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【発明の名称】 サイトカイン産生抑制剤
【発明者】 【氏名】加藤 文法
【住所又は居所】滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原産業株式会社中央研究所内

【氏名】木村 博彦
【住所又は居所】滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原産業株式会社中央研究所内

【氏名】玉井 清
【住所又は居所】滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原産業株式会社中央研究所内

【氏名】佐野 光夫
【住所又は居所】滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原産業株式会社中央研究所内

【氏名】酒井 祈美枝
【住所又は居所】滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原産業株式会社中央研究所内

【要約】 【課題】従来、重症化した免疫・アレルギー性疾患をTh1或いは、Th2タイプの免疫応答を特異的に制御し、治療することは困難であり、種々の副作用を起こすステロイド剤、シクロスポリンやFK506などの免疫抑制剤とは異なった、新しいタイプのサイトカイン産生抑制剤の開発が待望されている。

【解決手段】より優れたサイトカイン産生抑制剤を見出すべく種々検討した結果、本発明により、式(I):
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


〔式中、A及びBはそれぞれCH又はNであり、但しAがNのときBはNであり;Xはハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基であり;mは0〜5の整数であり、mが2以上のとき複数のXは同一であっても異なっていてもよく、隣接する2つのXは一緒になって芳香環を形成してもよく;TはS、O又はNHであり;Yはハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基又はアルコキシ基であり;nは0〜4の整数であり、nが2以上のとき複数のYは同一であっても異なっていてもよく;R1はアルキル基、ハロアルキル基、置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、アルコキシアルキル基、フェノキシ基又はピリジルオキシ基であり;R2は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基又はカルボキシル基であるか;或いはR1及びR2は一緒になってアルキレン鎖による環を形成してもよく;Zは水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシルオキシメチル基、置換されてもよいアリールオキシ基、NR78基又はNHNR78基であり;R7及びR8はそれぞれ水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環基、水酸基、アルコキシ基又は置換されてもよいアリールスルホニル基であるか或いはR7とR8が一緒になってヘテロ原子を含むか含まずして環を形成してもよい〕で表される化合物又はその塩を有効成分として含有するサイトカイン産生抑制剤。
【請求項2】
式(I)の化合物においてTがS又はOである請求項1に記載のサイトカイン産生抑制剤。
【請求項3】
サイトカインがTh1タイプサイトカインである請求項1に記載のサイトカイン産生抑制剤。
【請求項4】
サイトカインがインターフェロンγである請求項1に記載のサイトカイン産生抑制剤。
【請求項5】
サイトカインがTh2タイプサイトカインである請求項1に記載のサイトカイン産生抑制剤。
【請求項6】
サイトカインがインターロイキン5である請求項1に記載のサイトカイン産生抑制剤。
【請求項7】
式(I)の化合物又はその塩を有効成分として含有する免疫機能の異常亢進を伴う疾患に対する予防又は治療薬。
【請求項8】
免疫機能の異常亢進を伴う疾患が、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎及びアトピー性皮膚炎からなる群から選ばれる少なくとも一種のアレルギー性疾患である請求項7に記載の予防又は治療薬。
【請求項9】
免疫機能の異常亢進を伴う疾患が、好酸球増加症候群又は喘息である請求項7に記載の予防又は治療薬。
【請求項10】
式(I−1):
【化2】


〔式中、AはCX4又はNであり;X1、X2、X3及びX4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基であるか;又はX3及びX4が一緒になって芳香環を形成してもよく;Yはハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基又はアルコキシ基であり;nは0〜4の整数であり;R1はアルキル基、ハロアルキル基、置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、アルコキシアルキル基、フェノキシ基又はピリジルオキシ基であり;R2は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基又はカルボキシル基であるか;或いはR1及びR2は一緒になってアルキレン鎖による環を形成してもよく;Zは水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシルオキシメチル基、置換されてもよいアリールオキシ基、NR78基又はNHNR78基であり;R7及びR8はそれぞれ水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環基、水酸基、アルコキシ基又は置換されてもよいアリールスルホニル基であるか;或いはR7とR8が一緒になってヘテロ原子を含むか含まずして環を形成してもよい〕で表される化合物又はその塩。
【請求項11】
AがCX4であり、X1、X2、X3及びX4がそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基である請求項10に記載の化合物又はその塩。
【請求項12】
AがCX4であり、X1及びX2がそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基であり、X3及びX4が一緒になって芳香環を形成する請求項10に記載の化合物又はその塩。
【請求項13】
AがNであり、X1、X2及びX3がそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基である請求項10に記載の化合物又はその塩。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、サイトカイン産生抑制剤に関する。サイトカイン産生抑制剤は、免疫機能の異常亢進を伴う疾患に対する予防又は治療薬として有用である。
【背景技術】
【0002】
生体の免疫反応において、種々の免疫担当細胞から産生されるサイトカインは免疫応答の方向性を制御している。この免疫応答制御において中心的な役割を担っているのが、ヘルパーT細胞であり、産生するサイトカインの種類によって、Th1とTh2のサブセットに分類されている。Th1タイプ細胞は、主にインターロイキン2(IL−2)、インターフェロンγ(IFN−γ)等を産生し、ウイルス、バクテリア等に対する感染防御などの細胞性免疫に関与することが知られている。Th2タイプ細胞は、主にインターロイキン4(IL−4)、インターロイキン5(IL−5)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン10(IL−10)、インターロイキン13(IL−13)等を産生し、寄生虫に対する感染防御やB細胞からの抗体産生などの液性免疫に関与することが知られている。しかしながら、これらの生体防御機構の制御が何らかの原因で不能となったり、或いは低下した場合、免疫機能の異常亢進やバランス異常が起こり様々な疾患を誘発、増悪することが明らかとなってきた。
【0003】
Th2タイプの免疫応答は、その異常亢進に起因して、IgE抗体や肥満細胞が主に関与する即時型アレルギー反応、好酸球が主に関与する遅延型アレルギー反応などアレルギー性炎症反応が誘導、活性化され、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎等種々のアレルギー性疾患の誘発、増悪に深く関与している。また、全身性エリテマトーデス等の抗体産生或いは液性免疫が異常に亢進した病態にある全身性自己免疫疾患もやはりTh2タイプの免疫応答の異常亢進が深く関わっている。これらのアレルギー性疾患を予防又は治療するためにはTh2タイプの免疫応答を制御することが重要であると考えられる。一方、Th1タイプの免疫応答は、その異常亢進に起因して、細胞性免疫反応を誘導、活性化し、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症等の臓器特異的自己免疫疾患の誘発、増悪に深く関与している。また、臓器移植に伴う拒絶反応は、やはりTh1タイプの細胞性免疫反応が深く関わっている。これらの自己免疫疾患や移植後の拒絶反応を予防又は治療するためにはTh1タイプの免疫応答を制御することが重要であると考えられる。
【0004】
米国特許第4248618号には除草活性を持った(ピリミジルオキシ)フェノキシアルカンカルボン酸及びその誘導体が開示されている。しかしながら、それらの化合物はフェニル基がXを介してピリミジン環2位に結合している点が、後記式(I−1)の本発明化合物と異なる。ドイツ公開特許公報第3205638号の表1には、化合物No.96として、α−〔4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシカルボニルピリミジン−6−イルオキシ)フェノキシ〕プロピオン酸エチルが記載されている。しかしながら、この化合物はフェニル基が酸素原子を介してピリミジン環と結合している点が、後記式(I−1)の本発明化合物と異なる。また、これら化合物がサイトカイン産生抑制効果をもつことは知られていない。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4248618号
【特許文献2】ドイツ公開特許公報第3205638号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在までのところ、これら重症化した免疫・アレルギー性疾患をTh1或いは、Th2タイプの免疫応答を特異的に制御し、治療することは困難であり、ステロイド剤の他、シクロスポリンやFK506などTh1及びTh2タイプのサイトカイン産生を両者共に強力に抑制する免疫抑制剤が、これら疾患の治療体系の主体を成しているのが現状である。しかしながらステロイド剤では、副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、緑内障など種々の副作用が、シクロスポリンやFK506では腎障害、中枢神経障害などの重篤な副作用が問題となり、これらとは異なった新しいタイプのサイトカイン産生抑制剤の開発が待望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、既存剤の有効成分とは全く化学構造が異なる化合物がサイトカイン産生抑制作用を有することを見出し、本発明を提案するに至った。これらは、Th2タイプのサイトカイン産生を抑制することにより、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎等の種々のアレルギー性疾患;全身性エリテマトーデス等の抗体産生或いは液性免疫が異常に亢進した全身性自己免疫疾患に対する予防又は治療薬として有用である。また、Th1タイプのサイトカイン産生を抑制することにより、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症等の臓器特異的自己免疫疾患;臓器移植に伴う拒絶反応に対する予防又は治療薬として有用である。
【0008】
本発明者らは、より優れたサイトカイン産生抑制剤を見出すべく種々検討した結果、本発明を完成した。すなわち本発明は、式(I):
【0009】
【化1】


〔式中、A及びBはそれぞれCH又はNであり、但しAがNのときBはNであり;Xはハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基であり;mは0〜5の整数であり、mが2以上のとき複数のXは同一であっても異なっていてもよく、隣接する2つのXは一緒になって芳香環を形成してもよく;TはS、O又はNHであり;Yはハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基又はアルコキシ基であり;nは0〜4の整数であり、nが2以上のとき複数のYは同一であっても異なっていてもよく;R1はアルキル基、ハロアルキル基、置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、アルコキシアルキル基、フェノキシ基又はピリジルオキシ基であり;R2は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基又はカルボキシル基であるか;或いはR1及びR2は一緒になってアルキレン鎖による環を形成してもよく;Zは水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシルオキシメチル基、置換されてもよいアリールオキシ基、NR78基又はNHNR78基であり;R7及びR8はそれぞれ水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環基、水酸基、アルコキシ基又は置換されてもよいアリールスルホニル基であるか、或いはR7とR8が一緒になってヘテロ原子を含むか含まずして環を形成してもよい〕で表される化合物又はその塩を有効成分として含有するサイトカイン産生抑制剤に関する。
【0010】
前記式(I)の化合物の塩は、薬学的に許容される塩であればよく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩;p−トルエンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩;カリウム塩、ナトリウム塩などのようなアルカリ金属塩;カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機アミン塩などが挙げられる。また、これらの塩の中で結晶水をもつものもある。
【0011】
式(I)に含まれるハロゲン原子又はハロゲン部分としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。ハロアルキル基としては、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基であってよく、トリフルオロメチル基が望ましい。
【0012】
アルキル基又はアルキル部分としては、炭素数1〜20のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ノナデシルなどが挙げられ、それらは直鎖又は枝分かれ脂肪鎖の構造異性のものも含む。
【0013】
シクロアルキル基又はシクロアルキル部分としては、炭素数3〜10のもの、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどの単環式基の他、縮合型多環式基、架橋型多環式基などが挙げられる。
【0014】
アリール基又はアリール部分としては、フェニルの他、ナフチル、インダニル、テトラヒドロナフチルのような縮合型多環式基が挙げられる。
【0015】
複素環基又は複素環部分としては、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル(3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル又は5−イソオキサゾリル)、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、オキサジアゾリル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、チアジアゾリル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、トリアゾリル、トリアゾリニル、トリアゾリジニル、テトラゾリル、テトラゾリニル、テトラゾリジニル、ジオキソリル、ジオキソラニル、ジチオリル、ジチオラニル、ピリジル(2-ピリジル、3−ピリジル又は4−ピリジル)、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ピペリジニル、ピリミジル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、ヘキサヒドロピリミジル、ピリダジニル、ジヒドロピリダジニル、テトラヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ピラジニル、ジヒドロピラジニル、テトラヒドロピラジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキシニル、ジオキセニル、ジオキサニル、ジチアニル、モルホリニルなどの単環式複素環基;チエノチエニル、ジヒドロシクロペンタチエニル、インドリル、テトラヒドロインドリル、イソインドリル、テトラヒドロイソインドリル、ベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、ベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、テトラヒドロベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、テトラヒドロベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、テトラヒドロベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、テトラヒドロベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジチオリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジチアニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニルなどの縮合型多環式複素環基;キヌクリジニルのような架橋型多環式複素環基などが挙げられる。
【0016】
置換されてもよいアルキル基の二次置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、置換可アルコキシ基、置換可アルキルチオ基、置換可アルケニルオキシ基、置換可アルケニルチオ基、置換可アルキニルオキシ基、置換可アルキニルチオ基、置換可シクロアルキル基、置換可シクロアルケニル基、置換可シクロアルコキシ基、置換可シクロアルキルチオ基、置換可シクロアルケニルオキシ基、置換可シクロアルケニルチオ基、置換可アルコキシカルボニル基、置換可アルキルカルボニル基、置換可アルキルカルボニルオキシ基、置換可アルケニルオキシカルボニル基、置換可アルケニルカルボニル基、置換可アルケニルカルボニルオキシ基、置換可アルキニルオキシカルボニル基、置換可アルキニルカルボニル基、置換可アルキニルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルコキシカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルケニルオキシカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニルオキシ基、置換可アリール基、置換可アリールオキシ基、置換可アリールチオ基、置換可アリールオキシカルボニル基、置換可アリールカルボニル基、置換可アリールカルボニルオキシ基、置換可複素環基、置換可複素環オキシ基、置換可複素環チオ基、置換可複素環オキシカルボニル基、置換可複素環カルボニル基、置換可複素環カルボニルオキシ基、置換可アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換可アミノカルボニル基、置換可アルキルスルホニル基、置換可アルケニルスルホニル基、置換可アルキニルスルホニル基、置換可シクロアルキルスルホニル基、置換可シクロアルケニルスルホニル基、置換可アリールスルホニル基、置換可複素環スルホニル基、置換可アミノスルホニル基などが挙げられ、それらの置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、置換基の数が2個以上の場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0017】
置換されてもよいフェニル基、置換されてもよい複素環基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基及び置換されてもよいアリールスルホニル基の二次置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、置換可アルキル基、置換可アルケニル基、置換可アルキニル基、置換可アルコキシ基、置換可アルキルチオ基、置換可アルケニルオキシ基、置換可アルケニルチオ基、置換可アルキニルオキシ基、置換可アルキニルチオ基、置換可シクロアルキル基、置換可シクロアルケニル基、置換可シクロアルコキシ基、置換可シクロアルキルチオ基、置換可シクロアルケニルオキシ基、置換可シクロアルケニルチオ基、置換可アルコキシカルボニル基、置換可アルキルカルボニル基、置換可アルキルカルボニルオキシ基、置換可アルケニルオキシカルボニル基、置換可アルケニルカルボニル基、置換可アルケニルカルボニルオキシ基、置換可アルキニルオキシカルボニル基、置換可アルキニルカルボニル基、置換可アルキニルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルコキシカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニル基、置換可シクロアルキルカルボニルオキシ基、置換可シクロアルケニルオキシカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニル基、置換可シクロアルケニルカルボニルオキシ基、置換可アリール基、置換可アリールオキシ基、置換可アリールチオ基、置換可アリールオキシカルボニル基、置換可アリールカルボニル基、置換可アリールカルボニルオキシ基、置換可複素環基、置換可複素環オキシ基、置換可複素環チオ基、置換可複素環オキシカルボニル基、置換可複素環カルボニル基、置換可複素環カルボニルオキシ基、置換可アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換可アミノカルボニル基、置換可アルキルスルホニル基、置換可アルケニルスルホニル基、置換可アルキニルスルホニル基、置換可シクロアルキルスルホニル基、置換可シクロアルケニルスルホニル基、置換可アリールスルホニル基、置換可複素環スルホニル基、置換可アミノスルホニル基などが挙げられ、それら置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、置換基の数が2個以上の場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0018】
上記二次置換基のうち、置換可である各基の三次置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アルキニルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルキニルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、シクロアルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、複素環カルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、シクロアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルケニルアミノカルボニル基、アルキニルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、シクロアルケニルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、複素環アミノカルボニル基、アミノスルホニル基、アルキルアミノスルホニル基、ジアルキルアミノスルホニル基、アルケニルアミノスルホニル基、アルキニルアミノスルホニル基、シクロアルキルアミノスルホニル基、シクロアルケニルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基、複素環アミノスルホニル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、シクロアルケニルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルケニルカルボニルアミノ基、アルキニルカルボニルアミノ基、シクロアルキルカルボニルアミノ基、シクロアルケニルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、複素環カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アルケニルスルホニルアミノ基、アルキニルスルホニルアミノ基、シクロアルキルスルホニルアミノ基、シクロアルケニルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基などが挙げられ、それら三次置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、2個以上の場合、それら置換基は同一であっても異なっていてもよい。さらに、二次置換基が2個の三次置換基により置換されたアミノ基である場合、その三次置換基が一緒になってヘテロ原子を含むか含まずして環を形成してもよい。
【0019】
また、これら三次置換基のアルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、シクロアルキル部分、シクロアルケニル部分、アリール部分、複素環部分は、さらにハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキルチオ基、ハロアルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アミノスルホニル基、アルキルアミノスルホニル基、ジアルキルアミノスルホニル基、、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基などの四次置換基で置換されていてもよく、それら置換基の数は1個であっても2個以上であってもよく、置換基の数が2個以上の場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、免疫機能の異常亢進を伴う疾患の治療薬及び/又は予防薬として有用なサイトカイン産生抑制剤を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の望ましい実施形態のいくつかを記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記した式(I)の化合物又はその塩の中では、TがS又はOである化合物が望ましい。また、以下の化合物は、従来、具体的に知られていなかった化合物である。
【0022】
(1)式(I−1):
【0023】
【化2】


〔式中、AはCX4又はNであり;X1、X2、X3及びX4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基であるか;又はX3及びX4が一緒になって芳香環を形成してもよく;Yはハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基又はアルコキシ基であり;nは0〜4の整数であり;R1はアルキル基、ハロアルキル基、置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、アルコキシアルキル基、フェノキシ基又はピリジルオキシ基であり;R2は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基又はカルボキシル基であるか;或いはR1及びR2は一緒になってアルキレン鎖による環を形成してもよく;Zは水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシルオキシメチル基、置換されてもよいアリールオキシ基、NR78基又はNHNR78基であり;R7及びR8はそれぞれ水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環基、水酸基、アルコキシ基又は置換されてもよいアリールスルホニル基であるか;或いはR7とR8が一緒になってヘテロ原子を含むか含まずして環を形成してもよい〕で表される化合物又はその塩。
【0024】
(2)AがCX4であり、X1、X2、X3及びX4がそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基である(1)の化合物又はその塩。
【0025】
(3)AがCXであり、X1、X2、X3及びX4がそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基であり、Rが水素原子である(1)の化合物又はその塩。
【0026】
(4)式(I−2a):
【0027】
【化3】


で表される(3)の化合物又はその塩。
【0028】
(5)式(I−2b):
【0029】
【化4】


で表される(3)の化合物又はその塩。
【0030】
(6)AがCX4であり、X1及びX2が各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基であり、X3及びX4が一緒になって芳香環を形成する(1)の化合物又はその塩。
【0031】
(7)AがNであり、X1、X2及びX3が各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はメチルスルホニル基である(1)の化合物又はその塩。
また、前記式(I)には以下の化合物群が含まれる。
【0032】
(8)式(I−3):
【0033】
【化5】


〔式中、X、X、X、X及びXのそれぞれは前記Xと同じ基であり、T、Y、n、R、R及びZは前述の通りである〕で表される化合物又はその塩。
【0034】
(9)TがSであり、Rが水素原子である(8)の化合物又はその塩。
【0035】
(10)式(I−4a):
【0036】
【化6】


で表される(9)の化合物又はその塩。
【0037】
(11)式(I−4b):
【0038】
【化7】


で表される(9)の化合物又はその塩。
【0039】
前記式(I)の化合物或いは式(I−1)の化合物は、サイトカイン産生抑制剤の有効成分として有用な化合物であり、例えば以下に列記した免疫機能の異常亢進を伴う疾患の予防又は治療薬として有用である。
(1)蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎及びアトピー性皮膚炎から選ばれる少なくとも一種のアレルギー性疾患。
(2)好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎及びアトピー性皮膚炎から選ばれる少なくとも一種のアレルギー性疾患。
(3)好酸球増加症候群又は喘息。
(4)抗体産生或いは液性免疫が異常に亢進した病態にある全身性自己免疫疾患。
(5)慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症及び多発性硬化症から選ばれる少なくとも一種の臓器特異的自己免疫疾患。
(6)免疫機能の異常亢進を伴う疾患が、移植(臓器、組織、骨髄、輸血)に伴う拒絶反応。
【0040】
前記式(I)の化合物又はその塩は、下記〔1〕〜〔3〕の製法によって製造することができる。
【0041】
製法〔1〕
式(II):
【0042】
【化8】


【0043】
(式中、A、B、X、m、T、Y及びnは前述の通りである)で表される化合物と、
式(III):
Hal−CR1(R2)−COZ
(式中、Hal、R1、R2及びZは前述の通りである)で表される化合物とを反応させて、前記式(I)の化合物を製造する方法。
【0044】
製法〔1〕の反応は、適当な溶媒の存在下で行うことができる。具体的に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,石油エーテル,リグロイン,石油ベンジンなどの脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;スルホランなどのスルホン類;ヘキサメチルホスホルアミドなどのリン酸アミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0045】
製法〔1〕において、反応を効率的に行うためには、塩基の存在下で反応を行うのが望ましい。具体的に使用される塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルコキシド類などを挙げることができる。
【0046】
製法〔1〕の反応は、一般に0〜150 ℃、望ましくは0〜100 ℃の反応温度で行われる。反応時間は、一般に0.5〜48時間である。
【0047】
なお、製法〔1〕で得られた式(I)の化合物は、常法によって、式(I)で表される他の化合物に変換することもできる。例えば式(A):
【0048】
【化9】


で表される化合物は、前記式(I)において、Zがアルコキシ基である化合物を通常の加水分解反応に供することにより製造することができる。また、式(B):
【0049】
【化10】


で表される化合物は、前記式(A)の化合物を塩化チオニル、ホスゲン等の塩素化剤で酸クロリド誘導体とし、HNRで表される化合物(式中、R及びRは前述の通りである)とを反応させて製造することができる。
【0050】
製法〔1〕における反応諸条件は各々適宜相互に組み合わせることができる。また、これら反応諸条件の中には、通常範囲の反応条件と望ましい範囲の反応条件を有するものがあるが、これらも適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
【0051】
製法〔2〕
式(C):
【0052】
【化11】


(式中、A、B、X、m、T、Y、n及びZは前述の通りである)で表される化合物を臭素化し、式(D):
【0053】
【化12】


(式中、A、B、X、m、T、Y、n及びZは前述の通りである)で表される化合物とした後、このものをR'H(式中、R'は置換されてもよいフェノキシ基又は置換されてもよい複素環オキシ基である)で表される化合物と反応させて、式(E)
【0054】
【化13】


(式中、A、B、X、m、T、Y、n、R’及びZは前述の通りである)で表される化合物を製造する方法。
【0055】
製法〔2〕の反応は、適当な溶媒の存在下で行うことができる。具体的に使用される溶媒としては、、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,石油エーテル,リグロイン,石油ベンジンなどの脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;スルホランなどのスルホン類;ヘキサメチルホスホルアミドなどのリン酸アミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0056】
製法〔2〕において、反応を効率的に行うためには、塩基の存在下で反応を行うのが望ましい。具体的に使用される塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルコキシド類などを挙げることができる。
【0057】
製法〔2〕の反応は、一般に0〜150 ℃、望ましくは0〜100 ℃の反応温度で行われる。反応時間は、一般に0.5〜48時間である。
【0058】
製法〔2〕における反応諸条件は各々適宜相互に組み合わせることができる。また、これら反応諸条件の中には、通常範囲の反応条件と望ましい範囲の反応条件を有するものがあるが、これらも適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
【0059】
製法〔3〕
式(IV):
【0060】
【化14】


(式中、A、B、X及びmは前述の通りであり、Halはハロゲン原子である)で表される化合物と、式(V):
【0061】
【化15】


(式中、T、Y及びnは前述の通りである)で表される化合物とを反応させることにより、式(II):
【0062】
【化16】


(式中、A、B、X、m、T、Y及びnは前述の通りである)で表される化合物を製造する方法。
【0063】
製法〔3〕の反応は、適当な溶媒の存在下で行うことができる。具体的に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,石油エーテル,リグロイン,石油ベンジンなどの脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;スルホランなどのスルホン類;ヘキサメチルホスホルアミドなどのリン酸アミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0064】
製法〔3〕において、反応を効率的に行うためには、塩基の存在下で反応を行うのが望ましい。具体的に使用される塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルコキシド類などを挙げることができる。
【0065】
製法〔3〕の反応は、一般に0〜150 ℃、望ましくは0〜100 ℃の反応温度で行われる。反応時間は、一般に0.5〜24時間である。
【0066】
製法〔3〕の反応において、前記式(IV)の化合物1モルに対して式(V)の化合物は、0.8〜2当量、望ましくは1〜1.5当量の割合で使用することができる。
【0067】
製法〔3〕における反応諸条件は各々適宜相互に組み合わせることができる。また、これら反応諸条件の中には、通常範囲の反応条件と望ましい範囲の反応条件を有するものがあるが、これらも適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
【0068】
上記した製法〔1〕〜〔3〕及びそれに付随した方法で得られた前記式(I)の化合物は、公知の手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、蒸留、分留、転溶、溶媒抽出、結晶化、再結晶、クロマトグラフィーなどにより単離、精製することができる。
【0069】
前記式(I)の化合物がフリー体で得られた場合、通常の方法で塩を形成させることができる。また、前記式(I)の化合物又はその塩、その立体異性体はそれぞれ単独で、或いは混合物の状態でサイトカイン産生抑制作用を示す。特に立体異性(S)体は立体異性(R)体と比較してTh2サイトカイン産生抑制作用が強い。
【0070】
式(I)の化合物は、通常、一般的な医薬製剤の形態で用いられる。この医薬製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤或いは賦形剤を用いて調製される。医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、錠剤、丸剤、散剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、液剤、懸濁剤、乳剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、スプレー、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、経皮剤(パッチ剤、マトリクス剤、テープ)等が一例として挙げられる。
【0071】
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で公知のものを広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或いは二重錠、多層錠とすることができる。
【0072】
丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例示できる。
【0073】
坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
【0074】
注射剤として調製される場合には、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用でき、例えば水、乳酸水溶液、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。なお、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖或いはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有せしめてもよい。
【0075】
式(I)の化合物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%とするのが望ましい。
【0076】
式(I)の化合物の投与方法は特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じた方法で経口的又は非経口的に投与される。例えば経口的に投与される場合には、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤等が望ましい態様として挙げられる。非経口的には、局所投与剤、注射剤、経皮剤、経鼻剤、経肺剤、坐剤、点眼剤等の形で投与することができる。注射剤の場合には単独で或いはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与されるのが望ましい。また、坐剤の場合には直腸内投与されるのが望ましい。
【0077】
式(I)の化合物の投与量は、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常、1日当り体重1kg当り約0.05〜50 mgとするのがよく、1回又は数回に分けて投与することができる。また、投与単位形態中に有効成分を1〜1000 mg含有せしめるのが望ましい。
【0078】
なお、式(I)の化合物と同様に、前記式(II)の化合物もサイトカイン産生抑制作用を有し、免疫機能の異常亢進を伴う疾患に対する予防又は治療薬として有用である。
【実施例】
【0079】
次に本発明に係わる実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0080】
合成例1
α-[4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノキシ]プロピオン酸エチルエステル(化合物No.1-28)の合成
(1)4-メルカプトフェノール0.51 g、ナトリウムメチラート(28%メタノール溶液) 0.78 g及びメタノール溶液15 mLを混合し、室温下20分攪拌後、4-クロロ-2,6-ビストリフルオロメチルピリジン1.0 gを添加した。その後3時間室温下で攪拌した後、反応液を冷水200 mL中に注ぎ込み、1N-塩酸にて酸性に調整した後、酢酸エチル70 mLで抽出した。次に、その液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2溶出)で精製して、融点62-64 ℃の4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノール(化合物No.5-6)1.12 gを得た。
【0081】
(2)上記(1)で得られた4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノール1.00 g、α-ブロモプロピオン酸エチルエステル0.54 g、無水炭酸カリウム0.49 g及びメチルイソブチルケトン15 mLを混合し、5時間100 ℃にて加熱下で反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、冷水100 mL中に注ぎ込んだ後、酢酸エチル50 mLで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=93:7溶出)で精製して、融点46-48 ℃の目的物0.99 gを得た。
【0082】
合成例2
α-[4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノキシ]プロピオン酸(化合物No.1-1)の合成
α-[4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノキシ]プロピオン酸エチルエステル(化合物No.1-28)0.99 g及び1,4-ジオキサン10 mLを混合後、1N-NaOH水溶液10 mLを添加した。その後2時間室温下で攪拌した後、反応液を水200 mLに注ぎ込み、1N-塩酸にて酸性に調整した後、酢酸エチル50 mLで抽出した。次に、その液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去して、融点150-151 ℃の目的物0.75 gを得た。
【0083】
合成例3
(S)-α-[4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノキシ]プロピオン酸エチルエステル(化合物No.1-16)の合成
4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノール(化合物No.5-6)0.60 g、R-(+)-α-ブロモプロピオン酸エチルエステル0.32 g、無水炭酸カリウム0.29 g及びメチルイソブチルケトン15 mLを混合し、5時間90 ℃にて加熱下で反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、冷水200 mL中に注ぎ込んだ後、酢酸エチル50 mLで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出)で精製して、油状の目的物0.37 gを得た。
【0084】
合成例4
(S)-α-[4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノキシ]プロピオン酸(化合物No.1-18)の合成
(S)-α-[4-(2,6-ビストリフルオロメチル-4-ピリジルチオ)フェノキシ]プロピオン酸エチルエステル(化合物No.1-16)0.27 g及び1,4-ジオキサン5 mLを混合後、1N-NaOH水溶液5 mLを添加した。その後90分間室温下で攪拌した後、反応液を水100 mLに注ぎ込み、1N-塩酸にて酸性に調整した後、酢酸エチル50 mLで抽出した。次に、その液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去して、融点166-169 ℃の目的物0.23 gを得た。
【0085】
合成例5
α-[4-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニルチオ)フェノキシ]プロピオン酸エチルエステル(化合物No.3-1)の合成
(1)4-メルカプトフェノール0.52 g及びジメチルスルホキシド9 mLを混合後、窒素下50 ℃で8N-水酸化ナトリウム水溶液1.5 mLを滴下した。次に、予めジメチルスルホキシド1 mLに溶解した1,3-ビストリフルオロメチル-5-ブロモベンゼン1 gを添加した後、3時間100 ℃にて加熱下で反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、冷水200 mL中に注ぎ込み、1N-塩酸にて酸性に調整した後、酢酸エチル70 mLで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。次に、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2溶出)で精製して、融点89-91 ℃の4-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニルチオ)フェノール(化合物No.7-1)0.85 gを得た。
【0086】
(2)上記(1)で得られた4-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニルチオ)フェノール0.80 g、α-ブロモプロピオン酸エチルエステル0.43 g、無水炭酸カリウム0.39 g及びメチルイソブチルケトン15 mLを混合し、6時間90 ℃にて加熱下で反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、冷水100 mL中に注ぎ込んだ後、酢酸エチル50 mLで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出)で精製して、融点41-43 ℃の目的物0.93 gを得た。
【0087】
合成例6
α-[4-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニルチオ)フェノキシ]プロピオン酸(化合物No.3-2)の合成
α-[4-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニルチオ)フェノキシ]プロピオン酸エチルエステル(化合物No.3-1)0.65 g及び1,4-ジオキサン8mlを混合後、1N-NaOH水溶液8 mLを添加した。その後1時間室温下攪拌した後、反応液を水150 mLに注ぎ込み、1N-塩酸にて酸性に調整した後、酢酸エチル50 mLで抽出した。その液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去して、融点111-113 ℃の目的物0.57 gを得た。
【0088】
前記した製法[1]〜[2]及び合成例1〜6に準じた方法で製造される式(I)の化合物を第1表〜第4表に示す。一方、前記した製法[3]に準じた方法で製造される中間体化合物を第5表〜第8表に示す。なお、表中の置換基の置換位置は表中の化学式に付した置換位置番号に基づいて記載した。
【0089】
【表1】


【0090】
【表2】


【0091】
【表3】


【0092】
【表4】


【0093】
【表5】


【0094】
【表6】


【0095】
【表7】


【0096】
【表8】


【0097】
【表9】


【0098】
【表10】


【0099】
【表11】


【0100】
試験例1(サイトカイン産生抑制作用の評価試験)
マウス脾臓細胞を抗マウスCD3抗体及びIL-2を処理することによりサイトカイン産生を誘発した。このサイトカイン産生系に供試化合物を添加しその抑制作用を評価した。即ち、ホウ酸緩衝生理食塩溶液(pH8.5)にて10〜20μg/mLに調製した抗マウスCD3抗体を96穴細胞培養プレートに50 μL/穴ずつ分注し、4 ℃で18時間放置した。未反応液を除去し、ハンクス緩衝液で1回洗浄後、10%牛胎児血清(FCS)含有RPMI液で10 ng/mLに調製したIL−2を50 μL/穴ずつ分注した。陰性対照群では抗CD3抗体及びIL−2を除いて溶液のみを処理した。続いて、供試化合物希釈液(濃度100 ppm)を50 μL/穴ずつ分注し、これにBalb/cマウス(雌、7〜10週齢)の脾臓から調製した1×107個/mLの細胞懸濁液を100 μL/穴ずつ分注した。インキュベーター内(37 ℃、5%炭酸ガス)にて培養40〜48時間後、培養上清を回収し、ELISA法にてサイトカイン産生量を測定した。
【0101】
代表的なTh2タイプサイトカインとしてインターロイキン5(IL-5)を、代表的なTh1タイプサイトカインとしてインターフェロンγ(IFN-γ)をそれぞれ以下の方法にて測定した。即ち、IL−5の定量は、以下に示すELISA法にて行った。まず、1次抗体として、ラット抗マウスIL-5抗体(エンドジェン、CodeNo.MM−550C)を炭酸緩衝液(pH9.5)にて1 μg/mLに希釈し、50 μL/穴ずつ96ウェルプレート(IWAKI、CodeNo.3860−096)にまき、一晩(16〜24時間)4 ℃にてコートした。その後、プレートは、10 %FCS含有リン酸緩衝生理食塩水pH7.2(ブロッキングバッファ)にて37 ℃で2時間ブロッキングした(250 μL/穴)。プレートを0.05 %Tween20(ナカライテスク、CodeNo.281−51)を含むPBS(洗浄用バッファ)を用いて4回洗浄し、培養上清希釈液を50 μL/穴ずつまき、室温にて1時間インキュベートした。検量線作成のため、リコンビナントマウスIL−5(R&Dシステムズ、CodeNo.405−ML)を使用した。プレートを洗浄用バッファを用いて4回洗浄し、二次抗体としてビオチン標識ラット抗マウスIL−5抗体(ファーミンジェン、CodeNo.18062D)を0.05 %Tween20含有ブロッキングバッファにて0.5 μg/mLに希釈したものを加え(50 μL/穴)、室温にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄バッファにて4回洗浄後、ストレプトアビジン標識ペルオキシダーゼ(プロザイム、CodeNo.CJ30H001)を0.05 %Tween20含有ブロッキングバッファにて800倍希釈したものを加え(50 μL/穴)、室温、15分間反応した。プレートを洗浄バッファにて4回洗浄し、TNB基質溶液(シグマ、CodeNo.T−8665)100 μL/穴を加えて10〜20分間発色させた。1M硫酸溶液を100 μL/穴を加えて反応を停止後、マイクロプレートリーダー(スペクトラマックス、和光純薬工業)を用いて(波長450 nm)吸光度を測定した。IFN-γの定量には、1次抗体としてラット抗マウスIFN−γ抗体(ファーミンジェン、CodeNo.18181D)、二次抗体としてビオチン標識ラット抗マウスIFN-γ抗体(ファーミンジェン、CodeNo.18112D)を用いてIL−5測定と同様の方法で行った。検量線作成のため、リコンビナントマウスIFN−γ(ジェンザイム、CodeNo.3485)を使用した。実験は、デュプリケートで行い、サイトカイン産生量の平均値を求めた。平均値より、以下の式にて抑制率(%)を求め、結果を第9表に示した。
抑制率(%)={1−(T−N)/(P−N)}×100
ここで、T:供試化合物処理群の平均値、N:陰性対照群の平均値、P:陽性対照群の平均値を表す。
【0102】
【表12】


【0103】
【表13】


【0104】
【表14】


【0105】
試験例2(マウスでの抗原(OVA)誘発IL−5産生における薬効評価試験)
BALB/cマウス(日本エスエルシーより購入、雄、5〜8週齡)の皮下にアラムアジュバント(硫酸アルミニュウムカリウム、ナカライテスク社製No.017−27)2 mgと共に調製したオブアルブミン(OVA)(SIGMA社製No.A−5503)0.2 mg/匹を免疫する。その2週間後、5 μg/mLのOVA生理食塩液0.2 mLをマウスの腹腔内に投与しインターロイキン−5(IL−5)の産生を惹起する。更に6時間後にマウスを炭酸ガスにて安楽死させ、pH7.2の0.01 Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)2 mLを腹腔内に注入し、腹部をよく揉んだ後、腹腔内液を回収する。回収液を冷却小型遠心機10,000 rpm、4 ℃、10分間遠心後、上清を回収し測定時まで−80 ℃にて冷凍保存する。IL−5産生量は、前記試験例と同様のELISA法により測定する。供試化合物は、OVA腹腔内投与1時間前に皮下或いは経口投与する。薬効評価は、溶媒対照と比較した抑制率(%)で表わせ、IL−5産生抑制効果をみることができる。
【0106】
試験例3(マウスでの抗原(OVA)誘発好酸球浸潤に対する薬効評価試験)
BALB/cマウス(日本エスエルシーより購入、雄、5〜8週齡)の皮下にアラムアジュバント(水酸化アルミニウムゲル、LSL社製No.LG−6000)2 mgと共に調製したオブアルブミン(OVA)(SIGMA社製No.A−5503)10 μg/匹を免疫する。その2週間後、再度同様にOVAを皮下免疫する。2回目の免疫の12日後、5 μg/mLのOVA生理食塩液0.2 mLをマウスの腹腔内に投与し好酸球浸潤を惹起する。更に24時間後にマウスを炭酸ガスにて安楽死させ、pH7.2の0.01 Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)2 mLを腹腔内に注入し、腹部をよく揉んだ後、腹腔内液を回収する。回収液をHinkelman液で染色し、好酸球数を顕微鏡或いは経口下にてカウントする。供試化合物は、OVA腹腔内投与1時間前に皮下投与する。薬効評価は、溶媒対照と比較した抑制率(%)で表せ、好酸球浸潤抑制効果をみることができる。
【0107】
試験例4(感作モルモットでの抗原(OVA)誘発気道過敏反応における薬効評価試験)
ハートレー系モルモット(九動株式会社より購入、雄、5週齡入荷)を1週間検疫馴化後、OVA10 μg及び水酸化アルミニウムゲル10 mgを含む生理食塩水0.5 mLを腹腔内投与することにより感作する。更に14日後に同様の抗原調製を行いブースター投与し、最終感作14〜21日目に気道反応性亢進に対する薬効評価試験を実施する。OVA吸入誘発30分前にピリラミン(10 mg/kg,ip)で処置し、超音波ネブライザー(オムロン社製NE−U12)を用い、10 mg/mLのOVA溶液を10分間吸入曝露した。覚醒下の気道抵抗の測定は、総合呼吸機能解析システム(MIPS社製Pulmos−I)を用い、OVA吸入誘発前及び4時間後に1回、それぞれ100呼吸分の気道抵抗(sRaw)を測定する。気道反応性の測定は、気道抵抗測定後、動物をペントバルビタール(50 mg/kg、ip)で麻酔し、気管及び総頚静脈にカニュ−レーションを行う。気管カニューレを定量式人工呼吸装置に接続し人工呼吸する。OVA吸入誘発5時間後のアセチルコリン(ACh)(5分間隔で2、5、10及び20 μg/kg、iv)の気道反応性を気道収縮として測定する。気道収縮は気管カニューレの副側路に接続した差圧トランスデューサ(Validyne,Gould)により通気圧の変化として測定する。供試化合物はOVA吸入1時間前に皮下或いは経口投与する。その結果、気道抵抗及び気道反応性の上昇が抑制される。
【0108】
試験例5(感作マウスでの抗原(OVA)誘発気道過敏反応における薬効評価試験)
BALB/cマウス(日本エスエルシーより購入、雄、5〜8週齡)の皮下にアラムアジュバント(硫酸アルミニュウムカリウム、ナカライテスク社製No.017−27)2mgと共に調製したオブアルブミン(OVA)(SIGMA社製No.A−5503)0.2 mg/匹を免疫する。更に14日後に同様の抗原調製を行い0.1 mg/匹ブースター投与する。最終感作14日目より3日間、超音波ネブライザー(オムロン社製NE−U12)を用い、20 mg/mLのOVA溶液を1日1回20分間吸入曝露する。覚醒下の気道反応性の測定は、無拘束チャンバーでの呼吸機能解析システム(BUXCO社製WBP−SYSTEM)を用い、最終OVA吸入誘発24時間後のメサコリン(MCh)(8分間隔で3、6、12、25及び50 mg/mL)の気道反応性をEnhanced pause(Penh)(Am J Respir Crit Care Med、156巻、766−775頁、1997b、Hamelmann Eらを参考)として測定する。供試化合物はOVA吸入1時間前毎に皮下或いは経口投与する。その結果、気道反応性の上昇が抑制される。
【出願人】 【識別番号】000000354
【氏名又は名称】石原産業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市西区江戸堀一丁目3番15号
【出願日】 平成15年8月8日(2003.8.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−60274(P2005−60274A)
【公開日】 平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願番号】 特願2003−290493(P2003−290493)