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【発明の名称】 液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔
【発明者】 【氏名】稲葉 一樹
【住所又は居所】富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内

【氏名】林 孝憲
【住所又は居所】東京都千代田区大手町2−6−3 新日本製鐵株式会社内

【氏名】詫摩 賢治
【住所又は居所】富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内

【氏名】安藤 慶治
【住所又は居所】富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内

【氏名】山本 祐史
【住所又は居所】富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内

【氏名】西島 隆
【住所又は居所】埼玉県蕨市塚越5丁目12番2号 オリエンタルメタル株式会社内

【氏名】高木 進一
【住所又は居所】埼玉県蕨市塚越5丁目12番2号 オリエンタルメタル株式会社内

【要約】 【課題】メンテナンスフリーであって、装置の設置が容易であり、安価な集塵方式を提供することを目的とする。

【解決手段】液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔において、発塵源のある建物、構造物及びその他の建造物に形成される自然換気の排気口に設置される排気塔内に、少なくとも1個以上の断面円形又は矩形の排気流路部材を所定の間隔で設置し、その排気流路部材内に液体スプレイ噴霧装置を配置し、前記排気流路部材のみに排気流が通過するように前記排気流路部材以外の部分を遮蔽することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発塵源のある建物、構造物及びその他の建造物に形成される自然換気の排気口に設置される排気塔内に、少なくとも1個以上の断面円形又は矩形の排気流路部材を所定の間隔で設置し、その排気流路部材内に液体スプレイ噴霧装置を配置し、前記排気流路部材のみに排気流が通過するように前記排気流路部材以外の部分を遮蔽することを特徴とする液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔。
【請求項2】
前記排気流路部材の前後面の少なくとも液体スプレイ噴霧装置の液体噴霧方向側に水膜生成用網を1枚以上配置することを特徴とする請求項1に記載の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔。
【請求項3】
前記排気流路部材を排気流の方向と平行に配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔。
【請求項4】
前記排気流路部材を排気流の方向と直交する方向に配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔。
【請求項5】
一方の排気流路部材を排気流の方向と平行に配置し、他方の排気流路部材を排気流の方向と直行する方向に配置し、前記両排気流路部材との間に混合室を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔。
【請求項6】
前記液体スプレイ噴霧装置の下流側に乱流形成手段を配置することを特徴とする請求項5に記載の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔。
【請求項7】
前記自然換気の排気口が形成される部位が、屋根又は外壁の一方又は両方であることを特徴とする請求項1に記載の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、発塵源のある建物、構造物およびその他の建造物に設置される自然換気の排気塔からの粉塵排出を抑制する除塵排気塔に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内に発塵源が存在する場合、粉塵を含む室内の空気を強制換気手段により湿式機械集塵装置等の装置内に送り、排気流に液体を噴霧して排気流中の粉塵を湿らせ排気流から分離・回収する湿式機械集塵方法が採用されている。
【特許文献1】特開平6−185758号公報
【特許文献2】特開平7−227515号公報
【特許文献3】特開平7−328367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の湿式機械集塵方法は装置が大規模となり、装置の設置のための経費及び装置のメンテナンスに多額の費用を必要とするという問題を有するものであった。
【0004】
本発明は、従来の湿式集塵方法の問題点を解消したメンテナンスフリーであって、装置の設置が容易であり、安価な集塵方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第1発明は、前記課題を解決するために、液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔において、発塵源のある建物、構造物及びその他の建造物に形成される自然換気の排気口に設置される排気塔内に、少なくとも1個以上の断面円形又は矩形の排気流路部材を所定の間隔で設置し、その排気流路部材内に液体スプレイ噴霧装置を配置し、前記排気流路部材のみに排気流が通過するように前記排気流路部材以外の部分を遮蔽することを特徴とする。
【0006】
本第2発明は、本第1発明の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔において、前記排気流路部材の前後面の少なくとも液体スプレイ噴霧装置の液体噴霧方向側に水膜生成用網を1枚以上配置することを特徴とする。
【0007】
本第3発明は、本第1又は第2発明の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔において、前記排気流路部材を排気流の方向と平行に配置することを特徴とする。
【0008】
本第4発明は、本第1又は第2発明の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔において、前記排気流路部材を排気流の方向と直交する方向に配置することを特徴とする。
【0009】
本第5発明は、本第1又は第2発明の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔において、一方の排気流路部材を排気流の方向と平行に配置し、他方の排気流路部材を排気流の方向と直交する方向に配置し、前記排気流路部材との間に混合室を形成することを特徴とする。
【0010】
本第6発明は、本第5発明の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔において、前記液体スプレイ噴霧装置の下流側に乱流形成手段を配置することを特徴とする。
【0011】
本第7発明は、本第1発明の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔において、その設置部位が屋根又は外壁の一方又は両方であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔では、発塵源が存在する建物、構造物及びその他の建造物に形成される自然換気の排気口に設置される排気塔に、液体スプレイ噴霧装置を設置する構成により、上昇気流に乗って建物、構造物及びその他の建造物から外部に排出される手前で液体スプレイ噴霧装置から噴霧される液体により粉塵が液体と結びつき質量が増加することで排気流中の粉塵が分離回収でき、従来の湿式機械集塵方法より設備費が安価でメンテナンスフリーであるため、極めて安い費用により大きな除塵効果を得ることが可能となる。
【0013】
自然換気の排気口に、少なくとも1個以上の断面円形又は矩形の排気流路部材を所定の間隔で設置し、その排気流路部材内に液体スプレイ噴霧装置を配置し、前記排気流路部材内のみに排気流が通過するように前記排気流路部材以外の部分を遮蔽する構成により、液体スプレイ噴霧装置から狭隘な排気流路部材内に噴出された直後の液体中を排気流が通過し、排気流中の粉塵と液体の付着効果を向上することができる。
【0014】
排気流路部材の前後面の少なくとも液体スプレイ噴霧装置の液体噴霧方向側に水膜生成用網を1枚以上配置する構成により、排気流路部材内を通過する排気流が確実に水膜を通過するので排気流中の粉塵と液体の付着効果をより一層向上することができる。
【0015】
一方の排気流路部材を排気流の方向と平行に配置し、他方の排気流路部材を排気流の方向と直交する方向に配置し、前記排気流路部材との間に混合室を形成する構成により、混合室内での排気流中の粉塵と液体の付着時間を増加させ、粉塵と液体の付着効果を向上することができる。
【0016】
液体スプレイ噴霧装置の下流側に排気を乱流とする乱流生成手段を配置する構成により、排気流中の粉塵と液体の付着時間を増加させ、粉塵と液体の付着効果をより一層向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を図示の実施形態により説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の実施形態を図により説明する。図1(a)(b)は、本発明の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔の実施例1を示すものである。除塵排気塔1は、発塵源のある工場等の建家の屋根2に形成された自然排気の換気口3に設置される。除塵排気塔1は、排気口3を区画する下部水平部4と、下部水平部4の排気口3側端部から垂直に低い高さで立ち上がる下部垂直部5と、下部水平部4の排気口3と反対側の端部から垂直に立ち上がる垂直壁部6と、垂直壁部6の上端から排気口3側に水平に延び、上部開口8を形成する上部水平屋根部7を有する。除塵排気塔1内には、上部開口8からの雨水の浸入するのを防ぐ中間水平屋根部9が設置される。除塵排気塔1内に、中間屋根部9の両端に固定される内部垂直隔壁10と垂直壁部5により区画される排気通路11が形成される。排気通路11内に、少なくとも1個以上の断面円形又は矩形の排気流路部材12を設置する。図1(a)(b)に示される実施例1においては、排気流路部材12は、排気通路11内に排気流の方向と平行に配置する。排気通路11には、排気流が排気流路部材12内のみを流れるように遮蔽壁13を設置する。排気流路部材12内には、液体スプレイ噴霧装置14が設置される。液体スプレイ噴霧装置14のノズルから液体を排気流の方向又は排気流と反対方向に噴射する。排気流路部材12に少なくとも液体スプレイ噴霧装置の液体スプレイ側に水膜生成用網15を設置する。水膜生成用網15は、排気流路部材12の前後に複数枚設置してもよい。
【0019】
粉塵を含んだ排気流は、自然換気の上昇流となって建家の屋根2の形成された排気口3から除塵排気口1内に入る。除塵排気搭1内の排気流は、排気通路11内に設置された排気流路部材12内を流れる。排気流路部材12内には、液体スプレイ噴霧装置14と、液体スプレイ噴霧装置14からの液体スプレイにより水膜を形成する水膜生成用網15が設置されているので、狭い排気流路部材12内を通過する排気流中の粉塵は、確実に液体と接触し、その見掛け比重を増大して排気流から分離され、除塵排気塔1の下部水平部4又は中間水平屋根部9上に落下し、粉塵を除去された排気流が除塵排気塔1の上部開口8から外部に排出される。
【実施例2】
【0020】
図2(a)(b)は、本発明の実施例2を示すものである。この実施例2においては、排気通路11内に排気流路部材12を上昇流として除塵排気塔1内に流入する排気流の方向と直交する方向、つまり水平に配置したものである。その他の構成は前記実施例1に示したものと同様である。排気流路部材12を水平に配置する場合は、液体スプレイ噴霧装置14から噴霧され、粉塵と結びついた液体が流れ落ちやすいように排気流の入口側が若干下側になるように傾けて配置する。
【実施例3】
【0021】
図3(a)(b)は、本発明の実施例3を示すものである。この実施例3においては、排気通路11内に、排気流の方向と平行に排気流路部材12を配置し、その下流側に排気流と直交する方向に排気流路部材12を配置し、両排気流路部材12,12との間に遮蔽壁13により閉ざされた混合室16を形成する。その他の構成は前記実施例1、2に示したものと同様である。混合室16内での排気流中の粉塵と液体の付着時間を増加させ、粉塵と液体との付着効果を向上させることができる。
【実施例4】
【0022】
図4(a)(b)は、本発明の実施例4を示すものである。この実施例4においては、前記実施形態3のように混合室16を設けると共に、液体スプレイ噴霧装置14が設置された排気流路部材12の外側に、即ち液体スプレイ噴霧装置の下流側に、排気流の乱流形成手段として乱流生成板17を配置する。排気通路11内で排気流路部材12の下流側に間隔をおいて排気流の方向と直角または傾斜して交差するように矩形等の乱流生成板17が設けられる。その他の構成は前記実施例1、2に示したものと同様である。液体スプレイ噴霧装置14の下流側に配置した乱流生成板17に排気流が衝突することで乱流を生成することにより排気流中の粉塵と液体の付着時間を増加させ、粉塵と液体との付着効果を向上させることができる。
【0023】
前記各実施形態では、屋根2に形成された自然換気の換気口3に、液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔の形態を示したが、本発明を実施する場合、図示を省略するが、外壁に形成された自然換気の換気口に、前記各実施形態の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔を取付けるようにしてもよく、この場合には、外壁外側の排気ダクトの排気口部に下部水平部4を取り付けるようにすれば、前記各実施形態の除塵排気塔の姿勢を変えることなく取付けることができる。なお、必要に応じ、垂直壁部6を外壁に取り付けてもよい。
【0024】
また、本発明を実施する場合、屋根2または外壁の一方または両方に形成された自然換気の換気口に、前記各実施形態の液体スプレイ噴霧装置を備えた除塵排気塔を設けるようしてもよく、屋根2および外壁の両方の換気口に設けると、一方に設ける場合に比べて室内の粉塵除去処理を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)(b) 本発明の実施形態を示す図である。
【図2】(a)(b) 本発明の実施形態を示す図である。
【図3】(a)(b) 本発明の実施形態を示す図である。
【図4】(a)(b) 本発明の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
1 除塵排気塔
2 屋根
3 排気口
4 下部水平部
5 下部垂直部
6 垂直壁部
7 上部水平屋根部
8 上部開口
9 中間水平屋根部
10 内部垂直隔壁
11 排気通路
12 排気流路部材
13 遮蔽壁
14 液体スプレイ噴霧装置
15 水膜生成用網
16 混合室
17 乱流生成板
【出願人】 【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目6番3号
【識別番号】594123169
【氏名又は名称】オリエンタルメタル株式会社
【住所又は居所】埼玉県蕨市塚越5丁目12番2号
【出願日】 平成16年4月15日(2004.4.15)
【代理人】 【識別番号】100107250
【弁理士】
【氏名又は名称】林 信之

【公開番号】 特開2005−144433(P2005−144433A)
【公開日】 平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願番号】 特願2004−119690(P2004−119690)