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【発明の名称】 分解対象ガス分解装置および方法
【発明者】 【氏名】中澤 美和
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内

【氏名】保坂 明仁
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内

【氏名】宮村 啓祐
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内

【氏名】加藤 欽也
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内

【氏名】太田 俊
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内

【要約】 【課題】分解に用いられる塩素ガスの再利用を目的とする。

【解決手段】循環系の装置を提供し、循環経路で消費される酸素を導入する手段を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素ガスと分解対象物質ガスとの混合ガスを収容する容器と、前記容器内の前記混合ガスに光を照射する光源とを有する分解対象ガス分解装置において、
前記容器は入口および出口を有し、
前記入口と前記出口は循環経路により連結していることで前記容器と前記循環経路とから循環系が構成され、
前記循環系に酸素ガスを導入する酸素導入手段を有することを特徴とする分解対象ガス分解装置。
【請求項2】
前記光の波長は300nm以上500nm以内であり、前記300nm以上500nm以内の前記波長の光照射により前記分解対象ガスが分解されることを特徴とする請求項1に記載の分解対象ガス分解装置。
【請求項3】
前記循環系には塩素ガス発生槽と塩素系有機化合物液体気化部とが更に設けられており、前記容器と前記塩素ガス発生槽と前記塩素系有機化合物液体気化部とは前記容器、前記塩素ガス発生槽、前記塩素系有機化合物液体気化部の順で前記循環系に組み込まれていることを特徴とする請求項1、2に記載の分解対象ガス分解装置。
【請求項4】
前記塩素ガス発生槽において、次亜塩素酸塩を含む溶液を用いて塩素ガスを発生させる手段を有することを特徴とする請求項1〜3に記載の分解対象ガス分解装置。
【請求項5】
前記塩素ガス発生槽には液中の残留塩素濃度をモニタリングし、次亜塩素酸塩類を投入し、液中の残留塩素濃度を所定の濃度にする手段を有することを特徴とする請求項4に記載の分解対象ガス分解装置。
【請求項6】
塩素ガスと分解対象物質ガスとを混合させることで混合ガスを得る混合工程と、前記混合ガスに光を照射することで前記分解対象物質ガスを分解する分解工程とを有する分解対象ガス分解方法において、
前記分解工程を経たガスを前記混合工程へ再び戻す移送工程を有し、
前記混合工程、前記分解工程、前記移送工程を循環系内で循環させ、
前記循環系内に酸素ガスを導入する酸素ガス導入工程を有することを特徴とする分解対象ガス分解方法。
【請求項7】
前記光の波長は300nm以上500nm以内であり、前記300nm以上500nm以内の前記波長の光照射により前記分解対象ガスが分解されることを特徴とする請求項6に記載の分解対象ガス分解方法。
【請求項8】
前記循環系には塩素ガス発生工程と、塩素系有機化合物液体気化工程とを更に有し、前記塩素ガス発生工程、前記塩素系有機化合物液体気化工程、前記混合工程、前記分解工程、前記移送工程が前記循環系内で行われることを特徴とする請求項6、7に記載の分解対象ガス分解方法。
【請求項9】
前記塩素ガス発生槽において、次亜塩素酸塩を含む溶液用いて塩素ガスを発生させる工程を有することを特徴とする請求項6〜8に記載の分解対象ガス分解方法。
【請求項10】
前記塩素ガス発生槽には液中の残留塩素濃度をモニタリングし、次亜塩素酸塩類を投入し、液中の残留塩素濃度を所定の濃度にする工程を有することを特徴とする請求項9に記載の分解対象ガス分解方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塩素ガスと分解対象ガスとが混合された混合ガスを光照射により分解させる分解装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに塩素ガスと分解対象ガスとが混合された混合ガスを光照射により分解させる分解装置および方法が紹介されてきた(特許文献1)。そしてこのような技術により分解対象ガス、より具体的にはトリクロロエチレン等の塩素系有機化合物を分解することができる。混合ガスには塩素ガスが含まれており、その塩素ガスが光照射によりラジカルを生じ、そのラジカルが分解対象ガスに作用し、連鎖的に分解対象ガスが分解されると考えられる。
【特許文献1】特開2002−153753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような装置では、光照射後のガスが装置系外へ排出される。一方光照射前のガスは空気等の新たなガスを取り込みそのガスを主成分として混合ガスを得る。そのため混合ガスに含まれる塩素ガスの再利用ができない。よって本発明は混合ガスに含まれる塩素ガスの再利用を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
よって本発明は
塩素ガスと分解対象物質ガスとの混合ガスを収容する容器と、前記容器内の前記混合ガスに光を照射する光源とを有する分解対象ガス分解装置において、
前記容器は入口および出口を有し、
前記入口と前記出口は循環経路により連結していることで前記容器と前記循環経路とから循環系が構成され、
前記循環系に酸素ガスを導入する酸素導入手段を有することを特徴とする分解対象ガス分解装置を提供する。
【0005】
また本発明は、
塩素ガスと分解対象物質ガスとを混合させることで混合ガスを得る混合工程と、前記混合ガスに光を照射することで前記分解対象物質ガスを分解する分解工程とを有する分解対象ガス分解方法において、
前記分解工程を経たガスを前記混合工程へ再び戻す移送工程を有し、
前記混合工程、前記分解工程、前記移送工程を循環系内で循環させ、
前記循環系内に酸素ガスを導入する酸素ガス導入工程を有することを特徴とする分解対象ガス分解方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、塩素ガスの再利用が可能となった。のみならず循環するガスの組成に関して、容器に入る前の混合ガスの組成と光照射処理された後のガスの組成とでは分解対象ガスが分解されることに係るガス以外の組成変化が無いので光照射処理された後のガスを混合ガスを作成するためのガスとして再利用しやすい。また分解には酸素が消費されるので分解対象ガスのほかに酸素も循環系に導入することで連続的な分解動作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る分解対象ガス分解装置は、光照射による分解処理を経たガスが混合ガスの分解に再度利用される様に循環系を有しており、循環系に酸素ガスを導入する酸素ガス導入手段を有することを特徴とする。
【0009】
本発明者は分解処理を経たガスの再利用、特に塩素ガスの再利用を試みた。そしてそのために循環系を設け、ガスを循環系内で循環させることが好ましいのではと考え試行錯誤した。
【0010】
その結果本発明の循環系、すなわち外部の大気を導入しない系の場合、循環系を循環するガスの成分のうち、酸素が消費されることに気づいた。外部の大気が常に導入される開放系の場合(すなわち非循環系)の場合、大気中の酸素を導入することができるので酸素を導入する格別の必要性はない。
【0011】
つまり本発明のような大気を導入しない循環系の場合、酸素を循環系に導入することで消費される酸素を補充することができる。そして酸素を導入することで分解対象ガスの高い分解効率を長時間維持できる。
【0012】
本実施形態に係る分解反応は先に述べた塩素ラジカルによる連鎖反応であることが予想される。ガス化された塩素系有機化合物(分解対象ガス)は分解し、ガス中に含まれる酸素と結合することでトリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノクロロ酢酸などのクロロ酢酸といったハロ酢酸が生じる。このクロロ酢酸を得るためには酸素が必要であり、本発明の大気を導入しない循環系の場合には酸素を導入することで分解対象ガスの高い分解効率を長時間維持できる。
【0013】
光源が発する光は300nm以上500nm以内の波長が好ましく、350nm以上450nm以内の波長を用いるのがより好ましい。このような光照射で塩素のラジカル化が十分できる。
【0014】
図1は本実施形態に係る分解対象ガス分解装置の模式図である。符号1は塩素ガス導入手段、2は分解対象ガス導入手段、3は循環経路、4は入口における混合ガスの流れ方向、5は容器、6は光源、7は出口におけるガスの流れ方向、8は酸素ガス導入手段、9は循環系である分解対象ガス分解装置である。
【0015】
塩素ガス導入手段1と分解対象ガス導入手段2は循環経路に接続している。また循環経路の途中にはガスを光分解させるために収容する容器5が設けられている。容器5は筒状であり、図示するように容器5内部に光源6が配置されている。容器5には混合ガス(分解対象ガスと塩素ガスとからなる混合ガス)を導入するための入口が設けられている。また容器5には分解後のガスを循環経路へ戻すための出口が設けられている。循環経路3内を流れる分解後のガスは塩素ガス導入手段1及び分解対象ガス導入手段2から導入される塩素ガス及び分解対象ガスと混合し再び混合ガスとして利用される。分解後のガスには、分解に伴って生成される塩素ガスなどが含まれている。従って循環系を移動する塩素ガスはごく微量の更なる塩素ガスを追加するだけで済む。
【0016】
酸素ガス導入手段は酸素ガスを循環系に導入する手段である。本図では酸素ガス導入手段は容器5において酸素ガスを導入する。この位置だと容器に酸素を高濃度に導入できるので好ましい。酸素比率は例えば大気中の酸素の比率と同様にするために全混合ガスの20%程度導入してもよい。分解効率を考慮し適宜その比率を決めればよい。なお酸素導入流量はたとえば10ml/min以上100ml/min以下である。
【0017】
このような分解対象ガス分解装置であれば、塩素ガスを分解対象物質ガスと混合させ(混合工程)、光照射により分解対象物質ガスを分解し(分解工程)、出口から分解後のガスを循環経路で移送し(移送工程)再び混合ガスを得ることができ、更に酸素ガスを循環系内に導入(酸素ガス導入工程)することが可能となる。
【0018】
このように本実施形態では循環系で分解対象ガスを分解するので導入する塩素ガスを再利用でき、追加の塩素ガスの消費量を減らすことができる。また同時に酸素を循環系に導入することで高い分解効率を長時間維持できる。
【0019】
本実施形態では、塩素ガス導入手段はどのような構成でもよい。好ましくはガス状態の塩素を導入できる手段である。塩素ガス導入手段は液体から塩素ガスを発生させる後述する手段でもよく、特に次亜塩素酸塩を含む溶液が好適である。塩素ガスボンベから供給されるものでもよい。また、電気分解することで陽極付近に発生する塩素ガスを利用する手段でもよい。
【0020】
また本実施形態では、分解対象ガスとして例えば、塩素化エチレン、塩素化メタン等が挙げられる。具体的には塩素化エチレンとしては、エチレンの1〜4塩素置換体、即ちクロロエチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが挙げられる。さらにジクロロエチレンとしては、例えば1,1−ジクロロエチレン(塩化ビニリデン)、cis−1,2−ジクロロエチレン、trans−1,2−ジクロロエチレンを挙げることができる。また塩素化メタンとしては、メタンの塩素置換体、例えばクロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン等が挙げられる。循環系を流れる場合に気体状になればよく、導入時には液体状でもよい。導入される分解対象ガスは加熱により気体状態になるのを促されたり、あるいは気流が吹き付けられることで気体状態になるのを促されてもよい。
【0021】
本実施形態では酸素ガス導入手段は導入経路に酸素を気体状態で導入する以外に加熱あるいは光あるいはその他の刺激により酸素を発生させる紛体のような固形物を導入経路に導入する手段であってもよい、より好ましくは酸素が混合ガスに均一に導入されやすい気体状態の酸素を導入する手段であることが好ましい。また酸素ガス導入手段は本実施形態では容器と接続しているがこれ以外に循環系のいずれの位置に配置されていてもよい。好ましくは容器に直接導入されていることが反応で減少する酸素を反応空間である容器に直接導入できるという意味で好ましい。また混合ガスが得られる場所あるいは混合ガスが得られて容器へ導入される途中の場所に酸素ガス導入手段を配置することが容器に混合ガスが導入されるまでに酸素ガスが混合ガスに均一に導入できるという意味でこれら形態も好ましい。
【0022】
本実施形態では光源は容器の内側に配置され、容器内の混合ガスに光照射する形態であるが、この他にも透明な容器の外側に光源を配置し、容器外部から容器内部の混合ガスに光を照射する形態でもよい。更により好ましくは不透明な容器の内側に光源が配置されている構成が好ましい。さらに言えば塩化ビニルのような耐薬品性の高い不透明容器を本容器として利用することが好ましい。
【0023】
本実施形態では容器は1つであるが必要に応じて複数配置してもよい。その場合互いを並列あるいは直列に配置してもよい。後述する実施形態では複数の容器を直列に配置している。
【0024】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る分解対象ガス分解装置は、分解対象物質を液滴で循環経路に導入する形態である。それ以外は第1の実施の形態と同じである。
【0025】
図2は本実施形態に係る分解対象ガス分解装置の模式図である。第1図と同じ符号は同じものを指す。符号10は塩素系有機化合物液体気化部、11および12は塩素発生用原料貯蔵タンク、13はpH調整用原料貯蔵タンク、14はpH計、15は安全弁である。
【0026】
分解対象ガス導入手段2は液体の分解対象物質を塩素系有機化合物液体気化部10へ導入する。導入には液体を滴下することで導入する。塩素ガスが塩素系有機化合物液体気化部10へ導入されることで滴下された液体の分解対象物質が塩素系有機化合物液体気化部10に溜まり続けることなく気化されて混合ガスとして循環経路3へ導入される。
【0027】
塩素ガス導入手段1は液体を収容し、液体から塩素ガスを発生させ循環経路に導入する。
【0028】
塩素ガス導入手段1の底部には容器5出口からの循環経路が接続されており、ガスが塩素ガス導入手段1に収容されている液をバブリングできるようになっている。バブリングにより効果的に塩素ガスが発生する。また循環経路が塩素ガス導入手段1の底部に配置されていることで容器5から排出される水溶性化合物(光反応により生成される生成物、例えばクロロ酢酸)を塩素ガス導入手段に収容されている液体中に導入回収することできる。
【0029】
塩素ガス導入手段1は必要に応じて図示されるように底部にテーパーを設けて不図示の弁により底部から液体を回収してもよい。例えば万が一水に対する不溶性沈殿物質(固体液体に依らず)が容器出口から導入されるガスに含まれていた場合でも低部から回収できる。その意味で好ましい形態である。
【0030】
また本実施形態では必要に応じて設けられる安全弁15を設けることが好ましい。大気に対して非開放で、また酸素を導入する手段を持つ本装置では、導入した酸素はクロロ酢酸が生成されるときに用いられ、水溶性物質になる。このように導入した酸素は最終的に水中に取り込まれるので、圧力バランスが保たれる。しかし、分解の度合いにより圧力変化(減圧、加圧)が生じるかも知れない。その場合を想定して安全装置として安全弁を設け、必要に応じて循環系内の圧力を適宜調整することが好ましい。より具体的には安全弁は塩素ガス導入手段に配置されていることが塩素ガス導入手段が加圧になる可能性が高いという意味で好ましい。また、塩素ガス導入手段に設けた安全弁の出口には、塩素ガスを捕捉するため、アルカリにした水溶液でガス吸収を行う形態がさらに好ましい。
【0031】
本実施形態ではタンク11、12にそれぞれ次亜塩素酸ナトリウム水溶液、塩酸が収容されており、これらが適量塩素ガス導入手段1へ導入される。タンク13には水酸化ナトリウム水溶液が収容されておりこれは塩素ガス導入手段1のpHを調整するためのものである。pHの調整には必要に応じて設けるpH計14からの値をもとに調整する。
【0032】
本実施形態で用いられる光源及び容器は計3組である。互いに直列に配置されている。このように、容器の配列を増やす形態でも使用することができる。
【0033】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係わる分解対象ガス分解装置は、残留塩素濃度をモニタリングする手段を有する形態であり、それ以外は第2の実施の形態と同じである。
【0034】
図3は本実施形態に係わる分解装置の模式図である。第1図、2図と同じ符号は同じものを指す。符号16は残留塩素計である。
【0035】
本実施形態では塩素ガス導入手段として次亜塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸による生成方法を用いている。連続運転を行うには、反応に必要な塩素ガスの供給源として、次亜塩素酸ナトリウムの随時添加が必要である。本形態では、塩素ガス導入手段中にある液中の残留塩素濃度を残留塩素計によりモニタリングし、液中の残留塩素濃度が所定となるようにモニタリング結果に基づいて次亜塩素酸ナトリウムの添加をコントロールすることによって、分解に必要な塩素ガスの生成を効率的に行うことができるという意味で好ましい形態である。
【実施例】
【0036】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0037】
(実施例1)
図2に本願発明に係る分解対象ガス分解装置の構成の一例を示す。
【0038】
この装置を用いて液体となっている塩素系有機化合物の分解を実験的に確かめた。
【0039】
容積50Lの塩素発生槽1に25L水を入れ、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液(キシダ化学、製造時含有量約12%、有効塩素:min5%)を40mL投入し、塩酸(9%)を発生槽のpHが3.0になるように投入した。さらに、ポンプを用いてエアレーションを行った。塩素発生槽からのエアーは塩素系有機化合物液体気化部を通り、光源6を挿入した容器5を通り再び塩素発生槽1へ接続している循環経路にした。この時の流量は約30L/minとなった。
【0040】
分解対象物質として溶剤回収装置からの回収溶剤を使用した。この回収溶剤にはテトラクロロエチレンが96%含まれていた。この塩素系有機化合物の液体を分解対象ガス導入手段2(セラミックポンプVSP1050:EYELA製)にて0.35g/minとなるように塩素系有機化合物液体気化部に導入した。
【0041】
10Lの塩化ビニル容器5の内部に光源6(FHF32BLB:東芝製)を挿入した反応槽で光の照射を行った。この反応槽を3組互いに直列に配置させた。
【0042】
反応槽入口には酸素ガス導入手段8により酸素を導入した。この時の導入量は50mL/minであった。
【0043】
1ヶ月連続運転を行い、反応槽の入口および出口のテトラクロロエチレン濃度をPIDガスクロマトグラフィー等にて測定したところ、反応槽の入口ではテトラクロロエチレンが1700ppmであったのが、出口では99%以上分解していた。
【0044】
(実施例2)
図3には残留塩素をコントロールするシステムを導入し、分解に必要な塩素をより効率よく発生させるものとした。残留塩素のコントロール以外は実施例1とほぼ同様である。
【0045】
塩素ガス導入手段中にある液中の残留塩素濃度を残留塩素計(CL−50H:イワキ)を用いてモニタリングし、液中の残留塩素濃度が所定となるように12%次亜塩素酸ナトリウム溶液(キシダ化学、製造時含有量約12%、有効塩素:min5%)を添加した。
【0046】
反応槽の入口および出口のテトラクロロエチレン濃度をPIDガスクロマトグラフィー等にて測定したところ、反応槽の入口ではテトラクロロエチレンが5600ppmであったのが、出口では99%以上分解していた。
【0047】
図4は塩素系有機化合物の液体を分解対象ガス導入手段2(セラミックポンプVSP1050:EYELA製)にて0.49g/minとなるように塩素系有機化合物液体気化部に導入し、液中の残留塩素濃度を5mg/L〜40mg/Lの間で数点設定し、その場合の塩素ガス濃度とテトラクロロエチレンの分解率を示したものである。その結果、分解率80%を得るためには、残留塩素濃度が30mg/L以上必要であることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施の形態に係る分解対象ガス分解装置の模式図である。
【図2】本実施の別の形態に係る分解対象ガス分解装置の模式図である。
【図3】本実施の別の形態に係る分解対象ガス分解装置の模式図である。
【図4】残留塩素濃度と分解率の関係を示した図である。
【符号の説明】
【0049】
1 塩素ガス導入手段
2 分解対象ガス導入手段
3 循環経路
4 入口における混合ガスの流れ方向
5 容器
6 光源
7 出口におけるガスの流れ方向
8 酸素ガス導入手段
9 循環系である分解対象ガス分解装置
10 塩素系有機化合物液体気化部
11、12 塩素発生用原料貯蔵タンク
13 pH調整用原料貯蔵タンク
14 pH計
15 安全弁
16 残留塩素計
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
【出願日】 平成16年10月13日(2004.10.13)
【代理人】 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三

【識別番号】100096965
【弁理士】
【氏名又は名称】内尾 裕一

【公開番号】 特開2005−144440(P2005−144440A)
【公開日】 平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願番号】 特願2004−298830(P2004−298830)