| 【発明の名称】 |
更生管の既設管部分補修工法 |
| 【発明者】 |
【氏名】飯田 光 【住所又は居所】滋賀県栗東市野尻75 積水化学工業株式会社内
【氏名】中村 伸吾 【住所又は居所】滋賀県栗東市野尻75 積水化学工業株式会社内
【氏名】島貫 孝 【住所又は居所】滋賀県栗東市野尻75 積水化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】シンプルでかつ安価な部分補修作業によって施工後の経時的な亀裂の発生を防止し得る更生管の既設管部分補修工法を提供する。
【解決手段】帯状部材よりなるプロファイルを螺旋状に巻回して既設管Xの補修部位Xaの内径よりも若干小径の円筒形状となるように円筒形ダミー管内でライニング管Rを予め形成しておき、このライニング管の断面形状を変形装置により襞状に縮退させた後、このライニング管を上流側マンホールM1から既設管内の補修部位に敷設し、次いで、ライニング管と既設管との間に蒸気を送り込んでライニング管を加熱して膨進させた後、パッカーPを収縮させた状態でライニング管内に挿入してから、パッカーに圧縮エアを注入してライニング管を形状回復させ、その後、ライニング管と既設管の補修部位との間にモルタルMTを注入し、ライニング管を既設管の補修部位に密着させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マンホール間に埋設されている既設管内部の補修部位を更生管により部分補修する既設管部分補修工法であって、 長尺の帯状に形成された帯状部材よりなるプロファイルを螺旋状に巻回して円筒形状となるように所定長さの更生管を予め形成した後、この更生管の断面形状を襞状に縮退させておく準備工程と、 襞状に縮退させた状態の更生管を既設管内部の補修部位に設置する設置工程と、 上記更生管と既設管との間に熱媒体を送り込んで更生管を加熱して膨進させる膨進工程と、 圧縮エアにより円筒形状に膨張する膨張体を収縮させた状態で更生管の内部に挿入する膨張体挿入工程と、 膨張体の内部に圧縮エアを注入して更生管を形状回復させる形状回復工程と、 膨張体により形状回復させた状態の更生管と既設管の補修部位との間に裏込め材を注入し、更生管を既設管の補修部位に密着させるライニング工程と を備えていることを特徴とする更生管の既設管部分補修工法。 【請求項2】 マンホール間に埋設されている既設管内部の補修部位を更生管により部分補修する既設管部分補修工法であって、 長尺の帯状に形成された帯状部材よりなるプロファイルを螺旋状に巻回して円筒形状となるように所定長さの更生管を予め形成した後、圧縮エアにより円筒形状に膨張する膨張体を収縮させた状態で上記更生管の内部に挿入し、その後、更生管の断面形状を膨張体と共に襞状に縮退させておく準備工程と、 膨張体を内部に挿入した更生管を既設管内部の補修部位に設置する設置工程と、 上記更生管と既設管との間に熱媒体を送り込んで更生管を加熱して膨進させると共に、膨張体の内部に圧縮エアを注入して更生管を形状回復させる形状回復工程と、 膨張体により形状回復させた状態の更生管と既設管の補修部位との間に裏込め材を注入し、更生管を既設管の補修部位に密着させるライニング工程と を備えていることを特徴とする更生管の既設管部分補修工法。 【請求項3】 上記請求項1または請求項2に記載の更生管の既設管部分補修工法において、 螺旋状に巻回されたプロファイル同士を接合する接合部は、互いの接合を強固にするシール材によって貼着されていることを特徴とする更生管の既設管部分補修工法。 【請求項4】 上記請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の更生管の既設管部分補修工法において、 更生管は、形状回復温度において円筒形状に形状回復性を有する熱可塑性樹脂材料により成形されていることを特徴とする更生管の既設管部分補修工法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、更生管によりマンホール間に埋設されている既設管内部の補修部位を部分補修する工法に関し、詳しくは、更生管の無理な膨進による施工後の経時的な亀裂の発生を防止する対策に係わる。 【背景技術】 【0002】 従来、マンホール間に埋設された既設管の内部の補修部位を部分補修する更生管としては、硬質ないし半硬質の合成樹脂材料が適用されている。そして、このような更生管により既設管内の補修部位を部分補修する場合には、一方のマンホールから既設管内の補修部位に更生管を挿入し、その後、更生管内に熱媒体を送り込んで更生管を内方から加熱して膨進させた後、更生管を内方から空気加圧して更生管を拡径させて既設管の補修部位に密着させ、それから更生管を空気冷却させるような工法が採られている(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 一方、既設管内に製管機を設置し、長尺の帯状に形成された帯状部材よりなるプロファイルを既設管内で螺旋状に巻回して更生管を形成し、この更生管と既設管の内面との間にモルタルを注入して固化させることによって、既設管内に更生管を施工するような工法もある(例えば、特許文献2参照)。 【特許文献1】特開平11−351490号公報 【特許文献2】特開平10−146893号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、既設管の内径は、千差万別であり、このように多種に亘る内径に密着するような径の更生管を成型する場合、上記従来の前者のものでは、それぞれの既設管の径に応じた型が必要とされるが、現状では多種に亘る型がすべて存在しておらず、更生管を内方から加圧する加圧力を調整することによって、多種に亘る既設管の内径に密着するように更生管を拡径させることが行われている。しかし、更生管を既設管の内径(募集部位の内径)に密着させるように拡径させる際の拡径率(膨張率)には限度があり、通常1.4倍程度の拡径(膨張)が限界とされている。そのため、1.4倍を超える拡径率で拡径させた更生管には経時的な亀裂が発生するおそれがある。 【0005】 一方、上記従来の後者のものでは、更生管を既設管の内径に応じた径に無理なく製管することができるものの、既設管内にわざわざ製管機を設置しなければならないため、既設管の補修部位を部分補修するために製管機を設置すれば、既設管の部分補修作業が非常に大掛かりなものとなる上、部分補修作業コストも非常に嵩むことになる。 【0006】 本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シンプルでかつ安価な部分補修作業によって施工後の経時的な亀裂の発生を防止し得る更生管の既設管部分補修工法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記目的を達成するため、本発明では、マンホール間に埋設されている既設管内部の補修部位を更生管により部分補修する既設管部分補修工法として、長尺の帯状に形成された帯状部材よりなるプロファイルを螺旋状に巻回して円筒形状となるように所定長さの更生管を予め形成した後、この更生管の断面形状を襞状に縮退させておく準備工程と、襞状に縮退させた状態の更生管を既設管内部の補修部位に設置する設置工程と、上記更生管と既 設管との間に熱媒体を送り込んで更生管を加熱して膨進させる膨進工程と、圧縮エアにより円筒形状に膨張する膨張体を収縮させた状態で更生管の内部に挿入する膨張体挿入工程と、膨張体の内部に圧縮エアを注入して更生管を形状回復させる形状回復工程と、膨張体により形状回復させた状態の更生管と既設管の補修部位との間に裏込め材を注入し、更生管を既設管の補修部位に密着させるライニング工程とを備えている。 【0008】 この特定事項により、帯状部材よりなるプロファイルを螺旋状に巻回して既設管の補修部位の内径よりも若干小径の円筒形状となるように予め形成した更生管を襞状に縮退させてから一方のマンホールより既設管内の補修部位に更生管を挿入した状態で、更生管と既設管の補集部位との間に送り込んだ熱媒体により更生管を加熱して膨進させるとともに、更生管の内部に挿入した膨張体に圧縮エアを注入して更生管を形状回復させているので、既設管の補修部位の内径に則した径の更生管が予め用意され、この更生管を無理に拡径(膨張)させることなく形状回復させることによって既設管内の補修部位が部分補修されることになり、更生管の経時的な亀裂の発生を確実に防止することが可能となる。しかも、プロファイルを螺旋状に巻回した更生管を用いていることにより、既設管内にわざわざ製管機を設置する必要がなく、既設管内の部分補修作業をシンプルでかつ低コストで行うことが可能となる。 【0009】 これに対し、マンホール間に埋設されている既設管内部の補修部位を更生管により部分補修する既設管部分補修工法として、長尺の帯状に形成された帯状部材よりなるプロファイルを螺旋状に巻回して円筒形状となるように所定長さの更生管を予め形成した後、圧縮エアにより円筒形状に膨張する膨張体を収縮させた状態で上記更生管の内部に挿入し、その後、更生管の断面形状を膨張体と共に襞状に縮退させておく準備工程と、膨張体を内部に挿入した更生管を既設管内部の補修部位に設置する設置工程と、上記更生管と既設管との間に熱媒体を送り込んで更生管を加熱して膨進させると共に、膨張体の内部に圧縮エアを注入して更生管を形状回復させる形状回復工程と、膨張体により形状回復させた状態の更生管と既設管の補修部位との間に裏込め材を注入し、更生管を既設管の補修部位に密着させるライニング工程とを備えている。 【0010】 この特定事項により、プロファイルを螺旋状に巻回して既設管の補修部位の内径よりも若干小径の円筒形状となるように予め形成した更生管の内部に膨張体を挿入した状態で襞状に縮退させてから一方のマンホールより既設管内の補修部位に挿入し、この状態で、更生管と既設管との間に送り込んだ熱媒体により更生管を加熱して膨進させるとともに、更生管内部の膨張体に圧縮エアを注入して更生管を形状回復させているので、既設管の補修部位の内径に則した径の更生管が予め用意され、この更生管を無理に拡径(膨張)させることなく形状回復させることによって既設管内部の補修部位が部分補修されることになり、同様に更生管の経時的な亀裂の発生を確実に防止することが可能となる上、既設管内にわざわざ製管機を設置する必要がなくなって既設管の部分補修作業をシンプルでかつ低コストで行うことが可能となる。加えて、更生管をその内部に膨張体を挿入した状態で襞状に縮退させていることにより、既設管内に挿入した更生管を加熱して膨進させてから膨張体を更生管の内部に挿入するもののように、既設管内の補修部位で更生管を加熱して膨進させてから内部に膨張体を挿入する膨張体挿入工程が不要となり、煩わしい膨張体挿入工程を削減して部分補修作業の簡単化を図ることが可能となるとともに、作業工程の削減による部分補修作業に要する時間の短縮化を図ることも可能となる。 【0011】 しかも、更生管内で膨張する膨張体によって更生管の形状回復が委ねられるようにすれば、更生管自体に円筒形状の形状回復性を持たせる必要もなくなり、更生管の素材(原料)のバリエーションを拡大させることが可能となる。 【0012】 特に、螺旋状に巻回されたプロファイル同士の接合強度を高め得るものとして、以下の 構成が掲げられる。 【0013】 つまり、螺旋状に巻回されたプロファイル同士を接合する接合部を、その接合部での接合を強固にするシール材によって貼着している。 【0014】 この特定事項により、プロファイル同士の接合部は、シール材によって強固に接合されているので、予め形成された更生管を縮退させた後に膨進させて形状回復させてもプロファイル同士の接合部が外れることはなく、既設管内の補修部位での水密性を十分に確保することが可能となる。 【0015】 更に、更生管を、形状回復温度において円筒形状に形状回復性を有する熱可塑性樹脂材料により成形している場合には、縮退させた更生管を加熱して膨進させた際に円筒形状に形状回復し易くなり、更生管を膨進させた状態でその内部に膨張体を挿入する際にはその挿入作業を円滑に行うことが可能となる上、内部の膨張体を膨張させながら更生管を膨進させる際には更生管の形状回復性をより高めることが可能となる。 【発明の効果】 【0016】 以上のように、本発明では、プロファイルを螺旋状に巻回して既設管の補修部位の内径よりも若干小径の円筒形状となるように予め形成した更生管を襞状に縮退させてから既設管の補修部位内に挿入した後、更生管と既設管との間に送り込んだ熱媒体により更生管を加熱して膨進させるとともに、更生管の内部に挿入した膨張体に圧縮エアを注入して更生管を形状回復させることで、既設管の補修部位の内径に則した径の更生管を無理に膨張させることなく形状回復させて既設管内の補修部位を部分補修でき、更生管の経時的な亀裂の発生を確実に防止することができる。しかも、プロファイルを螺旋状に巻回した更生管を用いていることにより、既設管内にわざわざ製管機を設置する必要がなく、既設管の部分補修作業をシンプルでかつ低コストで行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 【実施例1】 【0018】 図1は更生管としてのライニング管の施工に使用するプロファイル(リブロック型)の一例を示す側面図、図2はライニング管の製管に使用する製管機の構造を示す側面図、図3は製管機の正面図である。 【0019】 本実施例に用いられるプロファイル1は、図1の(a)及び(b)に示すように、帯状部材によって構成されている。 【0020】 プロファイル1(帯状部材)は、硬質塩化ビニル等の熱可塑性樹脂材料を長尺帯状に成形した部材で、その外面には複数のT型リブ11,…が長手方向に沿って形成されており、その短手方向一側端部{図1の(a)では左側}には接合凹部12aが形成されている一方、短手方向他側端部{図1の(a)では右側}には接合凸部12bが形成されている。そして、接合凹部12aおよび接合凸部12bによって、プロファイル1の短手方向一側端部と他側端部とがそれぞれ互いに内外に重なり合って係合する接合部12が構成されている。また、接合凸部12bの近傍には、接合凹部12aに対する接合を強固にするシール材としてのホットシール14が貼着されている。更に、プロファイル1の短手方向一側端には、接合凹部12aと接合凸部12bとの接合によって短手方向他側端側のT型リブ11の頭部に対し嵌入される嵌入部13が斜め外方向きに凸設されている。 【0021】 そして、以上の構造のプロファイル1は、ドラムD(図4参照)に巻き付けられ、製管 機2によるライニング管Rの製管に供される。そして、上記ライニング管Rは、後述する既設管Xの補修部位Xaの内径よりも若干小径な円筒形ダミー管C内に沿って製管され、現地で既設管Xの補修部位Xaを部分補修する際に予め形成されたものが供される。 【0022】 ここで、ライニング管Rの製管に使用する製管機2について説明する。 【0023】 この製管機2は、図2に示すように、円形ダミー管Cの長手方向後側(図2では右側)から連続的に送り込まれるプロファイル1を相接する縁端縁間で接合しつつ円形ダミー管Cの長手方向前側(図2では左側)に螺旋状に巻回させて螺旋管状体10を形成するようになされている。上記製管機2は、図3にも示すように、前後一対のフレーム21,22を備え、各フレーム21,22間に跨るように接合機構部3が設けられている。この接合機構部3は、プロファイル1外面のT型リブ11を受容する溝およびプロファイル1両側端縁の接合部12を受容するための溝を備えた外面ローラ31と、内面ローラ32とを備えている。接合機構部3は、これらの内外面ローラ31,32をギャボックス33を介して油圧モータ35に連結した構成(34はロータリジョイント)であり、周方向に2組設けられている。そして、上記内外面ローラ31,32は前後のフレーム21,22に支持され、ギャボックス33、ロータリジョイント34および油圧モータ35は前側のフレーム21に支持されている。更に、前後のフレーム21,22間には、螺旋管状体10を内径規制のもとで半径方向外方からガイドする案内ローラ23,…が回転自在に支持されている。 【0024】 また、前側のフレーム21には、その周方向所定間隔おきに駆動輪24,…および従動輪25,…が交互に配され、この各駆動輪24および従動輪25は、それぞれアーム26,…を介して支持されている。上記各アーム26は、コイルバネ27によって各駆動輪24および各従動輪25を円形ダミー管Cの内周面Caに押え付けるようになされている。上記各駆動輪24は、油圧モータ241によって駆動されるようになっている。そして、後側のフレーム22には、その周方向所定間隔おきに従動ローラ28,…が回転自在に支持され、この各従動ローラ25が円形ダミー管Cの内周面Ca上において転動するようになされている。この場合、製管機2は、各駆動輪24、各従動輪25および各従動ローラ28による円形ダミー管Cの内周面Ca上での転動によって一定の回転前進速度で移動するようになっている。 【0025】 上記製管機2を用いて円形ダミー管C内でライニング管Rを製管する準備工程として、図4に示すように、製管機2を円形ダミー管C内に納め、円形ダミー管Cの長手方向前側(図4では左側)に設けた油圧ポンプYにより油圧ホースY1を介して製管機2の接合機構部3の外面ローラ31及び内面ローラ32を駆動し、円形ダミー管Cの長手方向後側(図4では右側)に設けたドラムDから供給されてくるプロファイル1を接合機構部3の外面ローラ31及び内面ローラ32で螺旋状に送ると共に最初の接合機構部3の外面ローラ31と内面ローラ32とで既に形成された螺旋管状体10の前縁端にある接合凹部12aに最初の接合機構部3に送り込まれてくるプロファイル1の後縁端の接合凸部12bを嵌合により接合し、製管機2を駆動輪24の駆動力により一定の回転前進速度で自走させてプロファイル1を螺旋方向に引き込み、上記形成された螺旋管状体10を拡径させつつ円形ダミー管Cの内周面Caに近接させていく。そして、上記製管機2は、駆動輪24の駆動力によって、螺旋管状体10の形成速度に平衡する速度よりも遅い一定速度で回転前進し、1回転でプロファイル1一巻き分程度前進するようになされている。この場合、回転前進する製管機2の回転前進速度と、外面ローラ31及び内面ローラ32によるプロファイル1の送り込み速度との間には差が生じており、この製管機2の回転前進速度よりも速い送り込み速度となるプロファイル1の送り込み力によって、螺旋管状体10の接合凹部12aと接合凸部12bとをその接合部12間に生じる剪断力により摺動させ、筒状管状体10を拡径させて円形ダミー管Cの内周面Caに近接させるようになされている。また 、ライニング管Rとしては、例えば内径900mmの既設管Xの補修部位Xaを部分補修する上で、それよりも若干小径な直径800m〜850mmに形成されている。 【0026】 そして、上記ライニング管Rは、円形ダミー管Cから取り外して所望する既設管Xの補修部位Xaの長さに見合った長さに切断されている。また、図5に示すように、ライニング管Rは、変形装置3にて断面形状が襞状となるように縮退される。具体的には、図6の(a)に示すように、変形装置3は、密閉状態でライニング管Rを蒸気加熱して内部を形状回復温度以下の雰囲気に保つ密閉室31と、この密閉室31内に設置され、断面略半円弧状を呈する樋形状の変形容器32と、その変形容器32の周方向両端に取り付けられたゴム製の固定用治具33,33と、変形容器32の固定用治具33,33上に載置されたライニング管Rをその上方から変形容器32内に押し込むように押さえ込んで図6の(b)に示す如く外面に長手方向に沿って延びる凹部Raを形成するロッド状の押込部材34とを備えている。この場合、変形容器32は、後述する上流側および下流側マンホールM1,M2の地上開口部M1a,M2aの口径が通常600mmに設計されている関係上、一方の地上開口部(例えば上流側マンホールM1の地上開口部M1a)から既設管X内に直径800〜850mmのライニング管Rを挿入できるように直径500mm程度に設定したものが用いられ、形状回復温度以下の雰囲気中で軟化したライニング管Rを押込部材34により変形容器32内に押し込んで外面に長手方向に沿って延びる凹部Raを有するように変形されて断面外形面積が小さくなる襞状に縮退させた形状に成形されることによって一方のマンホール、例えば上流側マンホールM1内に地上開口部M1aから挿入できるようにしている。 【0027】 このようにして準備工程において製造されたライニング管Rは、既設管Xの補修部位Xaを部分補修する現場に搬入されるまでの間は、外気温の影響を受けて管自身が「自然形状回復」することがないように、拘束手段を用いて拘束するか、低温保管することが好ましい。 【0028】 次に、ライニング管Rによる既設管Xの部分補修工法の準備工程の後に行われる各工程を図7〜図13に基づいて説明する。 【0029】 ここで、図7に示すように、地面と略水平に延びる既設管Xは、上流側マンホールM1と下流側マンホールM2との間に埋設され、その各マンホールM1,M2に対し端部がそれぞれ開口している。 【0030】 既設管Xの補修部位Xaに近い上流側マンホールM1の地上開口部M1a付近には、既設管Xの補修部位Xaの長さに見合った長さに切断されたライニング管Rが搬入されている。尚、ライニング管Rを既設管X内に挿入するのに先立って、予め、既設管X内部の補修部位Xaを洗浄し且つ突出物などを除去しておく。 【0031】 先ず、敷設工程として、上流側マンホールM1から搬入されたライニング管Rを既設管X内の補修部位Xaに敷設する。 【0032】 次いで、膨進工程として、図8に示すように、上流側マンホールM1の地上開口部M1a付近に蒸気発生・加圧器52を配置し、この蒸気発生・加圧器52から延びるホース52aを既設管X(補修部位Xa)とライニング管Rとの間に挿通し、蒸気発生・加圧器52より既設管Xとライニング管Rとの間に蒸気を連続的に供給し、その蒸気により、ライニング管Rを所定温度(例えば40゜C)まで加熱し、膨進させて軟化させる。 【0033】 それから、パッカー挿入工程として、上流側マンホールM1の地上開口部M1aからパッカーPを搬入し、図9に示すように、膨進し始めているライニング管R内にパッカーP を挿入して敷設する。この際の既設管X内におけるライニング管RおよびパッカーPの状態を図10に示す。 【0034】 その後、形状回復工程として、蒸気による加熱を再開してライニング管Rを蒸気によって例えば60゜Cまで加熱したら、ホース52aを上流側マンホールM1内から抜き取り、図11に示すように、エア吸引可能な圧縮エア注入車Eを上流側マンホールM1の地上開口部M1a付近に配車し、パッカーPの一端(図11では左端)に取り付けたエアホースEaから圧縮エアを注入し、パッカーP内に注入される圧縮エアによりライニング管Rを内部から拡径させて略円筒形に復元させる。この際の既設管X内におけるライニング管RおよびパッカーPの状態を図12に示す。 【0035】 しかる後、ライニング工程として、図13に示すように、ライニング管Rの両端にこのライニング管Rの両端を既設管Xの補修部位Xaとの間で止水する環状の止水栓S,Sを取り付けた後、この一方の止水栓S(図13では右側)に開口する開口孔(図示せず)に、上流側マンホールM1の地上開口部M1a付近に配備したモルタルタンク車(図示せず)から供給ホース(図示せず)を差し込み、モルタルタンク車からの裏込め材としてのモルタルMTを、パッカーPにより復元させたライニング管Rと既設管Xの補修部位Xaとの間に注入する。その後、ライニング管Rと既設管Xの補修部位Xaとの間がモルタルMTで満たされると、モルタルMTの注入を停止し、モルタルMTが固化するまで1時間程度待機してライニング管Rが既設管Xの補修部位Xaに密着し、ライニング工程を終える。 【0036】 そして、後処理工程として、ライニング管Rと既設管Xとの間に注入したモルタルMTの固化が完了すると、圧縮エア注入車EによりパッカーP内の圧縮エアを吸引してパッカーPを収縮させてから、パッカーPをライニング管R内から抜き取る。 【0037】 このように、帯状部材よりなるプロファイル1を円形ダミー管C内で螺旋状に巻回して既設管Xの補修部位Xaの内径よりも若干小径の円筒形状となるように予め形成したライニング管Rを襞状に縮退させてから上流側マンホールM1の地上開口部M1aを介して既設管X内に挿入した状態で、ライニング管Rと既設管Xとの間に送り込んだ蒸気によりライニング管Rを加熱して膨進させるとともに、ライニング管Rの内部に挿入したパッカーPに圧縮エアを注入してライニング管Rを形状回復させているので、既設管Xの補修部位Xaの内径に則した径のライニング管Rが予め用意され、このライニング管Rを無理に膨張させることなく形状回復させることによって既設管X内部の補修部位Xaが部分補修されることになり、ライニング管Rの経時的な亀裂の発生を確実に防止することができる。しかも、プロファイル1を螺旋状に巻回したライニング管Rを用いていることにより、既設管X内にわざわざ製管機を設置する必要がなく、既設管Xの部分補修作業をシンプルでかつ低コストで行うことができる。 【0038】 また、接合凹部12aに対する接合を強固にするホットシール14が接合凸部12bの近傍に貼着されているので、プロファイル1の短手方向一側端に斜め外方向きに凸設された嵌入部13が接合凹部12aと接合凸部12bとの接合により短手方向他側端側のT型リブ11の頭部に対し嵌入されることと相俟って、螺旋状に巻回されたプロファイル1,1同士を接合する接合部12が強固に固定されることになり、予め形成されたライニング管Rを縮退させた後に膨進させて形状回復させてもプロファイル1,1同士の接合部12が外れることはなく、既設管Xの補修部位Xa内での水密性を十分に確保することができる。 【0039】 更に、ライニング管Rが、形状回復温度において円筒形状に形状回復性を有する硬質塩化ビニル等の熱可塑性樹脂材料を長尺帯状に成形したプロファイル1により成形されてい るので、縮退させたライニング管Rを加熱して膨進させた際に円筒形状に形状回復し易くなり、ライニング管Rを膨進させた状態でその内部にパッカーPを挿入する際の挿入作業を円滑に行うことができる上、内部のパッカーPを膨張させてライニング管Rを復元させる際の形状回復性をより高めることができる。 【実施例2】 【0040】 次に、本発明の実施例2を図14ないし図20に基づいて説明する。 【0041】 この実施例では、ライニング管を膨進させる前段階でパッカーをライニング管内に挿入させるようにしている。なお、本実施例は、パッカーをライニング管内に挿通させる手順のみが上記実施例1の場合と異なるので、本実施例の構成は、上記実施例1で述べた構成と同じであり、同一部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。 【0042】 すなわち、本実施例では、準備工程として、円形ダミー管C内に納めた製管機2によって既設管Xの補修部位Xaの内径よりも若干小径(既設管Xの補修部位Xaの内径900mmよりも若干小径な直径800m〜850mm程度)の円筒形状となるようにライニング管Rを予め形成し、この円形ダミー管C内から取り外したライニング管Rを既設管Xの補修部位Xaの長さに見合った長さに切断しておく。そして、図14に示すように、切断を終えたライニング管部Rの内部に、パッカーPを収縮させた状態で挿入しておく。それから、パッカーPを内部に挿入したライニング管Rを変形装置3にて断面形状が襞状となるように縮退しておく。具体的には、図14の(a)および(b)に示すように、形状回復温度以下の雰囲気中で軟化したライニング管Rを押込部材34により変形容器32内に押し込んで外面に長手方向に沿って延びる凹部Raを有するように変形させて断面外形面積が小さくなる襞状に縮退させた形状に成形しておく。 【0043】 次に、ライニング管Rによる既設管Xの部分補修工法の準備工程の後に行われる各工程を図15〜図19に基づいて説明する。 【0044】 ここで、既設管Xの補修部位Xaに近い上流側マンホールM1の地上開口部M1a付近には、既設管Xの補修部位Xaの長さに見合った長さに切断されかつ内部にパッカーPを挿入した縮退状態のライニング管Rを搬入しておく。なお、ライニング管Rを既設管X内に挿入するのに先立って、予め、既設管X内部の補修部位Xaを洗浄し且つ突出物などを除去しておく。 【0045】 そして、敷設工程として、図15に示すように、内部にパッカーPを挿入した状態のライニング管Rを上流側マンホールM1の地上開口部M1aを介して既設管X内の補修部位Xaに敷設する。この際の既設管X内におけるライニング管RおよびパッカーPの状態を図16に示す。 【0046】 次いで、形状回復工程として、図17に示すように、上流側マンホールM1の地上開口部M1a付近に蒸気発生・加圧器52を配置し、この蒸気発生・加圧器52から延びるホース52aを既設管Xとライニング管Rとの間に挿通し、蒸気発生・加圧器52より既設管Xとライニング管Rとの間に蒸気を連続的に供給して、ライニング管Rを所定温度(例えば60゜C)まで加熱し、膨進させて軟化させたら、ホース52aを上流側マンホールM1内から抜き取り、図18に示すように、上流側マンホールM1の地上開口部M1a付近に配車したエア吸引可能な圧縮エア注入車EからのホースEaをパッカーPの一端(図18では左端)に取り付け、圧縮エア注入車Eからの圧縮エアをエアホースEaを介してパッカーP内に注入し、この注入される圧縮エアによりライニング管Rを内部から拡径させて略円筒形に復元させる。この際の既設管X内におけるライニング管RおよびパッカーPの状態を図19に示す。 【0047】 しかる後、ライニング工程として、図20に示すように、ライニング管Rの両端に、このライニング管Rの両端を既設管Xの補修部位Xaとの間で止水する環状の止水栓S,Sを取り付けた後、この一方の止水栓S(図20では左側)に開口する開口孔(図示せず)に、上流側マンホールM1の地上開口部M1a付近に配備したモルタルタンク車(図示せず)から供給ホース(図示せず)を差し込み、モルタルタンク車からの裏込め材としてのモルタルMTを、パッカーPにより復元しているライニング管Rと既設管Xの補修部位Xaとの間に注入する。その後、ライニング管Rと既設管Xの補修部位Xaとの間がモルタルMTで満たされると、モルタルMTの注入を停止し、モルタルMTが固化するまで1時間程度待機してライニング管Rが既設管Xの補修部位Xaに密着し、ライニング工程を終える。 【0048】 そして、後処理工程として、ライニング管Rと既設管Xの補修部位Xaとの間に注入したモルタルMTの固化が完了すると、圧縮エア注入車EによりパッカーP内の圧縮エアを吸引してパッカーPを収縮させてから、パッカーPをライニング管R内から抜き取る。 【0049】 このように、帯状部材よりなるプロファイル1を円形ダミー管C内で螺旋状に巻回して既設管Xの補修部位Xaの内径よりも若干小径の円筒形状となるように予め形成したライニング管Rの内部にパッカーPを挿入した状態で襞状に縮退させてから上流側マンホールM1の地上開口部M1aを介して既設管Xの補修部位Xa内に挿入し、この状態で、ライニング管Rと既設管Xとの間に送り込んだ蒸気によりライニング管Rを加熱して膨進させるとともに、ライニング管R内部のパッカーPに圧縮エアを注入してライニング管Rを形状回復させているので、既設管Xの補修部位Xaの内径に則した径のライニング管Rが予め用意され、このライニング管Rを無理に膨張させることなく形状回復させることによって既設管X内の補修部位Xaが部分補修されることになり、同様にライニング管Rの経時的な亀裂の発生を確実に防止することができる上、既設管X内にわざわざ製管機を設置する必要がなくなって既設管Xの部分補修作業をシンプルでかつ低コストで行うことができる。加えて、ライニング管Rをその内部にパッカーPを挿入した状態で襞状に縮退させていることにより、既設管内に挿入したライニング管を加熱して膨進させてからパッカーをライニング管の内部に挿入するもののように、既設管内でライニング管を加熱して膨進させてから内部にパッカーを挿入するパッカー挿入工程が不要となり、煩わしいパッカー挿入工程を削減して部分補修作業の簡単化を図ることができるとともに、作業工程(パッカー挿入工程)の削減による部分補修作業に要する時間の短縮化を図ることもできる。 【0050】 しかも、ライニング管R内で膨張するパッカーPによってライニング管Rの形状回復が委ねられることにより、ライニング管R自体に円筒形状の形状回復性を持たせる必要もなくなり、ライニング管Rの素材(原料)のバリエーションを拡大させることができる。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】(a)は本発明の実施例1に係わる既設管部分補修工法に使用されるライニング管を形成するプロファイルの一例を示す図である。(b)は同プロファイル同士の接合状態を示す図である。 【図2】同じくライニング管の施工に使用する製管機の構造を示す側面図である。 【図3】同製管機の構造を示す正面図である。 【図4】同ライニング管の施工方法を示す概略説明図である。 【図5】同ライニング管を縮退させた状態の斜視図である。 【図6】(a)は同じくライニング管の縮退前の変形装置の構造を示す断面図である。(b)は同ライニング管の縮退後の変形装置の構造を示す断面図である。 【図7】同ライニング管の既設管部分補修工法においてライニング管を既設管内の補修部位に敷設した状態を示す敷設工程の概略説明図である。 【図8】同ライニング管の既設管部分補修工法において既設管内で蒸気によりライニング管を膨進させた状態を示す膨進工程の概略説明図である。 【図9】同ライニング管の既設管部分補修工法において既設管内でライニング管の内部にパッカーを挿入した状態を示すパッカー挿入工程の概略説明図である。 【図10】図9における既設管内で切断したライニング管およびパッカーの断面図である。 【図11】同ライニング管の既設管部分補修工法においてパッカーを膨張させてライニング管を復元させた状態を示す形状回復工程の概略説明図である。 【図12】図11における既設管内で切断したライニング管およびパッカーの断面図である。 【図13】同ライニング管の既設管部分補修工法においてライニング管による部分補修を完了した状態を示すライニング工程の概略説明図である。 【図14】(a)は本発明の実施例2に係わる既設管部分補修工法において使用されるライニング管およびパッカーの縮退前の変形装置の構造を示す断面図である。(b)は同ライニング管およびパッカーの縮退後の変形装置の構造を示す断面図である。 【図15】同ライニング管の既設管部分補修工法においてライニング管およびパッカーを既設管内の補修部位に敷設した状態を示す敷設工程の概略説明図である。 【図16】図15における既設管内で切断したライニング管およびパッカーの断面図である。 【図17】同ライニング管の既設管部分補修工法において既設管内で蒸気によりライニング管を膨進させた状態を示す形状回復工程前半の概略説明図である。 【図18】同ライニング管部の既設管部分補修工法においてパッカーを膨張させてライニング管を復元させた状態を示す形状回復工程後半の概略説明図である。 【図19】図18における既設管内で切断したライニング管およびパッカーの断面図である。 【図20】同ライニング管の既設管部分補修工法においてライニング管による部分補修を完了した状態を示すライニング工程の概略説明図である。 【符号の説明】 【0052】 1 プロファイル 12 接合部 14 ホットシール(シール材) M1 上流側マンホール(マンホール) M1a 地上開口部 M2 下流側マンホール(マンホール) M2a 地上開口部 MT モルタル(裏込め材) P パッカー(膨張体) R ライニング管(更生管) X 既設管 Xa 補修部位
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号
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| 【出願日】 |
平成15年7月17日(2003.7.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−35222(P2005−35222A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月10日(2005.2.10) |
| 【出願番号】 |
特願2003−276259(P2003−276259) |
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