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【発明の名称】 |
閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防と改善の口腔内装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮尾 悦子 【氏名】長崎 孔隆 |
【課題】閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るため、上下額を一体的に固定することなく仰臥位睡眠時における下顎の沈下を防止し、口呼吸習慣から鼻呼吸習慣へと導くことができる口腔内装置を提供しようとするものである。
【解決手段】下顎用パーツ22には下顎前歯部外側から上顎用パーツ12の前歯部外側に伸びた下顎滑落防止用プレート23を装着した形状で構成することで、仰臥位睡眠時における下顎の沈下を防止することができ、舌及び舌根部それに連なる軟口蓋・口蓋垂が咽頭壁に落ち込み上気道を狭窄又は閉塞することを未然に阻止し、閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図る。さらに、本発明の口腔内装置の相乗効果を高めるため、プレート23の横幅を任意の広さにすることで口呼吸量を制御でき、健康的な鼻呼吸習慣へと誘導することができる構造とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上顎歯列の咬合面に冠着できるよう歯列挿入のための窪みが馬蹄形状に連続した構造になっている上顎用構造物と下顎歯列の咬合面に冠着できるよう歯列挿入のための窪みが馬蹄形状に連続した構造になっている下顎用構造物からなり、上下顎とも完全に分離した構成である。仰臥位睡眠時の患者の筋弛緩や開口により下顎が重力方向に沈下するとともに、舌及び舌根部それに連なる軟口蓋・口蓋垂が咽頭壁に落ち込み、上気道を狭窄又は閉塞することを未然に阻止するため、下顎用構造物には下顎前歯部外側から上顎用構造物の前歯部外側に伸びた下顎滑落防止用プレートを装着した形状を特徴とする閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るための口腔内装置。 【請求項2】 下顎滑落防止用プレート及び上顎構造物の突起物の突出量を調整することで、下顎の前突量を設定することができる請求項1記載の閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るための口腔内装置。 【請求項3】 下顎滑落防止用プレートの横幅を任意の広さに設定が自在であり、またプレート面を網目状にすることや、穿孔による開口部や弁を設けるなどして口呼吸量をコントロールすることができるプレートを構成する請求項1及び請求項2記載の閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るための口腔内装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は睡眠時に口腔内に装着し、閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るための口腔内装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症患者は仰臥位にて睡眠中、舌筋及び咽頭壁の筋肉が弛緩し、舌根部や軟口蓋・口蓋垂が重力方向に下がり上気道を狭窄又は閉塞して、その症状が現れることは周知のことである。 【0003】 これらの症状の予防・改善を図るため口腔内装置を活用し、安静咬合位より下顎を前方に位置(以下、治療咬合位という)づけて舌及び舌根部を引き上げ、呼吸に必要な上気道の空隙確保(以下、上気道確保という)を目的とした口腔内装置はこれまでにも種々公表されてきた。従来では、施術者の意図する位置に上気道確保を目的に、下顎を前突させ上顎と下顎を一体的に固定させ顎関節の生理的活動を完全に拘束するため上顎歯列と下顎歯列は樹脂などにより上下から嵌合された。上下歯列外側は馬蹄形の障壁に囲み込まれた形状となり、口による呼吸は完全に遮る構造であった。 一方、上下顎歯列それぞれの咬合面に冠着できるように作られた、上下顎分離型の口腔内装置(以下、セパレート型マウスピースという)の上顎から下顎に向けて突出したスロープ状又はフック状の部位で閉口時の下顎動作の運動作用を利用し、下顎を前方に位置づけ保持する構成の上気道確保を目的とした装置などがあった。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、従来の口腔内装置は上下額を一体的に固定するものであり、睡眠時であっても下顎の生理的活動を強制的に拘束することは患者にとって苦痛であった。また、顎関節症患者には下顎を前突し、長時間固定し保持させることは困難を極めた。それに加え、上下歯列は樹脂などに上下から嵌合され、上下歯列外側は馬蹄形の障壁に囲み込まれた状態となり口による呼吸は完全に不可能な構造であるが故、この口腔内装置では睡眠中のせき・くしゃみなどの不定愁訴に対応できず長時間の装着には現実的ではなかった。 一方のセパレート型マウスピースにおいては、上顎から下顎に向けて突出したスロープ状又はフック状の部位で閉口時の下顎動作の運動作用を利用し、下顎を前方に位置づけ保持する構成の上気道確保を目的とした装置であるため、上顎から下顎に向けて突出したスロープ状又はフック状の部位が、下顎前歯部の内側に挿入されるので舌房が狭くなり、且つ舌の先端部が行き場を失って舌部全体が上気道方向へ引けてしまう。また、仰臥位睡眠時の患者の閉口運動や筋力が弛緩することにより下顎が重力方向に沈下し、本来の目的であった舌及び舌根部を引き上げ、気道を確保する機能は期待できないことがあった。 【0005】 本発明の口腔内装置は、これらの課題を解決しようとするもので上下額を一体的に固定して顎関節の生理的運動や口呼吸を拘束あるいは遮断することなく、またセパレート型マウスピース形状の課題である、筋弛緩による下顎が重力方向に沈下し、上気道を狭窄又は閉塞することを未然に阻止するものである。 睡眠は、人の健康保持・増進に必要不可欠であり、効果を追及するも睡眠そのものの質が重視されねばならない。よって、装着時の苦痛や拘束感を取り除き顎関節に対する負荷を最小限に止めた上、強制されない自然な呼吸を確保しながら、安眠を得ることができる閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るための口腔内装置を提供しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 即ち本発明の口腔内装置は、上顎歯列の咬合面に冠着できるよう歯列挿入のための窪みが馬蹄形状に連続した構造になっている上顎用構造物(以下、上顎用パーツという)と下顎歯列の咬合面に冠着できるよう歯列挿入のための窪みが馬蹄形状に連続した構造になっている下顎用構造物(以下、下顎用パーツという)からなり、上下顎とも完全に分離した構成である。仰臥位睡眠時の患者の筋弛緩や開口により下顎が重力方向に沈下するとともに、舌及び舌根部それに連なる軟口蓋・口蓋垂が咽頭壁に落ち込み上気道を狭窄又は閉塞することを未然に阻止するため、下顎用パーツには下顎前歯部外側から上顎用パーツの前歯部外側に伸びた下顎滑落防止用プレート(以下、プレートという)を装着した形状を有する。 【0007】 このプレートは、上顎用パーツの前歯部外側に掛合されるので、患者の仰臥位睡眠時において下顎が重力方向に沈下することを防ぎ、下顎を安静咬合位より前方に位置づけ保持することができる。施術者の意図する治療咬合位を任意に設定できるよう下顎用パーツのプレート側と上顎用パーツ側にそれぞれ突起物を構成する。 【0008】 このプレートを上顎用パーツの前歯部外側に掛合することにより、舌房容積に干渉することなく下顎の保持を可能にし、舌及び舌根部の沈下を防ぎ上気道確保を確実なものにした。これにより従来技術のセパレート型マウスピースの課題であった、舌房が狭くなり且つ舌の先端部が行き場を失って舌部全体が上気道方向へ引けてしまい、効果を期待できなかった問題点を本発明で解決することができる。 【0009】 上下顎歯列の咬合面上にあたる部位である上顎用パーツと下顎用パーツの一方又は両方に適宜肉厚を付加し、咬合高径を高くし、口腔内に装着したとき上顎用パーツと下顎用パーツのU字型に接する面(以下、実施咬合面という)をそれぞれ平滑にする。 【0010】 このように咬合高径を高く設定することにより、通常において下顎が前下方向にずれ込み、さらに舌房容積を拡大させ上気道確保の機能に対して相乗的な効果が発生する。 【0011】 実施咬合面が平滑であることは早期接触を防ぎ、歯軋りや食いしばりによる負荷が歯肉方向にほぼ垂直となり、咬合関連に問題を持つ患者や顎関節症患者の関節及び筋肉疲労緩和に寄与し、長時間装着による不快感を軽減するという恩恵をもたらすのである。 【0012】 鼻腔障害などない健康的な呼吸は基本的に鼻呼吸であるが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症患者の個性においては習慣的に口呼吸に陥っている場合が多く見られ、本発明のプレートの横幅を任意の広さにすることで口呼吸量を制御することができ、正常な鼻呼吸へと誘導することができる。 【0013】 正常な鼻呼吸を習慣付けることは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るために重要な要件であり、このプレートの横幅を任意の広さにし、口呼吸量をコントロールすることができる本発明の意義は極めて大きいのである。 【0014】 さらに睡眠時において口唇を開く習慣のある患者に、このプレートを用いて閉口させることで口腔内の乾燥(ドライマウス)を防ぎ、歯科領域及び医科領域においても衛生上極めて良好な要件を満たすことになる。 【0015】 口呼吸量の制御をする目的で、本発明のプレート部の形状を網目状にすることや、穿孔による開口部や弁を設けるなどして、鼻呼吸への誘導を段階的にコントロールすることができる。 【0016】 本発明は従来の技術や課題を解決し、下顎の生理的運動や口呼吸を拘束あるいは遮断することなく、睡眠中のせき・くしゃみなどの不定愁訴に対応可能なセパレート型マウスピースでありながら、仰臥位睡眠時の患者の筋弛緩や開口により下顎が重力方向に沈下するとともに、舌及び舌根部それに連なる軟口蓋・口蓋垂が咽頭壁に落ち込み上気道を狭窄又は閉塞することを未然に阻止するため、下顎用パーツには下顎前歯部外側から上顎用パーツの前歯部外側に伸びたプレートを装着した形状の構造物となっており、その機能は舌房容積に干渉することなく下顎の保持を可能にした。さらなる派生効果は、プレートの横幅を任意の広さや形状を指定することで口呼吸量を制御することができ、正常な鼻呼吸習慣へと誘導することができる。これらの発明を備えた閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るため提供される口腔内装置である。 【発明の効果】 【0017】 本発明の口腔内装置は、セパレート型マウスピースの形状を持ち、下顎を前方に位置づけ舌及び舌根部それに連なる軟口蓋・口蓋垂が咽頭壁に落ち込み上気道を狭窄又は閉塞することを予防し、確実に改善することができる。本装置の装着時において、口呼吸も必要に応じ可能であり、せきやくしゃみなどの不定愁訴にも問題なく対応でき口呼吸を完全に遮断することもなく、また顎関節を強制的に固定しないので身体的な拘束感を和らげ、顎関節症患者にも苦痛を与えることなく長時間装着可能である。舌房容積に干渉することなく下顎を治療咬合位に保持設定することができる特徴を有し、閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善に大きな効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 図1及び図4は睡眠時において、閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症の予防・改善を図るため本発明の口腔内装置を口腔内に装着した状態を示すものであり、図2図3は実施の形態を示すものである。本口腔内装置の素材は実施目的や実施状況から鑑み、歯列などに密着性の良い合成樹脂等を適宜活用するのが望ましい。以下、図面に基づいて詳細に説明する。 【実施例】 【0019】 上顎用パーツ12は、図1に示すよう上顎歯列の咬合面に冠着できるよう歯列挿入のための窪みが馬蹄形状に連続した構造になっている。下顎用パーツ22も上顎用パーツ12同様に、下顎歯列の咬合面に冠着できるよう歯列挿入のための窪みが馬蹄形状に連続した構造を呈している。仰臥位睡眠時の患者の筋弛緩や開口により下顎21が重力方向に沈下するとともに、舌30及び舌根部31それに連なる軟口蓋・口蓋垂33が咽頭壁34に落ち込み上気道32を狭窄又は閉塞することを未然に阻止するため、下顎用パーツ22には下顎前歯部外側から上顎用パーツ12の前歯部外側に伸びたプレート23を装着した形状の構造物となっている。 【0020】 図2が示すように、このプレート23の上方先端部には突起物24が上顎用パーツ12側に突出している。同様に、上顎用パーツ12の前歯部外側下方にも突起物14がプレート23側に突出し、突起物14及び24の突出量を任意に設定することで治療咬合位を調節することができるとともに、仰臥位睡眠時の患者の筋弛緩や開口に伴い下顎21の自重と重力により、上顎用パーツ12と掛合しているプレート23は、下顎21全体の滑落を予防することができる。プレート23のように下顎21側から延伸し、上顎11側に受ける実施の形態は、舌房35の容積に干渉することなく下顎21の保持を可能にし、舌30及び舌根部31の沈下を防ぎ上気道確保を確実なものにしている。 【0021】 図2及び図3で示すプレート23の横幅を任意の広さに設定が自在であり、またプレート面を網目状にすることや、穿孔による開口部や弁を設けるなどして口呼吸量をコントロールし、正常な鼻呼吸へと段階的に誘導することができる。 【0022】 図2及び図4で示す上顎用パーツの突起物14とプレートの突起物24は交互に凸形と凹形の置き換えても同じ効果が望める。 【0023】 図3で示すように、下顎用パーツ22単独の装着であっても治療咬合位に下顎を設定することが可能であり、上顎用パーツ12と組み合わせない実施形態でも同様の効果が得られる。 【0024】 図4では本発明の口腔内装置の実施例を、断面図を用いて表したものである。仰臥位の患者に上顎用パーツ12に上顎11の上顎歯列を挿入し咬合面に冠着させ、一方の下顎用パーツ22に下顎21の下顎歯列を挿入し咬合面に冠着させ装着することで、プレート23が上顎用パーツ12と掛合される。プレートの突起物24と上顎用パーツの突起物14の突出量を任意に設定することで治療咬合位を調節し、舌30及び舌根部31それに連なる軟口蓋・口蓋垂33が咽頭壁34に落ち込み上気道32を狭窄又は閉塞することを未然に防止することが可能となる。 【0025】 図5では閉塞性睡眠時無呼吸症の発症メカニズムを図解したもので、仰臥位睡眠時の患者は筋弛緩や開口により下顎21が重力方向に沈下するとともに、舌30及び舌根部31それに連なる軟口蓋・口蓋垂33が咽頭壁34に落ち込み上気道32を狭窄すれば、呼吸の気流が加速され周囲の粘膜などの組織を振動させていびき音となり、閉塞すると無呼吸や低換気状態となり血中酸素飽和度が低下する。本発明の口腔内装置は、この発症メカニズムを物理的な根拠に基づき、前述の実施例を以って予防と改善を図るものである。 【産業上の利用可能性】 【0026】 本発明の口腔内装置は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症患者の予防と改善を目的としている。閉塞性睡眠時無呼吸症候群や習慣性いびき症患者は、図5に示すように睡眠中に上気道が狭窄又は閉塞し、呼吸停止や低換気状態となり無意識でありながら脳細胞は覚醒を繰り返し、日中の傾眠による社会的障害や意欲の低下やさまざまな健康障害の一因となっている。これらの背景からも健康の保持増進の見地からも、医科及び歯科の領域で治療として利用される口腔内装置である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の口腔内装置の装着斜視図である。 【図2】本発明の口腔内装置の断面図である。 【図3】本発明の口腔内装置の下顎用パーツの実施態様の斜視図である。 【図4】本発明の口腔内装置の仰臥位での装着状態を示す断面図である。 【図5】閉塞性睡眠時無呼吸症及びいびき症の発症メカニズム図である。 【符号の説明】 11 上顎 12 上顎用パーツ 14 上顎用パーツの突起物 15 上顎の実施咬合面 21 下顎 22 下顎用パーツ 23 プレート 24 プレートの突起物 25 下顎の実施咬合面 30 舌 31 舌根部 32 上気道 33 口蓋垂 34 咽頭壁 35 舌房 36 上顎前歯部 37 下顎前歯部 38 鼻腔
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| 【出願人】 |
【識別番号】596130004 【氏名又は名称】長崎 孔隆
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| 【出願日】 |
平成16年4月26日(2004.4.26) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−312853(P2005−312853A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月10日(2005.11.10) |
| 【出願番号】 |
特願2004−158411(P2004−158411) |
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