トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般




【発明の名称】 ダイオキシン・煤塵除去装置
【発明者】 【氏名】川野 満
【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市小野3丁目11番1号 有限会社太陽化学内

【要約】 【課題】本発明は化学工場の産廃であるトリクロロスチレン、エタン、油泥、高分子系廃棄物(ハイプラスチック)、塗料粕(Pbを含む)その他医療廃棄物又は生活廃棄物等の2次燃焼炉の冷却塔に接続する水・排ガス接触塔において、ダイオキシンを低減する簡便な装置を得ることを目的とする。

【解決手段】排ガス・水接触塔1において、接触塔1の上端部に拡径段1’を介して拡径筒1”を形成し、上記接触塔1の上端縁1aと拡径筒1”の内周壁及び拡径段1’によって環状廃水溝2を形成し、上記上端縁1aに複数のV形受水杆3を平行に架設し、上記拡径筒1”の内周壁に複数の逆V形案内杆4を上記受水杆3と平行に架設して、気液分離部5を形成し、該分離部5の上方に金属繊維綿による除霧層6を配置し、該除霧層6の上方にスプレー給水管7を配設してなるダイオキシン・煤塵除去装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物焼却工場に設けた排ガス・水接触塔において、
上記接触塔の上端部に拡径段を介して拡径筒を形成し、
上記接触塔の上端縁と拡径筒の内周壁及び拡径段によって環状廃水溝を形成し、
上記上端縁に複数のV形受水杆を平行に架設し、該受水杆の両端をそれぞれ上記廃水溝上に開口し、
上記拡径筒の内周壁に複数の逆V形案内杆を上記受水杆と平行に架設し、
かつ上記案内杆の下向両下縁がそれぞれ上記受水杆の上向両上縁の上方に間隙を介して重合して気液分離部を形成し、
該分離部の上方に金属繊維綿による除霧層を配置し、
該除霧層の上方にスプレー給水管を配設してなるダイオキシン・煤塵除去装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
化学工場等の産業廃棄物焼却工場における排塵塔内のダイオキシン及び煤塵除去技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、産廃焼却工場の排塵塔内においては、スプレー水とダイオキシン・飛灰との接触除去法を用いることは知られている。
【0003】
しかし上記接触除去法のみではダイオキシンを一定成分以下に低減することは困難であったため、廃ガス中の有害物質を移動式ダスト除去層に吸着させ、さらに廃ガス中の有害物質を吸着剤による固定式吸着層を通過させ、さらに第3の吸着剤によって微紛を捕集する廃ガス処理装置が開発された(例えば特許文献1)。
【0004】
即ち焼却炉排出ガス冷却装置に引続いて、廃ガス除塵装置、廃ガス処理装置(さらに脱硝装置)を経て煙突に浄化ガスを放出した。
【0005】
そのため煙突の上流に廃ガス浄化システムとして複数の装置を要した。
【0006】
【特許文献1】特開2001−113125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は化学工場の産廃であるトリクロロスチレン、エタン、油泥、高分子系廃棄物(ハイプラスチック)、塗料粕(Pbを含む)その他医療廃棄物又は生活廃棄物等の焼却工場における2次燃焼炉の冷却塔に接続する廃ガス・水接触塔において、ダイオキシンを飛躍的に低減する簡便な装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に廃棄物焼却工場に設けた廃ガス・水接触塔において、上記接触塔の上端部に拡径段を介して拡径筒を形成し、上記接触塔の上端縁と拡径筒の内周壁及び拡径段によって環状廃水溝を形成し、上記上端縁に複数のV形受水杆を平行に架設し、該受水杆の両端をそれぞれ上記廃水溝上に開口し、上記拡径筒の内周壁に複数の逆V形案内杆を上記受水杆と平行に架設し、かつ上記案内杆の下向両下縁がそれぞれ上記受水杆の上向両上縁の上方に間隙を介して重合して気液分離部を形成し、該分離部の上方に金属繊維綿による除霧層を配置し、該除霧層の上方にスプレー給水管を配設してなるダイオキシン・煤塵除去装置、
によって構成される。
【0009】
従って上記除霧層の上方のスプレー給水管から浄水が散水され、浄水は除霧層を通過下降すると同時に、
上記気液分離部の上記間隙を通過上昇し、さらに上記除霧層内を上昇する煤煙中の煤塵(飛灰)と接触し、
該煤塵は上記除霧層中の下降水分に捕捉されて下方の気液分離部の逆V形案内杆の頂部から両面に案内されて、V形受水杆内に捕集される。
【0010】
捕集された煤塵捕捉水はV形受水杆の両端開口部から上記環状廃水溝内に流入し、廃棄又は上記順環水タンクに一部流入させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では廃ガス・水接触塔本体内で一旦スプレー水に捕捉されてスプレー水と共に下降し、該本体下端の排水口から排出される。下降せずに上昇する微細煤塵は拡径筒内の気液分離部の間隙を通過して除霧層内に入り、そこで浄水スプレー下降水に捕捉されて上記分離部内に下降して塔外に排水されるため微細煤塵(飛灰)は除霧層内で浄水に捕捉され微細煤塵に付随するダイオキシンを伴って環状廃水溝から塔外に排出される。
【0012】
除霧層を通過した気体分はさらに上昇し、煙突から大気に放出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
化学工場の上記産業廃棄物や生活廃棄物(金属分は除かれる)は、廃棄物焼却工場に設けられたロータリーキルンR内に投入され、約1300℃に加熱焼却される。
【0014】
この被焼却物はさらに2次燃焼炉5’において約1000℃に再燃され、さらに300℃吸収冷却塔5”を通過して約700℃に冷却され、さらにロータリーミルmで粉砕されて廃ガス・水接触塔1の下部に導入される。
【0015】
廃ガス・水接触塔1内では上記粉砕煤塵は廃ガスと共に上昇し、上部に設けた散水管8からの下降水と接触し、上記煤塵に付随しているダイオキシンと共に下降して下端排出口9から塔外に設けた50T順環水タンク10に導入され、タンク内に添加した凝集剤によってタンク10の下部に沈澱し、沈澱物はフィルタープレス11によって脱水ケーキを形成して除去され、分析試験の上埋立てられる(図5)。
【0016】
上記廃ガス・水接触塔1の上端部外周には拡径段1’を円環状板1bによって形成し、
該拡径段1’の外周に拡径筒1”の下端を一体に接続し、上記接触塔1の上端縁1aと拡径筒1”の内周壁及び拡径段1’の上記円環状板1bによって円環状廃水溝2を形成し、廃水口2aを形成する(図2、図3(イ)(ロ)図)。
【0017】
上記接触塔1の上端縁1aには図3(ロ)図に示すように複数(7個)のV形受水杆3を平行に架設し、該受水杆3の両端をそれぞれ上記廃水溝2上に開口3’する。
【0018】
又図3(イ)図に示すように上記拡径筒1”の内周壁に複数(8個)の逆V形案内杆4を上記受水杆3と平行に架設し、
上記案内杆4の下向両下縁4’,4’がそれぞれ上記受水杆3の上向両上縁3”,3”の上方に間隙tを介して重ね合わされ、これによって気液分離部5が形成される。
【0019】
上記気液分離部5の上方には不銹(ステンレス)金属繊維面による除霧層6を配設する。
【0020】
この除霧層6の上方にスプレー給水管7,7を配設し、該給水管7,7を浄水槽12に揚水ポンプp’を介して接続し、該給水管7,7から霧状水を除霧層6に向ってスプレーする。
【0021】
従って廃ガス・水接触塔1から上昇する廃ガスは気液分離部5内の上記間隙tを通過する際、除霧層6から滴下する煤塵(飛灰)含有水が逆V形案内杆4の両下縁4’,4’からV形受水杆3の両上縁3”,3”に流下する煤塵(飛灰)含有水と接触し、上昇廃ガス中の煤塵及びこれに付随するダイオキシンを上記煤塵(飛灰)含有水中に捕捉してV形受水杆3内に流入し、該受水杆3の両端開口3’,3’から上記円環状廃水溝2に流入し、廃水口2aから塔外に排出される。
【0022】
除霧層6を通過上昇した廃ガスは屈曲排気ダクト13の下向下端部に設けたスクラバ送風機によって吸引され大気に排出される。
【0023】
上記廃ガス・水接触塔1の内径は上記拡径筒1”において拡大するため、上昇廃ガスの流速が拡径筒1”内に入って減速されるから、廃ガス中の煤塵(飛灰)の自重下降が促進され、除霧層6内及び上記間隙tにおいて流下水滴による煤塵(飛灰)の捕捉は促進される。
【実施例】
【0024】
上記接触塔1の上端部に上記拡径筒1”を設け、上記V形受水杆3及び逆V形案内杆4による気液分離部5を通過し、かつ上記除霧層6を通過上昇した廃ガス中の煤塵除去率が、上記接触塔1(従来の煤塵除去装置)のみの煤塵除去率の1/5〜1/6となり、
そのためダイオキシンの国家基準が10ナノg/mであり、上記接触塔1のみの場合で約3ナノg/mであるところ、上記拡径筒1”の付設によって約0.6ナノg/mに減少した。
【0025】
【表1】


【0026】
【表2】


【0027】
勿論ダイオキシンは廃ガス中の上記煤塵にくっついて排出されていたことを確認することができた。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明では既設の廃棄物焼却工場に設けた上記廃ガス・水接触塔の上端部に上記拡径筒を設けることによって廃ガスの上昇流速が緩和し煤塵の捕捉が容易となり、その状態でスプレー水によって如何に煤塵との接触を拡大し、水によって煤塵を捕集し、それに付随するダイオキシンを煤塵と共に捕集することが可能であって上記廃棄物焼却工場から排出するダイオキシンを上述のように抑制することができた。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のダイオキシン・煤塵除去装置である。
【図2】図1の縦断正面図である。
【図3】(イ)図は図2A−A線による平面図、(ロ)図は図2B−B線による平面図である。
【図4】廃ガス・水接触塔の全体正面図である。
【図5】ロータリーキルン、再燃炉、冷却塔、ロータリーミル及び上記接触塔の全体正面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 廃ガス・水接触塔
1’ 拡径段
1” 拡径筒
1a 上端縁
2 環状廃水溝
3 V形受水杆
3’ 開口
4 逆V形案内杆
5 気液分離部
【出願人】 【識別番号】591143836
【氏名又は名称】有限会社太陽化学
【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市小野3丁目11番1号
【出願日】 平成15年10月22日(2003.10.22)
【代理人】 【識別番号】100068973
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 信行

【識別番号】100108408
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 信孝

【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男

【公開番号】 特開2005−125201(P2005−125201A)
【公開日】 平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願番号】 特願2003−362214(P2003−362214)