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【発明の名称】 脱水装置
【発明者】 【氏名】小島 清

【要約】 【課題】含水砂等の脱水を連続的に行うことを可能とし、低コストで、含水率を効果的に低下させる。

【解決手段】振動篩2の篩網3の前端に排出口5を設け、篩網3の後端に越流堰6を設け、篩網3の網目を十分小さく設定し、且つ篩網3を排出口5側へ上り勾配となるよう傾斜させると共に、篩網3の中央付近に含水砂WSを投入する投入シュート10を配置し、篩下に越流堰6より後方まで延出する水ホッパ11を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動篩の篩網の前端に排出口を設け、篩網の後端に越流堰を設け、篩網の網目を十分小さく設定し、且つ篩網を排出口側へ上り勾配となるよう傾斜させると共に、篩網の中央付近に処理対象物を投入する投入シュートを配置し、篩下に越流堰より後方まで延出する水ホッパを設けたことを特徴とする脱水装置。
【請求項2】
排出口側から後方へ向けて圧縮空気を吹付け、水分を越流堰側に移動させる水送り手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の脱水装置。
【請求項3】
篩網の傾斜角度と越流堰の高さをそれぞれ調整可能とし、加振機の振動数を可変としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱水装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、含水した砂などを振動篩を用いて脱水する脱水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製砂設備において、洗浄工程の後のように高い含水率の砂を次の工程へ移送しなければならない場合があるが、このような高含水率の砂の移送にベルトコンベヤを利用すると滑って移送できないことがあり、また、トラックで輸送すると路面を濡らす等の問題がある。そこで、高含水率の砂をコンベヤで移送可能な程度まで含水率を低下させるための脱水装置が求められていた。
【0003】
脱水装置(固液分離装置)としては、遠心分離機やフィルタプレスなどが一般的ではあるが、これらの装置はバッチ処理なので大量の処理対象物を連続して脱水処理するような作業には不適当である。また、遠心分離機やフィルタプレスは構造が複雑で故障の発生する可能性が高く、フィルタの清掃・交換といったメンテナンスを頻繁に行う必要があるため、コストが嵩む。
【0004】
一方、処理対象物によっては、振動篩を用いた固液分離が行われていた。振動篩は、構造が簡素でメンテナンス性も良好であり、篩効率が高いため固体の分級には従来から広く用いられているが、これを脱水に用いたものとしては、例えば微粉砕した石炭を湿式造粒機で造粒し、この造粒炭を水と混合してスラリーとし、パイプラインで輸送した後、到着地において振動篩を用いて脱水するという技術が公知である(特許文献1参照)。
【0005】
この振動篩を用いた固液分離方法では、処理対象物が造粒炭のように粒径が大であり、篩網の網目を比較的大きく設定できる場合には良好に脱水できる。
しかし、処理対象物が砂のように粒径が小さく、篩網の網目を小さく設定しなければならない場合には、含水率を20%程度まで低下させるのが限界で、コンベヤ輸送が可能な含水率10%まで脱水することは困難である。
【特許文献1】特開昭57−18792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、砂等の脱水における上記問題を解決するものであって、含水した砂等の脱水を連続的に行うことが可能であり、低コストで、含水率を効果的に低下させることができる脱水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の脱水装置は、振動篩の篩網の前端に排出口を設け、篩網の後端に越流堰を設け、篩網の網目を十分小さく設定し、且つ篩網を排出口側へ上り勾配となるよう傾斜させると共に、篩網の中央付近に処理対象物を投入する投入シュートを配置し、篩下に越流堰より後方まで延出する水ホッパを設けることにより上記課題を解決している。
この脱水装置では、投入シュートから投入された含水砂等の処理対象物は、篩網上で振動が与えられ、水分と処理対象物が分離して水分が処理対象物の表面上に浮出す。浮出した水分は篩網が傾斜しているため後方へ流れ、越流堰を越えて水ホッパに排出される。
【0008】
なお、処理対象物に含有されていた水分の一部は通常の篩作用により篩網を通過して水ホッパに滴下する。脱水された処理対象物は、振動により篩網上を前方へ移動し、排出口から排出される。
排出口側から後方へ向けて圧縮空気を吹付け、水分を越流堰側に移動させる水送り手段を設けると脱水を効果的に行うことができ、乾燥作用も期待できるので、処理対象物の含水率をより低くすることができる。
篩網の傾斜角度と越流堰の高さをそれぞれ調整可能とし、加振機の振動数を可変とすることで、処理対象物の性状や要求される含水率の変化に柔軟に対応することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の脱水装置は、含水した砂等の脱水を連続的に行うことができ、低コストで、含水率を効果的に低下させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の実施の形態を示す脱水装置の縦断面図、図2は傾斜調整手段の側面図である。
この脱水装置1は含水砂WSの脱水を行うものであって、基本的構成は一般的な振動篩と略同様である。即ち、振動篩2の底部に篩網3が設けられ、振動篩2の左右の側板21間に横架された梁材22上に加振機4が設置されている。篩網3の前端(図1上、右端)には排出口5が設けられている。振動篩2は、側板21の外側に設けられた支持脚7によって支持されている。
【0011】
篩網3は0.6mm以下のウェッジワイヤを使用しており、加振機4は振動数を自由に変えられるようにインバータ制御となっている。加振機4の加振方向は前斜め上方となっている。
この脱水装置1では、一般的な振動篩の後端に設けられている背板が設けられておらず、その代わりに篩網3の後端に越流堰6が設けられている。また、一般的な振動篩は篩網が排出口側へ向かって水平乃至下り勾配となるように傾斜が設定されているのに対して、この脱水装置1では篩網3が排出口5側へ略4°の上り勾配となるように傾斜が設定されており、この篩網3の傾斜を調整可能とするための傾斜調整手段9を備えている。
【0012】
さらに、投入シュート10が一般的な設置位置である篩網の後端部でなく、篩網3の中央付近に配置されている。
篩網3の排出口5側の上方には水分を越流堰6側へ強制的に移動させる水送り手段8が前後に二列設けられている。この水送り手段8は、篩網3を跨ぐように側板21間に設けられた空気配管8aと、振動篩2の幅方向に所定距離互いに離隔して空気配管8aに複数箇所設けられた吹出口8bとからなり、吹出口8bの方向は後斜め下方となっている。
【0013】
図2に示すように、支持脚7は、台座7a、弾性体7b、及び連結部7cからなり、連結部7cには側板21から側方に突設されている連結ピン23を嵌着するための連結孔7dとスリット7eが設けられている。
傾斜調整手段9は、支持脚7の連結孔7dに対して連結ピン23を任意の回り角度で固定するための固定ボルト9bと、固定ナット9cからなる。
【0014】
篩網3の傾斜を調整するには、先ず、固定ボルト9bと固定ナット9cの結合を緩める。次に、例えば、篩網3の上り勾配の傾斜角度を大きくする場合は、振動篩2に図2上半時計方向(後側を押下げる方向)への外力を加え弾性体7bを縮小させた状態で固定ボルト9bと固定ナット9cを締結する。
逆に、傾斜角度を小さくする場合は、固定ボルト9bと固定ナット9cの結合を緩めた後、振動篩2に図2上時計方向(後側を持上げる方向)への外力を加え弾性体7bを伸長させた状態で固定ボルト9bと固定ナット9cを締結する。
【0015】
越流堰6は、取付ボルト孔が長孔(図示略)となっており、高さを変更できるようになっている。なお、越流堰6の高さ調整手段としては、数種類の高さの異なる越流堰6を用意しておき、これらを適宜交換するようにしてもよい。
篩網3の下には、越流堰6より後方まで延出する水ホッパ11が設けられており、排出口5の下には砂ホッパ12が設けられている。
【0016】
この脱水装置1で含水砂WSの脱水を行うときには、投入シュート10から篩網3の中央部に含水砂WSが投入される。含水砂WSは、加振機4によって篩網3上で振動が与えられ、水Wと砂Sが分離するが、篩網3の網目は細粒の砂Sが通過しないよう十分小さく設定されているので、一部の水Wが篩下の水ホッパ11に滴下するだけで、大部分の水Wは比重の差によって砂Sの上に浮出す。なお、含水砂WSの性状によっては篩網3の網目を0、即ち、単なる無孔の板とすることも可能である。
【0017】
砂Sの上に浮出した水Wは篩網3が傾斜しているため後方へ流れ、越流堰6で水溜まりが形成され、その水位が越流堰6を越えると水ホッパ11に流下する。
一方、脱水された砂Sは、振動により篩網3上を前方へ移動し、排出口5から砂ホッパ12へ排出される。
投入シュート10の位置を越流堰6付近にすると、砂と水の分離が十分行われず、砂を多量に含む水、即ち泥水状の水が水ホッパ11に流下する。逆に、投入シュート10の位置を排出口5付近にすると、砂と水の分離が十分行われず、殆ど脱水されないままの含水砂が砂ホッパ12へ排出されてしまう。
【0018】
水送り手段8の吹出口8bからは、圧縮空気Aが吹出しており、砂Sの上に浮出した水Wを越流堰6側へ強制的に移動させる。この圧縮空気Aは、分離した砂Sを乾燥させる作用も併せ持つ。
この脱水装置1は、一般的に使用されている振動篩の基本的な構成を利用した簡素な構造であるため、連続した作業が可能で、装置のコストを低く抑え、含水率を効率的に10%以下まで低下させることができる。篩網3の傾斜角度と越流堰6の高さをそれぞれ調整でき、加振機4の振動数も可変であるので、含水砂WSの含水率や処理量等の条件が変化しても対応可能である。
なお、この脱水装置1は、砂のみに限らず、同様に微細な粒径を有するばら物の脱水に使用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態を示す脱水装置の縦断面図である。
【図2】傾斜調整手段の側面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 脱水装置
2 振動篩
3 篩網
4 加振機
5 排出口
6 越流堰
7 支持脚
7a 台座
7b 弾性体
7c 連結部
7d 連結孔
7e スリット
8 水送り手段
8a 空気配管
8b 吹出口
9 傾斜調整手段
9b 固定ボルト
9c 固定ナット
10 投入シュート
11 水ホッパ
12 砂ホッパ
21 側板
22 梁材
23 連結ピン
A 圧縮空気
S 砂
W 水
WS 含水砂
【出願人】 【識別番号】000165974
【氏名又は名称】古河機械金属株式会社
【出願日】 平成16年2月27日(2004.2.27)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也

【識別番号】100075579
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 嘉昭

【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 秀▲てつ▼

【識別番号】100106714
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 忠之

【公開番号】 特開2005−238182(P2005−238182A)
【公開日】 平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願番号】 特願2004−54890(P2004−54890)