| 【発明の名称】 |
飽水石膏型又は素焼型による型起成形方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】勝連 久誌
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| 【要約】 |
【課題】陶器、磁器などの焼物を成形するには乾燥した石膏型を用いる型起成形と廃泥鋳込成形がある。いづれも乾燥状態にある石膏型の吸水性を利用して坏土又は泥漿と型面との接触部に固化層を生じさせて離型する。従って同じ型で5〜10個成形すると石膏型の水分量が増加し型起が困難となる。一旦吸水した型は乾燥して再使用するので作業効率が悪く、成形品の型崩れも生じやすく熟練を要する作業となる。又廃泥鋳込成形では水と水ガラスに粘土を分散した泥漿を注入して成形するので石膏が泥漿に溶け出し型寿命が10分の1位に短くなる。
【解決手段】本発明は、従来の乾燥型を使用する型起成形や廃泥鋳込成形とは逆の飽水石膏型を用いる方法である。石膏型を飽水状態にし、型の含水率よりも水分率の低い坏土を押型して成形する方法で離型性がよく、連続成形を可能とし型寿命も1000個以上と大きく改善できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多孔質材料からなる型をほぼ飽和状態になるまで水を吸収させて、予め粘土に水を加えて練り上げた坏土を押型して成形する型起成形方法。 【請求項2】 多孔質材料が石膏である事を特徴とする、請求項1に記載の型起成形方法。 【請求項3】 時々型表面に水を噴霧する事を特長とする、請求項1又は2に記載の型起成形方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 工芸品、食器、置物などの焼物を作る場合に石膏型又は素焼型を用いた坏土成形方法に係わる。 【背景技術】 【0002】 従来から行われている石膏型による型起成形法には割型を使うが、その際先ず石膏型をほぼ絶乾状態まで乾燥しておいて、粘土に水(約25%)を加えて練込んだ坏土を石膏型に手で押付ける。 【0003】 石膏型が乾燥しているため余分の坏土が流れにくく成形精度が悪くなる。 【0004】 型面に接触している坏土の表面から石膏型に水分が吸い取られて硬化層が出来る。この状態で割型を開いて成形品を取り出す。 【0005】 離型する際に成形品の表面が捲れやすく、手直し作業に時間も掛かり熟練を要する作業で、精密な成形は出来ない。 【0006】 同じ型で5〜10回続けて成形すると、石膏型の吸水量が増加し、型を再利用するには、吸水性を回復するために乾燥させる必要がある。 【0007】 連続量産のためには多数の同じ型を用意しておく必要がある。 【0008】 石膏型による廃泥鋳込成形でもほぼ絶乾状態の割型を用いる。この場合は粘土を水と水ガラスに分散させた泥(泥漿)を石膏型の鋳口から注入し暫く放置すると石膏型が水分を吸収し着肉層を形成する。 【0009】 着肉層が適当な厚さになったところで内部の泥漿を鋳口から流出させる。 【0010】 30〜60分放置すると、着肉層の水分が石膏型に吸収されて成形品が更に硬化収縮し簡単に離型出来る。 【0011】 廃泥鋳込成形法では泥漿を作るのに水ガラスを使用するため石膏成分が水ガラスに溶出し型の寿命が押型成形に比べて十分の一位短くなる。 【0012】 同じ形のものを量産しようとすると、型乾燥による待ち時間をカバーするために、同じ型を多数用意する必要がある。 【特許文献1】特開平01−38205 【特許文献2】特開平01−249301 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0013】 同じ形の陶器製工芸品などを量産する場合上記従来の型起成形法では、型の再利用時の型乾燥に時間が掛かる、又は多数の同じ型確保、離型後の手直し、熟練作業者が必要、型乾燥設備の設置などの問題がある。 【0014】 また鋳込成形法では型乾燥に時間が掛かる、量産のために多数の同じ型の確保が必要、型の寿命が短い(100〜120個成形)、型乾燥設備が必要などの問題がある。 【課題を解決するための手段】 【0015】 型製作に使用する多孔質材としては石膏、素焼、シリコンゴム又はメタアクリル酸多価金属塩などの合成樹脂が考えられる。 【0016】 成形型を飽水状態、含水率約25%〜31%、望ましくは29%以上になるまで吸水させて、この型に含水率約24%の坏土を押型して成形する。 【0017】 この際型と坏土の含水率の差が余剰な坏土の流れ性を改善し、成形品の離型に有効に働き効率の良い作業が可能で小型の成形品には特に有利となる。 【0018】 型の含水率が31%を超えると坏土を押型しても余分の水分が、型面と坏土の間に水の層を形成するために細部の型写しが出来なくなる。 【0019】 又型の含水率が下がって24%以下になると離型性が阻害されて成形面が捲れ易くなるので、型面の水分が減少してくると離型性を回復するために霧噴器などで型面に水を噴霧し作業を繰り返す。 【0020】 坏土の含水率は以下の方法で、粘土に水を加えて練り上げた坏土の異なる3箇所から試料を採取して計測した。 【0021】 この試料を乾燥する前の重量をW0、110℃で16時間乾燥後の重量をW1として(1)式で求めた。 【0022】 坏土の含水率(%)=(W0−W1)*100/W1・・・(1) 計測データ 試料1:24.8%、試料2:24.2%、試料3:23.9% 坏土の含水率平均 24.3% 【0023】 石膏型の含水率は、乾燥状態の石膏型の重量W0とし、水に浸漬後3時間経過後、飽水状態の石膏型の重量W1として(2)式で求めた。 型の含水率(%)=(W1−W0)*100/W0・・・(2) 【0024】 型によって多少の差異は認められるものの浸漬後5分で雄型96.5%、雌型86.6%の含水率で、3時間経過後には100%飽水状態であると判断できる。 【0025】 計測データ 雄型 30.6%、雌型 27.6% 平均 29.1% 【0026】 請求項1では、多孔質材料から成る型に飽和状態に成るまで水を含ませて、これに坏土を押型して成形する型起成形法を述べている。 【0027】 請求項2では、多孔質材料が石膏であることを特徴とする型起成形法を特定している。 【0028】 請求項3では、時々型表面に水を噴霧することで連続作業を可能とする、 請求項1又は2に記載の型起成形法を特定している。 【発明の効果】 【0029】 同じ型を使って何個でも連続成形が出来、離型性が良いので、熟練者でなくても手直しも少なく従来の型起し成形法に比べて精度のよい成形が可能。 【0030】 型寿命も従来の成形法に比べ1000個以上と飛躍的に伸び、石膏型の乾燥設備なども必要がない。 【実施例】 【0031】 以下本発明の内容を実施例により詳述するが、本件発明の範囲はこれに限定されるものではない。 【0032】 (図1)に示すように、使用する石膏型を水に浸漬して気泡が発生しなくなるまで水を十分吸収(含水率27%〜31%。望ましくは29%以上。)させる。 【0033】 飽水状態の石膏型に坏土を押付けて雄型と雌型を合わせて成形を行い、成形品をとりだす。 【0034】 途中霧吹きなどで時々型面に水分補給する。 【0035】 型から成形品を取り出して自然乾燥させる。 【図面の簡単な説明】 【0036】 【図1】本発明の型起成形法工程順 【図2】従来の押型成形法工程順 【図3】従来の廃泥鋳込成形法工程順
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| 【出願人】 |
【識別番号】501059039 【氏名又は名称】勝連 久誌
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| 【出願日】 |
平成15年10月20日(2003.10.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−119238(P2005−119238A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月12日(2005.5.12) |
| 【出願番号】 |
特願2003−359399(P2003−359399) |
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