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【発明の名称】 化粧用シート
【発明者】 【氏名】今野 絵梨子
【住所又は居所】大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東電工株式会社内

【氏名】笠原 剛
【住所又は居所】大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東電工株式会社内

【氏名】菊田 典之
【住所又は居所】大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東電工株式会社内

【氏名】畑中 宏
【住所又は居所】大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東電工株式会社内

【要約】 【課題】皮膚から角栓を除去する際に、皮膚に対する痛みを緩和することができ、かつ、皮膚からの角栓除去能力が従来品より優れている化粧用シートを提供すること。

【解決手段】化粧用シートは、基材の一方の面に、水溶性高分子、及び、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する湿潤粘着性組成物を用いて成る皮膚貼付層を有し、このポリオキシソルビタン脂肪酸エステルが、水溶性高分子100重量部に対して、3重量部以上、40重量部以下含有されている。また、このポリオキシソルビタン脂肪酸エステルを形成する脂肪酸が、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及び、オレイン酸からなる群から選ばれる1つであることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一方の面に、水溶性高分子、及び、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する湿潤粘着性組成物を用いて成る皮膚貼付層を有し、該ポリオキシソルビタン脂肪酸エステルが、該水溶性高分子100重量部に対して、3重量部以上、40重量部以下含有されていることを特徴とする化粧用シート。
【請求項2】
前記ポリオキシソルビタン脂肪酸エステルを形成する脂肪酸が、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及び、オレイン酸からなる群から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1記載の化粧用シート。
【請求項3】
前記ポリオキシソルビタン脂肪酸エステルのHLBが12以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧用シート。
【請求項4】
前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の化粧用シート。
【請求項5】
前記ポリビニルピロリドンが、重量平均分子量120万のポリビニルピロリドン及び重量平均分子量45万のポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする請求項4記載の化粧用シート。
【請求項6】
前記重量平均分子量120万のポリビニルピロリドンと重量平均分子量45万のポリビニルピロリドンとを、重量比で、30/70〜60/40の範囲内で混合することを特徴とする請求項5記載の化粧用シート。
【請求項7】
前記湿潤粘着性組成物が、更に、無機充填剤及び/又は保湿成分を含有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の化粧用シート。
【請求項8】
前記保湿成分が、グリセリン及び/又は多価アルコールであることを特徴とする請求項7記載の化粧用シート。
【請求項9】
前記基材が透湿性基材であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の化粧用シート。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は化粧用シートに関し、特に、角栓除去等に使用される化粧用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚の角栓除去に適した化粧用シートとして、不織布等からなる基材層の片面に、水溶性高分子を用いて皮膚貼付層を形成したものが知られている。この化粧用シートは、通常、まず、鼻部などの貼付される部位を予め水で濡らした後に貼付される。貼付された化粧用シートは、この状態で約10分間放置され、水分が蒸発した後、ゆっくりと剥離除去される。このような一連の操作を経て、水で溶解若しくは湿潤した皮膚貼付層が、毛穴内に存在する角栓と接触した後、乾燥することによって、角栓と一体化するので、皮膚貼付層を剥がすことによって角栓も除去できるのである。
【0003】
ところで、このように化粧用シートは既に乾燥して皮膚と接着あるいは粘着している状態で皮膚から引き剥がされるのであるから、剥離の際、皮膚に相当の痛みを与えることになる。特開平5−221843号公報には、皮膚に痛みを与えることなく角栓等を除去することができるものとして、塩生成基を有する高分子化合物と油剤とをパック剤の一成分として用いたシート状パックが開示されているが、油剤を併用するため角栓除去能力が低下した。これに対し、パックの角栓除去能力を低下させることなく、皮膚から剥離する際の痛みを緩和することができるパック化粧料が、特開平11−199435号公報に開示されている。このパック化粧料は、鎮痛剤、止痒剤、ポリオキシアルキレン鎖を有する非イオン界面活性剤、アルキレングリコールもしくはポリアルキレングリコールのサリチル酸エステル及び高級脂肪酸とアミノアルコールの縮合物よりなる群から選ばれた1種又は2種以上の成分を含有している。
【0004】
しかしながら、このパック化粧料も未だ十分な角栓除去能力を有するものではなく、ユーザの高いニーズに応えることができるものではなかった。すなわち、ユーザは従来の化粧用シートの角栓除去能力では満足することができず、更に優れた除去能力を有する化粧用シートの開発が望まれていた。
【0005】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、皮膚に痛みを与えることなく、かつ、角栓を十分に除去することができるシート状貼付材を提供することにある。
【0006】
【特許文献1】特開平5−221843号公報
【特許文献2】特開平11−199435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明は、皮膚から剥離する際の痛みを緩和することができ、かつ、皮膚からの角栓除去能力が従来品より優れている化粧用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の化粧用シートは、基材の一方の面に、水溶性高分子、及び、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する湿潤粘着性組成物を用いて成る皮膚貼付層を有し、該ポリオキシソルビタン脂肪酸エステルが、該水溶性高分子100重量部に対して、3重量部以上、40重量部以下含有されていることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記ポリオキシソルビタン脂肪酸エステルを形成する脂肪酸は、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及び、オレイン酸からなる群から選ばれる1つであることが好ましい。
また、前記ポリオキシソルビタン脂肪酸エステルのHLBが12以上であることができる。
【0010】
また、前記水溶性高分子は、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種類であることができる。
ここで、前記ポリビニルピロリドンが、重量平均分子量120万のポリビニルピロリドン及び重量平均分子量45万のポリビニルピロリドンを含有することができる。
また、前記重量平均分子量120万のポリビニルピロリドンと重量平均分子量45万のポリビニルピロリドンとを、重量比で、30/70〜60/40の範囲内で混合することができる。
【0011】
本発明の化粧用シートは、前記湿潤粘着性組成物が、更に、無機充填剤及び/又は保湿成分を含有することができる。
また、前記保湿成分は、グリセリン及び/又は多価アルコールであることができる。
【0012】
本発明の化粧用シートは、前記基材が透湿性基材であることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、皮膚から剥離する際の痛みを緩和することができ、かつ、皮膚からの角栓除去能力が従来品より優れている化粧用シートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の化粧用シートは、基材の片面に皮膚貼付層を有し、この皮膚貼付層が、水溶性高分子とポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する湿潤粘着性組成物を用いて形成されたものである。ここで、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、水溶性高分子100重量部に対して、3重量部以上、40重量部以下の範囲で配合されることが必要であり、5重量部以上、20重量部以下の範囲で配合されることが好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの配合量が3重量部未満であると、角栓除去能力を十分に発揮することができず、40重量部より多いと、皮膚貼付層の表面にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがブリードアウトしやすくなり、皮膚貼付層と皮膚との界面にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが貯留して角栓を粘着除去しにくくなる。
【0015】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビットの高級脂肪酸エステルよりなる非イオン界面活性剤であり、水の中に油を乳化せしめる水中油滴型(o/w 型)であることが好ましい。また、界面活性剤分子中の親水基と親油基との相関関係を示す数値としてHLB(Hydrophile Lipophile Balance)があるが、このHLBが12以上であることが好ましく、さらに上限は20以下とすることが好ましく、14〜17であることが更に好ましく、特に15〜17であることが好ましい。本発明に用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、人体の頭皮や毛穴に付着したコレステロール、老廃物等の皮脂成分との相溶性が高い。
【0016】
本発明に用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおける脂肪酸としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好ましいものとして挙げられる。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、親水性部分を形成するエチレンオキサイド(EO)の付加モル数が、例えば、4モル〜20モルであることが好ましい。
【0017】
本発明に用いられる水溶性高分子は、水または親水性媒体の存在により粘着性を発揮するものである。角栓除去に適した水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましいものとして挙げられる。また、水溶性高分子の分子量が大き過ぎると、湿潤粘着性組成物を用いて形成された皮膚貼付層は、水又は親水性媒体の存在によって粘着力が充分とならないことがあり、分子量が小さ過ぎると、皮膚貼付層の機械的強度が低下することがあって、貼付後、乾燥したシート状貼付材を貼付部位から剥離除去する際に皮膚貼付層の一部が残渣として残ることがあるので、これらの水溶性高分子は、重量平均分子量が5,000〜500万であることが好ましく、特に、2万〜120万であることが好ましい。
【0018】
粘着性を発揮させるために用いた水等を蒸発させるための乾燥時間を短縮させ、かつ、剥離時の痛みを更に和らげることを可能にするという観点からは、低分子量の水溶性高分子、すなわち重量平均分子量が70万未満、好ましくは5,000〜30万の水溶性高分子と、高分子量の水溶性高分子、すなわち重量平均分子量が70万以上、好ましくは100万〜500万の水溶性高分子とを混合して使用することが更に好ましい。高分子量の水溶性高分子と低分子量の水溶性高分子とを混合して用いる場合、その配合割合は、用いる水溶性高分子の分子量や使用目的等に応じて適宜決定されることが好ましいが、例えば、高分子量の水溶性高分子と低分子量の水溶性高分子との割合は、重量比で、おおよそ、5:95〜95:5であることが好ましく、さらに好ましくは20:80〜70:30である。角栓の除去効率、剥がす際の皮膚に与える痛みの軽減等の観点からは、低分子量の水溶性高分子の配合割合を多くすることが好ましい。本発明においては、例えば、重量平均分子量が120万のポリビニルピロリドンと重量平均分子量が45万のポリビニルピロリドンを重量比で30:70〜60:40の範囲内で併用することが好ましく、40:60〜50:50で併用することが更に好ましい。
【0019】
本発明に係る湿潤粘着性組成物には保湿成分を配合することができる。本発明に用いられる保湿成分としては、水溶性高分子に対して相溶性を有し、溶解して可塑化効果を示す材料が使用される。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、その他のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、その他のポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、その他のポリグリセリン類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のブチレングリコール類、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類、ラノリン、レシチン、オリーブ油等のグリセライド類、などが例示される。これらは1種類のみを使用してもよいし、あるいは、2種類以上を併用してもよい。
【0020】
保湿成分の使用量が過大であると、形成された皮膚貼付層の湿潤して乾燥させた後の機械的強度が乏しくなり易く、過小であると、柔軟性が乏しくなって貼付部位に良好にフィットさせることが難くなる傾向にある。したがって、保湿成分は、水溶性高分子100重量部に対して、1〜75重量部の範囲で使用することが好ましく、5〜50重量部の範囲で使用することが更に好ましい。
【0021】
本発明に係る湿潤粘着性組成物は、さらに充填剤を含むことが好ましい。充填剤としては、水溶性高分子に対して、また、必要に応じて保湿成分との混合物に対して、難溶性または不溶性の各種の無機充填剤又は有機充填剤を用いることが好ましいが、無機充填剤を用いることが好ましい。無機充填剤としては、例えば、シリカ(特に無水珪酸)、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、ガラス等の無機酸化物又は複合酸化物類、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、セラミックス、カーボン、その他の無機化合物類、金属、合金等の金属類、などが例示される。有機充填剤としては、例えば、セルロース、シルク、ポリエステル、ポリオレフィン等の繊維形成性有機高分子類、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン、その他の有機高分子類、などが例示される。これらの充填剤は、1種類のみを使用してもよいし、あるいは2種類以上を併用してもよい。本発明に使用される充填剤は、通常、粉体状態が好ましく、その形状は特に限定されないが、均一な分散性が得られることを考慮すると球形であることが好ましい。また、その平均粒径は0.01〜50μmであることが好ましく、特に、0.1〜10μmであることが好ましい。
【0022】
湿潤粘着性組成物に充填剤を含有させることによって、形成された皮膚貼付層の湿潤して乾燥させた後の機械的強度を向上させることができる。また、充填剤を含有させることによって、貼付後、乾燥するのに要する乾燥所要時間を短縮させることができる。したがって、充填剤を含有させれば貼付層の厚みが厚くても、従来品のような長時間を要することはない。なお、乾燥所要時間が短くなる理由は、充填剤と、水溶性高分子及び液状可塑剤との界面が、水分逸散の通路として機能するものと推察される。
【0023】
充填剤は、水溶性高分子100重量部に対して10〜200重量部の範囲内で使用することが好ましく、25〜100重量部の範囲内で使用することが更に好ましい。充填剤の使用量が10〜200重量部の範囲内であれば、形成された皮膚貼付層の柔軟性が乏しくなって貼付部位に良好にフィットし難くなるようなことはなく、また、乾燥所要時間が長くなることもなく、かつ、皮膚貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度の改善効果が得られる。
【0024】
本発明に係る湿潤粘着性組成物は、必要に応じて、化粧料、香料、防腐剤、着色剤、アルコール、薬剤、紫外線吸収剤、あるいは、その他の化粧用シートに通常使用される薬剤や添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲内で含んでもよい。
【0025】
水溶性高分子及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、必要に応じて充填剤、保湿成分等とを含有する湿潤粘着性組成物は、エチルアルコール、メチルアルコール等の親水性媒体や水等と共に塗布液とした後、剥離処理が施された剥離シート、あるいは、基材上に塗布乾燥されて、シート状の皮膚貼付層が形成される。
【0026】
本発明の化粧用シートは、基材の片面に皮膚貼付層を有する。ここで、基材としては、皮膚貼付層の乾燥速度の観点から透湿性のある透湿性基材を用いることが好ましい。その構造としては、織布、不織布、編布、紙等の繊維の集合体類、および、多孔性フィルム、透気性フィルム等のフィルム類などが例示される。これらのうち、貼付部位の曲面になじみやすい適度の伸縮性を有するものが特に好ましい。また、材料に関しては、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、セルロース等の、合成あるいは天然の有機高分子類が例示される。
【0027】
本発明の化粧用シートは、例えば、剥離処理が施された剥離シートの剥離処理面に、湿潤粘着性組成物を水等に分散させた塗布液を塗布し、その上に基材を重ねて乾燥させることにより形成することができる。この化粧用シートは、基材/皮膚貼付層/剥離シートの構成を有し、任意の形状に裁断される。剥離シートは、使用時に剥がされるまで、皮膚貼付層を衛生面から、あるいは貼着力の面から保護することができる。また、剥離シートを有する構成であれば、化粧用シートを枚葉状に積み重ねて保存することもできるという利点もある。なお、剥離シートとしては、例えば、表面をポリマー処理した紙、フィルム、シート等を用いることができ、また、離型性のあるフィルム等を用いることができる。
本発明の化粧用シートは、予め水や親水性媒体を含浸させた状態で保存してもよい。この場合には、貼付部位を水等で濡らさなくても化粧用シートを貼ることができる。
【0028】
本発明において、皮膚貼付層の厚みは、10μm〜500μmであることが好ましく、50μm〜250μmであることが更に好ましい。また、基材の厚みは、10μm〜200μmであることが好ましい。
【0029】
本発明の化粧用シートは、ピールオフ型のパック等に代表されるような角栓除去シート、にきびシート等に有用であり、特に鼻部のように複雑に湾曲した肌にぴったりと貼付でき、鼻部の角栓除去シートとして有効に利用できる。
【実施例】
【0030】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
【0031】
(実施例1)
水溶性高分子として重量平均分子量が120万のポリビニルピロリドンを58重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしてソルビタンラウリン酸モノエステル(エチレンオキサイド20モル付加物、HLB 16.7)を6重量%、無水珪酸34重量%、及び、酸化チタン2重量%を用い、これらを適量の精製水を用いて攪拌、混合して塗布液を作製した。この塗布液を、片面にシリコーン処理が施されたポリエチレンフィルム(厚み50μm)の剥離処理面に、塗布量が110g/mで均一な厚さとなるように塗布して皮膚貼付層を形成し、この皮膚粘着層の上に、ポリエステル繊維からなるスパンレース不織布(坪量:40g/m)を重ね、105℃で3分間乾燥させて、3層構造の化粧用シートを作製した。得られた化粧用シートの含水率は、15〜20重量%であった。ただし含水率は、温度30℃、湿度90%の環境下で約15分間調湿した後の重量変化より算出した。なお、得られた化粧用シートは、シート中の水分の揮散を防ぐするために、アルミニウムとポリエステルフィルムが積層された保存袋に密閉保存された。
得られた化粧用シートについて、下記に示す角栓除去性の評価(1)及び(2)を行った。その結果を図1〜図3に示す。また、実施例1により得られた化粧用シートについては、後述する角栓除去性の評価方法(3)〜(5)の評価も行った。その結果を図4〜図6に示す。
【0032】
(比較例1)
実施例1において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用せずに、その替わりにグリセリンを6重量%使用した以外は実施例1と同様にして、化粧用シートを作製した。得られた化粧用シートは、実施例1と同様に保存された。また、得られた化粧用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。その結果を図1〜図3に示す。
得られた化粧用シートの含水率は15〜20重量%であった。ただし含水率は、温度25℃、湿度70%の環境下で約1時間30分調湿した後の重量変化より算出した。
【0033】
(参考例)
市販の角栓除去用の化粧用シートを用いて、実施例1と同様の評価を行った。その結果を図1〜図2に示す。
【0034】
上記実施例において使用された評価方法を下記に示す。
[角栓除去性の評価方法]
(1)上記実施例1、比較例1、参考例の化粧用シートを適当な大きさ(2.5cm×3.0cm)に裁断した。この化粧用シート試験片を、健常な成人ボランティア60名の鼻部の片方に水を適量塗布した後、貼付した。このように貼付した状態で約10分間放置し、化粧用シートが乾燥した後、剥離した。各ボランティアごとに剥離した化粧用シートの皮膚貼付層に付着した角栓の数を数えた。
次に、参考例の化粧用シートを用いて除去された角栓の数を1とし、実施例1又は比較例1の角栓除去割合を求めた。すなわち、下記式に基づいて、実施例1または比較例1の化粧用シートを用いて除去された角栓の数を、参考例の化粧用シートを用いて除去された角栓の数で除して角栓除去割合を求めた。ただし、実施例1及び比較例1の角栓除去割合は得られた値の平均値で示した。

角栓除去割合=実施例1又は比較例1で除去された角栓数/参考例で除去された角栓数

なお、試験は、60人のボランティアを3つのグループに分け、1つ目のグループには小鼻の片方半分に実施例の化粧用シート、他方の半分に参考例の化粧用シートを貼付し、2つ目のグループには小鼻の片方半分に比較例の化粧用シート、他方の半分に実施例の化粧用シートを貼付し、3つ目のグループには小鼻の片方半分に参考例の化粧用シート、他方の半分に比較例の化粧用シートを貼付して試験を行った。
【0035】
[角栓除去性の評価方法]
(2)上記(1)において求めた角栓除去の数を用いて、以下の評価を行った。すなわち、各ボランティアごとに、実施例1又は比較例1の化粧用シートを用いて除去された角栓数と、参考例の化粧用シートを用いて除去された角栓数とを用い、下記判断基準に基づいて評価を行った。その結果を図1及び図2に示す。

実施例1の角栓数/参考例の角栓数≧1.2の場合には、実施例1が優れている
実施例1の角栓数/参考例の角栓数≦0.8の場合には、参考例が優れている
比較例1の角栓数/参考例の角栓数≧1.2の場合には、比較例1が優れている
比較例1の角栓数/参考例の角栓数≦0.8の場合には、参考例が優れている
0.8<実施例1又は比較例1の角栓数/参考例の角栓数<1.2の場合には、同等
【0036】
角栓除去性の評価方法(1)の評価結果は、図3から明らかなように、本発明の化粧用シートである実施例1は、角栓除去割合が参考例の2.2倍の角栓取れ性を示すのに対し、比較例1では、角栓除去割合が0.95であり、参考例とほぼ同等の角栓取れ性しか示さなかった。
【0037】
また、図1及び図2から明らかなように、図1に示す比較例1と参考例との対比においては、参考例の方が優れていると判断したものと、同等と判断したものとの合計が半分以上であるが、図2に示す実施例1と参考例との対比においては、実施例1が優れていると判断したものが半分以上あることが分かった。すなわち、参考例を基準とする角栓除去性の評価において、実施例1の化粧用シートが比較例1の化粧用シートよりかなり優れていると判断されたことが明白である。
【0038】
(実施例2)
実施例1において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして、ソルビタンラウリン酸モノエステルの替わりにソルビタンパルミチン酸モノエステル(エチレンオキサイド20モル付加物、HLB 15.7)を使用した以外は実施例1と同様にして化粧用シートを作製した。また、得られた化粧用シートを実施例1と同様にして保存した。得られた化粧用シートについて、除去された角栓の数を数え、下記に示す角栓除去性の評価(3)〜(5)を行った。その結果を図4〜図6に示す.。
【0039】
(実施例3)
実施例1において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしてソルビタンラウリン酸モノエステルの替わりにソルビタンオレイン酸モノエステル(エチレンオキサイド20モル付加物、HLB 15.0)を使用した以外は実施例1と同様にして化粧用シートを作製した。また、得られた化粧用シートを実施例1と同様にして保存した。得られた化粧用シートについて、除去された角栓の数を数え、実施例2と同様の評価を行った。その結果を図4〜図6に示す。
【0040】
[角栓除去性の評価方法]
(3)化粧用シートを適当な大きさ(2.5cm×3.0cm)に裁断した。この化粧用シート試験片を、健常な成人ボランティア60名の鼻部の片方に水を適量塗布した後、貼付した。このように貼付した状態で約10分間放置し、化粧用シートが乾燥した後、剥離した。
なお、試験は、60人のボランティアを3つのグループに分け、1つ目のグループには小鼻の片方半分に実施例1の化粧用シート、他方の半分に実施例2の化粧用シートを貼付し、2つ目のグループには小鼻の片方半分に実施例2の化粧用シート、他方の半分に実施例3の化粧用シートを貼付し、3つ目のグループには小鼻の片方半分に実施例3の化粧用シート、他方の半分に実施例1の化粧用シートを貼付して試験を行った。
【0041】
上記(3)にて求めた角栓除去の数を用いて、以下の評価を行った。すなわち、実施例2又は実施例3の化粧用シートを用いて除去された角栓数と、実施例1の化粧用シートを用いて除去された角栓数とを用い、下記判断基準に基づいて評価を行った。その結果を図4に示す。ただし、実施例2及び実施例3の結果データは併合した形で図4に示してある。

実施例2又は実施例3の角栓数/実施例1の角栓数≧1.2の場合には、実施例2又は実施例3が優れている
実施例2又は実施例3の角栓数/実施例1の角栓数≦0.8の場合には、実施例1が優れている
0.8<実施例2又は実施例3の角栓数/実施例1の角栓数<1.2の場合には、同等
【0042】
[角栓除去性の評価方法]
(4)上記(3)と同様にして、実施例2の角栓数を求め、これに基づいて、実施例1及び実施例3の評価を行った。その結果を図5に示す。但し、実施例1及び実施例3の結果データは併合した形で図5に示してある。
【0043】
[角栓除去性の評価方法]
(5)上記(3)と同様にして、実施例3の角栓数を求め、これに基づいて、実施例1及び実施例2の評価を行った。その結果を図6に示す。但し、実施例1及び実施例2の結果データは併合した形で図6に示してある。
【0044】
図4〜図6から以下のことが分かる。すなわち、図6において、実施例3の化粧用シートが優れていると判断されたものは47%であり、図5において、実施例2の化粧用シートが優れていると判断されたものは38%であり、図4において、実施例1の化粧用シートが優れていると判断されたものは26%である。したがって、実施例2及び実施例3の化粧用シート、すなわち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸がパルミチン酸、オレイン酸であるものを用いた化粧用シートは、脂肪酸がラウリン酸であるものより、角栓の取れ性に優れていると判断されることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、比較例1の化粧用シートと参考例の化粧用シートとの角栓除去性を比較した結果を示すグラフである。
【図2】図2は、実施例1の化粧用シートと参考例の化粧用シートとの角栓除去性を比較した結果を示すグラフである。
【図3】図3は、参考例に対する実施例1と比較例1の角栓除去割合を示すグラフである。
【図4】図4は、実施例2及び実施例3の化粧用シートと、実施例1の化粧用シートとの角栓除去性を比較した結果を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例1及び実施例3と、実施例2の化粧用シートとの角栓除去性を比較した結果を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例1及び実施例2と、実施例3の化粧用シートとの角栓除去性を比較した結果を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
【住所又は居所】大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号
【出願日】 平成16年4月27日(2004.4.27)
【代理人】 【識別番号】100107939
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 由美子

【公開番号】 特開2005−314237(P2005−314237A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−131265(P2004−131265)