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【発明の名称】 脂肪蓄積剤並びに皮膚外用剤、浴用剤及び飲食物
【発明者】 【氏名】宮本 英和

【氏名】牧野 公博

【氏名】杉山 清

【要約】 【課題】非常に分解されやすく、蓄積しにくい部位への脂肪(脂肪組織)の局所蓄積を、効率的に行うことを可能にする脂肪蓄積剤並びに皮膚外用剤、浴用剤及び飲食物を提供する。

【解決手段】脂肪蓄積剤としてカシュウ、ビンロウジ、ハブソウから選ばれる1種又は2種以上の生薬を用いる。これらは更に、皮膚外用剤、浴用剤並びに飲食物にも適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カシュウ、ビンロウジ、ハブソウから選ばれる1種又は2種以上の生薬を含有する脂肪蓄積剤。
【請求項2】
請求項1記載の脂肪蓄積剤を含有して成る皮膚外用剤。
【請求項3】
請求項1記載の脂肪蓄積剤を含有して成る脂肪蓄積用皮膚外用剤。
【請求項4】
請求項1記載の脂肪蓄積剤を含有して成る豊胸用皮膚外用剤。
【請求項5】
請求項1記載の脂肪蓄積剤を含有して成る脂肪蓄積用浴用剤。
【請求項6】
請求項1記載の脂肪蓄積剤を含有して成る豊胸用浴用剤。
【請求項7】
請求項1記載の脂肪蓄積剤を含有して成る脂肪蓄積用飲食物。
【請求項8】
請求項1記載の脂肪蓄積剤を含有して成る豊胸用飲食物。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪蓄積剤に関する。さらに、本発明は、該脂肪蓄積剤を含有する皮膚外用剤、浴用剤並びに飲食物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の健康や美容への関心の高まりから、老若男女を問わず体を健康的で魅力的にしたいと願う人が増加している。
なかでも、女性のバストに代表されるような女性らしさや、ふくよかさを望む人が非常に多く、脂肪注入、シリコン注入などの美容外科的処置、エステティックサロンでの施術、サプリメントあるいは健康食品摂取などが行なわれている。
また、これまでにも種々の薬剤やサプリメントなどが提案されており、各種の生薬抽出物が、様々な効果、機能の面から研究され、各産業分野において応用されている。
【0003】
例えば特許文献1には、ジオウ、サンショウ、シイタケなどより抽出した植物エキスを含有する脂肪合成促進剤および豊胸用皮膚外用組成物が示されており、また、特許文献2には、クズ属植物、マキ科植物、アヤメ科植物などの根またはその処理物を含有する豊胸促進剤が示されている。
しかし、いずれも得られる効果の個人差が非常に大きく、これまでに満足な効果を有するものは見出されていない。さらに、美容形成外科やエステティックサロンでの施術は、非常に高価である上に、経時的な弊害(肌質悪化、型くずれなど)も懸念される。
【0004】
女性の乳房の90%は脂肪組織(細胞)から成ることが知られている。多くの女性が経験することであるが、食事制限によるダイエットやストレスなどのさまざまな要因により体重(体脂肪)が減少するときには、まず乳房が小さくなる。
一方、摂取カロリー過剰により体重(体脂肪)が増加する際には、顔、腹回り、太股あるいは内臓に脂肪が蓄積するものの乳房にあまり変化はない。つまり、女性の乳房の大きさ、形などを特徴付けているのは脂肪組織(脂肪細胞)に蓄えられた脂肪の量及び質であって、その脂肪は非常に分解されやすく、また蓄積しにくいといえる。
【特許文献1】特開平11−199499
【特許文献2】特表2000−302667
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、非常に分解されやすく、蓄積しにくい部位への脂肪(脂肪組織)の局所蓄積を、効率的に行うことを可能にする脂肪蓄積剤並びに皮膚外用剤、浴用剤及び飲食物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、女性らしいふくよかさを望む女性のみならず、畜産業界などにおいても画期的な技術となり得る脂肪蓄積剤並びに皮膚外用剤、浴用剤及び飲食物の開発を目指し、脂肪細胞中の脂肪蓄積に関して鋭意研究を重ねた。
その結果、特定の生薬が脂肪細胞中の脂肪蓄積を促進することを見出し、この知見によ
り本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0007】
本発明者等が初めて明らかにしたように、カシュウ、ビンロウジ、ハブソウには、脂肪細胞への脂肪蓄積作用があり、脂肪細胞中の脂肪蓄積を促進するために非常に有用である。
これらは化粧品をはじめとする皮膚外用剤や浴用剤、飲食物に配合することができる。さらには、畜産用飼料をはじめとする畜産分野への応用も可能である。
また、脂肪蓄積用製剤として局所或いは全身の中性脂肪の蓄積を促進することができるのみならず、肌にハリを与えたり、ふくよかにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の脂肪蓄積剤は、カシュウ、ビンロウジ、ハブソウから選ばれる1種又は2種以上の混合物を含有するものである。
本発明で使用するカシュウとは、タデ科植物のツルドクダミの根を用いるが、地上部や、さらには同属植物を用いることもできる。
本発明で使用するビンロウジとは、ヤシ科植物のビンロウの種子を用いるが、地上部や、さらには同属植物を用いることもできる。
本発明で使用するハブソウとは、マメ科植物のハブソウの根を除いた全草を用いるが、さらには同属植物を用いることもできる。
本発明において用いる、カシュウ、ビンロウジ、ハブソウは、上記の各種部位を未乾燥のまま又は乾燥させた後、そのままで、あるいは、破砕又は粉砕後に搾取して使用することができる。
【0009】
さらに、これらを溶媒で抽出して得られるエキスや、該エキスから抽出溶媒を蒸発、又は凍結乾燥して得られる不揮発分を使用することができる。
抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、トルエンなどの芳香族類等の各種の溶剤が挙げられ、単独あるいは2種以上の混液を任意に組み合わせて使用することができる。
本発明で使用される生薬は医薬または民間薬、食品、化粧品の成分として一般的に用いられているものであり、その安全性が確認されているものである。
【0010】
本発明の脂肪蓄積剤は、前記生薬の単独あるいは混合物を含有する。生薬の総配合量は、剤型によっても異なるが、蒸発残分をそのまま使用しても構わないし、目的の用途によって適宜、配合量を調整すれば良い。
【0011】
本発明の皮膚外用剤、脂肪蓄積用皮膚外用剤並びに豊胸用皮膚外用剤は前記の脂肪蓄積剤、すなわち、前記生薬を単独で、あるいは混合物として含有する。生薬の総配合量は、剤型により異なるが、エキスの蒸発残分として、皮膚外用剤中に0.0001〜50重量%であることが好ましい。また、本発明の皮膚外用剤の使用量は特に制限はなく、使用者の好みに合わせて適宜調整することができる。
【0012】
また、本発明の脂肪蓄積用浴用剤並びに豊胸用浴用剤においても、前記の脂肪蓄積剤、すなわち前記生薬を単独あるいは混合物として使用することができ、その総配合量は、剤型によっても異なるが、エキスの蒸発残分として、浴用剤中に0.0001〜50重量%であることが好ましい。
【0013】
また、本発明の脂肪蓄積用飲食物並びに豊胸用飲食物及び脂肪蓄積用飼料においても、前記の脂肪蓄積剤、すなわち前記生薬を単独あるいは混合物として使用することができ、その総配合量は、形態によっても異なるが、エキスの蒸発残分として、飲食物中に0.0001〜90重量%であることが好ましい。
【0014】
本発明の皮膚外用剤及び浴用剤には、上記各種生薬の他に、通常の外用剤あるいは入浴剤において使用される公知の機能性成分、例えば保湿剤、エモリエント剤、血行促進剤、細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤、美白剤、過酸化物抑制剤などを配合することができる。
【0015】
例えば、グリセリン、ブチレングリコール、尿素、アミノ酸類などの保湿剤;スクワラン、マカデミアナッツ油、ホホバ油などのエモリエント剤;ビタミンE類、トウガラシチンキなどの血行促進剤;核酸などの細胞賦活剤;ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ジブチルヒドロキシアニソール(BHA)、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸などの抗酸化剤;グリチルリチン、アラントインなどの抗炎症剤;ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン塩、パラヒドロキシ安息香酸エステルなどの抗菌剤;アスコルビン酸、アルブチンなどの美白剤;スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)等の過酸化物抑制剤などの種々の公知物質等を配合することができる。
また、オウゴンエキス、イチョウエキス、シャクヤクエキス、胎盤抽出物、乳酸菌培養抽出物などの植物・動物・微生物由来の各種抽出物などを自由に添加して使用することが出来る。
【0016】
本発明の皮膚外用剤とは、外用可能な剤であって、その剤型には特に制限はなく、例えば、ペースト剤、クリーム、ジェル、軟膏、ローション、乳液、パック、パウダー、パップ剤などが例示できる。
本発明の浴用剤の剤型としては、適用可能なあらゆる剤型を意味し、例えば、粉末、顆粒状などの固形製剤、乳液、ペースト状などの液体製剤などが挙げられる。
本発明の飲食物並びに飼料の剤型としては、適用可能なあらゆる形態を意味し、例えば、ビスケット、クッキー、錠剤、カプセル剤、キャンディー、粉末などの固形剤や飲料などの液体製剤、ゼリーなどの半固形製剤などが挙げられる。
また、本発明の皮膚外用剤、浴用剤ならびに飲食物並びに飼料には、その剤型化のために界面活性剤、油脂類などの基剤成分や、必要に応じて増粘剤、防腐剤、等張化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、香料、着色料など種々の添加剤を併用できる。
【0017】
上記の界面活性剤として、限定されるものではないが、一般的な非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤を用いることができる。例えば、高級アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステル、硬化ひまし油のアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ステロール等のアルキレンオキサイド付加物等の非イオン系界面活性剤;アルキル硫酸ナトリウム、アルキロイルメチルタウリンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等の陰イオン系界面活性剤;塩化アルキルピリジニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸ナトリウム、アルキルポリアミノエチルグリシン等の両イオン性界面活性剤が挙げられる。そして、これらのうち1種又は2種以上を選択して使用することができる。
【0018】
本発明において使用可能な基剤成分として、限定されるものではないが、例えば、オリーブ油、ツバキ油、ホホバ油、アボガド油、マカデミアナッツ油、杏仁油、スクワラン、スクワレン、馬油など、一般的に知られている油脂類が挙げられる。
【0019】
増粘剤の例として、限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、及びこれらの各種誘導体;ヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース類及びその誘導体;デキストラン、ゼラチン、アラビアガム、トラガントガムなどのガム類;カルボキシビニルポリマーなどの水溶性高分子などが挙げられる。
防腐剤の例として、限定されるものではないが、例えば、パラヒドロキシ安息香酸エステル、塩化アルキルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン塩、ヒノキチオールなどが挙げられる。
等張化剤の例として、限定されるものではないが、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどの無機塩類が挙げられる。
紫外線吸収剤の例として、限定されるものではないが、例えば、パラアミノ安息香酸、ベンゾフフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。
キレート剤の例として、限定されるものではないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸、フィチン酸、クエン酸及びこれらの水溶性塩などが挙げられる。
本発明の飲食物には、通常の食品に使用されている様々な材料を使用することができる。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0021】
脂肪細胞を用いた試験
Zen-Bio社から購入したヒト白色脂肪前駆細胞を用いて、規定の調整法に基づき、分化、培養した。
白色脂肪が増殖した培地を100μl吸引後、25mg/ml及び8.5mg/mlの濃度に水−エタノール(1:1)に溶解した生薬抽出物(乾燥品)を、各Well当たり、6μl加えた。その後wellに194μlの脂肪細胞用培地を加え、全量を300μlとした。このwellを5%CO2、37℃で72時間培養した。なお生薬抽出物の最終濃度は0.5mg/ml及び0.17mg/mlである。
72時間後、上清の培地を3000rpm、15min遠心し、上清を除去した後の96wellプレートに、ホルマリン処理、オイルレッド染色した後、イソプロピルアルコールで色素を抽出し、脂肪の定量を行った。
【0022】
【表1】


【0023】
表1に示すように、実施例1〜7の生薬は、無添加のものと比べ10%以上も向上した脂肪細胞への脂肪蓄積作用を有することが明らかである。
【0024】
皮膚外用剤の処方例と効果
表2に示す組成で皮膚外用剤を調製した。調製法は下記の通りである。
まず、a成分を約70〜80℃に加熱した。c成分の約80%を用いて、b成分を約70〜80℃で加熱溶解させ、この溶液を、約70〜80℃でa成分に、撹拌しながら徐々に加えた。次いで、これを室温まで冷却し、d成分及びe成分を加え、均一になるまで混合した。
ここで、表2中、a成分の、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(60)脂肪酸ソルビタンの括弧内の数字はエチレンオキサイドの付加モル数を示す。
c成分の「残」とは、皮膚外用剤の全量を100gとするための量を意味する。d成分のカルボキシビニルポリマーには、カーボポール940(BF Good rich社製)を用いた。また、e成分の各種エキスには、蒸発残分1重量%の溶液(溶媒は50%v/v 1,3−ブチレングリコール水を用いた)を用いた。
各実施例及び比較例について女性2名ずつの5群、計10名に対してモニターを行い、バストサイズの増減を調べた。なお、皮膚外用剤の使用方法は、入浴後に各外用剤を手のひらに500円玉大取り、マッサージしながら塗擦する以外は通常の生活をして、これを1か月間続けた。試験前後のバストサイズを採寸した。
【0025】
【表2】


【0026】
浴用剤の処方例と効果
表3に示す組成で浴用剤を調整した。f成分とg成分をそれぞれ別々に混合した後f成分とg成分とを均一になるまで混合して浴用剤を得た。ここで、表3中の各種エキスには、蒸発残分1重量%の溶液(溶媒は50%v/v 1,3−ブチレングリコール水を用いた)を用いた。流動パラフィン成分の「残」とは、全量を100gとするための量を意味する。
各実施例及び比較例について、女性2名ずつの5群、計10名に対してモニターを行い、使用感調査した。使用方法は150L(リットル)の浴槽に浴用剤30gを溶かし、よく混ぜた後に入浴した以外は通常の生活をしてこれを1か月続けた。
1か月後、バストについて、下記の3段階にて使用感を評価した。
○:ハリがでたと感じる
△:ややハリがでたと感じる
×:変わらない
【0027】
【表3】


【0028】
飲食物の処方例と効果
ゼリエース(ハウス食品)に、予め生薬抽出物を溶解した80℃のお湯に溶かし、型に10gずつ流し入れた後冷蔵庫で固めた。ここで、表4中のエキスは、乾燥したものを用いた。お湯の「残」とは、全量を100gとするための量を意味する。
各実施例及び比較例について女性2名ずつの5群、計10名に対してモニターを行い、バストサイズの増減を調べた。なお、ゼリーを就寝前に1つ食べること以外は通常の生活をして、これを1か月間続けた。試験前後のバストサイズを採寸した。
【0029】
【表4】









【出願人】 【識別番号】000226161
【氏名又は名称】日華化学株式会社
【出願日】 平成15年10月23日(2003.10.23)
【代理人】 【識別番号】100091731
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 千嘉

【識別番号】100080355
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公佑

【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次

【識別番号】100105290
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 昭次

【公開番号】 特開2005−126350(P2005−126350A)
【公開日】 平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願番号】 特願2003−362632(P2003−362632)