良部位が発生して押出成形製品の表面品質に問題が発生する。逆に、潤滑剤の塗布位置が低すぎると押出終了後にコンテナ内に残された原料粉末の表面に潤滑剤が広がって次に充填される原料粉末との一体化が損なわれるため押出成形製品に不良品が生じ、歩留まりが低下することとなる。 【0007】 従って、本発明の目的は、人力によりプレスラムの押出終了位置を入力するまでもなく、所定長さの押出成形製品を押出せなくなるとプレスラムを自動的に停止させること、およびタンピング前後のコンテナ内の原料粉末の見かけ密度を求めることができ、しかも最適な位置でコンテナを潤滑することを可能ならしめる押出プレスおよび原料粉末の押出方法を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、従って上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る押出プレスが採用した手段は、コンテナの内部に詰め込まれ、タンピング装置によりタンピングされた原料粉末をプレスラムの前進動作により前記コンテナの端部に設けられたノズルから押出しながら、所定の長さに押出される毎に切断して押出成形製品を製造する押出プレスにおいて、前記プレスラムの所定位置からの移動距離に相当する移動距離信号を出力する第1移動距離検出センサを設け、この第1移動距離検出センサから出力される押出開始位置から最初に切断するまでの前記プレスラムの1押出成形製品分の移動距離信号に基づいて、前記切断して以降から前進限までに押出し可能な押出成形製品の個数分のプレスラムの移動距離を演算すると共に、前記第1移動距離検出センサから前記個数分の移動距離に相当する移動距離信号が出力されると、前記プレスラムの前進動作を停止させるラム制御手段を設けたことを特徴とする。 【0009】 本発明の請求項2に係る押出プレスが採用した手段は、請求項1に記載の押出プレスにおいて、前記タンピング装置の移動距離に相当する移動距離信号を出力する第2移動距離検出センサを設け、この第2移動距離検出センサからの移動距離信号に基づいて、押出し完了後に前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から前記コンテナ内に次回押し出し分の原料粉末が投入されてタンピングが開始される位置までの距離を演算し、これら両位置間の距離とコンテナの内径と投入された原料粉末の重量とから、タンピング前の原料粉末の見かけ密度を求めるタンピング前密度演算手段を設けたことを特徴とする。 【0010】 本発明の請求項3に係る押出プレスが採用した手段は、請求項1に記載の押出プレスにおいて、前記タンピング装置の移動距離に相当する移動距離信号を出力する第2移動距離検出センサを設け、この第2移動距離検出センサからの移動距離信号に基づいて、押出し完了後に前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から前記コンテナ内に次回押し出し分の原料粉末が投入されてタンピングが完了した位置までの距離を演算し、これら両位置間の距離とコンテナの内径と投入された原料粉末の重量とから、タンピング後の原料粉末の見かけ密度を求めるタンピング前密度演算手段を設けたことを特徴とする。 【0011】 本発明の請求項4に係る押出プレスが採用した手段は、請求項1に記載の押出プレスにおいて、前記タンピング装置の移動距離に相当する移動距離信号を出力する第2移動距離検出センサを設け、押出しが完了して前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から予め設定された所定距離だけ離間した位置である潤滑剤塗布位置まで前記タンピング装置が移動したことを前記第2移動距離検出センサからの移動距離信号に基づいて判断し、判断した位置において潤滑剤を塗布するためにタンピング装置を停止させるタンピング装置制御手段を設けたことを特徴とする。 【0012】 本発明の請求項5に係る原料粉末の押出方法が採用した手段は、コンテナの内部に詰め込まれ、タンピング装置によりタンピングされた原料粉末をプレスラムの前進動作により前記コンテナの端部に設けられたノズルから押出しながら、所定の長さに押出される毎に切断して押出成形製品を製造する原料粉末の押出方法において、前記プレスラムの押出開始位置から最初に切断するまでの移動距離を検出すると共に、検出した前記プレスラムの1押出成形製品分の移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、前記切断して以降から前進限までに押出し可能な押出成形製品の個数分のプレスラムの移動距離を演算し、前記第1移動距離検出センサから前記個数分の移動距離に相当する移動距離信号が出力されると、前記プレスラムの前進動作を停止させることを特徴とする。 【0013】 本発明の請求項6に係る原料粉末の押出方法が採用した手段は、請求項5に記載の原料粉末の押出方法において、前記タンピング装置の移動距離を検出し、検出した移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、押出し完了後に前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から前記コンテナ内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが開始される位置までの距離を演算し、これら両位置間の距離とコンテナの内径と原料粉末の重量とからタンピング前の原料粉末の見かけ密度を求めることを特徴とする。 【0014】 本発明の請求項7に係る原料粉末の押出方法が採用した手段は、請求項5に記載の原料粉末の押出方法において、前記タンピング装置の移動距離を検出し、検出した移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、押出し完了後に前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から前記コンテナ内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが完了した位置までの距離を演算し、これら両位置間の距離とコンテナの内径と原料粉末の重量とからタンピング後の原料粉末の見かけ密度を求めることを特徴とする。 【0015】 本発明の請求項8に係る原料粉末の押出方法が採用した手段は、請求項5に記載の原料粉末の押出方法において、前記タンピング装置の移動距離を検出し、検出した移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、押出しが完了して前記コンテナ内に残された原料粉末の表面位置から予め設定された所定距離だけ離間した位置である潤滑剤塗布位置まで前記タンピング装置が移動したことを判断し、判断した位置でタンピング装置を停止させて潤滑剤を塗布することを特徴とする。 【発明の効果】 【0016】 本発明の請求項1に係る押出プレスまたは請求項5に係る原料粉末の押出方法では、プレスラムの1押出成形製品分の移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、切断して以降から前進限までに押出し可能な押出成形製品の個数分のプレスラムの移動距離が演算される。そして、プレスラムが演算された前記個数分の距離だけ移動すると、このプレスラムの前進動作が自動的に停止される。従って、本発明の請求項2または5によれば、上記従来例に係る押出プレスのように、プレスラムの押出終了位置を計算等で算出して入力する必要がないから、入力ミスにより、一回の押出しの最後の押出成形製品が不良(長さ不足)になるような虞がない。また、ノズルの先端部に不良品が残されてしまうようなこともないから、作業者等が手動運転でノズルの先端部に残された不良品を取除くというような煩雑な作業を行う必要がなくなる。 【0017】 本発明の請求項2に係る押出プレスまたは請求項6に係る原料粉末の押出方法では、押出し完了後にコンテナ内に残された原料粉末の表面位置からコンテナ内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが開始される位置までの距離が演算され、これら両位置間の距離とコンテナの内径と原料粉末の重量とからタンピング前の原料粉末の見かけ密度が求められる。また、本発明の請求項3に係る押出プレスまたは請求項7に係る原料粉末の押出方法では、押出し完了後にコンテナ内に残された原料粉末の表面位置からコンテナ内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが完了した位置までの距離が演算され、これら両位置間の距離とコンテナの内径と原料粉末の重量とからタンピング後の原料粉末の見かけ密度が求められる。そのため、本発明の請求項2、3、6、または7によれば、押出プレスの立ち上げ時に、集積したタンピング前の原料粉末の見かけ密度、タンピング後の原料粉末の見かけ密度に係るデータの活用により、従来例のようにトライアンドエラーにより最適なタンピング条件を見つける必要がなくなる。そして、これにより、押出プレスの立ち上げ時においても不良品が発生するようなことがなく、即安定操業することが可能になる。 【0018】 本発明の請求項4に係る押出プレスまたは請求項8に係る原料粉末の押出方法では、押出しが完了してコンテナ内に残された原料粉末の表面位置から予め設定された所定距離だけ離間した位置である潤滑剤塗布位置までタンピング装置が移動したことを判断し、判断した位置で潤滑剤塗布装置を停止させて潤滑剤を塗布する。そのため、本発明の請求項4または8によれば、コンテナ内に残された原料粉末の量に関係なく、固定値により潤滑剤塗布装置の停止位置を制御する従来例と異なり、コンテナ内に残された原料粉末の表面から最適な高さ位置で潤滑剤を塗布することができる。従って、潤滑剤の塗布位置が高すぎて、コンテナ内面に潤滑不良部位が発生して押出成形製品の表面品質に問題が発生するような虞がない。また、潤滑剤の塗布位置が低すぎて、押出終了後にコンテナ内に残された原料粉末の表面に潤滑剤が広がって次に充填される原料粉末との一体化が損なわれ、押出成形製品に不良品が生じ、歩留まりが低下するような虞もない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明の原料粉末の押出方法を実施する押出プレスを、添付図面を参照しながら説明する。図1は制御系を含む押出しプレスの一部断面示構成説明図、図2は原料粉末の押出方法説明図である。図3はタンピング前の原料粉末の見かけ密度測定説明図、図4はタンピング終了後の原料粉末の見かけ密度測定説明図、図5はコンテナの潤滑位置説明図である。 【0020】 図1に示す符号1は、押出プレス(押出し可能姿勢を示している。)であり、この押出プレス1はコンテナ2を備えている。このコンテナ2の一端側にノズル2aが設けられており、押出し状態においては水平にされる一方、原料粉末を詰込むときにはノズル2a側が下側になり、開口2b側が上側になるように90°回動されるが、この場合にはノズル2aの先端は図示しない締切部材により閉塞される。押出し可能姿勢である水平状態におけるコンテナ2の開口2b側(図における右側)にプレスシリンダ3が配設されている。 このプレスシリンダ3は前記コンテナ2内に詰込まれた原料粉末を押出すノズル2aの方向に移動される、往復動可能なプレスラム4を備えている。また、このプレスシリンダ3の側面には、このプレスシリンダ3と平行に、ラム戻し機能と、押出し力を増化させる補助シリンダ5,5が配設されている。そして、前記プレスラム4のプレスシリンダ3から突出するラムロッド4aと、前記補助シリンダ5それぞれの伸縮ロッド5aの先端は連結フレーム6に連結されており、押出し完了後のプレスラム4は補助シリンダ5,5により伸縮ロッド5a、連結フレーム6、およびラムロッド4aを介して、コンテナ2の開口2bから抜出す方向(反ノズル2a方向)に戻されるように構成されている。 【0021】 さらに、前記コンテナ2の回動中心Oを通る垂直線を共有する位置に中心線を有し、前記コンテナ2内に詰込まれた原料粉末をタンピングするタンピング装置7が設けられている。より詳しくは、このタンピング装置7は、コンテナ2の内径に対応する外径を有するタンピング板(図5参照。)7aを備えており、このタンピング板7aは、タンピング装置本体の上端に垂直に突設されてなるタンピングシリンダ8により上下動されるように構成されている。そして、前記タンピング板7aの上端面側であってかつ外周縁部付近の周方向に所定の間隔で、前記コンテナ2の内周面に潤滑剤を噴射して塗布する複数のコンテナスプレー9が配設されている。 【0022】 上記のような押出プレス1には、プレスシリンダ3と、補助シリンダ5と、タンピングシリンダ8との作動を制御する制御装置10が設けられている。この制御装置10は、油圧ユニット11を備えており、この油圧ユニット11から前記プレスシリンダ3のボトム側に第1圧油給排管路12が連通している。また、この油圧ユニット11から前記補助しシリンダ5のボトム側にボトム側第2圧油給排管路13aが、またロッド側にロッド側第2圧油給排管路13bが連通している。さらに、この油圧ユニット11から前記タンピングシリンダ9のボトム側にボトム側第3圧油給排管路14aが、またロッド側にロッド側第3圧油給排管路14bが連通している。そして、前記油圧ユニット11は、プレスシリンダ3、つまりプレスラム5とタンピング装置7との作動を制御する制御手段である後述するプログラマブルロジックコントローラ(以下、PLCという。)15によって制御されるように構成されている。 【0023】 前記PLC15には、ラムロッド4aの移動距離を検出する第1移動距離検出センサである第1ロータリーエンコーダ16から、前記プレスラム4の所定位置からの移動距離に相当する移動距離信号(パルス信号)が入力されるようになっている。また、このPLC15には、タンピングシリンダ8の移動距離を検出する第2移動距離検出センサである第2ロータリーエンコーダ17から、前記プレスラム4の所定位置からの移動距離に相当する移動距離信号(パルス信号)が入力されるようになっている。さらに、このPLC15には、タッチパネル17から運転条件等が入力されるようになっている。 【0024】 前記PLC15は、第1ロータリーエンコーダ16から出力される押出開始位置から最初に切断するまでのプレスラム4の1押出成形製品分の移動距離信号に基づいて、1押出成形製品を切断して以降から前進限までに押出し可能な押出成形製品の個数分のプレスラム4の移動距離を演算する。そして、第1ロータリーエンコーダ16から、演算で求めた個数分の移動距離に相当する移動距離信号が出力されると、プレスラム4の前進動作を停止させるように前記油圧ユニット11を制御するラム制御機能を備えている。より具体的には、図2に示すように、プレスラム4の1押出成形製品分の移動距離L1を求め、この移動距離L1に基づいて、押出し可能な押出成形製品の個数分のプレスラム4の移動距離L2を求め、第1ロータリーエンコーダ16からプレスラム4が移動距離L2移動すると、このプレスラム4の前進作動を停止させるものである。 【0025】 また、このPLC15は、第2ロータリーエンコーダ17からのタンピングシリンダ8の移動距離信号に基づいて、図3に示すように、押出し完了後にコンテナ2内に残された原料粉末の表面位置L0からコンテナ2内に次回押し出し分の原料粉末が投入されてタンピングが開始される位置までの距離L3を演算し、これら両位置間の距離L3とコンテナ2の内径と投入された原料粉末の重量とから、タンピング前の原料粉末の見かけ密度を求めるタンピング前密度演算機能を備えている。また、第2ロータリーエンコーダ17からのタンピングシリンダ8の移動距離信号に基づいて、図4に示すように、押出し完了後にコンテナ2内に残された原料粉末の表面位置L0からコンテナ2内に次回押し出し分の原料粉末が投入され、投入された原料粉末の表面からタンピングが完了した位置までの距離L4から(L3−L4)を演算し、これら両位置間の距離(L3−L4)とコンテナの内径と投入された原料粉末の重量とから、タンピング後の原料粉末の見かけ密度を求めるタンピング前密度演算機能を備えている。 【0026】 さらに、このPLC15は、図5に示すように、押出しが完了してコンテナ2内に残された原料粉末の表面位置L0から予め設定された所定距離だけ離間した位置L5である潤滑剤塗布位置まで前記タンピング装置が移動したことを第2ロータリーエンコーダ17からの移動距離信号に基づいて判断し、判断した位置L5において潤滑剤を塗布するためにタンピングシリンダ8の作動を停止させることにより、タンピング装置7のタンピング板7aを停止させるタンピング装置制御機能を備えている。なお、位置L5は潤滑剤がコンテナ2の内壁面を伝って垂れる量から決まるもので、前の押出終了位置を記憶することにより、演算により容易に求めることができるものである。 【0027】 以下、本発明に係る押出プレス1の作用態様を説明する。即ち、本発明に係る押出プレス1では、第1ロータリーエンコーダ16からのプレスラム4の1押出成形製品分の移動距離L1に相当する移動距離信号に基づいて、1押出成形製品を切断して以降から前進限までに押出し可能な押出成形製品の個数分のプレスラム4の移動距離L2が演算される。 そして、プレスラム4が演算された前記個数分の距離L2だけ移動すると、PLC15からの指令により油圧ユニット11の作動が停止されるので、このプレスラム4の前進動作が自動的に停止される。従って、本発明に係る押出プレス1によれば、上記従来例に係る押出プレスのように、プレスラムの押出終了位置を計算等で算出して入力する必要がないから、入力ミスにより、一回の押出しの最後の押出成形製品が不良(長さ不足)になるような虞がない。また、ノズル2aの先端部に不良品が残されてしまうようなこともないから、作業者等が手動運転でノズル2aの先端部に残された不良品を取除くというような煩雑な作業を行う必要がなくなる。 【0028】 また、本発明に係る押出プレス1では、PLC15により押出し完了後にコンテナ2内に残された原料粉末の表面位置L0からコンテナ2内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが開始される位置までの距離L3が演算される。そして、両位置間の距離L3とコンテナ2の内径と原料粉末の重量とからタンピング前の原料粉末の見かけ密度が求められる。また、押出し完了後にコンテナ2内に残された原料粉末の表面位置L0からコンテナ2内に次回押出し分の原料粉末が投入されてタンピングが完了した位置までの距離(L3−L4)が演算され、この両位置間の距離(L3−L4)とコンテナ2の内径と原料粉末の重量とからタンピング後の原料粉末の見かけ密度が求められる。 【0029】 そのため、本発明に係る押出プレス1によれば、押出プレス1の立ち上げ時に、集積したタンピング前の原料粉末の見かけ密度、タンピング後の原料粉末の見かけ密度に係るデータを活用することができる。即ち、これら見かけ密度データをタッチパネル17に入力して押出プレス1を制御することにより、従来例のようにトライアンドエラーにより最適なタンピング条件を見つける必要がなくなる。そして、これにより、押出プレス1の立ち上げ時においても不良品が発生するようなことがなく、即安定操業することが可能になるという優れた効果を得ることができる。 【0030】 さらに、本発明に係る押出プレス1では、PLC15は、第2ロータリーエンコーダ17からのタンピングシリンダ8の移動距離に相当する移動距離信号に基づいて、押出しが完了してコンテナ2内に残された原料粉末の表面位置L0から予め設定された所定距離だけ離間した位置である潤滑剤塗布位置L5までタンピング装置7が移動したことを判断する。そして、判断した位置で潤滑剤塗布装置であるコンテナスプレー9を移動させるタンピング板7aを停止させ、この停止位置でコンテナスプレー9から潤滑剤が噴射される。 そのため、本発明に係る押出プレス1によれば、コンテナ2内に残された原料粉末の量に関係なく、固定値により潤滑剤塗布装置の停止位置を制御する従来例と異なり、コンテナ2内に残された原料粉末の表面から最適な高さ位置で潤滑剤を塗布することができる。 【0031】 従って、潤滑剤の塗布位置が高すぎて、コンテナ2内面に潤滑不良部位が発生して押出成形製品の表面品質に問題が発生するような恐れがない。また、潤滑剤の塗布位置が低すぎて、押出終了後にコンテナ2内に残された原料粉末の表面に潤滑剤が広がって次に充填される原料粉末との一体化が損なわれ、押出成形製品に不良品が生じ、歩留まりが低下するというような虞もない。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明に係り、制御系を含む押出しプレスの一部断面示構成説明図である。 【図2】原料粉末の押出方法説明図である。 【図3】タンピング前の原料粉末の見かけ密度測定説明図である。 【図4】タンピング終了後の原料粉末の見かけ密度測定説明図である。 【図5】コンテナの潤滑位置説明図である。 【図6】従来例に係るカーボン押出プレスの縦断正面図である。 【図7】図6のA矢視図である。 【符号の説明】 【0033】 1…押出プレス 2…コンテナ,2a…ノズル,2b…開口 3…プレスシリンダ 4…プレスラム,4a…ラムロッド 5…補助シリンダ,5a…伸縮ロッド 6…連結フレーム 7…タンピング装置,7a…タンピング板 8…タンピングシリンダ 9…コンテナスプレー 10…制御装置 11…油圧ユニット 12…第1圧油給排管路 13a…ボトム側第2圧油給排管路,13b…ロッド側第2圧油給排管路 14a…ボトム側第3圧油給排管路,14b…ロッド側第3圧油給排管路 15…PLC 16…第1ロータリーエンコーダ(第1移動距離検出センサ) 17…第2ロータリーエンコーダ(第2移動距離検出センサ) 18…タッチパネル
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001199 【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所 【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区脇浜町二丁目10番26号
|
| 【出願日】 |
平成15年7月17日(2003.7.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089196 【弁理士】 【氏名又は名称】梶 良之
【識別番号】100104226 【弁理士】 【氏名又は名称】須原 誠
|
| 【公開番号】 |
特開2005−34890(P2005−34890A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月10日(2005.2.10) |
| 【出願番号】 |
特願2003−276095(P2003−276095) |
|