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【発明の名称】 棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法
【発明者】 【氏名】入江 大輔
【住所又は居所】兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地 山陽特殊製鋼株式会社内

【氏名】山口 和良
【住所又は居所】兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地 山陽特殊製鋼株式会社内

【要約】 【課題】棒鋼圧延設備における丸鋼切断中の上下刃物内に付着した切断時の異物除去する方法を提供する。

【解決手段】棒鋼圧延設備により圧延された圧延成品を、冷却床に取込みシャーラインを搬送後、コールドシャーにて条鋼に切断するに際に、上下刃物台に取り付けられた刃物の刃内に付着するバリ・小片を除去するために圧延成品切断時の材クランプ用押え装置にエアー吹き出し穴を設けたことを特徴とする棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒鋼圧延設備により圧延された圧延成品を、冷却床に取込みシャーラインを搬送後、コールドシャーにて条鋼に切断するに際に、上下刃物台に取り付けられた刃物の刃内に付着するバリ・小片を除去するために圧延成品切断時の材クランプ用押え装置にエアー吹き出し穴を設けたことを特徴とする棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法。
【請求項2】
請求項1に記載のエアー吹き出し穴を設けた押え装置は、内面に空間を設け、下面および前面にエアー吹き出し穴を設け、エアー吹き出し前面穴の角度αは水平方向から上方向にα≦30°、該下面穴は垂直方向から圧延成品送り方向にα≦50°としたことを特徴とする棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の前面穴、または下面穴の個数を刃物穴数に対応して設けたことを特徴とする棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法に関し、特に丸鋼切断中の上下刃物内に付着したバリ・小片により発生する丸鋼端部の凹状の疵を防止するのに優れた、刃物前面で切断材のズレを保持する目的で設置されている押え装置による刃物の周辺の異物を除去する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、条鋼圧延設備については、図1に示すように、圧延ライン1の終端に接して設けられた冷却床2と当該冷却床の終端に接して設けられたシャーライン3とを備え、圧延ライン1上の図示しない圧延機により圧延された圧延成品mは冷却床2に移される。シャーライン3では、圧延成品mはローラーテーブルによりコールドシャー4方向へ送られ、当該コールドシャー4よりもさらに送り方向に配置されている定寸機のストッパ5に当接して送りが停止され、この状態でコールドシャー4が動作となり、圧延成品mは切断されて定尺の条鋼Mとなり搬出される。
【0003】
上記コールドシャー4で切断を行う際の動作は、圧延成品mがコールドシャー4内の刃物台7に取り付けられた下刃8の刃内に搬送され、更に搬送されストッパ5に当接して圧延成品mが停止し、ストッパ5は上昇する。その後、圧延成品m切断時に材をクランプするための押え装置9が下降し、続いて刃物台6が下降し、刃物台6に取り付けられた上刃10により材を切断する。その後、刃物台6及び押え装置9は上昇し、条鋼Mを搬送する。この動作を圧延成品mが端尺になるまで繰り返し行うものである。
【0004】
ところで、上記コールドシャー4で圧延成品mを切断中又は、端尺処理中に発生するバリ・小片が上刃9の刃内に付着すると、次切断の条鋼Mの端部に凹状の疵をプリントする。この凹状の疵の発生を防止する方法として、刃物内面へのバリ・小片の付着を監視できるようにモニターを取り付けるか、こまめに点検を行う検出方法が取られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来の条鋼Mの凹状疵の発生を防止する方法である刃物内面へのバリ・小片を監視できるようなモニターを設置するか、こまめに点検、除去を行う方法は、人力によるものであり、監視不足、点検・除去漏れが有れば、多量の不良材を発生させてしまうと言う問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記したような問題を解消するために発明者らは鋭意開発を進めた結果、上記問題点である人力による発生防止方法ではなく、機械的な発生防止方法により解消すること、さらに、刃物を冷却することにより、刃物へのバリ・小片の付着を抑制する効果があるため、これを同時に行う棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法を提供することにある。その発明の要旨とするところは、
(1)棒鋼圧延設備により圧延された圧延成品を、冷却床に取込みシャーラインを搬送後、コールドシャーにて条鋼に切断するに際に、上下刃物台に取り付けられた刃物の刃内に付着するバリ・小片を除去するために圧延成品切断時の材クランプ用押え装置にエアー吹き出し穴を設けたことを特徴とする棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法。
【0007】
(2)前記(1)に記載のエアー吹き出し穴を設けた押え装置は、内面に空間を設け、下面および前面にエアー吹き出し穴を設け、エアー吹き出し前面穴の角度αは水平方向から上方向にα≦30°、該下面穴は垂直方向から圧延成品送り方向にα≦50°としたことを特徴とする棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法。
(3)前記(1)または(2)に記載の前面穴、または下面穴の個数を刃物穴数に対応して設けたことを特徴とする棒鋼圧延設備における切断時の異物除去方法にある。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明の押え装置は、エアー吹き出し穴を押え装置前面および下面に有するので、上刃および下刃の刃内に付着するバリ・小片をエアー穴より吹き出されるエアーで刃外に排出可能であり、また、刃物の冷却も同時に行え刃内へのバリ・小片の付着を抑制することができる極めて優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図2は、コールドシャーにおける切断概略図である。この図に示すように、圧延成品mの切断時に材をクランプするための押え装置9が下降し、続いて刃物台6が下降し、刃物台6に取り付けられた上刃10により材を切断する。その後、刃物台6及び押え装置9は上昇し、条鋼Mを搬送する。符号7は下刃用刃物台を示し、8は刃物(下刃)を示す。
【0010】
図3は、本発明に係る押え装置の詳細図である。この図3に示すように、圧延成品mを切断する時に材をクランプする目的で取り付けられた押え装置9にエアー配管を取り付け、押え装置9の内面に空間11を設け、押え装置9の下面および前面には空間11よりエアーを吹き出す穴12、13、14を設けてエアーブローを行なうことで、圧延成品mの切断中および切断終了後に押え装置9を上下方向に移動させた際に上刃10、下刃8の刃内の冷却および付着物の除去を行うものである。
【0011】
特に、上記において、エアーが吹き出す穴の角度αは、押え装置9の前面穴12は水平方向から上方向にα≦30°、および、押え装置9の下面穴13、14は垂直方向から圧延成品mの送り方向にα≦50°で開いている。さらに、上刃10および下刃8は図4に示すように、圧延成品mのサイズアップに伴い、刃物の穴を大きくするために交換するもので、その際に減少する刃物穴数(8穴から32穴)に対応して全ての刃物穴数にエアーブローが行えるように刃物の穴数の最大32個が、それぞれ前面穴は32個、下面穴は、32個が2列に空けられた押え装置9を構成する。すなわち、図4は、刃物穴数に対応し全ての刃物穴数にエアーブローが対応できるための説明図である。
【0012】
上述したように、本発明は、図3に示すように、従来圧延成品mを切断する時に材をクランプする目的で取り付けられた押え装置9に前面穴12は水平方向から上方向にα≦30°、および、押え装置9の下面穴13、14は垂直方向から圧延成品mの送り方向にα≦50°でエアーが吹き出す穴を設けており、エアーを上刃10および下刃8に吹きつけることが出来るので、刃物を冷却すると同時に、刃物の付着物を浮かせ刃外に排出させることが出来る。しかし、前面穴を水平方向から上方向に30°を超える角度、並びに下面穴13、14での角度を50°を超えると、冷却効果および付着物の排出効果が十分でなく、また、α=0°であれば、刃物の冷却効果は有るが、刃内の物を刃外へ排出させるには効果的でないことから、それぞれの角度とした。
【実施例】
【0013】
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
図3に示すように、押え装置9にエアー配管を取り付け、押え装置9の内面には空間11を設け、押え装置9の前面にエアーを吹き出し穴32個、下面には32個の2列が開けられた構造で、この場合のエアーを吹き出し穴の寸法はφ4mmとし、前面穴12は水平方向に対し、α=20°、下面穴13は垂直面に対し、圧延成品mの送り方向にα=40°とする。この押え装置9を用い切断を行ったところ、刃内のバリ・小片の付着物はスムーズに除去され凹状疵の発生を防止することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】圧延機から圧延成品を切断するまでの工程説明図である。
【図2】コールドシャーにおける切断概略図である。
【図3】本発明に係る押え装置の詳細図である。
【図4】刃物穴数に対応し全ての刃物穴数にエアーブローが対応できるための説明図である。
【符号の説明】
【0015】
1 圧延ライン
2 冷却床
3 シャーライン
4 コールドシャー
5 定寸機ストッパ
6 上刃用刃物台
7 下刃用刃物台
8 刃物(下刃)
9 押え装置
10 刃物(上刃)
11 エアー用空間
12 エアー吹き出し穴(押え装置前面)
13 エアー吹き出し穴(押え装置下面1列目)
14 エアー吹き出し穴(押え装置下面2列目)
m 圧延成品
M 条鋼


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

【出願人】 【識別番号】000180070
【氏名又は名称】山陽特殊製鋼株式会社
【住所又は居所】兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地
【出願日】 平成15年11月11日(2003.11.11)
【代理人】 【識別番号】100074790
【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 彊

【公開番号】 特開2005−144465(P2005−144465A)
【公開日】 平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願番号】 特願2003−381733(P2003−381733)