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【発明の名称】 フィルター及びその製造方法
【発明者】 【氏名】波田 靖夫

【要約】 【課題】金属製フィルターの加工を簡便,容易にし、結果として費用の低減を図ることを目的とした。

【解決手段】予め有機高分子材料或いは/及び無機材料で保護層を設けた金属製濾過材料と熱可塑性樹脂を主成分とする支持部材を超音波融着することで加工の簡便化、加工時間の短縮化、コストの低減を可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の濾過材料からなるフィルターであって、該金属製濾過材料の一部表面に、予め熱で溶融し難い有機高分子材料或いは/及び無機材料の保護層を形成させておき、該一部分に熱可塑性樹脂を主成分とする支持部材を溶融接合することを特徴とするフィルター及びその製造方法。
【請求項2】
熱可塑性樹脂を主成分とする部材を溶融接合する手段が超音波溶着であることを特徴とする請求項1記載のフィルター及びその製造方法。
【請求項3】
金属製の濾過材料がステンレス製或いは銅製であることを特徴とする請求項1ないし2記載のフィルター及びその製造方法。
【請求項4】
金属製濾過材料の保護層がセルロース系高分子材料を溶剤に溶解した溶液を塗布或いは該溶液に金属製濾過材料を浸漬することにより形成されたことを特徴とする請求項1ないし3記載のフィルター及びその製造方法。
【請求項5】
貫通した多数の空隙部を有するセルロース系高分子材料からなる紙或いは不織布或いは織布或いは網或いは多孔シートが金属製濾過材料と熱可塑性樹脂を主成分とする支持部材との間に挟み込まれ保護層となっていることを特徴とする請求項1ないし3記載のフィルター及びその製造方法。
【請求項6】
フィルターの形状が円筒形或いは袋状であり、熱可塑性樹脂を主成分とする部材を溶着する部位が少なくとも1つの端面であることを特徴とする請求項1ないし5記載のフィルター及びその製造方法。
【請求項7】
フィルターの形状が平板状であり、熱可塑性樹脂を主成分とする部材を溶着する部位が少なくとも平板の周辺の一部であることを特徴とする請求項1ないし5記載のフィルター及びその製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の粉塵の除去、水中の不純物の除去、オイル中の固体不純物除去等に使用される、特に使用後洗浄し再使用されるタイプのフィルターに関する。
[背景技術]
【0002】
金属製のフィルターは耐熱性或いは耐腐食性に優れ、使用後は洗浄することで繰り返し再生可能という利点を有する。しかし、例えば金網状の濾過材料をフィルターの形状にするためには、支持部材の製造、溶接による取付け等煩雑であり、生産性に劣り、費用も高くなるため利用し難い面があった。
[発明の開示]
[発明が解決しようとする課題]
【0003】
本発明では前記の問題点を考慮し、金属製フィルターの加工を簡便で容易なものとし、且つ安価な部材を利用することで、結果として費用の低減が可能となるフィルターの提供を目的とした。
[課題を解決するための手段]
【0004】
本発明では上記課題を解決するために、濾過の機能は金属製濾過材料に、取付け等の補助機能は熱可塑性樹脂を主成分とする支持部材に分割して担わせ、夫々の部材の接合は熱融着によることとした。
[発明の効果]
【0005】
本発明によれば、濾過機能を金属濾過材料に、それ以外の取付け等フィルターに必要な機能は熱可塑性樹脂を主成分とする材料に振り分けることにより加工が著しく簡略化された。例えば、従来まで上記2つの部材の接合には溶接、ネジ止め等が利用されてきたが、どうしても手作りで、長時間を要し、加工費用も高くならざるを得なかった。これに対し、熱可塑性樹脂を主成分とする材料は安価で、成形も容易であり、接合も熱溶着によれば非常に短時間で完結できる。なお熱可塑性樹脂を主成分とする材料としては、単体のプレート、シート或いは複合材のプレート等の他、不織布、織布の形にしたものも利用できる。更に金属製のフィルターではその材質からパッキング或いはシール材等を必要とするが、熱可塑性樹脂を主成分とする材料は形状を工夫すればシール材を兼ねる構造にすることも可能である。特にフェルト状不織布等はこの点で有用である。材料及び加工の両面で費用の低減が図れ、加工時間の短縮化、形状への多様な対応が可能となった。また濾過機能は金属製濾過材料が担っているため、再生に関しては通常の金属製フィルターと変わらない。
[発明を実施するための最良の形態]
【0006】
図1、図2に本発明の第1の形態を示す。金属製濾過材料は円筒形1であり、襞折りされたその端部に熱可塑性樹脂を主成分とする材料からなる通常エンドプレートと呼ばれるドーナツ状円板2が設置されている。流体はAより入り、Bから抜ける。この際流体の流れは逆方向であっても差し支えはない。熱可塑性樹脂を主成分とする材料からなるエンドプレート2は熱可塑性樹脂単体、或いは有機或いは/及び無機充填剤を含んだプレート、シート、不織布,織布等任意に選択し、使用することができる。特にフェルト状不織布はパッキングを兼用できるため好ましい。充填剤の形状は粉状、粒状、繊維状等任意に選択できる。また該熱可塑性樹脂を主成分とする材料からなるエンドプレートの接合は、予め金属製濾過材料の接合されるべき部位表面に熱により溶融し難い有機高分子材料或いは/及び向き材料を付着させておき、その後に超音波融着することで達成される。しかし、溶着は必ずしも超音波融着に限定されるものではなく、フィルターの用途を勘案しヒートシール、誘導加熱等利用しても差し支えない。
図3には本発明の第2の形態を示す。金属製濾過材料は平板状であり、その周辺に熱可塑性樹脂を主成分とする枠が設置されている。この枠材に硬質のエンジニアリングプラスチックプレートを使用すれば、従来の金属フィルターと同じようなフィルターが、またフェルト状不織布を使用すればパッキングと一体化したようなフィルターが得られる。本発明で得られるフィルターは使用後、洗浄することにより繰り返し使用することが可能である。
[実施例]
本発明の実施例を説明する。
[実施例1]
【0007】
先ず図1に示すように長方形のステンレス製金網(200メッシュ)を襞折りした後(幅14mm)、その端部を加締めて外径56mmφ,内径28mmφ、高さ70mmの円筒を作製した。次いで、この円筒の上下端をメチルエチルケトンに酢酸セルロースを溶解させた溶液に浸漬し、夫々約5mm幅、厚み約0.8mmの層を形成させた。この円筒の端部に外径60mmφ、内径24mmφ、厚み2mmのポリエステル繊維からなるフェルト状不織布を置き、超音波融着を実施した。超音波のホーン形状は外径56mmφ、内径28mmφのドーナツ状である。フェルト状不織布は金属製金網の端部に溶融接合され、且つその内外周はフェルト状を残していた。
[実施例2]
【0008】
銅製金網(100メッシュ)を用い、図3に示す外径56mmφの円板を作製した。次いで、この円板の周囲に酢酸セルロースをメチルエチルケトンに溶解した溶液を塗布し、幅約5mm、厚み約0.7mmの層を形成させた。その後この円板上に外径60mmφ、内径24mmφ、厚み3mmのナイロン6,6製のドーナツ状円板を置き、超音波融着を実施した。その結果、周囲が固いナイロン6,6製枠からなり、中央部が銅製の金網からなるフィルターが得られた。
[実施例3]
【0009】
ステンレス製金網(100メッシュ)を用い、外径56mmφの円板を作製した。この円板上に目の粗い(約30メッシュ)麻製織布のドーナツ状シート(外径56mmφ、内径46mmφ、厚み約0.6mmを置き、次いでそれを上下からナイロン6,6プレート(外径60mmφ、内径24mmφ、厚み3mm)で挟み、超音波融着を実施した。その結果、周囲が固いナイロン6,6製枠からなり、中央部がステンレス製金網からなるフィルターが得られた。
[比較例1]
【0010】
実施例1において、ステンレス金網に酢酸セルロースの層を形成させなかった以外は実施例1と同様の材料を用い、同様の操作を行った。超音波融着を実施する際、超音波のホーンと金属円筒端が接触し、異音を発生し加工は困難であった。
[比較例2]
【0011】
実施例2において、金網上に酢酸セルロースの層を形成させなかった以外は実施例2と同様の材料を用い、同様の操作を行った。超音波融着を実施する際、異音を発生し、加工を継続することは不可能であった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1形態の概略説明図である。
【図2】同形態の上面図である。
【図3】本発明の別形態の概略説明図である。
【符号の説明】
【0013】
A 流体流入経路
B 流体流出経路
1 襞折り付き円筒形金属製濾過材
2 熱可塑性樹脂を主成分とするエンドプレート
3 平板状金属製濾過材
4 熱可塑性樹脂を主成分とする枠
【出願人】 【識別番号】502133099
【氏名又は名称】波田 靖夫
【出願日】 平成16年2月13日(2004.2.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−238209(P2005−238209A)
【公開日】 平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願番号】 特願2004−69701(P2004−69701)