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【発明の名称】 消泡剤組成物
【発明者】 【氏名】池田 輝喜
【住所又は居所】群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料技術研究所内

【氏名】竹脇 一幸
【住所又は居所】群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料技術研究所内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)25℃における粘度が10〜100,000mm/sである疎水性オルガノポリシロキサン100質量部と微粉末シリカ2〜30質量部とを含んでなるオイルコンパウンド: 100質量部、
(ロ)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン: 20〜100質量部、
(ハ)ポリオキシエチレンラノリン: 1〜50質量部、
(ニ)平均分子量が500〜5,000であるポリオキシアルキレン重合体:
0〜150質量部、
(ホ)非イオン性界面活性剤: 0〜50質量部、
および、
(ヘ)水:(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の全成分の合計量100質量部に対して、60〜1000質量部
を含有してなることを特徴とする消泡剤組成物。
【請求項2】
オイルコンパウンド(イ)が、25℃における粘度が10〜100,000mm2/sである疎水性オルガノポリシロキサン100質量部と、疎水性シリカおよび親水性シリカを1/1〜1/3の質量比で含む微粉末シリカ2〜30質量部とを含んでなるオイルコンパウンドである請求項1に記載の消泡剤組成物。
【請求項3】
ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(ロ)の少なくとも60質量%が下記一般式(IV):
SiO−(RSiO)−(RSiO)−SiR (IV)
[ここで、Rは同一または異種の置換もしくは非置換の炭素原子数1〜18の1価炭化水素基であり、Rは一般式(V)
−R10−O−(R11O)−(R12O)−R13 (V)
(R10は炭素原子数2〜6の2価炭化水素基、R11はエチレン基、R12はプロピレン基、R13は炭素原子数1〜6のアルキル基、アセチル基、イソシアノ基から選択される1価の有機基、gはg≧1の整数、hはh≧1の整数、2≦g+h≦80で、g/h比が5/1〜4/5)で表される有機基であり、Rはメチル基または前記一般式(V)で表される有機基である。更にeは5〜100であり、fは1〜20である。]
で示され、一般式(IV)で示されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が10〜10,000mm/sであることを特徴とする請求項1また2に記載の消泡剤組成物。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内添安定性、消泡性に優れ、ハジキの発生のない消泡剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン系消泡剤は他の消泡剤に比べて種々の優れた性質を持っているので、化学工業、食品工業、石油工業、織物工業、製紙工業、紙パルプ工業および医薬品工業などの発泡を伴う製造工程において広く使用されている。このシリコーン系消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルを微粉末シリカと混合したオイルコンパウンド型消泡剤、これらのオイルコンパウンドを界面活性剤と共に水中に分散してなるエマルジョン型消泡剤が汎用されている。
【0003】
しかし、ジメチルポリシロキサンを含むこれらの消泡剤は、ジメチルポリシロキサンが疎水性であるため、水性塗料、ラテックス、水性インキ、染色工業、サイズ剤等の用途に使用された場合、ハジキ、染色ムラ、フィッシュアイ、オイルスポット等が発生しやすい問題がある。
【0004】
このため、ポリオキシアルキレン基で変性したオルガノポリシロキサン(ポリエーテル変性シリコーン)/ポリプロピレングリコール/微粉末シリカを含む消泡剤(特許文献1)、アルキル基を導入したオルガノポリシロキサン/ポリエーテル変性シリコーン/シリカを含む消泡剤(特許文献2、特許文献3)、ポリエーテル変性シリコーンに長鎖アルキル基を導入したアルキル・ポリエーテル共変性シリコーン/微粉末シリカを含む消泡剤(特許文献4)が提案されている。これらは比較的ハジキを発生しにくいものの、ジメチルポリシロキサンを使用したものと比較して消泡性が著しく劣っている。また、シルカルベン単位を分子中に有するポリシルカルベンシロキサンとポリエーテル変性シリコーンを含む消泡剤(特許文献5)も提案されている。この消泡剤はある程度ハジキ性が改良されているものの、ポリシルカルベンシロキサンの製造方法が特殊であるため、ジメチルポリシロキサンを使用した消泡剤と比較して高価となり一般工業用としては不向きである。
【0005】
このため一般的にはこれらの問題を解決するために、オクチルフェニルエーテル、ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の、消泡剤の濡れ性・ハジキ抑制性・内添安定性等に効果のあるアルキルフェニルエーテル系の活性剤を添加した消泡剤が使用されてきた。しかしながら、アルキルフェニルエーテル系の活性剤は、近年の研究により内分泌攪乱物質(いわゆる環境ホルモン)として作用する恐れのあることが報告されている。このことより、アルキルフェニルエーテル系の活性剤の使用を制限もしくは中止することが検討されているが、これらの活性剤を使用せずにジメチルポリシロキサン由来のハジキの問題を満足させる消泡剤は得られておらず、早急の対策が求められている。
【0006】
【特許文献1】特公昭54−9145号
【特許文献2】特開昭54−149388号
【特許文献3】特開昭56−129013
【特許文献4】特開昭57−180407号
【特許文献5】特開平8−108007
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情を改善するためになされたもので、水性塗料、ラテックス、水性インキ、染色工業、サイズ剤等の用途に使用された場合においても、ハジキ、染色ムラ、フィッシュアイ、オイルスポット等の発生がなく、アルキルフェニルエーテル系活性剤を含まなくても消泡性に優れたペインタブル性消泡剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、疎水性オルガノポリシロキサンと微粉末シリカとを含んでなるオイルコンパウンドにポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとポリオキシエチレンラノリンを配合することにより、優れた消泡性を有しながらも、ハジキの発生しない消泡剤組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち本発明は、
(イ)25℃における粘度が10〜100,000mm/sである疎水性オルガノポリシロキサン100質量部と微粉末シリカ2〜30質量部とを含んでなるオイルコンパウンド: 100質量部、
(ロ)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン: 20〜100質量部、
(ハ)ポリオキシエチレンラノリン: 1〜50質量部、
(ニ)平均分子量が500〜5,000であるポリオキシアルキレン重合体:
0〜150質量部、
(ホ)非イオン性界面活性剤: 0〜50質量部、
および、
(ヘ)水:(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の全成分の合計量100質量部に対して、60〜1000質量部
を含有してなることを特徴とする消泡剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の消泡剤組成物は、ハジキの発生がなく、内添安定性、消泡性に優れることから、各種サイズ剤・水性塗料・インキ用消泡剤として最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施の形態により詳細に説明する。
【0012】
[(イ)成分]
本発明の消泡剤組成物を構成する成分(イ)のオイルコンパウンドは、この組成物に消泡性を付与するための主成分であり、疎水性オルガノポリシロキサンと微粉末シリカとを含んでなる。
【0013】
ここに使用される疎水性オルガノポリシロキサンは直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば、平均組成式(I)
SiO(4−a)/2 (I)
[式中、Rは水酸基または置換または非置換の、好ましくは炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、aは1.9〜2.2の数である。]
で示される。
【0014】
この一般式(I)におけるRは水酸基または、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、スチリル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換したクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、3−アミノプロピル基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル基などから選択される1価炭化水素基であるが、消泡性及び経済性の面からその80モル%以上がメチル基であることが好ましい。一般式(I)中のaは1.9≦a≦2.2で示されるが、aが1.9未満ではオルガノポリシロキサンの粘性が高くなり作業性や乳化特性が低下する。またaが2.2より大きくなると分子量が小さくなり十分な消泡性を発揮しない。このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は10〜100,000mm/sであるが、消泡性、作業性の面からより好ましくは50〜50,000mm/sであり、2種以上を混合して使用してもよい。
【0015】
上記一般式(I)で表される疎水性オルガノポリシロキサンの好ましいより具体的な例としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリジメチル−ポリジフェニルシロキサンコポリマー、ポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0016】
また、ここで使用される微粉末シリカは公知のものでよく、例えば、沈降シリカ等の湿式シリカ、シリカキセロゲル、ヒュームドシリカ等乾式シリカのいずれでもよい。これらは親水性シリカであるが、その表面を有機シリル基で表面処理した疎水性シリカでもよい。具体的には親水性シリカの市販品の例としては、「アエロジル(日本アエロジル社製)」、「ニプシル(日本シリカ社製)」、「サイリシア(富士シリシア社製)」等が挙げられる。これらはBET法による比表面積が100m/g以上のものが好ましい。なお、この微粉末シリカの添加量は上記疎水性オルガノポリシロキサン100質量部に対して2質量部未満では消泡性能が劣り、30質量部より多くするとオイルコンパウンド組成物の粘度が増加して作業性が悪くなる。したがって、疎水性オルガノポリシロキサン100質量部に対して2〜30質量部の範囲とする必要があり、より好ましくは3〜20質量部の範囲である。
【0017】
さらに本発明においては、疎水性シリカと親水性シリカとを組み合わせて使用することが、ハジキ抑制効果と消泡効果をより向上させることができるため好ましい。そのとき、疎水性シリカ/親水性シリカの質量比が1/1〜1/3であることが望ましく、より好ましくは1/1.2〜1/2.8である。この範囲では、本発明の消泡剤組成物のハジキ発生低減の効果が高くなり、また、消泡性が持続しやすくなる。この微粉末シリカの表面疎水化処理は従来公知の方法で行えばよく、すなわち、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノジシラザン、オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等の有機ケイ素化合物で親水性シリカを処理することによって行うことができる。
【0018】
また、この(イ)成分としてのシリコーンオイルコンパウンドは例えば上記疎水性オルガノポリシロキサンと微粉末シリカを所定量混合し、室温〜200℃の温度で処理してから必要に応じて低沸点留分を除くことによって製造することができる。こうして得られるオイルコンパウンドに、例えば特公平4−42043号、特開平5−261206号に記載のように、さらに無機質アンモニウム塩、有機ケイ素化合物,シロキサン樹脂などを消泡持続性、高温特性、希釈安定性などの向上のために添加してもよい。
【0019】
さらにこのシリコーンオイルコンパウンドは、例えば疎水性オルガノポリシロキサンに疎水性シリカ/親水性シリカの割合が所定の割合となるように所定量配合することにより製造してもよいし、疎水性オルガノポリシロキサンと疎水性シリカとを含んでなるオイルコンパウンド(A)と疎水性オルガノポリシロキサンと親水性シリカとを含んでなるオイルコンパウンド(B)を製造し、疎水性シリカ/親水性シリカの割合が目的とする所定の割合となるような割合で(A)と(B)を混合・併用してもよい。
【0020】
[(ロ)成分]
次に本発明の消泡剤組成物の(ロ)成分のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、(イ)成分のシリコーンオイルコンパウンドの水系への乳化分散性を高めるとともにハジキ性を抑制する作用を有する。該(ロ)成分のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式(II)で示される。
SiO(4−b−c)/2 (II)
【0021】
式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、スチリル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換したクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、3−アミノプロピル基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル基などから選択される同一または異種の置換もしくは非置換の炭素原子数1〜18の1価炭化水素基である。また、消泡効果および経済性から、R全体の90モル%以上がメチル基であることが好ましい。
【0022】
は一般式(III)
−R−O−(RO)−R (III)
で示され、Rはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数2〜6の2価炭化水素基、Rはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、Rは水素原子または、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基、アセチル基、イソシアノ基から選択される1価の有機基である。また、1.9≦b+c≦2.2である。さらに、dは1以上の整数である。
【0023】
このポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、Si−H基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖末端にアリル基などの不飽和基を有するポリオキシアルキレン化合物を白金等の触媒の存在下、付加反応することによって得ることができる。この(ロ)成分のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは前述のシリコーンオイルコンパウンドを水系に乳化分散させるためとともにハジキを抑制するためのものである。シリコーンオイルコンパウンド100質量部に対して、20質量部未満では効果が十分でなく、含有量が100質量部を越えると消泡性が低下するため、20〜100質量部にする必要があるが、より好ましくは25〜80質量部である。
【0024】
さらに、このポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの少なくとも60質量%が下記一般式(IV)で示されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
SiO−(RSiO)−(RSiO)−SiR (IV)
【0025】
式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、スチリル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換したクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、3−アミノプロピル基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル基などから選択される同一または異種の置換もしくは非置換の炭素原子数1〜18の1価炭化水素基である。また、R全体の90モル%以上がメチル基であることが、消泡効果および経済性から、好ましい。
【0026】
は一般式(V)
−R10−O−(R11O)−(R12O)−R13 (V)
で示される有機基である。ここで式中、R10はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数2〜6の2価炭化水素基、R11はエチレン基、R12はプロピレン基、R13はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基、アセチル基、イソシアノ基から選択される1価の有機基である。gはg≧1の整数、hはh≧1の整数である。シリコーンコンパウンドの乳化分散を容易に行うのに適した粘度を確保できるので、2≦g+h≦80であることが好ましいが、より好ましくは10≦g+h≦60である。また、g/h比が5/1〜4/5の範囲では消泡性とハジキ抑制効果が確保され、また、シリコーンオイルコンパウンドの乳化分散が容易であるが、より好ましくは4/1〜1/1である。
【0027】
はメチル基またはRについて説明した一般式(V)で表される有機基である。
【0028】
乳化物の安定性を確保でき、また、乳化分散を容易に行うのに適した粘度を確保できるので、eは5〜100であることが好ましいが、より好ましくは10〜70である。
【0029】
乳化分散が可能であり、また、消泡性とハジキ抑制効果が確保できるので、fは1〜20であることが好ましいが、より好ましくは、3〜15である。
【0030】
一般式(IV)で示されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は10〜10,000mm/sであるが、より好ましくは100〜6,000mm/sである。
【0031】
一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンのより具体的な例としては次のものを挙げることができる。
(CHSiO−[(CHSiO]30−[(CH)RSiO]−Si(CH
R:−CO−(CO)30−(CO)10−C
(CHSiO−[(CHSiO]30−[(CH)RSiO]−Si(CH
R:−CO−(CO)20−(CO)20−C
(CHSiO−[(CHSiO]40−[(CH)RSiO]−Si(CH
R:−CO−(CO)21−(CO)−COCH
(CHSiO−[(CHSiO]50−[(CH)R’SiO]−[(CH)R’’SiO]−Si(CH
R’:−CO−(CO)32−(CO)−C
R’’:−C1225
【0032】
[(ハ)成分]
(ハ)成分であるポリオキシエチレンラノリンは、(ロ)成分のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンと同じく、(イ)成分のシリコーンオイルコンパウンドを水系に乳化分散させるためとともにハジキを抑制するためのものである。このポリオキシエチレンラノリンは主として、羊毛から得られたウールグリースを精製して得られたラノリンに酸化エチレンを付加重合することにより製造されている。一般的には、例えば、「NIKKOL TW(日光ケミカルズ社製)」、「ベルポール(日本精化社製)」、「ラミゲン(第一工業製薬社製)」等が挙げられる。
【0033】
このポリオキシエチレンラノリンのオキシエチレンの付加モル数は、乳化性およびハジキ抑制効果が確保できるので、5〜50の範囲が好ましいが、より好ましくは10〜30である。
【0034】
(ハ)成分の量は(イ)成分100質量部当り1〜50質量部、好ましくは10〜40質量部である。(ハ)成分が1質量部未満であると、ハジキ抑制効果が不十分となり易く、50質量部を超えると得られる組成物の消泡性が低下する。
【0035】
[(ニ)成分]
また、(ニ)成分であるポリオキシアルキレン重合体は、例えば、下記一般式(VI)
14−O−(R15O)−R14 (VI)
で示される。この(ニ)成分は(イ)成分のシリコーンオイルコンパウンドの乳化分散時の乳化助剤となるものである。これは、使用しても使用しなくてもよいが、使用することにより消泡剤組成物の乳化安定性がより向上する。
【0036】
式(VI)中、R14は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、アセチル基、ステアロイル基、アリル基等が挙げられ、R15はエチレン基、プロピレン基等の2価の炭化水素基である。このポリオキシアルキレン重合体の分子量は500未満では乳化安定性が悪く、5000を越えると粘度が高くなり作業性が悪くなるので、平均分子量は500〜5000、好ましくは1000〜4000である。
該ポリオキシアルキレン重合体のより好ましい例としては、次のものが挙げられる。
HO−[CH(CH)CHO]35−H、
HO−[CH(CH)CHO]70−H、
HO−(CHCHO)−[CH(CH)CHO]30−H、
CHCHCHO−(CHCHO)32−[CH(CH)CHO]−H、
CHCHCHO−(CHCHO)22−[CH(CH)CHO]22−C
CHCHCHO−(CHCHO)10−CH
【0037】
なお、(ニ)成分を使用する場合、その使用量は(イ)成分100質量部に対して150質量部より多くすると、消泡性が低下するため、150質量部以下が好ましく、より好ましくは5〜150質量部、更により好ましくは50〜120質量部である。
【0038】
[(ホ)成分]
また、(ホ)成分の非イオン性界面活性剤は(イ)成分のシリコーンオイルコンパウンドを水に分散させるためのものである。非イオン性界面活性剤として一般に公知のものでよく、例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油等が挙げられる。この非イオン性界面活性剤は使用しても使用しなくてもよい。使用する場合、1種のみの使用でもよいが、2種以上を組み合わせて使用した方が乳化性が良好であり好ましい。なお、(ホ)成分の使用量は(イ)成分100質量部に対して50質量部以下が好ましく、50質量部を越えると消泡性の低下を引き起こす。より好ましくは5〜30質量部である。
【0039】
[(へ)成分]
本発明の消泡剤組成物には、上記した(イ)〜(ホ)成分からなる系を乳化するのに必要な水を(へ)成分として添加する。(へ)成分の添加量は、前記した(イ)〜(ホ)成分の合計100質量部に対して、60〜1000質量部である。60質量部より少ないと消泡剤組成物の粘度が高くなりすぎる。1000質量部より多くなると有効成分濃度が低くなりすぎるので、十分な効果を発揮するためには消泡剤組成物の添加量を多くする必要がある。より好ましくは80〜300質量部である。
【0040】
[その他の成分]
さらに、本発明の消泡剤組成物には、防腐の目的で少量の保存料・殺菌料を任意で添加してもよい。この保存料・殺菌料の具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラベン類、イソチアゾリン化合物等が挙げられる。これらの添加量は本発明の消泡剤組成物100質量部に対して0.005〜1.0質量部が好ましく、より好ましくは、0.01〜0.5質量部である。
【0041】
[組成物の調製]
また、本発明の消泡剤組成物の乳化物は、上記(イ)〜(へ)成分の所定量を混合し、ホモミキサー、ホモイジナイザー、コロイドミル等の混合・分散機により均一に撹拌することにより、調製することができる。より好ましくは、例えば、まず、(イ)〜(ホ)成分の所定量を均一に混合分散させ、次に、(へ)成分の所定量の一部を添加し、撹拌・乳化を行い、最後に、(へ)成分の残部を加え均一に撹拌・混合することにより、消泡剤組成物を調製することができる。
【実施例】
【0042】
次に本発明の実施例と比較例を挙げる。これらは本発明の内容を何ら制限するものではない。なお、例中における粘度は25℃での測定値である。
【0043】
(イ)成分
・オイルコンパウンドA
疎水性オルガノポリシロキサンとして、粘度が1,000mm/sのジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして親水性シリカであるNipsil HD−2[日本シリカ(株)社製、比表面積300m/g] 10質量部を用い、窒素ガス雰囲気下150℃で3時間、混合してオイルコンパウンドAを得た。
・オイルコンパウンドB
疎水性オルガノポリシロキサンとして、粘度が5,000mm/sでCHSiO/2単位を0.01モル分率含有する分岐状のジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして親水性シリカであるAEROSIL200[日本アエロジル(株)社製、比表面積200m/g]をヘキサメチルジシラザンで表面処理した表面疎水化処理シリカ5質量部を用い、窒素ガス雰囲気下150℃で3時間、混合してオイルコンパウンドBを得た。
【0044】
(ロ)成分
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンC
(CHSiO−[(CHSiO]30−[(CH)RSiO]−Si(CH
R:−CO−(CO)30−(CO)10−C
粘度:1000mm/s
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンD
(CHSiO−[(CHSiO]30−[(CH)RSiO]−Si(CH
R:−CO−(CO)20−(CO)20−C
粘度:2000mm/s
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンE
(CHSiO−[(CHSiO]70−[(CH)RSiO]−Si(CH
R:−CO−(CO)−(CO)24−H
粘度:800mm/s
・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンF
(CHSiO−[(CHSiO]30−[(CH)RSiO]−Si(CH
R:−CO−(CO)24−(CO)16−H
粘度:1500mm/s
【0045】
(ハ)成分
(1)ポリオキシエチレンラノリン(EO付加モル数10)
(2)ポリオキシエチレンラノリン(EO付加モル数20)
(3)ポリオキシエチレンラノリン(EO付加モル数30)
【0046】
(ニ)成分
・ポリオキシアルキレン重合体G
平均組成がHO−(CO)35−Hで表されるもの
・ポリオキシアルキレン重合体H
平均組成がHO−(CO)70−Hで表されるもの
【0047】
(ホ)成分
(1)ソルビタンモノステアレート
(2)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO付加モル数50)
(3)ポリオキシエチレンセチルエーテル(EO付加モル数20)
【0048】
表1に示した所定量の(イ)〜(ホ)成分を70℃に加熱しホモミキサーで均一に混合した。その後、この混合物に(ヘ)成分を徐々に添加して、消泡剤組成物を調製した。この組成物について、ハジキ性、消泡性、安定性を調査した。
【0049】
[ハジキ性試験]
(1)水性インキ100質量部に、0.5質量部の有効成分((イ)〜(ホ)成分の混合物)を含む消泡剤組成物を添加する。
(2)ワイヤーバー(No.14)にて、上質ケント紙に塗布する。
(3)次の基準にて評価を行う。
ハジキは、インクが付着しない部分として斑点状に一様な密度で現れる。ハジキが全くない場合を◎、最も高い密度で全面にハジキが現れる場合を××で表す。両者の中間の密度でハジキが現れる場合を、ハジキの密度の低い順から相対的に○、△、×で表す。
【0050】
[消泡性試験]
(1)市販の水性インキ100質量部に、0.5質量部の有効成分を含む消泡剤組成物を添加する。
(2)100gガラスびんに消泡剤を添加した水性インキを50g入れる。
(3)縦振り振とう器で、250回/分の速度で30秒間振とうする。
(4)撹拌停止後、泡が消失するまでの時間を計測し、次の基準にて評価を行う。
○:撹拌停止後、30秒以内に泡が消失
△:撹拌停止後、30秒を超え、1分以内に泡が消失
×:撹拌停止後、泡が消失するまでに1分超の時間を要する
【0051】
[安定性試験]
(1)100gガラスびんに入れた消泡剤組成物を45℃で保管し、状態を観察。
(2)次の基準にて評価を行う。
○:2ヶ月を超えても濃淡分離、オイル分離等が見られない
△:1ヶ月を超え、2ヶ月以内に、濃淡分離、オイル分離等が見られる
×:1ヶ月以内に、濃淡分離、オイル分離等が見られる
【0052】
各成分の配合比及び評価結果を表1に示した。
【0053】
表1の結果より、本発明により得られた消泡剤組成物は、アルキルフェニルエーテル系の活性剤を使用しなくても、ハジキ性・消泡性・安定性に優れることが認められる。



























【0054】
【表1】


【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の消泡剤組成物は、ハジキの発生がなく、内添安定性、消泡性に優れることから、各種サイズ剤用、水性塗料用およびインキ用の消泡剤として最適である。また、本発明の消泡剤組成物は、化学工業、食品工業、石油工業、織物工業、製紙工業、紙パルプ工業および医薬品工業などの発泡を伴う製造工程において広く使用することができる。
【出願人】 【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目6番1号
【出願日】 平成15年10月8日(2003.10.8)
【代理人】 【識別番号】100084308
【弁理士】
【氏名又は名称】岩見谷 周志

【公開番号】 特開2005−125128(P2005−125128A)
【公開日】 平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願番号】 特願2003−349988(P2003−349988)