| 【発明の名称】 |
膜分離方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】織田 信博 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】洗浄液の脱カルシウムやpH調整、ならびに洗浄排液の中和などを効率的に行い、薬剤の使用量や処理工程も少なくでき、安全かつ経済的に分離膜の洗浄を行い、効率よく膜分離性能を回復できる膜分離方法および装置を提供する。
【解決手段】被処理液を膜モジュール1の濃縮液側1aに供給し、分離膜2により膜分離を行う。洗浄工程は、被処理液供給路11から洗浄用水を第1陽イオン交換槽22に供給してアルカリ金属形の第1の弱酸性陽イオン交換体21により硬度成分を除去し、アルカリを溶出させて調製された洗浄液を、膜モジュール1の濃縮液側1aに加圧供給し、一部を分離膜2に透過させ、一部を分離膜2に沿って流し、分離膜2に付着した汚染物を除去する。洗浄排液を洗浄排液取出路15から第2陽イオン交換槽24に供給して酸形の第2の弱酸性陽イオン交換体23と接触させ、アルカリを中和して系外に排出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被処理液を分離膜に供給して膜分離する膜分離工程、 洗浄用水をアルカリ金属形の第1の陽イオン交換体に接触させてイオン交換処理するとともに、アルカリ性にpH調整する洗浄液調製工程、 調製された洗浄液を分離膜に供給して洗浄する洗浄工程、および 排出された洗浄排液を酸形の第2の陽イオン交換体に接触させて中和する中和工程 を含む分離膜の洗浄方法。 【請求項2】 第1または第2の陽イオン交換体が弱酸性陽イオン交換体である請求項1記載の方法。 【請求項3】 中和によりアルカリ金属形となった第2の陽イオン交換体を第1の陽イオン交換体として用いる請求項1または2記載の方法。 【請求項4】 分離膜を備え膜分離を行う膜モジュール、 膜モジュールの濃縮液側に被処理液を供給する被処理液供給路、 膜モジュールの透過液側から処理液を取り出す処理液取出路、 膜モジュールの濃縮液側に洗浄液を供給する洗浄液供給路、 膜モジュールの透過液側から洗浄排液を取り出す洗浄排液取出路、 洗浄液供給路に設けられたアルカリ金属形の第1の陽イオン交換体、および 洗浄排液取出路に設けられた酸形の第2の陽イオン交換体 を含む膜分離装置。 【請求項5】 第1または第2の陽イオン交換体が弱酸性イオン交換体である請求項4記載の装置。 【請求項6】 中和によりアルカリ金属形となった第2の陽イオン交換体を第1の陽イオン交換体として用いるように構成された請求項4または5記載の装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、逆浸透膜、UF膜等の分離膜を用いて膜分離を行い、透過流速が低下した分離膜をアルカリ性の洗浄液で洗浄して性能を回復する膜分離方法および装置に関し、特にイオン交換体を用いて効率よく分離膜を洗浄する膜分離方法および装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 ボイラー用水、産業用水、洗浄用水、飲用水処理等の分野では、逆浸透膜、UF膜等の分離膜を用いて膜分離を行い、ボイラー用水、産業用水、洗浄用水、飲用水等を得ている。このような膜分離処理を行う膜分離装置では、給水中の微粒子や溶存有機物、微生物などで分離膜が汚染を受け、透過流束(水量)が経時的に低下するため、適宜、薬品洗浄することは一般的に行われている。この洗浄剤としては、アルカリ剤、洗剤、酵素、希薄な酸化剤などが用いられてきた。 【0003】 非特許文献1には、pH11の希薄水酸化ナトリウム水溶液を用いて逆浸透膜を洗浄する例が記載されている。このpHではMgは水酸化物として析出し、Caも炭酸カルシウムとして析出するため、水酸化ナトリウム希釈液は軟化水、純水、逆浸透膜処理水などを用いたものと推測され、また洗浄排液についての記述がないため、洗浄排液は総合排水処理施設で処理されたものと推測されるが、これらは別々に処理されるので効率が悪い。 【0004】 特許文献1には、蛋白含有液を処理して透過流束が低下した透過膜を淡水で洗浄するのに先立って、静止または流動状態のアルカリ液に浸漬して洗浄することが記載されている。しかしアルカリ液に浸漬する場合、汚染の度合いが激しいと短時間で透過流束を回復させることは困難であり、また透過流束の回復率も100%には至らない。 【0005】 特許文献2には、珪酸と硬度成分を含有する洗浄用水を軟化処理し、pH8以上で逆浸透膜により膜分離して脱塩する方法において、脱塩工程よりも高pHの洗浄液で逆浸透膜を洗浄するために、洗浄液にアルカリを添加して洗浄し、膜面に付着した珪酸をアルカリで溶解して洗い流す方法が記載されている。しかしこの方法では洗浄液にアルカリを添加する必要があり、また洗浄廃液は別途中和等の処理を行う必要がある。 【0006】 以上のように、従来の洗浄方法では、洗浄薬剤は比較的高濃度のアルカリ、洗剤などを含んでおり、これを排出するためには、中和や活性炭吸着処理などの水処理が必要であった。また、アルカリ性の洗浄剤は、カルシウム、マグネシウムなどを析出させることから、これらを除去した純水や軟水を使用する必要があった。これらの場合、洗浄液の脱カルシウムやアルカリの添加、ならびに洗浄廃液の中和などは別々に行われており、薬剤が無駄に消費され、処理工程も多いなどの問題点があった。 【非特許文献1】ケミカル・エンジニアリング2000年8月号p34−39 【特許文献1】特開昭54−99783号公報 【特許文献2】特開昭60−125208号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明の課題は、洗浄液の脱カルシウムやpH調整、ならびに洗浄排液の中和などを効率的に行い、薬剤の使用量や処理工程も少なくでき、安全かつ経済的に分離膜の洗浄を行い、効率よく膜分離性能を回復することができる膜分離方法および装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は次の膜分離方法および装置である。 (1) 被処理液を分離膜に供給して膜分離する膜分離工程、 洗浄用水をアルカリ金属形の第1の陽イオン交換体に接触させてイオン交換処理するとともに、アルカリ性にpH調整する洗浄液調製工程、 調製された洗浄液を分離膜に供給して洗浄する洗浄工程、および 排出された洗浄排液を酸形の第2の陽イオン交換体に接触させて中和する中和工程 を含む分離膜の洗浄方法。 (2) 第1または第2の陽イオン交換体が弱酸性陽イオン交換体である上記(1)記載の方法。 (3) 中和によりアルカリ金属形となった第2の陽イオン交換体を第1の陽イオン交換体として用いる上記(1)または(2)記載の方法。 (4) 分離膜を備え膜分離を行う膜モジュール、 膜モジュールの濃縮液側に被処理液を供給する被処理液供給路、 膜モジュールの透過液側から処理液を取り出す処理液取出路、 膜モジュールの濃縮液側に洗浄液を供給する洗浄液供給路、 膜モジュールの透過液側から洗浄排液を取り出す洗浄排液取出路、 洗浄液供給路に設けられたアルカリ金属形の第1の陽イオン交換体、および 洗浄排液取出路に設けられた酸形の第2の陽イオン交換体 を含む膜分離装置。 (5) 第1または第2の陽イオン交換体が弱酸性イオン交換体である上記(4)記載の装置。 (6) 中和によりアルカリ金属形となった第2の陽イオン交換体を第1の陽イオン交換体として用いるように構成された上記(4)または(5)記載の装置。 【0009】 本発明で膜分離に用いる分離膜は、広くボイラー用水、産業用水、洗浄用水、飲用水処理、その他の分野において膜分離に使用される分離膜であり、逆浸透膜、UF膜、MF膜など、一般的な分離膜が含まれる。膜分離の対象となる被処理液も、用水、排水などの水の他、飲食物、原料、中間品、製品などが含まれる。このような分離膜は、濃縮液側と透過液側を区分するように構成された膜モジュールの形で用いられることが多いが、分離膜が独立した状態で用いられてもよい。 【0010】 上記の分離膜を用いる膜分離装置は、分離膜により濃縮液側と透過液側に区画された膜モジュールを備え、膜モジュールの濃縮液側に被処理液供給路から加圧下に被処理液を供給し、分離膜を通して一部を透過させ、透過しない濃縮液は排棄するか循環させ、透過液は処理液として膜モジュールの透過液側から処理液取出路を通して取り出し、膜分離処理を行うように構成される。膜分離の継続により透過流束等の膜分離性能が経時的に低下するので、分離膜の洗浄を行い、膜分離性能を回復する。 【0011】 本発明の膜分離方法では、膜分離工程において被処理液を分離膜に供給して膜分離し、洗浄液調製工程において洗浄用水をアルカリ金属形の第1の陽イオン交換体に接触させてイオン交換処理するとともに、アルカリ性にpH調整し洗浄液を調製し、調製された洗浄液を洗浄工程において分離膜に供給して分離膜を洗浄し、洗浄工程から排出された洗浄排液を中和工程において酸形の第2の陽イオン交換体に接触させて中和する。被処理液と洗浄用水は同じものでもよいが、異なる場合には、必要により被処理液と洗浄液の入れ替えを行う。 【0012】 上記のような洗浄を行うために、本発明の膜分離装置は、膜モジュールの濃縮液側に洗浄液を供給する洗浄液供給路を連絡し、膜モジュールの透過液側に洗浄排液を取り出す洗浄排液取出路を連絡し、洗浄液供給路にアルカリ金属形の第1の陽イオン交換体を設け、洗浄排液取出路に酸形の第2の陽イオン交換体を設けた構成とする。第1の陽イオン交換体と第2の陽イオン交換体はメリーゴーラウンド式に切り換えて用いるようにするのが好ましい。 【0013】 第1または第2の陽イオン交換体は、強酸性イオン交換体でもよいが、弱酸性陽イオン交換体を用いると、洗浄用水をイオン交換処理して硬度成分を高選択性で除去するとともに、アルカリ性にpH調整してアルカリ性の洗浄液を調製することができ、また再生も容易であるため好ましい。イオン交換体としては、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、イオン交換膜、ゼオライト、IXE(東亜合成(株)製 無機イオン交換体)などがあるが、イオン交換樹脂が好ましい。第1の陽イオン交換体はナトリウム形等のアルカリ金属形、第2の陽イオン交換体は酸形すなわちH形として用いられる。 【0014】 洗浄液調製工程では、洗浄用水をアルカリ金属形の第1の陽イオン交換体に接触させることにより、イオン交換処理してカルシウム、マグネシウム等の硬度成分を除去して軟化するとともに、アルカリ性にpH調整してアルカリ性の洗浄液を調製する。洗浄用水は洗浄液の調製に適したものであれば制限はなく、被処理液と同じものでも、異なる用水でもよく、また処理液でもよい。洗浄用水はカルシウム、マグネシウム等の硬度成分を含んでいてもよく、これらはイオン交換処理により除去されるが、目詰まりの原因となる粒子、有機物等は含まないのが好ましく、この点から処理液が好ましい。 【0015】 pH調整は、第1の陽イオン交換体がアルカリ金属形の弱酸性陽イオン交換体の場合は、イオン交換処理と同時に加水分解によりアルカリ金属が溶出し、アルカリ性にpH調整されてアルカリ性の洗浄液が得られるが、強酸性陽イオン交換体の場合など、別にアルカリ液を加えてpH調整してもよい。pH調整後の洗浄液は、pH9〜12、好ましくはpH9〜11のものが好ましい。 【0016】 洗浄工程では、上記により調製された洗浄液を加圧下に分離膜に供給して、分離膜を洗浄し、膜分離性能を回復する。この場合、洗浄液を分離膜に沿って流して、膜面に付着した付着物を洗い流すと同時に、分離膜を通して洗浄液の一部を透過させ、分離膜の内部に入り込んだ付着物も洗い流す。アルカリ性の洗浄液で洗浄することにより、付着した付着物は剥離し、あるいは洗浄液に溶解して除去され、透過流束等の膜分離性能が回復する。 【0017】 前記の膜分離装置を洗浄する場合は、膜モジュールの濃縮液側に洗浄液供給路から加圧下に洗浄液を供給し、洗浄液を分離膜に沿って流して膜面に付着した付着物を洗い流すと同時に、分離膜を通して洗浄液の一部を透過させて分離膜の内部に入り込んだ付着物も洗い流し、透過しない洗浄液はそのまま排棄するか濃縮液側に循環させ、分離膜の洗浄を行う。 【0018】 洗浄の際の分離膜に沿って流す洗浄液と、分離膜を通して透過させる洗浄液の割合は任意であるが、分離膜に沿って流す洗浄液1に対して、分離膜を通して透過させる洗浄液0.1〜0.9、好ましくは0.6〜0.8の容量比で洗浄を行うことができる。分離膜に沿って流れる洗浄液および分離膜を透過した洗浄液は、そのまま洗浄排液として取り出してもよいが、それぞれ濃縮液側に循環させて洗浄を行うこともできる。洗浄時間は汚染の度合い、洗浄液の性状等によって変わるが、一般的には10〜120分間、好ましくは20〜60分間とすることができる。 【0019】 洗浄排液は、分離膜に沿って流れる洗浄液および分離膜を透過した洗浄液を別々に取り出し、またはこれらを混合した状態で、酸形の第2の陽イオン交換体に接触させて中和して排出する。洗浄排液はアルカリ性であるため、弱酸性陽イオン交換体の場合でも容易にイオン交換が行われ、洗浄排液中のナトリウム等のアルカリ金属イオンは陽イオン交換体に交換吸着され、洗浄の繰り返しにより第2の陽イオン交換体はアルカリ金属形になる。中和後の洗浄排液はpH6〜8であるのが好ましい。 【0020】 アルカリ金属形になった第2の陽イオン交換体は、メリーゴーラウンド式に第1の陽イオン交換体として用いることができ、これにより再生剤としてのアルカリの使用量を少なくして、効率よく処理を行うことができる。カルシウム、マグネシウム等の硬度成分を交換吸着した第1の陽イオン交換体は、塩酸等の酸で酸形に再生して第2の陽イオン交換体として用いることができる。洗浄の繰り返しにより第2の陽イオン交換体のアルカリ金属形となる量が減少した場合は、その陽イオン交換体をアルカリで再生してアルカリ金属形にすることもできる。 【0021】 本発明では、アルカリ性の洗浄液を通過または透過させることにより、分離膜の膜面または内部に吸着した汚染物質を剥離、溶出させて、分離膜の性能を回復させる。一般的にはアルカリ性にすることによって硬度成分が析出し、目詰まり原因となるが、本発明ではアルカリ金属形の第1の陽イオン交換体でイオン交換処理することにより、析出、目詰まりの原因となる硬度成分を除去することができる。これによりアルカリ性下での硬度成分の析出を防いで分離膜の洗浄を行い、効率よく膜分離性能を回復することが可能となる。 【0022】 このとき第1の陽イオン交換体としてアルカリ金属形弱酸性陽イオン交換体を用いると、硬度成分に対する選択性が高く、また加水分解によりアルカリ金属イオンが溶出するため、NaOH等のアルカリを添加しないでも洗浄液をアルカリ性とすることができるので好ましい。また弱酸性陽イオン交換体は再生が容易なため、少ない再生剤量で酸形にして第2の陽イオン交換体として用いることができる。第2の陽イオン交換体は、硬度成分は除去されているのが好ましいが、アルカリ金属イオンが残留し、部分的に酸形となっていても良い。 【0023】 アルカリ金属形イオン交換体として強酸性イオン交換体を用いる場合は、軟化処理により硬度成分は除去されるが、加水分解が起こらないためpHを上げる効果は殆どない。これに対してアルカリ金属形弱酸性イオン交換体を用いる場合は、交換基についたアルカリ金属が溶離しやすいため、加水分解によりアルカリ金属イオンが溶出してアルカリ性となる。一方弱酸性樹脂の方がCa、Mgの選択性が高いため、より硬度成分の低い処理水が得られる。 【0024】 上記のように本発明では、アルカリ金属形イオン交換体を通して洗浄液を調製することにより、処理水で置換してアルカリ添加により洗浄液を調製する場合に比較して、微量のCaCO3、Ca(OH)2、Mg(OH)2などが目詰まりしないため、洗浄効果が高くなる。また洗浄排液を酸形の第2の陽イオン交換体で中和して排出することにより、別の洗浄排液の中和処理工程が不要となり、装置が簡素化できる。 【0025】 このように本発明では、第1および第2の陽イオン交換体を用いることにより、アルカリ洗浄液の調製とアルカリ洗浄排液の処理を系統的に、効率よく行うことができる。なお上記の処理では、アルカリ性の洗浄排液を、酸形の第2の陽イオン交換体に接触させる前に、活性炭などで前処理することもできる。また洗浄用水としては、逆浸透膜などの膜分離処理水を採用した方がイオン交換体では除去できない膜のファウリング物質が除去されているためより好ましい。 【発明の効果】 【0026】 本発明によれば、洗浄液の脱カルシウムやpH調整、ならびに洗浄排液の中和などを効率的に行い、薬剤の使用量や処理工程も少なくでき、安全かつ経済的に分離膜の洗浄を行い、効率よく膜分離性能を回復することができる膜分離方法および装置が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0027】 以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は逆浸透膜分離装置に適用した実施形態の膜分離方法および装置を示すフロー図であり、(a)は膜分離工程、(b)、(c)は洗浄工程を示す。 【0028】 図1において、膜分離装置は、分離膜2により濃縮液側1aおよび透過液側1bに区画された膜モジュール1を備え、膜分離を行うようにされている。膜モジュール1の濃縮液側1aには、被処理液を供給する被処理液供給路11および濃縮液を取り出す濃縮液取出路12が連絡している。膜モジュール1の透過液側1bには処理液を取り出す処理液取出路13が連絡している。被処理液供給路11には、膜モジュール1の濃縮液側1aに洗浄液を供給する洗浄液供給路14が連絡している。濃縮液取出路12および処理液取出路13は、膜モジュール1の濃縮液側1aおよび透過液側1bから洗浄排液を取り出す洗浄排液取出路15に切換可能に連絡している。洗浄液供給路14には、アルカリ金属形の第1の弱酸性陽イオン交換体21を内蔵する第1陽イオン交換槽22が設けられている。洗浄排液取出路15には、酸形の第2の弱酸性陽イオン交換体23を内蔵する第2陽イオン交換槽24が設けられている。Pはポンプ、25は洗浄液貯槽である。 【0029】 図1の膜分離装置における膜分離方法は、膜分離工程として図1(a)に示すように、被処理液供給路11からポンプPにより被処理液を膜モジュール1の濃縮液側1aに加圧供給し、分離膜2により膜分離を行い、透過液側1bから処理液取出路13を通して処理液を取り出す。膜モジュール1の濃縮液側1aから濃縮液取出路12を通して濃縮液を取り出す。 【0030】 洗浄工程はまず図1(b)に示すように、洗浄液供給路14から洗浄用水として被処理液を第1陽イオン交換槽22に供給してアルカリ金属形の第1の弱酸性陽イオン交換体21と接触させ、イオン交換により硬度成分を除去して軟化するとともに、アルカリを溶出させてアルカリ性の洗浄液を調製する。調製された洗浄液は、ポンプPにより被処理液供給路11を通して膜モジュール1の濃縮液側1aに加圧供給し、一部を分離膜2に透過させ、一部を分離膜2に沿って流し、分離膜2に付着した汚染物を除去する。洗浄用水として処理液を用いる場合は、処理液取出路13を通して取り出す処理液をライン31から洗浄液貯槽25に貯留し、ライン32から第1の陽イオン交換槽22に供給してアルカリ性の洗浄液を調製する。 【0031】 膜モジュール1の濃縮液側1aから取り出す濃縮液および透過液側1bから取り出す透過液は、濃縮液取出路12および処理液取出路13から洗浄排液として洗浄排液取出路15に取り出し、循環して洗浄する場合は、ライン31からライン32またはライン33を通して循環し、洗浄を繰り返す。洗浄工程を終了するとき、または洗浄液を排出するときは、洗浄排液を洗浄排液取出路15から第2陽イオン交換槽24に供給して酸形の第2の弱酸性陽イオン交換体23と接触させ、イオン交換によりをアルカリ中和して系外に排出する。 【0032】 洗浄の繰り返しにより第1陽イオン交換槽22の第1の弱酸性陽イオン交換体21が硬度成分形となり、また第2陽イオン交換槽24の第2の弱酸性陽イオン交換体23がアルカリ金属形となったときは、図1(c)に示すように、第1陽イオン交換槽22と第2陽イオン交換槽24を切り換えて洗浄を行う。この場合、第2陽イオン交換槽24の第2の弱酸性陽イオン交換体23をアルカリ金属形の第1の弱酸性陽イオン交換体21として用い、第1陽イオン交換槽22の第1の弱酸性陽イオン交換体21を酸で再生して、酸形の第2の弱酸性陽イオン交換体23として用い、洗浄液供給路14、洗浄排液取出路15およびライン31、32、33を切り換えて洗浄を行う。 【実施例1】 【0033】 実施例1: 日東電工社製8インチ逆浸透膜モジュール(NTR759HR)12本を備えた逆浸透膜装置に、電気伝導率200mS/m、pH7.2の工場排水を生物処理した後に凝集、MFろ過した被処理水を、運転圧力1.2Mpa、流速15m3/hで供給して膜分離を行い、電気伝導率1.8mS/m、pH6.9の透過水(処理水)12m3/hと、電気伝導率960mS/m、pH7.3の濃縮水3m3/hを得た。 【0034】 洗浄工程として、1日1回上記工場排水を生物処理した後に凝集、MFろ過した洗浄用水を第1の陽イオン交換樹脂に通してpH10に調整した洗浄液を、運転圧力1.2Mpa、流速15m3/hで30分間透過させてアルカリ洗浄し、洗浄排液を第2の陽イオン交換樹脂で中和した。第1および第2の陽イオン交換樹脂として弱酸性陽イオン交換樹脂BAYER社製レバチットCNP80を用い、それぞれ25%水酸化ナトリウムおよび5%塩酸でNa形およびH形に再生して用いた。なお、上記洗浄工程を実施しない場合には、処理水流量は1日後には8.5m3/h(低下率29%)、2日後には5.2m3/h(低下率56%)であった。 【0035】 5回の洗浄に1回の割合で、第1の陽イオン交換樹脂を塩酸でH形に再生して酸形の第2の陽イオン交換樹脂として用い、Na形となった第2の陽イオン交換樹脂はそのままアルカリ金属形の第1の陽イオン交換樹脂として用い、メリーゴーラウンド式に切り換えて洗浄を繰り返した。さらに第1の陽イオン交換樹脂のH形への再生5回に1回の割合で、第2の陽イオン交換樹脂を水酸化ナトリウムでNa形に再生した。 【0036】 このときのNa形樹脂塔入口水は電気伝導率200mS/m、pH7.2、全硬度50mg as CaCO3/L、Na形樹脂塔出口水は電気伝導率320mS/m、pH11.2、全硬度0.5mg as CaCO3/L以下、逆浸透膜出口水およびH形樹脂塔入口水は電気伝導率320mS/m、pH11.0、全硬度0.5mg asCaCO3/L以下、H形樹脂塔出口水は電気伝導率230mS/m、pH6.8、全硬度0.5mg asCaCO3/L以下であった。 比較例1: 比較例1として逆浸透膜の処理水に水酸化ナトリウムを添加してpH10に調製した洗浄液により同様に洗浄した。 【0037】 実施例1および比較例1における各洗浄回数後の逆浸透膜の透過流束の低下率(%)を表1に示す。表1より明らかなように、実施例1では逆浸透膜の目詰まりを低減する効果が確認できた。 【0038】 【表1】
【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】実施形態の膜分離方法および装置を示すフロー図である。(a)は膜分離工程、(b)、(c)は洗浄工程を示す。 【符号の説明】 【0040】 1 膜モジュール 1a 濃縮液側 1b 透過液側 2 分離膜 11 被処理液供給路 12 濃縮液取出路 13 処理液取出路 14 洗浄液供給路 15 洗浄排液取出路 21 第1の弱酸性陽イオン交換体 22 第1陽イオン交換槽 23 第2の弱酸性陽イオン交換体 24 第2陽イオン交換槽 25 洗浄液貯槽 31、32、33 ライン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001063 【氏名又は名称】栗田工業株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿3丁目4番7号
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| 【出願日】 |
平成15年7月18日(2003.7.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067839 【弁理士】 【氏名又は名称】柳原 成
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| 【公開番号】 |
特開2005−34816(P2005−34816A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月10日(2005.2.10) |
| 【出願番号】 |
特願2003−277056(P2003−277056) |
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