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【発明の名称】 自動壁紙糊付機及び自動壁紙糊付機用スリッター
【発明者】 【氏名】佐野 源蔵
【住所又は居所】富山県高岡市下麻生4649番地 ヤヨイ化学工業株式会社内

【氏名】宮木 完志
【住所又は居所】富山県高岡市下麻生4649番地 ヤヨイ化学工業株式会社内

【氏名】新川 俊樹
【住所又は居所】富山県高岡市下麻生4649番地 ヤヨイ化学工業株式会社内

【要約】 【課題】原反ロールの巻き数が減少しても、クロスにシワ、撓み等が発生することを防止して、良好な糊付施工を行うことができ、クロス側縁部を確実に裁断することができ、尚且つ、種々のクロス、特に硬いクロスにおいても最適な条件で裁断することができる自動壁紙糊付機を得る。

【解決手段】引き込み口の引き込み荷重が、原反ロールの重量を含まない場合で12.748645Nより大きく、原反ロールの重量を含む場合の引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくする引き込み荷重調整手段を備え、この荷重調整手段として、前記原反ロールから糊付機本体後部の引き込み口までに1つ以上の曲折箇所を含む壁装材の搬送経路の一部としての前記回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、このガイド面の搬送上流側又は/及び下流側端縁部に形成された曲面部と前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備えているもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反ロールから繰り出されるシート状壁装材の両縁部を回転刃で裁断しつつ裁断された壁装材を糊付機本体後部の引き込み口のピンチロールから内部に引き込み、前記本体内部に設けられた糊付ロールにより壁装材の裏面に糊を塗布して本体前部へ送り出す自動壁紙糊付機において、
前記引き込み口の引き込み荷重が、原反ロールの重量を含まない場合で12.748645N(1.3kg重)より大きく、原反ロールの重量を含む場合の引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくする引き込み荷重調整手段を備え、
この引き込み荷重調整手段として、
前記原反ロールから糊付機本体後部の引き込み口までに1つ以上の曲折箇所を含む壁装材の搬送経路の一部としての前記回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、
このガイド面の搬送上流側又は/及び下流側端縁部に形成された曲面部と前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーと
を備えていることを特徴とする自動壁紙糊付機。
【請求項2】
原反ロールから繰り出されるシート状壁装材を糊付機本体後部の引き込み口のピンチロールから内部に引き込み、前記本体内部に設けられた糊付ロールにより壁装材の裏面に糊を塗布して本体前部へ送り出す自動壁紙糊付機の後部に装着されて前記引き込まれるシート状壁装材の両縁部を裁断する自動壁紙糊付機用スリッターにおいて、
前記引き込み口の引き込み荷重が、原反ロールの重量を含まない場合で12.748645N(1.3kg重)より大きく、原反ロールの重量を含む場合の引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくする引き込み荷重調整手段を備え、
この引き込み荷重調整手段として、
前記原反ロールから糊付機本体後部の引き込み口までに1つ以上の曲折箇所を含む壁装材の搬送経路の一部としての前記回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、
このガイド面の搬送上流側又は/及び下流側端縁部に形成された曲面部と、
前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備えていることを特徴とする自動壁紙糊付機用スリッター。
【請求項3】
前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーが、
ガイド面の両側端に配されて一端部に浮き上がり防止バーを取付ける取付け部を備えた一組のバー保持部材と、各々のバー保持部材の他端部を軸支する支点部と、前記浮き上がり防止バーを前記ガイド面の当接位置に当接させるように各々のバー保持部材を付勢する付勢手段とを備えたバー押圧手段によって壁装材をガイド面へ押付けることを特徴とする請求項2に記載の自動壁紙糊付機用スリッター。
【請求項4】
前記引き込み荷重調整手段として、
前記壁装材の上面側と下面側とから挟み込んで切断する上下回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、
このガイド面の搬送上流側端縁部に形成された曲面部と、
前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備え、
前記曲面部に沿って曲折された搬送経路の内角が90°以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の自動壁紙糊付機用スリッター。
【請求項5】
前記引き込み荷重調整手段として、
前記壁装材の下面側から切断する高速回転刃を配設したガイド面と、
前記ガイド面の搬送上流側端縁部及び搬送下流側端縁部に形成された曲面部と、
前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の自動壁紙糊付機用スリッター。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は室内壁面等に貼付されるシート状壁装材の裏面に、連続的に糊を塗布する自動壁紙糊付機に関するものであり、特に、壁装材の引き込み口の引き込み荷重を一定の範囲に設定したスリッター及びそれを備えた自動壁紙糊付機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、建築物の内装施工における壁装材の室内壁面への貼付は、現場で専用の壁紙糊付機を用いてシート状の壁装材(所謂「クロス」)に連続的に糊を塗布しながら行うのが一般的となっている。このような壁紙糊付機として、最近では、自動式の糊付機が普及している。この自動壁紙糊付機では、糊付ロールの回転軸端にモータ等の駆動機構の回転軸を連結し、糊付ロールを電動で回転させることによって、他のロールをギアを介して連動させ、これらのロールの回転で自動的にクロスを搬送させながら糊桶から糊を掬い上げてクロス裏面に塗布している。
【0003】
このような従来の壁紙糊付機では、通常クロスは糊付機本体後面側で回転可能に軸支された原反ロールから繰り出され、本体を支持する脚部に橋架されているテンションバーを介して搬送され、スリッターに導入されるようになっている。
【0004】
ところが、このような従来の壁紙糊付機では、テンションバーが脚部、即ちスリッターの斜め下方の離れた位置に軸支されているので、クロスを糊付機本体の後面部の引き込み口まで搬送しようとする場合には、スリッターに搬送されてくるまでの間にクロスにシワ、撓み等が発生する場合があり、この状態でスリッターに搬送してクロスの裁断を行うと、クロスの側縁部を良好に切断することができないという問題があった。
【0005】
特に、クロスの搬送方向に対して直交方向に沿って平行に設けられた上下シャフトの対向位置に、上下一対の回転刃を構成するオーバーカッター(上刃)とアンダーカッター(下刃)とがそれぞれ軸止され、この一対のカッターが搬送されるシート状のクロスを上下から挟んで裁断するスリッターの場合には、クロスが弛んで一対のカッターに搬送されると刃と刃の間にクロスが入り込んで直線状の裁断辺が得られず、施工の際、クロスジョイントに隙間(目透き)が発生することがあった。
【0006】
更に、糊付け作業が進行して原反ロールから次第にクロスが繰り出されていくと、その分原反ロールの巻き数が減少するので原反ロールの重量が軽くなる。このため、クロスの本体内部への引き込み力に原反ロールが対抗しきれなくなり、原反ロールの軸回転量がクロスの引き込み量を上回る。このため、原反ロールからクロスが必要以上に繰り出されてしまい、クロスが弛んで引き込み荷重が小さくなる。従って、搬送中のクロスにシワや撓みが生じてクロスが蛇行するという問題が生じてくる。
【0007】
このような問題点に対して、本出願人は、壁紙糊付機の改良を多数提案している。例えば、クロスに一定の張力を与えて、クロスのシワや撓みの発生を防止し、クロスの蛇行を防止することができる壁紙糊付機を提案している(例えば、特許文献1参照)。また、クロスを表面側から押さえ込んでクロスの蛇行、シワの発生を防止することができる壁紙糊付機を提案している(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2001−340795
【特許文献2】特開2002−002199
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの提案では、クロスの搬送方向に対してクロス面に垂直な力をクロスに掛けるものであり、具体的には、搬送中のクロスをその両面から挟み込んで制動をかけるもの、クロスに所定の張力を与える一対の棒状部材とこれを付勢する弾性部材とからなるもので制動をかけるものや、原反ロールを外方から板状部材で押さえつけてクロスの引き込み力に抗する制動をかけるものであり、局部的に掛けられるクロス面への垂直な力は、結果的にクロス裏面の傷やクロス表面の傷、クロス自体の破損等の問題が生じる場合がある。
【0010】
また、クロス原反のロールから糊付機本体後部の引き込み口までのクロス搬送経路の1つ以上の曲折箇所で、曲折箇所に沿ってクロスを沿わせる場合に、特に厚手の硬いクロスでは、クロスが硬いために曲折箇所に沿わずに大きくRを描いてしまう場合があり、特定の引き込み荷重とならない状況があった。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、硬いクロス、軟らかいクロス、重いクロス、軽い(薄い)クロス等の種々のクロスの原反ロールの巻き数が減少しても、クロスにシワ、撓み等が発生することを防止して、良好な糊付施工を行うことができ、クロス側縁部を確実に裁断することができ、尚且つ、種々のクロス、特に硬いクロスにおいても最適な条件で裁断することができる自動壁紙糊付機又は自動壁紙糊付機用スリッターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載された発明に係る自動壁紙糊付機は、原反ロールから繰り出されるシート状壁装材の両縁部を回転刃で裁断しつつ裁断された壁装材を糊付機本体後部の引き込み口のピンチロールから内部に引き込み、前記本体内部に設けられた糊付ロールにより壁装材の裏面に糊を塗布して本体前部へ送り出す自動壁紙糊付機において、
前記引き込み口の引き込み荷重が、原反ロールの重量を含まない場合で12.748645N(1.3kg重)より大きく、原反ロールの重量を含む場合の引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくする引き込み荷重調整手段を備え、
この引き込み荷重調整手段として、
前記原反ロールから糊付機本体後部の引き込み口までに1つ以上の曲折箇所を含む壁装材の搬送経路の一部としての前記回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、
このガイド面の搬送上流側又は/及び下流側端縁部に形成された曲面部と前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備えていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2に記載された発明に係る自動壁紙糊付機用スリッターは、原反ロールから繰り出されるシート状壁装材を糊付機本体後部の引き込み口のピンチロールから内部に引き込み、前記本体内部に設けられた糊付ロールにより壁装材の裏面に糊を塗布して本体前部へ送り出す自動壁紙糊付機の後部に装着されて前記引き込まれるシート状壁装材の両縁部を裁断する自動壁紙糊付機用スリッターにおいて、
前記引き込み口の引き込み荷重が、原反ロールの重量を含まない場合で12.748645N(1.3kg重)より大きく、原反ロールの重量を含む場合の引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくする引き込み荷重調整手段を備え、
この引き込み荷重調整手段として、
前記原反ロールから糊付機本体後部の引き込み口までに1つ以上の曲折箇所を含む壁装材の搬送経路の一部としての前記回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、
このガイド面の搬送上流側又は/及び下流側端縁部に形成された曲面部と前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備えていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載された発明に係る自動壁紙糊付機用スリッターは、請求項2に記載の壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーが、
ガイド面の両側端に配されて一端部に浮き上がり防止バーを取付ける取付け部を備えた一組のバー保持部材と、各々のバー保持部材の他端部を軸支する支点部と、前記浮き上がり防止バーを前記ガイド面の当接位置に当接させるように各々のバー保持部材を付勢する付勢手段とを備えたバー押圧手段によって壁装材をガイド面へ押付けることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に記載された発明に係る自動壁紙糊付機用スリッターは、請求項2又は3に記載の引き込み荷重調整手段として、
前記壁装材の上面側と下面側とから挟み込んで切断する上下回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、
このガイド面の搬送上流側端縁部に形成された曲面部と、
前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備え、
前記曲面部に沿って曲折された搬送経路の内角が90°以下であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5に記載された発明に係る自動壁紙糊付機用スリッターは、請求項2又は3に記載の引き込み荷重調整手段として、
前記壁装材の上面又は下面側から切断する高速回転刃を配設したガイド面と、
前記ガイド面の搬送上流側端縁部及び搬送下流側端縁部に形成された曲面部と、
前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以上説明した通り、硬いクロス、軟らかいクロス、重いクロス、軽い(薄い)クロス等の種々のクロスの原反ロールの巻き数が減少しても、クロスにシワ、撓み等が発生することを防止して、良好な糊付施工を行うことができ、クロス側縁部を確実に裁断することができ、尚且つ、特に硬いクロスにおいても最適な条件で裁断することができる自動壁紙糊付機又は自動壁紙糊付機用スリッターを得ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明においては、自動壁紙糊付機において、引き込み口の引き込み荷重が、原反ロールの重量を含まない場合で12.748645N(1.3kg重)より大きく、原反ロールの重量を含む場合の引き込み口の全幅のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくする引き込み荷重調整手段を備えているため、種々のクロスの原反ロールの巻き数が減少しても、クロスにシワ、撓み等が発生することを防止して、良好な糊付施工を行うことができ、クロス側縁部を確実に裁断することができる。
【0019】
具体的には、本発明では、既存の自動壁紙糊付機において、クロス原反の巻き数が減少するに従って、シワが発生しやすくなるという現象を解析した。即ち、種々のクロスについてクロス原反を弛ませた状態にして付属のテンションバーだけでどれだけの引き込み荷重が発生するかを検証した。その結果、軟らかいクロスや軽く薄く滑りやすいクロスでは、既存の自動壁紙糊付機に付属のテンションバーだけで生じる引き込み荷重だけではシワの発生を防げないことが判った。その一方で、種々のクロスの最大許容荷重は意外と高く、引き込み口の全幅のピンチロールがスリップするほどの荷重であっても破損することはなく、ピンチロールのスリップについても引き込み口の引き込み荷重が15kg重以下であれば、軽く薄く滑りやすいクロスであってもスリップすることがないことが判った。
【0020】
以上のことから、原反ロールから繰り出されたクロスを弛ませた状態での引き込み口の引き込み荷重を従来の自動壁紙糊付機よりも大きくし、尚且つ、引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくすることにより、種々のクロスの原反ロールの巻き数が減少しても、クロスにシワ、撓み等が発生することを防止することができ、良好な糊付施工を行うことができ、スリッターでクロス側縁部を確実に裁断することができる。
【0021】
具体的には、引き込み口の引き込み荷重が、原反ロールの重量を含まない場合で12.748645N(1.3kg重)より大きく、原反ロールの重量を含む場合の引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくなるようにすれば、既存の自動壁紙糊付機とは相違して、原反ロールから繰り出されたクロスを弛ませた状態でも両縁部が裁断され糊付されるクロスにシワ、撓み等が発生することがなく、良好な糊付施工を行うことができる。尚、クロスにはシワになり易い柔らかいクロスも、滑りやすいクロスも種々あり、そのようなクロスにおいても、好ましくは16.671305N(1.7kg重)以上であればよく、147.09975N(15.0kg重)以下であればシワの発生はない。
【0022】
更に、本発明では、荷重調整手段として、前記原反ロールから糊付機本体後部の引き込み口までに1つ以上の曲折箇所を含む壁装材の搬送経路の一部としての前記回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、このガイド面の搬送上流側又は/及び下流側端縁部に形成された曲面部と前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備えているために、特に硬いクロスにおいても最適な条件で裁断することができる。
【0023】
荷重調整手段としての原反ロールから糊付機本体後部の引き込み口までに1つ以上の曲折箇所を含む壁装材の搬送経路の具体的な実施態様としては、壁装材とテンションバーをはじめとする曲折箇所の各々との摩擦力が固定された経路中で各々決まり、しかも曲折された部分の各々に分散するため、良好な荷重調整が可能となる。
【0024】
尚、本発明での曲折箇所としては、壁装材の一部又は全幅に当接してクロスの搬送経路を曲折させる部材であり、テンションバーを始めとして、スリッターに備えられた搬送下流側直前の回転刃に向かって搬送される壁装材のガイド面を構成するアンダーステーの搬送上流側端縁部に形成された曲面も含む。また、壁装材の搬送経路を曲折させる部材と壁装材との当接は全幅でなくとも一部が当接したものであっても充分な引き込み荷重となる場合もある。例えば、中央部を切欠いた曲折箇所やアンダーステー等を用いることもできる。
【0025】
また、本発明でのガイド面とは、回転刃による壁装材の切断の際に壁装材を回転刃に案内して切断面のブレを少なくするために回転刃の壁装材搬送上流側に形成される面であり、具体的には、回転刃の切断点へ伸びる平坦な面又は搬送方向に沿って緩やかな曲率を有する面を指す。尚、このガイド面は連続又は不連続な面であっても良い。
【0026】
本発明の浮き上がり防止バーとしては、各々のガイド面に沿わせ、壁装材がガイド面から浮き上がることを防止するものであればよい。例えば、従来のテンションバーと同様の回転不能な丸棒状部材、回動自在の丸棒状部材等が挙げられる。また、防止バーとガイド面との隙間距離は最も厚い壁装材が通過できる距離だけ離れていればよく、壁装材の厚さに応じて隙間距離を変更できるような手段を備えていてもよい。
【0027】
本発明の浮き上がり防止バーのより好ましい態様としては、ガイド面の両側端に配されて一端部に浮き上がり防止バーを取付ける取付け部を備えた一組のバー保持部材と、各々のバー保持部材の他端部を軸支する支点部と、前記浮き上がり防止バーを前記ガイド面の当接位置に当接させるように各々のバー保持部材を付勢する付勢手段とを備えたバー押圧手段によって壁装材をガイド面へ押付けるものである。これにより、厚みがあり、硬い壁装材を裁断する場合でも、切断中の壁装材にシワや撓みが生じることがなく、壁装材が蛇行しない。
【0028】
また、本発明の荷重調整手段としては、自動壁紙糊付機に付属するスリッター部又は自動壁紙糊付機に別途装着されるスリッターの回転刃の形態に応じて概ね2つの種類に分けることができる。具体的には、壁装材の上面側と下面側とから挟み込んで切断する上下回転刃を備えたものと、壁装材の上面又は下面側から切断する高速回転刃を備えたものとである。
【0029】
従って、好ましい一つの態様としては、本発明の自動壁紙糊付機は、壁装材の上面側と下面側とから挟み込んで切断する上下回転刃の壁装材搬送上流側に形成され前記壁装材を回転刃に案内するガイド面と、このガイド面の搬送上流側端縁部に形成された曲面部と、前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備え、前記曲面部に沿って曲折された搬送経路の内角が90°以下である。
【0030】
即ち、本発明では、回転刃の壁装材搬送上流側に形成され壁装材を回転刃に案内するガイド面の搬送上流側端縁部に形成された曲面部と、この曲面部に沿って搬送経路を曲折するテンションバーとにより、曲面部に沿って曲折された搬送経路の内角を90°以下とすることにより、引き込み口の引き込み荷重が、原反ロールの重量を含まない場合で 12.748645N(1.3kg重)より大きく、原反ロールの重量を含む場合の引き込み口の全幅のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくなる。
【0031】
本発明の曲折された搬送経路の内角は、クロスの搬送経路を搬送経路からみて90°以上に曲折させて、結果的に曲折部分の内角が90°以下となればよく、好ましくは90°以下77°以上、より好ましくは85°以下77°以上とする曲折箇所を1つ以上備えればよい。
【0032】
また、好ましい別の態様としては、壁装材の上面又は下面側から切断する高速回転刃を配設したガイド面と、このガイド面の搬送上流側端縁部及び搬送下流側端縁部に形成された曲面部と、前記壁装材を前記ガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バーとを備えたものである。
【0033】
また、本発明の自動壁紙糊付機に付属するスリッター部又は自動壁紙糊付機に別途装着されるスリッターとしては、外観を構成する両軸受板、アンダーステー、オーバーステー等を同一の部品で構成してもよい。
【実施例】
【0034】
実施例1.引き込み荷重及び最大許容荷重の計測
内装工事で使用されている種々のクロスについて、市販されている自動壁紙糊付機での引き込み荷重を計測した。また、各々のクロスについてピンチロールがスリップを起こしたときの荷重を計測した。最大許容荷重はこのスリップを起こした荷重の寸前となる。更に、クロス原反を弛ませた状態で糊付を行い、シワが発生したか否かを確認した。また、センター位置よりずらしてクロスを装着した場合の4m糊付後のズレを計測した。
【0035】
【表1】


【0036】
具体的には、クロスは、表1に示す通り、(1) 織物製の硬いクロス、(2) ビニル製の軟らかいクロス、(3) 表層に珪藻土が含まれる重いクロス、(4) 薄く軽い下貼り紙(コアシート)、(5) 発泡樹脂製の軽くて厚いクロス、(6) 一般的なビニル製のクロスの6種類のクロスを用いた。各クロスの幅は全て有効幅とした。自動壁紙糊付機は、A機(商品名「TSリザーブRUN2001」(ヤヨイ化学工業社製))と、B機(商品名「Prime−SD」(極東産機社製))とを用いた。
【0037】
引き込み荷重は、各々のクロス原反を弛ませた状態で付属のテンションバーだけでどれだけの力が掛かるかを計測するため、クロス原反から引出されたクロスを付属の2本のテンションバーに掛け渡し、一端部にバネばかりを装着した。クロス原反を弛ませた上で、引き込み口の近傍からバネばかりを介して一端部を引き、弛ませたクロス原反が引張られる寸前の力を計測した。
【0038】
最大許容荷重は、全幅のピンチロールがスリップを起こしたときの荷重を計測するため、約1mの長さに切断したクロスの一端部にバネばかりを装着して、他端部側を糊付機本体に装填し、糊付機を駆動した後、一端部を徐々にバネばかりを介して引張り、糊付機本体のピンチロールがスリップを起こした荷重を計測した。最大許容荷重はこのスリップを起こした荷重の寸前となる。
【0039】
シワは、通常通りにクロスを糊付機にセットした後、常にクロス原反を弛ませた状態で4mの糊付を行い、シワが発生したか否かを確認した。また、蛇行は、クロスをセンター位置よりずらしてクロスを装着した場合の4m糊付後のズレを計測した。結果を次の表2に示す。尚、引き込み荷重、最大許容荷重の数値は何れもkg重を示し、力のSI単位とする場合には、この数値に重力加速度g(9.80665m/s2)をかける。引き込み荷重の( )内は原反ロールの重量を含む場合の荷重(原反ロールを弛ませない状態での荷重)である。蛇行の測定不能は移動量が20mmを越えたことを示す。
【0040】
表2に示す通り、クロスの種類によって既存のテンションバーによる引き込み荷重は相違することが判った。また、その引き込み荷重は重いクロスや硬いクロスで往々にして高く、テンションバーに接する面の状態によっても相違することが判った。また、シワが発生し易いクロスとしては、ビニル製(柔らかい)及び発泡樹脂製の軟らかいクロスが圧倒的であり、これらのクロスでは、引き込み荷重が1kg重を越えるものであってもシワが発生するものもあった。また、市販の自動壁紙糊付機の既存のテンションバーの引き込み荷重は、1.3kg重が最大であった。
【0041】
最大許容荷重についてもクロスの種類によって差があることが判った。しかし、最大許容荷重は、意外と高く、全てのクロスで15kg重以下であればスリップすることがなく、スリップする前に破れたクロスがないことから、クロスは縦方向の荷重に強く、破損することがないことが判った。これは、即ち、既存の自動壁紙糊付機での引き込み荷重を大幅に高めても問題がないと言うことが判った。原反ロールを弛ませない状態での荷重でも6.5kg重を超えるものはないことから、現状の倍以上の引き込み荷重を糊付機の引き込み口で発生させても充分に対応可能であることが判った。
【0042】
【表2】


【0043】
以上のことから、原反ロールから繰り出されたクロスを弛ませて原反ロールの重量を含まない状態での引き込み口の引き込み荷重を従来の自動壁紙糊付機よりも大きくし、尚且つ、原反ロールの重量を含む状態での引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さくすることにより、種々のクロスの原反ロールの巻き数が減少しても、クロスにシワ、撓み等が発生することを防止することができ、良好な糊付施工を行うことができ、スリッターでクロス側縁部を確実に裁断することができる。
【0044】
実施例2.自動壁紙糊付機及び自動壁紙糊付機用スリッター1
図1は本発明の自動壁紙糊付機の一実施例の全体構成を示す側面透視図である。図2は図1の要部の構成を示す説明図であり、a図は上面図、b図は平面図、c図は側面図である。図1に示す通り、本自動壁紙糊付機は、糊を収容する糊桶4が設置される下部構体2と、この下部構体2に対して開閉可能に設置された上部構体3と、下部構体2を支持する脚部31とから主に構成される。
【0045】
下部構体2内には、クロスCを糊付機本体1内に後面側から引き入れて糊付ロール8へ送り込むための全幅の下側ピンチロール6と、糊桶4内の糊を糊付ロール8に転写する糊上げロール13と、クロス裏面に糊を塗布する糊付ロール8と、この糊付ロール8に接して糊量を調節するドクターロール7と、クロスCに適度な張力を与えて前部方向へ送り出す均しロール9とが互いにギアを介して連動可能にかつ所定間隔を持って平行に配列されるように糊桶4の側板又はこれと平行な軸受板に軸支されている。
【0046】
一方、上部構体3内には、下側ピンチロール6と対になってピンチロールを構成すると共に検尺機能を備えた全幅の上側ピンチロール10と、下部構体2内に配列されているロールとギアを介して連動されクロスCに糊付機本体前部方向への送り出し張力を付与するためのドライブロール12と、これら上側ピンチロール10とドライブロール12との間でクロスCを上から押さえ込む押さえステー11とが、互いに所定間隔で平行に配列されるように、それぞれ上部構体3の本体両側軸受フレームに軸支されている。また、下部構体2の後面側には、クロスの両側縁部を裁断するスリッター20が着脱可能に取り付けられている。
【0047】
また、下部構体2の両側縁部を支持する一対の脚部31には、クロス受けブラケット42の先端部に支持されたクロス芯棒41に中心軸を通された原反ロール40から繰り出されるクロスCに当接して糊付機本体の引き込み口での引き込み荷重を与える第1のテンションバー32が橋架されている。更にその上方のスリッター20内に配設されたクロスCを回転刃22へ案内するガイド面を構成するアンダーステー21の前方下方にクロスCに当接して引き込み口での引き込み荷重を与える断面が楕円状の第2のテンションバー34が橋架されている。
【0048】
本実施例では、引き込み口直前のスリッター20に配置された第2のテンションバー34がアンダーステー21の前方下方に配置され、クロスCが第2のテンションバー34からアンダーステー21の後端縁に沿って鋭角に折れるように当接されるため、引き込み口での原反ロールから繰り出されたクロスを弛ませた状態での引き込み口の引き込み荷重が、1.3kg重より大きく、引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さい引き込み荷重を与える。
【0049】
スリッター20の回転刃22は、ガイド面を構成するアンダーステー21の搬送方向下流側に配置された上回転刃22aと下回転刃22bとからなり、この上回転刃22aと下回転刃22bとによりクロスの上面側と下面側とから挟み込んで切断する。下回転刃22bの駆動は、糊付機本体の下部構体の軸受板からギアを介してスリッター20のサイドフレームを構成する軸受板内で行われ、上回転刃22aは下回転刃22bに追随して回転する。
【0050】
アンダーステー21上の略中央部には、クロスをアンダーステー21の平坦なガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バー25が配されている。浮き上がり防止バー25は、アンダーステー21の両端部に各々配された図2に示す防止バーロック具26に両端部を固定されて配される。図2に示す通り、防止バーロック具26はプラスチック製であり、断面略C字状のバーロック部27がステー21の両端になるように係止片28のネジ孔29を介してネジでステーに取付けられる。
【0051】
尚、ステー21の固定箇所は係止片28の断面形状に合致した溝が形成されており、ステー21面上は面一となっている。ネジ孔29とロック部27との間の係止片28には薄板状の撓み部28aが形成されており、厚手のクロスを装着した際には、厚みに応じて撓み部28aが撓んでクロスをステー21面へ押し付ける効果もある。
【0052】
これにより、特に硬いクロスを切断、糊付する際にアンダーステー21の後端縁に沿って鋭角に折れるように当接されることにより、クロスが浮き上がって前記後端縁の曲折箇所に沿わずに大きくRを描いてしまうことが無く、良好に回転刃22で切断することができる。尚、スリッター20の後部側面には第1のテンションバー32、第2のテンションバー34、及び浮き上がり防止バー25を保持するバー保持具39が備わっている。これにより、各バーを収納する際に邪魔にならず、更に、収納していることが一目で確認できる。
【0053】
実施例3.引き込み荷重及び最大許容荷重の計測
図1に示した自動壁紙糊付機について実施例1と同様に引き込み荷重及び最大許容荷重を計測した。結果を表3に示す。尚、用いた6種類のクロスは実施例1と同じものを用いた。その他の操作及び条件についても、実施例1と同じである。
【0054】
表3に示す通り、原反ロールから繰り出されたクロスを弛ませた状態での引き込み口の引き込み荷重(3本のテンションバーとアンダーステーの後縁部とで搬送経路を曲折変更した際の荷重)は、最も滑りやすい軽くて薄いコアシートで1.7kg重であり、最も大きな引き込み荷重は、織物製の硬いクロスで6.0kg重であった。また、各々の原反ロールの重量を含む場合の引き込み荷重は、最低で4.0kg重、最高でも9.5kg重となり、何れのクロスにおいてもスリップを生じさせるほどの引き込み荷重には至らなかった。また、表2で最もシワが発生しやすいビニル製の軟らかいクロス及び発泡樹脂製のクロスにおいても、シワの発生がみられず、蛇行も4mの移動量は10mm以下となった。
【0055】
【表3】


【0056】
更に、厚手の硬い壁紙でもクロスが浮き上がって前記後端縁の曲折箇所に沿わずに大きくRを描いてしまうことが無く、良好な切断が可能となる。尚、図3に示した実施例でも同様に厚手の硬い壁紙でもクロスが浮き上がって上端縁の曲折箇所に沿わずに大きくRを描いてしまうことが無く、良好な切断が可能となる。
【0057】
実施例4.自動壁紙糊付機及び自動壁紙糊付機用スリッター2
図3は本発明の自動壁紙糊付機の別の実施例の全体構成を示す側面透視図である。図4は図3の要部の構成を示す説明図であり、a図は平面図、b図は底面図、c図はAA断面図である。図3に示す通り、別の自動壁紙糊付機は、スリッター20’の構成のみが図1の自動壁紙糊付機とは相違するものであり、図1と同じ符号のものは同一又は相当のものを示すため、説明は省略する。
【0058】
本実施例での引き込み口直前に配置されたスリッター20’は、糊付機本体の下部構体軸受板と殆ど同じ立設面を有する両サイドフレームとこれら2つのフレームを繋ぐ複数のステーとにより構成される。複数のステーのうち、後部には垂直なガイド面を構成するバックステー21’の両側部に高速回転刃22a’とこれを駆動するモータとを備えた回転刃ユニット22’が巾可変状に装着されている。尚、両サイドフレームは図1のスリッター20の軸受板と同じ部品を用いている。
【0059】
スリッター20’のバックステー21’の上縁部と下縁部とでクロスが曲折されているため、引き込み口での原反ロールから繰り出されたクロスを弛ませた状態での引き込み口の引き込み荷重が、1.3kg重より大きく、引き込み口のピンチロールがスリップする引き込み荷重より小さい引き込み荷重を与える。
【0060】
バックステー21’の上縁部側には、クロスをバックステー21’の平坦なガイド面へ沿わせる浮き上がり防止バー25’が配されている。浮き上がり防止バー25’は、バックステー21’の両端部に各々配された図4に示す防止バーロック具26’に両端部を固定されて配される。図4に示す通り、防止バーロック具26’はプラスチック製であり、断面略C字状のバーロック部27’が両側軸受け板(フレーム)の両端になるように係止片28’の2つのネジ孔29a、29bを介してネジでこのフレームに取付けられる。
【0061】
尚、2つのネジ孔29a、29bのうち、バーロック部27’の直下のネジ孔29bは長孔であり、この長孔の一部を塞ぐようにバーロック部27’と反対位置で撓み部28a’が挿入されており、厚手のクロスを装着した際には、厚みに応じてネジ孔29aを中心として撓み部28a’を残して防止バーロック具26’が持ち上がり、撓み部28a’へ戻ろうとする力により、クロスをステー21面へ押し付ける効果もある。
【0062】
これにより、特に硬いクロスを切断、糊付する際にバックステー21’の上端縁に沿って曲折して当接されることにより、クロスが浮き上がって前記上端縁の曲折箇所に沿わずに大きくRを描いてしまうことが無く、良好に回転刃22a’で切断することができる。尚、スリッター20’の後部側面には第1のテンションバー32、第2のテンションバー34、及び浮き上がり防止バー25’を保持するバー保持具39’が備わっている。これにより、各バーを収納する際に邪魔にならず、更に、収納していることが一目で確認できる。
【0063】
実施例5.自動壁紙糊付機用スリッター3
図5は別のスリッターの実施例の構成を示す説明図である。図6は第3テンションバーをガイド面へ押付けるテンションバー押圧手段の動作を示す説明図である。
【0064】
図5に示す通り、糊付機本体の後面側に備えられたスリッター50は、掛止具91によって、糊付機本体1’後部に着脱自在に装着される。掛止具91は糊付機1’後面の左右に渡って横架された上段ステー46に掛止される上掛止爪92と、上部ステー46の下方に配された下段係止片47に掛止される下掛止爪93とを一体として形成されている。これにより、上掛止爪92と下掛止爪93とを個別に調整することがなくなり、壁紙糊付機本体との取付けについて耐久性が向上する。また、下段掛止片47には、後面側への掛止力に対抗する効力を発生するバネ手段48を備え、このバネ手段48を介して横架されているため、スリッター50と糊付機本体1’とがしっかりと装着される。
【0065】
このスリッター50は、壁装材Cを沿わせて搬送する搬送通路となるガイド面51と、このガイド面51への上流側とガイド面51の下流側に壁装材全幅に亘ってガイド面51方向へ押圧された状態でガイド面51上にテンションをかけるように配置される2つのテンションバーである第2テンションバー52と第3テンションバー53と、ガイド面51の側端部領域に各々回転刃60とを備えている。尚、スリッター50の両側壁部の上部に設置されているのは、収納時にクロス芯棒41’を保持するホルダー54である。
【0066】
ガイド面51は、スリッターの上下に亘って形成され、その下端縁部(即ち、壁装材搬送上流側縁部)と、上端縁部(即ち、壁装材搬送下流側縁部)とは、壁装材Cの搬送方向を曲折するための上流側曲面部55と下流側曲面部56とを各々有している。各々の曲面部の曲率半径は15mmである。これは休憩時間等で壁装材Cを装着したまま暫く放置した場合にも、壁装材Cに山形の曲面部の跡が付いて糊付機によって糊付けムラが発生することを防止するためである。
【0067】
スリッター50の下方(即ち、壁装材搬送上流側)の第2テンションバー52は、脚部に備わった第1テンションバーと同様に壁装材Cの全幅を超える長さの丸棒部材であり、第2テンションバー52の両端部を支持するテンションバー保持アームとしての第2テンションバー回動部材65により、開いた状態で壁装材Cを装着することができ、壁装材Cの両耳部を切断する際には、テンションをかけるようにスリッター下方の下部ホルダー66の装着位置まで取付け軸67を中心として回動可能である。
【0068】
また、回転刃60の上方(即ち、壁装材搬送下流)のガイド面51上の第3テンションバー53は、挟み込まれた壁装材Cをガイド面51へ押付ける浮き上がり防止バーとしての機構を備える。図6に示すテンションバー押圧手段は、ガイド面51の左右両側端に各々配されており、一端部に第3テンションバー53を取付ける取付け部61を備えたテンションバー保持部材57と、テンションバー保持部材57の他端部を軸支する支点部58と、第3テンションバー53がガイド面51へ当接する当接位置になるようにテンションバー保持部材57を付勢する付勢手段としてのバネ59とを備える。
【0069】
これにより、回転刃60による切断の際にガイド面51から壁装材Cが浮き上がることを防止すると共に、ガイド面51の下流側曲面56と併せて糊付機本体へ引き込まれる壁装材Cに良好なテンションをかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の自動壁紙糊付機の一実施例の全体構成を示す側面透視図である。
【図2】図1の要部の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の自動壁紙糊付機の別の実施例の全体構成を示す側面透視図である。
【図4】図3の要部の構成を示す説明図である。
【図5】スリッターの構成を示す説明図である。
【図6】第3テンションバーをガイド面へ押付けるテンションバー押圧手段の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1 …糊付機本体、
1’…糊付機本体、
2 …下部構体、
3 …上部構体、
4 …糊桶、
6 …下側ピンチロール、
7 …ドクターロール、
8 …糊付ロール、
9 …均しロール、
10 …上側ピンチロール、
11 …押さえステー、
12 …ドライブロール、
13 …糊上げロール、
20 …スリッター、
21 …アンダーステー、
22 …回転刃、
22a…上回転刃、
22b…下回転刃、
25 …浮き上がり防止バー、
26 …防止バーロック具、
27 …バーロック部、
28 …係止片、
28a…撓み部、
29 …ネジ孔、
20’…スリッター、
21’…バックステー、
22’…回転刃ユニット、
22a’…高速回転刃、
25’…浮き上がり防止バー、
26’…防止バーロック具、
27’…バーロック部、
28’…係止片、
28a’…撓み部、
29a…ネジ孔、
29b…ネジ孔、
31 …脚部、
32 …第1のテンションバー、
34 …第2のテンションバー、
39 …バー保持具、
39’…バー保持具、
40 …原反ロール、
41 …クロス芯棒、
41’…クロス芯棒、
42 …クロス受けブラケット、
46 …上段ステー、
47 …下段係止片、
48 …バネ手段、
50 …スリッター、
51 …ガイド面、
52 …第2テンションバー、
53 …第3テンションバー、
54 …ホルダー、
55 …上流側曲面部、
56 …下流側曲面部、
57 …テンションバー保持部材、
58 …支点部、
59 …バネ、
60 …回転刃、
61 …取付け部、
65 …第2テンションバー回動部材、
66 …下部ホルダー、
67 …取付け軸、
91 …掛止具、
92 …上掛止爪、
93 …下掛止爪、
C …クロス、
【出願人】 【識別番号】591012738
【氏名又は名称】ヤヨイ化学工業株式会社
【住所又は居所】富山県高岡市下麻生4649番地
【出願日】 平成16年10月19日(2004.10.19)
【代理人】 【識別番号】100101432
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 太

【識別番号】100092082
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正年

【識別番号】100099586
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 年哉

【公開番号】 特開2005−144442(P2005−144442A)
【公開日】 平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願番号】 特願2004−303735(P2004−303735)