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【発明の名称】 配管溶接方法および配管溶接構造
【発明者】 【氏名】佐藤 準治
【住所又は居所】大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内

【氏名】植田 邦生
【住所又は居所】大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内

【氏名】長谷川 恵一
【住所又は居所】大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内

【要約】 【課題】管状部材の分岐部と制御機器本体の接続部とを溶接する際、分岐部と接続部とを加えた長さを従来考えられていた最小値よりも短くすることができる配管溶接方法および配管溶接構造を提供する。

【解決手段】管状部材2の分岐部3は、管状部材2の周方向に対し接線方向にのびる線を基準線として、この基準線よりも上に半径分離れた位置を中心軸とする外周を有している。管状部材2の分岐部3の突き合わせ端面を軸方向に対して直角な面に対し基準線長さが短くなるように傾斜させる。制御機器本体4の接続部5の突き合わせ端面を管状部材2の分岐部3に対応する傾斜面とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突出状分岐部を有する管状部材と突出状接続部を有する制御機器本体とをその分岐部と接続部とを突き合わせて溶接する配管溶接方法であって、管状部材の分岐部は、管状部材の周方向に対し接線方向にのびる線を基準線として、この基準線よりも上に半径分離れた位置を中心軸とする外周を有しており、管状部材の分岐部の突き合わせ端面を軸方向に対して直角な面に対し基準線長さが短くなるように傾斜させるとともに、制御機器の接続部の突き合わせ端面を管状部材の分岐部に対応する傾斜面とすること特徴とする配管溶接方法。
【請求項2】
管状部材の管厚みをT、1〜5の範囲の所定数値をαとして、管状部材の外周面から分岐部の基準線対向線の突き合わせ端面までの距離をαTとした第1モデル、管状部材の外周面から分岐部の中心軸の突き合わせ端面までの距離をαTとした第2モデルおよび管状部材の外周面から分岐部の基準線の突き合わせ端面までの距離をαTとした第3モデルについて、分岐部の基準線対向線長さ、分岐部の基準線長さおよび突き合わせ端面の傾斜角をそれぞれ求め、最適なモデルの条件で溶接することを特徴とする請求項1の配管溶接方法。
【請求項3】
3つのモデルの内の分岐部の基準線対向線長さ+分岐部の基準線長さが最小値となるモデルを最適なモデルとすることを特徴とする請求項2の配管溶接方法。
【請求項4】
突出状分岐部を有する管状部材と突出状接続部を有する制御機器本体とがその分岐部と接続部とを突き合わせて溶接された配管溶接構造であって、管状部材の分岐部は、管状部材の周方向に対し接線方向にのびる線を基準線として、この基準線よりも上に半径分離れた位置を中心軸とする外周と、軸方向に対して直角な面に対して基準線長さが短くなるように傾斜する突き合わせ端面を有しており、制御機器本体の接続部は、管状部材分岐部の突き合わせ端面の傾斜角度に等しい傾斜角度を有していることを特徴とする配管溶接構造。
【請求項5】
分岐部の基準線対向線長さ、分岐部の基準線長さおよび突き合わせ端面の傾斜角は、管状部材の管厚みをT、1〜5の範囲の所定数値をαとして、管状部材の外周面から分岐部の基準線対向線の突き合わせ端面までの距離をαTとした第1モデル、管状部材の外周面から分岐部の中心軸の突き合わせ端面までの距離をαTとした第2モデルおよび管状部材の外周面から分岐部の基準線の突き合わせ端面までの距離をαTとした第3モデルの3つのモデルの内、分岐部の基準線対向線長さ+分岐部の基準線長さが最小値となるモデルに従うものとされていることを特徴とする請求項4の配管溶接構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、配管溶接方法および配管溶接構造に関し、特に、突出状分岐部を有する管状部材と突出状接続部を有する制御機器本体とをその分岐部と接続部とを突き合わせて溶接する際の配管溶接方法および配管溶接構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に、開先突き合わせ部の溶接を行う配管溶接方法について記載されているが、これを含めて従来の配管溶接方法では、開先突き合わせ部端面がその軸方向に対して直角であることを前提として考えられている。
【0003】
したがって、突出状分岐部を有する管状部材と突出状接続部を有する制御機器本体とをその分岐部と接続部とを突き合わせて溶接する際も、分岐部および接続部の端面は、分岐部および接続部の軸方向に対して直角とされていた。
【特許文献1】特開平10−225795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶接作業においては、開先突き合わせ部分の長さを所定値以上確保することが必要とされている。そのため、突出状分岐部を有する管状部材と突出状接続部を有する制御機器本体とをその分岐部と接続部とを突き合わせて溶接する溶接する場合、両分岐部を加えた長さには、計算上の最小値があり、その長さをこれより短くすることはできないと考えられていた。
【0005】
この発明の目的は、管状部材の分岐部と制御機器本体の接続部とを溶接する際、分岐部と接続部とを加えた長さを従来考えられていた最小値よりも短くすることができる配管溶接方法および配管溶接構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による配管溶接方法は、突出状分岐部を有する管状部材と突出状接続部を有する制御機器本体とをその分岐部と接続部とを突き合わせて溶接する配管溶接方法であって、管状部材の分岐部は、管状部材の周方向に対し接線方向にのびる線を基準線として、この基準線よりも上に半径分離れた位置を中心軸とする外周を有しており、管状部材の分岐部の突き合わせ端面を軸方向に対して直角な面に対し基準線長さが短くなるように傾斜させるとともに、制御機器の接続部の突き合わせ端面を管状部材の分岐部に対応する傾斜面とすること特徴とするものである。
【0007】
この発明による配管溶接構造は、突出状分岐部を有する管状部材と突出状接続部を有する制御機器本体とがその分岐部と接続部とを突き合わせて溶接された配管溶接構造であって、管状部材の分岐部は、管状部材の周方向に対し接線方向にのびる線を基準線として、この基準線よりも上に半径分離れた位置を中心軸とする外周と、軸方向に対して直角な面に対して基準線長さが短くなるように傾斜する突き合わせ端面を有しており、制御機器本体の接続部は、管状部材分岐部の突き合わせ端面の傾斜角度に等しい傾斜角度を有していることを特徴とするものである。
【0008】
制御機器本体は、例えば、分岐通路を開閉するバルブの本体(弁箱)とされるが、これに限定されるものではなく、分岐通路に設けられるものであれば種々のものが使用される。また、管状部材は、典型的には、液体を通す筒としての管を意味するが、これに限定されるものではない。
【0009】
この発明の配管溶接方法によると、管状部材の分岐部の突き合わせ端面を、軸方向に対して直角な面に対し基準線長さが短くなるように傾斜させて溶接するので、基準線の長さを計算上の最小値とすることにより、基準線の長さを従来より短くすることができ、これに対応させて、制御機器の接続部の突き合わせ端面を管状部材の分岐部に対応する傾斜面とすることにより、分岐部+接続部のトータル長さすなわち管状部材と制御機器本体との距離を小さくすることができる。
【0010】
この発明の配管溶接方法において、上記の作用効果を得るために、管状部材の管厚みをT、1〜5の範囲の所定数値をαとして、管状部材の外周面から分岐部の基準線対向線の突き合わせ端面までの距離をαTとした第1モデル、管状部材の外周面から分岐部の中心軸の突き合わせ端面までの距離をαTとした第2モデルおよび管状部材の外周面から分岐部の基準線の突き合わせ端面までの距離をαTとした第3モデルについて、分岐部の基準線対向線長さ、分岐部の基準線長さおよび突き合わせ端面の傾斜角をそれぞれ求め、最適なモデルの条件で溶接することことが好ましい。また、3つのモデルの内の分岐部の基準線対向線長さ+分岐部の基準線長さが最小値となるモデルを最適なモデルとすることがより好ましい。
【0011】
このようにすると、分岐部および接続部の具体的な寸法を溶接前に求めておくことができ、より最適に、分岐部+接続部のトータル長さを小さくすることができる。
【0012】
この発明の配管溶接構造によると、管状部材の分岐部は、軸方向に対して直角な面に対して基準線長さが短くなるように傾斜する突き合わせ端面を有しているので、基準線の長さを計算上の最小値とすることにより、基準線の長さを従来より短くすることができ、制御機器本体の接続部は、管状部材分岐部の突き合わせ端面の傾斜角度に等しい傾斜角度を有しているので、分岐部+接続部のトータル長さすなわち管状部材と制御機器本体との距離を小さくすることができる。
【0013】
この発明の配管溶接構造において、上記の作用効果を得るために、分岐部の基準線対向線長さ、分岐部の基準線長さおよび突き合わせ端面の傾斜角は、管状部材の管厚みをT、1〜5の範囲の所定数値をαとして、管状部材の外周面から分岐部の基準線対向線の突き合わせ端面までの距離をαTとした第1モデル、管状部材の外周面から分岐部の中心軸の突き合わせ端面までの距離をαTとした第2モデルおよび管状部材の外周面から分岐部の基準線の突き合わせ端面までの距離をαTとした第3モデルの3つのモデルの内、分岐部の基準線対向線長さ+分岐部の基準線長さが最小値となるモデルに従うものとされていることが好ましい。
【0014】
このようにすると、分岐部および接続部の具体的な寸法を溶接前に求めておくことができ、より最適に、分岐部+接続部のトータル長さを小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。以下の説明において、上下および左右は、図の上下および左右をいうものとする。
【0016】
図1および図2は、この発明の配管溶接方法および配管溶接構造の第1実施形態を示している。
【0017】
配管溶接構造(1)は、円筒突出状分岐部(3)を有する管(管状部材)(2)と円筒突出状接続部(5)を有する制御機器本体(4)とがその分岐部(3)と接続部(5)とを突き合わせて溶接されたものである。
【0018】
管状部材(2)の分岐部(3)は、管状部材(2)の周方向に対し接線方向にのびる下端を基準線(S)として有するとともに、この基準線(S)よりも上に分岐部(3)の半径分離れた位置を中心とする外周(3a)と、軸方向に対して直角な面に対し基準線(S)が短くなるように傾斜する突き合わせ端面(3b)とを有している。
【0019】
制御機器本体(4)は、右方に開口したダイヤフラム支持部(4a)および下端から上方にのびて接続部(5)に通じている流体通路(4b)を有している。ダイヤフラム支持部(4a)には、ダイヤフラムを上下させるためのアクチュエータ(図示略)が取り付けられる。制御機器本体(4)は、管状部材(2)の軸方向から見て、接続部(5)を含む左上の角部が切除された縦長方形の断面形状を有している。
【0020】
図3は、この発明の配管溶接方法および配管溶接構造の第2実施形態を示している。
【0021】
配管溶接構造(1)は、円筒突出状分岐部(3)を有する管(管状部材)(2)と円筒突出状接続部(5)を有する制御機器本体(6)とがその分岐部(3)と接続部(5)とを突き合わせて溶接されたものである。
【0022】
管状部材(2)の分岐部(3)は、管状部材(2)の周方向に対し接線方向にのびる下端を基準線(S)として有するとともに、この基準線(S)よりも上に分岐部(3)の半径分離れた位置を中心とする外周(3a)と、軸方向に対して直角な面に対し基準線(S)が短くなるように傾斜する突き合わせ端面(3b)とを有している。
【0023】
制御機器本体(6)は、右方に開口したダイヤフラム支持部(6a)および下端から上方にのびて接続部(5)に通じている流体通路(6b)を有している。ダイヤフラム支持部(6a)には、ダイヤフラムを上下させるためのアクチュエータ(図示略)が取り付けられる。制御機器本体(6)は、管状部材(2)の軸方向から見て、縦長方形の断面形状を有している。
【0024】
第1実施形態の配管溶接構造(1)と第2実施形態の配管溶接構造(1)との相違点は、制御機器本体(6)の断面形状であり、第1実施形態の配管溶接構造(1)では、接続部(5)を含む左上の角部が切除されている分だけ、第2実施形態の配管溶接構造(1)よりもその左右幅を短くすることができる。
【0025】
以下では、図4から図7までを参照して、この発明の配管溶接方法および配管溶接構造のより好ましい実施形態について説明する。
【0026】
この発明の配管溶接方法および配管溶接構造では、分岐部(3)の基準線対向線(基準線(S)が下端とされているこの実施形態では、基準線と平行な上端)の長さ、分岐部(3)の基準線(S)の長さおよび突き合わせ端面(3b)の傾斜角を決定するに際し、3つのモデルを使用することを特徴としている。これらのモデルは、管状部材(2)の管厚みをTとして、管状部材(2)の外周面から分岐部(3)の基準線対向線の突き合わせ端面(3b)までの距離を2Tとした第1モデル(図4(a)に示す)、管状部材(2)の外周面から分岐部(3)の中心軸の突き合わせ端面(3b)までの距離を2Tとした第2モデル(図4(b)に示す)および管状部材(2)の外周面から分岐部(3)の基準線(S)の突き合わせ端面(3b)までの距離を2Tとした第3モデル(図4(c)に示す)である。
【0027】
これらの各モデルによると、管状部材(2)の管厚みT、管状部材(2)の半径Rおよび分岐部(3)の半径rに応じて、分岐部(3)の基準線対向線長さW、分岐部(3)の基準線対向線の管状部材(2)の径方向長さtw、分岐部(3)の基準線長さh,hおよび突き合わせ端面(3b)の傾斜角θが求まるので、分岐部(3)の基準線対向線長さW+分岐部(3)の基準線長さhまたはhが最小値となるモデルに従って、その分岐部(3)の基準線対向線長さW、分岐部(3)の基準線対向線の管状部材(2)の径方向長さtw、分岐部(3)の基準線長さhまたはhおよび突き合わせ端面(3b)の傾斜角θを溶接条件として採用すればよい。
【0028】
第1モデルについての計算を行うのに必要な式を図5に、第2モデルについての計算を行うのに必要な式を図6に、第3モデルについての計算を行うのに必要な式を図7にそれぞれ示す。これらの式を用いることにより、管状部材(2)の管厚みT、管状部材(2)の半径Rおよび分岐部(3)の半径rとして、各モデルについて、分岐部(3)の基準線対向線長さW、分岐部(3)の基準線対向線の管状部材(2)の径方向長さtw、分岐部(3)の基準線長さhまたはhおよび突き合わせ端面(3b)の傾斜角θを求めることができる。なお、W、tw、h、hおよびθは、互いに図に示した式によって関係づけられているので、溶接条件として、これらのうちの全部を使う必要はない。
【0029】
各モデルについて、突き合わせ端面を軸方向に対して直角な面とした場合との比較を図8から図10までに示す。図8が第1モデル、図9が第2モデル、図10が第3モデルのものであり、各図の(a)が本発明のもの、各図の(b)が従来のものに相当している。同図においては、制御機器本体(4)側も管状部材(2)側と全く同じ構成とされており、同図(b)の(13)は、分岐部を、(15)は、接続部を示している。これらの図から分かるように、上記モデルを用いることにより、分岐部(3)+接続部(5)のトータル長さすなわち管状部材(2)と制御機器本体(4)との距離を大幅に減少することができる。
【0030】
図11は、第1から第3までのモデル同士の比較を行っているもので、同図の(a)が第1モデル、(b)が第2モデル、(c)が第3モデルであり、図示した条件では、第1モデルおよび第2モデルが、第3モデルよりも分岐部(3)+接続部(5)のトータル長さすなわち管状部材(2)と制御機器本体(4)との距離をより減少できることが分かり、また、第1モデルと第2モデルとでは、その差が非常に小さいが、第2モデルの方がわずかに上記距離をより減少できることが分かる。この結果に基づいて、溶接条件を決定するには、第2モデルを使用すればよいことになる。ただし、第1モデルも許容レベルであり、必要に応じて、こちらを採用することもできる。
【0031】
なお、上記において、各モデルについての条件として与えた2Tの2は、溶接を行う上での安全率を考慮して適宜決定されるもので、管の径、分岐部の径、使用条件などに基づいて、1以上、より好ましくは、1.5以上の適宜な値とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明による配管溶接方法および配管溶接構造の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同縦断面図である。
【図3】この発明による配管溶接方法および配管溶接構造の第2実施形態を示す垂直断面図である。
【図4】この発明による配管溶接方法および配管溶接構造の3つのモデルを示す横断面図である。
【図5】第1モデルの具体的計算方法を示す図である。
【図6】第2モデルの具体的計算方法を示す図である。
【図7】第3モデルの具体的計算方法を示す図である。
【図8】第1モデルに基づく構成と従来の構成とを比較する図である。
【図9】第2モデルに基づく構成と従来の構成とを比較する図である。
【図10】第3モデルに基づく構成と従来の構成とを比較する図である。
【図11】第1から第3までのモデル同士を比較する図である。
【符号の説明】
【0033】
(1) 配管溶接構造
(2) 管状部材
(3) 分岐部
(4)(6) 制御機器本体
(5) 接続部
(S) 基準線
【出願人】 【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
【住所又は居所】大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号
【出願日】 平成15年12月1日(2003.12.1)
【代理人】 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦

【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助

【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 彰

【識別番号】100069338
【弁理士】
【氏名又は名称】清末 康子

【公開番号】 特開2005−161337(P2005−161337A)
【公開日】 平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願番号】 特願2003−401241(P2003−401241)